JP2000054115A - I.t.o焼結体の製造方法及びi.t.o薄膜の形成方法 - Google Patents

I.t.o焼結体の製造方法及びi.t.o薄膜の形成方法

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JP2000054115A
JP2000054115A JP10229547A JP22954798A JP2000054115A JP 2000054115 A JP2000054115 A JP 2000054115A JP 10229547 A JP10229547 A JP 10229547A JP 22954798 A JP22954798 A JP 22954798A JP 2000054115 A JP2000054115 A JP 2000054115A
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mgo
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sio
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Masahiko Sugihara
正彦 杉原
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Canon Inc
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OPUTORON KK
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空蒸着により基板温度150℃で、かつ速
い成膜速度で低抵抗、高透過率のI.T.O薄膜が得ら
れるI.T.O焼結体の製造方法を提供する。 【解決手段】 主として酸化インジウム及び酸化錫から
なるI.T.O粉末にAl23 、SiO2 、MgOの
各粉末を添加し成形して焼結を行うI.T.O焼結体の
製造方法において、I.T.O粉末とAl23 、Si
2 、MgOの各粉末を混合、成形、熱処理、粉砕する
ことにより粒度調整粉を得た後、該粒度調整粉をI.
T.O粉末とAl23 、SiO2 、MgOの各粉末と
からなる原料粉中に添加して、混合、成形、焼結する
I.T.O焼結体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明導電膜形成のた
めの真空成膜用のI.T.O焼結体の製造方法および
I.T.O薄膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸化インジウム及び酸化錫(In23
およびSnO2 )からなるI.T.O焼結体は、真空成
膜法の真空蒸着用ペレットまたはスパッタリング用ター
ゲットとして使用する事で、透明電極(液晶ディスプレ
イ、タッチパネル)、帯電防止、電磁波遮断(クリーン
ルーム窓、メーター類窓)、面発熱体(防曇防霜用ヒー
ター)、熱線遮断(建物窓、炉のぞき窓)、光電変換素
子(太陽電池、光増幅器)等の透明導電膜として幅広く
用いられている。
【0003】その中でも、カラー液晶ディスプレイに使
用されるカラーフィルター上の透明導電膜は特に注目を
集めている。
【0004】真空成膜法にてI.T.O焼結体から良質
の透明導電膜を得るのに、特開平2−304815号公
報では、I.T.Oにインジウムと錫以外の3価及び4
価の酸化物としてAl23 とSiO2 を添加し、混
合、焼結するI.T.O焼結体の製造方法が記載されて
いる。
【0005】また、特開平7−316798号公報で
は、I.T.O粉末を混合し、圧密状態で焼結し、その
焼結体を粉砕し粉末とした後、これを再度焼結すること
が記載されている。
【0006】特開平8−49070号公報では、酸化イ
ンジウム粉末を主とする原料粉中に、酸化インジウム粉
末と酸化錫粉末を熱処理することにより得た粒度調整粉
を添加して造粒粉とし、その後成形、焼結を行うことが
記載されている。
【0007】また、(社)表面技術協会機能材料ドライ
プロセシング専門部会主催の透明導電膜シンポジウムの
中で、真空蒸着及びRFイオンプレーティングによる
I.T.O膜によれば真空蒸着で基板温度200℃、成
膜速度1.0Å/secにおいて基板温度300℃と同
程度の膜が得られることが記載されている。
【0008】さらに、(株)東レリサーチセンター調査
研究部門発行の「透明導電膜の現状と展望」でも真空蒸
着で基板温度200℃、成膜速度1.0Å/sec程度
にしなければ実用に供せられる膜が得られないことが記
載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、各種
ディスプレイ用透明導電膜の中でも特に注目を集めてい
るカラー液晶ディスプレイに使用されるカラーフィルタ
ーは有機材料で形成されている為、一般的に基板温度2
00℃以下で成膜しなければならない。この事はカラー
フィルターが有機物である為、真空中での耐熱性に限界
がある事や、真空蒸着では200℃以下の成膜温度で
は、I.T.Oの結晶化温度との関係で、低抵抗率を得
るのが困難であるとされている。
【0010】従つて、本発明の目的は、この様な従来技
術の問題点を解決するためになされたものであり、設備
が簡便、廉価なことや大量処理可能な利点を持つ、真空
蒸着により基板温度150℃で、かつ速い成膜速度で低
抵抗、高透過率のI.T.O薄膜が得られるI.T.O
焼結体の製造方法を提供する事にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の第一の発
明は、主として酸化インジウム及び酸化錫からなるI.
T.O粉末にAl23 、SiO2 、MgOの各粉末を
添加し成形して焼結を行うI.T.O焼結体の製造方法
において、I.T.O粉末とAl23 、SiO2 、M
gOの各粉末を混合、成形、熱処理、粉砕することによ
り粒度調整粉を得た後、該粒度調整粉をI.T.O粉末
とAl23 、SiO2 、MgOの各粉末とからなる原
料粉中に添加して、混合、成形、焼結することを特徴と
するI.T.O焼結体の製造方法である。
【0012】本発明の第二の発明は、主として酸化イン
ジウム及び酸化錫からなるI.T.O粉末にAl2
3 、SiO2 、MgOの各粉末を添加し成形して焼結を
行うI.T.O焼結体の製造方法において、I.T.O
粉末を混合、成形、熱処理、粉砕することにより粒度調
整粉を得た後、該粒度調整粉をI.T.O粉末とAl2
3 、SiO2 、MgOの各粉末とからなる原料粉中に
添加して、混合、成形、焼結することを特徴とするI.
T.O焼結体の製造方法である。
【0013】本発明の第三の発明は、上記の第一および
第二の発明の方法により製造されたI.T.O焼結体を
蒸着し、その残渣(残骸)を粉砕することにより粒度調
整粉を得た後、該粒度調整粉をI.T.O粉末とAl2
3 、SiO2 、MgOの各粉末とからなる原料粉中に
添加して、混合、成形、焼結することを特徴とするI.
T.O焼結体の製造方法である。
【0014】前記酸化錫を2〜6重量%含有するI.
T.O粉末とAl23 、SiO2 、MgOの各粉末を
混合、成形、熱処理、粉砕することにより粒度調整粉を
得るのが好ましい。前記I.T.O焼結体を製造するの
に使用するI.T.O粉末とAl23 、SiO2 、M
gOの各粉末の割合が、I.T.O粉末100wt%に
対してAl23 粉末1.00〜2.5wt%、SiO
2 粉末0.05〜0.5wt%、MgO粉末0.005
〜2.0wt%であるのが好ましい。
【0015】前記粒度調整粉の最大粒径が0.50mm
以下であるのが好ましい。前記原料粉中に添加する粒度
調整粉が50〜90重量%であるのが好ましい。
【0016】本発明の第四の発明は、上記の方法により
製造されたI.T.O焼結体を基板に蒸着することを特
徴とするI.T.O薄膜の形成方法である。前記蒸着を
30Å/sec以下の成膜速度で行うのが好ましい。
【0017】前記蒸着を150℃の基板温度で行うのが
好ましい。前記I.T.O焼結体を基板に蒸着した薄膜
と基板との間にAl23 及びMgOの混合層が積層さ
れているのが好ましい。前記I.T.O焼結体を基板に
蒸着した薄膜とAl23 及びMgOの混合層の積層体
にSn、Al、Si、Mgが均一に分散しているのが好
ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】上記目的を達成する為、本発明に
係わる第一の発明のI.T.O焼結体の製造方法は、主
として酸化インジウム及び酸化錫からなるI.T.O粉
末にAl23 、SiO2 、MgOを添加した粉末を成
形して焼結を行うI.T.O焼結体の製造方法におい
て、I.T.O紛末とAl23 、SiO2 、MgO各
粉末を混合、成形、熱処理、粉砕する事により粒度調整
粉を得る工程、I.T.O粉末とAl23 、SiO
2 、MgO各粉末とからなる原料粉中に前記粒度調整粉
を添加して、混合、成形、焼結する工程を有することを
特徴とする。
【0019】上記構成において、主たるI.T.O原料
粉中(Al23 、SiO2 、MgO含有)に主たる粒
度調整粉(Al23 、SiO2 、MgO含有)を含有
させる事の手段は、製造されたI.T.O焼結体の真空
成膜により、基板温度150℃、30Å/secの成膜
速度で蒸着しても、スプラッシュが全く発生せず透過率
85%以上、体積抵抗率1×10-4Ω・cmを示す様に
動作する。
【0020】また、上記目的を達成する為、本発明に係
る第二の発明のI.T.O焼結体の製造方法は、主とし
て酸化インジウム及び酸化錫からなるI.T.O粉末に
Al23 、SiO2 、MgOを添加した粉末を成形し
て焼結を行うI.T.O焼結体の製造方法において、
I.T.O粉末を混合、成形、熱処理、粉砕することに
より粒度調整粉を得て、I.T.O粉末とAl23
SiO2 、MgO各粉末とからなる原料粉中に前記粒度
調整粉を添加して、混合、成形、焼結する事を特徴とす
る。
【0021】上記構成において、主たるI.T.O原料
粉中(Al23 、SiO2 、MgO含有)にI.T.
O粒度調整粉を含有させる事の手段は、製造されたI.
T.O焼結体の真空成膜により基板温度150℃、30
Å/secの成膜速度で蒸着しても、スプラッシュが全
く発生せず透過率85%以上、体積抵抗率1×10-4Ω
・cmを示す様に動作する。
【0022】また、本発明の第三の発明は、成膜に使用
した上記の第一および第二の発明の方法により製造され
たI.T.O焼結体を蒸着し、その残渣(残骸)を粉砕
して粒度調整粉とし、I.T.O粉末とAl23 、S
iO2 、MgO各粉末とからなる原料粉中に前記粒度調
整粉を添加して、混合、成形、焼結する事を特徴とす
る。上記構成において、主たるI.T.O原料粉中(A
23 、SiO2 、MgO含有)に成膜に使用後の粒
度調整粉を含有させる事の手段は、真空成膜により基板
温度150℃、30Å/secの成膜速度で蒸着して
も、スプラッシュが全く発生せず透逼率85%以上、体
積抵抗率1×10-4Ω・cmを示す様に動作する。
【0023】本発明では、主として酸化インジウム及び
酸化錫からなるI.T.O粉末にAl23 、SiO
2 、MgOを添加した粉末を成形して焼結を行うI.
T.O焼結体の製造方法において、酸化錫組成が2〜6
重量%となるI.T.O粉末と、Al23 、SiO
2 、MgO各粉末を混合、成形、熱処理、粉砕すること
により粒度調整粉を得て、I.T.O粉末とAl2
3 、SiO2 、MgO各粉末とからなる原料粉中に前記
粒度調整粉を添加して、混合、成形、焼結する事を特徴
とする。
【0024】また、本発明では、上記の製造されたI.
T.O焼結体において、Al23とSiO2 とMgO
の含有量がI.T.O100wt%に対して、Al2
3 は1.00〜2.5wt%、SiO2 は0.05〜
0.5wt%、MgOは0.005〜2.0wt%であ
る事の手段が好ましい。
【0025】本発明では、粒度調整粉の最大粒径が0.
50mm以下、好ましくは0.50〜0.075mmか
らなる事を特徴とする。本発明では、原料粉中に添加す
る粒度調整粉の総量が全量の内、50〜90重量%であ
る事を特徴とする。
【0026】上記の特徴とする各構成において、I.
T.O原料粉中(Al23 、SiO 2 、MgO含有)
に主たるI.T.O調整粉(Al23 、SiO2 、M
gO含有)を含有させる事の手段は、真空成膜により基
板温度150℃、30Å/secの成膜速度で蒸着して
も、スプラッシュが全く発生せず透過率85%以上、体
積抵抗率1×10-4Ω・cmを示す様に動作する。
【0027】本発明の第四の発明は、上記の方法により
製造されたI.T.O焼結体を基板に蒸着してなるI.
T.O薄膜の形成方法を特徴とする。この事は、真空成
膜により基板温度150℃、30Å/secの成膜速度
で蒸着しても、スプラッシュが全く発生せず透過率85
%以上、体積抵抗率1×10-4Ω・cmを示す様に動作
する。
【0028】本発明は、I.T.O焼結体により成膜さ
れる事で、I.T.O薄膜と基板との間にAl23
びMgOの混合層が積層する様に動作する。本発明は、
I.T.O焼結体を蒸着してなる薄膜の表面から積層体
の間にSn、Al、Si、Mgが均―に分散する様に動
作する。
【0029】本発明は、I.T.O焼結体を30Å/s
ec以下、好ましくは24〜29Å/secの成膜速度
で真空蒸着すると、スプラッシュが全く発生せず透過率
85%以上、体積抵抗率1×10-4Ω・cmを示す様に
動作する。
【0030】本発明は、I.T.O焼結体を150℃の
基板温度で真空蒸着すると、スプラッシュが全く発生せ
ず透過率85%以上、体積抵抗率1×10-4Ω・cmを
示す様に動作する。
【0031】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明を説明する。
【0032】実施例1 I.T.Oの主成分である酸化インジウムと酸化錫の割
合が重量比で95:5となるようにし、ついでI.T.
O粉末への添加物として重量比でI.T.O100wt
%に対しAl23 を1.00〜2.5wt%、SiO
2 を0.05〜0.5wt%、MgOを0.005〜
2.0wt%の各粉末をそれぞれ加える。好ましくはA
23 を1.00〜2.5wt%、SiO2 を0.0
5〜0.15wt%、MgOを0.005〜0.05w
t%それぞれ加える。本実施例においては、Al23
を1.5wt%、SiO2 を0.1wt%、MgOを
0.02wt%それぞれ加えた。この混合物をボールミ
ルを使って十分に細かい粒状形状にしながら混ぜ合わせ
る。(原料粉とする)
【0033】この原料粉の一部をプレス圧力1300k
gf/cm2 で大きさが28φmm×l6tmmのペレ
ット形状に成形する。プレス後大気中にて温度1350
℃で加熱し、I.T.0焼結体を得る。このようにして
作製したI.T.O焼結体をロールクラッシャーによ
り、最大粒径0.5mm以下になる様に粉砕し、粒度調
整粉を得た。
【0034】前記原料粉中に上記粒度調整粉を50〜9
0重量%加える。好ましくは50〜80重量%加える。
本実施例においては、60重量%加えた。この混合物を
ボールミルを使つて粒状形状にしながら混ぜ合わせる。
その後、プレス圧力1300kgf/cm2 で大きさが
25φmm×l6.5tmmのペレット形状に成形す
る。プレス後大気中にて温度1350℃で加熱し、I.
T.O焼結体を得る。
【0035】通常の真空蒸着装置の電子ビーム蒸発源部
にこのI.T.O焼結体を設置し、酸素ガス圧5×10
-4torr、4×10-4torr、基板温度150℃の
雰囲気においてそれぞれ成膜速度27Å/sec、8Å
/secで合成石英板上に膜厚1200ÅのI.T.O
膜を作製した。得られたI.T.O膜の透過率は波長5
50nmでそれぞれ88%、92%、四端子法により測
定した体積抵抗率はそれぞれ1.l×10-4Ω・cm、
1.8×10-4Ω・cmであった。
【0036】また、2次イオン質量分析(以下SIMS
分析と略す)にて、I.T.O膜中のSn、Al、S
i、Mgの分散状態を測定したところ、I.T.O膜/
合成石英基板界面付近にAl、Mgが蓄積した分布を示
した。また表面から蓄積層に向かいAl、Si、Mg、
Snの分布を測定したが一定であった。
【0037】さらに、誘導結合プラズマ分析(以下I.
C.P発光分析と略す)にてI.T.O膜中のSnO
2 、Al23 、SiO2 、MgOの含有量を測定した
ところ、それぞれ4.52wt%、0.11wt%、検
出限界以下、0.011wt%の濃度値を得た。
【0038】尚、原料粉中に粒度調整粉を添加して、混
合、成形、焼結後の酸化錫組成が2〜6重量%(Al2
3 、SiO2 、MgO無しとして)である場合、Al
23 とSiO2 とMgOの含有量がI.T.O 10
0wt%に対してそれぞれ1.00〜2.5wt%、
0.05〜0.5wt%、0.005〜2.0wt%の
範囲である場合、原料粉中に添加する粒度調整粉が総量
50〜90重量%である場合、基板温度150℃で透過
率85%以上、体積抵抗率1〜2.5×10-4Ω・cm
の範囲にあり、SIMS分析においては本実施例と同じ
結果を得た。
【0039】実施例2 粒度調整粉の成分が重量比で95:5の酸化インジウム
と酸化錫である事及び粒度調整粉を原料粉に添加した時
点でI.T.O 100wt%に対しAl23 を1.
00〜2.5wt%、SiO2 を0.05〜0.5wt
%、MgOを0.005〜2.0wt%それぞれ添加し
た以外は、実施例1と同様に作製し、蒸着を行った。
【0040】得られた薄膜の波長550nmでの透過率
及び体積抵抗率は、実施例1に記載した範囲にあり、S
IMS分析においても実施例1と同様の結果を得た。
【0041】実施例3 実施例1での成膜をした後の焼結体を粒度調整粉とした
以外は、実施例1と同様に作製し、蒸着を行った。得ら
れた薄膜の波長550nmでの透過率及び体積抵抗率
は、実施例1に記載した範囲にあり、SIMS分析にお
いても実施例1と同様の結果を得た。
【0042】比較例1 I.T.Oの主成分である酸化インジウムと酸化錫の割
合が重量比で99:1となるようにし、それ以外は実施
例1と同様に実施しI.T.O焼結体を作製した。
【0043】酸素ガス圧5×10-4torr、基板温度
150℃の雰囲気において成膜速度4.0Å/secで
合成石英板上に膜厚1200ÅのI.T.O膜を作製し
た。得られたI.T.O膜の透過率は波長550nmで
93%であったが、四端子法により測定した体積抵抗率
は4.2×10-3Ω・cmであった。実施例1と同じ成
膜速度にした以外は、上記と同じ条件で蒸着したとこ
ろ、波長550nmの透過率は12%であった。
【0044】比較例2 I.T.Oの主成分である酸化インジウムと酸化錫の割
合が重量比で93:7となるようにし、それ以外は実施
例1と同様に実施しI.T.O焼結体を作製した。
【0045】酸素ガス圧5×10-4torr、基板温度
150℃の雰囲気において成膜速度4.0Å/secで
合成石英板上に膜厚1200ÅのI.T.O膜を作製し
た。得られたI.T.O膜の透過率は波長550nmで
49%であった。成膜速度1.0Å/secにした以外
は、上記と同じ条件で蒸着したところ、渡長550nm
の透過率は32%であった。
【0046】比較例3 I.T.Oへの添加物として重量比でI.T.O 10
0wt%に対しAl23 を1.00wt%末満、Si
2 を0.05wt%末満、Mgoを0.005wt%
未満加える。または少なくともどれか1つをこの添加量
にして加える。本比較例ではAl23 を0.5wt
%、SiO2 を0.02wt%、MgOを0.002w
t%にした。それ以外は、実施例1と同様に実施した。
【0047】Al23 が1.00wt%末満、SiO
2 が0.05wt%末満、MgOが0.005wt%未
満の場合または少なくともどれか1つをこの添加量にし
た場合は、本実施例と同様の添加効果が現れず、スプラ
ッシュによるものと思われる膜欠陥が多数見られた。
【0048】比較例4 I.T.Oへの添加物として重量比でI.T.O 10
0wt%に対しAl23 を2.50wt%、SiO2
を0.5wt%、MgOを2.0wt%それぞれ越えた
量を加える。または少なくともどれか1つをこの数値を
越えた添加量にして加える。本比較例ではAl23
1.50wt%、SiO2 を0.70wt%、MgOを
0.05wt%それぞれ加えた。それ以外は、実施例1
と同様に実施し体積抵抗率は7.5×10-3Ω・cmを
得た。
【0049】Al23 を2.50wt%、SiO2
0.5wt%、MgOを2.0wt%それぞれ越えた場
合または少なくともどれか1つをこの数値を越えた添加
量にした場合には、I.T.O膜中のSi、Mgそれぞ
れ他の添加物より多く含有したり、Snが膜厚方向での
不均一及び含有量の低減など良好なる導電性を示さない
I.T.O膜が得られた。
【0050】比較例5 最大粒径0.212mm(65メッシュ)以下になる様
に粉砕し、粒度調整粉を作製した以外は実施例1と同様
に実施した。蒸着中側面で2つに分離し、成膜速度が不
安定になり、波長550nmの透過率及び体積抵抗率が
再現よく得る事が出来なかった。
【0051】比較例6 最大粒径0.85mm(20メッシュ)以下になる様に
粉砕し、粒度調整粉を作製した以外は実施例1と同様に
実施した。蒸着開始(昇華開始)直後からスプラッシュ
が発生し、膜欠陥が多数見られた。
【0052】比較例7 原料粉中に添加する粒度調整粉が40重量%である以外
は、実施例1と同様に実施した。蒸着中側面で2つに分
離し、成膜速度が不安定になり、波長550nmの透過
率及び体積抵抗率が再現よく得る事が出来なかった。
【0053】比較例8 原料粉中に添加する粒度調整粉が95重量%である以外
は、実施例1と同様に実施した。蒸着開始(昇華開始)
直後からスプラッシュが発生し、膜欠陥が多数見られ
た。
【0054】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、設
備が簡単で、廉価な事や大量処理可能な利点を持つ真空
蒸着により、基板温度150℃の条件下において、速い
成膜速度で低抵抗、高透過率のI.T.O薄膜が得ら
れ、工業的に大いに役立つものである。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として酸化インジウム及び酸化錫から
    なるI.T.O粉末にAl23 、SiO2 、MgOの
    各粉末を添加し成形して焼結を行うI.T.O焼結体の
    製造方法において、I.T.O粉末とAl23 、Si
    2 、MgOの各粉末を混合、成形、熱処理、粉砕する
    ことにより粒度調整粉を得た後、該粒度調整粉をI.
    T.O粉末とAl23 、SiO2 、MgOの各粉末と
    からなる原料粉中に添加して、混合、成形、焼結するこ
    とを特徴とするI.T.O焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記酸化錫を2〜6重量%含有するI.
    T.O粉末とAl23 、SiO2 、MgOの各粉末を
    混合、成形、熱処理、粉砕することにより粒度調整粉を
    得る請求項1記載のI.T.O焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 主として酸化インジウム及び酸化錫から
    なるI.T.O粉末にAl23 、SiO2 、MgOの
    各粉末を添加し成形して焼結を行うI.T.O焼結体の
    製造方法において、I.T.O粉末を混合、成形、熱処
    理、粉砕することにより粒度調整粉を得た後、該粒度調
    整粉をI.T.O粉末とAl23 、SiO2 、MgO
    の各粉末とからなる原料粉中に添加して、混合、成形、
    焼結することを特徴とするI.T.O焼結体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の方法により製造された
    I.T.O焼結体を蒸着させた際の該焼結体の残渣を粉
    砕することにより粒度調整粉を得た後、該粒度調整粉を
    I.T.O粉末とAl23 、SiO2 、MgOの各粉
    末とからなる原料粉中に添加して、混合、成形、焼結す
    ることを特徴とするI.T.O焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の方法により製造された
    I.T.O焼結体を蒸着させた際の該焼結体の残渣を粉
    砕することにより粒度調整粉を得た後、該粒度調整粉を
    I.T.O粉末とAl23 、SiO2 、MgOの各粉
    末とからなる原料粉中に添加して、混合、成形、焼結す
    ることを特徴とするI.T.O焼結体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記I.T.O焼結体を製造するのに使
    用するI.T.O粉末とAl23 、SiO2 、MgO
    の各粉末の割合が、I.T.O粉末100wt%に対し
    てAl23 粉末1.00〜2.5wt%、SiO2
    末0.05〜0.5wt%、MgO粉末0.005〜
    2.0wt%である請求項1乃至5のいずれかの項に記
    載のI.T.O焼結体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記粒度調整粉の最大粒径が0.50m
    m以下である請求項1乃至5のいずれかの項に記載の
    I.T.O焼結体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記原料粉中に添加する粒度調整粉が5
    0〜90重量%である請求項1乃至5のいずれかの項に
    記載のI.T.O焼結体の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載の方法
    により製造されたI.T.O焼結体を基板に蒸着するこ
    とを特徴とするI.T.O薄膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 前記蒸着を30Å/sec以下の成膜
    速度で行う請求項9に記載のI.T.O薄膜の形成方
    法。
  11. 【請求項11】 前記蒸着を150℃の基板温度で行う
    請求項9に記載のI.T.O薄膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 前記I.T.O焼結体を基板に蒸着し
    た薄膜と基板との間にAl23 及びMgOの混合層が
    積層されている請求項9に記載のI.T.O薄膜の形成
    方法。
  13. 【請求項13】 前記I.T.O焼結体を基板に蒸着し
    た薄膜とAl23及びMgOの混合層の積層体の間に
    Sn、Al、Si、Mgが均一に分散している請求項1
    2に記載のI.T.O薄膜の形成方法。
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