JP2000045233A - 衝撃吸収柵 - Google Patents

衝撃吸収柵

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JP2000045233A
JP2000045233A JP10213230A JP21323098A JP2000045233A JP 2000045233 A JP2000045233 A JP 2000045233A JP 10213230 A JP10213230 A JP 10213230A JP 21323098 A JP21323098 A JP 21323098A JP 2000045233 A JP2000045233 A JP 2000045233A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性変形量を大として、大きな衝撃力を効果
的に吸収することができる衝撃吸収柵を提供する。 【解決手段】 所定の間隔で複数の支柱2,2を設け、
支柱2,2間に水平ロープ材3を設け、前記支柱2,2
間を網体6で遮蔽する。前記水平ロープ材3の途上を、
弾性を有する緩衝リング5により連結する。落石等の衝
撃力が加わると、水平ロープ材3に引張力が働き、この
引張力により緩衝リング材3が弾性変形と塑性変形とを
起すことにより、衝撃エネルギーを効果的に吸収するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雪崩・落石等にお
ける衝撃吸収柵に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、この種のものと
して、特公平7−18134号公報の衝撃吸収柵では、
所定の間隔で支柱を設け、各支柱の間に水平ロープ材を
水平方向のスライドを許容した状態で係留し、水平ロー
プの両端は固定し、各支柱間を水平ロープ材掛止された
ワイヤ製のネットで遮蔽し、各水平ロープ材の途上に水
平ロープ材を重合させて形成した余長部と、余長部を一
定の力で挟持する挟持具とにより、水平ロープ材に所定
張力以上の張力が作用したとき、水平ロープ材が一定の
摩擦力を保持したまま余長部が伸長して張力を吸収する
緩衝部を設け(公報特許請求の範囲)ており、衝撃吸収
柵の網面に作用する衝撃力が緩衝部の設定摩擦抵抗を越
えると、水平ロープ材の途上に形成した緩衝部が耐えら
れず、ロープ材と挟持具との摺動の間で摺動を開始し、
大きな衝撃力を受けてもループの縮径により効果的にエ
ネルギーを吸収することができる。
【0003】また、特公平7−18134号公報には、
雪崩・落石防止体と地山とを連結する支持用線材をルー
プ状にして複数の線材が重なり合う重複部を形成し、そ
の重複部を複数間隔をおいて設けられた締付部材により
緊結し、前記支持用線材に加わる引張力によって前記ル
ープ状部分の両側端が前記締付部材に係止しかつ締付部
材が移動する(公報特許請求の範囲)ものがある。
【0004】また、特許第2503929号公報の衝撃
吸収柵では、ガイドロープの他端部相互を重ね合わせて
重複部を形成し、この重複部を複数間隔を置いて設けら
れた締付部材により緊結すると共に、前記締付部材に係
止可能な端末突部を前記ガードロープの他端部の端部に
設け、前記ガードロープに加わる引張力によって前記重
複部の他端部相互が摩擦摺動するように構成(公報特許
請求の範囲)している。
【0005】さらに、特開平10−88527号公報に
は、支柱間に張り渡された保持ロープの中途に、同保持
ロープに及んでくる衝撃エネルギーを吸収するためのブ
レーキ装置が設けてあり、このブレーキ装置が、重ね合
わされた両端部を緊締部材によって固定したループ管を
有しており、当該保持ロープがこのループ管内を通り、
他方端部の管口からでて延びて(公報特許請求の範囲中
請求項5)おり、緊締部でのループ管重畳部の摩擦及び
ループ管と緊締部材との間の摩擦によりエネルギー吸収
が行われる。
【0006】このように上記4者の衝撃吸収柵等では、
いずれも衝撃吸収力を摩擦力により吸収するようにして
いる。
【0007】一方、上記特開平10−88527号公報
では、網状体を多数のリング部材を、ぞれぞれ隣り合う
リング部材の内周側が接触するように相互に連結するこ
とによって構成されて(公報特許請求の範囲中請求項
1)おり、落石による衝撃を受けると、各リング部材が
他のリング部材との係合箇所で外方に引張られ、例えば
係合箇所が周全体で4箇所であれば、リング部材は矩形
に変形し、このようにリング部材を変形させる力が衝撃
エネルギーとなり、リング部材の材質、構成線材の太
さ、リング部材の直径を適宜選択することにより、吸収
すべきエネルギーの大きさに簡単に対応させることがで
きる(公報第0007段)。
【0008】そして、上記摩擦力により衝撃力を吸収す
る構造、及び上記リング部材の変形により衝撃エネルギ
ーを吸収するものでも、いずれも衝撃吸収能力には限界
がある。
【0009】また、この種の衝撃吸収柵では、特公平7
−18134号公報の第5欄第1〜3行に記載されてい
るように、衝撃力はワイヤネット及び水平ロープ材を構
成する各ワイヤの共働による通常の弾性変形により吸収
されるものであるが、そのようなワイヤネット及び水平
ロープ材では弾性変形量が一般に小さい。これに対し
て、上記特開平10−88527号公報では、リング部
材が変形することにより、比較的変形量を大きくできる
が、そのリング部材は、ワイヤーロープにて製作するも
ので、例えばスチール、炭素繊維、アラミド繊維等で製
造(公報第0023段)さえるものであるから、その弾
性変形量には限度がある。
【0010】そこで、本発明は、弾性変形量を大とし
て、大きな衝撃力を効果的に吸収することができる衝撃
吸収柵を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、所定
の間隔で複数の支柱を設け、前記支柱間に水平線材を設
け、前記支柱間を前記水平線材に掛止した網体で遮蔽し
た衝撃吸収柵において、前記水平線材の途上を、弾性を
有する緩衝リングにより連結したものである。
【0012】この請求項1の構成によれば、落石等の衝
撃力が加わると、水平ロープ材に引張力が働き、この引
張力により緩衝リングが伸長し、緩衝リングが弾性変形
と塑性変形とを起すことにより、衝撃エネルギーを効果
的に吸収することができ、特に前記引張力が加わると、
中空な緩衝リングが偏平状に広がるから、短時間で大き
く弾性変形し、落石等の運動エネルギーを効率よく吸収
できる。さらに、弾性変形,塑性変形した緩衝リングに
所定以上の引張力が加わると、該緩衝リングが破断する
ことにより、衝撃力を吸収できる。
【0013】請求項2の発明は、所定の間隔で複数の支
柱を設け、前記支柱間に水平線材を複数段に設けた衝撃
吸収柵において、前記水平線材の途上を、弾性を有する
緩衝リングにより連結したものである。
【0014】この請求項2の構成によれば、水平線材に
落石等の衝撃力が加わると、水平ロープ材に引張力が働
き、この引張力により緩衝リングが伸長し、緩衝リング
が弾性変形と塑性変形とを起すことにより、衝撃エネル
ギーを効果的に吸収することができ、特に前記引張力が
加わると、中空な緩衝リングが偏平状に広がるから、短
時間で大きく弾性変形し、落石等の運動エネルギーを効
率よく吸収できる。さらに、弾性変形,塑性変形した緩
衝リングに所定以上の引張力が加わると、該緩衝リング
が破断することにより、衝撃力を吸収できる。
【0015】請求項3の発明は、所定の間隔で複数の支
柱を設け、前記支柱間を網体で遮蔽した衝撃吸収柵にお
いて、前記網体の線材の途上を、弾性を有する緩衝リン
グにより連結したものである。
【0016】この請求項3の構成によれば、落石等の衝
撃力が加わると、線材に引張力が働き、この引張力によ
り緩衝リングが伸長し、緩衝リングが弾性変形と塑性変
形とを起すことにより、衝撃エネルギーを効果的に吸収
することができ、特に前記引張力が加わると、中空な緩
衝リングが偏平状に広がるから、短時間で大きく弾性変
形し、落石等の運動エネルギーを効率よく吸収できる。
さらに、弾性変形,塑性変形した緩衝リングに所定以上
の引張力が加わると、該緩衝リングが破断することによ
り、衝撃力を吸収できる。
【0017】また、請求項4の発明は、所定の間隔で複
数の支柱を設け、前記支柱間を防護面で遮蔽した防護体
を備えた衝撃吸収柵において、前記防護体と地山とを連
結する控えロープ材の途上を、弾性を有する緩衝リング
により連結したものである。
【0018】この請求項4の構成によれば、落石等の衝
撃力が加わると、控えロープ材に引張力が働き、この引
張力により緩衝リングが伸長し、緩衝リングが弾性変形
と塑性変形とを起すことにより、衝撃エネルギーを効果
的に吸収することができ、特に前記引張力が加わると、
中空な緩衝リングが偏平状に広がるから、短時間で大き
く弾性変形し、落石等の運動エネルギーを効率よく吸収
できる。さらに、弾性変形,塑性変形した緩衝リングに
所定以上の引張力が加わると、該緩衝リングが破断する
ことにより、衝撃力を吸収できる。
【0019】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施例を添付図面を
参照して説明する。図1ないし図4は本発明の第1実施
例を示し、同図に示すように、衝撃吸収柵である落石防
護柵は、斜面あるいは斜面に並んでコンクリート基礎1
を設け、このコンクリート基礎1に複数の支柱2…を立
設する。前記支柱2は、H型鋼,コンクリート柱,鋼管
あるいはコンクリート充填鋼管などからなり、この例で
はH型鋼を用い、その下端を前記コンクリート基礎1に
固着している。前記支柱2間には水平線材たる水平ロー
プ材3,3が上下段に設けられ、この水平ロープ材3を
係止する係止部4が前記支柱2に設けられ、この係止部
4は、孔や切欠きあるいは支柱2の側面に水平ロープ材
3を係止する係止用フックなどでもよい。また、前記水
平ロープ材3の両端は、それぞれ前記支柱2や他の部材
に固定されている。
【0020】図1,3,4等に示すように、前記水平ロ
ープ材3の途上を、弾性を有する緩衝リング5により連
結しており、この緩衝リング5は、天然ゴムやシリコー
ンゴム等の合成ゴムなどを用いることが好ましい。すな
わち、前記水平ロープ材3の途上に、相互に分離した中
央側の端部3A,3Aを設け、これら端部3A,3Aを
前記緩衝リング5の両側に連結し、この連結は、前記端
部3Aを前記緩衝リング5に巻き付けて固定したり、端
部3Aに別体の連結具(図示せず)を設け、この連結具
により緩衝リング5に連結する等して成され、端部3A
の緩衝リング5への連結は、水平ロープ材3に加わる引
張力により、前記緩衝リング5が破断するまで連結状態
を保持できる強度を有し、また、水平ロープ材3は緩衝
リング5より引張強度が大である。尚、緩衝リング5の
破断は、端部3A,3Aの間でもよく、端部3A位置か
らでもよい。また、図1及び図2に示すように、前記支
柱2,2間には、該支柱2間を遮蔽する防護面たる網体
6が設けられており、この網体6は前記水平線材3に掛
止され、前記網体6と前記支柱2により防護体10を構成
している。
【0021】そして、網体6に落石等により衝撃力が加
わり、水平ロープ材3に引張力が加わると、図4(B)
に示すように、中空で弾性を有する緩衝リング5が偏平
状に変形して伸びる。この弾性変形は比較的短時間に行
われ、緩衝リング5部分の伸びにより水平ロープ材3の
全長が瞬時に伸びるから、落石の運動エネルギーを効果
的に吸収できる。さらに、緩衝リング5は弾性変形から
塑性変形に移行し、この塑性変形により衝撃エネルギー
を吸収し、所定以上の引張力を受けると、最後に緩衝リ
ング5が破断し、この破断により衝撃エネルギーを吸収
する。
【0022】このように本実施例では、請求項1に対応
して、所定の間隔で複数の支柱2,2を設け、支柱2,
2間に水平線材たる水平ロープ材3を設け、支柱2,2
間を水平ロープ材3に掛止した網体6で遮蔽した衝撃吸
収柵において、前記水平ロープ材3の途上を、弾性を有
する緩衝リング5により連結したものであるから、落石
等の衝撃力が加わると、水平ロープ材3に引張力が働
き、この引張力により緩衝リング5が伸長し、緩衝リン
グ5が弾性変形と塑性変形とを起すことにより、衝撃エ
ネルギーを効果的に吸収することができ、特に前記引張
力が加わると緩衝リング5が偏平状に広がるから、短時
間で大きく弾性変形し、落石等の運動エネルギーを効率
よく吸収できる。さらに、弾性変形,塑性変形した緩衝
リング5に所定以上の引張力が加わると、該緩衝リング
5が破断することにより、衝撃エネルギーを吸収するこ
とができる。
【0023】図5は本発明の第2実施例を示し、上記第
1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明
を省略して詳述すると、この例では、前記緩衝リング5
の両側の水平ロープ材3を、撓みを有する補助ロープ材
7により連結し、この補助ロープ材7は、少なくとも前
記緩衝リング5が偏平状の弾性変形可能な長さを有す
る。また、前記補助ロープ材7の長さを緩衝リング5が
破断可能な長さにすることもでき、さらに、前記補助ロ
ープ材7は前記水平ロープ材3と引張強度がほぼ同じも
のを用いることが好ましい。
【0024】したがって、補助ロープ材7の長さを緩衝
リング5が破断可能な長さとすれば、緩衝リング5が破
断した後も、水平ロープ材3により落石等の衝撃力及び
荷重を支持することができる。
【0025】図6は本発明の第3実施例を示し、上記第
1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明
を省略して詳述すると、この例では、支柱2,2間に水
平ロープ材3,3…を複数段に配置し、これら複数段の
水平ロープ材3,3…により支柱2,2間を遮蔽し、前
記支柱2と水平ロープ材3により防護体10Aを構成し、
複数段に設けた水平ロープ材3,3…により防護面を構
成している。また、各水平ロープ材3の途上には、それ
ぞれ少なくとも1つの前記緩衝リング5が配置されてい
る。
【0026】したがって、支柱2,2間を遮蔽するすい
へいロープ材3が落石等を受け、落石等により衝撃力が
加わり、水平ロープ材3に引張力が加わると、弾性を有
する緩衝リング5が偏平状に変形して伸びる。この弾性
変形は比較的短時間に行われ、緩衝リング5の部分の伸
びにより水平ロープ材3の全長が瞬時に伸びるから、落
石の運動エネルギーを効果的に吸収できる。さらに、緩
衝リング5は弾性変形から塑性変形に移行し、この塑性
変形により衝撃エネルギーを吸収し、所定以上の引張力
を受けると、最後に緩衝リング5が破断し、この破断に
より衝撃エネルギーを吸収する。尚、前記補助ロープ材
7の長さを、緩衝リング5が破断可能な長さとすれば、
緩衝リング5が破断した後、水平ロープ材3及び補助ロ
ープ材7により、落石等の荷重を支持することができ、
また、前記補助ロープ材7の長さを、緩衝リング5が弾
性変形可能な長さにすれば、緩衝リング5が弾性変形し
破断する前に、水平ロープ材3及び補助ロープ材7によ
り、落石等の荷重を支持することができる。
【0027】このように本実施例では、請求項2に対応
して、所定の間隔で複数の支柱2,2を設け、支柱2,
2間に水平線材たる水平ロープ材3を複数段に設けた衝
撃吸収柵において、水平ロープ材3の途上を、弾性を有
する緩衝リング5により連結したものであるから、落石
等の衝撃力が加わると、水平ロープ材3に引張力が働
き、この引張力により緩衝リング5が伸長し、緩衝リン
グ5が弾性変形と塑性変形とを起すことにより、衝撃エ
ネルギーを効果的に吸収することができ、特に前記引張
力が加わると緩衝リング5が偏平状に広がるから、短時
間で大きく弾性変形し、落石等の運動エネルギーを効率
よく吸収できる。さらに、弾性変形,塑性変形した緩衝
リング5に所定以上の引張力が加わると、該緩衝リング
5が破断することにより、衝撃エネルギーを吸収するこ
とができる。尚、この例では、緩衝リング5が変形ある
いは破断した後も、落石等を荷重を支持するために、補
助ロープ材7を設けることが好ましい。
【0028】図7及び図8は本発明の第4実施例を示
し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳
細な説明を省略して詳述すると、この例では、防護面た
る網体11は、一側方向たる横方向の線材12と、この線材
12と交差する他側方向たる縦方向の線材13とを組み合わ
せて複数の網目14を有し、前記線材12,13の途上を、緩
衝リング5A,5Bにより連結する。すなわち、前記線
材12,13の途上に、相互に分離した中央側の端部12A,
12A,13A,13Aを設け、これら端部12A,12A,13
A,13Aを前記緩衝リング5A,5Bに連結し、この連
結は、前記第1実施例の緩衝リング5,端部3Aと同様
に行われる。尚、隣合う支柱2,2間において、横方向
の線材22の両側に緩衝リング5Aを形成し、隣合う縦方
向の線材13においては、上部に緩衝リング5Bを配置し
た線材13の隣の線材13には、下部に緩衝リング5Bを設
け、線材13の上下いずれかに緩衝リング5Bを配置し、
1つの線材13に少なくとも1つの緩衝リング5Bを設け
ている。尚,緩衝リング5A,5Bは前記緩衝リング5
と大きさが異なる以外は同一構成である。
【0029】そして、網体11に落石等により衝撃力が加
わり、線材12,13に引張力が加わると、弾性を有する緩
衝リング5A,5Bが偏平状に変形して伸びる。この弾
性変形は比較的短時間に行われ、緩衝リング5A,5B
部分の伸びにより線材12,13の全長が瞬時に伸びるか
ら、落石の運動エネルギーを効果的に吸収できる。さら
に、緩衝リング5A,5Bは弾性変形から塑性変形に移
行し、この塑性変形により衝撃エネルギーを吸収し、所
定以上の引張力を受けると、最後に緩衝リング5A,5
Bが破断し、この破断により衝撃エネルギーを吸収す
る。
【0030】このように本実施例では、請求項3に対応
して、所定の間隔で複数の支柱2,2を設け、支柱2,
2間を網体11で遮蔽した衝撃吸収柵において、網体11の
線材12,13の途上を、弾性を有する緩衝リング5A,5
Bにより連結したものであるから、落石等の衝撃力が加
わると、線材12,13に引張力が働き、この引張力により
緩衝リング5A,5Bが伸長し、緩衝リング5A,5B
が弾性変形と塑性変形とを起すことにより、衝撃エネル
ギーを効果的に吸収することができ、特に前記引張力が
加わると緩衝リング5A,5Bが偏平状に広がるから、
短時間で大きく弾性変形し、落石等の運動エネルギーを
効率よく吸収できる。さらに、弾性変形,塑性変形した
緩衝リング5A,5Bに所定以上の引張力が加わると、
該緩衝リング5A,5Bが破断することにより、衝撃エ
ネルギーを吸収できる。
【0031】図9は本発明の第5実施例を示し、上記各
実施例と同一部分に符号を付し、その詳細な説明を省略
して詳述すると、この例では、防護体10の支柱2の上部
と該防護体10の前側に位置する地山との間を、ワイヤー
ロープなどからなる控えロープ材21により連結し、この
控えロープ材21の途上を、緩衝リング5Cにより連結す
る。すなわち、前記線材21の途上に、相互に分離した中
央側の端部21A,21Aを設け、これら端部21A,21Aを
前記緩衝リング5Cに連結し、この連結は、前記第1実
施例の緩衝リング5C,端部3Aと同様に行われる。ま
た、緩衝リング5Cの両側の控えロープ材21を補助ロー
プ材22により連結し、この補助ロープ材22は、少なくと
も前記緩衝リング5Cが偏平状の弾性変形可能な長さを
有する。また、前記補助ロープ材22の長さを緩衝リング
5Cが破断可能な長さにすることもでき、さらに、前記
補助ロープ材22は前記控えロープ材21と引張強度がほぼ
同じものを用いることが好ましい。
【0032】そして、防護体10に落石等により衝撃力が
加わり、控えロープ材21に引張力が加わると、弾性を有
する緩衝リング5Cが偏平状に変形して伸びる。この弾
性変形は比較的短時間に行われ、緩衝リング5Cの部分
の伸びにより控えロープ材21の全長が瞬時に伸びるか
ら、落石の運動エネルギーを効果的に吸収できる。さら
に、緩衝リング5Cは弾性変形から塑性変形に移行し、
この塑性変形により衝撃エネルギーを吸収し、所定以上
の引張力を受けると、最後に緩衝リング5Cが破断し、
この破断により衝撃エネルギーを吸収する。尚、前記補
助ロープ材22の長さを、緩衝リング5Cが破断可能な長
さとすれば、緩衝リング5Cが破断した後、控えロープ
材21及び補助ロープ材22により、防護体10を支持するこ
とができ、また、前記補助ロープ材22の長さを、緩衝リ
ング5Cが弾性変形可能な長さにすれば、緩衝リング5
Cが弾性変形し破断する前に、控えロープ材21及び補助
ロープ材22により、防護体10を支持することができる。
【0033】このように本実施例では、請求項4に対応
して、所定の間隔で複数の支柱2,2を設け、支柱2,
2間を防護面たる網体6又は網体11で遮蔽した防護体10
を備えた衝撃吸収柵において、防護体10と地山とを連結
する控えロープ材21の途上を、弾性を有する緩衝リング
5Cにより連結したものであるから、落石等の衝撃力が
加わると、控えロープ材21に引張力が働き、この引張力
により緩衝リング5Cが伸長し、緩衝リング5Cが弾性
変形と塑性変形とを起すことにより、衝撃エネルギーを
効果的に吸収することができ、特に前記引張力が加わる
と緩衝リング5Cが偏平状に広がるから、短時間で大き
く弾性変形し、落石等の運動エネルギーを効率よく吸収
できる。さらに、弾性変形,塑性変形した緩衝リング5
Cに所定以上の引張力が加わると、該緩衝リング5Cが
破断することにより、衝撃エネルギーを吸収できる。
【0034】図10及び図11は本発明の第6及び第7
実施例を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付
し、その詳細な説明を省略して詳述すると、第6実施例
の図9では、角形の緩衝リング5,5A,5B,5Cを
示し、このように緩衝リング5,5A,5B,5Cは中
央に穴を有する中空なものであれば、円形に限らず、各
種の形状のものでも上記各実施例と同様な作用,効果を
有する。また、第7実施例の図11では、長方形形状の
緩衝リング5,5A,5B,5Cを示し、端部3A,12
A,13A,21Aを連結する部分の断面積を大きくしてお
り、このように緩衝リング5,5A,5B,5Cは、そ
の全周のうちで、一部の断面積を大きくしてもよく、こ
の例の緩衝リング5,5A,5B,5Cでは、断面積の
小さい部分が大きく変形する。
【0035】尚、本発明は上記各実施例に限定されるも
のではなく、本発明の容易の範囲内において、種々の変
形実施が可能である。例えば、実施例においては、支柱
の間に設ける水平ロープ材を上下に配置したが、支柱の
三段以上に設けるようにしてもよい。また、第3実施例
においても、必要に応じて、緩衝リングの両側を補助ロ
ープ材により連結してもよい。さらに、緩衝リングを多
角形等にするなどその形状は適宜選定可能である。
【0036】
【発明の効果】請求項1の発明は、所定の間隔で複数の
支柱を設け、前記支柱間に水平線材を設け、前記支柱間
を前記水平線材に掛止した網体で遮蔽した衝撃吸収柵に
おいて、前記水平線材の途上を、弾性を有する緩衝リン
グにより連結したものであり、弾性変形量を大として、
大きな衝撃力を効果的に吸収することができる衝撃吸収
柵を提供することができる。
【0037】請求項2の発明は、所定の間隔で複数の支
柱を設け、前記支柱間に水平線材を複数段に設けた衝撃
吸収柵において、前記水平線材の途上を、弾性を有する
緩衝リングにより連結したものであり、弾性変形量を大
として、大きな衝撃力を効果的に吸収することができる
衝撃吸収柵を提供することができる。
【0038】請求項3の発明は、所定の間隔で複数の支
柱を設け、前記支柱間を網体で遮蔽した衝撃吸収柵にお
いて、前記網体の線材の途上を、弾性を有する緩衝リン
グにより連結したものであり、弾性変形量を大として、
大きな衝撃力を効果的に吸収することができる衝撃吸収
柵を提供することができる。
【0039】また、請求項4の発明は、所定の間隔で複
数の支柱を設け、前記支柱間を防護面で遮蔽した防護体
を備えた衝撃吸収柵において、前記防護体と地山とを連
結する控えロープ材の途上を、弾性を有する緩衝リング
により連結したものであり、弾性変形量を大として、大
きな衝撃力を効果的に吸収することができる衝撃吸収柵
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す衝撃吸収柵の正面図
である。
【図2】本発明の第1実施例を示す衝撃吸収柵の断面図
である。
【図3】本発明の第1実施例を示す緩衝リングの正面図
である。
【図4】本発明の第1実施例を示し、図4(A)は張力
が加わる前の緩衝リングの正面図、図4(B)は張力が
加わった状態の緩衝リングの正面図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す補助ロープ材を設け
た緩衝リング回りの正面図である。
【図6】本発明の第3実施例を示す衝撃吸収柵の断面図
である。
【図7】本発明の第4実施例を示す衝撃吸収柵の正面図
である。
【図8】本発明の第4実施例を示す網体の要部の正面図
である。
【図9】本発明の第5実施例を示す衝撃吸収柵の断面図
である。
【図10】本発明の第6実施例を示す緩衝リングの正面
図である。
【図11】本発明の第7実施例を示す緩衝リングの正面
図である。
【符号の説明】
2 支柱 3 水平ロープ材(水平ロープ材) 5,5A,5B,5C 緩衝リング 6 網体(防護面) 10 防護体 21 網体(防護面) 12,13 線材 21 控えロープ材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隔で複数の支柱を設け、前記支
    柱間に水平線材を設け、前記支柱間を前記水平線材に掛
    止した網体で遮蔽した衝撃吸収柵において、前記水平線
    材の途上を、弾性を有する緩衝リングにより連結したこ
    とを特徴とする衝撃吸収柵。
  2. 【請求項2】 所定の間隔で複数の支柱を設け、前記支
    柱間に水平線材を複数段に設けた衝撃吸収柵において、
    前記水平線材の途上を、弾性を有する緩衝リングにより
    連結したことを特徴とする衝撃吸収柵。
  3. 【請求項3】 所定の間隔で複数の支柱を設け、前記支
    柱間を網体で遮蔽した衝撃吸収柵において、前記網体の
    線材の途上を、弾性を有する緩衝リングにより連結した
    ことを特徴とする衝撃吸収柵。
  4. 【請求項4】 所定の間隔で複数の支柱を設け、前記支
    柱間を防護面で遮蔽した防護体を備えた衝撃吸収柵にお
    いて、前記防護体と地山とを連結する控えロープ材の途
    上を、弾性を有する緩衝リングにより連結したことを特
    徴とする衝撃吸収柵。
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