JP3216156B2 - ポリアミド樹脂製フィルム - Google Patents
ポリアミド樹脂製フィルムInfo
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Description
製フィルムに関するものである。詳しくは、本発明はフ
ィルム製造時の外観不良が少なく、かつ透明性、滑り性
及び印刷特性に優れたポリアミド樹脂製フィルムに関す
るものである。
ヤー性と機械的・熱的特性に優れているため、食品包装
を主体として、単層、他樹脂との多層フィルム、他材料
とのラミネートフィルム等として、広範囲な用途に使用
されている。こうしたポリアミド樹脂製フィルムは、滑
り性が悪いと、製袋時にフィルムが引っ掛かったり、多
色印刷時にインクの印刷ズレが生じたりすることがあ
る。このため、フィルムの滑り性は、フィルムの生産性
や品質・商品価値の点から極めて重要な特性である。
滑り性改良のために、これまで種々の方法が試みられて
きた。例えば、無機フィラー粒子を配合する方法(特公
昭54−4741号公報)や、ポリエチレンを配合する
方法(特公昭53−45226号公報)などが提案され
ている。
無機フィラー粒子を配合する方法では、得られるフィル
ムの透明性が低下して商品価値を著しく低下せしめる為
に、その配合量が制約され、かつまた無機フィラー粒子
の配合だけでは、フィルムの滑り性を十分に改良するこ
とは出来ない。
ダイラインと称される筋状の外観不良が生じ易く、外観
に優れたフィルムを安定的に連続生産することが難し
い。殊に、シリカ系の無機粒子を配合した場合には、得
られるフィルムの透明性と滑り性については比較的良好
な結果が得られるものの、ダイラインなどの外観不良が
極めて生じ易く、外観の良好なフィルムを安定生産する
ことが困難である。
では、やはりフィルムの透明性の大幅な低下を招来する
と同時に、フィルムの強度が低下するという欠点が生じ
る。一方、ビスアミド化合物を配合することにより、得
られるフィルムの透明性を改良できることは公知である
が、ビスアミド化合物の配合により、フィルムの表面特
性に変化が生じて、フィルムの印刷時の印刷インクの密
着性が低下して印刷不良が起こりやすくなるという欠点
を有する。このため、外観不良が生じにくく生産性に富
み、なおかつ、透明性、滑り性及び印刷性のいずれにも
優れたポリアミド樹脂製フィルムは、工業的に得られて
いないのが実情であった。
な従来のポリアミド樹脂製フィルムが有する欠点を克服
し、透明性、滑り性及び印刷特性に優れ、外観不良も生
じにくいポリアミド樹脂製フィルムを提供するべく鋭意
検討した結果、ポリアミド樹脂にビスアミド化合物、多
価脂肪族アルコールと脂肪酸との部分エステル、及び無
機フィラー粒子を配合した樹脂組成物を使用してフィル
ムを成形することによって、その目的を達成することを
見いだし、本発明に到達した。
脂100重量部に対し、 (1) ビスアミド化合物 0.01〜1重量部 (2) 3〜6価の脂肪族アルコールと、炭素数10〜22の脂肪酸との部分 エステル化合物 0.01〜1重量部 (3) 無機フィラー粒子 0.01〜0.5重量部 を配合してなる樹脂組成物を成形してなるポリアミド樹
脂製フィルムに存する。
において使用されるポリアミド樹脂としては、3員環以
上のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、二塩基酸とジ
アミンなどの重縮合によって得られるポリアミド樹脂を
用いることが出来る。具体的には、ε−カプロラクタ
ム、アミノカプロン酸、エナントラクタム、7−アミノ
ヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、9−アミノノ
ナン酸、α−ピロリドン、α−ピペリドンなどの重合
体、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、
ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
メタキシリレンジアミンなどのジアミンと、テレフタル
酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカン
二塩基酸、グルタール酸などのジカルボン酸との塩を重
縮合せしめて得られる重合体またはこれらの共重合体、
例えば、ナイロン4、6、7、8、11、12、6・
6、6・10、6・11、6・12、6T、6/6・
6、6/12、6/6T、6I/6Tなどがあげられ
る。本発明に使用されるビスアミド化合物とは、下記一
般式(I)または(II)
びR3は1価の炭化水素残基、R4及びR5は水素原子ま
たは1価の炭化水素残基を示す)で表される化合物であ
る。
合物としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレン
ジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、オクタメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン
などのアルキレンジアミン、フェニレンジアミン、ナフ
タレンジアミンなどのアリーレンジアミン、キシリレン
ジアミンなどのアリーレンアルキルジアミンなどのジア
ミンとステアリン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、アラキ
ジン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エライジン酸、モン
タン酸などの脂肪酸との反応によって得られるアルキレ
ンビス脂肪酸アミド、アリーレンビス脂肪酸アミドなど
が挙げられるが、これらの中で代表的なものとして、
N,N’−メチレンビスステアリン酸アミド及びN,
N’−エチレンビスステアリン酸アミドを挙げることが
出来る。
化合物としては、例えば、エチルアミン、メチルアミ
ン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、デシルアミン、ペ
ンタデシルアミン、オクタデシルアミン、ドデシルアミ
ンなどのアルキルアミン、アニリン、ナフチルアミンな
どのアリールアミン、ベンジルアミンなどのアラルキル
アミン、シクロヘキシルアミンなどのシクロアルキルア
ミンなどのモノアミンとテレフタル酸、p−フェニレン
ジプロピオン酸、コハク酸、アジピン酸などのジカルボ
ン酸との反応によって得られるものが選ばれるが、これ
らの中で代表的なものとして、N,N’−ジオクタデシ
ルテレフタル酸アミドなどのジオクタデシル二塩基酸ア
ミドを挙げることができる。
てもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ビスアミド化合物の配合量は、ポリアミド樹脂100重
量部に対し、0.01〜1重量部、好ましくは、0.0
5〜0.5重量部である。この配合量が少ないと、得ら
れるフィルムの透明性が低下し、多すぎると印刷性が低
下する。
いては特に制限はないが、従来樹脂の充填材として慣用
されているものの中から任意のものを選択して使用する
ことが出来る。具体的には、クレー、カリオン、焼成カ
オリンなどに代表されるシリカーアルミナ系粘土鉱物
(含水ケイ酸アルミニウム類)、タルクに代表されるシ
リカ−マグネシウム類、さらにはケイ酸カルシウム、シ
リカ、アルミナ、炭酸カルシウムなどが挙げられるが、
これらの中で、特にタルク、カオリン、焼成カオリンま
たはシリカが易分散性の点から好適である。なかでもシ
リカは、得られるフィルムの透明性に優れ、滑り性も良
好であり、特に好ましく使用される。
m以上の粒子を含まず、かつ平均粒径が0.5〜6μm
の範囲にあるものが好適である。粒径が大きいと、フィ
ッシュアイの発生の原因になり、粒径が小さ過ぎると分
散性が不良になり、またフィラーの二次凝集によるフィ
ッシュアイを招き易くなって好ましくない。また、これ
らの無機フィラー粒子は、シラン処理剤やチタニウム系
処理剤などの周知の表面処理剤で表面処理をしたものを
使用すると、良好な分散性が得られると同時に、透明性
も改良される。また、分散性を更に改良するために、ポ
リアミド樹脂の重合時に、ポリアミド樹脂形成原料に無
機フィラーを配合し、あらかじめ樹脂中に無機フィラー
を分散させて使用することも、極めて有効である。
くは2種以上を組み合わせて用いられ、その配合量は、
ポリアミド樹脂100重量部に対し、0.01〜0.5
重量部、好ましくは0.05〜0.25重量部である。
配合量が少ないと、得られるフィルムの滑り性の改良が
みられず、配合量が多すぎると透明性が低下する。本発
明で使用される3〜6価の脂肪族アルコールと炭素数1
0〜22の脂肪酸との部分エステル化合物とは、具体的
には、脂肪族アルコールとして、グリセリン、トリメチ
ルプロパン、ペンタエリスリトール、メソエリスリトー
ル、ソルビトールなどが挙げられる。また、炭素数10
〜22脂肪酸とは、例えば、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチル酸、ステアリン酸、ベヘン酸などが挙げ
られる。脂肪酸の炭素骨格には、水酸基などの置換基が
存在していてもよい。
エステル化合物は、実質的に部分エステルであることが
必要であり、好ましくは、多価アルコール中の水酸基全
体の30%以上がエステル化せず残存しているものが用
いられる。なかでも、グリセリンモノステアレート、グ
リセリンジステアレート、グリセリンモノベヘネート、
グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノ
ステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、
ペンタエリスリトールモノベヘネート、ペンタエリスリ
トールジベヘネートなどの使用が好ましい。こうした部
分エステル化合物は、単独もしくは複数の化合物を併用
して使用することができ、その配合量は、ポリアミド樹
脂100重量部に対し、0.01〜1重量部、好ましく
は0.05〜0.5重量部である。配合量が少ないと、
得られるフィルムの外観改良効果がみられず、配合量が
多すぎると、印刷特性が悪化する。
調製する方法については特に制限はなく、通常用いられ
る方法に従って調製することができる。例えば、ポリア
ミド樹脂ペレットに、ビスアミド化合物、部分エステル
化合物、無機フィラー粒子を、それぞれ所定の割合でド
ライブレンドして使用してもよいし、それを抽出機で溶
融混合してもよい。また、無機フィラーについては、前
述のように重合時に添加することも有効である。
に、当業者に周知の各種の添加剤、例えば、ヒンダード
フェノール、リン酸エステルや亜リン酸エステルなどの
酸化防止剤、トリアジン系化合物などの耐候性改良剤、
顔料、染料などの着色剤、帯電防止剤、滑剤などを含有
してもよい。このようにして調製された樹脂組成物は、
公知のフィルム製膜法によって、本発明のポリアミド樹
脂製フィルムに成形することができる。フィルム製膜法
としては、Tダイ法、インフレーション法などが適用さ
れ、未延伸フィルム、もしくは一軸延伸、二軸延伸等の
延伸工程を経て延伸フィルムとして使用される。なかで
も、水冷インフレーションフィルムを製造する場合に好
適な効果が得られる。この水冷インフレーションフィル
ムは、例えば該樹脂組成物を220〜280°Cの範囲
の温度で抽出機よりサーキュラーダイを通して抽出し、
10〜30°Cの温度で貫流している水冷リングの表面
に接触させて急冷固化し、ピンチロールで引き取った後
に、50〜80°Cの温度のオーブン中においてフィル
ム表面に付着した水分を乾燥させ、枠に巻き取ることに
よって製造することが出来る。
は、単層フィルムであってもよいし、共押出やラミネー
トなどによる積層フィルムであってもよい。
明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限りこれら
に限定されるものではない。なお、フィルムの各物性
は、以下に示す方法によって求めた。 (1)透明性 東京電色(株)製ヘーズメーターを用いて、ヘーズ値を
測定した。 (2)滑り性 相対湿度65%、温度23°Cの条件下、平行移動式で
静止摩擦係数(μs)を測定した。 (3)印刷性 フィルムの水滴接触角によって判定した。 (4)ダイラインの有無 フィルムの肉眼観察によって判定した。
1020;ノバミッドは登録商標)、またはナイロン6
/66共重合樹脂(三菱化成(株)製 ノバミッド20
20)100重量部に、表1に示す添加剤を、表2に示
す比率で配合し、厚み25μ、幅10cmのフィルム
を、水冷インフレーション法にて引取速度25m/mi
nで製膜した。また、製膜開始後、1時間、2時間、4
時間後のフィルムを用い、ダイラインと称される筋状の
外観不良の有無を肉眼で観察した。また、製膜開始後、
1時間目のフィルムを用い、ヘーズ値、静止摩擦係数、
水滴接触角を測定した。結果は表2に示した。尚、表2
中、配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対する重
量部を示す。
透明性、滑り性及び印刷性に優れ、なおかつ外観不良が
生じにくいという優れた特性を有している。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリアミド樹脂100重量部に対し、 (1) ビスアミド化合物: 0.01〜1重量部 (2) 3〜6価の脂肪族アルコールと、炭素数10〜22の脂肪酸との部分 エステル化合物: 0.01〜1重量部 (3) 無機フィラー粒子: 0.01〜0.5重量部 を配合してなる樹脂組成物を成形してなるポリアミド樹
脂製フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21749891A JP3216156B2 (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | ポリアミド樹脂製フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21749891A JP3216156B2 (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | ポリアミド樹脂製フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0559274A JPH0559274A (ja) | 1993-03-09 |
JP3216156B2 true JP3216156B2 (ja) | 2001-10-09 |
Family
ID=16705184
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21749891A Expired - Lifetime JP3216156B2 (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | ポリアミド樹脂製フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3216156B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2425238C (en) * | 2002-04-15 | 2010-10-12 | Kuraray Co., Ltd. | Polyamide resin composition |
KR101020649B1 (ko) * | 2004-12-24 | 2011-03-09 | 주식회사 효성 | 내습성이 우수한 폴리아미드 수지 조성물 및 그로부터제조된 2축 연신 폴리아미드 필름 |
US20130030104A1 (en) * | 2010-03-30 | 2013-01-31 | Zeon Corporation | Resin composition |
JP5828149B2 (ja) * | 2010-03-31 | 2015-12-02 | 宇部興産株式会社 | フィルム用ポリアミド樹脂組成物 |
-
1991
- 1991-08-28 JP JP21749891A patent/JP3216156B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0559274A (ja) | 1993-03-09 |
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