JP3595167B2 - 半導体発光素子およびその素子を組み込んだ半導体発光装置ならびにそれらの製造方法 - Google Patents
半導体発光素子およびその素子を組み込んだ半導体発光装置ならびにそれらの製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体発光素子およびその素子を組み込んだ半導体発光装置ならびにそれらの製造方法に係わり、たとえば設計波長に波長を一致または高精度に近似させることができる半導体レーザ素子およびその半導体レーザ素子を組み込んだ半導体レーザ装置の製造技術に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
波長分割多重(WDM)型光伝送システムにおいて、波長が異なる複数の半導体レーザ装置が使用される。波長多重方式に使用される半導体発光素子については、特開平7−226563号公報に記載されている。この文献には、静特性, 動特性が均一でかつ発振波長が異なる複数の分布帰還型半導体レーザ(DFB−レーザダイオード:DFB−LD),分布ブラッグ反射型半導体レーザ(DBR−レーザダイオード:DBR−LD)について記載されている。
【0003】
また、応用物理学会発行「’97 応用物理学会学術講演会予稿集(春季)」No.3 29p−PA−7には、選択成長による波長高均一DFBレーザについて記載されている。この文献には、狭幅選択成長によりメサストライプの作成を行うと、選択成長領域幅が狭いほど膜厚が大きくなるために等価屈折率のバラツキが小さくなり、活性層幅に依存する発振波長のバラツキが小さくなる旨記載されている。標準偏差の実測値は0.24nmである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
波長分割多重方式に使用する複数の半導体レーザ装置の波長は、それぞれが絶対的であることが望まれる。すなわち、波長分割多重での伝送精度向上のためには、各半導体レーザ装置のレーザ光の波長は、設計値と一致または最も設計値と近似していることが望ましい。換言するならば、レーザ光のバラツキは小さい程よい。
【0005】
DFB−LDの波長はストライプ幅(発光部の幅)で変わる。WDM対応のDFB−LDは高い波長制御性が必要であるが、波長の制御(ストライプ幅の制御)は難しい。
【0006】
そこで、本発明者は1素子(チップ)の中に幅が少しずつ違うストライプを作製し、波長測定後に実際に使用するストライプを決定すれば、波長制御性を向上させることができることに気が付き本発明をなした。
【0007】
本発明の目的は、発光部を設計値に一致または近似する値にすることができる半導体発光素子および半導体発光装置ならびにこれらの製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、設計波長に一致または近似する波長を有する半導体レーザ素子およびその製造方法と、前記半導体レーザ素子を組み込んだ半導体レーザ装置およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、狭い波長スペックに対する半導体レーザ装置の製造歩留りを向上できる半導体レーザ装置の製造方法を提供することにある。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
(1)端面から光を出射する帯状の発光部がモノリシックにかつ複数並列に配置された半導体発光素子であって、前記発光部の構造が相互に異なり、前記発光部の構造が設計値または設計値に最も近似した値になる発光部が半導体発光素子の中央または中央側に位置して使用される構造になっている。前記各発光部は相互に波長が異なり、その波長の違いは前記発光部の幅の違い,前記発光部の厚さの違い,前記発光部に沿って設けられる回折格子周期の違いのうちの1の構成または前記複数の構成を組み合わせた構成の採用によって得ている。前記発光部は半導体レーザを構成している。
【0011】
このような半導体発光素子は以下の製造方法によって製造される。半導体基板を用意した後前記半導体基板の主面に端面からそれぞれ光を出射する帯状の相互に構造が異なる発光部を複数並列にかつ配列方向に沿って繰り返して配列するパターンで形成する工程と、前記各発光部を測定して設計値と一致または最も設計値と近似している構造を有する発光部が中央または中央寄りになるように前記半導体基板を分断して半導体発光素子を製造する。前記発光部は半導体レーザであり、前記各発光部から出射されるレーザ光の波長を相互に異なるようにするために前記各発光部の形成においては、各発光部の幅を変えて形成する手法,各発光部の厚さを変えて形成する手法,各記発光部に沿って設ける回折格子の周期を変えて形成する手法のうちのいずれかの手法または複数の手法の組み合わせの手法によって形成し、その後前記各発光部のレーザ光の波長の違いをレーザ光の直接測定または波長に相関のある部位の測定によって検出し、設計値と一致または最も設計値と近似している構造を有する発光部を使用発光部と決定する。
【0012】
(2)端面から光を出射する帯状の発光部がモノリシックにかつ複数並列に配置された半導体発光素子であって、前記発光部の構造が相互に異なり、前記発光部の構造が設計値または設計値に最も近似した値になる発光部のみが発光または最も良好に発光するように電極が設けられている。前記発光部の構造が設計値または設計値に最も近似した値になる発光部が半導体発光素子の中央または中央側に位置している。前記発光部は前記手段(1)の構成と同様に半導体レーザとなり、かつ前記各発光部は相互に波長が異なり、その波長の違いは前記発光部の幅の違い,前記発光部の厚さの違い,前記発光部に沿って設けられる回折格子周期の違いのうちの1の構成または前記複数の構成を組み合わせた構成の採用によって得ている。
【0013】
このような半導体発光素子は以下の製造方法によって製造される。半導体発光素子の製造方法であって、1素子分の面積の中に複数個の発光部を製造し、前記各発光部の特性を測定した後に実際に使用する発光部を決定する。半導体基板を用意した後前記半導体基板の主面に端面からそれぞれ光を出射する帯状の相互に構造が異なる発光部を複数並列にかつ配列方向に沿って繰り返して配列するパターンで形成する工程と、前記各発光部を測定して設計値と一致または最も設計値と近似している構造を有する発光部のみが発光するように電極を形成する工程と、前記半導体基板を分割して矩形の半導体発光素子を製造する。
【0014】
(3)端面から光を出射する帯状の発光部がモノリシックにかつ複数並列に配置された半導体発光素子であって、前記発光部の構造が相互に異なり、前記発光部は半導体レーザを構成し、前記半導体レーザは、第1導電型の半導体基板と、この半導体基板上に順次積層された第1導電型の導波層,活性層,第2導電型の導波層,第2導電型のクラッド層を有し、かつ前記クラッド層の一端は前記端面よりも内側に引っ込み、この引っ込みの長さは各発光部で異なり、前記引っ込みの長さが設計値または設計値に最も近似した値になる発光部が使用発光部となっている。前記使用発光部が半導体発光素子の中央または中央側に位置している。
【0015】
このような半導体発光素子は以下の製造方法によって製造される。半導体基板を用意した後前記半導体基板の主面に端面からそれぞれ光を出射する帯状の相互に構造が異なる発光部を複数並列にかつ配列方向に沿って繰り返して配列するパターンで形成する工程と、前記各発光部を測定して設計値と一致または最も設計値と近似している構造を有する発光部を使用発光部とする工程とを有する半導体発光素子の製造方法であって、前記各発光部を構成する半導体レーザは、第1導電型の半導体基板上に順次積層された第1導電型の導波層,活性層,第2導電型の導波層,第2導電型のクラッド層を有し、前記クラッド層の一端は前記端面よりも内側に引っ込ませる構造であり、前記各発光部の前記引っ込みの位置を相互に異なるように形成しておき、前記帯状の発光部に直交する方向の前記半導体基板の劈開後に、前記引っ込みの長さを測定して、設計値または設計値に最も近似した値の引っ込みの長さを有する発光部を使用発光部とする。前記使用発光部は半導体発光素子の中央または中央側に位置するように前記半導体基板の分断を行う。
【0016】
(4)パッケージと、前記パッケージ内に配置された半導体発光素子と、前記半導体発光素子の発光部の光を出射する出射面に先端が臨みかつ他端が前記パッケージの外に突出する光ファイバとを有する半導体発光装置であって、前記半導体発光素子には端面から光を出射する帯状の発光部が複数並列に配置され、前記複数の発光部のうちの一つの発光部に前記光ファイバが光学的に接続され、他の発光部は光ファイバに接続されていない。前記半導体発光素子として前記手段(1)乃至手段(3)のうちのいずれかの半導体発光素子が組み込まれている。
【0017】
このような半導体発光装置は以下の製造方法によって製造される。パッケージ内に半導体発光素子を固定する工程と、前記パッケージの内外に亘って延在するように固定される光ファイバの先端を前記半導体発光素子の発光部の出射面に臨むように位置決め固定する工程とを有する半導体発光装置の製造方法であって、前記手段(1)乃至手段(3)のうちのいずれかの半導体発光素子の製造方法によって製造された半導体発光素子を前記パッケージ内に固定する。
【0018】
前記(1)の手段によれば、(a)半導体発光素子の製造において、相互に波長が異なる発光部(半導体レーザ)をモノリシックに複数並列に半導体基板に形成した後、各発光部を測定して設計値と一致または最も設計値と近似している構造を有する発光部を決定し、その後この発光部が中央または中央寄りになるように前記半導体基板を分断することによって半導体発光素子を製造することから、設計値または設計値に高精度に近似した波長のレーザ光を出射する半導体発光素子となり、波長分割多重型光伝送システムの発光源としての半導体レーザを構成することができる。
【0019】
(b)前記各発光部の波長を等差級数的にかつ狭い波長域で変化させておくことによって、狭い波長スペックに対する半導体発光素子(半導体レーザ)を提供することができる。たとえば、発光部(光導波路)の幅が0.1μm異なると、波長(発振波長)は約0.8nm変化する。また、ワイヤを接続する電極パッドの大きさを80μm角とした場合、300〜400μm幅の半導体発光素子(チップ)の場合では、光導波路を形成するためのメサストライプは4本形成できる。したがって、発振波長を±0.4nmで制御することができることになる。
【0020】
(c)使用発光部は半導体発光素子の中央または中央寄りになっていることから、半導体発光装置のパッケージ内に組み込んで光ファイバと光学的に接続する際、光学的接続がし易い。
【0021】
前記(2)の手段によれば、前記手段(1)の構成による効果に加えて、電極が使用発光部のみを発光させる構造では、より多数本の発光部(半導体レーザ)を形成できるため、半導体レーザの波長域の分布幅を広くすることができ、波長変化をより小さくでき、波長制御性を高めることができる。本構造では、ワイヤを接続する電極パッドの大きさを80μm角とした場合、300〜400μm幅の半導体発光素子(チップ)の場合でも、光導波路を形成するためのメサストライプは4本よりも多くすることができる。たとえば、0.05μmずつ幅の異なるストライプパターンのホトマスクを使用すれば、メサストライプ幅の制御性(発振波長の制御性)を0.025μm以下にすることも可能になる。
【0022】
また、最も良好に発光するように電極を設けた構造では、レーザ光の発光特性が良好になる。
【0023】
前記(3)の手段によれば、前記手段(1)の効果に加えて、クラッド層の一端が半導体発光素子の端面よりも内側に引っ込む構造の半導体レーザでは、その製造における半導体基板の劈開時に劈開位置がばらついても、何処か一か所の発光部の引っ込みの長さは設計値または設計値に最も近似した値になることから、この部分を使用発光部とする方法では、端面からの戻り光の低減ができるとともに、光出力の遠視野像形状を良好にすることができる。たとえば、この方法によれば劈開後の前記引っ込みの長さを20±5μmに制御することができる。
【0024】
前記(4)の手段によれば、前記手段(1)乃至(3)のいずれかの手段の半導体発光素子と光ファイバが光学的に接続された構造になっていることから、光ファイバと発光部との光学的な接続は、発光部の構造が設計値と一致または最も設計値と近似している構造の発光部に接続されることになり、特性の良好な半導体発光装置を高歩留りで製造することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0026】
(実施形態1)
図1乃至図6は本発明の一実施形態(実施形態1)である半導体発光素子および半導体発光装置に係わる図である。
【0027】
本実施形態1の半導体発光装置(半導体レーザ装置)1は、図2に示すように、パッケージ本体2と蓋体3とで構成されるパッケージ4と、このパッケージ4の内外に亘って延在する光ケーブル5とを有する構造になっている。
【0028】
パッケージ本体2の両側には複数のリード6が配列されている。これらリード6はパッケージ本体2の内外に亘って延在している。
【0029】
また、パッケージ本体2の中央上面には、サブマウント7を介して半導体発光素子10が固定されている。この半導体発光素子10は、図1にも示すように、本実施形態1では半導体レーザを構成し、複数の発光部11を有している。半導体発光素子10においては、上部にそれぞれ上部電極12が設けられ、下部に下部電極13が設けられている。上部電極12は、前記各発光部11にそれぞれ対応して設けられている。本実施形態1では発光部11は4本であり、したがって、上部電極12も4個独立して設けられている。
【0030】
下部電極13はサブマウント7に導電性の接合材14を介して固定されている。また、サブマウント7も熱伝導性の良好な接着材15を介してパッケージ本体2に固定されている。
【0031】
光ケーブル5はパッケージ本体2に貫通状態に設けられたガイドパイプ20に挿入されるとともに図示しない接合材で固定されている。光ケーブル5の先端部分はアイソレータ21に光学的に接続されている。このアイソレータ21と前記半導体発光素子10との間にはレンズ22が配置されている。半導体発光素子10の中央寄りの一つの発光部11から発光される光(レーザ光)16がレンズ22,アイソレータ21を順次通って光ケーブル5の中心に位置する図示しない光ファイバに取り込まれるようになっている。
【0032】
また、パッケージ本体2にはサブマウント25を介して受光素子26が固定されている。半導体発光素子10および受光素子26の各電極は、それぞれ導電性のワイヤ27を介して各リード6に電気的に接続されている。すなわち、半導体発光素子10の上部電極12は直接ワイヤ27が接続され、下部電極13はサブマウント7に接続されたワイヤ27によってリード6と電気的接続が取られている。また、受光素子26の上部の電極は直接接続されるワイヤ27によってリード6と電気的接続が取られ、下部の電極はサブマウント25に接続されるワイヤ27によってリード6と電気的接続が取られている。
【0033】
半導体発光素子10は図3に示すような断面構造になっている。図3は半導体発光素子10の一つの発光部11部分を示す図であり、半導体基板30の主面に活性層を含む多層の半導体層が設けられ、上部に上部電極12,下部に下部電極13が設けられた構造になっている。
【0034】
半導体基板30は、たとえば、n−InP基板30となり、このn−InP基板30上にn−InGaAsP導波層31,InGaAsP/InGaAsP歪MQW活性層32,p−InGaAsP導波層33,p−InPクラッド層34,p−InGaAsコンタクト層35と順次積層されている。p−InGaAsコンタクト層35およびp−InPクラッド層34は選択的にエッチング除去され、メサストライプからなる発光部11が形成されている。また、メサストライプ以外の部分のp−InGaAsコンタクト層35,p−InPクラッド層34およびp−InGaAsP導波層33は絶縁膜36で覆われている。そして、前記上部電極12はメサストライプ部分の表面のp−InGaAsコンタクト層35と電気的に接触する構造になる。
【0035】
前記上部電極12と下部電極13に所定の電圧を印加すると、p−InPクラッド層34に対応するInGaAsP/InGaAsP歪MQW活性層32およびその上下のp−InGaAsP導波層33,n−InGaAsP導波層31が光導波路となってレーザ発振が行われる。そして、半導体発光素子10の端面、すなわちn−InP基板30の劈開による劈開面が出射面となってレーザ光が出射される。
【0036】
本実施形態1の半導体発光素子10においては、発光部11は4本並列に設けられているが、メサストライプ幅(W)をそれぞれ等差級数的に異なるようにしてある。図5は半導体発光素子10の製造途中の斜視図であるが、4本の発光部11のメサストライプ幅(Wn)を、たとえば、1.9μm,2.0μm,2.1μm,2.2μmと相互に異なるようにしてある。
【0037】
300〜400μm幅の半導体発光素子(チップ)10の場合では、ワイヤ27を接続する電極パッドの大きさを80μm角とした場合、光導波路を形成するためのメサストライプ(発光部11)は4本形成できる。
【0038】
図6はメサストライプ幅(Wn)と、発振波長(λ)との相関を示すグラフである。同グラフからも分かるように、発光部(光導波路)を構成するメサストライプの幅が0.1μm異なると、発振波長は約0.8nm変化する。したがって、設計値(設計波長)をこれら波長域の略中間の数値に設定して半導体発光素子10の製造を行えば4本のうちのいずれかの発光部11の波長が設計波長と一致するかまたは近似することになる。この手法によれば、メサストライプの幅、すなわち発振波長を±0.4nmで制御することができることになる。
【0039】
図4は本実施形態1の半導体発光素子の製造方法によって形成された短冊状の半導体基板30の模式的平面図である。メサストライプA1〜メサストライプA4がメサストライプの配列方向に沿って繰り返すように配置されている。そこで、各メサストライプ(発光部11)から出射されるレーザ光の波長を測定し、設計値に最も近似する波長の発光部11を使用発光部40として特定する。
【0040】
図4では使用発光部40はメサストライプA3であったとすると、1チップサイズ41は、図4に示す太い線による枠部分であることから、ヘキ開位置としてAを選択して劈開を行い、図1に示すような半導体発光素子10を製造する。使用発光部40がメサストライプA3,メサストライプA4の場合は劈開はヘキ開位置Aが選択され、使用発光部40がメサストライプA1,メサストライプA2の場合は劈開はヘキ開位置Bが選択される。メサストライプA1(メサストライプA3)とメサストライプA2(メサストライプA4)の間隔は数十μmと接近している。なお、使用発光部40が中央になるようにヘキ開位置を選択することも可能である。
【0041】
ここで、半導体発光素子10の製造方法について要約説明する。半導体基板30を用意した後、前記半導体基板30主面に端面からそれぞれ光(レーザ光)16を出射する帯状の相互に構造が異なる発光部11(メサストライプ)を複数(4本)並列にかつ配列方向に沿って繰り返して配列するパターンで形成する。
【0042】
つぎに、前記各発光部11を測定、この場合は波長を測定して設計値と一致または最も設計値と近似している構造を有する発光部11が半導体発光素子10の中央または中央寄りになるように前記半導体基板30を分断(劈開)して半導体発光素子10を製造する。
【0043】
前記発光部11から出射されるレーザ光の波長を相互に異なるようにするために前記各発光部11の形成においては、発光部11、すなわちメサストライプの幅を4段階等差級数的に変化させて形成する。
【0044】
レーザ光の波長を相互に異なるようにする手法としては、本実施形態1のように各発光部の幅を変えて形成する手法,各発光部の厚さを変えて形成する手法,各記発光部に沿って設ける回折格子の周期を変えて形成する手法や、前記各手法のうちのいくつかを組み合わせた手法が考えられる。
【0045】
本実施形態1によれば、以下の効果を有する。
(1)半導体レーザ構造の半導体発光素子10の製造において、相互に波長が異なる発光部11(メサストライプ)をモノリシックに複数並列に半導体基板30に形成した後、各発光部11を測定して設計値と一致または最も設計値と近似している構造を有する発光部11を決定(使用発光部40)し、その後この使用発光部40が半導体発光素子10の中央または中央寄りになるように前記半導体基板30を分断することによって半導体発光素子10を製造することから、設計値または設計値に高精度に近似した波長のレーザ光を出射する半導体発光素子となり、波長分割多重型光伝送システムの発光源としての半導体レーザを構成することができる。
【0046】
(2)前記各発光部11の波長を等差級数的にかつ狭い波長域で変化させておくことによって、狭い波長スペックに対する半導体発光素子10を提供することができる。たとえば、発光部(光導波路)の幅が0.1μm異なると、波長(発振波長)は約0.8nm変化する。また、ワイヤを接続する電極パッドの大きさを80μm角とした場合、300〜400μm幅の半導体発光素子(チップ)の場合では、光導波路を形成するためのメサストライプは4本形成できる。したがって、発振波長を±0.4nmで制御することができることになる。
【0047】
(3)使用発光部40は半導体発光素子10の中央寄りになっていることから、半導体発光装置1のパッケージ4内に組み込んで光ファイバと光学的に接続する際、光学的接続がし易い。
【0048】
(実施形態2)
図7乃至図9は本発明の他の実施形態(実施形態2)である半導体発光素子(半導体レーザ素子)の製造に係わる図であって、図7は選択成長用の絶縁マスクを設けた半導体基板を示す模式的斜視図、図8は選択成長によってストライプ状の多層成長層を複数設けた半導体基板を示す模式的斜視図、図9は電極を設けた半導体基板を示す模式的斜視図である。
【0049】
選択成長技術を用いることにより、2本の絶縁膜の幅の違いによって、前記絶縁膜間に成長させる半導体層の厚さを変化させることができる。すなわち、本実施形態2は前述の各発光部の活性層の厚さを変えて形成する手法を採用した例である。
【0050】
図7に示すように、n−InP基板30の主面に平行に延在する2本の絶縁マスク(SiO2 膜)45を並列に4組形成する。マスク間隔Wgは20μmとし、マスク幅Wmを20μm,21μm,22μm,23μmと変化させる。
【0051】
n−InP基板30上に有機金属気相成長法を用いて前記実施形態1の場合と同様にn−InGaAsP導波層31,InGaAsP/InGaAsP歪MQW活性層(多重量子井戸層)32,p−InGaAsP導波層33,p−InPクラッド層34,p−InGaAsコンタクト層35を順次積層形成するとともにメサエッチングを行う4本の発光部11を形成する(図8参照)。
【0052】
前記半導体層形成において、成長される導波層,多重量子井戸層はマスク幅Wmが広い程厚くなる。これによって4本の発光部11の波長を相互に変化させることができる。
【0053】
つぎに、各発光部11の端面から出射されるレーザ光の波長を測定し、設計値と一致または最も設計値と近似している構造を有する発光部11が半導体発光素子10の中央または中央寄りになるように前記半導体基板30を劈開して半導体発光素子10を製造する。
【0054】
なお、ファブリペロー型半導体レーザでなく、DFB−LDを製造する場合には、前記半導体基板30上に公知の方法でグレーティング(回折格子)を形成しする。グレーティングの周期は、たとえば240nmとする。
【0055】
本実施形態2においても前記実施形態1の場合と同様に波長制御性を向上させることができる。
【0056】
(実施形態3)
図10は本発明の他の実施形態(実施形態3)である半導体発光素子(半導体レーザ素子)の製造に係わる模式図である。本実施形態3では、各発光部に沿って設ける回折格子の周期を変えて波長を変える手法を採用した例である。
【0057】
図10に示すように、n−InP基板30の主面に電子線描画によって周期が240〜240.3まで0.1nmづつ周期の異なる回折格子を形成し、それぞれの回折格子上に1.5μm帯の半導体レーザ(発光部11)を製造する。
【0058】
各グレーティングG1〜グレーティングG4にメサストライプB1〜メサストライプB4を形成し、それぞれ波長が0.6nmづつ異なるレーザ光を発振させるようにする。
【0059】
この実施形態3も前記実施形態1と同様に、各発光部11の端面から出射されるレーザ光の波長を測定し、設計値と一致または最も設計値と近似している構造を有する発光部11が半導体発光素子10の中央または中央寄りになるように前記半導体基板30を劈開して半導体発光素子10を製造する。
【0060】
図10では二次元方向にグレーティングを展開させてあるが、メサストライプに直交する方向の劈開を行って、前記実施形態1と同様な短冊構造とし、その後使用発光部を決定した後、再びn−InP基板30を分断して半導体発光素子10を製造するものである。
【0061】
(実施形態4)
図11は本発明の他の実施形態(実施形態4)である半導体発光素子(半導体レーザ素子)の製造に係わる図である。同図は半導体発光素子の製造における半導体基板と電極窓開け用ホトマスクとを示す模式的平面図である。
【0062】
前記実施形態1の半導体発光素子の構造では、ワイヤを接続する電極パッドの大きさを80μm角以上とすると、300〜400μm幅のチップ内には4本よりも多い本数のメサストライプを作製することは難しい。そこで、本実施形態4では、使用発光部と決定された発光部にのみ電極(上部電極)を設ける手法を採用して、メサストライプの数をさらに増大させ、メサストライプ幅の制御性をさらに高める例である。
【0063】
本実施形態4では、半導体発光素子の製造において、上部電極を形成するための電極窓開け工程について説明する。図11に示すように、電極窓開け用ホトマスク50の電極窓51は、各半導体発光素子に対して1本とする構造になっている。したがって、前記電極窓開け用ホトマスク50を用いて電極窓51を形成し、その後図示はしないが上部電極12を形成する。前記電極窓51の位置は、各メサストライプ(発光部11)の幅の測定を行って、その幅が設計値と一致または最も設計値と近似している構造を有するメサストライプを使用発光部と決定し、この使用発光部上に前記電極窓51が合うように電極窓開け用ホトマスク50をn−InP基板30に対して位置決めして電極窓51を形成する。
【0064】
たとえば、0.05μmずつ幅の異なるストライプパターンの電極窓開け用ホトマスク50を使用し、メサストライプ(メサストライプC1〜メサストライプC6)の形成後、各メサストライプ幅を測定して、使用するメサストライプを決定すれば、メサストライプ幅の制御性を0.025μm以下にすることができる。
【0065】
(実施形態5)
図12は本発明の他の実施形態(実施形態5)である半導体レーザ素子の製造状態を示す一部の断面図、図13は半導体レーザ素子の製造における半導体基板と電極窓開け用ホトマスクとを示す模式的平面図である。
【0066】
本実施形態5は広義の発光部が相互に異なる構造、すなわち発光に関与する電極のコンタクト部が相互にコンタクト層に対して接触位置を変える構造の例であり、上部電極のコンタクト部の位置を順次ずらすように形成し、コンタクト層の中央にコンタクト部が一致あるいは高精度に近似した発光部を使用発光部として使用する例である。上部電極のコンタクト部分がコンタクト層の中央部分に位置せず、大きくずれると給電分布が変化して発光特性がばらつく。
【0067】
本実施形態5では、図13に示すように、半導体基板(n−InP基板)30の4本のメサストライプ(メサストライプD1〜メサストライプD4)に対して、電極窓開け用ホトマスク55を用いてメサストライプ上に上部電極のコンタクト部を形成する。
【0068】
すなわち、図12(a)に示すように、n−InP基板30上に電極窓開け用ホトマスク55を位置合わせする。メサストライプのピッチはaと一定であるが、電極窓形成用透過ストライプ56(電極窓形成用透過ストライプS1〜電極窓形成用透過ストライプS4)のピッチbは、寸法aを中心にeずつ変化し、ピッチbは等差級数的に変化する構成になっている。したがって、4本のメサストライプの間隔は(a−e),a,(a+e)となり、この単位パターン間のメサストライプとの間の間隔はaとなっている。
【0069】
たとえば、メサストライプの幅Wnを2.5μmとし、電極窓形成用透過ストライプ56の幅Whを1.5μmとし、eを0.5μmとする。
【0070】
n−InP基板30は前記実施形態1の構造と同様であり、メサストライプ後のn−InP基板30上には全域に亘って絶縁膜36が形成されている。この絶縁膜36を選択的にエッチングして電極窓を形成する。
【0071】
したがって、図12(a)に示すように、n−InP基板30の上面全域、すなわち前記絶縁膜36上にホトレジスト膜57を形成した後、電極窓開け用ホトマスク55を位置決めして重ね、その後露光して光58によってホトレジスト膜57を選択的に感光させる。
【0072】
つぎに、前記ホトレジスト膜57を現像してエッチングマスクとした後、図12(b)に示すように、前記ホトレジスト膜57をマスクとして絶縁膜36のエッチングを行って電極窓60を形成する。電極窓形成用透過ストライプ56の幅通りの幅で露光,現像,エッチングが行われたとすると、電極窓60の幅はWhとなる。
【0073】
つぎに、常用の方法で、図12(c)に示すように上部電極12を形成する。半導体発光素子を形成する領域内の合わせ位置が微妙に異なる電極窓開け用ホトマスク55によって、電極窓60を形成することから、4本の電極窓60においては、いずれかの電極窓60がp−InGaAsコンタクト層35の中央、または近似した位置に形成されることになる。ここではいずれかの電極窓60はメサストライプS3となる。そして、両脇のメサストライプS1,S3でのコンタクト部の幅はa,cとなり、いずれもWhよりも狭くなる。前記eの数値によっては、いずれのコンタクト部の幅も等しく、単に偏るだけの場合もある。
【0074】
つぎに、上部電極12のコンタクト部の位置を検査し、コンタクト部がp−InGaAsコンタクト層35の中央側に位置する発光部11を使用発光部40と決定し、この使用発光部40であるメサストライプS3が中央または中央側に位置するようにn−InP基板30を切断する。これにより半導体発光素子を製造することができる。
【0075】
本実施形態5では、1チップ内の合わせ位置が異なる電極窓形成用透過ストライプ56を4本有する電極窓開け用ホトマスク55を用いて上部電極12のコンタクト部を形成することから、電極のコンタクト部の形成精度は1/4になる。すなわち、0.5μm以下の合わせ精度で上部電極12のコンタクト部を形成することができ、前記コンタクト部を幅の狭いp−InGaAsコンタクト層35の中央寄りに形成することができ、発光特性の高い半導体発光素子(半導体レーザ)を製造することができる。
【0076】
(実施形態6)
図14乃至図18は本発明の他の実施形態(実施形態6)である半導体発光素子(半導体レーザ素子)に係わる図であり、図14は半導体レーザ素子を示す模式的斜視図、図15は図14のA−A線に沿う断面図、図16は図14のB−B線に沿う一部の断面図、図17は半導体レーザ素子の製造における劈開前の半導体基板を示す模式的平面図、図18は半導体レーザ素子のレーザ光出射面部分での光の挙動を説明する模式図である。
【0077】
本実施形態6は、半導体発光素子(半導体レーザ)の出射面(端面)からの戻り光の抑制と光出力の遠視野像形状の適正化を図るために窓構造を設ける半導体レーザの製造に本発明を適用した例である。
【0078】
図14は窓構造を有する半導体発光素子(半導体レーザ)10の斜視図、図15および図16は断面図である。この半導体レーザは、前記実施形態1の半導体レーザの構造において、一方の出射面(端面)側で、p−InPクラッド層34を除去してp−InGaAsP導波層33を露出させた構造になっている。この露出部分は絶縁膜36によって覆われている。このような窓構造70にすることによって戻り光の抑制と光出力の遠視野像形状の適正化を図ることができる。
【0079】
すなわち、窓構造70は出射面71での反射率を低減するために用いる。出射面71付近でのp−InPクラッド層34の厚さが薄くなると矢印で示す光の閉じ込めが弱くなり、光は広がる。広がった光の反射光は光導波路(活性層32および導波層32,33)に戻れないので、実効的な端面反射率は小さくなる。端面(出射面)71と窓先端との距離Lが短いと窓構造による反射率低減効果が小さく、距離が長くなると多重反射により出射パターン(遠視野像)が乱れる。
したがって、出射面と窓先端との距離Lは、たとえば、20±5μm程度としたい。
【0080】
本実施形態6では、図17に示すように、n−InP基板30にメサストライプT1〜メサストライプT4を1単位パターンとして配列方向に沿って繰り返して配列するパターンで形成する。また、メサストライプは2素子分の長さとなっている。そして、1単位パターンのメサストライプは順次その延在方向に沿ってずれたパターンになり、1本のメサストライプの中間部分でのn−InP基板30の劈開と、1単位パターンのメサストライプの端部分での劈開によって、半導体レーザの両端の出射面を形成するようになっている。
【0081】
劈開によって、n−InP基板30は、図17に示すように、ヘキ開位置P1〜ヘキ開位置P3のようにいずれかの位置、あるいは他の位置で劈開される。すなわち、劈開はn−InP基板30の端に設けたV字状のノッチ部分(図示せず)に外力を加えて行うため、ヘキ開位置は大きくばらつく、このバラツキは15μm程度にもなる。
【0082】
したがって、図17に示すようにメサストライプを配置形成しておけば、短冊状にした素子が1並びになった状態では、前記出射面と窓先端との距離Lを測定することによって、4本のメサストライプのうちのいずれかのメサストライプの前記Lは、各メサストライプのずれ量を10μm程度にすれば、設計値である20±5μm以内のものを製造することができる。そこで、前記各実施形態と同様に設計値を満足する発光部11を使用発光部40として、短冊状のn−InP基板30を切断して、図14に示すような半導体発光素子10を製造する。
【0083】
本実施形態6によれば、戻り光の抑制と光出力の遠視野像形状の適正化を図ることができる窓構造半導体レーザを高品質にかつ高歩留りで製造することができる。
【0084】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、端面発光型の発光ダイオードの製造にも適用でき前記同様の効果を奏することができる。
本発明は少なくとも半導体発光素子の製造技術には適用できる。
【0085】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
(1)半導体発光素子の製造において、相互に波長が異なる発光部(半導体レーザ)をモノリシックに複数並列に半導体基板に形成した後、各発光部を測定して設計値と一致または最も設計値と近似している構造を有する発光部を決定し、その後この発光部が中央または中央寄りになるように前記半導体基板を分断することによって半導体発光素子を製造することから、設計値または設計値に高精度に近似した波長のレーザ光を出射する半導体発光素子となり、波長分割多重型光伝送システムの発光源としての半導体レーザを構成することができる。
(2)前記各発光部の波長を等差級数的にかつ狭い波長域で変化させておくことによって、狭い波長スペックに対する半導体発光素子(半導体レーザ)を提供することができる。
(3)使用発光部は半導体発光素子の中央または中央寄りになっていることから、半導体発光装置のパッケージ内に組み込んで光ファイバと光学的に接続する際、光学的接続がし易い。
【0086】
(4)電極が使用発光部のみを発光させる構造では、より多数本の発光部(半導体レーザ)を形成できるため、半導体レーザの波長域の分布幅を広くすることができ、波長変化をより小さくでき、波長制御性を高めることができる。
(5)前記(4)において、最も良好に発光するように電極を設けた構造では、レーザ光の発光特性が良好になる。
(6)窓構造を有する半導体レーザの場合では、その製造における半導体基板の劈開時に劈開位置がばらついても、何処か一か所の窓構造の出射面と窓先端との距離Lを設計値以内にすることができ、この部分を使用発光部とすることによって戻り光の抑制と光出力の遠視野像形状の適正化が図れる半導体レーザを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態(実施形態1)である半導体レーザ装置の一部を示す拡大斜視図である。
【図2】本実施形態1の半導体レーザ装置の一部を示す模式的平面図である。
【図3】本実施形態1の半導体レーザ素子の一部を示す断面図である。
【図4】本実施形態1の半導体レーザ素子の製造において1素子領域に複数の光導波路を形成した半導体基板の模式的平面図である。
【図5】図4の半導体基板の一部を示す模式的斜視図である。
【図6】メサストライプ幅と発振波長との相関を示すグラフである。
【図7】本発明の他の実施形態(実施形態2)である半導体レーザ素子の製造において選択成長用の絶縁マスクを設けた半導体基板を示す模式的斜視図である。
【図8】本実施形態2の半導体レーザ素子の製造において選択成長によってストライプ状の多層成長層を複数設けた半導体基板を示す模式的斜視図である。
【図9】本実施形態2の半導体レーザ素子の製造において電極を設けた半導体基板を示す模式的斜視図である。
【図10】本発明の他の実施形態(実施形態3)である半導体レーザ素子の製造において周期の異なるグレーティングを複数形成した半導体基板を示す模式的平面図である。
【図11】本発明の他の実施形態(実施形態4)である半導体レーザ素子の製造における半導体基板と電極窓開け用ホトマスクとを示す模式的平面図である。
【図12】本発明の他の実施形態(実施形態5)である半導体レーザ素子の製造状態を示す一部の断面図である。
【図13】本実施形態5の半導体レーザ素子の製造における半導体基板と電極窓開け用ホトマスクとを示す模式的平面図である。
【図14】本発明の他の実施形態(実施形態6)である半導体レーザ素子を示す模式的斜視図である。
【図15】図14のA−A線に沿う断面図である。
【図16】図14のB−B線に沿う一部の断面図である。
【図17】本実施形態6の半導体レーザ素子の製造における劈開前の半導体基板を示す模式的平面図である。
【図18】本実施形態6の半導体レーザ素子のレーザ光出射面部分での光の挙動を説明する模式図である。
【符号の説明】
1…半導体発光装置、2…パッケージ本体、3…蓋体、4…パッケージ、5…光ケーブル、6…リード、7…サブマウント、10…半導体発光素子、11…発光部、12…上部電極、13…下部電極、14…接合材、15…接着材、16…光(レーザ光)、20…ガイドパイプ、21…アイソレータ、22…レンズ、25…サブマウント、26…受光素子、27…ワイヤ、30…n−InP基板、31…n−InGaAsP導波層、32…InGaAsP/InGaAsP歪MQW活性層、33…p−InGaAsP導波層、34…p−InPクラッド層、35…p−InGaAsコンタクト層、36…絶縁膜、40…使用発光部、41…1チップサイズ、45…絶縁マスク、50…電極窓開け用ホトマスク、51…電極窓、60…電極窓、70…窓構造、71…出射面。
Claims (16)
- 端面から光を出射する帯状の発光部がモノリシックにかつ複数並列に配置された半導体発光素子であって、前記発光部の構造が相互に異なり、前記発光部の構造が設計値または設計値に最も近似した値になる発光部が半導体発光素子の中央または中央側に位置して使用される構造になっていることを特徴とする半導体発光素子。
- 端面から光を出射する帯状の発光部がモノリシックにかつ複数並列に配置された半導体発光素子であって、前記発光部の構造が相互に異なり、前記発光部の構造が設計値または設計値に最も近似した値になる発光部のみが発光または最も良好に発光するように電極が設けられていることを特徴とする半導体発光素子。
- 前記発光部の構造が設計値または設計値に最も近似した値になる発光部が半導体発光素子の中央または中央側に位置していることを特徴とする請求項2に記載の半導体発光素子。
- 前記各発光部は相互に波長が異なり、その波長の違いは前記発光部の幅の違い,前記発光部の厚さの違い,前記発光部に沿って設けられる回折格子周期の違いのうちの1の構成または前記複数の構成を組み合わせた構成の採用によって得ていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
- 前記発光部は半導体レーザを構成していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
- 端面から光を出射する帯状の発光部がモノリシックにかつ複数並列に配置された半導体発光素子であって、前記発光部の構造が相互に異なり、前記発光部は半導体レーザを構成し、前記半導体レーザは、第1導電型の半導体基板と、この半導体基板上に順次積層された第1導電型の導波層,活性層,第2導電型の導波層,第2導電型のクラッド層を有し、かつ前記クラッド層の一端は前記端面よりも内側に引っ込み、この引っ込みの長さは各発光部で異なり、前記引っ込みの長さが設計値または設計値に最も近似した値になる発光部が使用発光部となっていることを特徴とする半導体発光素子。
- 前記使用発光部が半導体発光素子の中央または中央側に位置していることを特徴とする請求項6に記載の半導体発光素子。
- 半導体発光素子の製造方法であって、1素子分の面積の中に複数個の発光部を製造し、前記各発光部の特性を測定した後に実際に使用する発光部を決定することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
- 半導体基板を用意した後前記半導体基板の主面に端面からそれぞれ光を出射する帯状の相互に構造が異なる発光部を複数並列にかつ配列方向に沿って繰り返して配列するパターンで形成する工程と、前記各発光部を測定して設計値と一致または最も設計値と近似している構造を有する発光部のみが発光するように電極を形成する工程と、前記半導体基板を分割して矩形の半導体発光素子を製造することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
- 半導体基板を用意した後前記半導体基板の主面に端面からそれぞれ光を出射する帯状の相互に構造が異なる発光部を複数並列にかつ配列方向に沿って繰り返して配列するパターンで形成する工程と、前記各発光部を測定して設計値と一致または最も設計値と近似している構造を有する発光部が中央または中央寄りになるように前記半導体基板を分断して半導体発光素子を製造することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
- 前記発光部は半導体レーザであり、前記各発光部から出射されるレーザ光の波長を相互に異なるようにするために前記各発光部の形成においては、各発光部の幅を変えて形成する手法,各発光部の厚さを変えて形成する手法,各記発光部に沿って設ける回折格子の周期を変えて形成する手法のうちのいずれかの手法または複数の手法の組み合わせの手法によって形成し、その後前記各発光部のレーザ光の波長の違いをレーザ光の直接測定または波長に相関のある部位の測定によって検出し、設計値と一致または最も設計値と近似している構造を有する発光部を使用発光部と決定することを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 半導体基板を用意した後前記半導体基板の主面に端面からそれぞれ光を出射する帯状の相互に構造が異なる発光部を複数並列にかつ配列方向に沿って繰り返して配列するパターンで形成する工程と、前記各発光部を測定して設計値と一致または最も設計値と近似している構造を有する発光部を使用発光部とする工程とを有する半導体発光素子の製造方法であって、前記各発光部を構成する半導体レーザは、第1導電型の半導体基板上に順次積層された第1導電型の導波層,活性層,第2導電型の導波層,第2導電型のクラッド層を有し、前記クラッド層の一端は前記端面よりも内側に引っ込ませる構造であり、前記各発光部の前記引っ込みの位置を相互に異なるように形成しておき、前記帯状の発光部に直交する方向の前記半導体基板の劈開後に、前記引っ込みの長さを測定して、設計値または設計値に最も近似した値の引っ込みの長さを有する発光部を使用発光部とすることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
- 前記使用発光部は半導体発光素子の中央または中央側に位置するように前記半導体基板の分断を行うことを特徴とする請求項12に記載の半導体発光素子の製造方法。
- パッケージと、前記パッケージ内に配置された半導体発光素子と、前記半導体発光素子の発光部の光を出射する出射面に先端が臨みかつ他端が前記パッケージの外に突出する光ファイバとを有する半導体発光装置であって、前記半導体発光素子には端面から光を出射する帯状の発光部が複数並列に配置され、前記複数の発光部のうちの一つの発光部に前記光ファイバが光学的に接続され、他の発光部は光ファイバに接続されていないことを特徴とする半導体発光装置。
- 請求項1乃至請求項7のうちのいずれか1項に記載の半導体発光素子が組み込まれたことを特徴とする半導体発光装置。
- パッケージ内に半導体発光素子を固定する工程と、前記パッケージの内外に亘って延在するように固定される光ファイバの先端を前記半導体発光素子の発光部の出射面に臨むように位置決め固定する工程とを有する半導体発光装置の製造方法であって、請求項8乃至請求項13のうちのいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法によって製造された半導体発光素子を前記パッケージ内に固定することを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
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