JP2005281923A - 衝撃吸収ロープ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造であり、人体が受ける衝撃を緩和するのに理想的な衝撃吸収性能を発揮することができるとともに、衝撃後の飛び跳ね現象による振動を減衰させる減衰効率を高めた衝撃吸収ロープを提供する。
【解決手段】衝撃吸収ロープ(10)は、長手方向に伸縮可能な構造に形成されてなる長尺筒状のロープ本体(20)とロープ本体(20)の筒部内に弛んだ状態で配された長尺状の芯部材(30)とを互いに独立して別個に形成している。ロープ本体(20)における長手方向の両側端部と芯部材(30)の両側端部とは互いに固着されている。縮小状態にあるロープ本体(20)の長さは、弛んでいないときの芯部材(30)の長さよりも短く、芯部材(30)はロープ本体(20)の筒部内に弛んだ状態で配されている。ロープ本体(20)は、芯部材(30)が弛んでいないときの長さ以上に伸長可能とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、人体が受ける衝撃を緩和するのに理想的な衝撃吸収特性が得られる衝撃吸収ロープに係わる。特に本発明は、衝撃後の反動力による振動を減衰させて小さくすることができる衝撃吸収ロープに関する。
従来から、例えば作業者が落下した場合に傷害を起こすような高いところにある高層ビルや足場などの高所作業現場では、足場などに立って作業している作業者に衝撃吸収ロープを着用させることが一般的に行われている。
このような作業者が着用する衝撃吸収ロープの一例として、例えばショック吸収特性を有する織成ウエビングが提案されている(例えば特許文献1参照。)。この特許文献1に記載されたショック吸収織成ウエビング100は、図6に示すように第1織成ストラップ101と管状ウエビング102とに連続して織成された二つの別個の領域を有している。この織成ウエビング100の素材は、ケプラー(登録商標)、ナイロン、ポリエステル又はこれらの組合せからなっている。
前記第1織成ストラップ101は、経糸と緯糸とから連続して形成される管状部材の上側層及び下側層に対して連結糸103が同時に織成されることで、平坦な管状ウエブを形成している。一方の管状ウエビング102は、前記第1織成ストラップ101の経糸と緯糸とを構成する同一の経糸及び緯糸から連続して管状部材を織成することで、管状ウエブを形成している。この管状ウエビング102においては、前記連結糸103と連続した充填糸104が管状ウエビング102の上側層及び下側層に織合わされず、管状ウエビング102の内部に充填部材として配されている。
更に、織成ウエビング100は、第1織成ストラップ101が終了する部分の近傍に配された端部105を管状ウエビング102の内部に挿通し、管状ウエビング102の一部を裏返して二重に折り畳むことで、二重層部分106を形成している。これにより、二重層部分106を含む管状ウエビング102の長さは、管状ウエビング102の内部に配された充填糸104の長さよりも長く設定されている。この充填糸104は、管状ウエビング102よりも弾力性が大きく設定されている。
前記充填糸104は、引張力が織成ウエビング100に加わるにつれて、管状ウエビング102の内部において自由に伸張できるように配されている。前記連結糸103及び充填糸104の材質は、3.56KNの伸張を開始するための最小荷重を有する61%の伸張率を有するものであって一部が方向付けられたナイロン系樹脂材料からなっている。
前記充填糸104の終端部107は、適当な手段を用いて管状ウエビング102の終端部108に取り付けられる。これらの終端部107,108は、連結金具が取り付けられるループを形成するように折り畳まれて取り付けられる。一方の第1織成ストラップ101における管状ウエビング102と反対側の端部109は、管状ウエビング102の終端部108と同様に、連結金具が取り付けられるループを形成するように折り畳まれて取り付けられる。
前記管状ウエビング102の内部に配された充填糸104は、上述のように経糸と緯糸で織成された管状ウエビング102よりも弾力性が大きく、その長さが短い。このため、経糸と緯糸で織成された管状ウエビング102の長さによって限定される長さまで伸張することができる。
従って、図6において符号Fで示した方向に引張力が加わると同時に、充填糸104が伸張する。充填糸104が管状ウエビング102の長さによって限定される長さまで伸張すると、管状ウエビング102の二重層部分106の折り畳みが解かれて単一層の管状部材を形成する。これにより、落下のエネルギーを吸収し、織成ウエビング100が全体の荷重を支持する。
米国特許第6,085,802号明細書
ところで、上記特許文献1に記載された織成ウエビング100は、充填糸104と管状ウエビング102との伸張によって作業者が落下した時における衝撃を吸収している。このため、織成ウエビング100が予定された長さまで伸びたときに落下による衝撃を緩衝することができる。しかしながら、織成ウエビング100は、力がかかった状態で伸びた後に、今度は、その最終伸長状態位置から伸長方向とは逆の方向ヘ織成ウエビング100が縮まろうとする。この縮まろうとする反動によって織成ウエビング100全体が跳ね上がって弛み、その後再び、伸長を行うことを繰り返して、伸びたり弛んだりの振動を発生することとなる。このため、伸びの後の弛み時には高い反動力が作業者に対して加わることとなる。
このように、上記従来の織成ウエビング100においては飛び跳ね現象が生じるという不具合があった。しかしながら、上記従来の織成ウエビング100では、織成ウエビング100の長さが伸びることで、落下エネルギーを吸収する作用を行わせる構造である。このため、その構造上、織成ウエビング100の衝撃後の反動力による振動を即座に減衰させて小さくすることはできないという問題があった。
また、上記従来の織成ウエビング100は、上述したように第1織成ストラップ101と管状ウエビング102とが連続して形成された一体的な織成構造によって形成されている。しかも、第1織成ストラップ101が終了する部分の近傍に配された端部105を管状ウエビング102の内部に挿通し、管状ウエビング102の一部を裏返して二重に折り畳むことで、二重層部分106を形成している。このため、織成ウエビング100の製作に手間がかかり、その製作費などを高騰させる原因に繋がるという問題があった。
本発明は、上記従来の課題を解消すべくなされたものであり、簡単な構造であり、人体が受ける衝撃を緩和するのに理想的な衝撃吸収性能を発揮することができるとともに、衝撃後の飛び跳ね現象による振動を減衰させる減衰効率を高めた衝撃吸収ロープを提供することを目的としている。
本願請求項1に係る発明は、長手方向に伸縮可能な構造に形成されてなる長尺筒状のロープ本体と、同ロープ本体の筒部内に配された長尺状の芯部材とを備え、前記ロープ本体における長手方向の両側端部と前記芯部材の両側端部とが互いに固着されてなり、前記ロープ本体が縮小状態のとき、前記ロープ本体の長さは、弛んでいないときの前記芯部材の長さよりも短く、且つ前記芯部材は前記ロープ本体の筒部内に弛んだ状態で配され、前記ロープ本体は、前記芯部材が弛んでいないときの長さ以上に伸長可能なことを特徴とする衝撃吸収ロープにある。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明であって、前記ロープ本体は、同ロープ本体を構成する構成糸条が変位することによる形態変化に伴い長手方向に伸縮可能であり、前記芯部材が弛んでいないときの同芯部材の長さと、前記ロープ本体が前記形態変化に伴い長手方向に伸長した状態にあるときの同ロープ本体の長さとが、略等しい長さに設定されていることを特徴としている。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の発明であって、前記ロープ本体の最大伸び長さ状態における耐荷重が、前記芯部材の最大伸び長さ状態における耐荷重よりも大きく設定され、前記ロープ本体の最大伸び長さ状態における耐荷重と、前記芯部材の最大伸び長さ状態における耐荷重の総和が、前記ロープ本体及び前記芯部材に対して加わる衝撃時の最大荷重よりも大きく設定されていることを特徴としている。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明であって、前記ロープ本体が、袋織りからなる構造を有していることを特徴としている。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明であって、前記ロープ本体が、同ロープ本体を構成する構成糸条に対して張力を加えた状態にて織込まれ、織成時に前記ロープ本体の形状が前記最大伸び長さに伸張した状態で形成され、織成後に前記ロープ本体の形状が前記長手方向に縮小した状態に保持されていることを特徴としている。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明であって、前記ロープ本体を構成する構成糸条の一部に伸縮ゴムを含んでなり、同伸縮ゴムが経糸の一部として織込まれていることを特徴としている。
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明であって、前記ロープ本体の構成糸条が、高強度の合成繊維から構成されていることを特徴としている。
請求項8に係る発明は、請求項1記載の発明であって、前記芯部材の構成糸条が、高伸度の合成繊維から構成されてなり、細幅テープ状に形成されていることを特徴としている。
請求項9に係る発明は、請求項1又は8記載の発明であって、前記芯部材が、杉綾織り又は平織りからなる構造を有していることを特徴としている。
請求項10に係る発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の発明であって、前記ロープ本体及び前記芯部材における長手方向の両側端部にそれぞれ連結金具を有した高所作業用の安全部材からなることを特徴としている。
本発明の衝撃吸収ロープにあっては、長手方向に伸縮可能な構造である長尺筒状のロープ本体とそのロープ本体の筒部内に挿通される芯部材とを互いに独立して別個に形成することができる。更に本発明の衝撃吸収ロープでは、縮小状態にある前記ロープ本体の筒部内に前記芯部材を弛んだ状態で配することができる。更に本発明の衝撃吸収ロープでは、縮小状態にある前記ロープ本体の長さを前記芯部材が弛んでいないときの芯部材の長さよりも短くし、且つ前記ロープ本体における長手方向の両側端部と前記芯部材の両側端部とを相互に固着することができる。更に本発明の衝撃吸収ロープでは、前記ロープ本体を前記芯部材が弛んでいないときの芯部材の長さ以上に伸長可能にすることができる。
前記ロープ本体としては、同ロープ本体を構成する構成糸条が変位することによる形態変化に伴い長手方向に伸縮可能な構造とすることができる。更に前記芯部材が弛んでいないときの同芯部材の長さと、前記ロープ本体を構成する構成糸条が変位することによる形態変化に伴い長手方向に伸長した状態にあるときの同ロープ本体の長さとを略等しい長さに設定することが好適である。これにより、衝撃荷重等に対して、前記ロープ本体と前記芯部材とが同じ長さ状態にて伸長することができるようになり、前記ロープ本体と前記芯部材との両方で衝撃荷重等を支えることが可能となる。
更に本発明の衝撃吸収ロープでは、前記ロープ本体の最大伸び長さ状態における耐荷重を前記芯部材の最大伸び長さ状態における耐荷重よりも大きくすることが好適である。更に、前記ロープ本体の最大伸び長さ状態における耐荷重と前記芯部材の最大伸び長さ状態における耐荷重の総和を前記ロープ本体及び前記芯部材に対して加わる衝撃時の最大荷重よりも大きくすることが好適である。
前記ロープ本体及び前記芯部材に引張り力が作用すると、ロープ本体が、その構成糸条における前記形態変化によって前記芯部材が弛んでいないときの長さにまで伸びる。同芯部材が弛んでいないときの長さにまで伸びると、芯部材を構成する構成糸条に引張り力が作用して、芯部材の構成糸条が伸び始める。同芯部材の構成糸条の伸びが開始されるとともに、前記ロープ本体は、その構成糸条における前記形態変化によって伸び続ける。その後、前記芯部材の構成糸条の伸びと一緒に前記ロープ本体の構成糸条による伸びを伴いながら、前記ロープ本体は、その形態変化を続けて伸長する。
このように、本発明の衝撃吸収ロープでは、一連の衝撃吸収プロセスにおいて、前記ロープ本体における構成糸条の前記形態変化によって伸長する段階、同ロープ本体における構成糸条の前記形態変化時による伸長と前記芯部材における構成糸条の伸びによる段階、及び芯部材とロープ本体のそれぞれの構成糸条の伸びによる段階が順次連続的に行われることになる。すなわち、三段階にわたって順次衝撃エネルギーを吸収することができる。このため、前記ロープ本体及び前記芯部材に加わる衝撃力を段階的に吸収することができるようになり、ロープ本体及び芯部材によって全体の衝撃荷重を支持することができる。なお、一連の衝撃吸収プロセスにおいて、前記芯部材の構成糸条が伸びる段階に入る前に、前記ロープ本体の構成糸条が伸び始める段階が開始される構成とすることもできる。
本発明の衝撃吸収ロープでは、前記ロープ本体及び前記芯部材によって衝撃力を段階的に緩衝することができるため、衝撃エネルギーを吸収することができる制動作用と衝撃後の振動を速やかに減衰させて小さくすることができる減衰効率を高めることができるようになる。
一般に、例えば高所作業時に衝撃吸収ロープを着用している作業者が落下した場合には、前記ロープ本体及び前記芯部材が最終伸長状態位置にまで伸びた後に、今度は、前記ロープ本体及び前記芯部材には各構成糸条にて縮まろうとする力が発生することとなる。その縮まろうとする反動によって、落下した作業者に対して作業者を引き上げようとする引き上げ力が作用する。しかしながら、本発明の衝撃吸収ロープでは、前記引き上げ力の一部が前記ロープ本体における前記形態変化に費やされることとなり、作業者に対する衝撃力を更に小さくすることができる。
また、前記ロープ本体及び前記芯部材の縮みによる引き上げの後に、再度、作業者の荷重による落下が開始されても、前記ロープ本体における前記形態変化を加えたロープ本体及び芯部材の各構成糸条による伸びにより、落下エネルギーの吸収効率を高め、跳ね返りによる振動を大幅に減衰させることができる。これにより、簡単な構造をもって、人体が受ける衝撃を緩和するのに理想的な衝撃吸収性能が得られる。
なお、前記芯部材としては、その長さ方向に伸長するが、その長さ方向に縮小しない部材を使用することができ、例えば不可逆変形可能な部材により構成することが望ましい。これにより、前記芯部材の縮小による引き上げ力が発生することなく、引き上げ力を小さくすることができる。
本発明の衝撃吸収ロープでは、上述したように前記ロープ本体と前記芯部材とが独立して別個に形成されている。衝撃吸収エネルギ−を作用させる部分においては、多条に縫着した部分や二重に重ね合わせた部分などの衝撃吸収部を排除して、衝撃吸収部における破壊によって衝撃を吸収する格別な衝撃吸収構造を有さずに衝撃吸収ロープを構成することができる。これにより、衝撃吸収ロープの製作が容易となり、高品質で良好な衝撃吸収ロープを安定して得ることができる。
前記ロープ本体の代表的な一例としては、例えば複数本の構成糸条のそれぞれを長手方向に対して左右のねじ状に傾斜して互いに交錯する袋織り状の組物から構成することができる。組物としては、例えば丸打組物を使用することができる。その組物の組織としては、例えば一本組、二本組、三本組組織以上のもの、あるいはこれらの組織を混用したものを使用することができる。一方の前記芯部材としては、例えば織込み又は編込みによって紐状や帯状などに形成することができる。
前記ロープ本体の他の構造例としては、例えば経糸と緯糸を用いて長手方向に伸縮可能な構造に織成された一般的な袋織り構造から構成することができる。袋織り法としては、例えば経糸列を表裏に分離し、緯糸を螺旋状に往復させて織り上げることで筒状の組織を形成することができる。前記ロープ本体の形態は、特に限定されるものではないが、例えばロープ本体の筒部を螺旋状やギャザー状などに構成することができる。
一般に、前記芯部材が伸張すると、その最大停止位置においてロープ飛び跳ね現象を生じる。しかしながら、本発明のロープ本体では、上述したように複数本の構成糸条のそれぞれを長手方向に対して伸縮可能な組物組織や袋織り組織などの織構造から構成することができるため、各構成糸条同士の拘束が低減され、前記ロープ本体を長手方向へ自由に伸縮することができる。その結果、ロープの反動勢いを前記ロープ本体の形態変化により吸収することができ、この形態変化によるダンパー作用によってロープの反動を緩衝することができるようになり、衝撃吸収後の振動を即座に減衰させて小さくすることができる。また、前記ロープ本体を長手方向へ自由に伸縮することができるため、衝撃吸収時におけるロープ本体の破壊を少なくすることができる。
前記ロープ本体を構成する構成糸条に対して張力を加えた状態にて織込むことが好適である。同ロープ本体の織成時においては、ロープ本体の形状を最大伸び長さに伸長した状態で形成することができる。組織が全周にわたって均質となり、ロープ本体の形態が崩れることなく、寸法安定性が優れたロープ本体を得ることができる。ロープ本体の織成後においては、ロープ本体を良好な縮小状態としておくことができる。しかも、縮小状態としたロープ本体内に芯部材を収納しておくことができ、本願発明の衝撃吸収ロープを装着した作業者に衝撃吸収ロープがからまることなく、作業の邪魔とならずに作業者による作業が行い易くすることができる。
前記ロープ本体の構成糸条としては、その代表的な樹脂材料として高強度を有する合成繊維を使用することができる。その代表的な樹脂材料として、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等の繊維が挙げられる。前記ロープ本体に引張り力が作用するとき、ロープ本体の構造と相まって全体の荷重を支持することができる破断強度を確保することができ、ロープ本体によって全体の荷重を支えることが可能となる。
更に本発明の衝撃吸収ロープでは、前記ロープ本体を構成する構成糸条の一部に伸縮ゴムを使用することができる。伸縮ゴムを経糸の一部としてロープ本体の織成と同時に織込むことができる。前記伸縮ゴムは、前記ロープ本体に対して、その幅や太さ、断面形態、配置位置、配置数などを適宜に設定することができる。前記伸縮ゴムの織込みの組織は任意であり、例えば構成糸条の上を跨いだり、構成糸条の下を潜ったりする本数が必ずしも複数本である必要はなく、構成糸条1本を跨いだり、潜ったりするような組織であっても構わない。
また、前記伸縮ゴムの伸縮弾性力によって前記ロープ本体を最小の縮小状態としておくことができる。前記伸縮ゴムの伸縮弾性力により前記ロープ本体に好適な形態安定性を与えることができる。このため、本発明の衝撃吸収ロープを装着した作業者が作業するうえで、好適な長さの衝撃吸収ロープとすることができる。前記伸縮ゴムの伸縮弾性力は、例えば高所作業時に発生した落下事故において、落下エネルギーを吸収する働きをすることができる。また、ロープ飛び跳ね現象を減衰させるダンパー作用を奏することもできる。また、衝撃吸収時において、前記伸縮ゴムが破断することで衝撃エネルギーを吸収する構成とすることもできる。
前記芯部材の構成糸条としては、前記ロープ本体の材料よりも高強度及び高伸度(高タフネス)性を有する合成繊維を使用することができる。その代表的な樹脂材料として、ポリエステル繊維が挙げられる。前記芯部材の構成糸条としては、その代表的な樹脂材料としてポリエステル繊維を使用することができる。前記芯部材としては、織込み又は編込みの組織であっても構わないが、ポリエステル繊維を細幅テープ状に織成することが好適である。前記芯部材の織り組織としては、杉綾織り組織又は平織り組織から構成することができる。前記芯部材に略一定荷重が加わることで伸長し始める構造とすることができ、その伸長によって衝撃エネルギーを吸収する機能を確保することで、人体に加わる衝撃を比較的に小さくすることができる。
本発明の衝撃吸収ロープとしては、前記ロープ本体及び前記芯部材における長手方向の両側端部に連結金具がそれぞれ固着された高所作業用の安全部材に効果的に使用することができる。本発明の衝撃吸収ロープは、人体に加わる衝撃を緩和するのに必要なあらゆる製品に使用することができるものである。本発明の衝撃吸収ロープの他の使用例としては、例えば登山用ザイルやワイヤーロープ、バンジージャンプ用のロープ、シートベルト、パラシュートの紐、荷物の締着ベルトなどに幅広く適用することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明の代表的な衝撃吸収ロープを使用した高所作業用の安全ロープを一部切り欠いて模式的に示す斜視図、図2は同ロープを模式的に示す部分平面図、図3は同ロープが伸長する途中の状態を一部切り欠いて模式的に示す部分斜視図、図4は同ロープが伸長した状態を模式的に示す部分平面図である。
図1において、符号10は長手方向の両側端部に連結金具40をそれぞれ取り付けた高所作業用の安全部材として使用される衝撃吸収ロープを模式的に示している。図示例による衝撃吸収ロープ10は、偏平な長尺筒状のロープ本体20と、同ロープ本体20の内部に弛んだ状態で配された細幅テープ状の芯部材30とを互いに独立して別個に形成している。
前記ロープ本体20は、前記芯部材30を挿通させた筒袋織り状に形成されている。ロープ本体20及び芯部材30における長手方向の両側端部は、細く伸ばした状態で粘着テープ等によりラッピングを行なうことで先細り状に形成されている。ロープ本体20及び芯部材30における長手方向の両側端部は、連結金具40を取り付けるループを形成するように折り畳まれて、ロープ本体20の長手方向に対して左右に傾斜して互いに交錯する各構成糸条間に囲まれた隙間部22の中に挿入され、適当な固着手段により固着されている。
前記ロープ本体20は、図2〜図4に示すように、その構成糸条である2本の経糸21,21を跨いだのち、次位の2本の経糸21,21を潜るようにして2本おきの経糸21,21と交錯している。これを繰り返しながら、各経糸21は、ロープ本体20における長手方向の表裏面にわたって略S字状と略Z字状とに互い違いに織込まれている。この経糸21としては、特に限定するものではないが、高強度及び高耐久性を有するポリプロピレン繊維からなるモノフィラメント又はマルチフィラメントを使用することができる。あるいは、経糸21として、高強度及び高耐久性を有するポリエステル繊維又はナイロン繊維からなるモノフィラメント又はマルチフィラメントを使用してもよい。
この第1実施例では、前記ロープ本体20が、その長手方向に対して左右のねじ状に傾斜して互いに交錯する丸打組物から構成されている。その組物の組織としては、例えば一本組、二本組、三本組、四本組組織以上のもの、あるいはこれらの組織を混用したものを使用することができる。
前記ロープ本体20を織成するにあたっては、前記ロープ本体20を構成する経糸21に対して張力を加えた状態で織込むことが好ましい。好ましくは、前記ロープ本体20の織成時においては、ロープ本体20の形状が最大伸び長さに伸長した状態で形成することが好適である。ロープ本体20の形態が崩れるのを防止することができる。ロープ本体20の組織が全周にわたって均質となり、優れた寸法安定性を確保することができる。また、ロープ本体20の織成後においては、ロープ本体20を縮小状態に保持しておくことができる。このロープ本体20内に芯部材30を収納しておくことで、衝撃吸収ロープ10を装着した作業者に衝撃吸収ロープ10が無闇にからまることを防止することができ、作業者による作業を行いやすくすることができる。
図示例による衝撃吸収ロープ10は、同一方向を向く隣接する経糸21同士が図2に示すように相互に接触することで縮小した第1接触状態にあるときには、ロープ本体20の長手方向に対して略直交する方向に傾斜した形状となる構造とすることができる。一方、同一方向を向く隣接する経糸21同士が図4に示すようにロープ本体20の長手方向に沿って伸長することで相互に接触する第2接触状態にあるときには、ロープ本体20の長手方向に傾斜した形状となる構造とすることができる。
このロープ本体20の織成構造を備えることにより、ロープ本体20に引張り力が作用すると、ロープ本体20の長手方向に対して左右に傾斜して互いに交錯する各経糸21がなす組角度θ2 が、図2及び図4に示すように、組角度θ1 よりも小さくなるように変化する。これにより、ロープ本体20の組物構造と相まって衝撃時の最大荷重を支持することができる破断強度を十分に確保することができる。
前記ロープ本体20の各経糸21の一部として、図3に示すように複数本の細長い伸縮ゴム23,…,23が所定の間隔をもって並列に配されている。この伸縮ゴム23における長手方向の両側端部は、ロープ本体20の端部にそれぞれ取り付けられている。伸縮ゴム23は、ロープ本体20の長手方向に対して斜めに交錯する各経糸21間に押さえ付けられた状態で潜るようにして、ロープ本体20に沿った縦方向にわたって配されている。伸縮ゴム23は、ロープ本体20の織成と同時に、ロープ本体20の長手方向にわたって略直線状に織込まれる。
伸縮ゴム23の伸縮弾性力によってロープ本体20を長手方向に自由に伸縮することができる。伸縮ゴム23の伸縮弾性力によりロープ本体20を図2に示すような最小の縮小状態としておくことができる。しかも、好適な形態安定性を与えることができる。また、伸縮ゴム23は、衝撃吸収時において破断することで衝撃エネルギーを吸収するように構成することもできる。また、ロープ飛び跳ね現象を減衰させるダンパー効果を奏することもできる。なお、ロープ本体20の内部に複数本の収縮ゴム23を経糸として並列に配して、隠蔽した状態で数本おきの経糸により織込むようにしてもよい。伸縮ゴム23は、ロープ本体20に対して、その幅や太さ、断面形態、配置位置、配置数などを適宜に設定することができる。
本発明の衝撃吸収ロープ10では、図2に示すような縮小状態にあるロープ本体20の長さを芯部材30が弛んでいないときの芯部材30の長さよりも短く設定することが好適であり、ロープ本体20を芯部材30が弛んでいないときの芯部材30の長さ以上に伸長可能な構造することが好適である。ロープ本体20としては、ロープ本体20の各経糸21の位置が相対的に変化することによって生じるロープ本体20の形態変化に伴い長手方向に伸縮可能な構造とすることが好適である。図示例では、ロープ本体20の各経糸21が図2に示す第1接触状態にある形態から図4に示す第2接触状態にある形態に変化する構造とすることができる。
更に芯部材30が弛んでいないときの長さと、ロープ本体20が経糸21の変位による形態変化に伴い長手方向に伸長した状態にあるときのロープ本体20の長さとを略等しい長さに設定することが好適である。図示例にあっては、芯部材30の長さは、芯部材30が図1に示す弛んだ状態から図4に示すような同一方向を向く隣接する経糸21同士が相互に接触する第2接触状態にあるときのロープ本体20の長さと略等しい長さに設定することができる。ロープ本体20及び芯部材30に加わる落下による衝撃力に対して、ロープ本体20と芯部材30とを同じ長さ状態で伸長させることができるようになり、ロープ本体20と芯部材30との両方で衝撃荷重を支持することができる。
前記芯部材30の形態としては、例えば細幅テープ状に織成することが好適である。本実施形態では、前記芯部材30の織り組織として、杉綾織り組織から構成することができる。あるいは、前記芯部材30の織り組織を平織り組織で構成してもよい。前記芯部材30の構成糸条としては、特に限定するものではないが、前記ロープ本体20の材料よりも高強度及び高伸度を有するポリエステル繊維からなるモノフィラメント又はマルチフィラメントを使用することができる。これにより、芯部材30に一定荷重が加わることで伸長し始める構造とすることができる。その伸長によって衝撃エネルギーを吸収する機能を確保することができ、人体に加わる衝撃を比較的に小さくすることができる。
上記のように構成された衝撃吸収ロープ10では、ロープ本体20の最大伸び長さ状態における耐荷重F1と芯部材30の最大伸び長さ状態における耐荷重F2とは、F1>F2、(F1+F2)>Fの関係を満足することが好適である。ただし、前記符号Fは、ロープ本体20及び芯部材30に対して加わる衝撃時の最大荷重である。前記衝撃吸収ロープ10の構造としては、特に限定されるものではないが、衝撃吸収荷重が約8.82KN以下であり、破断強度が約22.246KN以上の範囲とすることができる。これにより、理想的な衝撃吸収機能と墜落阻止機能との双方を十分に確保することができる。
いま、ロープ本体20及び芯部材30に落下による引張り力が作用すると、ロープ本体20は、各経糸21の変位による形態変化によって図2に示す第1接触状態における長さから図4に示す第2接触状態における長さにまで伸長していく。ロープ本体20内に弛んだ状態で配された芯部材30の長さが、ロープ本体20の構成糸条における前記形態変化によって芯部材30が弛んでいないときの長さにまで伸びると、芯部材30を構成する構成糸条に引張り力が作用することで、芯部材30の構成糸条が伸び始める。続いて、芯部材30を構成する構成糸条の伸びが開始される。芯部材30の構成糸条における伸びの開始とともに、ロープ本体20が、各経糸21における形態変化によって伸長し続ける。その後、芯部材30の構成糸条の伸びと一緒にロープ本体20の各経糸21による伸びを伴いながら、ロープ本体20は、その形態変化を続けて伸長していく。
こうして、ロープ本体20における各経糸21の形態変化によって伸長する段階と、ロープ本体20における各経糸21の形態変化時による伸長と芯部材30における構成糸条の伸びとによる段階と、ロープ本体20における各経糸21の伸びと芯部材30における各構成糸条の伸びによる段階とからなる三段階にわたって落下による衝撃エネルギーを吸収することができる。このため、ロープ本体20及び芯部材30に加わる落下による衝撃力を段階的に吸収することができるようになり、ロープ本体20及び芯部材30によって落下による全体の落下荷重を支持することが可能となる。なお、この一連の衝撃吸収プロセスにおいては、芯部材30の構成糸条が伸びる段階に入る前に、ロープ本体20の各経糸21が伸び始める段階が開始されるように構成とすることもできることは勿論である。
このように、本発明の衝撃吸収ロープ10では、ロープ本体20及び芯部材30に加わる落下による衝撃力を段階的に緩衝することができる。このため、落下の衝撃エネルギーを吸収することができる制動作用と衝撃後の振動を速やかに減衰させて小さくすることができる減衰効率との双方を十分に高めることができる。これにより、人体が受ける衝撃を緩和するのに理想的な衝撃吸収性能を保障することができる。
ところで、高所作業時に衝撃吸収ロープ10を着用している作業者が落下した場合には、ロープ本体20及び芯部材30が最終伸長状態位置にまで伸びた後に、今度は、ロープ本体20の各経糸21及び芯部材30の各構成糸条にて縮まろうとする力が発生することとなる。その縮まろうとする反動によって、落下した作業者に対して作業者を引き上げようとする引き上げ力が作用する。
本発明の衝撃吸収ロープ10では、上記構成を備えることにより前記引き上げ力の一部がロープ本体20の前記形態変化に費やされることとなる。このため、作業者に対する衝撃力を小さくすることができる。また、ロープ本体20及び芯部材30の縮みによる引き上げの後、作業者の体重による落下が開始されても、ロープ本体20の前記形態変化に加えて、ロープ本体20における各経糸21の伸びや芯部材30における各構成糸条の伸びにより、落下エネルギーを吸収することができる。これにより、跳ね返りによる振動を速やかに減衰させることができる。
また、ロープ本体20と芯部材30とが、高所作業時に発生した作業者の落下によって、図2に示す第1接触状態における長さから図4に示す第2接触状態における長さにまで伸長すると、その最大停止位置においてロープ飛び跳ね現象を生じるが、ロープ本体20の各経糸21が、ロープ本体20の長手方向に対して斜めに交錯して形成されているため、ロープ本体20はその形態変化によって長手方向へ自由に伸縮することができる。その結果、衝撃吸収ロープ10の反動勢いをロープ本体20の形態変化により吸収することができる。ロープ本体20の形態変化によるダンパー効果によって衝撃吸収ロープ10の反動を緩衝することができるようになり、落下による衝撃吸収後の振動を速やかに減衰させて小さくすることができる。
なお、芯部材30としては、その長さ方向に伸長するが、その長さ方向に縮小しない部材を使用することができる。芯部材30としては、例えば不可逆変形可能な部材により構成することが望ましい。これにより、芯部材30の縮小による引き上げ力を発生することがなくなり、引き上げ力を小さくすることができる。
また、ロープ本体20の各経糸21をロープ本体20の長手方向に斜めに交錯して織込むことで、各経糸21同士の拘束が低減され、ロープ本体20をその長手方向へ自由に伸縮することができる。このため、衝撃吸収時においては、ロープ本体20の破壊を少なくすることができるようになる。落下による衝撃吸収後においては、ロープ本体20と芯部材30とを互いに分離して芯部材30を交換することができるようになる。これにより、ロープ本体20を衝撃吸収ロープ10の一部として再利用することができる。
本発明に係る衝撃吸収ロープ10では、上述のようにロープ本体20と芯部材30とが独立して別個に形成されている。これにより、落下時における衝撃吸収エネルギ−を作用させる部分においては、多条に縫着した部分や二重に重ね合わせた部分などの衝撃吸収部を排除して、その衝撃吸収部における破壊によって衝撃を吸収するような格別な衝撃吸収構造を備える必要がなくなる。このため、ロープ本体20と芯部材30との製作が容易となり、高品質であり、且つ簡単な構造をもって良好な衝撃吸収ロープ10を安定して得ることができる。
図5は、本発明に係る衝撃吸収ロープ10の他の一例を模式的に示している。なお、同図において上記第1実施例と実質的に同じ部材には同一の部材名と符号を付している。従って、これらの部材に関する詳細な説明は省略する。
同図において、衝撃吸収ロープ10の基本的な構造は、長尺筒状のロープ本体20の表表裏両面にそれぞれ都合2本の弾性ゴム23,23を挿通させた一般的な袋織り構造により構成されている。ロープ本体20は、高強度及び高耐久性を有するポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維又はナイロン繊維などの樹脂材料からなる合成繊維糸の経糸21列に対して緯糸24列を緯入れすることで、長尺筒状の管体に形成することができる。
前記弾性ゴム23は、ロープ本体20の織成時に袋織部分の一部の経糸として織込むことができる。前記弾性ゴム23は、1本の緯糸24を跨いだ後、次位の緯糸24を潜るようにして緯糸24と交錯して押さえ付けられ、これを繰り返しながらロープ本体20の長手方向の表裏面にわたってロープ本体20の織成と同時に織込まれている。弾性ゴム23は、他の緯糸24よりも太めに設定されている。
なお、弾性ゴム23は中実に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば中空筒状に形成することもできる。また、前記経糸21及び緯糸24は上述した合成繊維のモノフィラメント糸又はマルチフィラメント糸を使用することができる。前記ロープ本体20としては、図示例に限定されるものではなく、例えば経糸と緯糸を用いて長手方向に伸縮可能な筒状の組織を形成する他の袋織り構造から構成することができる。袋織り法としては、例えば経糸列を表裏に分離し、緯糸を螺旋状に往復させて織り上げることで、両縁にて締結された筒状の組織を形成させる一般的な製織法を挙げることができる。ロープ本体20の形態にあっても、特に限定されるものではないが、例えばロープ本体20の筒部をコイル状やベローズ状などの形態とすることができる。
この第2実施例による衝撃吸収ロープ10にあっても、上記第1実施例と同様に、一連の衝撃吸収プロセスにおいて、ロープ本体20における構成糸条の形態変化によって伸長する段階、ロープ本体20における構成糸条の形態変化時による伸長と芯部材30における構成糸条の伸びによる段階、及びロープ本体20と芯部材30とのそれぞれの構成糸条の伸びによる段階の三段階にわたって、ロープ本体20及び芯部材30に加わる衝撃力を段階的に吸収することができる。これにより、衝撃エネルギーを吸収することができる制動作用と衝撃後の振動を減衰させて小さくすることができる減衰効率とを高めることができる。
以上の説明からも明らかなように、上記各実施例では、ロープ本体20の長手方向に伸縮可能な構造に織成された一般的な袋織り構造のロープ本体20と、細幅テープ状の杉綾織り組織などの織り構造からなる芯部材30とを組み合わせている。しかしながら、本発明にあってはこれに限定されるものではない。本発明は、例えばロープ本体20の素材や組織構造に応じて、芯部材30の織込み又は編込みの組織を選定して組み合わせることができることは勿論であり、本発明の目的を十分に達成することができる。従って、上記各実施例に限定されないことは勿論であり、各請求項に記載した範囲内で様々に設計変更が可能である。
本発明の対象とする衝撃吸収ロープ10として、高所作業用の安全ロープを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば登山用ザイルやワイヤーロープ、バンジージャンプ用のロープ、車両用シートベルト、パラシュートの紐、荷物の締着ベルトなどの各種の製品に適用される全ての衝撃吸収ロープが対象となる。
本発明の代表的な衝撃吸収ロープを使用した高所作業用の安全ロープを一部切り欠いて模式的に示す斜視図である。(第1実施例) 同ロープを模式的に示す部分平面図である。(第1実施例) 同ロープが伸長する途中の状態を一部切り欠いて模式的に示す部分斜視図である。(第1実施例) 同ロープが伸長した状態を模式的に示す部分平面図である。(第1実施例) 同ロープの他の構造例を模式的に示す断面図である。(第2実施例) 従来の衝撃吸収織成ウエビングを示す断面図である。
符号の説明
10 衝撃吸収ロープ
20 ロープ本体
21 経糸
22 隙間部
23 伸縮ゴム
24 緯糸
30 芯部材
40 連結部材

Claims (10)

  1. 長手方向に伸縮可能な構造に形成されてなる長尺筒状のロープ本体(20)と、同ロープ本体(20)の筒部内に配された長尺状の芯部材(30)とを備え、
    前記ロープ本体(20)における長手方向の両側端部と前記芯部材(30)の両側端部とが互いに固着されてなり、
    前記ロープ本体(20)が縮小状態のとき、前記ロープ本体(20)の長さは、弛んでいないときの前記芯部材(30)の長さよりも短く、且つ前記芯部材(30)は前記ロープ本体(20)の筒部内に弛んだ状態で配され、
    前記ロープ本体(20)は、前記芯部材(30)が弛んでいないときの長さ以上に伸長可能なことを特徴とする衝撃吸収ロープ。
  2. 前記ロープ本体(20)は、同ロープ本体(20)を構成する構成糸条(21)が変位することによる形態変化に伴い長手方向に伸縮可能であり、
    前記芯部材(30)が弛んでいないときの同芯部材(30)の長さと、前記ロープ本体(20)が前記形態変化に伴い長手方向に伸長した状態にあるときの同ロープ本体(20)の長さとが、略等しい長さに設定されてなることを特徴とする請求項1記載の衝撃吸収ロープ。
  3. 前記ロープ本体(20)の最大伸び長さ状態における耐荷重が、前記芯部材(30)の最大伸び長さ状態における耐荷重よりも大きく設定され、
    前記ロープ本体(20)の最大伸び長さ状態における耐荷重と、前記芯部材(30)の最大伸び長さ状態における耐荷重の総和が、前記ロープ本体(20)及び前記芯部材(30)に対して加わる衝撃時の最大荷重よりも大きく設定されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の衝撃吸収ロープ。
  4. 前記ロープ本体(20)が、袋織りからなる構造を有してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の衝撃吸収ロープ。
  5. 前記ロープ本体(20)が、同ロープ本体(20)を構成する構成糸条(21)に対して張力を加えた状態にて織込まれ、織成時に前記ロープ本体(20)の形状が前記最大伸び長さに伸張した状態で形成され、織成後に前記ロープ本体(20)の形状が前記長手方向に縮小した状態に保持されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の衝撃吸収ロープ。
  6. 前記ロープ本体(20)を構成する構成糸条(21)の一部に伸縮ゴム(23)を含んでなり、同伸縮ゴム(23)が経糸の一部として織込まれてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の衝撃吸収ロープ。
  7. 前記ロープ本体(20)の構成糸条(21)が、高強度の合成繊維から構成されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の衝撃吸収ロープ。
  8. 前記芯部材(30)の構成糸条が、高伸度の合成繊維から構成されてなり、細幅テープ状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の衝撃吸収ロープ。
  9. 前記芯部材(30)が、杉綾織り又は平織りからなる構造を有してなることを特徴とする請求項1又は8記載の衝撃吸収ロープ。
  10. 前記ロープ本体(20)及び前記芯部材(30)における長手方向の両側端部にそれぞれ連結金具(40)を有した高所作業用の安全部材からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の衝撃吸収ロープ。
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