JP2000057318A - 動画像復号方法及び装置 - Google Patents

動画像復号方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】同期式RAMに対するアクセス効率をよくし、
また、要求仕様を満たすための設計を容易にする。 【解決手段】メモリ制御部12は、バッファメモリ部2
1〜25の各々に対しタイムスロットを周期的に割り当
て、各タイムスロットにおいて、対応するバッファメモ
リ部と同期式RAM11との間のアクセスを制御する。
同期式RAM11に対するアクセスが最も厳しいワース
トケースを想定してタイムスロットを定める。タイムス
ロット群を仮想1水平走査期間に[(1水平走査線上の
画素数)/256]個生成し、ここに[]は括弧内の値
の整数部分を意味する。データ量が圧縮率に依存して変
化するバッファメモリ22に対しては、タイムスロット
終了時点を可変にし、又は、割込みにより例外的にタイ
ムスロットを生成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動画像復号方法及
び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】動画像復号装置では、構成の簡単化のた
めに、1つのメモリバスに複数の処理部を接続し、メモ
リを、メモリ制御部を介してメモリバスに接続してい
る。このメモリには、ビデオ符号化データ、ビデオ復号
データ、ユーザデータ及びオーディオデータが格納され
る。メモリとしては通常のDRAMでもよいが、より高
速なアクセスを可能にするために、ランバスDRAMな
どの同期式RAMが用いられる。
【0003】動画像復号装置では、復号したビデオ信号
の1フレーム期間(例えば1/30秒)で1フレーム分
の復号処理を行えばよい。しかし、画像によって符号化
データの圧縮率や予測方法が異なるので、画像によって
符号化データ量及びその復号処理時間が異なる。そこ
で、複数の処理部の各々に小バッファメモリを備え、メ
モリ制御部で各処理部からの割込要求を受け付けてバス
権調停を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、画像によって
符号化データ量及び復号処理時間が異なることから、割
込要求が競合する場合があり、同期式RAMがランダム
アクセス的な使用となってメモリアクセス効率が悪くな
る。このため、ハードウエア全体の性能を高める必要が
あり、製品がコスト高になる原因となる。
【0005】また、LSI設計においては開発期間短縮
のために一般にシミュレーションが行われるが、どのよ
うな条件でワーストケースのメモリアクセス要求が生ず
るかを特定するのが困難であるので、ワーストケースを
想定したシミュレーションしかできない。しかも、数秒
分のビットストリームについて設計シミュレーションを
行うのに数日要する場合もある。
【0006】そこで、現状では、LSIを設計し製造し
た後に、これに多くのビットストリームを入力して実機
試験を行うことより、LSIの動作を保証している。し
かし、ワーストケースでの動作が保証されているかどう
か不明である。また、実機試験で動作が保証されなかっ
た場合には、LSIを設計変更し、同様の処理を繰り返
さなければならないので、LSIの開発期間が長くな
る。これを避けるために、必要以上の高性能のLSIを
製造すると、コスト高となる。
【0007】本発明の目的は、このような問題点に鑑
み、RAMに対するアクセス効率のよい動画像復号方法
及び装置を提供することにある。本発明の他の目的は、
要求仕様を満たすための設計が容易な動画像復号方法及
び装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及びその作用効果】請求項
1では、複数の処理部の各々とメモリバスとの間にバッ
ファメモリ部が接続され、該メモリバスにメモリ制御部
を介しRAMが接続された動画像復号装置であって、該
メモリ制御部は、複数の該バッファメモリ部の各々に対
しタイムスロットを周期的に割り当て、各タイムスロッ
トにおいて、対応する該バッファメモリ部と該RAMと
の間のアクセスを制御する。
【0009】RAMとしてはSRAMでもよいが、容量
が比較的大きいので、記憶密度が高くて安価なDRAM
が実用的である。また、通常のDRAMであっても、ペ
ージモードのように行アドレスを指定してコラムアドレ
スを連続的に変化させることにより、ランダムアクセス
よりも高速アクセスが可能である(アクセス効率が高
い)が、ランバスDRAMやシンクロナスDRAMのよ
うに列アドレスを内部カウンタで連続的に変化させる同
期式DRAMの方がより高速にアクセスできるので好ま
しい。
【0010】この動画像復号装置によれば、タイムスロ
ットでRAMに対し連続的アクセスが行われるので、ア
クセス権が頻繁に切り替わってRAMのアクセス効率が
低下するのを防止することができる。また、RAMに対
するアクセスが最も厳しいワーストケースを想定してタ
イムスロットを定めることができるので、動画像復号装
置の設計が容易になる。
【0011】請求項2の動画像復号装置では、請求項1
において例えば図1に示す如く、多重ビットストリーム
を複数のビットストリームに分離するシステム多重分離
部と、順に縦続接続された可変長復号部、逆量子化部及
び逆DCT部と、予測画像生成部と、該逆DCT部及び
該予測画像生成部の出力が供給される加算器と、復号画
像データに基づいてビデオ信号を生成する画像出力部
と、上記メモリ制御部が接続されたメモリバスとを有
し、上記バッファメモリ部は、該システム多重分離部の
出力端と該メモリバスとの間に接続された第1バッファ
メモリ部(21)と、該可変長復号部の入力端と該メモ
リバスとの間に接続された第2バッファメモリ部(2
2)と、該予測画像生成部の入力端と該メモリバスとの
間に接続された第3バッファメモリ部(23)と、該加
算器の出力端と該メモリバスとの間に接続された第4バ
ッファメモリ部(24)と、該復号画像出力部の入力端
と該メモリバスとの間に接続された第5バッファメモリ
部(25)とを有する。
【0012】請求項3の動画像復号装置では、請求項2
において例えば図5に示す如く、上記メモリ制御部は、
クロックを計数し計数値が周期的に変化するカウンタ
と、該カウンタの計数値に基づいて上記タイムスロット
を生成するタイムスロット生成部(123)と、生成さ
れた該タイムスロットにおいて、対応する上記バッファ
メモリ部と上記RAMとの間のアクセスを制御するリー
ド/ライト制御部(125)とを有する。
【0013】この動画像復号装置によれば、カウンタの
計数値に基づいてタイムスロットを生成するので、タイ
ムスロット幅の設定を容易に変更することができる。請
求項4の動画像復号装置では、請求項3において例えば
図6に示す如く、上記タイムスロット生成部は、タイム
スロット群を繰り返し生成し、各タイムスロット群は、
上記第2、第3及び第4バッファメモリ部の各々に対す
るタイムスロット(V、P及びD)を有する。
【0014】この動画像復号装置によれば、第2、第3
及び第4バッファメモリ部の必要な容量を小さくするこ
とが可能となる。請求項5の動画像復号装置では、請求
項4において例えば図7又は図10に示す如く、上記タ
イムスロット生成部はさらに、1水平走査期間の整数倍
の期間に上記第1及び第5バッファメモリ部に対するタ
イムスロット(I及びA)をそれぞれ1つ以上生成す
る。
【0015】請求項6の動画像復号装置では、例えば図
9に示す如く、上記タイムスロット生成部は、上記第3
及び第4バッファメモリ部に対するタイムスロット幅
(P及びD)を一定にし、上記第2バッファメモリ部に
対するタイムスロット(V)の終了時点を、該第2バッ
ファメモリ部へのデータ格納により該第2バッファメモ
リ部の空領域が無くなった時点とする。
【0016】第2バッファメモリ部では1マクロブロッ
ク当たりのデータ量が圧縮率により異なるが、このよう
にすれば、第2バッファメモリ部についてRAMの同一
行に対し連続アクセスできるデータ量が多くなるので、
RAMに対するアクセス効率が向上する。請求項7の動
画像復号装置では、請求項3において例えば図11に示
す如く、上記タイムスロット生成部は、タイムスロット
群を繰り返し生成し、各タイムスロット群は、上記第1
〜第5バッファメモリ部の各々に対するタイムスロット
(I、V、P、D及びA)を有する。
【0017】この動画像復号装置によれば、各タイムス
ロットの周期が短くかつ一定になるので、第1〜第5バ
ッファメモリ部の必要な容量を削減することができる。
請求項8の動画像復号装置では、請求項7において例え
ば図12及び図13に示す如く、上記第2バッファメモ
リ部(22)は、その未処理データ量が減少して設定値
になったときに割込要求信号(IRQV)を上記メモリ
制御部(12A)に供給し、上記タイムスロット生成部
(123A)は、第1タイムスロット群を繰り返し生成
し、各第1タイムスロット群は、上記第1及び第3〜第
5バッファメモリ部の各々に対するタイムスロット
(I、P、D及びA)を有し、該タイムスロット生成部
はさらに、該割込要求信号に応答し、現第1タイムスロ
ット群の終了を待って第2タイムスロット群を生成し、
該第2タイムスロット群は、上記第1、第2及び第5バ
ッファメモリ部の各々に対するタイムスロット(I、V
及びA)を有する。
【0018】第2バッファメモリ部については1マクロ
ブロック当たり転送すべきデータ量が圧縮率により異な
るが、この動画像復号装置によれば、例外的な割り込み
処理により、第2バッファメモリ部についてRAMの同
一行に対し連続アクセスできるデータ量が多くなるの
で、RAMに対するアクセス効率が向上する。請求項9
の動画像復号装置では、請求項8において例えば図12
に示す如く、上記第1タイムスロット群幅と上記第2タ
イムスロット群幅は等しい。
【0019】この動画像復号装置によれば、第1及び第
5バッファメモリ部に対するタイムスロットの周期が割
り込みによらず一定になるので、第1及び第5バッファ
メモリ部の容量を削減することができる。請求項10の
動画像復号装置では、請求項4又は7において、上記タ
イムスロット生成部は、上記タイムスロット群を仮想k
水平走査期間にk×[(1水平走査線上の画素数)/2
56]個生成し、ここに[]は括弧内の値の整数部分を
意味する。
【0020】この動画像復号装置によれば、マクロブロ
ック単位でバッファメモリ部がアクセス可能になるの
で、バッファメモリ部の容量を小さくすることができ
る。請求項11では、請求項4乃至10のいずれか1つ
において例えば図7(C)及び図8に示す如く、上記メ
モリ制御部は、上記カウンタの計数値に基づいて復号処
理期間を画像表示期間と対応させ、復号処理における垂
直ブランキング期間に相当する期間において、上記第1
バッファメモリ部に対するタイムスロット(I)のみ仮
想1水平走査期間に少なくとも1つ生成し、上記第2〜
第5バッファメモリ部に対するタイムスロットを生成せ
ず、空き時間において、上記RAMに対し画像データ以
外のデータのアクセスを制御する。
【0021】第1バッファメモリ部へのビデオビットス
トリームは、転送時の転送レートが一定であるので、こ
の動画像復号装置によれば、第1バッファメモリ部に要
求される容量をできるだけ少なくすることができる。請
求項12の動画像復号装置では、請求項2乃至11のい
ずれか1つにおいて例えば図2に示す如く、上記システ
ム多重分離部は、入力ビットストリームをユーザデータ
識別パターンと比較してユーザデータを該入力ビットス
トリームから分離し、該ユーザデータが分離されたビッ
トストリームを上記第1バッファメモリ部に供給する。
【0022】ユーザデータについては、その量のワース
トケースがMPEGで規定されていないので、ユーザデ
ータのアクセスをタイムスロット制御から除外すること
により、RAMに要求される転送レートをできるだけ小
さくすることが可能となる。請求項13の動画像復号装
置では、請求項2乃至12のいずれか1つにおいて例え
ば図3に示す如く、上記第1〜5バッファメモリ部はい
ずれも、書込アドレス及び読出アドレスをそれぞれ保持
する入力ポインタ及び出力ポインタを備えたバッファメ
モリ(221)と、該書込アドレス及び読出アドレスに
基づいて該バッファメモリ内の未処理データ領域又は空
領域のサイズを演算する領域サイズ演算回路(222)
と、該サイズを設定値と比較してアクセス要求信号を生
成する比較回路(223)とを有する。
【0023】この動画像復号装置によれば、メモリ制御
部でこのアクセス要求信号を用いることにより、メモリ
制御部での制御が簡単になる。請求項14の動画像復号
装置では、請求項13において例えば図4に示す如く、
上記比較回路は、未処理データ領域サイズが減少して所
定値(S0)以下になってから該未処理データ領域サイ
ズが最大値(Smax)になるまでの間、上記アクセス要
求信号(RQV)を活性化する。
【0024】請求項15では、請求項14において例え
ば図7(A)に示す如く、上記メモリ制御部は、上記タ
イムスロットにおいて、該タイムスロットに対応した上
記アクセス要求信号が活性化されているときのみ対応す
る上記バッファメモリ部と上記RAMとの間のアクセス
を制御する。この動画像復号装置によれば、メモリ制御
部での制御がさらに簡単になる。
【0025】請求項16の動画像復号装置では、請求項
15において、上記メモリ制御部は、上記タイムスロッ
トの開始時点において該タイムスロットに対応した上記
アクセス要求信号が不活性であるとき、該タイムスロッ
トを、上記RAMに対し画像データ以外のデータのアク
セスを制御する。請求項17の動画像復号装置では、請
求項2乃至16のいずれか1つにおいて、上記第2バッ
ファメモリ部は、少なくとも、1マクロブロックの符号
化データの規格上許容最大量の記憶容量を有し、該第2
バッファメモリ部に対する上記タイムスロットの幅は、
少なくとも、上記RAMから該最大量のデータを読み出
して該第2バッファメモリ部へ転送するのに必要な時間
である。
【0026】請求項18の動画像復号装置では、請求項
2乃至16のいずれか1つにおいて、上記第2バッファ
メモリ部は、少なくとも、〔(1マクロブロックの符号
化データの規格上許容最大量)×(該許容最大量のマク
ロブロックが1マクロブロックライン中に含まれる数
N)−A×(N−1)〕の記憶容量を有し、ここにA=
(1マクロブロックラインの符号化データの規格上許容
最大量)/(1マクロブロックラインのマクロブロック
数)であり、該第2バッファメモリ部に対する上記タイ
ムスロットの幅は、少なくとも、上記RAMから量Aの
データを読み出して該第2バッファメモリ部へ転送する
のに必要な時間である。
【0027】請求項19では、複数の処理部がメモリ制
御部を介して同期式メモリをアクセスする動画像復号方
法において、複数の該処理部の各々と該RAMとの間に
各々備えられたバッファメモリ部を用意し、複数の該バ
ッファメモリ部の各々に対しタイムスロットを周期的に
割り当て、各タイムスロットにおいて、対応する該バッ
ファメモリ部と該RAMとの間のアクセスを許可する。
【0028】請求項20の動画像復号方法では、請求項
19において、上記RAMに対するアクセスが最も厳し
いワーストケースを想定してタイムスロットを定める。
この動画像復号方法によれば、ワーストケースでのアク
セスが保証されるので、この保証のために実機試験を長
時間行う必要がない。請求項21の動画像復号方法で
は、請求項20において例えば図8に示す如く、復号処
理期間を画像表示期間と対応させて上記タイムスロット
を生成する。
【0029】請求項22の動画像復号方法では、請求項
21において、上記タイムスロット群を仮想k水平走査
期間にk×[(1水平走査線上の画素数)/256]個
生成し、ここに[]は括弧内の値の整数部分を意味す
る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。 [第1実施形態]図1は、本発明の第1実施形態の動画
像復号装置10の概略構成とシステム多重分離部とを示
す。
【0031】同期式RAM11には、ビデオ符号化デー
タ、ビデオ復号データ、ユーザデータ及びオーディオデ
ータの記憶領域が割り当てられている。同期式RAM1
1は、例えばランバスDRAMであり、これにリクエス
トパケットを供給することにより、最初のデータのアク
セス後において高速アクセスが可能である。同期式RA
M11は、メモリ制御部12を介してメモリバス13に
接続されている。同期式RAM11の高速性を確保する
ために、メモリバス13にはバッファメモリ部20〜2
6が接続されている。メモリ制御部12により、同期式
RAM11に対するバッファメモリ部21〜25からの
アクセス要求が調停される。バッファメモリ部21〜2
5はそれぞれ、ライト要求信号RQI、リード要求信号
RQV及びRQP、ライト要求信号RQD並びにリード
要求信号RQAをメモリ制御部12に供給する。メモリ
バス13にはまた、オーディオ復号部27及びMPU2
8が接続されている。
【0032】バッファメモリ部22と24との間には可
変長復号部30、逆量子化部31、逆DCT部32及び
加算部33がこの順に縦続接続されている。可変長復号
部30には符号化画像データがバッファメモリ部22か
ら供給され、加算部33からバッファメモリ部24へ復
号された画像データが蓄積される。バッファメモリ部2
3と加算部33との間には、予測画像生成部34が接続
されている。予測画像生成部34は、可変長復号部30
で分離された動きベクトル及びマクロブロックアドレス
インクリメントなどの情報を受け取り、マクロブロック
アドレスと動きベクトルとで定まる参照画像読出開始ア
ドレスをバッファメモリ部23に知らせ、バッファメモ
リ部23はこのアドレスから参照画像データを読み出
す。画像出力部35には、復号された画像データがバッ
ファメモリ部25から供給され、MPU28から、文字
データであるユーザデータをグラフィック変換したデー
タが供給される。
【0033】MPEG規格に従って、可変長復号部3
0、逆量子化部31及び予測画像生成部34ではマクロ
ブロック単位(16×16画素)で処理が行われ、逆D
CT部32ではブロック単位(8×8画素)で処理が行
われる。バッファメモリ部24では、1マクロブロック
に対しブロック単位で6回処理しても、マクロブロック
単位で処理してもよい。
【0034】動画像復号装置10内の全体の制御は、全
体制御部36により行われる。本第1実施形態では、同
期式RAM11に対するアクセス権が頻繁に切り替わっ
て同期式RAM11のアクセス効率が低下するのを避け
るため、バッファメモリ部21〜25からのアクセス要
求に対し、タイムスロット制御する。バッファメモリ部
21〜25の各々に対するアクセス用タイムスロット
は、同期式RAM11に対するアクセスが最も厳しいワ
ーストケースを想定して後述のように予め定められてい
る。ユーザデータ量は、ワーストケースがMPEGで規
定されていないので、タイムスロット制御から除外する
ことにより、メモリアクセス効率を向上させる。
【0035】システム多重分離部40の構成例を、図2
に示す。MPEG方式の多重化ビットストリームは、符
号化されているビデオビットストリームとオーディオビ
ットストリームとユーザデータビットストリームとが多
重され、パケット化されている。パケットヘッダには、
システムクロックレファランスSCR、ストリームID
及びプレゼンテーションタイムスタンプPTS等の情報
が含まれている。
【0036】多重化ビットストリームは、シフトレジス
タ41を介しマルチプレクサ42に供給される。シフト
レジスタ41の並列出力は、分離制御回路43によりユ
ーザデータ識別パターン44と比較され、分離制御回路
43から一致信号EQがマルチプレクサ42の制御入力
端に供給される。シフトレジスタ41のビット数は、例
えば一連の‘パケットスタートコード’、‘ストリーム
ID’及び‘パケット長’の全ビット数である。ユーザ
データ識別パターン44からパケットスタートコードと
ユーザデータのストリームIDとが供給される。分離制
御回路43は比較器、ユーザデータ終了判定用カウンタ
431及び一致信号EQを出力するフリップフロップ4
32を備えている。
【0037】分離制御回路43は、パケットスタートコ
ードの次のストリームIDがユーザデータを示している
ことを比較器で検出すると、該パケット長をカウンタ4
31にロードし、フリップフロップ432をセットして
一致信号EQを活性化する。これにより、マルチプレク
サ42の出力が図1のバッファメモリ部20側に切り換
えられる。カウンタ431のカウントはクロックでデク
リメントされ、カウントが0になるとフリップフロップ
432がリセットされて一致信号EQが不活性になる。
これにより、マルチプレクサ42の出力が主分離部45
側に切り換えられる。主分離部45は、入力ビットスト
リームからシステムタイムクロックSTCなどの同期情
報を分離して図1の全体制御部36に供給し、また、ス
トームIDに基づいて入力ビットストリームをビデオビ
ットストリームとオーディオビットストリームとに分離
し、それぞれ図1のバッファメモリ部20及び21に供
給する。
【0038】図3は、バッファメモリ部22の構成例を
示す。FIFOメモリ221は、入力ポートと出力ポー
トとを備えた2ポートRAMであり、次の書き込みアド
レス及び読み出しアドレスを保持する入力ポインタIP
及び出力ポインタOPを備えている。領域サイズ演算回
路222は、この出力ポインタOPの値と入力ポインタ
IPの値とに基づいて、未処理データ領域サイズSを算
出し、比較器223に供給する。比較器223は出力保
持型であり、領域サイズSと設定値S0とを比較し、例
えば図4に示す如く、領域サイズSが減少してS=S0
になったことを検出すると、出力RQVを高レベルにし
てこれを保持する。この状態で、比較器223は領域サ
イズSと設定値(容量)Smaxとを比較し、S=Smaxと
なれば出力リード要求信号RQVを低レベルにリセット
する。
【0039】このようなリード要求信号RQVをバッフ
ァメモリ部22で生成することにより、メモリ制御部1
2での制御が簡単になる。バッファメモリ部21及び2
3〜25のいずれも、設定値S0及び容量Smax以外は
バッファメモリ部22と同様に構成されている。図1に
おいて、全体制御部36は、不連続的なシステムタイム
クロックSTCに基づいて連続的なシステムクロックC
LKを生成し、このシステムクロックCLKを分周して
仮想水平同期信号VHSYNC(復号処理では表示の水
平同期信号と無関係であるので「仮想」を付加した。以
下同様。)を生成し、仮想水平同期信号VHSYNCを
分周して仮想垂直同期信号VVSYNCを生成し、これ
らをタイムスロット生成用としてメモリ制御部12に供
給する。
【0040】図5は、メモリ制御部12の構成例を示
す。システムクロックCLK及び仮想水平同期信号VH
SYNCはそれぞれカウンタ121及び122のクロッ
ク入力端CKに供給されて、そのパルスがカウントされ
る。カウンタ121及び122のリセット入力端RST
にはそれぞれ仮想水平同期信号VHSYNC及び仮想垂
直同期信号VVSYNCが供給され、そのパルスにより
カウントがゼロクリアされる。カウンタ121及び12
2のカウントCNT及びCNTHはタイムスロット生成
部123に供給される。
【0041】タイムスロットは、タイムスロット生成部
123により以下のように定められる。1フレーム期間
(例えば1/30秒)において、1フレーム分の復号処
理を行えばよい。通常、水平方向に720画素あり、こ
の場合、仮想1水平走査期間(1H)に処理すべきマク
ロブロック数は720÷(16×16)=2.8以上で
ある。そこで、本第1実施形態では、1Hに3マクロブ
ロックのデータを処理できるように動画像復号装置10
を設計する。
【0042】図6は、カウントCNTとタイムスロット
の区切りとの関係を示す。タイムスロット生成部123
は、カウントCNTが0及びN1〜N10になったこと
を検出して、タイムスロットの区切りを決定する。図6
において、I及びDはそれぞれ、図1のバッファメモリ
部21及び24から同期式RAM11へデータを転送す
るのに割り当てられるタイムスロットであり、V、P及
びAはそれぞれ、図1の同期式RAM11からバッファ
メモリ部22、23及び25へデータを転送するのに割
り当てられるタイムスロットである。
【0043】タイムスロット生成部123は、図7
(A)に示す如く1Hにおいて、タイムスロットI及び
Aを生成しさらにタイムスロットV、P及びDからなる
タイムスロット群を繰り返し3回生成する。1フレーム
が720×480画素=(720/16)×(480/
16)=45×30マクロブロックである場合、45×
30/3=450Hで1画像分の復号処理を行うことが
できる。したがって、復号処理については、1フレーム
期間に30H余る。そこで、図8に示す如く、カウント
CNTHが1〜225のトップフィールド復号期間の次
に、カウントCNTHが226〜239の余り期間を配
置し、カウントCNTHが263〜287のボトムフィ
ールド復号期間の次に、カウントCNTHが489〜5
02の余り期間を配置する。この余り期間では、タイム
スロットI及びAのみ生成すればよい。トップフィール
ド及びボトムフィールドの各々に対応して、カウントC
NTHが240〜262及び503〜205の垂直ブラ
ンキング期間がある。この期間では、タイムスロットI
のみ生成すればよい。
【0044】タイムスロット生成部123は、カウント
CNTHの値に基づき、復号期間の各1Hで図7(A)
のタイムスロット列を生成し、余り期間の各1Hで図7
(B)のタイムスロット列を生成し、垂直ブランキング
期間の各1Hで図7(C)のタイムスロット列を生成す
る。バッファメモリ部21へのビデオビットストリーム
は、転送時の転送レートが一定であるので、垂直ブラン
キング期間においても1Hに1つのタイムスロットIを
生成することにより、バッファメモリ部21に要求され
る容量をできるだけ少なくすることができる。
【0045】タイムスロット生成部123は、例えば図
7(A)〜(C)に示す如く、タイムスロットI、A、
V、P、D及びタイムスロット無しをそれぞれタイムス
ロット値TS=0〜5と対応させ、タイムスロット値T
Sを要求受付部124に供給する。要求受付部124
は、タイムスロット値TSが0に変化した時点でライト
要求信号RQIが高レベルであればこれを受け付け、タ
イムスロット値TSが1に変化した時点でリード要求信
号RQAが高レベルであればこれを受け付け、タイムス
ロット値TSが2に変化した時点でリード要求信号RQ
Vが高レベルであればこれを受け付け、タイムスロット
値TSが3に変化した時点でリード要求信号RQPが高
レベルであればこれを受け付け、タイムスロット値TS
が4に変化した時点でライト要求信号RQDが高レベル
であればこれを受け付ける。そして、受け付けた要求信
号をリード/ライト制御部125に供給する。
【0046】リード/ライト制御部125は、この要求
信号に応答して、この要求信号が低レベルになるまで、
同期式RAM11をアクセスしてこの要求を満たす。図
7(A)は、タイムスロット値TSと要求信号との関係
を示している。この関係は、図7(B)及び図7(C)
のタイムスロット列についても同様である。タイムスロ
ット値TSが変化した時点で、対応する要求信号が低レ
ベルになっているとき、並びに、図7(B)及び図7
(C)でTS=5である場合には、画像データ以外の処
理が行われる。すなわち、図1のバッファメモリ部2
0、26、オーディオ復号部27又はMPU28に対し
バス権が与えられる。音声データ及びユーザデータは、
画像データ量に比し少ないので、このようにしても充分
な処理時間が確保される。
【0047】次に、図7(A)を参照して、1Hにおけ
る動画像復号装置10の動作を説明する。ビデオビット
ストリームがバッファメモリ部21に蓄積され、ライト
要求信号RQIが高レベルに遷移する。タイムスロット
生成部123によりタイムスロットIが生成され、要求
受付部124によりライト要求信号RQIが受け付けら
れ、リード/ライト制御部125によりバッファメモリ
部21のデータが同期式RAM11のビデオ符号化デー
タ領域に転送される。
【0048】バッファメモリ部25に蓄積された復号画
像データが画像出力部35で読み出される。画像出力部
35は、フォーマット変換、表色変換及びアナログ変換
等を行ってビデオ信号VSを生成する。場合により、番
組内容や字幕スーパーなどのユーザデータ(文字デー
タ)をグラフィック変換したデータがMPU28から画
像出力部35へ供給されて、バッファメモリ部25から
の画像データと合成される。
【0049】リード要求信号RQAが高レベルに遷移
し、タイムスロット生成部123によりタイムスロット
Aが生成され、要求受付部124によりリード要求信号
RQAが受け付けられ、リード/ライト制御部125に
より同期式RAM11のビデオ復号データ領域のデータ
が1ライン分バッファメモリ部25に転送される。バッ
ファメモリ部22に蓄積された1マクロブロックのデー
タが可変長復号部30で読み出されて、動きベクトルな
どの情報が分離されて予測画像生成部34に供給され、
次に符号化データが量子化DCT係数に変換される。予
測画像生成部34では上記参照画像読出アドレスをバッ
ファメモリ部23に供給する。バッファメモリ部22の
データ蓄積量の低下に応じてリード要求信号RQVが高
レベルに遷移する。タイムスロット生成部123により
タイムスロットVが生成され、要求受付部124により
リード要求信号RQVが受け付けられ、リード/ライト
制御部125により同期式RAM11のビデオ符号化デ
ータ領域のデータがバッファメモリ部22に転送され
る。
【0050】可変長復号部30の出力が逆量子化部31
によりDCT係数に変換され、次に逆DCT部32で空
間領域のデータに変換される。逆DCT部32の出力が
Iピクチャー(内部符号化画像)の場合には、予測画像
生成部34の出力が0であり、逆DCT部32の出力が
Pピクチャー(前方向予測符号化画像)又はBピクチャ
ー(双方向予測符号化画像)の場合には、予測画像生成
部34は、参照画像をバッファメモリ部23から読み出
し、予測画像を生成して加算部33に供給する。
【0051】バッファメモリ部22のデータ蓄積量の低
下に応じてリード要求信号RQPが高レベルに遷移す
る。タイムスロット生成部123によりタイムスロット
Pが生成され、要求受付部124によりリード要求信号
RQPが受け付けられ、リード/ライト制御部125に
より同期式RAM11のビデオ復号データ領域のデータ
がバッファメモリ部23に転送される。
【0052】加算部33の演算結果が復号画像データと
してバッファメモリ部24に1マクロブロック分蓄積さ
れる。バッファメモリ部22のデータ蓄積量の上昇に応
じて、ライト要求信号RQDが高レベルに遷移する。タ
イムスロット生成部123によりタイムスロットDが生
成され、要求受付部124によりライト要求信号RQD
が受け付けられ、リード/ライト制御部125によりバ
ッファメモリ部24のデータが同期式RAM11のビデ
オ復号データ領域に転送される。
【0053】このようにして、1タイムスロット群の期
間(1マクロブロック処理期間)で、1マクロブロック
の符号化データが復号される。この処理が1Hに3回繰
り返し行われる。次に、タイムスロット幅、タイムスロ
ット当たりの最大データ転送量及びバッファメモリ部の
記憶容量の決定方法について説明する。
【0054】1マクロブロック当たりのデータ量は処理
部により異なり、この量のデータを処理するのに必要な
時間も処理部により異なる。また、バッファメモリ部と
同期式RAM11間のデータ転送時間は同期式RAM1
1のアクセス速度に依存する。図1において、システム
多重分離部40からバッファメモリ部21への1画像当
たりのデータ量は圧縮率により大きく異なるが、伝送時
のデータ転送レートは例えば6Mbpsと一定であり、
これに基づいて、1H毎にバッファメモリ部21から同
期式RAM11へ転送するのに必要な最大データ量、タ
イムスロット幅及びバッファメモリ部21の容量を定め
る。
【0055】同期式RAM11からバッファメモリ部2
2への1マクロブロック当たりのデータ転送量は、符号
化データ圧縮度により異なるが、以下のようにワースト
ケースを考えて上記値を定める。 (1)決定方法1 バッファメモリ部22から可変長復号部30へのデータ
転送量のワーストケースは、MPEG規格によれば次の
通りである。
【0056】1マクロブロックライン中、最大9216
ビットのマクロブロック(正確には、9216ビットは
DCT係数のビット数であり、さらに動きベクトルやマ
クロブロックアドレスなどの制御情報があり、1マクロ
ブロックの最大ビット数はこれより若干増える。)が多
くても2つで、残りのマクロブロックはいずれも、最大
でも4608ビットである。1マクロブロックラインが
45マクロブロックである場合には、1マクロブロック
ラインのメモリ転送量のワーストケースは、9,216
ビット×2+4,608ビット×43=216,576
ビットである。したがって、この場合の1マクロブロッ
ク当たりの平均ビット数は216,576/45≒4,
813ビットとなる。
【0057】2マクロブロックラインでのワーストケー
スでは、最初の1マクロブロックラインの終わりの2マ
クロブロックの各々が9,216ビットで、次の1マク
ロブロックラインの初めの2マクロブロックの各々が
9,216ビットで、続く1マクロブロックが4,60
8ビットである。この場合、可変長復号部30が1マク
ロブロックのデータを処理する毎に同期式RAM11か
らメモリ制御部12を介しバッファメモリ部22へ4,
813ビット転送するとすると、割り当てられたタイム
スロットVで可変長復号部30が処理をスキップしない
ようにするためにバッファメモリ部22に必要な記憶容
量は、9,216ビット×4−4,813ビット×3=
22,425ビットである。このワーストケースの3マ
クロブロック処理期間で、可変長復号部30が3マクロ
ブロック=9,216ビット×3回処理し、この間にバ
ッファメモリ部22へ4,813ビット×3回補給すれ
ば、次のマクロブロック処理期間の最初においてバッフ
ァメモリ部22内には、22,425−9,216×3
+4,813×3=9,216ビットのデータが残って
いる。次の1マクロブロック処理期間で可変長復号部3
0が9,216ビット処理し、4,813ビットがバッ
ファメモリ部22に補給される。したがって、次の1マ
クロブロック処理期間で可変長復号部30が、4,60
8ビットを処理することができ、このワーストケースに
対処することができる。
【0058】(2)決定方法2 タイムスロット幅を広くし又はアクセス速度の高いRA
M11を用いることにより、1タイムスロットでバッフ
ァメモリ部22へ9,216ビット補給すれば、バッフ
ァメモリ部22に必要な記憶容量は9,216ビット
と、上記の場合よりも少なくなる。
【0059】(3)決定方法3 また、MPEG規格にはよれば、1ピクチャ当たりの最
大ビット数は1.75Mbである。1ピクチャが675
マクロブロックの場合、1マクロブロック当たりの平均
ビット数は1.75Mb/675≒2,719ビットと
なる。したがって、1タイムスロットでバッファメモリ
部22へ2,719ビット補給するようにしてもよい。
この場合、明らかに(1)の場合よりもバッファメモリ
部22に必要な記憶容量が大きくなる。
【0060】以上の(1)〜(3)のように、1タイム
スロット当たり同期式RAM11からバッファメモリ部
22へデータ伝送する量が、平均化されて少なくなるほ
ど、バッファメモリ部22に必要な記憶容量は大きくな
る。バッファメモリ部23から予測画像生成部34への
1マクロブロック当たりのデータ転送量は、両方向予測
の場合にワーストケースとなるので、この場合に基づい
て、上記値を定める。
【0061】ビデオビットストリームがバッファメモリ
部21へ供給されているときのデータ転送レートは定ま
っており、また、バッファメモリ部25から画像出力部
35へのデータ転送レートは定まっており、これに基づ
いて、上記値を定める。例えば、MPU28がRAM1
1内のユーザデータ(文字データ)をグラフィックデー
タに変換してRAM11内に書き込んでおき、これを読
み出して画像出力部35に合成用データとして供給する
場合や、表示画面を2分割して2つの番組を表示させる
場合には、RAM11に対するアクセス回数が増えるの
で、RAM11に対する1タイムスロット当たりのデー
タアクセス量が少なくなって、バッファメモリ部の容量
を大きくする必要がある。そうでない場合には、RAM
11に対する1タイムスロット当たりのデータアクセス
量を多くして、バッファメモリ部の容量を少なくするこ
とにより、製造コストを低減した方が好ましい。
【0062】なお、上記余り期間及び垂直ブランキング
期間で他の処理を行っても余裕期間が確保される場合に
は、バッファメモリの容量を上述の場合よりも少なく
し、バッファメモリに1マクロブロック分のデータ存在
しない場合には処理部で処理をスキップし、これにより
処理がずれて、上記余り期間でも処理を実行するように
してもよい。
【0063】[第2実施形態]図9は、図7(A)に対
応した、本発明の第2実施形態のタイムスロット及びア
クセス要求信号を示す。バッファメモリ部22への1マ
クロブロックのデータ量が圧縮率により大きく異なる。
そこでこの実施形態では、図5において、要求受付部1
24に供給されるリード要求信号RQVをタイムスロッ
ト生成部123にも供給している。そして、タイムスロ
ット生成部123は、タイムスロットVのみ、リード要
求信号RQVが立ち下がった時点でこのタイムスロット
を終了することにより、タイムスロット幅を可変にして
いる。
【0064】これにより、同期式RAM11の同一行に
対し連続アクセスできるデータ量が多くなるので、同期
式RAM11に対するアクセス効率が向上する。 [第3実施形態]図10は、図7(A)に対応した、本
発明の第2実施形態のタイムスロット及びアクセス要求
信号を示す。
【0065】この実施形態では、図7の1水平走査期間
を2水平走査期間とすることにより、タイムスロットV
とPとDとからなるタイムスロット群を、図7の場合の
2倍の6回繰り返し生成している。これにより、タイム
スロットI及びAについて、同期式RAM11の同一行
に対し連続アクセスできるデータ量が多くなるので、ア
クセス効率が向上する。
【0066】[第4実施形態]図11は、図10に対応
した、本発明の第4実施形態のタイムスロット列を示す
図である。この実施形態では、タイムスロットI及びA
をタイムスロットV、P及びDのタイムスロット群に含
めることにより、タイムスロットI及びAの周期も1マ
クロブロック処理期間にしている。
【0067】これにより、バッファメモリ部21及び2
5の必要な容量を削減することができる。図11では、
図10との関係で2水平走査期間について示している
が、1水平走査期間が丁度3マクロブロック処理期間に
等しくなっているので、1水平走査期間についてタイム
スロットを割り当てた場合と同じになる。
【0068】[第5実施形態]図12は、本発明の第5
実施形態のメモリ制御部12Aを示す。この回路では、
バッファメモリ部22から要求受付部124へのリード
要求信号RQVを、割込要求信号IRQVとしてタイム
スロット生成部123Aにも供給している。
【0069】タイムスロット生成部123Aは、図13
に示す如く、原則としてタイムスロット群からタイムス
ロットVを除外している。そして、割込要求信号IRQ
Vが活性化されたときのみ例外として、現タイムスロッ
ト終了時点で、タイムスロットPとDとの替わりにタイ
ムスロットVを割り当てたタイムスロット群の生成を開
始している。このタイムスロット群も、1マクロブロッ
ク処理期間を他のそれと等しくしている。そして、タイ
ムスロットVの両側にタイムスロットI及びAを割り当
てることにより、タイムスロットI及びAの周期を割り
込みによらず一定にして、バッファメモリ部21及び2
5の容量削減を図っている。
【0070】なお、本発明には外にも種々の変形例が含
まれる。例えば、図5のカウンタ122を用いずに、そ
の出力の替わりにカウンタ121の上位ビットを用いて
もよい。また、バッファメモリ部21〜25からメモリ
制御部12へ要求信号を供給しないで、タイムスロット
に対応するバッファメモリ部のアクセスを実行させるよ
うにしてもよい。
【0071】同期式RAM11の替わりに、ページモー
ドなどのように行アドレスを指定し列アドレスを連続的
に変化させることによりアクセス効率がランダムアクセ
スの場合よりも高くなる非同期式RAMを用いてもよ
い。RAM11はSRAMであってもよいが、例えば少
なくても16Mbであるので、記憶密度がSRAMより
高くて安価なDRAMの方が実用的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の動画像復号装置の概略
構成とシステム多重分離部とを示すブロック図である。
【図2】図1中のシステム多重分離部の構成例を示すブ
ロック図である。
【図3】図1中のバッファメモリ部の構成例を示すブロ
ック図である。
【図4】図3のバッファメモリ部の動作を示すタイムチ
ャートである。
【図5】図1中のメモリ制御部の構成例を示すブロック
図である。
【図6】図5の回路の動作を示すタイムチャートであ
る。
【図7】(A)は図5の回路の動作を示すタイムチャー
トであり、(B)及び(C)は1フレーム期間中の仮想
1水平期走査期間の位置により(A)と異なるタイムス
ロット列を示す図である。
【図8】1フレーム期間におけるタイムスロット列の割
り当てを示す図である。
【図9】図7(A)に対応した、本発明の第2実施形態
のタイムスロット及びアクセス要求信号を示すタイムチ
ャートである。
【図10】図7(A)に対応した、本発明の第3実施形
態のタイムスロット列を示す図である。
【図11】図10に対応した、本発明の第4実施形態の
タイムスロット列を示す図である。
【図12】本発明の第5実施形態のメモリ制御部を示す
ブロック図である。
【図13】図11に対応した、本発明の第5実施形態の
タイムスロット列を示す図である。
【符号の説明】
10 動画像復号装置 11 同期式RAM 12、12A メモリ制御部 121、122 カウンタ 123、123A タイムスロット生成部 125 リード/ライト制御部 124 要求受付部 13 メモリバス 20〜26 バッファメモリ部 221 FIFOメモリ 222 領域サイズ演算回路 27 オーディオ復号部 28 MPU 30 可変長復号部 31 逆量子化部 32 逆DCT部 33 加算部 35 画像出力部 36 全体制御部 40 システム多重分離部 I、A、V、P、D タイムスロット RQI、RQD ライト要求信号 RQA、RQV、RQP リード要求信号 IRQV 割込要求信号
フロントページの続き (72)発明者 高橋 秀長 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 吉富 耕治 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5B057 AA01 CH11 CH14 CH16 5B061 BA01 BB37 RR03 RR05 5C059 KK06 MA05 MA23 MC11 ME01 PP04 RB02 SS30 UA09 UA29 UA33 UA36

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の処理部の各々とメモリバスとの間
    にバッファメモリ部が接続され、該メモリバスにメモリ
    制御部を介しRAMが接続された動画像復号装置であっ
    て、 該メモリ制御部は、複数の該バッファメモリ部の各々に
    対しタイムスロットを周期的に割り当て、各タイムスロ
    ットにおいて、対応する該バッファメモリ部と該RAM
    との間のアクセスを制御する、ことを特徴とする動画像
    復号装置。
  2. 【請求項2】 多重ビットストリームを複数のビットス
    トリームに分離するシステム多重分離部と、順に縦続接
    続された可変長復号部、逆量子化部及び逆DCT部と、
    予測画像生成部と、該逆DCT部及び該予測画像生成部
    の出力が供給される加算器と、復号画像データに基づい
    てビデオ信号を生成する画像出力部と、上記メモリ制御
    部が接続されたメモリバスとを有し、 上記バッファメモリ部は、該システム多重分離部の出力
    端と該メモリバスとの間に接続された第1バッファメモ
    リ部と、該可変長復号部の入力端と該メモリバスとの間
    に接続された第2バッファメモリ部と、該予測画像生成
    部の入力端と該メモリバスとの間に接続された第3バッ
    ファメモリ部と、該加算器の出力端と該メモリバスとの
    間に接続された第4バッファメモリ部と、該復号画像出
    力部の入力端と該メモリバスとの間に接続された第5バ
    ッファメモリ部とを有する、 ことを特徴とする請求項1記載の動画像復号装置。
  3. 【請求項3】 上記メモリ制御部は、 クロックを計数し計数値が周期的に変化するカウンタ
    と、 該カウンタの計数値に基づいて上記タイムスロットを生
    成するタイムスロット生成部と、 生成された該タイムスロットにおいて、対応する上記バ
    ッファメモリ部と上記RAMとの間のアクセスを制御す
    るリード/ライト制御部と、 を有することを特徴とする請求項2記載の動画像復号装
    置。
  4. 【請求項4】 上記タイムスロット生成部は、タイムス
    ロット群を繰り返し生成し、各タイムスロット群は、上
    記第2、第3及び第4バッファメモリ部の各々に対する
    タイムスロットを有することを特徴とする請求項3記載
    の動画像復号装置。
  5. 【請求項5】 上記タイムスロット生成部はさらに、1
    水平走査期間の整数倍の期間に上記第1及び第5バッフ
    ァメモリ部に対するタイムスロットをそれぞれ1つ以上
    生成することを特徴とする請求項4記載の動画像復号装
    置。
  6. 【請求項6】 上記タイムスロット生成部は、上記第3
    及び第4バッファメモリ部に対するタイムスロット幅を
    一定にし、上記第2バッファメモリ部に対するタイムス
    ロットの終了時点を、該第2バッファメモリ部へのデー
    タ格納により該第2バッファメモリ部の空領域が無くな
    った時点とすることを特徴とする請求項4又は5記載の
    動画像復号装置。
  7. 【請求項7】 上記タイムスロット生成部は、タイムス
    ロット群を繰り返し生成し、各タイムスロット群は、上
    記第1〜第5バッファメモリ部の各々に対するタイムス
    ロットを有することを特徴とする請求項3記載の動画像
    復号装置。
  8. 【請求項8】 上記第2バッファメモリ部は、その未処
    理データ量が減少して設定値になったときに割込要求信
    号を上記メモリ制御部に供給し、 上記タイムスロット生成部は、第1タイムスロット群を
    繰り返し生成し、各第1タイムスロット群は、上記第1
    及び第3〜第5バッファメモリ部の各々に対するタイム
    スロットを有し、該タイムスロット生成部はさらに、該
    割込要求信号に応答し、現第1タイムスロット群の終了
    を待って第2タイムスロット群を生成し、該第2タイム
    スロット群は、上記第1、第2及び第5バッファメモリ
    部の各々に対するタイムスロットを有する、 ことを特徴とする請求項7記載の動画像復号装置。
  9. 【請求項9】 上記第1タイムスロット群幅と上記第2
    タイムスロット群幅は等しいことを特徴とする請求項8
    記載の動画像復号装置。
  10. 【請求項10】 上記タイムスロット生成部は、上記タ
    イムスロット群を仮想k水平走査期間にk×[(1水平
    走査線上の画素数)/256]個生成し、ここに[]は
    括弧内の値の整数部分を意味する、 ことを特徴とする請求項4又は7記載の動画像復号装
    置。
  11. 【請求項11】 上記メモリ制御部は、上記カウンタの
    計数値に基づいて復号処理期間を画像表示期間と対応さ
    せ、復号処理における垂直ブランキング期間に相当する
    期間において、上記第1バッファメモリ部に対するタイ
    ムスロットのみ仮想1水平走査期間に少なくとも1つ生
    成し、上記第2〜第5バッファメモリ部に対するタイム
    スロットを生成せず、空き時間において、上記RAMに
    対し画像データ以外のデータのアクセスを制御すること
    を特徴とする請求項4乃至10のいずれか1つに記載の
    動画像復号装置。
  12. 【請求項12】 上記システム多重分離部は、入力ビッ
    トストリームをユーザデータ識別パターンと比較してユ
    ーザデータを該入力ビットストリームから分離し、該ユ
    ーザデータが分離されたビットストリームを上記第1バ
    ッファメモリ部に供給することを特徴とする請求項2乃
    至11のいずれか1つに記載の動画像復号装置。
  13. 【請求項13】 上記第1〜5バッファメモリ部はいず
    れも、 書込アドレス及び読出アドレスをそれぞれ保持する入力
    ポインタ及び出力ポインタを備えたバッファメモリと、 該書込アドレス及び読出アドレスに基づいて該バッファ
    メモリ内の未処理データ領域又は空領域のサイズを演算
    する領域サイズ演算回路と、 該サイズを設定値と比較してアクセス要求信号を生成す
    る比較回路と、 を有することを特徴とする請求項2乃至12のいずれか
    1つに記載の動画像復号装置。
  14. 【請求項14】 上記比較回路は、未処理データ領域サ
    イズが減少して所定値以下になってから該未処理データ
    領域サイズが最大値になるまでの間、上記アクセス要求
    信号を活性化することを特徴とする請求項13記載の動
    画像復号装置。
  15. 【請求項15】 上記メモリ制御部は、上記タイムスロ
    ットにおいて、該タイムスロットに対応した上記アクセ
    ス要求信号が活性化されているときのみ対応する上記バ
    ッファメモリ部と上記RAMとの間のアクセスを制御す
    ることを特徴とする請求項14記載の動画像復号装置。
  16. 【請求項16】 上記メモリ制御部は、上記タイムスロ
    ットの開始時点において該タイムスロットに対応した上
    記アクセス要求信号が不活性であるとき、該タイムスロ
    ットを、上記RAMに対し画像データ以外のデータのア
    クセスを制御することを特徴とする請求項15記載の動
    画像復号装置。
  17. 【請求項17】 上記第2バッファメモリ部は、少なく
    とも、1マクロブロックの符号化データの規格上許容最
    大量の記憶容量を有し、 該第2バッファメモリ部に対する上記タイムスロットの
    幅は、少なくとも、上記RAMから該最大量のデータを
    読み出して該第2バッファメモリ部へ転送するのに必要
    な時間であることを特徴とする請求項2乃至16のいず
    れか1つに記載の動画像復号装置。
  18. 【請求項18】 上記第2バッファメモリ部は、少なく
    とも、〔(1マクロブロックの符号化データの規格上許
    容最大量)×(該許容最大量のマクロブロックが1マク
    ロブロックライン中に含まれる数N)−A×(N−
    1)〕の記憶容量を有し、ここにA=(1マクロブロッ
    クラインの符号化データの規格上許容最大量)/(1マ
    クロブロックラインのマクロブロック数)であり、 該第2バッファメモリ部に対する上記タイムスロットの
    幅は、少なくとも、上記RAMから量Aのデータを読み
    出して該第2バッファメモリ部へ転送するのに必要な時
    間であることを特徴とする請求項2乃至16のいずれか
    1つに記載の動画像復号装置。
  19. 【請求項19】 複数の処理部がメモリ制御部を介して
    同期式メモリをアクセスする動画像復号方法において、 複数の該処理部の各々と該RAMとの間に各々備えられ
    たバッファメモリ部を用意し、 複数の該バッファメモリ部の各々に対しタイムスロット
    を周期的に割り当て、 各タイムスロットにおいて、対応する該バッファメモリ
    部と該RAMとの間のアクセスを許可する、 ことを特徴とする動画像復号方法。
  20. 【請求項20】 上記RAMに対するアクセスが最も厳
    しいワーストケースを想定してタイムスロットを定める
    ことを特徴とする請求項19記載の動画像復号方法。
  21. 【請求項21】 復号処理期間を画像表示期間と対応さ
    せて上記タイムスロットを生成することを特徴とする請
    求項20記載の動画像復号方法。
  22. 【請求項22】 上記タイムスロット群を仮想k水平走
    査期間にk×[(1水平走査線上の画素数)/256]
    個生成し、ここに[]は括弧内の値の整数部分を意味す
    る、 ことを特徴とする請求項21記載の動画像復号方法。
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