JP7179381B2 - 安全ランヤードのバンド - Google Patents
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Description
本発明は安全ランヤードのバンドに関するものであり、具体的には高所作業をする作業者が身体に着用する安全帯と構造物の間に結合されるものであり、作業者が落下する際に落下衝撃を軽減しつつ、落下した作業者が一定長さ以上に落下しないようにしてくれる安全ランヤードをなすバンドに関するものである。
ビルや橋梁等の建築物の建設現場や大型船舶を建造する造船業及び送電網補修業など地上から高い位置で作業が行われる際には、作業者が構造物の上、又はぶら下がる状態で作業を実施する事になる。そのため、高所作業位置から作業者が落下し、怪我や死亡する事故を防止するために、作業者は安全帯を着用し、安全帯及び構造物間には安全ランヤードを結合する。
従来では高所作業時に使用する安全ランヤードは麻の様な天然繊維や合成繊維をロープ状にしたものが利用される。そして、安全ランヤードの一端部は作業者が着用した安全帯に結合され、他の一端部は作業現場の構造物に設置されている支持具等に結合される。これにより、作業中に作業者の不注意やその他の要因で作業者が作業位置から落下する場合、作業者は落下防止用ランヤードにより、地面に落ちる事無く、ランヤードによりぶら下がる事になり、地面への衝突を防止できる。
しかし、安全ランヤードは、作業者が構造物内で作業するため、一定の長さを有することになり、作業者の活動に妨げになるだけではなく、作業者が落下時に落下距離を長くなり、作業者にかかる落下荷重が増す問題がある。
この様な問題を補うためのものとして、特許文献1では、二重に織られた二重製織部を形成させ、作業者の落下時に掛かる衝撃荷重により二重製織部が切断されながら分離され、衝撃を吸収し、緩和する構成の安全ベルトを開示している。
しかし、特許文献1での提案は、安全ベルトが作業者の作業を妨げる長さを持つだけではなく、作業者の作業を妨げる問題がある。
また、特許文献2では、高所作業用安全ベルトという名称の発明を開示している。特許文献2では、半延伸糸で形成された芯材を、弾性が低く、引張強度が高いチューブ型製織物で包んだ形で安全ベルトのバンドを構成する。芯材を包んでいるチューブ型製織物は製織を荒くしたルーズ部と細かくしたタイト部を交差させ形成し、芯材より長く形成させる。このことにより、チューブ型製織物は作業時には蛇腹の状態であり、作業者が落下すれば、落下荷重により、芯材は伸びチューブの蛇腹も同時に伸長する。チューブ型製織物の蛇腹が完全に伸びきると、それ以上伸長しなくなり、作業者の落下を防止する。
特許文献2の構成では、芯材の伸長により、衝撃を吸収するが、チューブ型製織物が芯材の伸長を許容し、ある程度芯材が伸長されつつ、衝撃を吸収した後はチューブ型製織物の高い引張強度により、荷重を支持する事になる。
しかし、特許文献2の構成では、芯材とチューブ型製織物で成り立つバンドの長さは作業者が通常の作業や活動をする際には伸長されないため、作業者の活動を保証する長さで長くすれば作業の妨げになり問題がある。また、バンドの製造時に芯材とチューブの長さ違いによる蛇腹状を形成する作業を手作業でする必要があり、製造に多くの時間がかかる上に、蛇腹の形態が均一ではないため、外観がよくない問題もある。
本発明は前述べた従来の技術問題を解決する事であり、使用者が構造物で作業したり移動したりする際に使用者の落下を防止するため、構造物と使用者が着用する安全帯の間にある安全ランヤードのバンドを提供する事である。
具体的には、本発明は使用者が構造物での作業が容易にできるように短い長さを持ちつつ、使用者が移動も容易にできるように伸縮可能な安全ランヤードのバンドを提供する事である。
また、本発明は使用者が構造物で落下した際の落下衝撃荷重を吸収できる構成を持つ安全帯の安全ランヤードのバンドを提供するものである。
本発明の安全ランヤードのハンドは、一方の端部は、構造物に脱着が可能であり、他方の端部は、人が着用する安全帯に脱着可能である、安全ランヤードのバンドであって、人の落下時には荷重により伸長されながら、衝撃荷重を吸収するコア及び当該コアを包む外皮によって構成され、前記コアは、横糸と縦糸とを含み、前記縦糸は、前記バンドの長さ方向に作用する荷重によって伸長する半延伸糸により構成され、前記縦糸と並行に配置された弾性を持つ第一伸縮性繊維であって、第一間隔を置いて横糸と製織された第一伸縮性繊維を更に含み、前記第一伸縮性繊維が製織される横糸間に位置する、縦糸の一部分と、当該第一伸縮性繊維が製織されていない横糸とは、幅方向の外側に突出しており、前記外皮は、横糸と縦糸とが製織されて形成されており、且つ当該縦糸と並行に配置された弾性を持つ第二伸縮性繊維であって、前記第一間隔より大きい第二間隔を置いて当該横糸と製織された第二伸縮性繊維を更に含み、前記第二伸縮性繊維が製織される前記横糸間に位置する、前記外皮の前記縦糸の一部分と第二伸縮性繊維が製織されていない前記外皮の前記横糸とは、幅方向の外側に突出しており、前記コアの両端部はそれぞれ前記外皮の端部に固定結合されており、前記バンドの長さ方向へ作用した荷重が前記コアと前記外皮に加わる構成となっており、前記バンドは、前記長さ方向へ作用する荷重により、前記コアの蛇腹が平坦になるまでは、前記コアと前記外皮をなす前記第一伸縮性繊維及び前記第二伸縮性繊維の弾性により弾性的に伸縮し、更に前記外皮の蛇腹が平坦になる限度内で、前記コアの前記縦糸が延伸されて当該荷重を吸収するものである。
このような構成に従えば、使用者は安全ランヤードを着用した状態で安全ランヤードの長さを超過して移動すれば、移動による引張力により、バンドの長さ方向に作用し、第一伸縮性繊維及び第二伸縮性繊維が弾性的に伸長され、コアと外皮の蛇腹が伸びながらバンドの長さが伸長され、使用者はバンドの長さを超過して移動する事ができる。
使用者が移動し、バンドに移る引張力が消滅されれば第一伸縮性繊維及び第二伸縮性繊維がまた収縮され、外皮とコアがまた蛇腹状になりバンドの長さが収縮する。
よって、使用者はバンドの長さを超過して移動する事ができ、バンドの長さ範囲内で移動する場合はバンドが収縮状態を維持しつつ、使用者の移動や作業による障害を最小にする事ができる。
使用者が構造物から落下し、落下荷重による引張力が作用すればバンドが伸長され、コアの蛇腹が完全に平坦になり、コアが引張力を受ける事になる。
コアの縦糸は半延伸糸であり、落下による荷重によって延伸され荷重による抵抗として作用し、落下荷重による衝撃を最小限に抑える。
外皮をなす第二伸縮性繊維は、コアの第一伸縮性繊維より長い第二間隔で、横糸に製織されており、コアよりもっと蛇腹状になっている。つまり、長さ収縮される比率が大きい。
よって、コアの蛇腹がすべて平坦になっても外皮の蛇腹はすべて平坦にならず、ある程度残った状態になり、より伸ばせる状態になっており、コアの縦糸が延伸されながら伸びることを許容する。
落下によるバンドの伸長による外皮の蛇腹がすべて平坦になれば外皮はそれ以上伸長される事無く、外皮が落下による引張力を受け、これ以上ハンドが伸長されず、落下が停止する事になる。
この様に、本発明のバンドが使用された安全ランヤードは、使用者が構造物内で正常的に移動する際にはバンドの弾性で伸長と収縮により、使用者が幅広い範囲で移動する事を保証し、使用者が構造物から落下すればコアの半延伸糸の縦糸が伸長しながら衝撃荷重を吸収し、使用者が受ける衝撃を最小限に抑え、最終的には高い引張強度を持つ外皮が使用者の荷重を支持しながらこれ以上落下する事を防止する。
本発明の付加的な特徴として、上述の安全ランヤードのバンドは、コアは二重で製織され、コアをなす第一伸縮性繊維はコアの内側で横糸により製織され配置され、第一伸縮性繊維が製織された横糸間に配置される縦糸の部分と第一伸縮性繊維が製織されていない横糸とが、外側へ突出している構成とすることができる。
また、本発明の付加的な特徴として、上述の安全ランヤードのバンドは、外皮は二重で製織され、内側にはコアが配置される空間が形成されており、第二伸縮性繊維は外皮の内側で横糸により製織されており、第二伸縮性繊維が製織された横糸間に配置される縦糸の部分と第二伸縮性繊維が製織されていない横糸とは、外側に突出している構成とすることができる。
従い、コアは外皮がなす空間内に配置され、コアと外皮を形成した後、外皮の内側の空間を通じコアが配置される事が可能になる。
本発明の付加的な特徴として、上述の安全ランヤードのバンドは、コアおよび外皮の両端部は、伸縮性繊維による蛇腹状になっておらず平坦に形成されており、構造物と安全帯へ脱着可能にする器具が付着される構成とすることができる。
この様に構成する事で、バンドの両端部は伸縮性や弾性を有することなく、薄く構成され、器具を付着する作業を容易にできる。
また、本発明の付加的な特徴として、上述の安全ランヤードのバンドは、外皮の両端部はコアが固定結合される部分となっており、長さ方向の外側に延長されていて、且つ折りたたまれて輪を形成し、当該輪には各構造物と安全帯へ脱着される器具が付着される構成とすることができる。
本発明は、使用者が構造物で作業したり移動したりする際に使用者の落下を防止するため、構造物と使用者が着用する安全帯の間にある安全ランヤードのバンドを提供する。
以下、図面を参照して、本発明の一実施例である安全ランヤードのバンドと、このバンドを含んだ安全ランヤードの構成を説明する。
図1を参照して安全ランヤードの全体的な構成を説明する。
安全ランヤードは、長く延長される本実施例のバンド(10)と、バンド(10)の一方の端部に結合されたフック(50)、及び、バンド(10)の他方の端部に結合されたカラビナ(60)によって構成されている。
バンド(10)の一方の端部は、フック(50)の結合輪(51)を貫通した後、折りたたまれ、再度、バンド(10)の一方の端部の一部に固定結合されることにより、バンド(10)の一方の端部に、フック(50)が固定され結合されている。
フック(50)は、安全ロック(52)を押しつつ開放して構造物と脱着可能に結合されるものである。
バンド(10)の他方の端部は、カラビナ(60)の内側ロック(61)を貫通した後、折りたたまれ、再度、バンド(10)の他方の端部の一部に固定結合されることにより、バンド(10)の他方の端部に、カラビナ(60)が固定結合されている。
カラビナ(60)は、内側ロック(61)を開放して、使用者が着用する安全帯(図面なし)に脱着可能に結合されるものである。
バンド(10)は、外側に配置される外皮(20)と、外皮(20)の内部に配置されるコア(30)とを含む。
なお、以下の説明及び本明細書全体を通じて、「長さ方向」はバンドが長く延長される方向を意味し、「幅方向」は長さ方向に垂直し横糸が延長する方向を意味する。
次に、図1の線A-Aと線B-Bによる断面図である図2と図3を参照して、外皮(20)とコア(30)の構成と相互配置関係を説明する。
図2は、バンド(10)の一方の端部と他方の端部との間の断面を概略的に表すものである。
外皮(20)は、幅方向両端が繋がる二重で製織された形態で構成され、内部はチューブ形態に形成され、内部空間にコア(30)が配置されている。
コア(30)も幅方向両端が繋がる二重で製織された形で構成されており、外皮(20)の内部に配置されている。
図3は、フック(50)と結合されたバンド(10)の一方の端部(21、31)の断面を表す。
外皮(20)の端部(21)は、互いに重なり、コア(30)の端部(31)は、外皮の端部(21)内で配置された状態で縫製され、外皮の端部(21)に固定結合されている。
外皮(20)の端部(21)は、コア(30)が配置されていない先端部において、フックの結合輪(51)を貫通させた状態で折りたたまれ、再度、一方の端部(21、31)と重なる状態で縫製されることにより、バンド(10)の一方の端部が輪を形成し、その輪がフック(50)に結合される形態になっている。
図面はないが、カラビナ(60)が結合されるバンド(10)の他方の端部もフック(50)が結合される一方の端部と同じ構造により、コア(30)の端部が外皮(20)に結合されるとともに、バンド(10)の他方の端部が輪を構成し、その輪がカラビナ(60)を固定結合している。
以上の様に、外皮(20)の両端部、つまり一方の端部(21)および他方の端部(22)(図1)には、フック(50)とカラビナ(60)が結合され、コア(30)の両端部(一方の端部(31)および他方の端部)も結合されている。これにより、構造物に結合されるフック(50)と使用者の安全帯に結合されるカラビナ(60)の間に作用する引張荷重、要するに、作業者の移動に従いバンドが引っ張られる引張荷重や作業者の落下による引張荷重は、コア(30)と外皮(20)全てに引張荷重として作用する事になる。
反面、図2に示すように、外皮(20)およびコア(30)の端部と端部との間の部分、つまり、外皮(20)およびコア(30)の大部分の長さを示す部分は、厚み方向で外側に突出された部分と内側の部分とが交互で形成され、全体的に規則的な蛇腹状で構成されている。
図2において外皮(20)部分のみ拡大した図4を参照し、外皮(20)の細部構成を説明する。
外皮(20)は、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン、アラミド、液晶ポリエステル中の何れかの一種やこれらを組み合わせした素材のフィラメントで構成されている糸を、横糸(23)および縦糸(24)として使用する。外皮(20)は、横糸(23)および縦糸(24)を製織し、幅方向の端部が互いに結合される様に、二重の製織状態になっている。
なお、本実施例は製織された横糸(23)と縦糸(24)とを互いが交差させる事で織物を形成するが、交差ではなく、横糸と縦糸が結び目で織る方式や、お互いに絡ませる方式で製織する事も可能であり、本発明は、製織方式に制限はない。
外皮(20)は、端部以外の部分に、天然ゴム又は合成ゴムで成り立つ弾性が高いゴム糸(25)(第一伸縮性繊維)を、縦糸(24)と共に、外皮(20)の長さ方向に、つまり縦糸(24)と並行に、配置している。ゴム糸(25)は、横糸(23)と製織されており、具体的には、16本の横糸(23)ごとに1本の横糸(23)と製織されている。そして、横糸(23)と製織されていないゴム糸(25)の残り部分は、残り15本の横糸(23)よりも内側、つまり、外皮(20)の内側に配置されるようにしている。
製織時には、ゴム糸(25)を3倍の長さになるように引張力を加え、伸長させた状態で製織し、外皮の両端部(一方の端部(21)および他方の端部(22))では、ゴム糸(25)を製織により縦糸(24)と横糸(23)と製織された組織に結合させた。
製織が完了された後には製織時に加えた引張力が消え、ゴム糸(25)が収縮するようにした。これにより、コム糸(25)が収縮し、この収縮により、外皮(20)の全体の長さが収縮しつつ、ゴム糸(25)が横糸(23)と製織された部分は外皮(20)の内側に配置される事になる。そして、残りの部分、つまり、ゴム糸(25)が横糸(23)と製織されてない部分は外皮(20)の外側に突出され外皮が規則的に蛇腹状で形成されている。
つまり、ゴム糸(25)が結合された横糸(23)は内側に配置され、ゴム糸(25)が結合されていない横糸(23)は外側に突出され、この外側に突出している横糸(23)に製織された縦糸(24)の一部分が外側に突出される。
つまり、横糸(23)はゴム糸(25)と製織された部分は内側に配置され、ゴム糸(25)と製織されていない部分は外側に配置される。また、縦糸(24)は外皮(20)の長さ方向に沿って、ゴム糸(25)が製織された横糸(23)は内側に配置され、ゴム糸(25)が製織されていない部分は外側に突出されながら、縦糸(24)が内外側で規則的に屈曲された形態になる。
この様にする事で、外皮(20)の一方の端部(21)および他方の端部(22)では平坦な形態を持ち、端部の間部分はゴム糸が伸長された状態で製織されたため、規則的な蛇腹状になる。
図5を参照すれば、コア(30)の端部の間も外皮(20)と同様の構成及び方法により、蛇腹状の形態で構成されている。
コア(30)は、延伸糸ではなく、半延伸糸状態のポリエステル繊維で構成された糸を横糸(33)と縦糸(34)に使用し、これらを製織したものである。外皮(20)と同様に、幅方向の端部が互いに結合されるようして、二重の製織状態になるように構成されている。
本実施例では、コア(30)の縦糸(34)と横糸(33)をすべて半延伸ポリエステル繊維で構成しているが、横糸(33)は通常の延伸される糸を使用し、縦糸(34)のみ半延伸ポリエステル繊維を使用する事もできる。
コア(30)は、端部以外の部分に、天然ゴム又は合成ゴムで構成されている弾性が高いゴム糸(35)(第二伸縮性繊維)を、縦糸(34)と共に長さ方向に、つまり縦糸(34)と並行に、配置している。ゴム糸(35)は、複数の横糸(33)のうちの一部と製織されており、具体的には、12本の横糸(33)ごとに1本の横糸(33)と製織されている。なお、ゴム糸(35)は、外皮(20)のゴム糸(25)が外皮(20)の横糸(23)と製織している間隔(第一間隔)よりも大きい間隔(第二間隔)を置いて、コア(30)の横糸(33)と製織されている。そして、ゴム糸(35)に製織されている横糸(33)と、ゴム糸(35)に製織されていない横糸(33)とは、外皮(20)の内側に配置されるよう構成されている。
製織時には、ゴム糸(35)の長さが2倍になるように引張力を加え伸長させた状態で製織し、コア(30)の両端部(一方の端部(31)および他方の端部)ではゴム糸(35)は製織により結合されている。
製織が完了しゴム糸(35)に加えられた引張力が無くなればゴム糸(35)が収縮する。これにより、コア(30)の全体の長さが収縮し、ゴム糸(35)と横糸(33)とが製織された部分はコア(30)の内側に配置され、残りの部分、つまり、ゴム糸(35)が製織されていない部分は、コア(35)が外側に突出される。これにより、コア(30)は規則的な蛇腹状で形成されている。
この様にすることにより、コア(30)は、端部は平坦の形で構成される一方で、端部と端部の間の部分は、規則的な蛇腹状で形成されている。
外皮(20)とコア(30)とは、それぞれ製織された後で、二重製織された外皮(20)の内部を開けてコア(30)を挿入し、外皮(20)とコア(30)の端部を共に縫製して互いを結合する。
再度、図3を参照すれば、外皮(20)とコア(30)は収縮状態、つまり、引張力が作用していない状態で端部と端部の間の長さが同じく構成されている。
一方、端部と端部との間の長さは外皮(20)のほうがコア(30)より長く構成されている。そのため、コア(30)の端部(一方の端部(31)および他方の端部)はそれぞれ外皮の端部(一方の端部(21)および他方の端部(22))の中間部分で終わり、終わった位置において縫製により外皮(20)に結合されている。
コア(30)の一方の端部(31)および他方の端部が挿入されていない外皮(20)の一方の端部(21)および他方の端部(22)は、それぞれフック(50)の結合輪(51)とカラビナ(60)の内側ロック(61)を貫通し、折りたたまれて、再度、外皮(20)の一方の端部(21)および他方の端部(22)に縫製により結合する。
一方、本実施例では外皮の端部に、折りたたんで形成した輪を形成し、その輪にカラビナやフックを結合させるが、別の製織物を外皮に重ねて縫製する事でカラビナやフックにバンドが結合するようにすることもできる。
芯糸は、コアの縦糸と同様に、半延伸ポリエステル繊維で構成し、製織によって縦糸の端部で固定する事によりバンドが作業者の落下による荷重を受けるときにコアの縦糸と共に引張力を受け、伸長される様にし、荷重を吸収する機能を持たせることができる。
この様な芯糸の配置の有無により、縦糸と横糸の製織により構成されるコアの製織状態を変えず、安全ランヤードが吸収できる荷重の限度を調整する事ができる。
図2および図6を参照し、このように構成された安全ランヤードの動作を説明する。
使用者は自分が着用した安全帯に、本実施例のバンドを採用した安全ランヤードのカラビナ(60)を結合し、構造物にフック(50)を結合する事により、構造物に自分が結束状態にする。
使用者が構造物内で移動や作業をする時には使用者が安全ランヤードの収縮状態(図2の状態)の長さより、長い距離を移動する事になれば、フック(50)とカラビナ(60)の間に使用者の移動による引張力が作用する。
この様な引張力により、ゴム糸(25、35)が弾性的に伸長しながら外皮(20)とコア(30)の蛇腹が伸び、バンドの長さが全体的に伸長される。
具体的には、バンドの長さが伸長しながら、図6の(a)で示している様にコア(30)をなす縦糸(34)が完全に伸長してコア(30)の蛇腹が完全に伸長する事になる。これにより、コア(30)の縦糸(34)が引張力を受ける事になり、コア(30)の縦糸(34)を伸長できる程度の引張力を加えない限りは、コア(30)はこれ以上伸長されず、よってバンドの長さも伸長されない。
使用者が構造物内で移動し、フック(50)とカラビナ(60)の間の距離が縮んで安全ランヤードの収縮状態の長さ以下になれば、バンド(10)に作用する引張力が無くなり、ゴム糸(25、35)が復元力により収縮されバンドの外皮のコアが蛇腹状になり、バンドの長さが再び収縮する。
この様に、使用者がバンドの収縮状態の長さを超過し移動する事になれば、ゴム糸(25、35)が伸長し、このような伸長によりバンド(10)の蛇腹が伸びながら使用者は構造物内でゴム糸(25、35)の弾性的伸長による引張力のみに支えながら移動する事ができる。
従って、使用者は構造物内でのフック(50)とカラビナ(60)の間の距離を自由に移動できる。そして、フック(50)とカラビナ(60)の間の安全ランヤードのバンドが収縮している状態の長さを超過する距離を移動する場合はコア(30)の蛇腹状が伸長し、完全に伸長するまではゴム糸(25、35)の弾性による引張力のみを受けた状態で移動が可能になる。
使用者は構造物内でコア(30)が完全に伸びる距離の範囲内で自由に移動できる。また、フック(50)とカラビナ(60)の間の距離が短い場合にも安全ランヤードのバンドがゴム糸(25、35)の弾性により収縮されている状態になり、安全ランヤードの長さが最小限の長さを有してバンドの弛みを最小限にする。
構造物での作業や移動中に作業者が構造物から落下すれば、まず、使用者の構造物内での移動時と同様に、ゴム糸(25、35)が弾性的に伸長されてコア(30)と外皮(20)の蛇腹が伸びる。使用者がより落下すれば、コア(30)の蛇腹がすべて伸びきる、コア(30)の縦糸には使用者の体重による落下荷重が作用する。
半延伸糸で構成されたコア(30)の縦糸(34)は、長さ方向に作用する落下荷重により伸長しながら落下荷重を吸収する。芯糸を配置した場合は芯糸がコアの縦糸と共に伸長しながら落下荷重を吸収する。
この時、図6の(a)に表した通り、コア(30)の蛇腹がすべて平坦になった状態でも、外皮(20)は蛇腹がすべて伸長した状態ではないため、コア(30)の蛇腹が伸長する事を邪魔しない。
外皮(20)の蛇腹がすべて伸長した状態まで使用者が落下すれば、外皮(20)も長さ方向の伸長し、作用する落下荷重を受けることになる。
外皮(20)の縦糸(24)の繊維は高い引張強度を持っており、外皮(20)の蛇腹がすべて伸長した図6の(b)の状態、つまり外皮(20)の蛇腹がすべて伸長すればバンド(10)はそれ以上伸長されないため、使用者がそれ以上落下せず、外皮(20)が使用者の体重を支える状態となる。
上記の様に、本実施例のバンドは、4段階の状態を有する。
1段階目では、使用者が安全ランヤードを着用した状態で安全ランヤードのバンドが収縮した範囲内で移動し、バンドには何らかの引張力も加わってない状態の段階である。
2段階目では、バンドが弾性的に伸長及び収縮する段階である。この2段階目では、使用者がバンドの収縮状態の長さ範囲から離れ移動する事により、バンドの両端が作用する引張力により、各外皮とコアをなすゴム糸が弾性的に伸長する。そして、外皮とコアの蛇腹が伸長しながらバンドの長さが伸長し、引張力が無くなればゴム糸が弾性的に収縮し、外皮とコアがまた蛇腹状になり、バンドの長さが収縮する。
3段階目では、使用者が構造物から落下し、落下荷重による引張力が作用すればコアの蛇腹がすべて平坦になり、コアが引張力を受け、伸長する段階である。この3段階目では、コアの蛇腹が平坦になった状態で、使用者の落下荷重の様な高い引張力を受けてコア又はコアと芯糸をなす半延伸糸が延伸しながら、延伸による抵抗が使用者の落下による衝撃を吸収する。
4段階目では、バンドの伸長により、外皮の蛇腹がすべて平坦になり、外皮が落下による引張力を受け、それ以上バンドは伸長せず、落下を止める段階である。
この様に、本実施例のバンドが適用された安全ランヤードは、使用者が構造物内で正常的に移動する時にはバンドの弾性的な伸長と収縮により、使用者が広い範囲を移動する事を保証する。且つ、本実施例のバンドが適用された安全ランヤードは、使用者が構造物から落下すればバンドの半延伸糸が伸長しながら衝撃荷重を吸収し、使用者が受ける衝撃を最小限に抑える。そして、最終的には高い引張強度を持つ外皮が使用者の荷重を支持し、それ以上落下することを防止する。
以上、本発明の一実施例による、バンド及びバンドを含んで構成されている、安全ランヤードの構成と作動原理を説明した。
なお、本発明は以上の実施例の構成に限定されず、特許請求の範囲内に記載した範囲で多様な変更及び修正、構成要素の付加が可能である。
10 バンド
20 外皮
30 コア
50 フック(器具)
60 カラビナ(器具)
20 外皮
30 コア
50 フック(器具)
60 カラビナ(器具)
Claims (6)
- 一方の端部は、構造物に脱着が可能であり、他方の端部は、人が着用する安全帯に脱着可能である、安全ランヤードのバンドであって、
人の落下時には荷重により伸長されながら、衝撃荷重を吸収するコア及び当該コアを包む外皮によって構成され、
前記コアは、
横糸と縦糸とを含み、
前記縦糸は、前記バンドの長さ方向に作用する荷重によって伸長する半延伸糸により構成され、
前記縦糸と並行に配置された弾性を持つ第一伸縮性繊維であって、第一間隔を置いて横糸と製織された第一伸縮性繊維を更に含み、
前記第一伸縮性繊維が製織される横糸間に位置する、縦糸の一部分と、当該第一伸縮性繊維が製織されていない横糸とは、幅方向の外側に突出しており、
前記外皮は、
横糸と縦糸とが製織されて形成されており、且つ当該縦糸と並行に配置された弾性を持つ第二伸縮性繊維であって、前記第一間隔より大きい第二間隔を置いて当該横糸と製織された第二伸縮性繊維を更に含み、
前記第二伸縮性繊維が製織される前記横糸間に位置する、前記外皮の前記縦糸の一部分と第二伸縮性繊維が製織されていない前記外皮の前記横糸とは、幅方向の外側に突出しており、
前記コアの両端部はそれぞれ前記外皮の端部に固定結合されており、前記バンドの長さ方向へ作用した荷重が前記コアと前記外皮に加わる構成となっており、
前記バンドは、前記長さ方向へ作用する荷重により、前記コアの蛇腹が平坦になるまでは、前記コアと前記外皮をなす前記第一伸縮性繊維及び前記第二伸縮性繊維の弾性により弾性的に伸縮し、更に前記外皮の蛇腹が平坦になる限度内で、前記コアの前記縦糸が延伸されて当該荷重を吸収する、
安全ランヤードのバンド。 - 前記コアは、
二重で製織され、
前記コアをなす前記第一伸縮性繊維は当該コアの内側において、当該コアの前記横糸に製織されており、当該第一伸縮性繊維が製織された当該横糸と当該横糸との間に位置する当該コアの前記縦糸の一部分と第一伸縮性繊維が製織されていない当該コアの前記横糸は外側に突出している、
請求項1に記載の安全ランヤードのバンド。 - 前記コアは、当該コアの縦糸と同様の長さを有し、且つ当該縦糸と同じ方向へ配置している、半延伸糸の繊維で構成された芯糸を含む、
請求項1に記載の安全ランヤードのバンド。 - 前記外皮は、二重で製織されており、且つ内側に前記コアが配置される空間が形成されており、
前記第二伸縮性繊維は、当該外皮の内側において当該外皮の横糸に製織されており、第二伸縮性繊維が製織された当該横糸と当該横糸との間に位置する前記外皮の前記縦糸の一部分と当該第二伸縮性繊維が製織されていない横糸とは、外側へ突出している、
請求項1に記載の安全ランヤードのバンド。 - 前記コアおよび前記外皮の両端部は、前記第一伸縮性繊維又は前記第二伸縮性繊維による蛇腹状が形成されず平坦に形成されており、構造物と安全帯へ脱着される器具が取り付けられる、
請求項1または4に記載の安全ランヤードのバンド。 - 前記外皮の両端部は、前記コアが固定結合される部分の長さよりも更に長さ方向外側へ長く、折りたたまれ、輪を形成し、
当該輪には、各構造物と安全帯へ脱着される器具が取り付けられる、
請求項5に記載の安全ランヤードのバンド。
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