JP2000057495A - 車両の走行安全装置 - Google Patents

車両の走行安全装置

Info

Publication number
JP2000057495A
JP2000057495A JP10222514A JP22251498A JP2000057495A JP 2000057495 A JP2000057495 A JP 2000057495A JP 10222514 A JP10222514 A JP 10222514A JP 22251498 A JP22251498 A JP 22251498A JP 2000057495 A JP2000057495 A JP 2000057495A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
contact
oncoming
oncoming vehicle
yaw rate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10222514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3866420B2 (ja
Inventor
Tomoyuki Niimura
智之 新村
Kenji Odaka
賢二 小▲高▼
Yoichi Sugimoto
洋一 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP22251498A priority Critical patent/JP3866420B2/ja
Priority to US09/368,673 priority patent/US6269307B1/en
Publication of JP2000057495A publication Critical patent/JP2000057495A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3866420B2 publication Critical patent/JP3866420B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自車が対向車と正面衝突する可能性の判定
を、レーダー装置で対向車を判別した時点で即座に行な
えるようにする。 【解決手段】 自車Aiの本来の適正進路Rと、自車A
iが対向車Aoに接触する接触位置Pとの横距離である
横偏差δdを、レーダー装置で検出した相対角度θ、相
対距離Lおよび相対速度Vsと、車速センサで検出した
自車Aiの車速Viとに基づいて算出し、この横偏差δ
dがδdn<δd<δdxの範囲にあるときに、自車A
iが対向車Aoと正面衝突する可能性があると判定す
る。前記横偏差δdは、レーダー装置の1回の送受信で
得られる相対角度θ、相対距離Lおよび相対速度Vsに
基づいて算出可能であるため、レーダー装置で自車Ai
と対向車Aoとの相対関係を連続的に検出することな
く、対向車Aoを判別した時点で即座に衝突の可能性を
判定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーダー装置等の
物体検出手段を用いて自車が対向車に接触するのを防止
する車両の走行安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる車両の走行安全装置は、特開平7
−262497号公報により既に知られている。
【0003】上記公報に記載されたものは、現在から一
定時間経過後までの自車の移動軌跡および該移動軌跡上
の自車位置を推定するとともに、レーダー装置により一
定時間経過後までの対向車の移動軌跡および該移動軌跡
上の対向車位置を推定し、自車位置および対向車位置を
比較することにより衝突可能性の有無を判定するように
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ものは対向車の将来位置を推定するために対向車の現在
位置および現在速度を連続的に検出する必要があり、そ
のためにレーダー装置で対向車を検出した時点で即座に
衝突可能性の有無を判定することができないという問題
がある。一方、自車および対向車が相互に接近する際に
発生する正面衝突は、対向車を検出した時点から衝突が
発生するまでの時間的余裕が少ないため、上記従来のも
のの如く衝突可能性の有無を判定するのに所定の時間を
要するものでは、対向車との衝突を回避するための回避
操作が間に合わなくなる可能性がある。
【0005】本発明は、前述の事情に鑑みてなされたも
ので、自車と対向車との接触可能性の判定を、物体検出
手段で対向車を判別した時点で即座に行なえるようにす
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、自車の進行方向に存
在する物体を検出する物体検出手段と、自車の車速を検
出する車速検出手段と、物体検出手段による検出結果お
よび車速検出手段で検出した自車の車速に基づいて対向
車を判別するとともに、自車と対向車との相対位置、相
対距離および相対速度よりなる相対関係を算出する相対
関係算出手段と、前記相対位置、前記相対距離および予
め設定された適正横距離に基づいて自車が対向車と適正
にすれ違うための自車の適正進路を設定する適正進路設
定手段と、自車が対向車両に接触する接触時刻を、前記
相対距離および前記相対速度に基づいて予測する接触時
刻予測手段と、前記接触時刻において自車が対向車に接
触する接触位置を、前記相対位置、前記相対距離、前記
相対速度および前記自車の車速に基づいて予測する接触
位置予測手段と、前記接触位置を前記適正進路と比較し
て自車および対向車の接触可能性を判定する接触判定手
段とを備えたことを特徴とする。
【0007】上記構成によれば、物体検出手段により検
出した自車と対向車との相対位置、相対距離および相対
速度と、車速検出手段により検出した自車の車速とに基
づいて自車が対向車に接触する接触位置を推定し、この
接触位置を自車の適正進路と比較して自車および対向車
の接触可能性を判定するので、物体検出手段により自車
と対向車との相対関係を連続的に検出することなく、物
体検出手段で対向車を判別した時点で接触可能性を判定
することができる。その結果、自車および対向車の相対
速度が大きいために接触までの時間的余裕がない正面衝
突を効果的に回避することができる。
【0008】また請求項2に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記接触判定手段は、前記適正進路
設定手段で設定した適正進路および前記接触位置予測手
段で予測した接触位置の横偏差を算出し、この横偏差を
接触判定基準値と比較して自車および対向車の接触可能
性を判定することを特徴とする。
【0009】上記構成によれば、自車が対向車と適正に
すれ違うための自車の適正進路と、接触時刻において自
車が対向車に接触する接触位置との横偏差を算出し、こ
の横偏差の大小に応じて自車および対向車の接触可能性
を判定するので、自車および対向車の接触可能性を的確
に判定することができる。
【0010】また請求項3に記載された発明は、請求項
2の構成に加えて、自車のヨーレートを検出する自車ヨ
ーレート検出手段を備えてなり、この自車ヨーレート検
出手段で検出したヨーレートに基づいて横偏差を補正す
ることを特徴とする。
【0011】上記構成によれば、自車のヨーレートに基
づいて横偏差を補正するので、自車が直線走行をしてい
ない場合でも横偏差を的確に算出することができる。
【0012】また請求項4に記載された発明は、請求項
2の構成に加えて、対向車のヨーレートを算出する対向
車ヨーレート算出手段を備えてなり、この対向車ヨーレ
ート算出手段で算出したヨーレートに基づいて横偏差を
補正することを特徴とする。
【0013】上記構成によれば、対向車のヨーレートに
基づいて横偏差を補正するので、対向車が直線走行をし
ていない場合でも横偏差を的確に算出することができ
る。
【0014】また請求項5に記載された発明は、請求項
4の構成に加えて、前記対向車ヨーレート算出手段は、
前記相対関係の変化に基づいて検出した対向車の移動軌
跡および対向車の車速から対向車のヨーレートを算出す
ることを特徴とする。
【0015】上記構成によれば、自車および対向車の相
対関係の変化に基づいて対向車の移動軌跡および対向車
の車速を算出するので、それら移動軌跡および車速から
該対向車のヨーレートを的確に算出することができる。
【0016】また請求項6に記載された発明は、請求項
1〜5の何れかの構成に加えて、前記接触判定手段は、
自車および対向車が接触する可能性があると判定したと
きに、自車の操舵装置を自動的に操舵することを特徴と
する。
【0017】上記構成によれば、自車および対向車が接
触する可能性がある場合に自車の操舵装置が自動的に操
舵されるので、ドライバーが自発的な接触回避操作を行
なわない場合でも対向車との接触を確実に回避すること
ができる。
【0018】また請求項7に記載された発明は、請求項
6の構成に加えて、前記操舵装置の目標操舵角は、前記
横偏差に応じて設定されることを特徴とする。
【0019】上記構成によれば、対向車を自動的に回避
するための操舵装置の目標操舵角が横偏差に応じて設定
されるので、自動的な接触回避操作を過不足なく行なう
ことができる。
【0020】また請求項8に記載された発明は、請求項
6の構成に加えて、前記操舵装置の目標操舵角は、前記
横偏差、自車の横加速度および操舵応答性に応じて設定
されることを特徴とする。
【0021】上記構成によれば、対向車を自動的に回避
するための操舵装置の目標操舵角が横偏差、横加速度お
よび車両の操舵応答性に応じて設定されるので、自動的
な接触回避操作を過不足なく行なうことができる。
【0022】また請求項9に記載された発明は、請求項
7または8の構成に加えて、前記操舵装置の目標操舵角
の最大値は、道路幅に応じて制限されることを特徴とす
る。
【0023】上記構成によれば、対向車を自動的に回避
するための操舵装置の目標操舵角の最大値が道路幅に応
じて制限されるので、目標操舵角が大き過ぎて自車が道
路を逸脱するのを防止することができる。
【0024】また請求項10に記載された発明は、請求
項6〜9の何れかの構成に加えて、前記操舵装置による
操舵は、自車が対向車を回避した後に元の走行軌跡に戻
るように行われることを特徴とする。
【0025】上記構成によれば、自車が対向車を自動的
に回避した後に元の走行軌跡に自動的に戻るので、自動
的な接触回避操作により自車のドライバーが受ける違和
感を軽減することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0027】図1〜図20は本発明の一実施例を示すも
ので、図1は走行安全装置を備えた車両の全体構成図、
図2は走行安全装置のブロック図、図3は車両の操舵装
置の斜視図、図4は電子制御ユニットの機能の説明図、
図5は電子制御ユニットの回路構成を示すブロック図、
図6はメインルーチンのフローチャート、図7は正面衝
突回避制御ルーチンのフローチャート、図8は旋回時衝
突回避制御ルーチンのフローチャート、図9は正面衝突
判断ルーチンのフローチャート、図10は警報制御ルー
チンのフローチャート、図11は回避操舵制御ルーチン
のフローチャート、図12は旋回時衝突回避制御の内容
を示す図、図13は横偏差δdを算出する手法の説明図
(衝突が発生する場合)、図14は横偏差δdを算出す
る手法の説明図(自車が対向車の左側を通過する場
合)、図15は横偏差δdを算出する手法の説明図(自
車が対向車の右側を通過する場合)、図16は横偏差δ
dの補正係数を検索するマップ、図17は衝突回避のた
めの目標操舵角の算出手法の説明図、図18は操舵角補
正値δ(θ)を検索するマップ、図19は最大操舵角を
検索するマップ、図20はアクチュエータの制御系のブ
ロック図である。
【0028】図1および図2に示すように、左右の前輪
Wf,Wfおよび左右の後輪Wr,Wrを備えた車両
は、操舵輪である左右の前輪Wf,Wfを操舵するため
のステアリングホイール1と、ドライバーによるステア
リングホイール1の操作をアシストする操舵力および衝
突回避のための操舵力を発生する電動パワーステアリン
グ装置2とを備える。電動パワーステアリング装置2の
作動を制御する電子制御ユニットUには、物体検出手段
としてのレーダー装置3と、ステアリングホイール1の
操舵角を検出する操舵角センサS1 と、ステアリングホ
イール1に入力される操舵トルクを検出する操舵トクル
センサS2 と、車体の横加速度を検出する横加速度セン
サS3 と、車体のヨーレートを検出する自車ヨーレート
センサS4と、各車輪Wf,Wf;Wr,Wrの回転数
を検出する車速センサS5 …とからの信号が入力され
る。電子制御ユニットUは、レーダー装置3および各セ
ンサS 1 〜S5 …からの信号に基づいて電動パワーステ
アリング装置2の作動を制御するとともに、液晶ディス
プレイよりなる表示器4およびブザーやランプよりなる
警報器5の作動を制御する。
【0029】レーダー装置3は、自車前方の左右方向所
定範囲に向けて電磁波を送信し、その電磁波が物体に反
射された反射波を受信することにより、自車と物体との
相対距離、自車と物体との相対速度、物体の方向を検出
する。本実施例では、1回の送受信で自車と物体との上
記相対関係を検出することができるミリ波レーダーが用
いられる。
【0030】図3は操舵装置11の構造を示すもので、
ステアリングホイール1の回転はステアリングシャフト
12、連結軸13およびピニオン14を介してラック1
5に伝達され、更にラック15の往復動が左右のタイロ
ッド16,16を介して左右の前輪Wf,Wfに伝達さ
れる。操舵装置11に設けられた前記電動パワーステア
リング装置2は、アクチュエータ17の出力軸に設けた
駆動ギヤ18と、この駆動ギヤ18に噛み合う従動ギヤ
19と、この従動ギヤ19と一体のスクリューシャフト
20と、このスクリューシャフト20に噛み合うととも
に前記ラック15に連結されたナット21とを備える。
従って、アクチュエータ17を駆動すれば、その駆動力
を駆動ギヤ18、従動ギヤ19、スクリューシャフト2
0、ナット21、ラック15および左右のタイロッド1
6,16を介して左右の前輪Wf,Wfに伝達すること
ができる。
【0031】図4に示すように、電子制御ユニットUは
電動パワーステアリング制御手段22と、正面衝突回避
制御手段23と、切換手段24と、出力電流決定手段2
5とを備える。通常時は切換手段24が電動パワーステ
アリング制御手段22側に接続されており、電動パワー
ステアリング装置2は通常のパワーステアリング機能を
発揮する。すなわち、操舵トルクセンサS2 の出力に基
づいて算出される操舵トルクが車速センサS5 …の出力
に基づいて算出される車速に応じた所定の値になるよう
に出力電流決定手段25がアクチュエータ17への出力
電流を決定し、この出力電流を駆動回路26を介してア
クチュエータ17に出力することにより、ドライバーに
よるステアリングホイール1の操作がアシストされる。
一方、自車が対向車と正面衝突する可能性がある場合に
は切換手段24が正面衝突回避制御手段23側に接続さ
れ、正面衝突回避制御手段23でアクチュエータ17の
駆動を制御することにより、対向車との正面衝突を回避
するための自動操舵が実行される。この自動操舵の内容
は後から詳述する。
【0032】次に、クレーム対応図である図5に基づい
て正面衝突回避制御手段23の構成と、その機能の概要
とを説明する。
【0033】正面衝突回避制御手段23は、相対関係算
出手段M1と、適正進路設定手段M2と、接触時刻予測
手段M3と、接触位置予測手段M4と、接触判定手段M
5と、対向車ヨーレート算出手段M6とから構成され
る。
【0034】相対関係算出手段M1は、物体検出手段
(レーダー装置3)および車速検出手段(車速センサS
5 …)の出力に基づいて、自車Aiと対向車Aoとの相
対角度(相対位置)θ、相対距離Lおよび相対速度Vs
を算出する。適正進路設定手段M2は、自車Aiが対向
車Aoと適正にすれ違うための自車Aiの本来の適正進
路Rを設定する。接触時刻予測手段M3は、自車Aiが
対向車Aoとすれ違う接触時刻を推定する。接触位置予
測手段M4は、前記接触時刻において自車Aiが対向車
Aoに接触する接触位置Pを予測する。そして接触判定
手段M5は、前記接触位置Pを前記適正進路Rと比較し
て自車Aiおよび対向車Aoの接触可能性を判定する。
また対向車ヨーレート算出手段M6で検出した対向車A
oのヨーレートγoと、自車ヨーレート検出手段(自車
ヨーレートセンサS4 )で検出した自車Aiのヨーレー
トγiとに基づいて、自車Aiが対向車Aoに接触する
接触位置Pが補正される。
【0035】次に、本実施例の作用を図6〜図11のフ
ローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0036】先ず、図6のメインルーチンのステップS
11で操舵角センサS1 、操舵トルクセンサS2 、横加
速度センサS3 、自車ヨーレートセンサS4 および車速
センサS5 …の出力に基づいて自車の状態を検出する。
続くステップS12で、レーダー装置3で対向車の状態
を検出する。レーダー装置3は対向車以外にも前走車、
歩道橋、標識、キャッツアイ等を検出するが、自車との
相対速度に基づいて対向車を他の物体から識別すること
ができる。続くステップS13で、自車の状態および対
向車の状態を表示器4に表示する。
【0037】続くステップS14で、レーダー装置3お
よび各センサS1 〜S5 …の検出結果に基づいて正面衝
突回避制御が適切に行われているか否かをチェックす
る。正面衝突回避制御はドライバーが過度な走行を行っ
ていない場合だけに実行されるもので、例えばオーバー
スピードでの走行時には、ステップS15でシステムの
作動を中止するとともに、その旨を表示器4でドライバ
ーに報知して適切な運転を促す。また前記ステップS1
4のシステムチェックの結果、ドライバーが対向車との
正面衝突を回避すべく自発的なステアリング操作を行っ
たことが検出された場合には、ステップS16で正面衝
突回避制御を中止して通常の電動パワーステアリング制
御に復帰するとともに、その旨を表示器4でドライバー
に報知する。これにより、ドライバーによる自発的なス
テアリング操作と正面衝突回避制御の自動操舵制御とが
干渉するのを回避することができる。
【0038】前記ステップS14のシステムチェックの
結果が正常であれば、ステップS17で自車の走行状態
を判定する。自車が直進に近い走行状態にあり、レーダ
ー装置3および各センサS1 〜S5 …の検出結果に基づ
いて対向車とすれ違う(衝突する)時刻と、そのときの
自車および対向車の位置関係とが的確に推定可能な場合
であれば、ステップS18に移行して正面衝突回避制御
を実行する。一方、過度な走行ではないが自車の旋回の
度合いが強く、対向車とすれ違う(衝突する)時刻と、
そのときの自車および対向車の位置関係が的確に推定で
きない場合であれば、ステップS19に移行して旋回時
衝突回避制御を実行する。そしてステップS20で、自
車と対向車との衝突を回避すべく、正面衝突回避制御あ
るいは旋回時衝突回避制御に基いて電動パワーステアリ
ング装置2のアクチュエータ17を作動させる。
【0039】次に、前記ステップS18の「正面衝突回
避制御」の内容を、図7のフローチャートに基づいて説
明する。
【0040】先ずステップS21で、自車および対向車
が衝突する可能性の程度を表す衝突判断パラメータを、
すなわち自車および対向車がすれ違う時刻(あるいは衝
突する時刻)における自車および対向車の横偏差δdを
算出する。そしてステップS22で、前記横偏差δdを
後述する閾値と比較することにより衝突の可能性の有無
を判定し、衝突の可能性があり且つその可能性が小さい
場合には、ステップS23で警報器5を作動させてドラ
イバーに警報を発する。また衝突の可能性があり且つそ
の可能性が大きい場合には、ステップS24で警報を発
すると同時にアクチュエータ17をさせて対向車を回避
するための自動操舵を実行する。前記ステップS22の
「衝突判断」、前記ステップS23の「警報制御」およ
び前記ステップS24の「回避操舵制御」の具体的な内
容は、図9、図10および図11に基づいて後から詳述
する。
【0041】次に、前記ステップS19の「旋回時衝突
回避制御」の内容を、図8のフローチャートに基づいて
説明する。
【0042】先ずステップS31で旋回時における衝突
危険度を算出する。衝突危険度は、自車の旋回半径およ
び対向車の旋回半径の差の絶対値に基づいて判断される
もので、その差の絶対値が大きくなるに伴って危険度が
高いと判断される。そしてステップS32で、前記衝突
危険度に応じた警報制御および車線逸脱防止制御を実行
する。旋回時には、対向車とすれ違う時刻や、そのとき
の自車および対向車の位置関係を的確に推定することが
難しいため、その衝突回避制御は直進時のそれに比べて
弱いものとなる。
【0043】図12に示すように、旋回時における衝突
危険度はレベル1、レベル2およびレベル3の3段階に
設定されており、それらのレベルは、例えば左側通行の
道路で自車が右旋回中であれば対向車旋回半径−自車旋
回半径に基づいて判定され、自車が左旋回中であれば自
車旋回半径−対向車旋回半径に基づいて判定される。危
険度が低いレベル1では警報器4による警報だけを実行
し、危険度が中程度のレベル2では警報器4による警報
およびアクチュエータ17による弱い車線逸脱防止制御
を実行し、危険度が高いレベル3では警報器4による警
報およびアクチュエータ17による強い車線逸脱防止制
御を実行する。車線逸脱防止制御は、ドライバーが車線
を逸脱する方向への操舵を行ったとき、電動パワーステ
アリング装置2のアクチュエータ1を駆動して前記操舵
を妨げるような操舵反力を発生させて車線逸脱を防止す
るものである。
【0044】尚、「旋回時衝突回避制御」における警報
は、「正面衝突回避制御」における警報と区別すべく、
警報器5のブザーの音色やランプの色を異ならせてい
る。
【0045】次に、前記ステップS22の「衝突判断」
の内容を、図9のフローチャートおよび図13〜図15
の説明図に基づいて説明する。
【0046】先ず、ステップS41で車速センサS5
に出力に基づいて自車Aiの車速Viを算出し、ステッ
プS42で自車ヨーレートセンサS4 の出力に基づいて
自車Aiのヨーレートγiを算出し、ステップS43で
レーダー装置3の出力に基づいて自車Aiおよび対向車
Aoの相対距離Lを算出し、ステップS44でレーダー
装置3の出力に基づいて自車Aiおよび対向車Aoの相
対速度Vsを算出し、ステップS45でレーダー装置3
の出力に基づいて自車Aiおよび対向車Aoの相対角度
θを算出する。続くステップS46で、対向車と衝突せ
ずにすれ違うための自車Aiの本来の適正進路Rを、現
在の対向車Aoの位置から測った適正横距離daに基づ
いて設定する。この適正横距離daは予め設定されてお
り、その値は例えば3mとされる。続くステップS47
で、自車Aiの車速Viおよびヨーレートγiと、自車
Aiに対する対向車Aoの相対位置関係から、対向車A
oのヨーレートγoを算出する。そしてステップS48
で、自車Aiが対向車Aoとすれ違う位置(接触位置
P)における自車Aiと適正進路Rとの間の横偏差δd
を算出する。以下、この横偏差δdを算出する過程を、
図13に基づいて詳細に説明する。
【0047】図13は、左側通行の道路で自車Aiが誤
って対向車Ao側の車線に進入しようとする状態を示し
ている。ここで、適正横位置Ai′は、自車Aiの適正
進路R上であって、現在の対向車Aoの位置の横方向に
対応する位置であり、その適正横位置Ai′と対向車A
oとの間の距離は適正横距離da(例えば3m)であ
る。Lは自車Aiおよび対向車Aoの相対距離であって
レーダー装置3の出力に基づいて算出される。θは自車
Aiおよび対向車Aoの相対角度であってレーダー装置
3の出力に基づいて算出される。εは自車Aiの適正進
路Rの方向および対向車Aoの方向の成す角度であっ
て、相対距離Lおよび適正横距離daに基づいて幾何学
的に求められる。Viは自車Aiの車速であって、車速
センサS5 …の出力に基づいて算出される。Vsは自車
Aiの車速Viと対向車Aoの車速Voとの差に相当す
る相対車速であって、レーダー装置3の出力に基づいて
算出される。
【0048】図13において、斜線を施した三角形にお
いて、 X cos(θ+ε)=L sinθ …(1) が成立し、これをXについて解くと、 X=L sinθ/ cos(θ+ε) …(2) が得られる。また現在を基準として計った接触時間tc
(すれ違い時刻あるいは衝突時刻までの経過時間)は、
相対距離Lを相対速度Vsで除算した値として得られ
る。
【0049】 tc=L/Vs …(3) また自車Aiから接触位置P(すれ違い位置あるいは衝
突位置)までの距離Lcは、車速Viと接触時間tcと
の積として得られる。
【0050】 Lc=Vi・tc=L(Vi/Vs) …(4) 図13から明らかなように、自車Aiの位置において角
度θ+εの頂点を共有する2つの直角三角形の相似関係
から、 Lc′:L=δd:da+X …(5) が成立し、更にLc′ cosε=Lc cos(θ+ε)の関
係と、前記(2)式、(4)式および(5)式とから、
横偏差δdが次式のように得られる。
【0051】
【数1】 (6)式の右辺における5つの変数のうち、Viは常に
算出可能であり、且つVs,L,θ,εはレーダー装置
3の1回の送受信で算出可能であるため、レーダー装置
3で最初に対向車Aoを判別した時点で速やかに横偏差
δdを算出することができる。従って、自車Aiおよび
対向車Aoが相互に接近するために接触時間tcに余裕
がない場合でも、速やかに接触可能性の判定を行なって
衝突回避制御を開始することができる。
【0052】而して、図9のフローチャートのステップ
S49で、前記横偏差δdを予め設定した接触判定基準
値と比較し、横偏差δdが第1接触判定基準値δdnお
よび第2接触判定基準値δdxの間にあれば、すなわち
δdn<δd<δdxが成立すれば、ステップS50で
自車Aiが対向車Aoに衝突する可能性があると判定す
る(図13参照)。一方、図14に示すようにδd≦δ
dnであれば、あるいは図15に示すようにδd≧δd
xであれば、ステップS51で自車Aiが対向車Aoに
衝突する可能性がないと判定する。図15の状態は、例
えば自車Aiが分岐路に進入するために対向車Aoの車
線を斜めに横切るような場合に相当する。
【0053】尚、前記第1接触判定基準値δdnおよび
第2接触判定基準値δdxは自車Aiの車幅等に応じて
適宜設定されるもので、例えば第1接触判定基準値δd
n=1.5m、第2接触判定基準値δdx=4.5mと
される。
【0054】以上の説明では横偏差δdを算出する際に
自車Aiのヨーレートγiおよび対向車Aoのヨーレー
トγoを考慮していないが、それらヨーレートγi,γ
oを考慮することにより、更に精度の高い衝突回避が行
われる。
【0055】自車Aiが車速Vi、ヨーレートγiで走
行するとViγiの横加速度が発生するため、このVi
γiを2回積分することにより自車Aiの横方向移動量
yiが算出される。従って、接触時間tc=L/Vsに
おける自車Aiの横方向移動量yiは、 yi=(Vi・γi/2)・(L/Vs)2 …(7) で与えられる。
【0056】同様に、対向車Aoが車速Vo、ヨーレー
トγoで走行するとVoγoの横加速度が発生するた
め、このVoγoを2回積分することにより対向車Ao
の横方向移動量yoが算出される。従って、接触時間t
c=L/Vsにおける対向車Aoの横方向移動量yo
は、 yo=(Vo・γo/2)・(L/Vs)2 …(8) で与えられる。
【0057】而して、前記(6)式の横偏差δdを自車
Aiの横方向移動量yiおよび対向車Aoの横方向移動
量yoで補正した次式を用いることにより、横偏差δd
の精度を一層高めることができる。
【0058】
【数2】 対向車Aoのヨーレートγoは、レーダー装置3の出力
に基づいて対向車Aoの位置を複数回検出して該対向車
Aoの旋回軌跡を推定すれば、その旋回半径と対向車A
oの車速Voとに基づいて算出される。従って、対向車
Aoのヨーレートγoはレーザー装置3の1回の送受信
では検出することができず、(9)式における対向車A
oのヨーレートγoを用いた補正を行うには若干の演算
時間が必要になる。但し、図6のフローチャートのステ
ップS17で説明したように、この正面衝突回避制御は
自車Aiが実質的に直線走行しているとき(直線路を走
行しているとき)に行われるもので、このとき対向車A
oのヨーレートγoが大きな値を持つことは稀である。
このことから、対向車Aoのヨーレートγoを用いた補
正を行わなくても充分な精度を確保することができる。
【0059】ところで、前記第1接触判定基準値δdn
および第2接触判定基準値δdxを固定値とする代わり
に、第1接触判定基準値δdnおよび第2接触判定基準
値δdxを横偏差δdを算出した時点における自車Ai
および対向車Aoの走行状態で補正すれば、正面衝突回
避制御を更に精度良く行うことができる。すなわち、第
1接触判定基準値δdnの補正は、3つの補正係数k1
n,k2n,k3nを用いて、 δdn←k1n・k2n・k3n・δdn …(10) のように行われ、第2接触判定基準値δdxの補正は3
つの補正係数k1x,k2x,k3xを用いて、 δdx←k1x・k2x・k3x・δdx …(11) のように行われる。
【0060】補正係数k1n,k1xは、図16(A)
に示すマップから衝突までの時間(接触時間tc)に基
づいて検索される。接触時間tcが小さいために横偏差
δdの算出誤差が小さいと推定される領域では、補正係
数k1n,k1xは1に保持される。接触時間tcが大
きいために横偏差δdの算出誤差が大きいと推定される
領域では、補正係数k1nは接触時間tcの増加に伴っ
て1から増加するとともに、補正係数k1xは接触時間
tcの増加に伴って1から減少する。これにより、横偏
差δdの算出誤差が大きい領域で第1接触判定基準値δ
dnおよび第2接触判定基準値δdxの間の幅を小さく
し、不確実な正面衝突回避制御が行われるのを回避する
ことができる。
【0061】補正係数k2n,k2xは、図16(B)
に示すマップから自車Aiおよび対向車Aoの相対距離
Lに基づいて検索される。相対距離Lが小さいために横
偏差δdの算出誤差が小さいと推定される領域では、補
正係数k2n,k2xは1に保持される。相対距離Lが
大きいために横偏差δdの算出誤差が大きいと推定され
る領域では、補正係数k2nは相対距離Lの増加に伴っ
て1から増加するとともに、補正係数k2xは相対距離
Lの増加に伴って1から減少する。これにより、横偏差
δdの算出誤差が大きい領域で第1接触判定基準値δd
nおよび第2接触判定基準値δdxの間の幅を小さく
し、不確実な正面衝突回避制御が行われるのを回避する
ことができる。
【0062】補正係数k3n,k3xは、図16(C)
に示すマップから自車Aiのヨーレートγiに基づいて
検索される。自車Aiのヨーレートγiが0であって横
偏差δdの算出誤差が小さいと推定されるときには、補
正係数k3n,k3xは1に設定される。自車Aiのヨ
ーレートγiの増加に伴って横偏差δdの算出誤差が増
加すると補正係数k3nは1から増加するとともに、補
正係数k3xは1から減少する。これにより、横偏差δ
dの算出誤差が大きい領域で第1接触判定基準値δdn
および第2接触判定基準値δdxの間の幅を小さくし、
不確実な正面衝突回避制御が行われるのを回避すること
ができる。
【0063】次に、前記ステップS23の「警報制御」
の内容を、図10のフローチャートに基づいて説明す
る。
【0064】先ず、ステップS61で衝突情報を受信す
る。衝突情報とは、接触時間tc(衝突までの時間)、
接触位置Pでの自車Aiおよび対向車Aoの走行状態、
横偏差δd等である。続くステップS62で一次警報の
判断を行い、接触時間tcが例えば4秒未満になると、
ステップS63で警報器5を作動させて一次警報を開始
する。続いてステップS64で二次警報の判断を行い、
接触時間tcが例えば3秒未満になると、ステップS6
5で警報器5を作動させて二次警報を開始する。一次警
報は衝突までの時間的余裕が比較的に大きい場合に実行
され、また二次警報は衝突までの時間的余裕が比較的に
小さい場合に実行されるもので、その差異をドライバー
に認識させるべくブザーの音色等やランプの色を変化さ
せる。ドライバーは警報器5による警報により衝突の危
険を認識して自発的な回避操作を行うことができる。
【0065】次に、前記ステップS24の「回避操舵制
御」の内容を、図11のフローチャートに基づいて説明
する。
【0066】先ず、ステップS71で、前記ステップS
61と同様に衝突情報を受信した後に、続くステップS
72で操舵開始の判断を行い、接触時間tcが前記二次
警報の閾値である3秒よりも短い閾値τ0 (例えば2.
2秒)未満になると、ステップS73で衝突回避のため
の横移動量を算出する。この横移動量は、基本的に前記
ステップS48で算出した横偏差δdの今回値が充てら
れるが、誤差を除去するために前回値を用いて平均化処
理を行う。続くステップS74以降で、回避操舵のため
の制御量を算出する。
【0067】先ずステップS74で、自車Aiの車速V
iに基づいてドライバーに違和感を与えない目標操舵角
δhを求める。図17(A),(B)に示すように、回
避運動は自車Aiが対向車Aoを回避した後に自車Ai
の元の進路上に復帰するように行われるもので、接触時
間tc(閾値τ0 )が経過した時点での横移動量の基準
値を、衝突回避の効果と最終的に車線を逸脱しないこと
とを考慮して例えば2mに設定する。また回避操舵によ
り発生する最大横加速度YGが大き過ぎたり、操舵速度
が速過ぎたりしてドライバーに違和感を与えないように
し、且つ操舵開始よりτ0 が経過したときに2mの横移
動を行うようにしなければならない。以上のことから本
実施例では、例えば最大横加速度YGを0.15G程度
に設定し、操舵周期を4秒(0.25Hz)程度に設定
する。
【0068】而して、衝突回避のための目標操舵角δh
は、Nをステアリングギア比とし、Ksをスタビリティ
ファクターとして、次式により与えられる。
【0069】
【数3】 前記(12)式で与えられる目標操舵角δhでは、自車
Aiおよび対向車Aoの相対角度θの方向が自車Aiか
ら対向車Ao側を向いていると、衝突回避を行なうため
に不足する場合が考えられる。そこで、前記相対角度θ
に基づく目標操舵角補正値δ(θ)(図18参照)で前
記(12)式の目標操舵角δhを補正する。
【0070】
【数4】 続くステップS75で,図19に示すマップに基づいて
上記目標操舵角δhの最大値δhxを算出し、ステップ
S76で目標操舵角δhが最大値δhxを越えていれ
ば、ステップS77で前記最大値δhxで目標操舵角δ
hの上限値を制限するように補正を行なう。この補正に
より、極端に大きい目標操舵角δhが採用されてドライ
バーに違和感を与えるような操舵角が発生するのを防止
することができる。
【0071】続くステップS78で、前記ステップS7
3で算出した横移動量(すなわち横偏差δd)と、前記
ステップS74〜S77で算出した目標操舵角δhによ
り発生する横移動量と比較する。その結果、前者の横移
動量(すなわち横偏差δd)よりも後者の横移動量が大
きい場合には、つまり、目標操舵角δhにより発生する
横移動量が衝突回避に必要な横移動量よりも大きい場合
には、必要な横移動量が得られる値まで目標操舵角δh
を減少方向に補正する。逆に、前者の横移動量(すなわ
ち横偏差δd)よりも後者の横移動量が小さい場合に
は、つまり、目標操舵角δhにより発生する横移動量が
衝突回避に必要な横移動量よりも小さい場合には、目標
操舵角δhの補正は行なわない。
【0072】而して、ステップS79で、対向車Aoと
の衝突を回避すべく、前記目標操舵角δhに応じて操舵
装置11のアクチュエータ17の駆動を制御する。すな
わち、図20に示すように、目標操舵角δhおよびステ
アリング装置11の実操舵角の偏差が入力されたPIコ
ントローラは、前記偏差をゼロに収束させるべくステア
リング装置11のアクチュエータ17をフィードバック
制御する。
【0073】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0074】例えば、道路のセンターラインを検出する
センサを追加し、自車Aiがセンターラインを逸脱した
程度に応じて衝突回避制御を行なえば、更に高精度の制
御を行なうことができる。
【0075】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、物体検出手段により検出した自車と対向車と
の相対位置、相対距離および相対速度と、車速検出手段
により検出した自車の車速とに基づいて自車が対向車に
接触する接触位置を推定し、この接触位置を自車の適正
進路と比較して自車および対向車の接触可能性を判定す
るので、物体検出手段により自車と対向車との相対関係
を連続的に検出することなく、物体検出手段で対向車を
判別した時点で接触可能性を判定することができる。そ
の結果、自車および対向車の相対速度が大きいために接
触までの時間的余裕がない正面衝突を効果的に回避する
ことができる。
【0076】また請求項2に記載された発明によれば、
自車が対向車と適正にすれ違うための自車の適正進路
と、接触時刻において自車が対向車に接触する接触位置
との横偏差を算出し、この横偏差の大小に応じて自車お
よび対向車の接触可能性を判定するので、自車および対
向車の接触可能性を的確に判定することができる。
【0077】また請求項3に記載された発明によれば、
自車のヨーレートに基づいて横偏差を補正するので、自
車が直線走行をしていない場合でも横偏差を的確に算出
することができる。
【0078】また請求項4に記載された発明によれば、
対向車のヨーレートに基づいて横偏差を補正するので、
対向車が直線走行をしていない場合でも横偏差を的確に
算出することができる。
【0079】また請求項5に記載された発明によれば、
自車および対向車の相対関係の変化に基づいて対向車の
移動軌跡および対向車の車速を算出するので、それら移
動軌跡および車速から該対向車のヨーレートを的確に算
出することができる。
【0080】また請求項6に記載された発明によれば、
自車および対向車が接触する可能性がある場合に自車の
操舵装置が自動的に操舵されるので、ドライバーが自発
的な接触回避操作を行なわない場合でも対向車との接触
を確実に回避することができる。
【0081】また請求項7に記載された発明によれば、
対向車を自動的に回避するための操舵装置の目標操舵角
が横偏差に応じて設定されるので、自動的な接触回避操
作を過不足なく行なうことができる。
【0082】また請求項8に記載された発明によれば、
対向車を自動的に回避するための操舵装置の目標操舵角
が横偏差、横加速度および車両の操舵応答性に応じて設
定されるので、自動的な接触回避操作を過不足なく行な
うことができる。
【0083】また請求項9に記載された発明によれば、
対向車を自動的に回避するための操舵装置の目標操舵角
の最大値が道路幅に応じて制限されるので、目標操舵角
が大き過ぎて自車が道路を逸脱するのを防止することが
できる。
【0084】また請求項10に記載された発明によれ
ば、自車が対向車を自動的に回避した後に元の走行軌跡
に自動的に戻るので、自動的な接触回避操作により自車
のドライバーが受ける違和感を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】走行安全装置を備えた車両の全体構成図
【図2】走行安全装置のブロック図
【図3】操舵装置の斜視図
【図4】電子制御ユニットの機能の説明図
【図5】電子制御ユニットの回路構成を示すブロック図
【図6】メインルーチンのフローチャート
【図7】正面衝突回避制御ルーチンのフローチャート
【図8】旋回時衝突回避制御ルーチンのフローチャート
【図9】正面衝突判断ルーチンのフローチャート
【図10】警報制御ルーチンのフローチャート
【図11】回避操舵制御ルーチンのフローチャート
【図12】旋回時衝突回避制御の内容を示す図
【図13】横偏差δdの算出手法の説明図(衝突が発生
する場合)
【図14】横偏差δdの算出手法の説明図(自車が対向
車の左側を通過する場合)
【図15】横偏差δdの算出手法の説明図(自車が対向
車の右側を通過する場合)
【図16】横偏差δdの補正係数を検索するマップ
【図17】衝突回避のための目標操舵角の算出手法の説
明図
【図18】目標操舵角補正値δ(θ)を検索するマップ
【図19】最大操舵角を検索するマップ
【図20】アクチュエータの制御系のブロック図
【符号の説明】
Ai 自車 Ao 対向車 L 相対距離 M1 相対関係算出手段 M2 適正進路設定手段 M3 接触時刻予測手段 M4 接触位置予測手段 M5 接触判定手段 M6 対向車ヨーレート算出手段 P 接触予測位置 R 適正進路 S4 自車ヨーレートセンサ(自車ヨーレート検
出手段) S5 車速センサ(車速検出手段) Vi 自車の車速 Vs 相対速度 YG 横加速度 γi 自車のヨーレート γo 対向車のヨーレート δd 横偏差 δdn,δdx 接触判定基準値 δh 目標操舵角 δhx 目標操舵角の最大値 θ 相対角度(相対位置) 3 レーダー装置(物体検出手段) 11 操舵装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 洋一 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D032 CC01 CC08 CC20 CC21 DA03 DA15 DA22 DA23 DA27 DA29 DA33 DA77 DA84 DA88 DC01 DC02 DC04 DC08 DC09 DC34 DD02 DD17 DE05 EA01 EB04 EB11 EB12 EC23 GG01 5H180 CC12 CC14 EE02 LL04 LL07 LL09 5J070 AB01 AB24 AC02 AC06 AC11 AD01 AE01 AF03 AK40 BF02 BF03 BF12 BG03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自車(Ai)の進行方向に存在する物体
    を検出する物体検出手段(3)と、 自車(Ai)の車速(Vi)を検出する車速検出手段
    (S5 )と、 物体検出手段(3)による検出結果および車速検出手段
    (S5 )で検出した自車(Ai)の車速(Vi)に基づ
    いて対向車(Ao)を判別するとともに、自車(Ai)
    と対向車(Ao)との相対位置(θ)、相対距離(L)
    および相対速度(Vs)よりなる相対関係を算出する相
    対関係算出手段(M1)と、 前記相対位置(θ)、前記相対距離(L)および予め設
    定された適正横距離(da)に基づいて自車(Ai)が
    対向車(Ao)と適正にすれ違うための自車(Ai)の
    適正進路(R)を設定する適正進路設定手段(M2)
    と、 自車(Ai)が対向車両(Ao)に接触する接触時刻
    を、前記相対距離(L)および前記相対速度(Vs)に
    基づいて予測する接触時刻予測手段(M3)と、 前記接触時刻において自車(Ai)が対向車(Ao)に
    接触する接触位置(P)を、前記相対位置(θ)、前記
    相対距離(L)、前記相対速度(Vs)および前記自車
    (Ai)の車速(Vi)に基づいて予測する接触位置予
    測手段(M4)と、 前記接触位置(P)を前記適正進路(R)と比較して自
    車(Ai)および対向車(Ao)の接触可能性を判定す
    る接触判定手段(M5)と、を備えたことを特徴とする
    車両の走行安全装置。
  2. 【請求項2】 前記接触判定手段(M5)は、前記適正
    進路設定手段(M2)で設定した適正進路(R)および
    前記接触位置予測手段(M4)で予測した接触予測位置
    (P)の横偏差(δd)を算出し、この横偏差(δd)
    を接触判定基準値(δdn,δdx)と比較して自車
    (Ai)および対向車(Ao)の接触可能性を判定する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の車両の走行安全装
    置。
  3. 【請求項3】 自車(Ai)のヨーレート(γi)を検
    出する自車ヨーレート検出手段(S4 )を備えてなり、
    この自車ヨーレート検出手段(S4 )で検出したヨーレ
    ート(γi)に基づいて横偏差(δd)を補正すること
    を特徴とする、請求項2に記載の車両の走行安全装置。
  4. 【請求項4】 対向車(Ao)のヨーレート(γo)を
    算出する対向車ヨーレート算出手段(M6)を備えてな
    り、この対向車ヨーレート算出手段(M6)で算出した
    ヨーレート(γo)に基づいて横偏差(δd)を補正す
    ることを特徴とする、請求項2に記載の車両の走行安全
    装置。
  5. 【請求項5】 前記対向車ヨーレート算出手段(M6)
    は、前記相対関係の変化に基づいて検出した対向車(V
    o)の移動軌跡および対向車(Vo)の車速(Vo)か
    ら対向車(Ao)のヨーレート(γo)を算出すること
    を特徴とする、請求項4に記載の車両の走行安全装置。
  6. 【請求項6】 前記接触判定手段(M5)は、自車(A
    i)および対向車(Ao)が接触する可能性があると判
    定したときに、自車(Ai)の操舵装置(11)を自動
    的に操舵することを特徴とする、請求項1〜5の何れか
    に記載の車両の走行安全装置。
  7. 【請求項7】 前記操舵装置(11)の目標操舵角(δ
    h)は、前記横偏差(δd)に応じて設定されることを
    特徴とする、請求項6に記載の車両の走行安全装置。
  8. 【請求項8】 前記操舵装置(11)の目標操舵角(δ
    h)は、前記横偏差(δd)、自車(Ai)の横加速度
    (YG)および操舵応答性に応じて設定されることを特
    徴とする、請求項6に記載の車両の走行安全装置。
  9. 【請求項9】 前記操舵装置(11)の目標操舵角(δ
    h)の最大値(δhx)は、道路幅に応じて制限される
    ことを特徴とする、請求項7または8に記載の車両の走
    行安全装置。
  10. 【請求項10】 前記操舵装置(11)による操舵は、
    自車(Vi)が対向車(Vo)を回避した後に元の走行
    軌跡に戻るように行われることを特徴とする、請求項6
    〜9の何れかに記載の車両の走行安全装置。
JP22251498A 1998-08-06 1998-08-06 車両の走行安全装置 Expired - Fee Related JP3866420B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22251498A JP3866420B2 (ja) 1998-08-06 1998-08-06 車両の走行安全装置
US09/368,673 US6269307B1 (en) 1998-08-06 1999-08-05 Travel safety system for vehicle

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22251498A JP3866420B2 (ja) 1998-08-06 1998-08-06 車両の走行安全装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000057495A true JP2000057495A (ja) 2000-02-25
JP3866420B2 JP3866420B2 (ja) 2007-01-10

Family

ID=16783631

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22251498A Expired - Fee Related JP3866420B2 (ja) 1998-08-06 1998-08-06 車両の走行安全装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3866420B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009208505A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Toyota Motor Corp 車線維持支援装置、車線維持支援方法
JP2009252032A (ja) * 2008-04-08 2009-10-29 Honda Motor Co Ltd 車両の接触回避支援装置
US7885766B2 (en) 2004-11-22 2011-02-08 Honda Motor Co., Ltd. Subject and oncoming vehicle departure determination and collision avoidance apparatus
US7911374B2 (en) 2008-01-29 2011-03-22 Fujitsu Ten Limited Radar device and target detection method
JP2014008939A (ja) * 2012-07-03 2014-01-20 Hitachi Automotive Systems Ltd 駐車支援装置
JP2014010807A (ja) * 2012-07-03 2014-01-20 Mitsubishi Motors Corp 運転支援装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01124008A (ja) * 1987-11-10 1989-05-16 Mitsubishi Electric Corp 誘導装置
JPH01263585A (ja) * 1988-04-15 1989-10-20 Mazda Motor Corp 車両用障害物検出装置
JPH05297939A (ja) * 1992-04-20 1993-11-12 Mazda Motor Corp 車両の走行制御装置
JPH0660300A (ja) * 1992-08-04 1994-03-04 Takata Kk 神経回路網による衝突予防予測システム
JPH0714100A (ja) * 1993-06-22 1995-01-17 Toyota Motor Corp 車両衝突防止装置
JPH07262497A (ja) * 1994-03-18 1995-10-13 Honda Motor Co Ltd 車両の衝突判断装置
JPH09323628A (ja) * 1996-06-07 1997-12-16 Hitachi Ltd 移動体の走行制御装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01124008A (ja) * 1987-11-10 1989-05-16 Mitsubishi Electric Corp 誘導装置
JPH01263585A (ja) * 1988-04-15 1989-10-20 Mazda Motor Corp 車両用障害物検出装置
JPH05297939A (ja) * 1992-04-20 1993-11-12 Mazda Motor Corp 車両の走行制御装置
JPH0660300A (ja) * 1992-08-04 1994-03-04 Takata Kk 神経回路網による衝突予防予測システム
JPH0714100A (ja) * 1993-06-22 1995-01-17 Toyota Motor Corp 車両衝突防止装置
JPH07262497A (ja) * 1994-03-18 1995-10-13 Honda Motor Co Ltd 車両の衝突判断装置
JPH09323628A (ja) * 1996-06-07 1997-12-16 Hitachi Ltd 移動体の走行制御装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7885766B2 (en) 2004-11-22 2011-02-08 Honda Motor Co., Ltd. Subject and oncoming vehicle departure determination and collision avoidance apparatus
DE102005052288B4 (de) * 2004-11-22 2017-09-21 Honda Motor Co., Ltd. Fahrzeugabweichungs-Bestimmungsvorrichtung
US7911374B2 (en) 2008-01-29 2011-03-22 Fujitsu Ten Limited Radar device and target detection method
JP2009208505A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Toyota Motor Corp 車線維持支援装置、車線維持支援方法
JP2009252032A (ja) * 2008-04-08 2009-10-29 Honda Motor Co Ltd 車両の接触回避支援装置
JP2014008939A (ja) * 2012-07-03 2014-01-20 Hitachi Automotive Systems Ltd 駐車支援装置
JP2014010807A (ja) * 2012-07-03 2014-01-20 Mitsubishi Motors Corp 運転支援装置
CN104395167A (zh) * 2012-07-03 2015-03-04 日立汽车系统株式会社 停车辅助装置和停车辅助装置的控制方法
US9517766B2 (en) 2012-07-03 2016-12-13 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Parking assistance device and parking assistance device control method

Also Published As

Publication number Publication date
JP3866420B2 (ja) 2007-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4007723B2 (ja) 車両の走行安全装置
JP2000357299A (ja) 車両の走行安全装置
US6269307B1 (en) Travel safety system for vehicle
JP3986683B2 (ja) 車両の走行安全装置
US6317692B2 (en) Safety running system for vehicle
US7509211B2 (en) Apparatus for estimating of deviation from lane, and apparatus for warning of same and method for same
JP3905727B2 (ja) 車両の車線追従制御装置
EP1857991B1 (en) Vehicle lane departure detecting device
EP2319741B1 (en) Vehicle deviation prevention control apparatus
JP3993316B2 (ja) 車両の走行安全装置
JP2001010519A (ja) 車両用操舵制御装置
JP2000118423A (ja) 車両用操舵制御装置
JP3986681B2 (ja) 車両の走行安全装置
JP7235015B2 (ja) 自動操舵システム
JP3923191B2 (ja) 車両の走行安全装置
JP3980765B2 (ja) 車両の走行安全装置
JP2000067394A (ja) 車両の走行安全装置
JP2000062553A (ja) 車両の走行安全装置
JP2000057495A (ja) 車両の走行安全装置
JP2009252032A (ja) 車両の接触回避支援装置
JP2000062555A (ja) 車両の走行安全装置
JP3986682B2 (ja) 車両の走行安全装置
JPH07105499A (ja) 自動車の走行制御装置
JP3980764B2 (ja) 車両の走行安全装置
JPH01298500A (ja) 追い越し警報装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060920

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061005

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091013

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101013

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101013

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111013

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111013

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121013

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131013

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees