JP2000062433A - 自動車用空気調和装置 - Google Patents

自動車用空気調和装置

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JP2000062433A
JP2000062433A JP10233852A JP23385298A JP2000062433A JP 2000062433 A JP2000062433 A JP 2000062433A JP 10233852 A JP10233852 A JP 10233852A JP 23385298 A JP23385298 A JP 23385298A JP 2000062433 A JP2000062433 A JP 2000062433A
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solar radiation
vehicle
sun
air conditioner
air
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JP10233852A
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English (en)
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Hideto Takayama
英人 高山
Masayuki Takada
雅行 高田
Toshiro Muramatsu
寿郎 村松
Toshiaki Takahashi
利彰 高橋
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Nissan Motor Co Ltd
Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】それぞれの乗員について最適な空調環境を実現
できる自動車用空気調和装置を提供する。 【解決手段】車両の各所に設けられた各種センサ8から
の検出信号に基づいて車室内の複数の領域のそれぞれの
温度を自動制御する独立温調型エアコンであり、自車両
位置と太陽位置とに基づいて自車両位置に対する太陽の
相対位置を求め、この相対位置から車室内の複数の領域
のそれぞれに対する日射状況を判断し、この各領域にお
ける日射状況の判断結果に基づいて、日射センサ1で検
出された日射量を補正する日射量補正手段6を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用空気調和
装置に関し、特に複数の車室内エリアのそれぞれに対す
る日射量を検出して独立温調をより適正化する独立温調
型自動車用空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車室内に侵入する日射強度お
よび日射方向を検出し、この検出結果に基づいて、車室
内に吹き出される調和空気の温度、吹き出し量および吹
き出し方向などを自動制御する自動車用空気調和装置が
知られている。
【0003】このような日射強度を検出するために、フ
ォトダイオードからなる受光センサ(以下、日射センサ
ともいう。)をインストルメントパネルに装着すること
が行われるが、車室内への日射方向も同時に検出する必
要があるため、この種の日射センサとして、受光方向を
複数方向に設定したもの(特開昭63−141,816
号公報)、スリットまたはピンホールが形成された遮光
板と複数または複数次元のセンサを用いたもの(特開昭
56−64,611号公報)が利用されていた。
【0004】ところが、こうした日射センサは、日射方
向の検出精度を高めれば高めるほどセンサ素子の個数が
多くなるので、日射センサ自体が大きく、かつ高価にな
らざるを得ないといった問題があった。
【0005】このため、ナビゲーション装置で検出され
た自車両の進行方向と、日時に応じた太陽位置が予め設
定された日射情報とを用いて、車室内への日射方向を算
出することも提案されている(特開平9−132,02
0号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
たとしても、日射センサはインストルメントパネルにの
み設けられているので、車室内への日射方向は算出でき
ても、各座席における実際の日射量を的確に反映させる
ことはできない。
【0007】すなわち、従来のものは、日射センサで実
際に検出された日射強度を基準として、これを日射方向
で補正するシステムであることから、たとえば太陽が車
両後方に位置しているためインストルメントパネルに設
けられた日射センサでは日射量を検知できないときであ
っても、車室内の後席には多量に入射することがある。
こうした場合、エアコン自体は日射センサで検知した日
射量に応じた自動制御、つまり日射量が少ないものとし
て調和空気の温度を高く制御するが、後席の乗員には日
射が当たっているので著しく暑いと感じることになる。
【0008】逆に、太陽が車両前方に位置している場合
には、日射センサで多量の日射量を検知するため、車室
内に吹き出される調和空気の温度を低く自動制御しよう
とするが、後席の乗員には日射が届かないこともあり、
こうした場合には後席の乗員は寒いと感じることにな
る。
【0009】このように、従来の自動車用空気調和装置
は、日射量と日射方向とは検知できても、車室内の各席
の乗員に対する温調まで考慮していないので、乗員によ
って不快感をおぼえることが少なくなかった。
【0010】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、車室内の各エリアに対する
日射量を検出することにより、それぞれの乗員について
最適な空調環境を実現できる自動車用空気調和装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の自動車用空気調和装置は、車両の各所に設
けられた各種のセンサ(1,8)からの検出信号に基づ
いて車室内の複数の領域のそれぞれの温度を自動制御す
る独立温調型の自動車用空気調和装置(10)におい
て、車室内の定位置に設けられ太陽光の入射量を検出す
る日射センサ(1)と、自車両の現在位置および走行方
向を検出する自車両位置検出手段(2)と、現在の時刻
における太陽の位置を検出する太陽位置検出手段(3)
と、前記自車両位置検出手段で検出された自車両位置と
前記太陽位置検出手段で検出された太陽位置とに基づい
て自車両位置に対する太陽の相対位置を求める太陽相対
位置演算手段(3A)と、前記太陽相対位置演算手段で
演算された太陽の相対位置から前記車室内の複数の領域
のそれぞれに対する日射状況を判断し、この各領域にお
ける日射状況の判断結果に基づいて前記日射センサで検
出された日射量を補正する日射量補正手段(6)と、前
記日射量補正手段で補正された日射量および前記前記各
種のセンサにより検出された測定値に基づいて前記車室
内のそれぞれの領域における快適度を演算し、この快適
度が予め設定された基準快適度より不快であるときは、
前記日射量補正手段で補正された日射量を用いてその領
域へ吹き出される調和空気を制御する主制御手段(7)
と、を備えたことを特徴とする(図1参照)。
【0012】この請求項1記載の発明では、自車両位置
検出手段(2)によって自車両の現在位置および走行方
向を求めるとともに、太陽位置検出手段(3)によって
現在時刻における太陽の絶対位置を求める。
【0013】太陽相対位置演算手段(3A)では、これ
ら自車両の現在位置および走行方向と太陽の絶対位置と
に基づいて、自車両位置に対する太陽の相対位置を求
め、日射量補正手段(6)では、この相対位置から車室
内の複数の領域、たとえば運転席、助手席、右後席およ
び左後席など、それぞれに対する日射状況を判断する。
そして、こうして判断された各領域における日射状況に
基づいて、日射センサ(1)で検出された実際の日射量
を補正する。
【0014】さらに、主制御手段(7)では、補正され
た日射量および前記前記各種のセンサにより検出された
測定値に基づいて前記車室内のそれぞれの領域における
快適度を演算し、この快適度が予め設定された基準快適
度より不快であるときは、前記日射量補正手段で補正さ
れた日射量を用いてその領域へ吹き出される調和空気を
制御する。
【0015】これにより、実際の日射環境が室内の空調
環境に対して不快である場合に限り、車室内の各領域に
おける日射状況が加味された日射量補正値を含めた各種
センサからの検出信号に基づいて車室内の各領域のそれ
ぞれの温度が自動制御されることになるので、それぞれ
の乗員について最適な空調環境を実現することができ
る。
【0016】上記発明において、特に限定されないが、
請求項2記載の発明では、前記主制御手段は、日射量、
内気温度、外気温度および設定温度に基づいて、頭部、
腕部、腹部、脚部、足先その他の乗員の各所に対する温
冷感覚を演算し、これら各所に対する温冷感覚に基づい
て前記快適度を演算する。つまり、乗員の各所に対する
温冷感覚は、日射量、内気温度、外気温度および設定温
度の関数で表現され、快適度は温冷感覚の関数で表現さ
れる。
【0017】上記発明において、特に限定されないが、
請求項3記載の自動車用空気調和装置は、自車両位置と
太陽位置との間に自車両に対する太陽光の入射を遮る障
害物が存在するかどうかを判断する障害物判断手段
(4)をさらに備え、前記日射量補正手段(6)は、車
室内の複数の領域のそれぞれに対する日射状況を判断す
るに際し、前記障害物判断手段からの情報を取り込んで
日射状況を判断することを特徴とする(図1参照)。
【0018】この請求項3記載の発明では、上記発明と
同様に、まず自車両位置検出手段(2)によって自車両
の現在位置および走行方向を求めるとともに、太陽位置
検出手段(3)によって現在時刻における太陽の絶対位
置を求める。
【0019】日射量補正手段(6)では、これら自車両
の現在位置および走行方向と太陽の絶対位置とに基づい
て、自車両位置に対する太陽の相対位置を求め、この相
対位置から車室内の複数の領域、たとえば運転席、助手
席、右後席および左後席など、それぞれに対する日射状
況を判断する。
【0020】さらに、こうして求められた各領域に対す
る日射状況に対して、障害物判断手段(4)を用いて、
自車両位置と太陽位置との間に自車両に対する太陽光の
入射を遮る障害物が存在するかどうかを判断する。そし
て、こうして判断された各領域における日射状況に基づ
いて、日射センサ(1)で検出された実際の日射量を補
正する。
【0021】これにより、車室内の各領域における日射
状況が障害物の有無とともに加味された日射量補正値が
得られ、これを含めた各種センサからの検出信号に基づ
いて車室内の各領域のそれぞれの温度を自動制御するの
で、それぞれの乗員についてさらに最適な空調環境を実
現することができる。
【0022】上記発明において、特に限定されないが、
請求項4記載の自動車用空気調和装置は、自車両位置に
おける気象情報に応じた信号を出力する気象情報検出手
段(5)をさらに備え、前記日射量補正手段(6)は、
車室内の複数の領域のそれぞれに対する日射状況を判断
するに際し、前記気象情報検出手段からの情報を取り込
んで日射状況を判断することを特徴とする(図1参
照)。
【0023】この請求項4記載の発明では、上記発明と
同様に、まず自車両位置検出手段(2)によって自車両
の現在位置および走行方向を求めるとともに、太陽位置
検出手段(3)によって現在時刻における太陽の絶対位
置を求める。
【0024】日射量補正手段(6)では、これら自車両
の現在位置および走行方向と太陽の絶対位置とに基づい
て、自車両位置に対する太陽の相対位置を求め、この相
対位置から車室内の複数の領域、たとえば運転席、助手
席、右後席および左後席など、それぞれに対する日射状
況を判断する。
【0025】さらに、こうして求められた各領域に対す
る日射状況に対して、障害物判断手段(4)を用いて、
自車両位置と太陽位置との間に自車両に対する太陽光の
入射を遮る障害物が存在するかどうかを判断する。ただ
し、このステップは省略することもできる。
【0026】さらに、こうして求められた各領域に対す
る日射状況に対して、気象情報検出手段(5)を用い
て、自車両の現在位置における気象状況を判断し、さら
なる補正を加える。そして、こうして判断された各領域
における日射状況に基づいて、日射センサ(1)で検出
された実際の日射量を補正する。
【0027】これにより、車室内の各領域における日射
状況が気象状況とともに加味された日射量補正値が得ら
れ、これを含めた各種センサからの検出信号に基づいて
車室内の各領域のそれぞれの温度を自動制御するので、
それぞれの乗員についてさらに最適な空調環境を実現す
ることができる。
【0028】上記発明において、日射量補正手段で得ら
れる日射量の補正値は、自車両の現在位置および現在時
刻を基本とする。したがって、その後の走行ルートによ
っては日射状況が急激に変化することも考えられ、この
場合、エアコンの制御も急激に変動してしまい、乗員に
違和感や騒音を与えるおそれもある。
【0029】このため、請求項5記載の自動車用空気調
和装置は、自車両の走行ルートを設定する走行ルート設
定手段(11)と、現在位置から所定時間先の、前記走
行ルート設定手段(11)で設定された将来位置におけ
る日射状況を判断し、現在の日射状況に対して所定レベ
ル以上の日射状況に変化する場合は、その将来位置の所
定距離手前から徐々に日射状況を変化させる第2の日射
量補正手段(12)と、をさらに備えたことを特徴とす
る(図8参照)。
【0030】この請求項5記載の発明では、走行ルート
設定手段(11)で自車両の走行ルートが設定されてい
る場合には、第2の日射量補正手段(12)によって、
まずその走行ルート設定手段で設定された将来位置にお
ける日射状況を判断し、現在の日射状況に対して所定レ
ベル以上の日射状況に変化するかどうか、すなわち急激
なエアコン制御の変動を伴うかどうかを判断する。
【0031】そして、もし急激なエアコン制御の変動を
伴う場合には、その変動点の手前から徐々に日射状況を
変化させる。これにより、各領域に対する空調制御が滑
らかに変化するので、急激な騒音の発生や違和感を与え
ることが防止される。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。第1実施形態 まず最初に、本発明の自動車用空気調和装置本体の実施
形態を説明すると、図3は同実施形態に係る自動車用空
気調和装置本体200を示す構成図、図4は同装置20
0のフロントダクトおよびリアダクトを示す構成図であ
る。
【0033】図3に示すように、本実施形態に係る自動
車用空気調和装置200は、いわゆる前後左右独立温調
型エアコンであって、主として車室内を4つの領域に区
画してそれぞれを温調するもので、インテークユニット
210、クーラユニット220およびヒータユニット2
30から構成されている。
【0034】なお、以下の説明では前後左右独立温調型
エアコンを例に挙げるが、本発明の自動車用空気調和装
置は、こうした前後左右独立温調型エアコンに限定され
ず、左右独立温調型エアコンや前後独立型エアコンにも
適用することができる。
【0035】インテークユニット210には、外気取入
口211および内気取入口212を自由な開度で開閉す
るインテークドア213と、モータ214により回転す
るファン215とが設けられ、インテークドア213の
開度に応じて車室内に導入される内外気の混合比が決定
される一方で、ファン215の回転数に応じて車室内に
導入される空気量が決定される。インテークドア213
はインテークドアアクチュエータ216によって駆動制
御され、モータ214はファンコントロールアンプ21
7によって駆動制御される。
【0036】クーラユニット220には、インテークユ
ニット210で導入された空気を冷却するためのエバポ
レータ221(蒸発器)が設けられており、このエバポ
レータ221には、コンプレッサ、コンデンサ(凝縮
器)、膨張弁およびリキッドタンクなどで構成された冷
房サイクル(何れも図示を省略する。)が接続され、コ
ンプレッサで圧縮された冷媒が供給される。
【0037】ヒータユニット230には、エンジンの冷
却水が循環するヒータコア231が設けられており、そ
の両側部のそれぞれに、当該ヒータコア231を迂回す
るバイパス路232,232が形成されている。クーラ
ユニット220を流下した空気がこのヒータコア231
を通過することで加熱されることになる。
【0038】本実施形態のヒータユニット230におい
ては、ヒータコア231の上流側にフロントエアミック
スドア233fとリアエアミックスドア233rとの2
枚のエアミックスドアが回動自在に設けられている。フ
ロントエアミックスドア233fは、前席に吹き出され
る調和空気の温度を制御するためのエアミックスドアで
あるのに対し、リアエアミックスドア233rは後席に
吹き出される調和空気の温度を制御するためのエアミッ
クスドアである。
【0039】すなわち、フロントエアミックドア233
fについていえば、その開度に応じてヒータコア231
(の半分)を通過する空気量とバイパス路232を通過
する空気量との比率が決定され、これにより後述する前
席側配風通路235fへ流下する空気の温度が調節され
る。リアエアミックスドア233rについても同様に、
当該リアエアミックスドア233rの開度に応じて後席
側配風通路235rへ流下する空気の温度が調節され
る。
【0040】これら2枚のエアミックスドア233f,
233rは、それぞれフロントエアミックスドアアクチ
ュエータ234fおよびリアエアミックスドアアクチュ
エータ234rによって駆動制御される。
【0041】また、ヒータコア231の下流側は、仕切
壁236により前席側への配風通路235fと後席側へ
の配風通路235rとに仕切られており、前席側への配
風通路235fには、前席デフ吹出口237およびこれ
を開閉する前席デフドア237D、前席ベント吹出口2
38およびこれを開閉する前席ベントドア238D、前
席フット吹出口239およびこれを開閉する前席フット
ドア239Dがそれぞれ設けられている。これら3つの
前席ドア237D,238D,239Dの開閉位置の組
み合わせは前席側の吹出口モードで決定されるので、リ
ンク機構を介してフロントモードアクチュエータ240
により一括して駆動制御される。
【0042】これに対して、ヒータコア231の下流側
に形成された後席側への配風通路235rには、前席側
の配風通路235fと後席側の配風通路235rとを流
れる空気の配風比を調節するための前後配風比調節ドア
241Dと、後席ベント吹出口243および後席フット
吹出口244とのそれぞれから吹き出される調和空気の
配風比を調節するためのリアモードドア245とが設け
られている。
【0043】前後配風比調節ドア241Dは、前後配風
比調節ドアアクチュエータ242によって駆動制御さ
れ、後席側配風通路235rを全開する位置と全閉する
位置との間を回動することができる。この前後配風比調
節ドア241Dを、後席側配風通路235rの一部を遮
蔽する位置まで回動させると、前席側配風通路235f
と後席側配風通路235rとの間の仕切壁236に開設
された連通路241の一部が開くので、ヒータコア23
1の後席側を通過した調和空気の一部が前席側配風通路
235fに流下し、これにより前席側へ吹き出される配
風量が後席側に対して相対的に多くなる。
【0044】なお、この前後配風比調節ドア241D
は、前席側と後席側との温度差をより鋭敏にするために
設けられたものであることから、本発明の独立温調型エ
アコンにとっては好ましい形態ではあるが、必ずしも必
須のものではない。
【0045】リアモードドア245は、リアモードドア
アクチュエータ246によって駆動制御され、当該リア
モードドア245の開度に応じて後席ベント吹出口24
3と後席フット吹出口244とのそれぞれに流下する調
和空気の比率が調節される。
【0046】前席側配風通路235fと後席側配風通路
235rには、図4に示すフロントダクト247fとリ
アダクト247rとがそれぞれ接続されている。さらに
具体的には、前席側配風通路235fの前席ベント吹出
口238と前席フット吹出口239とのそれぞれには、
フロントダクト247fがそれぞれ接続され、また後席
側配風通路235rの後席ベント吹出口243と後席フ
ット吹出口244とのそれぞれには、リアダクト247
rがそれぞれ接続されている。図4は、それぞれの一方
を図示したものである。
【0047】たとえば、前席ベント吹出口238に接続
されたフロントダクト247f内には、前席の左右(運
転席と助手席)の配風比を調節するためのフロント左右
配風比調節ドア248が設けられ、フロント左右配風比
調節ドアアクチュエータ249によって駆動制御され
る。そして、このフロント左右配風比調節ドア248
を、中立位置からたとえば右席側に回動させると、左席
側へ流下する空気量が増加するとともに右席側へ流下す
る空気量がそのぶんだけ減少する。これにより、前席側
の左右座席の空調能力が変化することになる。
【0048】フロントダクト247fと同様に、リアダ
クト247r内にも、後席の左右座席の配風比を調節す
るためのリア左右配風比調節ドア250が設けられ、リ
ア左右配風比調節ドアアクチュエータ251によって駆
動制御される。そして、このリア左右配風比調節ドア2
50を、中立位置からたとえば右席側に回動させると、
左席側へ流下する空気量が増加するとともに右席側へ流
下する空気量がそのぶんだけ減少する。これにより、後
席側の左右座席の空調能力が変化することになる。
【0049】以上のインテークドアアクチュエータ21
6、ファンコントロールアンプ217、フロントエアミ
ックスドアアクチュエータ234f、リアエアミックス
ドアアクチュエータ234r、フロントモードアクチュ
エータ240、前後配風比調節ドアアクチュエータ24
2、リアモードドアアクチュエータ246、フロント左
右配風比調節ドアアクチュエータ249およびリア左右
配風比調節ドアアクチュエータ251へ対する指令信号
は、図2に示すエアコン制御ユニット21(図1に示す
主制御手段7に相当する。)からそれぞれ送出される。
【0050】こうした前後左右独立温調型エアコン本体
20の他に、本実施形態の自動車用空気調和装置10
は、ナビゲーションシステム30と通信機能付き車載パ
ーソナルコンピュータ40(以下、車載パソコン40と
もいう。)とを備えている。
【0051】図2は本実施形態に係る自動車用空気調和
装置10の全体構成を示すブロック図である。ちなみに
本図において、上述したエアコン本体20は、図3およ
び図4に示すユニットおよび各種アクチュエータの他
に、インストルメントパネルの上面などに設けられ車室
内へ入射される日射量を検知し、これに応じた信号を出
力する日射センサ22と、車室内のインストルメントパ
ネルの前面などに設けられ車室内の温度を検知してこれ
に応じた信号を出力する内気温センサ23と、エンジン
ルーム内のフードロックステー下側などのように走行風
の影響を受けない部位に設けられ外気温度を検知してこ
れに応じた信号を出力する外気温センサ24と、インス
トルメントパネルの前面に設けられたエアコンコントロ
ーラの各種操作部25とからの信号が、CPU,ROM
およびRAMなどで構成されたマイクロコンピュータ
(エアコン制御ユニット)21に入力されるように結線
されている。
【0052】エアコン制御ユニット21のROMには、
操作部25で設定された室内温度等に対して、日射セン
サ22、内気温センサ23および外気温センサ24から
取り込まれた環境情報を加味しながら最適な室内環境を
実現するための制御ロジックが格納されており、この制
御ロジックによる演算結果に基づいて、上述した各種の
アクチュエータを駆動制御する。
【0053】本実施形態に係るナビゲーションシステム
30は、GPS(Global Positioning System) 用人工
衛星からの送信電波を受信するためのGPSアンテナ3
2と、このGPSアンテナ32からの受信信号に基づい
て自車両の現在地、進行方向を演算するためのGPSレ
シーバ33と、車両に設けられ自車両の進行方向の変化
を検出するためのジャイロコンパス34と、自車両の走
行速度を検出するための車速センサ35と、乗員が各種
の指令を入力するための操作部36と、道路地図を表示
するために道路情報が格納されたCD−ROMから当該
地図情報を読み出すためのプレーヤ37と、道路地図や
現在地を表示するための液晶ディスプレイ等からなる表
示装置38と、これらGPSレシーバ33、ジャイロコ
ンパス34、車速センサ35、操作部36およびCD−
ROMプレーヤ37からの情報を取り込んで、主として
自車両の現在地や進行方向、目標走行先等を表示装置3
8に表示して、運転者に対して自車両の走行案内を行う
ためのナビゲーション制御ユニット31とを備えてい
る。
【0054】GPSレシーバ32は、いわゆるGPS航
法のために使用されるもので、自車両の現在地や進行方
向をGPS用人工衛星からの電波に基づき測定する。こ
れに対して、ジャイロコンパス34および車速センサ3
5は、いわゆる自律航法のために使用されるもので、車
両の相対的な移動量を検出して現在地や進行方向を逐次
更新しながら現在地や進行方向を測定し、自車両が人工
衛星からの電波を受信できない場合などのように、GP
Sレシーバ33による測定結果が正常でないときにこれ
を補完する。
【0055】このナビゲーションシステム30のナビゲ
ーション制御ユニット31と上述したエアコン制御ユニ
ット21とは、交信可能に結線されており、エアコン制
御ユニット21からの要求に応じて、主として自車両の
現在地(経度、緯度および高度)の情報をナビゲーショ
ン制御ユニット31から送出する。
【0056】さらに、本実施形態の自動車用空気調和装
置10は、通信機能を備えた車載パソコン40を有し、
自動車電話などの電話回線や無線機などを介してデータ
ベースにアクセス可能となっている。本実施形態では、
車載パソコン40によりCD−ROMでは不充分な地形
情報や、気象情報を取り込んで、太陽からの日射量に関
するデータを補正し、実状に即した独立温調を行う。
【0057】ちなみに、図1に示す本発明のブロック図
と図2との対応関係についていえば、図1の日射センサ
1が図2の日射センサ22に、図1の自車両位置検出手
段2が図2のGPSアンテナ32、GPSレシーバ3
3、ジャイロコンパス34、車速センサ35およびナビ
ゲーション制御ユニット31に、図1の太陽位置検出手
段3、太陽相対位置演算手段3Aが図2のエアコン制御
ユニット21に、図1の障害物判断手段4が図2の通信
機能付き車載パソコン40に、図1の気象情報検出手段
5が図2の通信機能付き車載パソコン40に、図1の日
射量補正手段6が図2のエアコン制御ユニット21に、
図1の主制御手段7が図2のエアコン制御ユニット21
に、図1の各種センサ8が図2の内気温センサ23、気
外温センサ24および操作部25に、図1の各種アクチ
ュエータ9が図2の各種アクチュエータ26に、それぞ
れ対応する。
【0058】次に動作を説明する。図5はエアコン制御
ユニット21におけるメインルーチンを示すフローチャ
ート、図6は図5のステップ20のサブルーチンを示す
フローチャート、図7は図6のステップ220のサブル
ーチンを示すフローチャートである。
【0059】まず、図5に示すステップ10において、
所定の時間間隔で、日射センサ22、内気温センサ2
3、外気温センサ24および操作部25からエアコン制
御ユニット21に検出信号を取り込む。
【0060】次に、ステップ20にて日射センサ22の
補正を実行する。この補正は、図6に示すステップ20
2にて、自車両の現在地に関する情報、すなわち経度、
緯度および高度をナビゲーション制御ユニット31から
エアコン制御ユニット21へ取り込む。続いてステップ
204にて、現在の日時および時刻情報をエアコン制御
ユニット21へ取り込む。この日時および時刻情報は、
エアコン制御ユニット21自体に内蔵されたクロックか
ら取り込んでも良いし、車載時計やナビゲーション制御
ユニット31のクロックから取り込んでも良い。
【0061】ステップ204で取得された日時および時
刻情報に基づいて、太陽の絶対位置、すなわち経度およ
び緯度を演算する。この太陽の絶対位置は、所定の計算
式によって計算で求めても良いし、あるいは現在地に対
する太陽方位および仰角が予めマップ化されたデータを
CD−ROMあるいはエアコン制御ユニット21のRO
M内に格納しておき、ここから検索して求めても良い。
【0062】ステップ206にて太陽の絶対位置(経度
および緯度)が得られ、ステップ202にて自車両の現
在地(経度、緯度および高度)が得られるので、次に、
ステップ208にて、自車両に対する太陽の相対位置を
演算し、方位φと仰角θにより表現する。この方位φ
は、自車両の進行方向を0(ゼロ)度としたときの太陽
までの角度であり、たとえば右方向にφ°、あるいは左
右どちらか一方を+、他方を−として+φ°といったよ
うに表現する。また、仰角θは自車両の現在地の水平線
を0度としたときの太陽までの仰角である。
【0063】こうして自車両に対する太陽の相対位置
(方位φおよび仰角θ)が求まるので、これにより車室
内に対して三次元のどの方向から日射があるかどうかを
判別することができるが、本実施形態では、さらにステ
ップ210にて現在地付近の地形を車載パソコン40か
ら取り込み、太陽からの日射を遮る位置に障害物、たと
えば高層ビルディングや山などが存在するかどうかを検
証する。こうした情報は、たとえばインターネットなど
の一般情報通信網や交通情報通信網などを介して取得す
ることができる。
【0064】次に、ステップ208および210で得ら
れた太陽の相対位置と障害物の有無とから、車室内の各
席、すなわち運転席、助手席、右後席および左後席(図
12参照)における日射状況を演算する。この演算は、
予めエアコン制御ユニット21のROMに格納された演
算式または制御マップ(図13参照)により実行され
る。たとえば、太陽の方位φが自車両の右方向であり、
仰角θが小さい(太陽が低い)場合には、右側の座席に
入射する日射量が多くなり、右側に座っている乗員は左
側の乗員に比べて暑く感じる。したがって、こうした場
合には右側の日射量を増加させたものとする。また、こ
のとき自車両の右側に高層ビルが連続するときは、右側
の乗員に対しても日陰となることから、日陰に相当する
ように日射量を減少させる。
【0065】次に、ステップ214にて、現在の気象情
報を車載パソコン40から取り込み、晴天、曇りまたは
雨天を識別する。こうした情報も、たとえばインターネ
ットなどの一般情報通信網や交通情報通信網などを介し
て取得することができる。
【0066】ステップ216では、ステップ214で取
得した気象情報に基づいてステップ212で得られた各
席に対する日射状況結果を補正し、地形および気象情報
に基づく日射量Qdbを決定する。この決定は、予めエア
コン制御ユニット21のROMに格納された演算式また
はマップにより実行される。
【0067】次に、図5のステップ10で入力された日
射センサ22からの実測値Qssをエアコン制御ユニット
21に記憶し、これとステップ216で得られた日射量
Qdbも記憶した上で、ステップ220に進む。
【0068】ステップ220では、車室内の各席、つま
り運転席、助手席、右後席および左後席における日射セ
ンサ値を最終的に補正する。具体的には、図7に示すよ
うに、まず運転席については、ステップ222にて、ス
テップ208(図6参照)で求められた太陽の相対位置
(方位φおよび仰角θ)が日射センサ22の設置位置か
ら考えて検出し難い位置かどうかを判断する。
【0069】本実施形態では、日射センサ22は車室内
のインストルメントパネルの左右何れかの上面に一つ設
けられているので、この位置を考慮して判断する。たと
えば、日射センサ22がインストルメントパネルの左側
上面に取り付けられ、自車両の進行方向の左前方に太陽
が位置する場合には、太陽からの日射をほぼそのまま検
出することができるので、ステップ224へ進んで日射
センサ22の実際の測定値Qssを日射量Qとする。逆
に、太陽の相対位置が自車両の進行方向の左前方にあっ
ても、仰角θが小さい(太陽位置が低い)場合には、車
室内への実際の日射量は多いにも拘わらず日射センサ2
2で検出される日射量は少なくなるので、ステップ22
3へ進んで、ステップ212およびステップ216(図
6参照)で求められた日射量Qdbを日射量とする。
【0070】ステップ222における判断は、特に日射
センサ22が前席側に設けられているので、ステップ2
40やステップ250の後席についての判断の際に効果
的となる。つまり、後席に入射する日射量と日射センサ
22で検出される実測値とは必ずしも相対しないので、
太陽の相対位置を勘案して、実測値Qssが適切か或いは
太陽位置等を勘案した値Qdbが適切かを判断した上で日
射量Qを決定する。
【0071】次に、ステップ225にて、付近の障害物
によって車室内(ここでは運転席)への日射が遮られる
かどうかを判断する。これは、図6のステップ210に
て取り込まれた地形情報に基づいて判断されるが、たと
えば太陽が運転席側に位置しているにも拘わらず、運転
席側に大きな山が存在して長時間日陰となるような場合
には、ステップ226へ進んで所定の演算式fを用いて
日射量補正値Qdrを求める。また、何も障害物が存在せ
ず、太陽光がそのまま車室内へ入射する場合にはステッ
プ227へ進んで、先程ステップ223またはステップ
224で求められた日射量Qを日射量補正値Qdrとす
る。
【0072】ステップ228では、この値Qdrを運転席
に対する日射量補正値として記憶し、図5に示すステッ
プ40に進む。こうした手順で、助手席(ステップ23
0)、右後席(ステップ240)および左後席(ステッ
プ250)のそれぞれに対する日射量補正値を求め、そ
れぞれの値を記憶して、図5に示すステップ40へ進
む。
【0073】以上の制御ロジックによって日射量が実際
の日射状況に合致した値に補正されるが、次に図5に戻
って、以上の補正された日射量を使用したエアコン制御
を実行するかどうかを快適度によって判断する。
【0074】すなわち、ステップ30では、内気温セン
サ23、外気温センサ24および操作部25の各センサ
値とステップ20で補正された日射センサ値と設定温度
とに基づいて、図12(A)に示すように各席の乗員毎
に、しかも同図(B)に示すように頭部、腕部、腹部、
脚部、足先といった身体の場所毎に温冷感覚を求める。
こうした演算は、身体の場所毎に予め関数fとして求め
ておき、たとえば頭部の温冷感覚は、 T(head)=f(Q,Tin,Tamb,Tptc) のように日射量Q、内気温度Tin、外気温度Tamb およ
び設定温度Tptc の関数として表現し、これに実際の測
定値を代入することにより温冷感覚を演算することがで
きる。
【0075】また、身体の場所毎の温冷感覚Tが求まる
と、次にこの温冷感覚を用いて快適度Cを演算する。こ
の快適度Cは身体の場所毎の温冷感覚の関数として表現
し、演算結果を代休することにより求める。こうした快
適度は各席毎に演算する(ステップ40)。
【0076】ステップ50では、ステップ40で求めら
れた各席の快適度が、予め設定されている基準快適度
(しきい値)に比べて快適か不快かを判断し、不快であ
る席に対しては、ステップ60へ進んで各席毎に空調制
御を補正する。
【0077】すなわち、ステップ60では、ステップ1
0で入力された内気温センサ23、外気温センサ24お
よび操作部25の各センサ値とステップ20で補正され
た日射センサ値とに基づいて、各座席に対して最適な温
度の調和空気を供給すべく、フロントエアミックスドア
233fおよびリアエアミックスドア233rの開度を
演算し、フロントエアミックスドアアクチュエータ23
4fおよびリアエアミックスドアアクチュエータ234
rのそれぞれに指令信号を送出する。この制御には、図
13に示すように日射方向(太陽方位および太陽高度に
対する吹き出し温度補正値をマップ化したものを用いる
ことができる。こうした制御マップを各席および身体の
各場所毎に用意しておき、太陽の相対位置を求めたら、
これを基にマップから検索する。
【0078】次のステップ70では、前席デフドア23
7D、前席ベントドア238Dおよび前席フットドア2
39Dの開度の組み合わせで決定される前席吹出モード
と、リアモードドア245の開度で決定されるリア吹出
モードとを制御すべく、フロントモードアクチュエータ
240およびリアモードドアアクチュエータ246のそ
れぞれに指令信号を送出する。また、吹出モードが決定
された前席および後席のそれぞれにおける左右座席の配
風比の微調整を実行する。すなわち、図4に示すフロン
ト左右配風比調節ドア248とリア左右配風比調節ドア
250を適切な位置に駆動するために、フロント左右配
風比調節ドアアクチュエータ249とリア左右配風比調
節ドアアクチュエータ251とのそれぞれに指令信号を
送出する。
【0079】最後に、ステップ80では、車室内へ吹き
出すトータル風量を制御すべく、ファンコントロールア
ンプ217に指令信号を送出してファン215の回転数
を制御する。なお、ステップ90では、他の制御、たと
えばインテークドア213の切替を行うためにインテー
クドアアクチュエータ216に指令信号を送出したりす
る。
【0080】これに対して、ステップ50にて快適度が
充分快適である場合には、ステップ90へジャンプし、
冷房或いは除湿が必要かどうかに応じて、クーラユニッ
ト220のエバポレータ221に接続されたコンプレッ
サのマグネットクラッチのON/OFFを制御する。こ
のコンプレッサ制御は、容量可変式コンプレッサを搭載
している場合には、マグネットクラッチを入切すること
に代えて、斜板の傾斜角度を強制的に制御するものであ
っても良い。
【0081】このように、本実施形態の自動車用空気調
和装置によれば、日射センサ22の実測値をそのまま用
いるのではなく、太陽光の実際の入射状況を演算して補
正し、しかも独立温調によって各席に適した温調をそれ
ぞれ実施するので、日射センサ22が一つであっても各
席すべてに快適な空調環境を提供することができる。
【0082】また、補正された日射量を用いて各席の快
適度を演算し、その結果不快であるときのみ補正後の日
射量を用いて補正制御を行うので、より現実に近い空調
制御を実行することができる。
【0083】第2実施形態 図8は本実施形態に係る自動車用空気調和装置を示すブ
ロック図であり、上述した第1実施形態のものに比べ
て、走行ルート設定手段11および第2の日射量補正手
段12が付加されている。
【0084】走行ルート設定手段11は、自車両の走行
ルートを設定するためのもので、具体的には図2に示す
操作部36から操作者が行き先を入力し、これをナビゲ
ーション制御ユニット31で処理することで実現され
る。たとえば、表示装置38に表示された地図上で行き
先をインプットすることで、たとえば最短コースをナビ
ゲーション制御ユニット31が演算し、これを記憶する
とともに表示装置38にも出力して表示する。
【0085】また、第2の日射量補正手段12は、上述
した走行ルート設定手段11で設定された走行ルートに
おける日射状況を演算して、現在の日射状況に対して所
定レベル以上の日射状況に変化する場合は、その将来位
置の所定距離手前から徐々に日射状況を変化させるもの
であり、具体的には図2に示すエアコン制御ユニット2
1で処理することで実現される。
【0086】走行ルートにおける日射状況は、たとえば
現在位置から所定時間(或いは所定距離)先の走行位置
を逐次演算し、これと現在の日射状況とを比較する。こ
うして比較された結果、その日射状況が所定レベル以
上、つまり日射状況が急激に変化する将来位置が存在す
れば、その将来位置の所定距離だけ手前からその将来位
置における日射状況に漸近するように徐々に日射状況を
変化し始める。こうして補正された日射量は、主制御手
段7(図2のエアコン制御ユニット21)に送出され、
緩やかな温調制御を行う。
【0087】次に具体的な動作を説明する。図9はエア
コン制御ユニット21におけるメインルーチンを示すフ
ローチャート、図10は図9のステップ20のサブルー
チンを示すフローチャートである。なお、図9のステッ
プ10およびステップ30〜ステップ90は上述した第
1実施形態の動作と共通するためその説明を一部省略す
る。
【0088】図9に示すステップ20は、走行ルート設
定手段11および第2の日射量補正手段12による先読
み補正を行う制御ロジックであり、図示は省略するが、
第1実施形態の日射センサ値補正演算(図5のステップ
20)の制御ロジックに含めることができる。すなわ
ち、図6に示すステップ202〜ステップ220および
図7に示すステップ221〜ステップ250を終了した
後に付加することができる。
【0089】まず、図10のステップ260では、自車
両の現在地に関する情報、すなわち経度、緯度および高
度をナビゲーション制御ユニット31からエアコン制御
ユニット21へ取り込む。この情報は既に図6のステッ
プ202にて得られているのでこれを共用することもで
きる。
【0090】次に、ステップ262にて、走行ルート設
定手段11で入力された自車両の走行ルートをナビゲー
ション制御ユニット31からエアコン制御ユニット21
へ取り込む。そして、当該エアコン制御ユニット21で
は、取り込まれた走行ルートの中に、現在地における日
射状況が急激に変化する地点があるかどうかを判断し、
もし存在する場合にはその地点までの距離または到着時
間が近いかどうかを判断する。
【0091】ここで、日射状況が急激に変化するかどう
かは、予め設定されたしきい値をもって判断し、たとえ
ば、進行方向が大きく変わる走行ルートでは、車室内へ
の日射量が各席で急激に変化するので、こうしたしきい
値等を採用することができる。また、そうした地点が存
在した場合のその地点までの距離または時間が近いかど
うかも、予め設定されたしきい値をもって判断する。具
体的には、エアコン能力を勘案して決定される。
【0092】そうした地点が存在しないか或いは存在し
ても距離または時間が長い場合にはステップ260へ戻
るが、そうした地点が存在し、しかもその地点までの距
離または時間が短い場合には、ステップ266へ進み、
その地点を通過するときの日射状況を演算する。
【0093】この様子を図11に示す走行グラフで説明
すると、現在地における日射量補正値QdbがQ1であ
り、走行ルートのA1地点にて日射量補正値QdbがQ2
に変化し、さらに地点A2にて日射量補正値QdbがQ3
に変化するとともに、現在地からA2地点までの距離ま
たは時間が近いとすると、現在地においてA1地点およ
びA2地点における日射量補正値Q2,Q3を演算して
おく(ステップ266)。そして、ステップ268およ
びステップ270にて、運転席に対する日射センサ値の
補正演算および最終的な補正値を演算する。この最終的
な補正値が図11に一点鎖線で示す補正値である。この
操作を運転席以外の各席についても実行し各席における
最終補正値を取得する(ステップ272)。
【0094】通常A1地点やA2地点では、エアコン制
御、たとえばファン回転数やコンプレッサのON/OF
F、或いは吹出モードや吹出空気温度が急激に変化し
て、騒音が生じたり空調環境に違和感をおぼえることも
あるが、本実施形態の自動車用空気調和装置によれば、
図11に示すように日射量状況が急激に変化する場合に
はこれを先読みし、徐々に空調を制御するのでこうした
問題が解消される。
【0095】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【0096】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、実際
の日射環境が室内の空調環境に対して不快であると判断
された場合に限り、車室内の各領域における日射状況が
加味された日射量補正値を含めた各種センサからの検出
信号に基づいて車室内の各領域のそれぞれの温度が自動
制御されるので、それぞれの乗員について最適な空調環
境を実現することができる。
【0097】これに加えて、請求項3記載の発明によれ
ば、車室内の各領域における日射状況が障害物の有無と
ともに加味された日射量補正値が得られるので、それぞ
れの乗員についてさらに最適な空調環境を実現すること
ができる。
【0098】また、請求項4記載の発明によれば、車室
内の各領域における日射状況が気象状況とともに加味さ
れた日射量補正値が得られるので、それぞれの乗員につ
いてさらに最適な空調環境を実現することができる。
【0099】また、請求項5記載の発明によれば、各領
域に対する空調制御が滑らかに変化するので、急激な騒
音の発生や違和感を与えることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用空気調和装置を示すブロック
図(第1実施形態対応図)である。
【図2】本発明の自動車用空気調和装置の実施形態を示
す構成図である。
【図3】本発明に係るエアコンユニット本体を示す構成
図である。
【図4】図3に示すエアコンユニットの一部を示す構成
図である。
【図5】図2のエアコン制御ユニットにおけるメインル
ーチンを示すフローチャートである。
【図6】図5のステップ20のサブルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図7】図6のステップ220のサブルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図8】本発明の自動車用空気調和装置を示すブロック
図(第2実施形態対応図)である。
【図9】図2のエアコン制御ユニットにおけるメインル
ーチンを示すフローチャートである。
【図10】図9のステップ20のサブルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図11】第2実施形態の作用を説明するためのグラフ
である。
【図12】室内の各席における乗員の快適度の説明のた
めの斜視図である。
【図13】快適度に基づく吹出温度補正の一例を示す制
御マップである。
【符号の説明】
10…自動車用空気調和装置 1…日射センサ 2…自車両位置検出手段 3…太陽位置検出手段 3A…太陽相対位置演算手段 4…障害物判断手段 5…気象情報検出手段 6…日射量補正手段 7…主制御手段 8…各種センサ 9…各種アクチュエータ 11…走行ルート設定手段 12…第2の日射量補正手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 雅行 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 村松 寿郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 高橋 利彰 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の各所に設けられた各種のセンサから
    の検出信号に基づいて車室内の複数の領域のそれぞれの
    温度を自動制御する独立温調型の自動車用空気調和装置
    において、 車室内の定位置に設けられ太陽光の入射量を検出する日
    射センサと、 自車両の現在位置および走行方向を検出する自車両位置
    検出手段と、 現在の時刻における太陽の位置を検出する太陽位置検出
    手段と、 前記自車両位置検出手段で検出された自車両位置と前記
    太陽位置検出手段で検出された太陽位置とに基づいて自
    車両位置に対する太陽の相対位置を求める太陽相対位置
    演算手段と、 前記太陽相対位置演算手段で演算された太陽の相対位置
    から前記車室内の複数の領域のそれぞれに対する日射状
    況を判断し、この各領域における日射状況の判断結果に
    基づいて前記日射センサで検出された日射量を補正する
    日射量補正手段と、 前記日射量補正手段で補正された日射量および前記前記
    各種のセンサにより検出された測定値に基づいて前記車
    室内のそれぞれの領域における快適度を演算し、この快
    適度が予め設定された基準快適度より不快であるとき
    は、前記日射量補正手段で補正された日射量を用いてそ
    の領域へ吹き出される調和空気を制御する主制御手段
    と、を備えたことを特徴とする自動車用空気調和装置。
  2. 【請求項2】前記主制御手段は、日射量、内気温度、外
    気温度および設定温度に基づいて、頭部、腕部、腹部、
    脚部、足先その他の乗員の各所に対する温冷感覚を演算
    し、これら各所に対する温冷感覚に基づいて前記快適度
    を演算することを特徴とする請求項1記載の自動車用空
    気調和装置。
  3. 【請求項3】自車両位置と太陽位置との間に自車両に対
    する太陽光の入射を遮る障害物が存在するかどうかを判
    断する障害物判断手段をさらに備え、 前記日射量補正手段は、車室内の複数の領域のそれぞれ
    に対する日射状況を判断するに際し、前記障害物判断手
    段からの情報を取り込んで日射状況を判断することを特
    徴とする請求項1又は2記載の自動車用空気調和装置。
  4. 【請求項4】自車両位置における気象情報に応じた信号
    を出力する気象情報検出手段をさらに備え、 前記日射量補正手段は、車室内の複数の領域のそれぞれ
    に対する日射状況を判断するに際し、前記気象情報検出
    手段からの情報を取り込んで日射状況を判断することを
    特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の自動車用空気
    調和装置。
  5. 【請求項5】自車両の走行ルートを設定する走行ルート
    設定手段と、 現在位置から所定時間先の、前記走行ルート設定手段で
    設定された将来位置における日射状況を判断し、現在の
    日射状況に対して所定レベル以上の日射状況に変化する
    場合は、その将来位置の所定距離手前から徐々に日射状
    況を変化させる第2の日射量補正手段と、をさらに備え
    たことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の自動
    車用空気調和装置。
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