JP3008445B2 - レトルト食品包装用二軸延伸ポリアミドフィルム - Google Patents

レトルト食品包装用二軸延伸ポリアミドフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐レトルト性に優れたレトルト食品包装用
二軸延伸ポリアミドフィルムに関する。さらに詳しく
は、高温のレトルト処理を受けても引張り破断伸び率等
の機械的特性が低下しないレトルト食品包装用二軸延伸
ポリアミドフィルムに関するものである。
〔従来の技術〕
二軸延伸ポリアミドフィルムは、食品等の包装に用い
られる他のフィルム、例えば二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルムや二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
等に比べて、a)引張り強度が強く、かつ柔軟性に富
む、b)突刺しピンホール強度が強い、c)屈曲疲労耐
性に優れる、d)耐摩耗特性に優れる、e)低温から高
温まで使用可能な温度範囲が広い等々、多くの優れた特
徴を有する。
これらの特徴を生かして、二軸延伸ポリアミドフィル
ムは、食品包装の分野を中心に広く利用されてきた。特
に、機械的強度に優れる点および耐熱性に優れる点はレ
トルト食品の包装用途に適し、透明レトルトパウチ等の
素材として欠かせない存在である。
しかしながら、その耐レトルト性にも限界があり、従
来のフィルムにおいては約130℃の熱水もしくは水蒸
気、特にレトルト釜内で空気(酸素)を含む水蒸気に晒
されると、脆くなって引張り伸び率等の機械的特性が低
下したり、白化したりするというフィルム劣化の問題が
あった。
従って、このような条件下で使用され場合の従来のポ
リアミドフィルムの耐熱限界は精々125℃程度であり、1
30℃以上の高温度条件でのレトルト処理には使用できな
いという欠点があった。このため、従来は、表面層とな
っているポリアミドフィルムにポリエチレンテレフタレ
ートよりなる保護層を設け、例えばポリエチレンテレフ
タレート層/ポリアミド層/ポリプロピレン層とした層
構成の積層フィルムが提案されている。かかるフィルム
の使用は、保護層の効果によって耐レトルト性を幾分か
は改善できるものの本質的な解決とはならず、また他方
では製造コストが大幅に嵩んでしまうという問題が新た
に発生する。このような背景から、高温でのレトルト処
理に耐えることのできるレトルト食品包装用の二軸延伸
ポリアミドフィルムの開発が強く望まれていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記の問題点を解決した、130℃以上の条
件でレトルト処理を受けても伸び、強度等の特性が低下
することがない、レトルト食品包装用二軸延伸ポリアミ
ドフィルムの提供を目的とする。
本発明者は、従来技術の問題点につき鋭意検討を重ね
た結果、末端変性された特定のポリアミド系樹脂よりな
る二軸延伸ポリアミドフィルムによって上記問題が解決
できることを知得し、本発明を完成したものである。
〔課題を解決するための手段〕
しかして本発明の要旨とするところは、末端カルボキ
シル基(−COOH)の数(A)と末端置換アミド基(−CO
NRR′)[但し、Rは炭素数1〜22の炭化水素基、R′
は水素原子または炭素数1〜22の炭化水素基]の数
(B)との比が、 を満足する末端変性ポリアミド系樹脂よりなることを特
徴とする、レトルト食品包装用二軸延伸ポリアミドフィ
ルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るレトルト食品包装用二軸延伸ポリアミド
フィルムは、上記の末端カルボキシル基の数(A)と末
端置換アミド基の数(B)との比が、上記特定の式を満
足する末端変性ポリアミド系樹脂よりなる。
上記特定の末端変性ポリアミド系樹脂は、3員環以上
のラクタム、ε−アミノ酸、または二塩基酸類とジアミ
ン類よりなるナイロン塩の樹脂原料を重合、または共重
合することによって得られるポリアミド系樹脂の末端カ
ルボキシル基がN−置換アミド変性されたものである。
通常はモノ置換アミド変性されたもの(R′は水素原
子)が実用的であるが、ジ置換アミド変性されたもので
あっても差し支えない。
このような末端変性ポリアミド系樹脂は、上記樹脂原
料を、(a)炭素数1〜22のモノアミン、あるいは
(b)炭素数1〜22のモノアミンと炭素数2〜23のモノ
カルボン酸の存在下で重合、または共重合させることに
よって得ることができる。
ポリアミド系樹脂原料の具体例としては、ε−カプロ
ラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、α−
ピロリドン、α−ピペリドンのようなラクタム類、6−
アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノ
ノナン酸、11−アミノウンデカン酸のようなω−アミノ
酸類、および脂肪族または芳香族のジアミン類と脂肪族
または芳香族のジカルボン酸とよりなるナイロン塩があ
げられる。
上記ジカルボン酸の代表例としては、マロン酸、コハ
ク酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン
酸、ドデカンジオン酸、ヘキサデカンジオン酸、ヘキサ
デセンジオン酸、エイコサンジオン酸、ニイコサジエン
ジオン酸、ドコサンジオン酸、ジグリコール酸、2,2,4
−トリメチルアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸類、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、キシリレンジカルボン酸などの脂環式、芳
香族ジカルボン酸類があげられる。
また、上記ジアミンの代表例としては、エチレンジア
ミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4
−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレン
ジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジア
ミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメタキシリレンジアミン、トリデカメチレン
ジアミン、ヘキサデカメチレンジアミン、オクタデカメ
チレンジアミンなどの脂肪族ジアミン類、シクロヘキサ
ンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、ビス(4,
4−アミノシクロヘキシル)メタン、キシリレンジアミ
ンなどの脂環式、芳香族ジアミン類があげられる。
炭素数1〜22のモノアミンとしては、メチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチ
ルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチル
アミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デ
シルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリ
デシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミ
ン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、オクタ
デシレンアミン、エイコシルアミン、ドコシルアミンな
どの脂肪族アミン、シクロヘキシルアミン、メチルシク
ロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミン、ベンジルア
ミン、β−フェニルメチルアミンなどの脂肪族モノアミ
ン、N−Nジメチルアミン、N−Nジエチルアミン、N
−Nジプロピルアミン、N−Nジブチルアミン、N−N
ジヘキシルアミン、N−Nジオクチルアミン、N−Nジ
デシルアミンなどの対称第二アミン、N−メチル−N−
エチルアミン、N−メチル−Nブチルアミン、N−メチ
ル−Nドデシルアミン、N−メチル−Nオクタデシルア
ミン、N−エチル−Nヘキサデシルアミン、N−エチル
−Nオクタデシルアミン、N−プロピル−Nヘキサデシ
ルアミン、N−メチル−Nシクロヘキシルアミン、N−
メチル−Nベンジルアミンなどの混成第二アミンがあげ
られる。
炭素数2〜23のモノカルボン酸としては、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カ
プロン酸、フプリン酸、エラルモン酸、ウンデカン酸、
ラウリル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ミリストレ
イン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、アラキン酸、ベヘン酸などの脂肪族モノカル
ボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、メチルシクロヘキ
サンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸、安息香
酸、トルイン酸、エチル安息香酸、フェニル酢酸などの
芳香族モノカルボン酸があげられる。
また、必要に応じて上記(a)炭素数1〜22のモノア
ミン、あるいは(b)炭素数1〜22のモノアミンと炭素
数2〜23のモノカルボン酸に加えてエチレンジアミン、
トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレ
ンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウ
ンデカメチレンジアミン、ドデカメタキシリレンジアミ
ン、トリデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジ
アミン、オクタデカメチレンジアミンなどの脂肪族ジア
ミン類、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサ
ンジアミン、ビス−(4,4−アミノシクロヘキシル)メ
タン、キシリレンジアミンなどの脂環式、芳香族ジアミ
ン類、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ウンデカンジオン酸、ドデカンジオン酸、ヘキサデ
カンジオン酸、ヘキサデセンジオン酸、エイコサンジオ
ン酸、ニイコサジエンジオン酸、ドコサンジオン酸、ジ
グリコール酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸などの脂
肪族ジカルボン酸類、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、キシリレンジカルボ
ン酸などの脂環式、芳香族ジカルボン酸類を共存させる
こともできる。
本発明に係る二軸延伸フィルムの原料となる末端変性
ポリアミド系樹脂を製造するには、前記したポリアミド
原料を用い常法に従って重合反応を開始すればよく、そ
の際上記のカルボン酸およびアミンは、反応開始時から
減圧下の反応を始めるまでの任意の段階で添加すること
ができる。また、これらは同時に加えてもよいし、別々
に加えてもよい。
モノカルボン酸およびモノアミンの使用量は、そのカ
ルボキシル基およびアミノ基の量として、ポリアミド原
料1モル(繰り返し単位を構成するモノマーまたはモノ
マーユニット1モル)に対して、それぞれ2〜20meq/モ
ル、好ましくは3〜19meq/モルの範囲である(アミノ基
の当量は、カルボン酸1当量と1:1で反応してアミド結
合を形成するアミノ基の量を1当量とする。)。
この量があまりに少ないと、本発明の効果を有するポ
リアミド系樹脂を製造することができなくなる。逆にこ
の量が多すぎると、粘度の高いポリアミド樹脂を製造す
ることが困難となり、ポリアミド系樹脂、ひいてはフィ
ルムの物性に悪影響を及ぼすようになる。
また、反応圧力は反応終期を400Torr以下で行うのが
よく、好ましくは300Torr以下で行うのがよい。反応終
期の圧力が高いと希望する相対粘度のものがえられな
い。さらには減圧反応の時間は0.5時間以上とするが一
般的には1〜2とするのがよい。
本発明に係る二軸延伸フィルムの原料となるポリアミ
ド系樹脂が有する末端置換アミド基(−CONRR′)にお
けるRまたはR′で示される炭化水素基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキ
シル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、トリデシル基、テトラデシル基、テトラデシレン
基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル
基、オクタデシル基、オクタデシレン基、エイコシル
基、ドコシル基のような脂肪族炭化水素基、シクロヘキ
シル基、メチルシクロヘキシル基のような脂環式炭化水
素基、フェニル基、トルイル基、ベンジル基、β−フェ
ニルエチル基のような芳香族炭化水素基があげられる。
上記ポリアミド系樹脂の末端カルボキシル基(−COO
H)の末端置換アミド基(−CONRR′)への変換割合は、
5モル%以上、好ましくは10モル%以上であるのが望ま
しく、かつ変換されていない−COOH基の量は50μeq/gポ
リマー以下、好ましくは40μeq/gポリマー以下であるの
が望ましい。この変換の程度が小さい樹脂を用いると、
本発明の効果が期待できなくなる。これとは逆に変換の
程度の大きいものは物性面からの不都合は生じないが、
製造が困難であるので一般的には末端カルボキシル基
(−COOH)の量が1μeq/gポリマー程度のものを用いる
のがよく、実用的である。
上記−CONRR′のRおよびR′で示される末端置換ア
ミド基の炭化水素基は、ポリアミド系樹脂を塩酸で加水
分解した後、ガスクロマトグラフ法によって測定でき
る。また末端カルボキシル基(−COOH)は、ポリアミド
系樹脂をベンジルアルコールに溶解し、0.1N苛性ソーダ
で測定して測定できる。
ポリアミド系樹脂の末端基としては、上記のほかポリ
アミド原料に由来する−NH2基がある。この末端アミノ
基は変性されていても変性されていなくても差し支えな
いが、前記炭化水素基で変性されているものの方がフィ
ルム製造時の流動性および溶融熱安定性が優れているこ
とから好ましい。
このような−NH2基は、ポリアミド系樹脂をフェノー
ルに溶解し、0.05Nの塩酸で測定して測定できる。
本発明に係る二軸延伸フィルムの原料とするポリアミ
ド系樹脂は、その相対粘度〔η−rel〕がJIS K 6810に
従って測定(98%硫酸中、濃度1%、温度25℃)した値
で2〜6、好ましくは2〜5のものとするのがよい。こ
の範囲の相対粘度を有するものは製造が容易である上、
成形性も優れているからである。
また、本発明に使用する上記末端変性ポリアミド系樹
脂には、改質のため、得られるフィルムの性質を損なわ
ない範囲内で、滑剤、フィラー、帯電防止剤、ブロッキ
ング防止剤、染料、顔料などの各種添加剤が配合されて
いてもよい。
本発明に係る二軸延伸ポリアミド系フィルムは、上記
の末端変性ポリアミド系樹脂をフィルム原料として用
い、従来公知の各種の方法によって製造することができ
る。例えば、テンター式逐次二軸延伸法による場合に
は、上記フィルム原料を押出機で加熱溶融し、T−ダイ
からフィルム状に押出し、これをエアーナイフ法、静電
ピニング法等の公知のキャスティング法を用いてキャス
ティングロールの表面にて急冷して、実質的に無定形で
無配向のポリアミドフィルムを得、この未延伸フィルム
をロール式縦延伸機によって45〜80℃の温度条件で2〜
4倍に延伸し、次いでテンター式横延伸機によって60〜
100℃の温度条件で2〜4倍延伸し、得られた二軸延伸
フィルムを所望により熱処理した後、このフィルムを徐
冷しつつ連続的に巻き取ることによって製造することが
できる。
テンター式同時二軸延伸法による場合には、60〜100
℃の温度範囲の条件で縦方向と横方向にそれぞれ2〜4
倍同時に延伸して製造することができ、またチューブラ
ー式同時二軸延伸法による場合には、管状ダイから押出
した未延伸フィルムを、同じく60〜100℃の温度範囲の
条件で縦方向と横方向にそれぞれ2〜4倍同時に延伸し
て製造することができる。
未延伸フィルムの縦方向および横方向への延伸倍率が
2倍未満であると延伸の効果が少なくフィルムの強度が
不十分となり、4倍を超えると延伸中にフィルムの破断
が起こり易く運転のロングラン性に問題があり実用的で
ない。
二軸延伸したフィルムには、寸法安定性を付与するた
めに熱固定処理を施すことができるが、この時の温度
は、次の温度条件式を満足する範囲内から選択するのが
よい。
Tm−25≦T≦Tm−5 但し、Tは熱固定温度(℃)、Tmは原料として用いた
ポリアミド系樹脂の融点(℃)を意味する。
このようにして製造した二軸延伸ポリアミドフィルム
には、印刷インクの乗りや他のフィルム(例えば、シー
ラントフィルム)との接着性を向上させるため、コロナ
処理等の表面処理を施すこともできる。
〔発明の効果〕
本発明は、次のように特別に顕著な効果を奏し、その
産業上の利用価値は極めて大である。
(1)本発明のレトルト食品包装用二軸延伸ポリアミド
フィルムは、耐レトルト性が極めて優れており、高温の
レトルト処理を受けても強度が低下しない。
(2)本発明のレトルト食品包装用二軸延伸ポリアミド
フィルムは、本質的にポリアミド系樹脂からなりポリア
ミド樹脂の優れた表面特性を有するので、シーラントフ
ィルム等との接着性が良好で高温のレトルト処理を受け
てもデラミ(層間剥離)現象を惹起することがない。
(3)本発明に係るレトルト食品包装用二軸延伸ポリア
ミドフィルムは、特別の保護フィルムを積層したり、保
護層を塗布して設けたりする必要がないので、製法が簡
単で安価に製造できる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例および比較例により更に詳しく
説明するが、これらの例に限定されないのは勿論であ
る。
なお、以下の例において、レトルト処理、フィルムの
引張り破断伸び率は、それぞれ次の方法によって実施
し、測定した。
レトルト処理の方法 下記の各例に記載の方法によって得られた二軸延伸フ
ィルムより、一辺の長さ200mmの正方形状の試料用フィ
ルムを切り出し、この試料用フィルムの全周を、一辺の
長さ100mm正方形状の開口部を有し全周にシリコンゴム
製のパッキン材を備えて型枠で固定した。この型枠で固
定された試料用フィルムを、次の条件でレトルト処理を
おこなった。
1)処理装置 レトルト釜(日阪製作所製、RCS−40RTG
N型) 2)釜内の温度および圧力 115℃の場合: 全 圧 1.5kg/cm2(ゲージ圧) 空気分圧 0.8kg/cm2(ゲージ圧) 130℃の場合: 全 圧 2.7kg/cm2(ゲージ圧) 空気分圧 1.0kg/cm2(ゲージ圧) 3)処理時間 上記いずれかの条件下で、30分間 4)試料フィルムの数 5個/釜 フィルムの引張り破断伸び率の測定方法 下記の各例の記載の方法によって得られた二軸延伸フ
ィルム(レトルト処理前)、若しくは上記の条件で処理
した二軸延伸フィルム(レトルト処理後)について、23
℃、相対湿度50%の条件下で2日間のコンディショニン
グを行った後、これらのフィルムより、10mm幅×50mm長
さの長方形の測定用サンプルを切り取り、このサンプル
について、上記の温度・湿度条件下で、(株)島津製作
所製のオートグラフDS−100型を用い、50mm/minの速度
で横延伸方向への引張り試験を行い、フィルムが破断し
た時点での引張り方向への伸びを測定し、それぞれ次の
式で定義される「破断伸び率」と「破断伸び保持率」を
フィルムの耐レトルト性の尺度とした。なお、この引張
り試験による測定は、それぞれ1つの例当たり5サンプ
ルについて行い、これらの平均値で評価した。
EL={(L−L0)/L0}×100 (1) EM=EL(a)/EL(b)×100 (2) 但し、これらの式(1)、式(2)において、 ELは、破断伸び率(%) L0は、引張り試験開始時のチャック間の長さ(mm) Lは、フィルム破断時のチャック間の長さ(mm) EMは、破断伸び保持率(%) EL(a)は、レトルト処理後の破断伸び率(%) EL(b)は、レトルト処理前の破断伸び率(%) をそれぞれ意味する。
実施例1〜5、比較例1 末端変性ポリアミド樹脂の製造 以下の方法にて、6種類のポリアミド系樹脂を製造し
た。
200のオートクレーブに、ε−カプロラクタム60k
g、水1.2kgと、下記第1表に示す量のモノアミンおよび
カルボン酸を仕込み、窒素雰囲気にして密閉し260℃に
昇温し、攪拌しつつ2時間加圧下に反応を行った後、徐
々に放圧してそれぞれ下記第1表に示す圧力まで減圧
し、減圧下の反応を2時間行った。
次いで、窒素を導入して常圧に復圧後、攪拌を止めて
ストランドとして抜き出してチップ化し、沸水を用いて
未反応モノマーを抽出除去して乾燥した。
得られたポリアミド樹脂について測定した相対粘度、
末端−COOH基量、末端−NH2基量、および末端カルボキ
シル基(−COOH)の数(A)と末端置換アミド基(−CO
NRR′)の数(B)との比 を第1表に示す。。
二軸延伸ポリアミドフィルムの調製 それぞれ上記の条件で製造した6種類の末端変性ポリ
アミド樹脂それぞれを、65mmφの押出機にて加熱溶融
し、T−ダイより連続的にシート状に押出し、表面温度
が25℃の冷却回転ドラムの表面に静電ピニング法にて密
着急冷し、厚み150μmの実質的に無定形で無配向のシ
ートを得た。このシートをロール式縦延伸機にて、フィ
ルム温度50℃の条件で縦方向に3倍延伸し、この縦延伸
フィルムを直ちにテンター式横延伸機に導き、フィルム
温度を70℃に昇温しこの条件で横方向に3.4倍に延伸
し、これに続きフィルム温度210℃の条件下にて熱固定
処理を施して、厚み15μmの二軸延伸ポリアミドフィル
ムを得た。
二軸延伸ポリアミドフィルムの評価 得られたそれぞれの二軸延伸フィルムについて、前記
方法によって、レトルト処理前およびレトルト処理後そ
れぞれの引張り破断伸びを測定した。その結果を、破断
伸び率、破断伸び保持率としてまとめ、下記第1表に示
す。
第1表より、次のことが明らかである。
(1)本発明の要件を満足する二軸延伸フィルムは、13
0℃以上の高温のレトルト処理を受けても、優れた引張
り破断伸び率を示し、耐レトルト性を有する。
(2)本発明の要件を満足しない二軸延伸ポリアミドフ
ィルムは、115℃のレトルト処理には耐えても、130℃以
上の高温レトルト処理には脆弱となり耐えることができ
ない。(比較例1)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 7:00 C08L 77:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00 - 5/02 C08J 5/12 - 5/22 C08G 69/00 B29C 55/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】末端カルボキシル基(−COOH)の数(A)
    と末端置換アミド基(−CONRR′)〔但し、Rは炭素数
    1〜22の炭化水素基、R′は水素原子または炭素数1〜
    22の炭化水素基〕の数(B)との比が、 を満足する末端変性ポリアミド系樹脂よりなることを特
    徴とする、レトルト食品包装用二軸延伸ポリアミドフィ
    ルム。
  2. 【請求項2】130℃、30分間のレトルト処理後の引張り
    破断伸び率が、レトルト処理前の引張り破断伸び率の80
    %以上である、請求項(1)記載のレトルト食品包装用
    二軸延伸ポリアミドフィルム。
JP13448190A 1990-05-24 1990-05-24 レトルト食品包装用二軸延伸ポリアミドフィルム Expired - Lifetime JP3008445B2 (ja)

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