JP2000049417A - 半導体発光素子およびその素子を組み込んだ半導体発光装置ならびにそれらの製造方法 - Google Patents
半導体発光素子およびその素子を組み込んだ半導体発光装置ならびにそれらの製造方法Info
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Abstract
半導体レーザ素子および半導体レーザ装置ならびにそれ
らの製造方法を提供する。 【解決手段】 端面から光を出射する帯状の発光部がモ
ノリシックにかつ複数並列に配置された半導体発光素子
であって、前記発光部の構造が相互に異なり、前記発光
部の構造が設計値または設計値に最も近似した値になる
発光部が半導体発光素子の中央または中央側に位置して
使用される構造になっている。前記各発光部は相互に波
長が異なり、その波長の違いは前記発光部の幅の違い,
前記発光部の厚さの違い,前記発光部に沿って設けられ
る回折格子周期の違いのうちの1の構成または前記複数
の構成を組み合わせた構成の採用によって得ている。前
記発光部は半導体レーザを構成している。
Description
びその素子を組み込んだ半導体発光装置ならびにそれら
の製造方法に係わり、たとえば設計波長に波長を一致ま
たは高精度に近似させることができる半導体レーザ素子
およびその半導体レーザ素子を組み込んだ半導体レーザ
装置の製造技術に適用して有効な技術に関する。
ムにおいて、波長が異なる複数の半導体レーザ装置が使
用される。波長多重方式に使用される半導体発光素子に
ついては、特開平7-226563号公報に記載されている。こ
の文献には、静特性, 動特性が均一でかつ発振波長が異
なる複数の分布帰還型半導体レーザ(DFB−レーザダ
イオード:DFB−LD),分布ブラッグ反射型半導体
レーザ(DBR−レーザダイオード:DBR−LD)に
ついて記載されている。
会学術講演会予稿集(春季)」No.329p-PA-7には、選択
成長による波長高均一DFBレーザについて記載されて
いる。この文献には、狭幅選択成長によりメサストライ
プの作成を行うと、選択成長領域幅が狭いほど膜厚が大
きくなるために等価屈折率のバラツキが小さくなり、活
性層幅に依存する発振波長のバラツキが小さくなる旨記
載されている。標準偏差の実測値は0.24nmであ
る。
用する複数の半導体レーザ装置の波長は、それぞれが絶
対的であることが望まれる。すなわち、波長分割多重で
の伝送精度向上のためには、各半導体レーザ装置のレー
ザ光の波長は、設計値と一致または最も設計値と近似し
ていることが望ましい。換言するならば、レーザ光のバ
ラツキは小さい程よい。
部の幅)で変わる。WDM対応のDFB−LDは高い波
長制御性が必要であるが、波長の制御(ストライプ幅の
制御)は難しい。
に幅が少しずつ違うストライプを作製し、波長測定後に
実際に使用するストライプを決定すれば、波長制御性を
向上させることができることに気が付き本発明をなし
た。
たは近似する値にすることができる半導体発光素子およ
び半導体発光装置ならびにこれらの製造方法を提供する
ことにある。
は近似する波長を有する半導体レーザ素子およびその製
造方法と、前記半導体レーザ素子を組み込んだ半導体レ
ーザ装置およびその製造方法を提供することにある。
対する半導体レーザ装置の製造歩留りを向上できる半導
体レーザ装置の製造方法を提供することにある。本発明
の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細
書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。 (1)端面から光を出射する帯状の発光部がモノリシッ
クにかつ複数並列に配置された半導体発光素子であっ
て、前記発光部の構造が相互に異なり、前記発光部の構
造が設計値または設計値に最も近似した値になる発光部
が半導体発光素子の中央または中央側に位置して使用さ
れる構造になっている。前記各発光部は相互に波長が異
なり、その波長の違いは前記発光部の幅の違い,前記発
光部の厚さの違い,前記発光部に沿って設けられる回折
格子周期の違いのうちの1の構成または前記複数の構成
を組み合わせた構成の採用によって得ている。前記発光
部は半導体レーザを構成している。
法によって製造される。半導体基板を用意した後前記半
導体基板の主面に端面からそれぞれ光を出射する帯状の
相互に構造が異なる発光部を複数並列にかつ配列方向に
沿って繰り返して配列するパターンで形成する工程と、
前記各発光部を測定して設計値と一致または最も設計値
と近似している構造を有する発光部が中央または中央寄
りになるように前記半導体基板を分断して半導体発光素
子を製造する。前記発光部は半導体レーザであり、前記
各発光部から出射されるレーザ光の波長を相互に異なる
ようにするために前記各発光部の形成においては、各発
光部の幅を変えて形成する手法,各発光部の厚さを変え
て形成する手法,各記発光部に沿って設ける回折格子の
周期を変えて形成する手法のうちのいずれかの手法また
は複数の手法の組み合わせの手法によって形成し、その
後前記各発光部のレーザ光の波長の違いをレーザ光の直
接測定または波長に相関のある部位の測定によって検出
し、設計値と一致または最も設計値と近似している構造
を有する発光部を使用発光部と決定する。
がモノリシックにかつ複数並列に配置された半導体発光
素子であって、前記発光部の構造が相互に異なり、前記
発光部の構造が設計値または設計値に最も近似した値に
なる発光部のみが発光または最も良好に発光するように
電極が設けられている。前記発光部の構造が設計値また
は設計値に最も近似した値になる発光部が半導体発光素
子の中央または中央側に位置している。前記発光部は前
記手段(1)の構成と同様に半導体レーザとなり、かつ
前記各発光部は相互に波長が異なり、その波長の違いは
前記発光部の幅の違い,前記発光部の厚さの違い,前記
発光部に沿って設けられる回折格子周期の違いのうちの
1の構成または前記複数の構成を組み合わせた構成の採
用によって得ている。
法によって製造される。半導体発光素子の製造方法であ
って、1素子分の面積の中に複数個の発光部を製造し、
前記各発光部の特性を測定した後に実際に使用する発光
部を決定する。半導体基板を用意した後前記半導体基板
の主面に端面からそれぞれ光を出射する帯状の相互に構
造が異なる発光部を複数並列にかつ配列方向に沿って繰
り返して配列するパターンで形成する工程と、前記各発
光部を測定して設計値と一致または最も設計値と近似し
ている構造を有する発光部のみが発光するように電極を
形成する工程と、前記半導体基板を分割して矩形の半導
体発光素子を製造する。
がモノリシックにかつ複数並列に配置された半導体発光
素子であって、前記発光部の構造が相互に異なり、前記
発光部は半導体レーザを構成し、前記半導体レーザは、
第1導電型の半導体基板と、この半導体基板上に順次積
層された第1導電型の導波層,活性層,第2導電型の導
波層,第2導電型のクラッド層を有し、かつ前記クラッ
ド層の一端は前記端面よりも内側に引っ込み、この引っ
込みの長さは各発光部で異なり、前記引っ込みの長さが
設計値または設計値に最も近似した値になる発光部が使
用発光部となっている。前記使用発光部が半導体発光素
子の中央または中央側に位置している。
法によって製造される。半導体基板を用意した後前記半
導体基板の主面に端面からそれぞれ光を出射する帯状の
相互に構造が異なる発光部を複数並列にかつ配列方向に
沿って繰り返して配列するパターンで形成する工程と、
前記各発光部を測定して設計値と一致または最も設計値
と近似している構造を有する発光部を使用発光部とする
工程とを有する半導体発光素子の製造方法であって、前
記各発光部を構成する半導体レーザは、第1導電型の半
導体基板上に順次積層された第1導電型の導波層,活性
層,第2導電型の導波層,第2導電型のクラッド層を有
し、前記クラッド層の一端は前記端面よりも内側に引っ
込ませる構造であり、前記各発光部の前記引っ込みの位
置を相互に異なるように形成しておき、前記帯状の発光
部に直交する方向の前記半導体基板の劈開後に、前記引
っ込みの長さを測定して、設計値または設計値に最も近
似した値の引っ込みの長さを有する発光部を使用発光部
とする。前記使用発光部は半導体発光素子の中央または
中央側に位置するように前記半導体基板の分断を行う。
配置された半導体発光素子と、前記半導体発光素子の発
光部の光を出射する出射面に先端が臨みかつ他端が前記
パッケージの外に突出する光ファイバとを有する半導体
発光装置であって、前記半導体発光素子には端面から光
を出射する帯状の発光部が複数並列に配置され、前記複
数の発光部のうちの一つの発光部に前記光ファイバが光
学的に接続され、他の発光部は光ファイバに接続されて
いない。前記半導体発光素子として前記手段(1)乃至
手段(3)のうちのいずれかの半導体発光素子が組み込
まれている。
法によって製造される。パッケージ内に半導体発光素子
を固定する工程と、前記パッケージの内外に亘って延在
するように固定される光ファイバの先端を前記半導体発
光素子の発光部の出射面に臨むように位置決め固定する
工程とを有する半導体発光装置の製造方法であって、前
記手段(1)乃至手段(3)のうちのいずれかの半導体
発光素子の製造方法によって製造された半導体発光素子
を前記パッケージ内に固定する。
発光素子の製造において、相互に波長が異なる発光部
(半導体レーザ)をモノリシックに複数並列に半導体基
板に形成した後、各発光部を測定して設計値と一致また
は最も設計値と近似している構造を有する発光部を決定
し、その後この発光部が中央または中央寄りになるよう
に前記半導体基板を分断することによって半導体発光素
子を製造することから、設計値または設計値に高精度に
近似した波長のレーザ光を出射する半導体発光素子とな
り、波長分割多重型光伝送システムの発光源としての半
導体レーザを構成することができる。
かつ狭い波長域で変化させておくことによって、狭い波
長スペックに対する半導体発光素子(半導体レーザ)を
提供することができる。たとえば、発光部(光導波路)
の幅が0.1μm異なると、波長(発振波長)は約0.
8nm変化する。また、ワイヤを接続する電極パッドの
大きさを80μm角とした場合、300〜400μm幅
の半導体発光素子(チップ)の場合では、光導波路を形
成するためのメサストライプは4本形成できる。したが
って、発振波長を±0.4nmで制御することができる
ことになる。
または中央寄りになっていることから、半導体発光装置
のパッケージ内に組み込んで光ファイバと光学的に接続
する際、光学的接続がし易い。
(1)の構成による効果に加えて、電極が使用発光部の
みを発光させる構造では、より多数本の発光部(半導体
レーザ)を形成できるため、半導体レーザの波長域の分
布幅を広くすることができ、波長変化をより小さくで
き、波長制御性を高めることができる。本構造では、ワ
イヤを接続する電極パッドの大きさを80μm角とした
場合、300〜400μm幅の半導体発光素子(チッ
プ)の場合でも、光導波路を形成するためのメサストラ
イプは4本よりも多くすることができる。たとえば、
0.05μmずつ幅の異なるストライプパターンのホト
マスクを使用すれば、メサストライプ幅の制御性(発振
波長の制御性)を0.025μm以下にすることも可能
になる。
けた構造では、レーザ光の発光特性が良好になる。
(1)の効果に加えて、クラッド層の一端が半導体発光
素子の端面よりも内側に引っ込む構造の半導体レーザで
は、その製造における半導体基板の劈開時に劈開位置が
ばらついても、何処か一か所の発光部の引っ込みの長さ
は設計値または設計値に最も近似した値になることか
ら、この部分を使用発光部とする方法では、端面からの
戻り光の低減ができるとともに、光出力の遠視野像形状
を良好にすることができる。たとえば、この方法によれ
ば劈開後の前記引っ込みの長さを20±5μmに制御す
ることができる。
(1)乃至(3)のいずれかの手段の半導体発光素子と
光ファイバが光学的に接続された構造になっていること
から、光ファイバと発光部との光学的な接続は、発光部
の構造が設計値と一致または最も設計値と近似している
構造の発光部に接続されることになり、特性の良好な半
導体発光装置を高歩留りで製造することができる。
施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を
説明するための全図において、同一機能を有するものは
同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
実施形態(実施形態1)である半導体発光素子および半
導体発光装置に係わる図である。
ーザ装置)1は、図2に示すように、パッケージ本体2
と蓋体3とで構成されるパッケージ4と、このパッケー
ジ4の内外に亘って延在する光ケーブル5とを有する構
造になっている。
6が配列されている。これらリード6はパッケージ本体
2の内外に亘って延在している。
サブマウント7を介して半導体発光素子10が固定され
ている。この半導体発光素子10は、図1にも示すよう
に、本実施形態1では半導体レーザを構成し、複数の発
光部11を有している。半導体発光素子10において
は、上部にそれぞれ上部電極12が設けられ、下部に下
部電極13が設けられている。上部電極12は、前記各
発光部11にそれぞれ対応して設けられている。本実施
形態1では発光部11は4本であり、したがって、上部
電極12も4個独立して設けられている。
接合材14を介して固定されている。また、サブマウン
ト7も熱伝導性の良好な接着材15を介してパッケージ
本体2に固定されている。
態に設けられたガイドパイプ20に挿入されるとともに
図示しない接合材で固定されている。光ケーブル5の先
端部分はアイソレータ21に光学的に接続されている。
このアイソレータ21と前記半導体発光素子10との間
にはレンズ22が配置されている。半導体発光素子10
の中央寄りの一つの発光部11から発光される光(レー
ザ光)16がレンズ22,アイソレータ21を順次通っ
て光ケーブル5の中心に位置する図示しない光ファイバ
に取り込まれるようになっている。
25を介して受光素子26が固定されている。半導体発
光素子10および受光素子26の各電極は、それぞれ導
電性のワイヤ27を介して各リード6に電気的に接続さ
れている。すなわち、半導体発光素子10の上部電極1
2は直接ワイヤ27が接続され、下部電極13はサブマ
ウント7に接続されたワイヤ27によってリード6と電
気的接続が取られている。また、受光素子26の上部の
電極は直接接続されるワイヤ27によってリード6と電
気的接続が取られ、下部の電極はサブマウント25に接
続されるワイヤ27によってリード6と電気的接続が取
られている。
面構造になっている。図3は半導体発光素子10の一つ
の発光部11部分を示す図であり、半導体基板30の主
面に活性層を含む多層の半導体層が設けられ、上部に上
部電極12,下部に下部電極13が設けられた構造にな
っている。
基板30となり、このn−InP基板30上にn−In
GaAsP導波層31,InGaAsP/InGaAs
P歪MQW活性層32,p−InGaAsP導波層3
3,p−InPクラッド層34,p−InGaAsコン
タクト層35と順次積層されている。p−InGaAs
コンタクト層35およびp−InPクラッド層34は選
択的にエッチング除去され、メサストライプからなる発
光部11が形成されている。また、メサストライプ以外
の部分のp−InGaAsコンタクト層35,p−In
Pクラッド層34およびp−InGaAsP導波層33
は絶縁膜36で覆われている。そして、前記上部電極1
2はメサストライプ部分の表面のp−InGaAsコン
タクト層35と電気的に接触する構造になる。
電圧を印加すると、p−InPクラッド層34に対応す
るInGaAsP/InGaAsP歪MQW活性層32
およびその上下のp−InGaAsP導波層33,n−
InGaAsP導波層31が光導波路となってレーザ発
振が行われる。そして、半導体発光素子10の端面、す
なわちn−InP基板30の劈開による劈開面が出射面
となってレーザ光が出射される。
ては、発光部11は4本並列に設けられているが、メサ
ストライプ幅(W)をそれぞれ等差級数的に異なるよう
にしてある。図5は半導体発光素子10の製造途中の斜
視図であるが、4本の発光部11のメサストライプ幅
(Wn)を、たとえば、1.9μm,2.0μm,2.
1μm,2.2μmと相互に異なるようにしてある。
(チップ)10の場合では、ワイヤ27を接続する電極
パッドの大きさを80μm角とした場合、光導波路を形
成するためのメサストライプ(発光部11)は4本形成
できる。
波長(λ)との相関を示すグラフである。同グラフから
も分かるように、発光部(光導波路)を構成するメサス
トライプの幅が0.1μm異なると、発振波長は約0.
8nm変化する。したがって、設計値(設計波長)をこ
れら波長域の略中間の数値に設定して半導体発光素子1
0の製造を行えば4本のうちのいずれかの発光部11の
波長が設計波長と一致するかまたは近似することにな
る。この手法によれば、メサストライプの幅、すなわち
発振波長を±0.4nmで制御することができることに
なる。
造方法によって形成された短冊状の半導体基板30の模
式的平面図である。メサストライプA1〜メサストライ
プA4がメサストライプの配列方向に沿って繰り返すよ
うに配置されている。そこで、各メサストライプ(発光
部11)から出射されるレーザ光の波長を測定し、設計
値に最も近似する波長の発光部11を使用発光部40と
して特定する。
A3であったとすると、1チップサイズ41は、図4に
示す太い線による枠部分であることから、ヘキ開位置と
してAを選択して劈開を行い、図1に示すような半導体
発光素子10を製造する。使用発光部40がメサストラ
イプA3,メサストライプA4の場合は劈開はヘキ開位
置Aが選択され、使用発光部40がメサストライプA
1,メサストライプA2の場合は劈開はヘキ開位置Bが
選択される。メサストライプA1(メサストライプA
3)とメサストライプA2(メサストライプA4)の間
隔は数十μmと接近している。なお、使用発光部40が
中央になるようにヘキ開位置を選択することも可能であ
る。
ついて要約説明する。半導体基板30を用意した後、前
記半導体基板30主面に端面からそれぞれ光(レーザ
光)16を出射する帯状の相互に構造が異なる発光部1
1(メサストライプ)を複数(4本)並列にかつ配列方
向に沿って繰り返して配列するパターンで形成する。
合は波長を測定して設計値と一致または最も設計値と近
似している構造を有する発光部11が半導体発光素子1
0の中央または中央寄りになるように前記半導体基板3
0を分断(劈開)して半導体発光素子10を製造する。
波長を相互に異なるようにするために前記各発光部11
の形成においては、発光部11、すなわちメサストライ
プの幅を4段階等差級数的に変化させて形成する。
手法としては、本実施形態1のように各発光部の幅を変
えて形成する手法,各発光部の厚さを変えて形成する手
法,各記発光部に沿って設ける回折格子の周期を変えて
形成する手法や、前記各手法のうちのいくつかを組み合
わせた手法が考えられる。
る。 (1)半導体レーザ構造の半導体発光素子10の製造に
おいて、相互に波長が異なる発光部11(メサストライ
プ)をモノリシックに複数並列に半導体基板30に形成
した後、各発光部11を測定して設計値と一致または最
も設計値と近似している構造を有する発光部11を決定
(使用発光部40)し、その後この使用発光部40が半
導体発光素子10の中央または中央寄りになるように前
記半導体基板30を分断することによって半導体発光素
子10を製造することから、設計値または設計値に高精
度に近似した波長のレーザ光を出射する半導体発光素子
となり、波長分割多重型光伝送システムの発光源として
の半導体レーザを構成することができる。
的にかつ狭い波長域で変化させておくことによって、狭
い波長スペックに対する半導体発光素子10を提供する
ことができる。たとえば、発光部(光導波路)の幅が
0.1μm異なると、波長(発振波長)は約0.8nm
変化する。また、ワイヤを接続する電極パッドの大きさ
を80μm角とした場合、300〜400μm幅の半導
体発光素子(チップ)の場合では、光導波路を形成する
ためのメサストライプは4本形成できる。したがって、
発振波長を±0.4nmで制御することができることに
なる。
0の中央寄りになっていることから、半導体発光装置1
のパッケージ4内に組み込んで光ファイバと光学的に接
続する際、光学的接続がし易い。
の実施形態(実施形態2)である半導体発光素子(半導
体レーザ素子)の製造に係わる図であって、図7は選択
成長用の絶縁マスクを設けた半導体基板を示す模式的斜
視図、図8は選択成長によってストライプ状の多層成長
層を複数設けた半導体基板を示す模式的斜視図、図9は
電極を設けた半導体基板を示す模式的斜視図である。
絶縁膜の幅の違いによって、前記絶縁膜間に成長させる
半導体層の厚さを変化させることができる。すなわち、
本実施形態2は前述の各発光部の活性層の厚さを変えて
形成する手法を採用した例である。
主面に平行に延在する2本の絶縁マスク(SiO2 膜)
45を並列に4組形成する。マスク間隔Wgは20μm
とし、マスク幅Wmを20μm,21μm,22μm,
23μmと変化させる。
法を用いて前記実施形態1の場合と同様にn−InGa
AsP導波層31,InGaAsP/InGaAsP歪
MQW活性層(多重量子井戸層)32,p−InGaA
sP導波層33,p−InPクラッド層34,p−In
GaAsコンタクト層35を順次積層形成するとともに
メサエッチングを行う4本の発光部11を形成する(図
8参照)。
波層,多重量子井戸層はマスク幅Wmが広い程厚くな
る。これによって4本の発光部11の波長を相互に変化
させることができる。
るレーザ光の波長を測定し、設計値と一致または最も設
計値と近似している構造を有する発光部11が半導体発
光素子10の中央または中央寄りになるように前記半導
体基板30を劈開して半導体発光素子10を製造する。
く、DFB−LDを製造する場合には、前記半導体基板
30上に公知の方法でグレーティング(回折格子)を形
成しする。グレーティングの周期は、たとえば240n
mとする。
場合と同様に波長制御性を向上させることができる。
形態(実施形態3)である半導体発光素子(半導体レー
ザ素子)の製造に係わる模式図である。本実施形態3で
は、各発光部に沿って設ける回折格子の周期を変えて波
長を変える手法を採用した例である。
の主面に電子線描画によって周期が240〜240.3
まで0.1nmづつ周期の異なる回折格子を形成し、そ
れぞれの回折格子上に1.5μm帯の半導体レーザ(発
光部11)を製造する。
4にメサストライプB1〜メサストライプB4を形成
し、それぞれ波長が0.6nmづつ異なるレーザ光を発
振させるようにする。
に、各発光部11の端面から出射されるレーザ光の波長
を測定し、設計値と一致または最も設計値と近似してい
る構造を有する発光部11が半導体発光素子10の中央
または中央寄りになるように前記半導体基板30を劈開
して半導体発光素子10を製造する。
展開させてあるが、メサストライプに直交する方向の劈
開を行って、前記実施形態1と同様な短冊構造とし、そ
の後使用発光部を決定した後、再びn−InP基板30
を分断して半導体発光素子10を製造するものである。
形態(実施形態4)である半導体発光素子(半導体レー
ザ素子)の製造に係わる図である。同図は半導体発光素
子の製造における半導体基板と電極窓開け用ホトマスク
とを示す模式的平面図である。
は、ワイヤを接続する電極パッドの大きさを80μm角
以上とすると、300〜400μm幅のチップ内には4
本よりも多い本数のメサストライプを作製することは難
しい。そこで、本実施形態4では、使用発光部と決定さ
れた発光部にのみ電極(上部電極)を設ける手法を採用
して、メサストライプの数をさらに増大させ、メサスト
ライプ幅の制御性をさらに高める例である。
において、上部電極を形成するための電極窓開け工程に
ついて説明する。図11に示すように、電極窓開け用ホ
トマスク50の電極窓51は、各半導体発光素子に対し
て1本とする構造になっている。したがって、前記電極
窓開け用ホトマスク50を用いて電極窓51を形成し、
その後図示はしないが上部電極12を形成する。前記電
極窓51の位置は、各メサストライプ(発光部11)の
幅の測定を行って、その幅が設計値と一致または最も設
計値と近似している構造を有するメサストライプを使用
発光部と決定し、この使用発光部上に前記電極窓51が
合うように電極窓開け用ホトマスク50をn−InP基
板30に対して位置決めして電極窓51を形成する。
トライプパターンの電極窓開け用ホトマスク50を使用
し、メサストライプ(メサストライプC1〜メサストラ
イプC6)の形成後、各メサストライプ幅を測定して、
使用するメサストライプを決定すれば、メサストライプ
幅の制御性を0.025μm以下にすることができる。
形態(実施形態5)である半導体レーザ素子の製造状態
を示す一部の断面図、図13は半導体レーザ素子の製造
における半導体基板と電極窓開け用ホトマスクとを示す
模式的平面図である。
る構造、すなわち発光に関与する電極のコンタクト部が
相互にコンタクト層に対して接触位置を変える構造の例
であり、上部電極のコンタクト部の位置を順次ずらすよ
うに形成し、コンタクト層の中央にコンタクト部が一致
あるいは高精度に近似した発光部を使用発光部として使
用する例である。上部電極のコンタクト部分がコンタク
ト層の中央部分に位置せず、大きくずれると給電分布が
変化して発光特性がばらつく。
半導体基板(n−InP基板)30の4本のメサストラ
イプ(メサストライプD1〜メサストライプD4)に対
して、電極窓開け用ホトマスク55を用いてメサストラ
イプ上に上部電極のコンタクト部を形成する。
−InP基板30上に電極窓開け用ホトマスク55を位
置合わせする。メサストライプのピッチはaと一定であ
るが、電極窓形成用透過ストライプ56(電極窓形成用
透過ストライプS1〜電極窓形成用透過ストライプS
4)のピッチbは、寸法aを中心にeずつ変化し、ピッ
チbは等差級数的に変化する構成になっている。したが
って、4本のメサストライプの間隔は(a−e),a,
(a+e)となり、この単位パターン間のメサストライ
プとの間の間隔はaとなっている。
5μmとし、電極窓形成用透過ストライプ56の幅Wh
を1.5μmとし、eを0.5μmとする。
造と同様であり、メサストライプ後のn−InP基板3
0上には全域に亘って絶縁膜36が形成されている。こ
の絶縁膜36を選択的にエッチングして電極窓を形成す
る。
n−InP基板30の上面全域、すなわち前記絶縁膜3
6上にホトレジスト膜57を形成した後、電極窓開け用
ホトマスク55を位置決めして重ね、その後露光して光
58によってホトレジスト膜57を選択的に感光させ
る。
てエッチングマスクとした後、図12(b)に示すよう
に、前記ホトレジスト膜57をマスクとして絶縁膜36
のエッチングを行って電極窓60を形成する。電極窓形
成用透過ストライプ56の幅通りの幅で露光,現像,エ
ッチングが行われたとすると、電極窓60の幅はWhと
なる。
すように上部電極12を形成する。半導体発光素子を形
成する領域内の合わせ位置が微妙に異なる電極窓開け用
ホトマスク55によって、電極窓60を形成することか
ら、4本の電極窓60においては、いずれかの電極窓6
0がp−InGaAsコンタクト層35の中央、または
近似した位置に形成されることになる。ここではいずれ
かの電極窓60はメサストライプS3となる。そして、
両脇のメサストライプS1,S3でのコンタクト部の幅
はa,cとなり、いずれもWhよりも狭くなる。前記e
の数値によっては、いずれのコンタクト部の幅も等し
く、単に偏るだけの場合もある。
置を検査し、コンタクト部がp−InGaAsコンタク
ト層35の中央側に位置する発光部11を使用発光部4
0と決定し、この使用発光部40であるメサストライプ
S3が中央または中央側に位置するようにn−InP基
板30を切断する。これにより半導体発光素子を製造す
ることができる。
置が異なる電極窓形成用透過ストライプ56を4本有す
る電極窓開け用ホトマスク55を用いて上部電極12の
コンタクト部を形成することから、電極のコンタクト部
の形成精度は1/4になる。すなわち、0.5μm以下
の合わせ精度で上部電極12のコンタクト部を形成する
ことができ、前記コンタクト部を幅の狭いp−InGa
Asコンタクト層35の中央寄りに形成することがで
き、発光特性の高い半導体発光素子(半導体レーザ)を
製造することができる。
の他の実施形態(実施形態6)である半導体発光素子
(半導体レーザ素子)に係わる図であり、図14は半導
体レーザ素子を示す模式的斜視図、図15は図14のA
−A線に沿う断面図、図16は図14のB−B線に沿う
一部の断面図、図17は半導体レーザ素子の製造におけ
る劈開前の半導体基板を示す模式的平面図、図18は半
導体レーザ素子のレーザ光出射面部分での光の挙動を説
明する模式図である。
レーザ)の出射面(端面)からの戻り光の抑制と光出力
の遠視野像形状の適正化を図るために窓構造を設ける半
導体レーザの製造に本発明を適用した例である。
(半導体レーザ)10の斜視図、図15および図16は
断面図である。この半導体レーザは、前記実施形態1の
半導体レーザの構造において、一方の出射面(端面)側
で、p−InPクラッド層34を除去してp−InGa
AsP導波層33を露出させた構造になっている。この
露出部分は絶縁膜36によって覆われている。このよう
な窓構造70にすることによって戻り光の抑制と光出力
の遠視野像形状の適正化を図ることができる。
射率を低減するために用いる。出射面71付近でのp−
InPクラッド層34の厚さが薄くなると矢印で示す光
の閉じ込めが弱くなり、光は広がる。広がった光の反射
光は光導波路(活性層32および導波層32,33)に
戻れないので、実効的な端面反射率は小さくなる。端面
(出射面)71と窓先端との距離Lが短いと窓構造によ
る反射率低減効果が小さく、距離が長くなると多重反射
により出射パターン(遠視野像)が乱れる。したがっ
て、出射面と窓先端との距離Lは、たとえば、20±5
μm程度としたい。
n−InP基板30にメサストライプT1〜メサストラ
イプT4を1単位パターンとして配列方向に沿って繰り
返して配列するパターンで形成する。また、メサストラ
イプは2素子分の長さとなっている。そして、1単位パ
ターンのメサストライプは順次その延在方向に沿ってず
れたパターンになり、1本のメサストライプの中間部分
でのn−InP基板30の劈開と、1単位パターンのメ
サストライプの端部分での劈開によって、半導体レーザ
の両端の出射面を形成するようになっている。
17に示すように、ヘキ開位置P1〜ヘキ開位置P3の
ようにいずれかの位置、あるいは他の位置で劈開され
る。すなわち、劈開はn−InP基板30の端に設けた
V字状のノッチ部分(図示せず)に外力を加えて行うた
め、ヘキ開位置は大きくばらつく、このバラツキは15
μm程度にもなる。
ライプを配置形成しておけば、短冊状にした素子が1並
びになった状態では、前記出射面と窓先端との距離Lを
測定することによって、4本のメサストライプのうちの
いずれかのメサストライプの前記Lは、各メサストライ
プのずれ量を10μm程度にすれば、設計値である20
±5μm以内のものを製造することができる。そこで、
前記各実施形態と同様に設計値を満足する発光部11を
使用発光部40として、短冊状のn−InP基板30を
切断して、図14に示すような半導体発光素子10を製
造する。
出力の遠視野像形状の適正化を図ることができる窓構造
半導体レーザを高品質にかつ高歩留りで製造することが
できる。
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえ
ば、端面発光型の発光ダイオードの製造にも適用でき前
記同様の効果を奏することができる。本発明は少なくと
も半導体発光素子の製造技術には適用できる。
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。 (1)半導体発光素子の製造において、相互に波長が異
なる発光部(半導体レーザ)をモノリシックに複数並列
に半導体基板に形成した後、各発光部を測定して設計値
と一致または最も設計値と近似している構造を有する発
光部を決定し、その後この発光部が中央または中央寄り
になるように前記半導体基板を分断することによって半
導体発光素子を製造することから、設計値または設計値
に高精度に近似した波長のレーザ光を出射する半導体発
光素子となり、波長分割多重型光伝送システムの発光源
としての半導体レーザを構成することができる。 (2)前記各発光部の波長を等差級数的にかつ狭い波長
域で変化させておくことによって、狭い波長スペックに
対する半導体発光素子(半導体レーザ)を提供すること
ができる。 (3)使用発光部は半導体発光素子の中央または中央寄
りになっていることから、半導体発光装置のパッケージ
内に組み込んで光ファイバと光学的に接続する際、光学
的接続がし易い。
構造では、より多数本の発光部(半導体レーザ)を形成
できるため、半導体レーザの波長域の分布幅を広くする
ことができ、波長変化をより小さくでき、波長制御性を
高めることができる。 (5)前記(4)において、最も良好に発光するように
電極を設けた構造では、レーザ光の発光特性が良好にな
る。 (6)窓構造を有する半導体レーザの場合では、その製
造における半導体基板の劈開時に劈開位置がばらついて
も、何処か一か所の窓構造の出射面と窓先端との距離L
を設計値以内にすることができ、この部分を使用発光部
とすることによって戻り光の抑制と光出力の遠視野像形
状の適正化が図れる半導体レーザを得ることができる。
体レーザ装置の一部を示す拡大斜視図である。
模式的平面図である。
断面図である。
て1素子領域に複数の光導波路を形成した半導体基板の
模式的平面図である。
ある。
ラフである。
導体レーザ素子の製造において選択成長用の絶縁マスク
を設けた半導体基板を示す模式的斜視図である。
て選択成長によってストライプ状の多層成長層を複数設
けた半導体基板を示す模式的斜視図である。
て電極を設けた半導体基板を示す模式的斜視図である。
半導体レーザ素子の製造において周期の異なるグレーテ
ィングを複数形成した半導体基板を示す模式的平面図で
ある。
半導体レーザ素子の製造における半導体基板と電極窓開
け用ホトマスクとを示す模式的平面図である。
半導体レーザ素子の製造状態を示す一部の断面図であ
る。
ける半導体基板と電極窓開け用ホトマスクとを示す模式
的平面図である。
半導体レーザ素子を示す模式的斜視図である。
る。
ける劈開前の半導体基板を示す模式的平面図である。
出射面部分での光の挙動を説明する模式図である。
4…パッケージ、5…光ケーブル、6…リード、7…サ
ブマウント、10…半導体発光素子、11…発光部、1
2…上部電極、13…下部電極、14…接合材、15…
接着材、16…光(レーザ光)、20…ガイドパイプ、
21…アイソレータ、22…レンズ、25…サブマウン
ト、26…受光素子、27…ワイヤ、30…n−InP
基板、31…n−InGaAsP導波層、32…InG
aAsP/InGaAsP歪MQW活性層、33…p−
InGaAsP導波層、34…p−InPクラッド層、
35…p−InGaAsコンタクト層、36…絶縁膜、
40…使用発光部、41…1チップサイズ、45…絶縁
マスク、50…電極窓開け用ホトマスク、51…電極
窓、60…電極窓、70…窓構造、71…出射面。
Claims (16)
- 【請求項1】 端面から光を出射する帯状の発光部がモ
ノリシックにかつ複数並列に配置された半導体発光素子
であって、前記発光部の構造が相互に異なり、前記発光
部の構造が設計値または設計値に最も近似した値になる
発光部が半導体発光素子の中央または中央側に位置して
使用される構造になっていることを特徴とする半導体発
光素子。 - 【請求項2】 端面から光を出射する帯状の発光部がモ
ノリシックにかつ複数並列に配置された半導体発光素子
であって、前記発光部の構造が相互に異なり、前記発光
部の構造が設計値または設計値に最も近似した値になる
発光部のみが発光または最も良好に発光するように電極
が設けられていることを特徴とする半導体発光素子。 - 【請求項3】 前記発光部の構造が設計値または設計値
に最も近似した値になる発光部が半導体発光素子の中央
または中央側に位置していることを特徴とする請求項2
に記載の半導体発光素子。 - 【請求項4】 前記各発光部は相互に波長が異なり、そ
の波長の違いは前記発光部の幅の違い,前記発光部の厚
さの違い,前記発光部に沿って設けられる回折格子周期
の違いのうちの1の構成または前記複数の構成を組み合
わせた構成の採用によって得ていることを特徴とする請
求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半導体発光
素子。 - 【請求項5】 前記発光部は半導体レーザを構成してい
ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1
項に記載の半導体発光素子。 - 【請求項6】 端面から光を出射する帯状の発光部がモ
ノリシックにかつ複数並列に配置された半導体発光素子
であって、前記発光部の構造が相互に異なり、前記発光
部は半導体レーザを構成し、前記半導体レーザは、第1
導電型の半導体基板と、この半導体基板上に順次積層さ
れた第1導電型の導波層,活性層,第2導電型の導波
層,第2導電型のクラッド層を有し、かつ前記クラッド
層の一端は前記端面よりも内側に引っ込み、この引っ込
みの長さは各発光部で異なり、前記引っ込みの長さが設
計値または設計値に最も近似した値になる発光部が使用
発光部となっていることを特徴とする半導体発光素子。 - 【請求項7】 前記使用発光部が半導体発光素子の中央
または中央側に位置していることを特徴とする請求項6
に記載の半導体発光素子。 - 【請求項8】 半導体発光素子の製造方法であって、1
素子分の面積の中に複数個の発光部を製造し、前記各発
光部の特性を測定した後に実際に使用する発光部を決定
することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項9】 半導体基板を用意した後前記半導体基板
の主面に端面からそれぞれ光を出射する帯状の相互に構
造が異なる発光部を複数並列にかつ配列方向に沿って繰
り返して配列するパターンで形成する工程と、前記各発
光部を測定して設計値と一致または最も設計値と近似し
ている構造を有する発光部のみが発光するように電極を
形成する工程と、前記半導体基板を分割して矩形の半導
体発光素子を製造することを特徴とする半導体発光素子
の製造方法。 - 【請求項10】 半導体基板を用意した後前記半導体基
板の主面に端面からそれぞれ光を出射する帯状の相互に
構造が異なる発光部を複数並列にかつ配列方向に沿って
繰り返して配列するパターンで形成する工程と、前記各
発光部を測定して設計値と一致または最も設計値と近似
している構造を有する発光部が中央または中央寄りにな
るように前記半導体基板を分断して半導体発光素子を製
造することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項11】 前記発光部は半導体レーザであり、前
記各発光部から出射されるレーザ光の波長を相互に異な
るようにするために前記各発光部の形成においては、各
発光部の幅を変えて形成する手法,各発光部の厚さを変
えて形成する手法,各記発光部に沿って設ける回折格子
の周期を変えて形成する手法のうちのいずれかの手法ま
たは複数の手法の組み合わせの手法によって形成し、そ
の後前記各発光部のレーザ光の波長の違いをレーザ光の
直接測定または波長に相関のある部位の測定によって検
出し、設計値と一致または最も設計値と近似している構
造を有する発光部を使用発光部と決定することを特徴と
する請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の半
導体発光素子の製造方法。 - 【請求項12】 半導体基板を用意した後前記半導体基
板の主面に端面からそれぞれ光を出射する帯状の相互に
構造が異なる発光部を複数並列にかつ配列方向に沿って
繰り返して配列するパターンで形成する工程と、前記各
発光部を測定して設計値と一致または最も設計値と近似
している構造を有する発光部を使用発光部とする工程と
を有する半導体発光素子の製造方法であって、前記各発
光部を構成する半導体レーザは、第1導電型の半導体基
板上に順次積層された第1導電型の導波層,活性層,第
2導電型の導波層,第2導電型のクラッド層を有し、前
記クラッド層の一端は前記端面よりも内側に引っ込ませ
る構造であり、前記各発光部の前記引っ込みの位置を相
互に異なるように形成しておき、前記帯状の発光部に直
交する方向の前記半導体基板の劈開後に、前記引っ込み
の長さを測定して、設計値または設計値に最も近似した
値の引っ込みの長さを有する発光部を使用発光部とする
ことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項13】 前記使用発光部は半導体発光素子の中
央または中央側に位置するように前記半導体基板の分断
を行うことを特徴とする請求項12に記載の半導体発光
素子の製造方法。 - 【請求項14】 パッケージと、前記パッケージ内に配
置された半導体発光素子と、前記半導体発光素子の発光
部の光を出射する出射面に先端が臨みかつ他端が前記パ
ッケージの外に突出する光ファイバとを有する半導体発
光装置であって、前記半導体発光素子には端面から光を
出射する帯状の発光部が複数並列に配置され、前記複数
の発光部のうちの一つの発光部に前記光ファイバが光学
的に接続され、他の発光部は光ファイバに接続されてい
ないことを特徴とする半導体発光装置。 - 【請求項15】 請求項1乃至請求項7のうちのいずれ
か1項に記載の半導体発光素子が組み込まれたことを特
徴とする半導体発光装置。 - 【請求項16】 パッケージ内に半導体発光素子を固定
する工程と、前記パッケージの内外に亘って延在するよ
うに固定される光ファイバの先端を前記半導体発光素子
の発光部の出射面に臨むように位置決め固定する工程と
を有する半導体発光装置の製造方法であって、請求項8
乃至請求項13のうちのいずれか1項に記載の半導体発
光素子の製造方法によって製造された半導体発光素子を
前記パッケージ内に固定することを特徴とする半導体発
光装置の製造方法。
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