JP6739015B2 - じゃばら状に伸縮する筒状織物 - Google Patents
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Description
ランヤード10は、両端に設けられた固定具11、11と、命綱ベルト12と、衝撃吸収部15と、を備える。衝撃吸収部15は、例えば図2に例示するように通常は折り畳まれた状態に縫製されており、所定値以上の急激な引張力が掛かったときに縫製の糸が切れて伸びるとともに、糸が切れるときに衝撃(エネルギー)を吸収する。
ランヤードを工事現場等で使用していると、命綱チューブが摩耗したり、日光の照射による劣化を受けたりして、命綱としての耐久性は使用環境によってはかなり短いものとなっていた。
また、命綱チューブにゴム芯を入れたときに、命綱チューブをうまく蛇腹状に縮ませる(変形させる)必要があるが、いつも意図した通りのじゃばらになってくれるとは限らないという問題があった。
三層の経糸211、221、231によって上層210、中層220、下層230があり、
前記上層210、前記中層220、前記下層230の前記経糸211、221、231に緯糸212、222、232を織り込み、
このとき、前記上層210と前記下層230とを袋織りにして外筒を形成し、この外筒の内側に中層220を形成し、
前記中層220には、長さ方向に所定のピッチで伸縮性の糸223が織り込まれ、
前記所定のピッチのじゃばらになる
ことを特徴とする。
前記上層210と前記下層230は、平袋織りであり、
前記中層220は、綾織りである
ことが好ましい。
前記中層220の経糸221は、前記上層210と前記下層230の経糸211、231よりも引張強度が大きい
ことが好ましい。
前記伸縮性の糸223が前記中層220と交差するときに、緯糸に対して一回以上絡んでいる
ことが好ましい。
前記伸縮性の糸が前記中層を間にして前記上層および前記下層に織り込まれており、
一部がベルト状になっている
ことが好ましい。
本発明の実施形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
図3は、本発明に係る織物の第1実施例を示す図である。
織物100は、その外観をみれば、長いロープ、あるいは、長いベルトであって、両端を除いて全体的にじゃばら状になっている。
いま、じゃばら状の部分をじゃばら部200と称し、じゃばらになっていない両端部分をベルト部300と称することにする。
図4は、長さ方向に対して垂直な方向でじゃばら部を切断したときの断面図である(IV−IV線断面図)。また、図5は、長さ方向に沿う方向でじゃばら部を切断したときの断面図である(V−V線断面図)。
図4おいて上から上層210、中層220、下層230、とする。
上層210、中層220、下層230の経糸211、221、231に緯糸212、222、232が織り込まれていくが、このとき、袋織りを応用して、緯糸212、222、232は上層210、中層220、下層230の経糸211、221、231に織り込まれ、結果として、上層210と下層230とからなる袋のなかにもう一層(中層220)形成される。
上層210、中層220、下層230がすべて同じであったとしても、外袋(上層210、下層230)で中層220は保護される。したがって、織物100をランヤードに使用した場合、ランヤードの劣化が防がれる。
このように、外袋になる上層210、下層230の経糸211、231と中層220の経糸221とで性質を異ならせることで、一の織物100に複数の機能を持たせることができる。
例えば、上層210および下層230は平織りとし、中層220は綾織りとしてもよい。
この場合、綾織りの中層220の方が経糸221と緯糸222とのからみ(交差)が少なくなり、縦糸221の本数を多くして、耐張力を強くすることができるようになる。
このとき、じゃばらのピッチを大きくしたいのであれば、ゴム糸223の織り込みピッチをそれにあわせて大きくしておく。
ゴム糸223の織り込みピッチは特段限定されないが、10〜30本の緯糸222を飛ばすとよい。
ゴム糸223が中層220に織り込まれて交差しているところではゴム糸は固定されるわけであるから、交差点224と交差点224との間でゴム糸223が縮む。したがって、図6が変形して図5のようなじゃばらが形成されることになる。
図7は、長さ方向に対して垂直な方向でベルト部300を切断したときの断面図である。
また、図8は、長さ方向に沿う方向でベルト部300を切断したときの断面図である。
図7、図8に示されるように、ベルト部300においては、ゴム糸223が中層220に織り込まれずに、経糸に平行に配置されている。
また、中層220を間に挟んで上層210と下層230とが綴じ糸301で綴じられ、三層が一体になったベルトになっている。
また、あるいは、ゴム糸を綴じ糸として利用するようにしてもよい。
第1実施例においては、図5、図6に示すように、ゴム糸223は中層220を上から下、あるいは、下から上に通過するように織り込まれていた。
ゴム糸223と中層220との交差点224での摩擦が小さいと、ゴム糸が抜けるように動いてしまって、意図した通りのピッチのじゃばらにならない可能性がある。
(ゴム糸が縮めば、織物全体としても縮むのは確かであるが、じゃばらの形がきれいにならない可能性はある。)
ゴム糸223と緯糸222との交差点224がズレなくなるので、必ず意図した通りのじゃばら状織物が得られる。
Claims (5)
- 三層の経糸211、221、231によって上層210、中層220、下層230があり、
前記上層210、前記中層220、前記下層230の前記経糸211、221、231に緯糸212、222、232を織り込み、
このとき、前記上層210と前記下層230とを袋織りにして外筒を形成し、この外筒の内側に中層220を形成し、
前記中層220には、長さ方向に所定のピッチで伸縮性の糸223が織り込まれ、
前記所定のピッチのじゃばらになる
ことを特徴とする織物。 - 請求項1に記載の織物において、
前記上層210と前記下層230は、平袋織りであり、
前記中層220は、綾織りである
ことを特徴とする織物。 - 請求項1または請求項2に記載の織物において、
前記中層220の経糸221は、前記上層210と前記下層230の経糸211、231よりも引張強度が大きい
ことを特徴とする織物。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の織物において、
前記伸縮性の糸223が前記中層220と交差するときに、緯糸に対して一回以上絡んでいる
ことを特徴とする織物。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の織物において、
前記伸縮性の糸が前記中層を間にして前記上層および前記下層に織り込まれており、
一部がベルト状になっている
ことを特徴とする織物。
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