JP2000062334A - 印刷用版材及びその再生方法 - Google Patents

印刷用版材及びその再生方法

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JP2000062334A
JP2000062334A JP10229109A JP22910998A JP2000062334A JP 2000062334 A JP2000062334 A JP 2000062334A JP 10229109 A JP10229109 A JP 10229109A JP 22910998 A JP22910998 A JP 22910998A JP 2000062334 A JP2000062334 A JP 2000062334A
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printing plate
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printing
titanium oxide
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JP10229109A
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English (en)
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Yasuharu Suda
康晴 須田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷工程のデジタル化に対応しつつ再利用が
可能であるような印刷用版材及びその再生方法を提供す
る。 【解決手段】 印刷用版材として、基材上に酸化チタン
光触媒を含むコート層を形成したものを利用する。版作
製時の初期状態においては、コート層表面が疎水性を示
す状態に調整しておく。この表面に、酸化チタン光触媒
のバンドギャップエネルギよりも高いエネルギをもつ波
長の光(紫外線)を照射し、表面の一部を、親水性を示
す表面に変換する。この変換は、印刷しようとする画像
に準拠したデジタルデータに基づいて行われる。これに
より、疎水性の部分を画線部、親水性の部分を非画線部
として利用する。印刷が終了したら、エネルギ束の照射
又は化成処理を複合あるいは単独で施すことにより、コ
ート層表面の全面が再び疎水性を示す版作製時の初期状
態となるよう変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷用版材及びそ
の再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】印刷技術一般としては、昨今、印刷工程
のデジタル化が進行しつつある。これは、スキャナ等で
読み込んだ画像データを、パソコン等を介することによ
ってデジタルデータ化し、印刷に用いる版材の作製に関
して、このデジタルデータをそのまま利用しようとする
試みである。このことによって、印刷工程全体の省力化
が図れると共に、高精細な印刷を行うことも可能とな
る。
【0003】ところで、従来の版としては、いわゆるP
S版が一般的に知られている。これは、陽極酸化アルミ
ニウムを親水性の非画線部とし、その表面上に感光性樹
脂を硬化させて形成した疎水性の画線部を有するものと
なっている。印刷は、上記疎水性の画線部に付着したイ
ンキが紙面上に転移することによって行われる。もっと
も、このPS版は、上記した印刷工程デジタル化に対応
できるものとはなっていない。
【0004】一方で上記PS版の他、印刷工程のデジタ
ル化に対応して、版の作製を容易にする方法も提案され
ている。例えば、PETフィルム上に、カーボンブラッ
ク等のレーザ吸収層、さらにその上にシリコン樹脂層を
塗布したものに、レーザ光線で画線を書き込むことによ
りレーザ吸収層を発熱させ、その熱によりシリコン樹脂
層を焼きとばして版を作製する方法が知られている。ま
た、アルミニウム版の上に親油性のレーザ吸収層を塗布
し、さらにその上に塗布した親水層を前記と同様にレー
ザ光線で焼き飛ばして版とする方法等も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術においては以下のような問題があった。まず、上記P
S版においては、その作製に多くの時間とコストを必要
とするため、特に少数部数の印刷においては印刷コスト
アップの要因となっていた。また、一つの絵柄の印刷が
終わり次の印刷を行う際には、版の交換作業が必要とな
り、従前までに使用されていた版は廃棄処分となってい
た。さらに、PS版は、上述したように、印刷工程のデ
ジタル化に対応できるものとなっていない。すなわち、
PS版では、デジタルデータから版を直接作製すること
ができず、省力化や高精細印刷を実現するための印刷工
程デジタル化を実現することが不可能であった。
【0006】また、上記デジタル化に対応した版の作
製、すなわちPETフィルムを用いるものやアルミニウ
ム版を用いるものは、確かにデジタルデータから直接版
を作製することは可能であるが、一つの絵柄に関して印
刷が終わると新しい版に交換しなければ印刷ができな
い。つまり、一度使った版が廃棄処分となる事情に関し
ては上記PS版と変わりはない。すなわち、その相応分
印刷に係るコストが上昇することとなっていた。また、
近年とみに提唱されるようになった地球環境保護という
立場からも、一度使用した版を廃棄処分とするのは、好
ましい状況といえるものではない。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、印刷工程のデジタル化に
対応しつつ再利用が可能であるような印刷用版材及びそ
の再生方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために以下の手段をとった。すなわち、請求項
1記載の印刷用版材は、基材の表面に酸化チタン光触媒
を含むコート層を、直接又は中間層を介して形成するこ
とを特徴とするものである。
【0009】この印刷用版材は、疎水性を示しているコ
ート層表面に光を照射することにより、その照射部分を
親水性に変換することが可能である。これは、酸化チタ
ン光触媒の作用によるものである。そして、当該親水性
に変換された部分をインキの付着しない非画線部、残る
疎水性部分をインキの付着する画線部として利用するこ
とにより、印刷用版材としての機能を発揮することが可
能となる。また、基材と前記コート層との間に中間層を
介した場合には、当該コート層の付着強度を十分に保つ
ことが可能となる。
【0010】また、請求項2記載の印刷用版材は、前記
コート層表面が、版作製時の初期状態において、水の接
触角が少なくとも50゜以上の疎水性を示すことを特徴と
する。
【0011】これによれば、版作製時の初期状態におい
ては、版全面が画線部となり得る状態であるといえる。
【0012】また、請求項3記載の印刷用版材は、前記
コート層表面は、当該表面に酸化チタン光触媒のバンド
ギャップエネルギより高いエネルギをもつ波長の光を照
射することにより、水の接触角が10゜以下となる親水性
表面に変換されることを特徴とする。
【0013】これによれば、酸化チタン光触媒のバンド
ギャップエネルギより高いエネルギをもつ波長の光を照
射したコート層表面が、親水性表面に変換されることか
ら、その部分を非画線部として利用することが可能とな
る。なお、この光の照射は、例えば、印刷しようとする
画像に準拠したデジタルデータに基づいて行われるよう
にすることが可能であり、この場合、本発明による印刷
用版材は、印刷工程のデジタル化に対応したものとなっ
ているということがいえる。
【0014】また、請求項4記載の印刷用版材は、版作
製時の初期状態において、水の接触角が少なくとも50゜
以上の疎水性を示す前記コート層表面に、酸化チタン光
触媒のバンドギャップエネルギより高いエネルギをもつ
波長の光を照射することにより、当該光の照射された領
域を水の接触角が10゜以下の親水性表面に変換し、当該
親水性表面を非画線部、残る疎水性表面を画線部として
利用することを特徴とするものである。
【0015】これは、上述した請求項2及び請求項3に
記載した発明と同様な作用を有する印刷用版材であると
いうことがいえる。したがって、この印刷用版材は、印
刷工程のデジタル化に対応することが可能なものといえ
る。
【0016】また、請求項5記載の印刷用版材は、その
面内において少なくとも一部が親水性を示す前記コート
層表面に、エネルギ束を照射することにより、当該表面
を、水の接触角が少なくとも50゜以上の疎水性表面とな
るよう再変換することを特徴とするものである。
【0017】これによれば、親水性を示す部分を含む前
記コート層表面は、エネルギ束が照射されることにより
疎水性に変換されることになるから、このとき、この印
刷用版材は請求項2に記載したものと同様なもの、すな
わち、印刷用版材は初期状態になったとみなすことが可
能である。また、このことはつまり、印刷用版材の再利
用が可能となっていることを意味している。
【0018】また、請求項6記載の印刷用版材は、その
面内において少なくとも一部が親水性を示す前記コート
層表面に、化成処理を施すことにより、当該表面を、水
の接触角が少なくとも50゜以上の疎水性表面となるよう
再変換することを特徴とするものである。
【0019】この印刷用版材は、前記エネルギ束の代用
として化成処理を施すことで、請求項5記載の印刷用版
材と同様な作用を得ることが可能なものである。
【0020】また、請求項7記載の印刷用版材は、その
面内において少なくとも一部が親水性を示す前記コート
層表面に、前記エネルギの照射及び前記化成処理を複合
して施すことにより、当該表面を、水の接触角が少なく
とも50゜以上の疎水性表面となるよう再変換することを
特徴とする。
【0021】この印刷用版材は、前記エネルギ束及び前
記化成処理を複合して施すことにより、請求項5記載の
印刷用版材と同様な作用を得ることが可能なものであ
る。なおこの場合、親水性表面を疎水性表面に変換に
は、複数の手段が利用されることを示しているから、一
般にその変換は速やかに完了可能なものと考えられる。
【0022】また、請求項8記載の印刷用版材は、その
面内において少なくとも一部が親水性を示す前記コート
層表面をクリーニングし、前記酸化チタン光触媒を含む
コート層を再生することにより、当該表面を、水の接触
角が少なくとも50゜以上の疎水性表面となるよう再変換
することを特徴とするものである。
【0023】これは、例えば、親水性を示す表面上に、
新たなコート層を再び形成することにより達成される。
このことにより、版材全面が疎水性を示す、すなわち、
全面が非画線部となる初期状態が現出されることにな
る。したがって、これによっても請求項5〜7に基づき
導かれるのと同様な作用を発揮することが可能である。
つまり、この印刷用版材は再利用が可能である。
【0024】また、請求項9記載の印刷用版材の再生方
法は、基材の表面に酸化チタン光触媒を含むコート層
を、直接又は中間層を介して形成することを特徴とする
印刷用版材にあって、印刷終了後、酸化チタン光触媒を
含むコート層表面をクリーニングする工程と、その後酸
化チタン光触媒を含むコート層を再生する工程とを少な
くとも含むことを特徴とするものである。
【0025】これについては、請求項8から導かれる作
用と同様な作用が得られることが明らかである。
【0026】また、請求項10記載の印刷用版材の再生
方法は、前記コート層表面を疎水性表面に再変換する請
求項5から8のいずれかに記載の印刷用版材において、
その再変換に係る工程を印刷機上で行うことを特徴とす
るものである。
【0027】したがって、実際に印刷を行う際において
は、前記再変換に係る作業時に一般に伴うと考えられる
印刷作業の中断を挟むことなく、連続的な印刷作業を実
施することが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施の形態に
ついて、図を参照して説明する。図1は、本実施形態に
係る印刷用版材の表面をも示す断面図を示している。図
1において、基材1はアルミニウムで構成されている。
なお、アルミニウムを印刷用版材として用いるのは極め
て一般的な形態といえるが、ただし、本発明はこのこと
に限定されるものではない。
【0029】基材1表面上には、中間層2が形成されて
いる。中間層2としては、例えば、シリカ(SiO2)、
シリコーン樹脂、シリコーンゴム等のシリコン系化合物
がその材質として利用される。そのうち特に、シリコー
ン樹脂としては、シリコーンアルキド、シリコーンウレ
タン、シリコーンエポキシ、シリコーンアクリル、シリ
コーンポリエステル等が使用される。この中間層2は、
前記基材1と後述するコート層3との付着を確実なもの
とならしめるため、また密着性を確保するために形成さ
れているものである。すなわち、基材1と中間層2と
を、またコート層3と中間層2とを、それぞれ確実に密
着させることによって、結果、基材1とコート層3との
付着強度を確保することとなっている。
【0030】中間層2上には、酸化チタン光触媒を含む
コート層3が形成されている。このコート層3表面にお
いては、版作製時の初期状態に疎水性を示し、紫外線を
照射することによって親水性を示す部分を現出させるこ
とが可能となっている。この性質は、前記酸化チタン光
触媒の備える性質に依るものである。なお、このことに
ついては後に詳しく説明することとする。
【0031】このコート層3には、前記性質、すなわち
疎水性から親水性への変換特性を改良するため、あるい
は当該コート層3の強度や基材1との密着性を向上させ
ることを目的として、次に示すような物質を添加したも
のとしてよい。この物質とは、例えば、シリカ、シリカ
ゾル、オルガノシラン、シリコン樹脂等のシリカ系化合
物、また、ジルコニウム、アルミニウム等からなる金属
酸化物又は金属水酸化物、さらにはフッ素系樹脂を挙げ
ることができる。なお、酸化チタン光触媒の強い酸化力
を考慮すると、コート層3の組成は無機化合物の方が、
コート層3の劣化を防ぐという観点から好ましいものと
いえる。
【0032】また、酸化チタン光触媒そのものとして
は、結晶構造がそれぞれ異なるアナターゼ型とルチル型
とがあり、本実施形態においては両者とも利用可能であ
るが、一般的には光触媒作用が高いアナターゼ型の方が
好ましい。また、版面に書き込む画像の解像度を高めて
高精細印刷を可能とするため、及び薄い膜厚となるコー
ト層3を形成することも視野内に収めることを可能とす
るため、酸化チタン光触媒の粒径は0.1μm以下であるこ
とが好ましい。
【0033】なお、使用する酸化チタン光触媒として
は、市販されていて、かつ本実施形態において使用可能
なものを具体的に列挙すれば、石原産業製のST-01、
ST-21、その加工品ST-K01、ST-K03、水分散タイ
プSTS-01、STS-02、STS-21、また、堺化学工
業製のSSP-25、SSP-20、SSP-M、CSB、CS
B-M、塗料タイプのLACTI-01、テイカ製のATM-10
0、ATM-600、ST-157等を挙げることができる。た
だし、本発明はこれらの酸化チタン光触媒以外にあって
も適用可能なことはもちろんである。
【0034】また、コート層3の膜厚は、0.01〜10μm
の範囲内にあることが好ましい。というのは、膜厚があ
まりに小さければ、前記した性質を十分に生かすことが
困難となるし、また、膜厚があまりに大きければ、コー
ト層3がヒビ割れしやすくなり、耐刷性低下の要因とな
るためである。なお、このヒビ割れは、膜厚が50μmを
越えるようなときに顕著に観察されるから、前記範囲を
緩和するとしても当該50μmをその上限として認識する
必要がある。また、実際上は2〜3μm程度の膜厚とな
るのが一般的な形態であるといえる。
【0035】さらに、このコート層3の形成方法として
は、ゾル塗布法、有機チタネート法、蒸着法等を適宜選
択して形成すればよい。このとき例えば、塗布法を採用
するのであれば、それに用いられる塗布液には、酸化チ
タン光触媒及び前記コート層3の強度や基材1との密着
性を向上させる前記各種の物質の他に、溶剤、架橋剤、
界面活性剤等を添加しても良い。また塗布液は、常温乾
燥タイプでも加熱乾燥タイプでも良いが、後者の方を作
用する方がより好ましい。というのは、加熱によりコー
ト層3の強度を高めた方が、版の耐刷性を向上させるの
に有利となるからである。
【0036】以下では、上記構成となる印刷用版材に関
する作用及び効果について説明する。まず、印刷用版材
作製時の初期状態においては、前記コート層3表面を、
図1に示すように、水の接触角が少なくとも50゜以上の
疎水性を示すように調整しておく。ちなみに、前記接触
角が80゜以上となるようにすればより好ましい状態であ
るといえる。この状態においては、図1からも察するこ
とが可能なように、水がコート層3表面に付着すること
が困難、すなわちいわゆる撥水性が極めて高い状態とな
っているから、逆に言えば印刷用インキがコート層3表
面上に付着することが容易な状態が現出されているとい
える。
【0037】なお、上記でいう「版作製時の初期状態」
とは、実際上の印刷工程におけるその開始時とみなして
よい。より具体的にいえば、ある与えられた任意の画像
に関して、それをデジタル化したデータが既に用意され
ていて、これを版材上に転写しようとするときの状態を
指すものとみなせる。ただし、このデジタル化データが
用意される段階が、後述するコート層3表面に関する親
水化処理を施した後であってもよく、いま述べたことは
厳密に解されるべきではない。つまり、「版作製時の初
期状態」を、上記のように「実際上の印刷工程開始時」
と定義するときには、それを広義に解釈するものとす
る。
【0038】次に、上記状態となるコート層3表面に対
して、図2に示すような紫外線照射を実施する。この紫
外線照射は、前記した画像に関するデジタルデータに準
拠して、そのデータに対応するように行われる。なお、
ここでいう紫外線とは、酸化チタン光触媒のバンドギャ
ップエネルギより高いエネルギをもつ波長の光のことで
ある。より具体的には、波長380nm以下の光を含む紫外
線である。
【0039】コート層3表面はこの紫外線照射によっ
て、同じく図2に示すように、その表面が親水性を示す
ようになる。これは酸化チタン光触媒の作用によるもの
である。このことによって、コート層3表面における紫
外線が照射された領域は、水の接触角が10゜以下の状態
となる。この状態は、先の疎水性表面の状態とちょうど
逆の関係となるものである。すなわち、水は殆ど膜状に
コート層3表面に広がることとなるが、印刷用インキは
この表面に付着することが不可能となる。
【0040】また、この親水性部分を前記画像に基づい
て現出させる方法は、単に紫外線照射領域を、その画像
に関する前記デジタルデータに基づいて制御するように
すればよいので、簡単に実施することが可能である。つ
まり、疎水性部分を感光性樹脂を硬化させて形成する従
来のPS版とは異なり、本実施形態における印刷用版材
は印刷工程のデジタル化に、容易に対応可能なものであ
るといえる。
【0041】ちなみに、酸化チタン光触媒が、紫外線照
射によって親水化する機構に関しては、概ね次のように
言われている。酸化チタン光触媒が疎水性を示している
ときには、図3左方に示すように、表面において酸素が
ブリッジされた状態となっている。このため水分子が表
面に付着することがなく、結果疎水性を発揮することに
なる。一方、これに紫外線を照射すると、先の酸素のブ
リッジ状態が解かれ、図3右方に示すように、水酸基が
表面上にあらわれる。そして、この水酸基が、表面上に
存在する水を吸着して親水性を発揮することになる。な
お、この水酸基が表面上に露出した形態は、後にも述べ
るように、放置しておけば自然に元の疎水性表面へと移
行しようとする。つまり、酸素がブリッジされた状態の
方が、化学的には安定であるといえる。
【0042】上記までの処理が終了したら、コート層3
表面に印刷用インキを塗布する。すると、例えば図4に
示すような印刷用版材が作製されることになる。この図
において、ハッチングされた部分が上記親水化処理のな
されなかった部分、すなわち疎水性部分であり、したが
って、印刷用インキが付着した画線部を示しており、残
りの地の部分、すなわち親水性の部分は印刷用インキが
はじかれて、その付着がなされなかった非画線部を示し
ている。このように絵柄が浮かび上がることにより、コ
ート層3表面は、親版としての作用を有することにな
る。
【0043】この後、通常の印刷工程を実行しこれを終
了させる。以下では、二つの実施形態について説明する
こととする。
【0044】まず、第一の実施形態としては、通常の印
刷工程を通過した印刷用版材において、そのコート層3
表面に、光、熱、音波、電子線等からなるエネルギ束の
照射と、薬剤溶液、ガス、触媒等の化学物質による表面
処理、すなわち化成処理を実施する。これは同時に行っ
ても良いし、また、別個に実施するようにしてもよい。
このような作業(図3の親水性状態の水酸基を除去する
処理)を実施することによって、コート層3表面は、図
5の曲線Aに示すように、親水性を示していた部分が再
び疎水性を示すこととなる。なお、図5は、横軸に時
間、縦軸に水の接触角をとったグラフであり、コート層
3表面のある一点に関する水の接触角が時間の経過と共
にいかに変化するかを示したものである。
【0045】通常、親水化処理された酸化チタン光触媒
は、これを暗所に保持しておくと、その親水化された部
分が次第に疎水性を示すものへと自然に移行する性質を
もっている(図5中曲線B参照)。この移行は、通常、
一週間から一月程度で完了し、その後は再び全面が疎水
性を示すこととなる。また、酸化チタン光触媒における
疎水性能及び親水性能を利用する際には、親水性を保持
しようとする努力が行われるのが一般的である。すなわ
ち、上記一週間から一月程度かかる親水性から疎水性へ
の移行を、さらに長期化するような努力が払われるのが
従来の考え方であり、一般的であった。
【0046】ところで、本実施形態においては、上記し
たようにエネルギ束の照射及び化成処理をもって、親水
性を備えているコート層3表面を積極的に疎水性に戻そ
うとする処理を行うこととなる。したがって、親水性を
保持しようと努めるのでなく、また、一週間から一月程
度かかる疎水性への移行が完了するのを悠長に待つので
もなく、この親水性から疎水性への移行を極めて短期間
に試みようとするものである。
【0047】本実施形態においては、この疎水性への復
帰を速やかに完了することにより、上述した「版作製時
の初期状態」に再び戻ることが可能となるものである。
つまり、このときコート層3表面上は、印刷用インキが
全面に付着可能な疎水性を示していることとなり、この
表面に再び紫外線照射を行えば印刷用の新たな親版を作
製することが可能となる。端的に言えば、本実施形態に
おける印刷用版材は、その再利用が、言い換えれば繰り
返し利用が可能なものとなっているものである。
【0048】以下では、第二の実施形態について説明す
る。この第二の実施形態においては、まず版面、すなわ
ちコート層3表面に付着しているインキ、湿し水等をふ
き取る。すなわち、コート層3表面のクリーニングを行
う。その後、酸化チタン光触媒を含むコート層3を再度
形成し、新生疎水性面を創生するようにする。このコー
ト層3の再生は、前記したゾル塗布法、有機チタネート
法、蒸着法等を適宜用いればよい。実用的には塗布法を
選択するのが好ましく、この場合具体的には、スプレー
コーティング、ブレードコーティング、ディプコーティ
ング、ロールコーティング等の方法を用いればよい。な
お、コート層3を再生する前に使用したコート層の除去
を行ってもよい。また、この再生されたコート層3にお
いては、その膜厚が0.05μm以上となるのが望ましい
が、20μmを越えるとひび割れが生じやすいため注意が
必要である。
【0049】このことにより、この第二の実施形態にお
いても、前記第一の実施形態と同様、図6に示すよう
に、版の繰り返し利用又は再利用が可能となっているこ
とは明らかである。すなわち、疎水性を示す表面となる
コート層3が再び創生されているから、印刷用版材はそ
の時点で「版作製時の初期状態」に戻っているといえ、
この表面に紫外線照射を行えば、新たな親版を作製する
ことが可能となる。
【0050】以下では、印刷用版材の作製及び印刷に係
る、本願発明者らが確認したより具体的な実施例につい
て説明する。まず、その面積が葉書サイズ、厚さが0.3m
mのアルミニウム製の基材を用意し、これに堺化学工業
製プライマーLAC PR-01を塗布、乾燥させた。乾燥後
のプライマー層の厚みは1.4μmであった。なお、このプ
ライマー層とは、図1における中間層2に対応している
ことになる。その後、堺化学工業製の酸化チタン光触媒
コーティング剤LAC TI-01を塗布し100℃で乾燥させ
て、厚み1.0μmの酸化チタン光触媒を含むコート層3を
成膜した。この印刷用版材について、協和界面化学のC
A-W型接触角計を用いコート層3表面の水の接触角を
測定した結果、それは100゜となり、画線部として十分
な疎水性を示した。
【0051】次に、上記印刷用版材をSAN PRINTING MAC
HINRS社製のSAN OFF-SET 220E DX型カード印刷機に取り
付け、東洋インキ製のインキHYECOO B紅MZと三菱重工
業製の湿し水リソフェロー1%溶液を用いて、アイベス
ト紙に印刷速度2500枚/時にて印刷を行った。この結
果、版材表面(すなわちコート層3表面、以下同様)全
体にインキが付着し、当該版と同寸で均一な濃度の紅色
の画像を紙面上に印刷できた。
【0052】また、上記コート層3の塗布までを終えた
印刷用版材において、すなわち版作製時の初期状態にお
ける印刷用版材において、そのコート層3表面に照度40
mW/cm2の紫外線を5分間照射した後、直ちに前記CA-
W型接触角計で水の接触角を測定したところ、それは4
゜となり、非画線部として十分な親水性を示した。ま
た、この版材を用いて、前記と同様に印刷をおこなった
ところ、版面にはインキが付着せず、紙面上には画像の
印刷ができなかった。
【0053】さらに、さきと同様、版作製時の初期状態
における印刷用版材において、その版材表面のほぼ中央
部を一辺が2cmの正方形の黒い紙でマスキングし、マス
キングしていない部分に照度40mW/cm2の紫外線を5分間
照射した後、紫外線照射部分について直ちにCA-W型
接触角計で水の接触角を測定したところ、接触角は5゜
となり、非画線部として十分な親水性を示した。この版
材を用いて前記と同様に印刷をおこなったところ、紫外
線を照射した部分の版面にはインキが付着せず、マスキ
ングした版材部分に相当する一辺が2cmの正方形の紅色
画像が紙面上に印刷できた。
【0054】次に、印刷用版材の再生に係る実施例を次
に示す二通りについて説明する。まず、版面上に付着し
たインキと湿し水を拭き取った印刷用版材を、微弱な紫
外線に対しても暴露されないよう暗室に封じた。暗室は
窒素ガス雰囲気下に保った。また、版材表面に対して5
分間180℃の加熱処理を施した。その結果、これらの処
理を完了させた印刷用版材において、その版材表面の水
の接触角をCA-W型接触角計を用いて測定したとこ
ろ、それは93゜となり、紫外線照射前の疎水性表面に戻
った。
【0055】次に、カード印刷機に版を取り付けた状態
で、版面上に付着したインキと湿し水をふき取った後、
ロールコーティングにより版面上に前記した酸化チタン
光触媒コーティング剤LAC TI-01を塗布した後、120
℃の熱風で乾燥させて酸化チタン光触媒を含むコート層
3を再生した。この再生した版を用いて、再生処理前の
印刷と同様にして印刷を行ったところ、版材表面全体に
インキが付着し、版と同寸で均一な濃度の紅色の画像が
紙面上に印刷できた。
【0056】なお、上記印刷は、図7に示すような印刷
機10を用いて行った。すなわち、この印刷機10は、
版胴11を中心として、その周囲にコーティング装置1
2、ブラン胴13、版クリーニング装置14、書き込み
装置15、インキングローラ16、及び乾燥装置17を
備えたものとなっている。印刷用版材は、版胴11に巻
き付けられて設置されている。
【0057】この印刷機10において、上記したように
印刷を終了した版の再生工程は、次のように行われる。
まず、版クリーニング装置14を版胴11に対して接し
た状態とし、版面上に付着したインキと湿し水をふき取
る。その後、版クリーニング装置14を版胴11から離
脱させ、コーティング装置12を版胴11に接した状態
とする。このことによって、コート層3が版材上に再生
されていく。この後、コーティング装置12を版胴11
から離脱させて乾燥装置17を稼働させ、コート層3に
含まれる溶媒等を乾燥させる。次に、予め用意された画
像のデジタルデータに基づき、書き込み装置15の発す
る紫外線によってその再生されたコート層3表面に画像
を書き込む。以上の工程が終了したら、インキングロー
ラ16、ブラン胴13を版胴11に対して接する状態と
する。そして、紙18がブラン胴13に接するよう、か
つ図7に示す矢印の方向に流していくことによって、連
続的な印刷が行われるようになっている。
【0058】以上説明したように、本実施形態における
印刷用版材は、酸化チタン光触媒のもつ性質、すなわち
疎水性から親水性への変換性質を利用することにより、
その再利用を可能とし、使用後に廃棄される版材の量を
著しく減少させることができる。したがって、その分、
版材に関わるコストを大幅に低減することができる。ま
た、画像に係るデジタルデータから、版材への画像書き
込みは、光(紫外線)によって直接実施することが可能
であることから、印刷工程のデジタル化対応が成されて
おり、その相応分の大幅な時間短縮、またコスト削減を
図ることができる。
【0059】さらに、印刷用版材の再変換と、コート層
3の再生を印刷機上で行うことが可能であるから、印刷
作業の迅速化を実現することができる。なお、上記の例
では、コート層3表面に対する画像書き込みも印刷機上
で行われていたから、より迅速な作業を実施することが
できる。
【0060】なお、本実施形態においては、基材1とコ
ート層3との間に中間層2を設けることとしていたが、
本発明はこのことに限定されるものではない。すなわ
ち、中間層2は必ずしも設ける必要はない。なお、この
ように言えるのは、仮に中間層2を設けないとしても、
上までの説明から明らかなように、本発明の主要な本質
が損なわれることにならないからである。
【0061】また、版の再生に関して、上ではコート層
3を新しく塗布し直す実施形態あるいは実施例について
説明したが、このことについては次のことを補足してお
く。すなわち、印刷終了後に新しくコート層3を塗布す
るのではなく、それまでに使用していたコート層3表層
部分を削るようような方法をとっても、上述したのと同
様な作用効果が得られる、という点である。つまり、図
2等に示すコート層3の表層部分一面を、印刷終了後に
削ることとすれば、親水性部分は一挙に除去され、代わ
りにその裏に控えている新しいコート層3表面を表出さ
せることができる。この新たなコート層3表面は疎水性
を示すことになるから、結局、このような方法によって
も、版作製時の初期状態を現出させることが可能なこと
がわかる。本発明で言うところの「コート層の再生」と
は、いま述べたような概念もその範囲内に収めるもので
ある。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の印
刷用版材は、基材の表面に酸化チタン光触媒を含むコー
ト層を、直接又は中間層を介して形成することにより、
その表面において、酸化チタン光触媒のバンドギャップ
エネルギよりも高いエネルギをもつ波長の光(以下、紫
外線と略す)を照射することにより、疎水性から親水性
への変換を行うことが可能となっている。したがって、
これは、疎水性部分を画線部、親水性部分を非画線部と
して利用することにより、印刷用版材としての機能を発
揮することが可能となるものである。なお、このとき基
材とコート層との間に、中間層を設けることにより両者
の付着強度を十分とすることができる。
【0063】また、請求項2記載の印刷用版材は、前記
コート層表面が、版作製時の初期状態において、水の接
触角が少なくとも50゜以上の疎水性を示すことから、当
該初期状態では、版全面が画線部となり得る状態となっ
ていると言える。逆に言えば、このコート層表面に対し
て画像を倣うような紫外線照射を行えば、当該画像を浮
かび上がらせることが可能となり、これを親版として利
用することができる。
【0064】また、請求項3記載の印刷用版材は、前記
コート層表面は、当該表面に酸化チタン光触媒のバンド
ギャップエネルギより高いエネルギをもつ波長の光を照
射することにより、その部分を非画線部として利用する
ことが可能となる。なお、この紫外線照射は、印刷用し
ようとする画像に準拠したデジタルデータに基づいて行
われるようにすることが可能である。したがって、本発
明による印刷用版材は印刷工程のデジタル化に対応した
ものであるといえ、それ故、印刷時間の大幅な短縮、そ
してコスト削減を図ることができる。
【0065】また、請求項4記載の印刷用版材は、上述
した請求項2及び請求項3に記載した発明の組み合わせ
的な作用を有すると言える。したがって、この印刷用版
材は、印刷工程のデジタル化に対応することが可能なも
のとなっており、上記と同様印刷時間の大幅な短縮及び
コスト削減を図ることができる。
【0066】また、請求項5記載の印刷用版材は、少な
くとも一部が親水性を示す前記コート層表面にエネルギ
束を照射することにより、当該表面を疎水性に変換する
ことから、印刷用版材の再利用が可能なものとなってい
る。したがって、従来の印刷用版材のように、印刷終了
と共に廃棄処分とする必要がなく、その相応分コスト削
減を図ることができる。
【0067】また、請求項6記載の印刷用版材は、前記
エネルギ束の照射に代えて化成処理を施すことによっ
て、印刷用版材の再利用を図るものである。これによれ
ば、前記と同様な効果が得られることが明らかである。
【0068】また、請求項7記載の印刷用版材は、前記
エネルギ束の照射及び化成処理を複合して施すことによ
り、印刷用版材の再利用を図るものである。これによっ
ても、請求項5に係る効果と同様な効果を享受すること
ができる。また、本発明においては、上記のように複数
の手段を使用することから、親水性から疎水性への変換
を速やかに完了することができる。
【0069】また、請求項8記載の印刷用版材は、印刷
用版材の再生を、前記コート層を再生することによって
直接的に達成しようとするものである。このように手段
は異なるが、効果としては請求項5に記載の効果と同様
なものが得られることは明らかである。
【0070】また、請求項9記載の印刷用版材の再生方
法は、請求項8から導かれる作用効果と同様な性質とな
る作用効果が得られることが明らかである。
【0071】また、請求項10記載の印刷用版材の再生
方法は、前記コート層表面の疎水性への再変換、再生を
印刷機上で行うことから、その作業時に一般に伴うと考
えられる印刷作業の中断を挟むことがない。したがっ
て、連続的な印刷作業を実施することができ、印刷作業
の迅速化が図れることになる。なお、本発明において
は、版の再利用に係るメリットも同時に享受できること
は言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 印刷用版材の構成を示す断面図である。ま
た、この図は、コート層表面が疎水性を示している状態
をも同時に示している。
【図2】 コート層表面が親水性を示している状態を示
す印刷用版材の断面図である。
【図3】 酸化チタン光触媒における疎水性から親水性
への変換を説明する説明図である。
【図4】 コート層表面に描かれた画像(画線部)とそ
の地(非画線部)の一例を示す斜視図である。
【図5】 コート層表面の疎水性から親水性への変換の
様子を時間に沿って示したグラフである。
【図6】 図5とは別形態となる、コート層表面の疎水
性から親水性への変換の様子を時間に沿って示したグラ
フである。
【図7】 印刷機の構成の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基材 2 中間層 3 コート層 10 印刷機
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月5日(1999.4.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】なお、上記でいう「版作製時の初期状態」
とは、実際上の印刷工程におけるその開始時とみなして
よい。より具体的にいえば、ある与えられた任意の画像
に関して、それをデジタル化したデータが既に用意され
ていて、これを版材上に書き込みしようとするときの状
態を指すものとみなせる。ただし、このデジタル化デー
タが用意される段階が、後述するコート層3表面に関す
る親水化処理を施した後であってもよく、いま述べたこ
とは厳密に解されるべきではない。つまり、「版作製時
の初期状態」を、上記のように「実際上の印刷工程開始
時」と定義するときには、それを広義に解釈するものと
する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 印刷用版材の構成を示す断面図である。ま
た、この図は、コート層表面が疎水性を示している状態
をも同時に示している。
【図2】 コート層表面が親水性を示している状態を示
す印刷用版材の断面図である。
【図3】 酸化チタン光触媒における疎水性から親水性
への変換を説明する説明図である。
【図4】 コート層表面に描かれた画像(画線部)とそ
白地(非画線部)の一例を示す斜視図である。
【図5】 コート層表面の疎水性から親水性への変換の
様子を時間に沿って示したグラフである。
【図6】 図5とは別形態となる、コート層表面の疎水
性から親水性への変換の様子を時間に沿って示したグラ
フである。
【図7】 印刷機の構成の一例を示す説明図である。
【符号の説明】 1 基材 2 中間層 3 コート層 10 印刷機
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AB01 AC01 AD03 BH01 BH03 BJ00 DA40 FA39 2H096 AA01 BA20 CA05 EA02 GA43 HA30 2H114 AA04 AA15 AA22 AA27 AA28 BA01 DA05 DA08 DA15 DA49 DA62 DA73 EA01 EA06 FA14 FA15 FA16 GA04 4G069 AA01 AA08 AA14 BA04A BA04B BA48A CA01 CA04 DA05 EA07 EB15Y ED01 ED02 FB01 FB13 FB23 FB24 FB27 FB58 FC06 GA00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の表面に酸化チタン光触媒を含むコ
    ート層を、直接又は中間層を介して形成することを特徴
    とする印刷用版材。
  2. 【請求項2】 前記コート層表面は、版作製時の初期状
    態において、水の接触角が少なくとも50゜以上の疎水性
    を示すことを特徴とする請求項1記載の印刷用版材。
  3. 【請求項3】 前記コート層表面は、当該表面に酸化チ
    タン光触媒のバンドギャップエネルギより高いエネルギ
    をもつ波長の光を照射することにより、水の接触角が10
    ゜以下となる親水性表面に変換されることを特徴とする
    請求項1又は2記載の印刷用版材。
  4. 【請求項4】 版作製時の初期状態において、水の接触
    角が少なくとも50゜以上の疎水性を示す前記コート層表
    面に、酸化チタン光触媒のバンドギャップエネルギより
    高いエネルギをもつ波長の光を照射することにより、当
    該光の照射された領域を水の接触角が10゜以下の親水性
    表面に変換し、当該親水性表面を非画線部、残る疎水性
    表面を画線部として利用することを特徴とする請求項1
    記載の印刷用版材。
  5. 【請求項5】 その面内において少なくとも一部が親水
    性を示す前記コート層表面に、エネルギ束を照射するこ
    とにより、当該表面を、水の接触角が少なくとも50゜以
    上の疎水性表面となるよう再変換することを特徴とする
    請求項1、3、又は4記載の印刷用版材。
  6. 【請求項6】 その面内において少なくとも一部が親水
    性を示す前記コート層表面に、化成処理を施すことによ
    り、当該表面を、水の接触角が少なくとも50゜以上の疎
    水性表面となるよう再変換することを特徴とする請求項
    1、3、又は4記載の印刷用版材。
  7. 【請求項7】 その面内において少なくとも一部が親水
    性を示す前記コート層表面に、前記エネルギの照射及び
    前記化成処理を複合して施すことにより、当該表面を、
    水の接触角が少なくとも50゜以上の疎水性表面となるよ
    う再変換することを特徴とする請求項1、3、又は4記
    載の印刷用版材。
  8. 【請求項8】 その面内において少なくとも一部が親水
    性を示す前記コート層表面をクリーニングし、前記酸化
    チタン光触媒を含むコート層を再生することにより、当
    該表面を、水の接触角が少なくとも50゜以上の疎水性表
    面となるよう再変換することを特徴とする請求項1、
    3、又は4記載の印刷用版材。
  9. 【請求項9】 基材の表面に酸化チタン光触媒を含むコ
    ート層を、直接又は中間層を介して形成することを特徴
    とする印刷用版材にあって、 印刷終了後、酸化チタン光触媒を含むコート層表面をク
    リーニングする工程と、その後酸化チタン光触媒を含む
    コート層を再生する工程とを少なくとも含むことを特徴
    とする印刷用版材の再生方法。
  10. 【請求項10】 前記コート層表面を疎水性表面に再変
    換する請求項5から8のいずれかに記載の印刷用版材に
    おいて、その再変換に係る工程を印刷機上で行うことを
    特徴とする印刷用版材の再生方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6564713B2 (en) * 2000-05-31 2003-05-20 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Printing plate, method for producing printing plate, reusing method for printing plate, and printing machine
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