JP2000052444A - 中空構造物における中空室遮断具 - Google Patents

中空構造物における中空室遮断具

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JP2000052444A
JP2000052444A JP22321298A JP22321298A JP2000052444A JP 2000052444 A JP2000052444 A JP 2000052444A JP 22321298 A JP22321298 A JP 22321298A JP 22321298 A JP22321298 A JP 22321298A JP 2000052444 A JP2000052444 A JP 2000052444A
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Norimichi Miwa
紀道 三輪
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Neo Ex Lab Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡性基材の発泡不良を防止して、中空室を
良好に遮断する。 【解決手段】 中空構造物1の中空室7に取り付けられ
るホルダ体20と、そのホルダ体20によって支持され
かつ外部加熱によって発泡し発泡体15となることで中
空室7を遮断する発泡性基材11と、を備えた中空構造
物における中空室遮断具であって、ホルダ体20は、中
空室7の長手方向に直交する方向に設けられ、かつ発泡
性基材11の両側面を支持して同発泡性基材11の発泡
方向を規制するための一対の支持プレート21を有す
る。発泡性基材11と一対の支持プレート21との間に
は、外部加熱による熱伝達を高めて発泡性基材11の発
泡を促進するための発泡促進手段12、23が設けられ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、中空構造物にお
ける中空室遮断具に関し、主として複数枚のパネルによ
って中空の箱形閉じ断面に構成された車両ボディのピラ
ー、ロッカーパネル、ルーフサイドパネル等の中空パネ
ルの制振・防音等を高めるための中空構造物における中
空室遮断具に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の中空構造物における中空室遮断
具には、例えば、特開平8−276448号公報に開示
されている。このような中空構造物における中空室遮断
具においては、図9と図10に示すように、中空パネル
101の中空室107に取り付けられるホルダ体120
と、そのホルダ体120によって支持されかつ外部加熱
によって発泡し発泡体115となることで前記中空室1
07を遮断する発泡性基材111と、を備えている。ま
た、ホルダ体120は、中空パネル101の中空室10
7の長手方向に直交する方向に設けられ、かつ発泡性基
材111の両側面を支持して同発泡性基材111の発泡
方向を規制するための一対の支持プレート121を備え
ている。そして、一対の支持プレート121によって発
泡性基材111の両側面が隙間なく挟持された状態にお
いて、発泡性基材111が発泡することで、中空室10
7の長手方向に対しては、発泡性基材111の発泡が制
限される。このようにして、一対の支持プレート121
よって発泡性基材111の両側面が隙間なく挟持された
支持状態において、中空室107の長手方向に対する発
泡性基材111の発泡が制限されることで、少ない量の
発泡性基材111による発泡体115によって中空室1
07が効率よく遮断されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図10と図
11に示すように、発泡性基材111の両側面が一対の
支持プレート121よって隙間なく挟持される構造にお
いては、その一対の支持プレート121が断熱層となっ
て発泡性基材111の発泡不良をまねく場合がある。例
えば、一対の支持プレート121が熱伝導性が低い合成
樹脂材によって形成されている場合には、一対の支持プ
レート121による断熱作用によって発泡性基材111
の発泡不良が生じ易くなる。このため、図10と図11
に示すように、発泡性基材111が発泡して発泡体11
5となったときには、その発泡体115の外周面と中空
室7の内周壁面との間の一部に隙間Sが生じ、遮断不良
が発生する場合があった。
【0004】この発明の目的は、前記従来の問題点に鑑
み、発泡性基材の発泡不良を防止して、中空室を良好に
遮断することができる中空構造物における中空室遮断具
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の発明に係る中空構造物における中空室遮
断具は、中空構造物の中空室に取り付けられるホルダ体
と、そのホルダ体によって支持されかつ外部加熱によっ
て発泡し発泡体となることで前記中空室を遮断する発泡
性基材と、を備えた中空構造物における中空室遮断具で
あって、前記ホルダ体は、前記中空室の長手方向に直交
する方向に設けられ、かつ前記発泡性基材の両側面を支
持して同発泡性基材の発泡方向を規制するための一対の
支持プレートを有し、さらに、前記発泡性基材と前記一
対の支持プレートとの間には、外部加熱による熱伝達を
高めて前記発泡性基材の発泡を促進するための発泡促進
手段が設けられている。
【0006】したがって、発泡性基材が発泡する際、そ
の発泡性基材の両側面は、中空室の長手方向に直交する
方向の一対の支持プレートによって支持されているた
め、前記中空室7の長手方向に対しては、その発泡性基
材11の発泡が制限される。特に、発泡性基材と一対の
支持プレートとの間の発泡促進手段によって、発泡性基
材に対する外部加熱による熱伝達が高められるため、中
空室の長手方向に直交する方向に対しては発泡性基材の
発泡が効率良く促進される。このため、発泡性基材の発
泡不良が防止され、発泡性基材の発泡による発泡体によ
って中空室が遮断不良なく良好に遮断される。
【0007】また、請求項2の発明に係る中空構造物に
おける中空室遮断具は、請求項1に記載の中空構造物に
おける中空室遮断具において、発泡促進手段は、発泡性
基材との間に隙間を形成するように一対の支持プレート
のうちの少なくとも一方の支持プレートの周縁部に設け
られた発泡促進用曲げ部によって構成されている。した
がって、支持プレートの周縁部の発泡促進用曲げ部と発
泡性基材との間に隙間が形成され、その隙間によって、
支持プレートが断熱層なることが軽減される。このた
め、発泡性基材に対する熱伝達が高められ発泡性基材の
発泡が促進される。特に、発泡性基材の外周部寄り部分
の発泡が効果的に促進されるため、中空室が遮断不良な
く確実に遮断される。
【0008】請求項3の発明に係る中空構造物における
中空室遮断具は、請求項1に記載の中空構造物における
中空室遮断具において、発泡促進手段は、発泡性基材の
肉厚を軽減するようにしてその発泡性基材の表面に凹設
された発泡促進用凹部によって構成されている。したが
って、発泡性基材の発泡促進用凹部と支持プレートとの
間の隙間によって、支持プレートが断熱層なることが軽
減される。このため、発泡性基材に対する熱伝達が高め
られ発泡性基材の発泡が促進されるため、中空室が遮断
不良なく確実に遮断される。
【0009】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)この発明の実施
の形態1を図1〜図5にしたがって説明する。図1と図
2において、中空構造物としての車両ボディのピラー、
ロッカーパネル、ルーフサイドパネル等の中空パネル1
は、インナパネル2とアウタパネル4とが、これら両パ
ネル2、4のフランジ3、5においてスポット溶接され
ることで、中空の箱形閉じ断面に形成されている。前記
インナパネル2の所定位置には、後述するホルダ体20
が、その係止クリップ31において回止めされて嵌込ま
れる長円形、だ円形、四角形等の非円形の取付孔6が貫
設されている。
【0010】前記中空パネル1の中空室7を遮断するた
めの中空室遮断具10は、発泡性基材11とホルダ体2
0とを備えている。前記発泡性基材11は、110℃〜
190℃前後の温度によって発泡する発泡剤混入の合成
樹脂系の発泡性材料より形成されている。さらに、発泡
性基材11は、未発泡の状態において、中空室7の内周
壁面との間に適宜の隙間が生じる程度の大きさ及び形状
をなすとともに、所定板厚を有する平板状をなしてい
る。また、発泡性基材11には、ホルダ体20の連結部
22にそれぞれ対応する位置において差込溝13が切り
込み状に形成されている。
【0011】前記ホルダ体20は、合成樹脂の射出成形
等によって一体成形され、一対の支持プレート21と取
付手段とを一体に備えている。一対の支持プレート21
は、発泡性基材11の両側面を挟持するようにして支持
するものであり、中空パネル1の中空室7の長手方向に
直交する方向の平板状に形成され、発泡性基材11の厚
さ寸法と略同じ間隔寸法を保って所要数の連結部22に
よって一体に結合されている。さらに、一対の支持プレ
ート21は、発泡性基材11と略同じ大きさ又は若干小
さい形状をなしており、その中空室7の内周壁面との間
には適宜の隙間が設定されている。
【0012】また、この実施の形態1において、一対の
支持プレート21の周縁部の一側(図に向かって下側)
の略中央部には、前記インナパネル2の取付孔6に対応
する位置において、取付手段としての係止クリップ31
が一体に形成されている。係止クリップ31は、一対の
支持プレート21の周縁部の一側の略中央部に張り出す
台座部32と、その台座部32の下面から突出されかつ
取付孔6に延びる脚部33と、その脚部33の先端部両
側から折り返し状に延出されかつ取付孔6と弾性的に係
合する一対の弾性係止片34とを備えている。
【0013】前記発泡性基材11と一対の支持プレート
21との間には、外部加熱による熱伝達を高めて発泡性
基材11の発泡を促進するための発泡促進手段が設けら
れている。この実施の形態1において、一対の支持プレ
ート21の周縁部には、発泡性基材11との間に隙間を
形成するように傾斜状に曲げられた発泡促進用曲げ部2
3が形成されている。そして、この発泡促進用曲げ部2
3によって発泡促進手段が構成されている。
【0014】上述したように構成されるこの実施の形態
1の中空室遮断具10において、中空構造物としての中
空パネル1を構成するインナパネル2とアウタパネル4
とを、その相互のフランジ3、5においてスポット溶接
する前に、前記インナパネル2の取付孔6に対し、中空
室遮断具10が、そのホルダ体20の係止クリップ31
において嵌込まれる。すると、係止クリップ31の一対
の弾性係止片34が取付孔6に係合する。これによっ
て、図2と図3に示すように、中空室遮断具10が係止
クリップ31を介して取付孔6に回止めされた状態で取
付けられる。また、前記中空室遮断具10の一対の支持
プレート21の間には、あらかじめ、未発泡の発泡性基
材11が挟持されて保持される。
【0015】前記したようにインナパネル2に中空室遮
断具10が保持された後、前記インナパネル2とアウタ
パネル4とが、その相互のフランジ3、5においてスポ
ット溶接され、中空の箱形閉じ断面をなす中空パネル1
が構成される。ここで、外部からの加熱、例えば、前記
中空パネル1を有する車両ボディの焼付塗装の際の外部
加熱によって前記中空室遮断具10の発泡性基材11
が、図4と図5に示すように発泡し発泡体15となる。
【0016】図4と図5に示すように、前記発泡性基材
11が発泡する際、その発泡性基材11の両側面は、中
空室7の長手方向に直交する方向の一対の支持プレート
21によって支持されているため、前記中空室7の長手
方向に対しては、その発泡性基材11の発泡が制限され
る。このため、中空室7の長手方向に直交する方向に対
しては、前記発泡性基材11の発泡が効果的に促進され
る。
【0017】この実施の形態1において、一対の支持プ
レート21の周縁部の発泡促進用曲げ部23と発泡性基
材11との間に隙間が形成される。そして、一対の支持
プレート21が断熱層なることが軽減される。このた
め、発泡性基材11に対する熱伝達が高められ発泡性基
材11の発泡が促進される。特に、発泡性基材11の外
周部寄り部分の発泡が効果的に促進される。そして、発
泡性基材11の発泡による発泡体15の周縁部が中空室
7の内周壁面に確実かつ良好に密着するとともに、発泡
体15と中空室7の内周壁面との間に隙間が発生する不
具合が防止される。このようにして、発泡性基材11の
発泡不良を防止して、中空室7を良好に遮断することが
できるため、従来と異なり、発泡体15の外周面と中空
室7の内周壁面との間の一部に隙間が生じ、遮断不良が
発生するという不具合を解消することができる。
【0018】(実施の形態2)この発明の実施の形態2
を図6〜図8にしたがって説明する。この実施の形態2
において、発泡性基材11の両側面には、一対の支持プ
レート21との間にそれぞれ隙間を形成するように所要
するの発泡促進用凹部12が凹設されている。さらに、
これら発泡促進用凹部12は発泡性基材11の一端から
他端わたって連続する溝状に形成され、これら発泡促進
用凹部12によって発泡促進手段が構成されている。こ
の実施の形態2のその他の構成は、前記実施の形態1と
略同様にして構成されるため同一構成部分に対し同一符
号を付記してその説明は省略する。
【0019】したがって、この実施の形態2において、
図7と図8に示すように、発泡性基材11が外部加熱に
よって発泡し発泡体15となる際、発泡性基材11の発
泡促進用凹部12と一対の支持プレート21との間に隙
間が形成され、一対の支持プレート21が断熱層なるこ
とが軽減される。このため、発泡性基材11に対する熱
伝達が高められ発泡性基材11の発泡が促進される。こ
のようにして、この実施の形態2においても、発泡性基
材11の発泡不良を防止して、中空室7を良好に遮断す
ることができるため、従来と異なり、発泡体15の外周
面と中空室7の内周壁面との間の一部に隙間が生じ、遮
断不良が発生するという不具合を解消することができ
る。
【0020】なお、前記実施の形態1、2においては、
中空構造物が車両ボディのピラー、ロッカパネル、ルー
フサンドパネル等の中空パネル1であるで場合を例示し
たが、これに限るものではなく、車両ボディ以外であっ
てもよい。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
発泡性基材と一対の支持プレートとの間の発泡促進手段
によって、発泡性基材に対する外部加熱による熱伝達が
高められるため、発泡性基材の発泡不良を防止して、中
空室を良好に遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の中空構造物における
中空室遮断具の発泡性基材とホルダ体とが分離された状
態を示す斜視図である。
【図2】同じく中空パネルの中空室に中空室遮断具が装
着された状態を示す横断面図である。
【図3】同じく中空パネルの中空室に中空室遮断具が装
着された状態を示す縦断面図である。
【図4】同じく中空室遮断具の発泡性基材が発泡された
状態を示す横断面図である。
【図5】同じく中空室遮断具の発泡性基材が発泡された
状態を示す縦断面図である。
【図6】この発明の実施の形態2の中空構造物における
中空室遮断具の発泡性基材とホルダ体とが分離された状
態を示す斜視図である。
【図7】同じく中空パネルの中空室に中空室遮断具が装
着された状態を示す横断面図である。
【図8】同じく中空室遮断具の発泡性基材が発泡された
状態を示す横断面図である。
【図9】従来の中空構造物における中空室遮断具の発泡
性基材とホルダ体とが分離された状態を示す斜視図であ
る。
【図10】同じく中空室遮断具の発泡性基材が発泡され
た状態を示す横断面図である。
【図11】同じく中空室遮断具の発泡性基材が発泡され
た状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 中空パネル(中空構造物) 6 中空室 7 取付孔 10 中空室遮断具 11 発泡性基材 12 発泡促進用凹部(発泡促進手段) 15 発泡体 20 ホルダ体 21 一対の支持プレート 23 発泡促進用曲げ部(発泡促進手段) 31 係止クリップ(取付手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空構造物の中空室に取り付けられるホ
    ルダ体と、そのホルダ体によって支持されかつ外部加熱
    によって発泡し発泡体となることで前記中空室を遮断す
    る発泡性基材と、を備えた中空構造物における中空室遮
    断具であって、 前記ホルダ体は、前記中空室の長手方向に直交する方向
    に設けられ、かつ前記発泡性基材の両側面を支持して同
    発泡性基材の発泡方向を規制するための一対の支持プレ
    ートを有し、 さらに、前記発泡性基材と前記一対の支持プレートとの
    間には、外部加熱による熱伝達を高めて前記発泡性基材
    の発泡を促進するための発泡促進手段が設けられている
    中空構造物における中空室遮断具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の中空構造物における中
    空室遮断具において、発泡促進手段は、発泡性基材との
    間に隙間を形成するように一対の支持プレートのうちの
    少なくとも一方の支持プレートの周縁部に設けられた発
    泡促進用曲げ部によって構成されている中空構造物にお
    ける中空室遮断具。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の中空構造物における中
    空室遮断具において、発泡促進手段は、発泡性基材の肉
    厚を軽減するようにしてその発泡性基材の表面に凹設さ
    れた発泡促進用凹部によって構成されている中空構造物
    における中空室遮断具。
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Cited By (5)

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