JP2000055894A - 農産物の内部品質検査装置 - Google Patents

農産物の内部品質検査装置

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JP2000055894A
JP2000055894A JP10224077A JP22407798A JP2000055894A JP 2000055894 A JP2000055894 A JP 2000055894A JP 10224077 A JP10224077 A JP 10224077A JP 22407798 A JP22407798 A JP 22407798A JP 2000055894 A JP2000055894 A JP 2000055894A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 揺動自在なハンマーで農産物を打撃した時の
打音で内部品質を検査する場合に最適な打撃力で農産物
を打撃する。 【解決手段】 シャフト上端部で揺動自在に枢軸支持さ
れかつシャフト下端部にヘッド6112を有するハンマ
ー611と、このハンマー611を枢軸6113の回り
に所定角度引き上げた位置から自由に揺動させて農産物
Pを打撃させる打撃制御装置612と、打撃により発生
した振動波を検出する集音装置62と、ハンマーヘッド
6112に対して重錘41を磁気吸着で着脱可能とする
重錘交換機構4とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、西瓜やメロン等の
農産物の内部品質、例えば空洞やひび入り、熟度などを
自動的,機械的に検査することができる農産物の内部品
質検査装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、農産物、特に西瓜やメロン等の青果
物の内部検査を行う方法として、熟練の作業者が青果物
を手などで叩きながらその音響によって内部欠陥や熟度
(過熟,適熟,未熟)等を判定する官能検査法が知られ
ているが、これを自動的,機械的に行うための装置につ
いても既にいくつかの提案がされている。
【0003】この自動化,機械化した技術は、一般的に
は、農産物を打撃し、そのときに内部の状態に由来して
発生する特有の振動波を情報として内部品質を判定する
ものであり、その振動波を生じさせる打撃手段と、発生
した振動波を検出する振動波検出手段との組合せにより
構成される。
【0004】前者の打撃手段としては、打撃時の振動波
の一部が検出手段以外にも伝達すると、その分、検出さ
れる内部の情報の正確性が損なわれるので、衝撃時の反
動でハンマーが逆方向に容易に跳ね返される際の振動が
支持フレーム等に伝わらず、振動波検出を精度よく行う
ことができる自由揺動型の振り子式打撃方式が適してい
ると考えられている。これに対し、振り子式であっても
特開平3−39649号公報、特開平3−95455号
公報のものは、下端にハンマーヘッドを有するハンマー
シャフトにピストン−シリンダ装置のピストンを連結
し、シリンダの駆動によるピストンの前後進でハンマー
シャフトを揺動させて農産物を打撃する方式であるた
め、衝撃を与えたときの反力(反動による振動)がピス
トンロッドを通じてシリンダ本体やフレーム(ピストン
−シリンダ装置を支持する構造物)に伝わり、発生する
振動波に農産物の内部状態に関係のないノイズ成分を含
ませるという影響を与えたり、フレーム等に伝わった振
動が振動波検出手段で検出されるためにノイズ成分を含
むことになるという問題があって、内部状態に由来した
振動波を精度高く検出するにはそのノイズを除去するた
めの補正処理が必要になる。また、ピストン−シリンダ
装置によってハンマーシャフトを揺動させる方式である
ため、ハンマーヘッドの自由揺動(自重による揺動)で
農産物を打撃する方式とは異なり、衝撃を与えて戻ると
いう一連の動作を行わせるためのシリンダへの圧力媒体
の給排を電磁弁等で制御しなければならず、媒体の温度
による流動性の変化や空気圧等の変化があるためにその
制御を精度よく行うことは必ずしも簡単でないという問
題もある。
【0005】ところで、農業過程を経て生産される西瓜
等の農産物は、同じ農家の生産物であっても大きさの異
なるものが混在しているのは当然であり、このような大
きさの異なるものを単純に一律的な打撃力で打撃した結
果の振動波解析で評価しても必ずしも内部品質を適正に
反映できない。つまり打音によって農産物の内部品質を
計測しようとする場合には、打撃を最適位置で行うこと
だけでなく、打撃強さもできるだけ最適なものとするこ
とが望まれるのである。そこで、西瓜等の農産物の大き
さが異なる場合にはそれぞれの農産物にその大きさに対
応した適した打撃力を与えてできるだけ正確な内部情報
を得ることが望まれ、上記各従来例では、例えば、前記
特開平3−39649号公報では異なる打撃強さを与え
る打撃手段を併設した構成の装置が開示されている。
【0006】この重錘の重量が異なる複数の打撃手段を
用いる方式により、その目的は一定程度達成される。し
かし反面において、単独の打撃手段を使用する場合に比
べて打撃位置や打撃強さを精度よく制御することは難し
いという問題がある。すなわち、併設した打撃手段の打
撃位置が異なることや、打撃方向が農産物の中心に向い
ていないため内部情報を正確に得ることが難しい。
【0007】従来技術の他の例として、特開平2−31
0465号公報には、ハンマーヘッドが自由揺動してノ
イズの取り込みが少ない自由揺動型の振り子式の打撃手
段が開示され、打撃により農産物の外周に伝搬する波動
に基づいて内部品質である熟度を評価する方法が開示さ
れている。しかしこの文献で開示されているのは原理的
なものにしかすぎず、農産物の選別ライン上で使用され
て、精度の高い振動波検出を効率よく実施するための具
体的な打撃装置については提案されていない。更に、特
開平7−239320号公報では上述したノイズ取り込
みが少ないハンマーヘッド自由揺動型の振り子式打撃手
段が開示されていると共に、農産物に対する打撃力を一
定にするためにハンマーシャフトの引き上げ角を一定に
するための角度検出器についても提案されているが、こ
の文献で開示されているのは引き上げ角の検出が打撃力
一定化に有効というだけで、それ以外には、農産物の選
別ライン上で使用されて、精度の高い振動波検出を効率
よく実施するための具体的な打撃手段の提案はない。
【0008】また、これらの特開平2−310465号
公報,特開平7−239320号公報には、農産物の大
きさに応じて打撃力を変えることについては何も示唆さ
れていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、内部品
質を検査するための自動化、機械化した打撃手段は従来
から提案されているものの、農産物の選別ラインに組み
込まれて、効率よくかつ精度よく打撃時の振動波を検出
するためには未だ解決すべき課題がある。
【0010】例えば、農産物に発生する振動波は、農産
物に対する打撃位置によって異なるため、内部状態をで
きるだけ正確に反映した振動波を検出するには農産物毎
に適切な位置で、かつ適切な打撃力で打撃を与える必要
があるが、上述の特開平3−39649号公報、特開平
3−95455号公報に記載の構成では、上述したよう
にその検出精度は未だ不十分であり、また打撃手段を2
組ないしそれ以上使用するため装置の部品点数が多くな
り、コスト高になるという問題もある。
【0011】本発明はこのような問題を解消することを
その目的の一つとし、大きさによって異なる適切な打撃
力で打撃することができる農産物の内部品質検査装置を
提供するものである。
【0012】また本発明の他の目的は、上記の農産物の
内部品質検査装置をできるだけ簡素にかつ安価に構成す
るところにある。
【0013】また本発明の別の目的は、大きさが異なる
農産物毎にその適切な打撃位置の決定と、その位置への
ハンマーヘッドの移動を、農産物の選別ライン上におい
て迅速に行わせることができる農産物の内部品質検査装
置を提供するところある。
【0014】本発明の更に別の目的は、自由揺動型の振
り子式の打撃手段を用いながら、打撃の反動で反対側に
揺れ戻ったハンマーヘッドが再び農産物を打撃するとい
う二度打ちの問題がなく、したがって農産物を傷めるこ
とや、複数回発生する振動波のうちから1度目の振動波
を区別して検出し、演算装置に取り込まなければならな
いなどの振動波取り込み制御上の煩雑さを招くことがな
い農産物の内部品質検査装置を提供するところにある。
【0015】本発明は、以上のような種々の課題・目的
を解決するためになされたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本願の農産物の内部品質検査装置の発明の特
徴は、上記特許請求の範囲の各請求項に記載したところ
にある。
【0017】請求項1の農産物の内部品質検査装置の発
明は、農産物を打撃して内部の状態に由来する特有の振
動波を生じさせる打撃手段と、発生した振動波を検出す
る振動波検出手段との組合せにより構成され、振動波検
出手段で検出した振動波の信号に基づいて農産物の内部
品質を解析評価する農産物の内部品質検査装置におい
て、上記打撃手段は、その上端部が水平軸により垂直面
内で揺動自在に枢軸支持されたハンマーシャフトと、こ
のハンマーシャフトの下端部に設けられたハンマーヘッ
ドと、このハンマーヘッドを前記枢軸回りに所定角度引
き上げた位置から自重で揺動させて農産物を打撃させる
打撃制御手段とを備え、前記ハンマーシャフト下端部の
ハンマーヘッドには、少なくとも一つの重錘( おもり)
を着脱可能としたことを特徴とする。
【0018】上記の構成において、振動波検出手段は通
常はマイクロフォンを用いて構成され、この振動波検出
手段により検出された振動波を信号として行われる農産
物の内部状態(品質)の解析評価は、MPU(マイクロ
プロセッサ ユニット)等のコンピュータ技術を用い
た既知の方法で行うことができる。
【0019】また、ハンマーヘッドに着脱可能に組み付
けられる重錘は、少なくとも一つが用いられ、この場合
には、重錘無し(脱離)と重錘有り(装着)によってハ
ンマーヘッドを二様の重量の状態に変更することができ
る。また重錘を二つ使用する場合には、交換装着によっ
て二様の重量状態に変更でき、これに重錘無しの状態を
加えればハンマーヘッドを三様の重量状態に変更でき
る。なお使用する重錘の数は制限されるものではなく、
必要に応じて三以上を用いることができることは言うま
でもない。
【0020】また重錘交換の方法は、限定されるもので
はないが、例えば、ハンマーヘッドの揺動軌跡に沿って
その最大引き上げ位置を重錘交換位置とし、この位置に
おいてハンマーヘッドに対して所定の重錘を対向させて
着脱を行うように設けることができる。なおハンマーヘ
ッドへの重錘の着脱方式としては、磁気吸着を用いる方
式、フック,チャック等の機械的な係合を用いる方式な
ど適宜の方式を用いることができる。
【0021】この発明の装置によれば、重錘の着脱によ
り、農産物の大きさに対応した適切な打撃強さを該農産
物に与えることができて、単純一律な打撃強さを与える
装置に比べて、農産物の大きさに対応した打撃力で精度
の良い振動波の発生・検出が可能となる。
【0022】請求項2の発明は、上記発明において、打
撃する対象の農産物を大きさにより分類分けし、その農
産物の大きさによる分類分けに対応して、大きさが大き
い分類の農産物の打撃の際にハンマーヘッドが重くなる
ように前記重錘を着脱することを特徴とする。
【0023】上記において「農産物を大きさにより分類
分けする」というのは、例えば農産物を二つの大きさの
分類に分ける場合には、計測した直径寸法Aと、あらか
じめ設定した閾値a1 との関係で、A≦a1 cmの大き
さのもの(小さいもの)と、a1 cm<Aの大きさのも
の(大きいもの)の分類に分けることをいう。
【0024】このようにする理由は、既に述べたよう
に、農産物打撃による内部品質の検出法においては、そ
の適した打撃位置が重要であると共に、大きさにより打
撃強さも変更することが望ましい。しかし打撃強さの変
更は振り子の引上げ角度を変更することである程度調整
できるが、この方法による打撃力の調整には限度があ
る。そこでこの発明においては、農産物を少なくとも二
分類以上に大きさで分けて、これらの各分類に対応し
て、使用するハンマーヘッドの重量を変更するようにし
たのである。上記の「分類分け」は二以上のいくつであ
ってもよいが、一般的には二,三分類程度に分けること
で足りる場合が多い。
【0025】なお、本願の各請求項の発明における農産
物打撃力の調整のためのハンマーヘッドの重量変更と共
に、該ハンマーヘッドを自由揺動させる際の始動点の高
さ(揺動下死点と始動点の高低差)を変更(引き上げ角
度の変更)する方式を併用して打撃力を調整することも
勿論できる。
【0026】この発明によれば、農産物の大きさに応じ
た好ましい打撃強さを容易に選択することができる。
【0027】請求項3の発明は、上記の発明において、
重錘を磁性体により構成し、ハンマーヘッドと固定部の
それぞれに設けた電磁石間で該重錘の磁気吸着状態を切
り換えることにより重錘のハンマーヘッドへの着脱を行
うように構成したことを特徴とする。
【0028】電磁石を用いる方法としては、振り子側と
固定部側にそれぞれ電磁石を装着し、これらの励磁を切
り替えることで磁性体により形成した重錘が、振り子側
の電磁石に電磁吸着する状態と、固定部側の電磁石に電
磁吸着する状態を切り替えるようにしたものを例示する
ことができ、これによれば、重錘の着脱を容易に行うこ
とができる。
【0029】請求項4の発明は、上記請求項3の発明に
おいて、固定部に設けた電磁石又はハンマーヘッドに設
けた電磁石の少なくともいずれか一方を、非通電時に着
磁しかつ通電時に消磁するものとしたことを特徴とす
る。
【0030】この発明によれば、装置を停止して通電を
解除した際に、固定部あるいはハンマーヘッドの少なく
とも一方は着磁した状態となるので重錘が必ず磁気吸着
されることになり、この重錘が脱落して失われるという
不具合を招くことがない。
【0031】請求項5の発明は、上記の発明において、
ハンマーヘッド又は重錘に設けた係合・係合解除切換式
のチャック手段により該重錘をハンマーヘッドに対して
着脱させるようにしたことを特徴とする。
【0032】上記の重錘着脱機構をなすチャック手段
は、例えば、着脱のために作動レバーやレバー作動機構
をハンマーヘッド又は重錘のいずれかに一方に設け、こ
の作動レバーに係合する突起部等をこれらのいずれかに
他方に設けた構成のものを例示できる。作動レバー及び
レバー作動機構を重錘に設ける場合には、例えば、バネ
で拡開力が付与された一対の作動レバーを重錘に組み付
け、重錘交換位置の固定部に設けたレバー作動機構によ
りこの重錘の作動レバーを係合姿勢と係合解除姿勢の間
で切換えるようにしたものを用いることができる。ま
た、重錘を保持する固定部側の着脱機構は、磁気吸着式
であっても、チャック式であってもよい。
【0033】この発明によれば、ハンマーヘッドの重量
を軽量化することができるので、ハンマーヘッドの重量
調整の幅を広くとることができる。
【0034】請求項6の発明は、上記の各発明におい
て、重錘が一つであり、この一つの重錘の着脱によりハ
ンマーヘッドの重量を変更することを特徴とし、請求項
7の発明は、重錘が重量の異なる複数種類であり、これ
らの交換着脱によりハンマーヘッドの重量を複数の重量
間で変更できるようにしたことを特徴とする。
【0035】複数の重錘を使用する場合には、例えば、
ハンマーヘッドを最大角度まで引き上げた位置を重錘交
換位置とし、複数の重錘を周方向に離間してその周縁に
保持した回転可能のディスクと、このディスクを回転さ
せる回転駆動手段とを設けて、該ディスクの回転により
前記重錘交換位置に所定の重錘を移動(この場合は回転
移動)させるようにした重錘交換装置を用いることがで
きる。
【0036】請求項8の発明は、上記の各発明におい
て、前記打撃制御手段が、ハンマーヘッドが農産物を打
撃したときの反動で打撃方向とは反対方向に戻り揺動し
たハンマーシャフトの揺動を拘束する二度打ち防止手段
を有することを特徴とする。
【0037】この発明によれば、戻り揺動するハンマー
ヘッドを拘束(ロック)して、ハンマーヘッドによる農
産物の二度打ちを防止し、農産物を無用に傷めることを
避けることができる。
【0038】請求項9の発明は、上記請求項8の発明に
おいて、打撃制御手段が、ハンマーシャフトを駆動軸回
りに引き上げ揺動させる揺動駆動手段と、この揺動駆動
手段とハンマーシャフトの連結をオン・オフするクラッ
チ手段を備え、更にこのクラッチ手段の連結オフにより
ハンマーヘッドを枢軸回りに揺動自在とすると共に、連
結オンによりハンマーシャフトの揺動を拘束するように
構成したことを特徴とする。
【0039】この発明によれば、ハンマーシャフトが戻
り揺動した時のクラッチ連結(オン)でその揺動を拘束
するクラッチ手段によって、上記した二度打ち防止手段
を構成できる。
【0040】請求項10の発明は、上記請求項8の発明
において、打撃制御手段が、ハンマーシャフトに係合し
て移動によりこれを枢軸回りに引き上げ揺動させるカム
フォロアと、このカムフォロアを移動させるカムフォロ
ア駆動手段とを備え、このカムフォロア駆動手段は、カ
ムフォロアとの係合解除によりハンマーヘッドの枢軸回
りの揺動を自在とさせると共に、打撃時の反動で反対方
向に戻り揺動したハンマーシャフトに係合させることで
該ハンマーヘッドの打撃方向の揺動を拘束することを特
徴とする。
【0041】上記構成において、カムフォロアの移動
は、例えばハンマーシャフトと同じ枢軸又はこれとは異
なる軸を揺動中心として揺動する揺動型に設けることも
できるし、直線移動型に設けることもでき、この移動の
ための駆動手段としては、エアシリンダ装置等適宜のも
のを採用することができる。
【0042】この発明によれば、カムフォロアを移動さ
せてハンマーシャフトを所定角度まで引き上げた状態か
ら、係合を解除することでハンマーヘッドを自由揺動さ
せて農産物の打撃を行わせることができ、打撃時の反動
で反対方向に戻り揺動したハンマーシャフトに再びカム
フォロアを係合させることで、二度打ちを防止すること
ができる。ハンマーヘッド自由揺動のためのカムフォロ
アの係合解除は、該カムフォロアをハンマーシャフトの
揺動速さよりも速く移動させればよく、二度打ち防止の
ためのカムフォロアの再係合は、例えば戻り揺動したハ
ンマーシャフトに対して、揺動下死点よりも引き上げ方
向に僅か(例えば5゜)に移動した位置に該カムフォロ
アを移動・停止させればよい。
【0043】請求項11の発明は、上記請求項9又は1
0の発明において、ハンマーシャフトを枢軸回りに揺動
させて所定角度まで引き上げるためのハンマーシャフト
の傾斜角度検出手段を設けたことを特徴とする。
【0044】この発明によれば、ハンマーヘッドの引き
上げ角度を農産物毎に正確に与えることができるので、
最適な打撃力で農産物を打撃することができる。
【0045】請求項12の発明は、上記の請求項9の発
明において、二度打ち防止手段が、ハンマーシャフトの
傾斜角度を検出する傾斜角度検出手段を有し、戻り揺動
するハンマーシャフトの揺動拘束を、その戻り揺動が予
め定めた傾斜角度(例えば打撃揺動が30゜の角度で行
われるときに、戻り揺動を10゜に設定)を越えたとき
に前記クラッチ手段のオンにより行うようにしたことを
特徴とする。
【0046】この発明によれば、戻り揺動角度の大きさ
のうちでもっとも小さい場合を拘束条件の設定傾斜角度
とすることにより、ハンマーシャフトによる二度打ちを
防いだ確実な拘束(ロック)を行うことができる。
【0047】また、ハンマーシャフトの傾斜角度検出手
段は、揺動駆動手段によりハンマーシャフトを枢軸回り
に揺動させて所定角度まで引き上げるための引き上げ角
度検出手段を兼ねることができる。これにより、戻り揺
動して拘束されたハンマーシャフトの角度が例えば12
゜の場合、打撃を行う際の揺動引き上げ角度が30゜で
行うときには、残りの18゜(30゜―12゜=18
゜)の角度を揺動させるのみでハンマーシャフトを打撃
待機状態に迅速かつ正確に復帰させることができる。
【0048】請求項13の発明は、上記の各発明におい
て、農産物の高さ寸法を測定する高さ測定手段と、この
高さ測定手段で測定された結果に基づいて決められる最
適打撃高さにハンマーシャフト及び打撃制御手段を移動
させるハンマーシャフト等の上下動手段とを有すること
を特徴とする。
【0049】前記の高さ測定手段は、例えば、農産物を
挟んで対向させた投光手段と受光手段を上下方向に移動
させ、投光が遮られた上限及び下限の位置から算出する
方式のものを挙げることができる。ハンマーシャフト等
の上下動手段は、ハンマーシャフト,打撃制御手段、及
び振動波検出手段や必要な付属装置等を共通の支持枠等
に組み付け、この支持枠をモータ等で吊持して上下動さ
せるものとして構成することができる。
【0050】請求項14の発明は、上記の発明におい
て、最適打撃高さに移動したハンマーシャフト及び打撃
制御手段と、農産物との水平方向の距離を測定する距離
測定手段と、この距離測定手段で測定された距離に基づ
いて、ハンマーシャフト及び打撃制御手段を水平方向の
打撃最適位置まで接近させる水平移動手段とを有するこ
とを特徴とする。
【0051】これにより、農産物の最適打撃高さに移動
したハンマーシャフト及び打撃制御手段を、農産物に当
接させることなく打撃最適位置に水平移動させることが
でき、移動を迅速かつ正確に行うことができる。
【0052】請求項15の発明は、上記請求項11の発
明におけるハンマーシャフトの傾斜角度検出手段により
設定されるハンマーシャフトの引き上げ角度を、請求項
13の農産物の高さ測定手段で測定された農産物の高さ
別に決めるようにしたことを特徴とする。
【0053】この発明によれば、農産物の大きさによっ
て打撃強さを調整するために高さ測定手段で測定された
農産物の高さ別に引き上げ角度を算出して決めることこ
とができ、重錘の着脱操作と相俟って、最適な打撃力を
選択することができる。
【0054】請求項16の農産物の選別装置の発明は、
上記したいずれかの発明の内部品質検査位置を、受皿に
載った農産物を搬送させる選別搬送ラインの途中に配置
させ、打撃による内部品質検査装置の位置で該受皿を一
旦停止させるように設けたことを特徴とする。
【0055】こうすることにより、選別ライン上で多数
の農産物の内部品質を検査する作業を効率よく行うこと
ができる。
【0056】本発明の装置は、西瓜、メロン等の打撃に
よる振動波の検出で内部品質を検査する農産物に用いる
ことができる。
【0057】なお、この選別装置における受皿は、搬送
コンベアに連結されているたとえばバケット式と称され
るものであってもよいし、搬送コンベアに連結されてい
ないフリートレイと称されるものであってもよい。
【0058】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図面に基づいて説明する。
【0059】実施形態1 図1〜図7により示される本例は、フリートレイ式の搬
送コンベアに連結されない状態で搬送される受皿1を用
いて、農産物である西瓜Pの内部品質を示す透過光情報
と打音情報をこの順序で検出するようにした農産物選別
装置の構成概要の一例を示したものである。
【0060】図1は、この農産物選別装置の途中に設け
られた打音検出ステージ近傍の搬送ラインの概要を平面
図で示しており、図示しない搬送上流側の農産物供給位
置、すなわち作業者が受皿1の上に農産物Pを載せる作
業を行う位置から、無端回動する平行一対の細幅のコン
ベアベルト201,202等で構成されて受皿1を搬送
する搬送手段2と、この上に乗って搬送される前記受皿
1との関係が示される。
【0061】すなわち、本例の搬送手段2は、図1,図
7に示しているように、受皿1に対してこれを搬送させ
るための搬送面を形成すると共に搬送駆動力を与えるよ
うに構成された受皿搬送駆動機構と、受皿1の搬送横方
向の位置決めを行うために構成された受皿搬送ガイド機
構とからなっている。
【0062】そして、前者の受皿搬送駆動機構は、本例
では図7に示しているように細幅のコンベアベルト20
1,202が垂直面内で無端回動するように平行一対に
並設されていて、垂直面内の上側軌道では、左右の立上
りフランジを有する固定ガイドレール(図示せず)によ
って搬送横方向へのふらつきがなくかつ重量を支えるこ
とができるように軌道走行案内され、また下側軌道で
は、適宜の間隔で固定位置に配置されているガイドロー
ラ(図示せず)によりコンベアベルト201,202の
たるみがないように無端回動されるように構成されてい
る。なお図7に示した205,206は前記の様に並設
されたコンベアベルト201,202を回動駆動するた
めの駆動プーリであり、該駆動プーリ205,206は
本例では共通の駆動軸に連結されて共通の駆動モータ2
07により回転駆動されるようになっている。
【0063】また前記後者の受皿搬送ガイド機構は、フ
レーム2101の一部である受皿搬送横方向左右のガイ
ドレール210,210と、受皿1の搬送横方向両側の
下部それぞれに垂直軸回りに回転自在に設けられたガイ
ドコロ110,110とが係合するようにして構成され
る。
【0064】以上の受皿搬送駆動機構及び受皿搬送ガイ
ド機構によって搬送される受皿1に対し、図示しない農
産物供給位置で農産物Pが作業者により載せられ、農産
物を支持した状態の受皿1は、所定の軌道を搬送されて
例えば糖度等の内部品質の測定のために透過光検出装置
や外観撮像装置などの適宜の計測装置に通され、次いで
熟度や内部欠陥等の内部品質を測定するのに先立って打
撃位置計測装置(高さ測定手段)7に通される。なお受
皿1の構造については後述する。
【0065】前記のようにして農産物Pが載せられた受
皿1は、図1に示しているように、まず、内部品質によ
る選別仕分情報の一つである糖度等の情報を検出するた
めに透過光検出装置(図示せず)内を通過される。
【0066】なお、上述した透過光検出装置は、例え
ば、搬送路の上方側には搬送路を挟んでその両側に照明
室が設けられていると共に、この照明室内に配置された
複数の照明ランプがそれぞれ略中心方向に向かって照明
光を照射するように設けられ、受皿1の中央に設けた上
下貫通孔を通して下方で農産物透過光を受光するように
構成されている。
【0067】内部透過光が検出された農産物Pは、次に
内部品質の他の一つである内部欠陥等を検出するために
本発明よりなる打音検出装置6に搬入される前に、図1
の打撃位置計測装置7に搬入され、ストッパ装置710
により一旦停止される。
【0068】なお、打撃位置計測装置7の上流には待機
ステージ3が設けられ、待機用ストッパ301によって
受皿1が待機・滞留されるようになっている。
【0069】本例の打音計測位置検出装置7の詳細は図
7に示される。すなわち、搬送軌道を跨ぐように門型に
構成されたフレーム701の上部に、駆動モータ702
により駆動回転される回転駆動軸703が水平に延設さ
れていて、この回転駆動軸703に軸着した駆動スプロ
ケット704,704と、門型フレーム701の下部に
組み付けられた従動スプロケット705,705とによ
り、受皿の搬送軌道を横方向に挟んで上下方向に回動す
るチェーン706,706の一対を配置し、この一対の
チェーン706,706により高さを揃えて対向した光
電センサ707,708(一方が発光素子で他方が受光
素子)を同期して上下動させるようになっていて、これ
らの間の投受光が農産物Pで遮られる上限及び下限の位
置を検出することで農産物Pの全高を計測する。なお、
前記上限及び下限の高さ位置の検出のために、前記駆動
モータ702には、一定回転角度毎にパルス(信号)を
発生するエンコーダを組み合わせて用いたり、パルスモ
ータを用いることができる。この光電センサ707,7
08による農産物の全高計測は、受皿1の溝1011が
投受光の光路に位置するように該受皿1をストッパ装置
710で停止させて行われる。
【0070】前記により農産物Pの全高計測を行った結
果に基づき、図示しない演算装置により農産物Pに対す
る打音検出のための最適打撃位置が算出される。この最
適打撃位置は、一般的には農産物Pの全高の1/2の高
さが選択される。
【0071】次に、受皿1は打音検出装置6に搬入さ
れ、ストッパ装置610により一旦停止される。
【0072】本例のこの打音検出装置6の詳細は図2〜
図6に示され、前記打撃位置計測装置7により計測して
算出した最適打撃位置で農産物Pに打撃を加えるための
打撃制御手段を含むハンマー装置61と、この打撃によ
り発生する振動波(打音)を集音する集音装置62と、
これらのハンマー装置61及び集音装置(振動波検出手
段)62を所定の高さ位置に移動対応させる打音検出用
移動装置(上下動機構及び水平動機構を含む)63の組
み合わせで構成されている。
【0073】前記した打音検出装置6のうちの打音検出
用移動装置63は、受皿1がストッパ610により停止
された位置を図1に示した状態で囲む矩形四辺状の枠体
631と、この枠体631の矩形四辺状の四隅の位置に
設けられたフランジ6311,6311・・・・の上下
方向貫通孔6312,6312・・・・に対して、該枠
体631の垂直方向の上下動を案内するように固定部か
ら立設されて滑合するガイドバー632,632・・・
・と、前記枠体631の上部に一体に設けられて、ハン
マー装置61及び集音装置62を支持する支持フレーム
633と、この枠体631と一体の支持フレーム633
を所定高さ位置に移動させることができるようにチェー
ン635で吊り下げた上下動用の駆動モータ634とか
ら構成されている。6341は該駆動モータ634によ
り駆動回転されるスプロケットであり、駆動モータ63
4には、一定回転角度毎にパルス(信号)を発生するエ
ンコーダを組み合わせて用いたり、パルスモータを用い
ることができる。これらにより上下動機構が構成され
る。
【0074】また本例のハンマー装置61は、図2に示
すように、受皿搬送方向の前後に前記支持フレーム63
3により一対に支持されて、所定のタイミングで農産物
Pをハンマー611で打撃するように構成されている。
6111はハンマーのシャフト、6112はハンマーの
ヘッドである。636は前記駆動モータ634が固設さ
れる固定フレームである。
【0075】前記ハンマー装置61は、ハンマー611
と、このハンマー611及びこれを農産物打撃のために
揺動させる打撃制御装置612(図5,図6参照)とを
備え、かつこれらを一つのユニットにして受皿上の農産
物Pに対して水平方向の打撃最適位置に移動させるハン
マー水平移動装置613とから構成されていて、その詳
細は図3に示すが、この図3では、本来は90°向きが
異なるハンマー611と集音マイク621とを説明の便
宜上対向した位置関係に図示している。
【0076】上記の最適打撃位置とは、農産物に対して
一定の打撃を与えるために設定された農産物被打撃面と
の相対距離を一定にした位置をいう。この最適打撃位置
は、農産物の大きさによって被打撃面との相対距離が変
わることはないが、農産物の大きさにより水平方向の実
質的な位置が変わることになる。このため所定の検査位
置に搬入された農産物の被打撃面の水平方向の位置と、
待機状態のハンマー装置の位置との距離を打音検査前に
測定し、これをハンマー装置の打撃最適位置への移動動
作に利用する。
【0077】本例の打音検出装置6は、農産物を載せた
受皿1が所定の打音検出位置に搬入され、ストッパ装置
610により停止された時点で、まず前記打音計測位置
検出装置7により計測し算出した上下方向の最適打撃高
さの位置(上述のように一般的には全高の1/2の位
置)まで、枠体631及びこれと一体の支持フレーム6
33を駆動モータ634の回転で上方から降下させて、
ハンマーヘッド6112が農産物Pに打撃を加える前記
最適打撃高さにおいて停止される。次にハンマー装置6
1を、打撃最適位置まで農産物に近付けるようにハンマ
ー水平移動装置613によって水平方向に移動させる。
この打撃最適位置へのハンマー装置61の移動は、大き
さの異なる農産物Pに対してハンマー611による打撃
の方向が一定であるようにするために行われるものであ
る。
【0078】前記ハンマー水平移動装置613は、スラ
イド装置6131がサーボモータ6133によって回転
されるネジ軸6134を備えていて、このネジ軸613
4にハンマー装置61を吊持した上部の軸回り回転不能
のシュー6132が相対的な回転ができるように螺合す
ることで水平移動するように構成されている。これによ
り、サーボモータ6133の回転でネジ軸6134が回
転されることにより、シュー6132に吊持されたハン
マー装置61が農産物Pに対して接近・離間の移動が行
われる。なおハンマー水平移動装置613,613の移
動は、図4に示した距離測定センサ6135,6135
により、所定の待機位置(原点位置)で停止しているハ
ンマー装置61と受皿1上の農産物Pとの距離をそれぞ
れ測定して打撃最適位置までそれぞれ移動させるように
行われる。こうすることにより大きさの異なる農産物P
に対して一定の位置(打撃最適位置)から打撃を与える
ことができ打音検査を迅速かつ正確に行うことができ
る。
【0079】次に、本例のハンマー装置61によって行
われるハンマーヘッド6112による農産物の打撃と、
その打撃の反動で戻り揺動するハンマー611の拘束
(ロック)を行う二度打ち防止について説明する。
【0080】上記のようにして上下移動及び水平移動に
より打撃に最適な位置に移動されたハンマー装置61
は、ハンマーシャフト6111の上端が一体回転するよ
うに軸着した枢軸6113(図5参照)が、クラッチ手
段である電磁クラッチ615により、従動プーリ611
4と軸回りに一体回転するように拘束(ロック)された
状態と、従動プーリ6114との一体回転の拘束が解除
された状態との間で切換えできるように構成されてい
る。
【0081】また、この従動プーリ6114と、駆動モ
ータ(例えばサーボモータ)614の駆動軸6142に
軸着した駆動プーリ6141との間には、タイミングベ
ルト616が巻回されていて、駆動モータ614の回転
により従動プーリ6114が回転されるようになってい
て、これらが揺動駆動手段を構成する。
【0082】したがって、電磁クラッチ615をオンに
した状態では、ハンマーシャフト6111上端の枢軸6
113と従動プーリ6114とが拘束されて一体回転す
るようになっているから、駆動モータ614を駆動させ
ることで、従動プーリ6114を介してハンマー611
が揺動され、例えば図6に示すように30°の傾斜状態
まで引き上げることができる。なお、6143は駆動モ
ータ614の回転量を検出するためのエンコーダであ
る。
【0083】以上のことにより、所定揺動角度まで引き
上げられた状態から電磁クラッチ615の連結をオフ
(解除)することにより、ハンマー装置61のハンマー
シャフト6111上端は枢軸6113が回転自在となる
のでは、ハンマーヘッド6112の自重で農産物方向に
揺動し、所定の打撃を行う。
【0084】なお、617は傾斜角度検出手段を構成す
る角度検出センサであり、電磁クラッチ615を貫通し
ている前記枢軸6113にジョイント6171を介して
接続されることによって、ハンマー上端の枢軸6113
の回転量(回転角度)を検出するように設けられてい
て、この角度検出により上記のハンマー引き上げ角度を
正確に制御するようにしている。
【0085】上記により農産物Pを打撃したハンマー6
11は、揺動自在の状態になっているから、上述してい
るようにその反動で打撃とは反対方向に戻り揺動する。
そして本例では、上記角度検出センサ617でハンマー
上端の枢軸6113の回転量(回転角度)を検出し、例
えば図6のように戻り揺動が10°を越えたことが検出
された場合に、電磁クラッチ615をオン(連結)させ
ることでハンマー611の揺動をその時点で静止してい
る従動プーリ6114により拘束することができる。こ
れによってハンマー611が再び農産物方向に揺動する
ことが阻止され、二度打ちの虞れが全くなくなる。
【0086】また、この角度検出センサ617は、ハン
マー611の揺動が拘束されたときの角度を検知し、こ
れが例えば12°である場合は、所定の打撃角度(30
°)に対して揺動復帰させる角度を算出(30°−12
°=18°)し、この角度に対する信号を図示しない制
御回路を通して駆動モータ614に与えるようにしてい
る。こうすることにより、ハンマー611の復帰動作を
迅速かつ正確に行うことができると共に、打撃角度を例
えば農産物の大きさに応じて変えるように設定しても容
易に制御を行うことができる。
【0087】以上の操作で、ハンマー611が常に一定
(また農産物の大きさ別の高さ)の角度で傾斜した状態
から自由揺動し、揺動下死点で農産物Pを打撃すること
ができ、打撃の方向,打撃力を安定させることができ
る。また、戻り揺動したハンマー611が農産物を二度
打ちすることが確実に防止される。
【0088】次に本例の特徴的な構成である重錘(一般
的には鉄等の比重の大きな金属製)をハンマーヘッド6
112に着脱させるための重錘着脱機構4を図3,図6
により説明する。
【0089】本例のハンマー611のハンマーシャフト
6111の下端には、農産物Pに打撃衝合するヘッド6
112部分が、この衝合によりできるだけ農産物を傷め
ずかつ内部状態を反映した打音を発生するのに適した材
料により形成されて組付けられていると共に、このヘッ
ド6112の背面側には、磁性体からなる重錘41を磁
気吸着するためのヘッド側電磁石42が組み付けられて
いる。また、ハンマー装置61及び集音装置62を支持
しかつチェーン635で吊り下げられて駆動モータ63
4により上下動される枠体631を固定部として、これ
にブラケット6313を固着して設けると共に、上記ハ
ンマーヘッド6112の揺動軌跡の延長線上に固定部側
電磁石43を設けている。
【0090】これにより、上記重錘41は、ヘッド側電
磁石42に磁気吸着されるかあるいは固定部側電磁石4
3に磁気吸着されるかの状態が選択できるように構成さ
れる。つまり、図3,6に示しているように重錘交換位
置までハンマーヘッド6112を引き上げた状態で、こ
れらの一対の電磁石に対する通電による着磁,消磁の状
態を切り換え、これによって、重錘41をハンマーヘッ
ド側電磁石42に所属(磁気吸着)させることで該ハン
マーヘッド6112の重量を増量させるか、反対に、固
定部側電磁石43に所属させることでハンマーヘッド6
112に重錘41の重量を加算させずに軽い状態とする
ことができる。
【0091】なお、この重錘41のハンマーヘッド61
12への磁気吸着による重量加算の程度は、対象とする
農産物の種類等により様々であり一概には言えないが、
基本的には、農産物の大きさによる分類分けに対応した
打撃強さの調整がハンマーシャフト6111の引き上げ
角度の調整だけでは対処できない場合に有効に発揮され
るものであり、重量加算を行うように使用される重錘4
1の重さは、一般的には、ハンマーヘッドの重量に対し
て約1.5〜2.5倍程度のものが用いられるのが適し
ている場合が多いが、特にこれに限定されるものではな
い。
【0092】以上により打撃制御装置612、及び重錘
41の着脱を行うようにした打撃力調整のための重錘着
脱機構4が構成され、この重錘着脱機構4と共に、引き
上げ角度を例えば農産物Pの大きさ別に駆動モータ61
4の回転量で個々に設定することもできるので、最適位
置で最適な打撃力を農産物Pに与えることが実現でき
る。
【0093】なお本例では、固定部側電磁石43を、非
通電時に着磁しかつ通電時に消磁する形式の電磁石とし
て設け、これにより装置停止時や停電時などにおいて重
錘41が固定部側電磁石43に確実に磁気吸着されるよ
うにしている。
【0094】次に、本例の集音装置62について説明す
ると、これは次のように構成されている。すなわち、マ
イクロホン等の振動波検出センサ(図示せず)をゴム等
の蛇腹状カバー622で包み込んだものを集音マイク6
21としてセンサロッド623に組み付け、このセンサ
ロッド623をピストンロッドとしたシリンダ装置62
4を枠体631に組み付け固定して構成されている。こ
のような構成により、集音マイク621をシリンダ装置
624により農産物に対して接近係合させることでハン
マー611による打撃時の振動波を集音する状態にさせ
ることができる。
【0095】打音検出後は、センサロッド623の後退
離間、ハンマー装置61の後退離間を行わせ、支持フレ
ーム633を上動させて装置全体を上方に退避させる。
【0096】次に、本例の受皿1について説明すると、
この受皿1の構造は主に図2、図3及び図7に示され
る。
【0097】具体的には、平面矩形の受皿本体101の
上面に、農産物(例えば西瓜)Pを載せるための支持部
を形成するための四つの支持脚102が、受皿搬送方向
の前後及び左右の矩形の四隅に分かれて配置され、各支
持脚102は、受皿1の中央に向かって斜め下向きに傾
斜する支持テーパー面1021を有するように構成され
る。また、受皿本体101の中央部には上下方向の貫通
孔103が設けられると共に、搬送横方向に上述した打
撃位置計測装置7における計測のために、該装置7の投
受光の光路に位置するように溝1011が設けられる。
【0098】このような構成の受皿1は、本発明を実施
する場合に極めて有意義に使用される。
【0099】実施形態2 図8に示した本例は、重錘着脱機構5が、重量の異なる
二種類の重錘51,52を、モータ54により180°
回転される回転ディスク53に一対に設けた電磁石5
6,57により磁気吸着させ、これによって、重錘交換
位置まで引き上げたハンマーヘッド6112に対し、ヘ
ッド側電磁石55と固定部側電磁石56(又は57)へ
の通電制御により着磁,消磁の状態を切り換え、これに
よって、重錘51(又は52)をハンマーヘッド側電磁
石55に所属させるか、反対に、固定部側電磁石56
(又は57)に所属させるかを切り換えできるようにし
ている。
【0100】その他の構成は、上記実施形態1と同じで
ある。
【0101】本例の構成によれば、二つの重錘51,5
2をハンマーヘッド6112に着脱することで、ハンマ
ーヘッド6112の重量状態として三態様を選択するこ
とができ、大きさにより分類わけした農産物のそれぞれ
に適した打撃力で打音測定を行うことができる。
【0102】実施形態3 図9〜図12に示した本例は、ハンマー装置65のハン
マーヘッド6512における重錘81を着脱するための
機構が磁気吸着式に換えてチャック式に構成した点と、
ハンマーシャフトの打撃制御装置652の揺動駆動機構
として揺動型のカムフォロア6524を用いた点に特徴
があり、これらにおいて実施形態1と異なっているが、
他は実施形態1と同じであるので図面上に表れた実施形
態1と同じ機構,部材には同じ符号を付して説明は省略
する。
【0103】本例の重錘着脱機構8について説明する
と、本例の重錘81には、ハンマーヘッド6512に対
向した面に円柱形状の突起811が設けられていて、こ
の突起811の基部には、後述するハンマーヘッド65
12に設けた着脱係合用の左右一対の作動レバー82の
先端内向きフランジ821,821が嵌合する凹部81
2,812が形成されている(図12参照)。またこの
重錘81の反対側の面は、実施形態1と同様に、固定部
側の電磁石43に磁気吸着するのに適した形状に形成さ
れている。
【0104】一方、ハンマーヘッド6512には、重錘
81側に面して、上記作動レバー82を後方に向けて延
出させ且つ該作動レバー82を拡開・縮閉させるレバー
作動機構(図示せず)を内蔵した重錘着脱機構本体83
が組付けられており、外部からの指令により該レバー作
動機構が一対の作動レバー82,82を拡開動作(図1
2の二点鎖線矢印で示した動作)又は縮閉動作(図12
の実線矢印で示した動作)させることで、上記重錘81
をハンマーヘッド側に所属させるか、あるいは固定部側
の電磁石43に所属させるかを切換できるようになって
おり、図9の実線で示した状態は重錘81をハンマーヘ
ッド側に所属させた状態を示している。
【0105】なお、重錘着脱機構本体83に内蔵のレバ
ー作動機構には、例えば、二位置切換式のてこ等の動き
で該作動レバー82,82を動作させるものなどを使用
することができる。
【0106】図12において、831は重錘着脱機構本
体83を作動させるための圧縮空気が流れるチューブで
あり、適宜な継手を介して該本体83と接続されてい
る。
【0107】次に、揺動駆動機構が揺動型のカムフォロ
ア6524を用いている本例のハンマーシャフトの打撃
制御装置652について説明すると、スライド装置61
31のネジ軸6134に軸方向の直進・後退運動のみが
可能に螺合したシュー6132には、これと一体に揺動
駆動機構保持ブロック6521が吊持される。この揺動
駆動機構保持ブロック6521は、直角に折り曲げられ
た垂直板により構成されるケース65211と、このケ
ース65211内の上部側においてエアシリンダ装置6
53のシリンダ6531底部を枢支するための上ブラケ
ット65212と、同下部側においてハンマーシャフト
6511の上端の枢軸6513を支持するための下ブラ
ケット65213を備えるように構成されている。
【0108】そして、上記の下ブラケット65213に
は、上記ハンマーシャフト6511の上端を揺動可能に
枢支する枢軸6513が組付け固定されていると共に、
更にこの枢軸6513には、正面三角形状のカム板65
23が同じく揺動可能に枢支されている。このカム板6
523は、三角形状の一つの頂点位置において上記枢軸
6513と回転自在に連結すると共に、他の一つの頂点
位置には、後述するエアシリンダ装置653のピストン
ロッド6532の先端に組付けた連結ロッド6533と
回転自在に連結するピン6525が設けられ、更に、残
りの頂点位置にはカムフォロア6524が組付けられて
いる。そして、このカムフォロア6524は、ハンマー
シャフト6511の農産物側の側面に係合できるように
上記カム板6523から突出される。一般的にはカム板
6523に植設したピンに回転自在のローラを組付けて
カムフォロアとするのが好ましい。
【0109】なお、654はハンマーシャフト6511
の引き上げ揺動の上限を定めるストッパーである。
【0110】以上のようにして構成された本例における
ハンマーシャフトの打撃制御装置652の動作について
述べると、上記のエアシリンダ装置653のピストンロ
ッド6532を進出・後退駆動させると、これによりカ
ム板6523が揺動される。したがって枢軸6513を
中心として図9の反時計回り方向にカム板6523を回
転させることで、カムフォロア6524をハンマーシャ
フト6511に係合させ、更にカム板6523を回転さ
せることにより該ハンマーシャフト6511を引き上げ
ることができる。この際の引き上げ角度は、上述した実
施形態1の場合と同様であり、農産物の大きさに合わせ
て決めることができ、またその引き上げ角度は図示しな
い角度検出装置を利用して正確に設定することができ
る。
【0111】なお、図9に示した状態は。ストッパー6
54にハンマーシャフト6511が当接するまで引き上
げた場合の角度を例えば30゜とし、この時の姿勢を重
錘交換位置としたものである。この図9の状態で、固定
部側電磁石43により重錘81を磁気吸着し、重錘側の
重錘着脱機構本体83に内蔵したレバー作動機構を動作
させることで該重錘81をハンマーヘッド6512側に
所属させるか、あるいは固定部側に所属させるかを切換
えることができる。
【0112】次に、ハンマー装置65による農産物の打
撃動作について説明する。
【0113】上述したエアシリンダ装置653によるハ
ンマーシャフト6511の引き上げ操作により所定角度
まで引き上げて静止させた待機状態のハンマーシャフト
6511に対し、エアシリンダ装置653を、該ハンマ
ーシャフト振り子動作速度よりも速い速度でカム板65
23を揺動させるようにピストンロッド6532をシリ
ンダ6531から進出させることでハンマーヘッド65
12の自由揺動による打撃を行わせることができる。す
なわち、ハンマーシャフト6511の自由揺動を拘束す
るカムフォロア6524は、上記の操作により拘束位置
から退避することになるので、ハンマーヘッド6512
はその自重(あるいはこれに重錘81を加算した自重)
で自由揺動し、その結果として所定の打撃力で農産物を
打撃することができる。
【0114】以上のようにして農産物(例えば)西瓜を
打撃したハンマーヘッド6512を下端に有するハンマ
ーシャフト6511がその反動で初期位置方向に若干戻
り揺動することは実施形態1と同じであり、これを放置
すれば自重でハンマーヘッド6512は再度打撃方向に
揺動して二度打ちを行うことになる。
【0115】そこで本例においては、打撃後にエアシリ
ンダ装置653のピストンロッド6532を一定量後退
(縮退)させるように動作させ、例えば図10に示した
引き上げ角度約5゜程度の位置にカムフォロア6524
を速やかに(つまりハンマーヘッド6512が再打撃の
ため揺動してくる前に)移動させて停止させる。
【0116】このようにすることで、ハンマーヘッド6
512が再打撃の方向に揺動してきてもハンマーシャフ
ト6511がカムフォロア6524に係合してその揺動
が係止されるので、二度打ちは確実に防止される。
【0117】この状態から、エアシリンダ装置653を
所定の手順で揺動引き上げすることで次の打撃のための
待機状態とすることができる。
【0118】本例の装置によれば、実施形態1のように
ハンマーヘッド6512に電磁石を装着させる必要がな
く、このハンマーヘッド6512を軽量化することがで
きるので、比較的小さな農産物に対する打撃も必要とす
るような用途では有効に用いることができるという利点
が得られる。
【0119】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、大きさ
が異なる農産物に対して内部品質を検出しようとする際
の操作において、適切な打撃力で該農産物を打撃するこ
とができ、しかも、その適切,適正な打撃力を得るため
の具体的手段の構成を、自由揺動型の振り子式ハンマー
ヘッドに対する重錘の着脱という形式で容易にかつ簡易
な機構で構成できるという極めて優れた効果が奏され
る。
【0120】また以上のことに加えて、各請求項の発明
において以下のようなそれぞれの効果が奏される。
【0121】請求項2の発明によれば、農産物の大きさ
による分類分けをして、その分類分けに応じた強さで打
撃を与えることができるという効果が奏される。
【0122】請求項3の発明によれば、ハンマーヘッド
に対する重錘の着脱を電磁石の励磁,励磁解除で容易に
行うことができるという効果が奏される。
【0123】請求項4の発明によれば、非通電時に着磁
する電磁石を用いることで、装置停止時等において重錘
を脱落させる虞がないという効果が奏される。
【0124】請求項5の発明によれば、ハンマーヘッド
に電磁石を組付ける方式のものに比べて、ハンマーヘッ
ドの重量を軽量化できるので、ハンマーヘッドの重量調
整の幅を広くとることができるという効果が奏される。
【0125】請求項6及び請求項7の発明によれば、一
つ又は複数の重錘によって、ハンマーヘッドの重量状態
を複数の態様に変更することができるという効果が奏さ
れる。
【0126】請求項8の発明によれば、打撃の反動で反
対側に揺れ戻ったハンマーヘッドが再び農産物を打撃す
るという二度打ちを防止することができ、農産物を傷め
ることがなく、また、振動波が複数回発生することがな
いので、信号の取り出し、取り込みが容易である等の効
果が奏される。
【0127】請求項9の発明によれば、クラッチ手段と
いう簡単な機構で二度打ち防止手段を構成することがで
きる。
【0128】請求項10の発明によれば、カムフォロア
の移動という簡単な機構によりハンマーシャフトの所定
角度までの引き上げ、打撃後の二度打ち防止を容易に行
わせることができるという効果が奏される。
【0129】請求項11の発明によれば、ハンマーヘッ
ドの引き上げ角度を農産物毎に正確に与えて、最適打撃
力で農産物を打撃できる。
【0130】請求項12の発明によれば、戻り揺動角度
の大きさのうちで最も小さい場合を拘束条件の設定傾斜
角度とすることにより、ハンマーシャフトの確実な拘束
(ロック)を行うことができる。
【0131】請求項13の発明によれば、揺動して打撃
を与えるハンマーシャフトの所定角度への引上げ動作を
迅速かつ正確に行うことができる。更に、ハンマーシャ
フトの引き上げる角度を任意に決めることができて、農
産物打撃の強さを安定して与えることができると共に、
請求項7の発明のように、農産物の大きさによって打撃
強さを調整するために、高さ測定手段で測定した農産物
の高さ別に引き上げ角度を決めることができる。
【0132】請求項14の発明によれば、適切な位置で
農産物を打撃することができ、しかもその位置の決定、
及びその位置へのハンマーヘッド等の移動を、農産物の
選別ライン上において迅速に行わせることができ、選別
作業の効率を高くすることができる。
【0133】請求項15の発明によれば、農産物の大き
さによって打撃強さを調整するために高さを測定手段で
測定された農産物の高さ別に引き上げ角度を算出して決
めることができ、重錘の着脱操作と相俟って、最適な打
撃力を選択することができる。
【0134】請求項16の発明によれば、西瓜やメロン
等の打撃による振動波の検出で内部品質を検査する農産
物に用いることができ、特に該装置を受皿に載った農産
物の多数を選別搬送ラインの途中に配置し、打撃による
内部品質検査位置で受皿を一旦停止させるように設けた
農産物の選別装置として極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の農産物選別装置の概要を
説明する平面図。
【図2】同実施形態1の打音検出装置を示した正面図。
【図3】図2の一部を拡大して示した打音検出装置の説
明図。
【図4】図2の打音検出装置の平面図。
【図5】打音検出装置における打撃制御装置を説明する
ための図3の右側面図。
【図6】ハンマー装置による農産物打撃と戻り揺動の状
態を示した図。
【図7】農産物の全高計測装置を示した縦断面図。
【図8】本発明の実施形態2の重錘交換機構を説明する
正面図。
【図9】本発明の実施形態3の重錘交換機構を説明する
正面図。
【図10】同実施形態3の二度打ち防止時の状態を示し
た図。
【図11】ハンマーヘッドに重錘を係着した状態を拡大
して示した正面図。
【図12】図11の一部平断面図。
【符号の説明】
1・・・受皿 101・・・受皿本体 1011・・・溝 102・・・支持脚 1021・・・支持テーパー面 103・・・貫通孔 2・・・搬送手段 201,202・・・コンベアベルト 205,206・・・駆動プーリ 207・・・駆動モータ 210・・・ガイドレール 3・・・待機ステージ 301・・・待機用ストッパ 4・・・重錘着脱機構 41・・・重錘 42・・・ヘッド側電磁石 43・・・固定部側電磁石 5・・・重錘着脱機構 51,52・・・重錘 53・・・回転ディスク 54・・・モータ 55・・・ヘッド側電磁石 56,57・・・固定部側電磁石 6・・・打音検出装置 61・・・ハンマー装置 610・・・ストッパ装置 611・・・ハンマー 6111・・・シャフト 6112・・・ヘッド 6113・・・枢軸 6114・・・従動プーリ 612・・・打撃制御装置 613・・・ハンマー水平移動装置 6131・・・スライド装置 6132・・・シュー 6133・・・サーボモータ 6134・・・ネジ軸 614・・・駆動モータ 6141・・・駆動プーリ 6142・・・駆動軸 6143・・・エンコーダ 615・・・電磁クラッチ 616・・・タイミングベルト 617・・・角度検出センサ 618・・・ヘッド側電磁石 62・・・集音装置 621・・・マイク 622・・・センサパッド 623・・・センサロッド 624・・・シリンダ装置 63・・・打音検出用移動装置 631・・・枠体 6311・・・フランジ 6312・・・上下方向貫通孔 632・・・ガイドバー 633・・・支持フレーム 634・・・駆動モータ 6341・・・スプロケット 635・・・チェーン 636・・・固定フレーム 65・・・ハンマー装置 651・・・ハンマー 6511・・・ハンマーシャフト 6512・・・ハンマーヘッド 6513・・・枢軸 652・・・打撃制御装置 6521・・・揺動駆動機構保持ブロック 65211・・・ケース 65212・・・上ブラケット 65213・・・下ブラケット 6523・・・カム板 6524・・・カムフォロア 6525・・・ピン 653・・・エアシリンダ装置 6531・・・シリンダ 6532・・・ピストンロッド 6533・・・連結ロッド 654・・・ストッパー 7・・・打音計測位置検出装置 701・・・フレーム 702・・・駆動モータ 703・・・回転駆動軸 704・・・駆動スプロケット 705・・・従動スプロケット 706・・・チェーン 707,708・・・光電センサ 710・・・ストッパ装置 8・・・重錘着脱機構 81・・・重錘 811・・・突起 812・・・凹部 82・・・作動レバー 821・・・フランジ 83・・・重錘着脱機構本体 831・・・チューブ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 農産物を打撃して内部の状態に由来する
    特有の振動波を生じさせる打撃手段と、発生した振動波
    を検出する振動波検出手段との組合せにより構成され、
    振動波検出手段で検出した振動波の信号に基づいて農産
    物の内部品質を解析評価する農産物の内部品質検査装置
    において、上記打撃手段は、その上端部が水平軸により
    垂直面内で揺動自在に枢軸支持されたハンマーシャフト
    と、このハンマーシャフトの下端部に設けられたハンマ
    ーヘッドと、このハンマーヘッドを前記枢軸回りに所定
    角度引き上げた位置から自重で揺動させて農産物を打撃
    させる打撃制御手段とを備え、前記ハンマーシャフト下
    端部のハンマーヘッドには、少なくとも1種類の重錘を
    着脱可能としたことを特徴とする農産物の内部品質検査
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、打撃する対象の農産
    物を大きさにより分類分けし、その農産物の大きさによ
    る分類分けに対応して大きい分類の農産物の打撃の際に
    ハンマーヘッドが重くなるように前記重錘を着脱するこ
    とを特徴とする農産物の内部品質検査装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、重錘を磁性体
    により構成し、ハンマーヘッドと固定部のそれぞれに設
    けた電磁石間で該重錘の磁気吸着状態を切り換えること
    により重錘のハンマーヘッドへの着脱を行うように構成
    したことを特徴とする農産物の内部品質検査装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、固定部に設けた電磁
    石又はハンマーヘッドに設けた電磁石の少なくともいず
    れか一方は、非通電時に着磁し、かつ通電時に消磁する
    ものとしたことを特徴とする農産物の内部品質検査装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2において、ハンマーヘッ
    ド又は重錘に設けた係合・係合解除切換式のチャック手
    段により該重錘をハンマーヘッドに対して着脱させるこ
    とを特徴とする農産物の内部品質検査装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    重錘が一つであり、この一つの重錘の着脱によりハンマ
    ーヘッドの重量を変更することを特徴とする農産物の内
    部品質検査装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    重錘が重量の異なる複数種類であり、これらの交換着脱
    によりハンマーヘッドの重量を複数の重量間で変更でき
    るようにしたことを特徴とする農産物の内部品質検査装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
    前記打撃制御手段は、ハンマーヘッドが農産物を打撃し
    たときの反動で打撃方向とは反対方向に戻り揺動したハ
    ンマーシャフトの揺動を拘束する二度打ち防止手段を有
    することを特徴とする農産物の内部品質検査装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、打撃制御手段は、ハ
    ンマーシャフトを駆動軸回りに引き上げ揺動させる揺動
    駆動手段と、この揺動駆動手段とハンマーシャフトの連
    結をオン・オフするクラッチ手段を備え、このクラッチ
    手段の連結オフによりハンマーヘッドを枢軸回りに揺動
    自在とすると共に、連結オンによりハンマーシャフトの
    揺動を拘束することを特徴とする農産物の内部品質検査
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項8において、打撃制御手段が、
    ハンマーシャフトに係合して移動によりこれを枢軸回り
    に引き上げ揺動させるカムフォロアと、このカムフォロ
    アを移動させるカムフォロア駆動手段とを備え、このカ
    ムフォロア駆動手段は、カムフォロアとの係合解除によ
    りハンマーヘッドの枢軸回りの揺動を自在とさせると共
    に、打撃時の反動で反対方向に戻り揺動したハンマーシ
    ャフトに係合させることで該ハンマーヘッドの打撃方向
    の揺動を拘束することを特徴とする農産物の内部品質検
    査装置。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10において、ハンマー
    シャフトを枢軸回りに揺動させて所定角度まで引き上げ
    るためのハンマーシャフトの傾斜角度検出手段を有する
    ことを特徴とする農産物の内部品質検査装置。
  12. 【請求項12】 請求項9において、二度打ち防止手段
    は、ハンマーシャフトの傾斜角度を検出する傾斜角度検
    出手段を有し、戻り揺動するハンマーシャフトの揺動拘
    束を、その戻り揺動が予め定めた傾斜角度を越えたとき
    に前記クラッチ手段の連結オンにより行うことを特徴と
    する農産物の内部品質検査装置。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれかにおい
    て、農産物の高さ寸法を測定する高さ測定手段と、この
    高さ測定手段で測定された結果に基づいて決められる最
    適打撃高さにハンマーシャフト及び打撃制御手段を移動
    させるハンマーシャフト等の上下動手段とを有すること
    を特徴とする農産物の内部品質検査装置。
  14. 【請求項14】 請求項13において、最適打撃高さに
    移動したハンマーシャフト及び打撃制御手段と、農産物
    との水平方向の距離を測定する距離測定手段と、この距
    離測定手段で測定された距離に基づいて、ハンマーシャ
    フト及び打撃制御手段を水平方向の打撃最適位置まで接
    近させる水平移動手段とを有することを特徴とする農産
    物の内部品質検査装置。
  15. 【請求項15】 請求項11において、ハンマーシャフ
    トの傾斜角度検出手段により設定されるハンマーシャフ
    トの引き上げ角度は、請求項1の農産物の高さ測定手段
    で測定された農産物の高さ別に決めることを特徴とする
    農産物の内部品質検査装置。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし15のいずれかの農産
    物の内部品質検査装置は、受皿に載った農産物を搬送さ
    せる選別搬送ラインの途中に配置され、打撃による内部
    品質検査装置の位置で該受皿を一旦停止させるように設
    けられていることを特徴とする農産物の選別装置。
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