JP5512782B1 - 安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤード - Google Patents

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Abstract

【課題】 内包した扁平の長尺弾性体12が断面方向に丸まり難く、かつ袋ベルト11の蛇腹収縮が片寄り難いストラップ1を備えた伸縮式蛇腹状のランヤードAを提供する。
【解決手段】 長尺で筒状の袋ベルト11内に、その袋ベルト11より所定率短尺の長尺弾性体12を挿入重合し、両端に輪状部5,5を形成するように縫合する。このように構成したストラップ1の所定位置で、所定長さの拘持材13を、袋ベルト11と長尺弾性体12と共に固定する。これにより、当該ストラップ1が拘持材13を固定した位置で分割されて、長期間使用しても内包した扁平の長尺弾性体12が断面方向に丸まり難くなり、無負荷時のランヤードAの長さを当初の長さで保つことができる。また、長尺弾性体12が自然長状態になる際、袋ベルト11が略均等な蛇腹状態とならずに長手方向の一方に片寄ってしまうこともなく、局部劣化を防止することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主として高所作業において使用する安全帯のランヤードに関するものであり、特には伸縮式の蛇腹状ランヤードに関する。
高所での作業現場において、万一作業者が墜落したときに、その落下を阻止するため、作業者はランヤード(ロープ又はストラップ+フック又はカラビナ)を備えた安全帯を装着している。作業者は、このフック等を親綱や堅固な構造物等に掛止して自分の体と接続することにより、万一足を踏み外した場合等の墜落を防止している。また、そのランヤードには、ストラップ巻取式(巻取器を備え、ストラップの余長を巻き取って使用するタイプ)やロープ式(ロープ又はストラップを巻き取らないで使用するタイプ)のものがあるが、一般的に、作業者が移動する際に構造物に引っ掛かることが多いような現場ではストラップ巻取式が、そうでない現場ではロープ式が使用されている。しかしながら、ロープ式であってもロープの垂れ下がりが少ない方がよいという作業者も多く、無負荷時のランヤード長さを短く保つことができる伸縮式ロープ(ストラップ)が考案されている。
このような伸縮式のランヤードを備えた安全帯として、特許文献1に開示されている「安全帯」がある。この考案は、伸縮式蛇腹状ランヤードを用いた2本式の安全帯である。詳しくは、ロープ本体を、非伸縮性材料より成る長尺袋で構成し、且つ、蛇腹構造域を設け、その蛇腹構造域は、長尺袋内に格納された伸縮ロープを伸張させた状態で長尺袋と伸縮ロープとを縫着することによって形成している。しかしながら、この伸縮式蛇腹状ランヤードの伸縮ロープには、伸縮率を大きくするため弾性限界の高い天然ゴム等の材料を用いる必要があり、また、ロープ(ストラップ)本体を確実に縫着するための縫合スペースを確保できる扁平のゴムベルト等を用いる必要がある。そのため、長期間の使用により内包したゴムベルトが断面方向に丸まってしまい、長尺袋(袋ベルト)と強く接触して、その摩擦力で縮みにくくなり、無負荷時のランヤード長さが長くなることがある。また、ゴムベルトが自然長状態(力の加わっていない状態)になる際、袋ベルトが略均等な蛇腹状態(袋ベルトの表裏両面に波状部を形成する状態)とならず、一方に片寄ってしまうことがある。
実用新案登録第3170262号公報
本発明が解決しようとする主な問題点は、従来の伸縮式蛇腹状ランヤードでは、長期間の使用により内包した扁平のゴムベルトが断面方向に丸まってしまい、袋ベルトとの摩擦力で縮みにくくなって、無負荷時のランヤード長さが長くなり、そのために、ランヤードの持つ伸縮性能が低下してしまい、ランヤード先端のフックを構造物に掛止するとき(フック掛止時)に使いづらくなってしまう点と、ランヤード先端のフックを自らの安全帯の環等に掛止するとき(フック休止時)にストラップの形成する輪状部が大きくなって、作業者が移動する際、構造物に引っ掛かり易くなってしまう点である。
更に、従来の伸縮式蛇腹状ランヤードでは、ゴムベルトが自然長状態となる際、袋ベルトが略均等な蛇腹状態とならず、長手方向の一方に片寄ってしまうことがあり、そのために、局部劣化の要因となる点である。この片寄った蛇腹状態で、万一の墜落事故が発生し、かつランヤードの中間部分が障害物と接触するような状態となった場合、ランヤードがその接触部で二分されることになるが、人体側の片方だけが伸びて、主として落下衝撃荷重を受け持つ袋ベルトに均等な荷重が加わらないこともある。
そこで本発明は、ストラップの所定箇所に縫製等を施して分割し、内包した扁平のゴムベルトが断面方向に丸まり難く、かつ袋ベルトの蛇腹収縮が長手方向に片寄り難いストラップを備えた安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードの提供を目的としている。
上記目的を達成するため、本発明は、安全帯用のランヤードに用いるストラップを、長尺で筒状の袋ベルトと、その袋ベルトより所定率短尺の長尺弾性体とで構成し、袋ベルト内に長尺弾性体を挿入重合し、両者の端部を引き揃えた状態で折り返し、両端に輪状部を形成するように縫合する。このストラップ両端の輪状部間に引張力の負荷(落下衝撃荷重による重負荷ではなく、使用状態で軽く引っ張ったような軽負荷)を加えたとき、袋ベルトは自然長状態(殆ど力の加わっていない状態)となり、長尺弾性体は袋ベルト長さまで延伸された延伸状態となる。また、引張力の加わらない無負荷時には、長尺弾性体は自然長状態となり、袋ベルトは表裏両面に波状となった蛇腹状態となる。このように構成したストラップの当該ストラップ長を分割する所定位置で、所定長さの拘持材を、自然長状態とした長尺弾性体と、蛇腹状態を部分的に解除した袋ベルトと共に固定する。これにより、当該ストラップが拘持材を固定した位置で分割される。
この拘持材を、平板状或いはコの字状のシートで構成し、ストラップの中央部近傍を自然長状態とした長尺弾性体と、蛇腹状態を部分的に解除した袋ベルトと共に重縫合することにより、ストラップが二等分割されて、扁平の長尺弾性体が断面方向に丸まり難くなる。詳しくは、安全帯のランヤードに用いるストラップ長さにおいて、そのままの長さでは長尺弾性体が丸まることがあるが、このストラップを二等分割した長さでは丸まることが殆どない。また、袋ベルトが長手方向の一方に片寄ってしまうことも殆どない。更に、所定位置に固定した拘持材によって、ストラップが折曲されるので、当該輪状部を極めて小さくできる。また、拘持材を、ストラップの略等分する複数箇所(2から5箇所)で、自然長状態とした長尺弾性体と、蛇腹状態を部分的に解除した袋ベルトと共に重縫合することにより、更に、扁平の長尺弾性体が断面方向に丸まり難く、かつ袋ベルトの蛇腹収縮が長手方向に片寄り難くなる。
また、拘持材を所定長さの扁平筒状体で構成し、ストラップの所定箇所で、自然長状態とした長尺弾性体と、蛇腹状態を部分的に解除した袋ベルトとを外包拘持してもよい。これにより、重縫合したときと略同様に、ストラップが分割されて、扁平の長尺弾性体が断面方向に丸まり難く、かつ袋ベルトの蛇腹収縮が長手方向に片寄り難くなる。
以上の手段の中でも、安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードにおける大きな課題である内包した扁平の長尺弾性体が長期間の使用によって断面方向(幅方向)に丸まってしまうのを防止すること、長手方向の一方に片寄ってしまうのを防止すること、フック休止時(フックを使わないときに安全帯に備えているリングにフックを掛止している時)におけるストラップの形成する輪状部が大きくなるのを防止すること、を解決する手段として、ストラップ片面の、ランヤード長を二等分割する位置に、50mm程度の長さを有する平板状の拘持材の一端を合致させ、自然長状態とした長尺弾性体と、蛇腹状態を部分的に解除した袋ベルトと共に重縫合するという手法、これによって、フックをリングに掛止して、ストラップが拘持材の一端部で折り曲げられたとき、その折り返しにより相対した両ストラップが近接する構成とすることが最も効果的である。
本発明の安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードを用いることで、長期間使用しても内包した長尺弾性体が断面方向に丸まってしまうことがなく、袋ベルトと強く接触しても、その摩擦力で縮み難くならず、無負荷時のランヤード長さを当初の長さで保つことができる。これにより、フック掛止時において使いづらくなることがない。また、フック休止時におけるストラップの形成する輪状部が大きくならないので、作業者が移動する際、構造物に引っ掛かり難くでき、更に、所定位置に固定した拘持材によって、ストラップが折曲されるので、当該輪状部を極めて小さくでき、更に構造物に引っ掛かり難くできるので安全性が向上する。 また、長尺弾性体が自然長状態になる際、袋ベルトが略均等な蛇腹状態とならずに長手方向の一方に片寄ってしまうこともないので、局部劣化を防止することができる。
本発明の実施例1に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードAの自然長状態を示した正面図(写真)及び底面図(写真)である。 本発明の実施例1に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードAの延伸状態を示した正面図(写真)及び底面図(写真)である。 本発明の実施例1に係る拘持材13の取付部を示したストラップ1の要部拡大正面図及び要部拡大底面断面図である。 本発明の実施例1に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードAのフック61休止状態を、他の伸縮式蛇腹状ランヤード9と比較した説明図である。 本発明の実施例1の変形例に係る長尺弾性体82を示した正面図、側面図及び底面断面図である。 本発明の実施例2に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードBの自然長状態を示した正面図及び底面図である。 本発明の実施例3に係る拘持材33を示した正面図及び側面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る実施の形態について説明する。図1(a)及び (b)は、本発明の実施例1に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードA(以下「ランヤードA」という)の自然長状態(力の加わっていない状態)を示した正面図及び底面図であり、図2(a)及び
(b)は、本発明の実施例1に係るランヤードAの延伸状態を示した正面図及び底面図である。これらの図に示すように、ランヤードAは、フック61と、ストラップ1と、安全帯の胴ベルトに接続するリング62を備えたショックアブソーバ7とから成り、フック61がUシャックル51aでストラップ1に連結され、ショックアブソーバ7もUシャックル51bでストラップ1に連結されている。
このストラップ1の基本構成は、長尺で筒状の袋ベルト11と、その袋ベルト11より所定率短尺の長尺弾性体12とから成り、袋ベルト11内に長尺弾性体12を挿入重合し、両者の端部を引き揃えた状態で折り返し、両端に輪状部5,5を形成するように縫合したものである。この長尺弾性体12には、ランヤードAの伸縮率を大きくするため弾性限界の高い天然ゴム等を用い、袋ベルト11には、長尺弾性体12に比し低伸度で高強度のナイロンやポリエステル等の合成繊維を用いている。
図2(a)及び (b)に示すように、ランヤードAのフック61とリング62間、つまりストラップ1の両端の輪状部5,5間に、引張力の負荷(落下衝撃荷重による重負荷ではなく、使用状態で軽く引っ張ったような軽負荷)を加えたとき、袋ベルト11は自然長状態(殆ど力の加わっていない状態)となり、長尺弾性体12は袋ベルト11の長さまで延伸された延伸状態となる。また、図1(a)及び
(b)に示すように、引張力の加わらない無負荷時には、長尺弾性体12は自然長状態となり、袋ベルト11は表裏両面に波状となった蛇腹状態となる。これらを整理すると、ストラップ1が自然長状態(短状態)のときは、袋ベルト11が蛇腹状態(−)で長尺弾性体12が自然長状態(±0)であり、ストラップ1が延伸状態(長状態)のときは、袋ベルト11が自然長状態(±0)で長尺弾性体12が延伸状態(+)である。
ここで、長尺弾性体12は袋ベルト11より所定率短尺であるが、この所定率は、ランヤードAの延伸状態と自然長状態の長さをどのように設定するかで決まる。具体的には、延伸状態長さを1.7mとし、自然長状態長さを1.1〜1.2m程度に設定している。この両者の差が大きいほど使い勝手はよいが、長尺弾性体12が繰り返し疲労で劣化するので、前記の自然長状態長さは長尺弾性体12の耐久性を考慮した長さである。
そして、このように構成したストラップ1の所定位置で、所定長さの拘持材13を、自然長状態とした長尺弾性体12と、蛇腹状態を部分的に解除した袋ベルト11と共に固定する。本実施例では、ストラップ1の中央部近傍で、50mm程度の長さの拘持材13を、蛇腹状ではなく真っ直ぐに伸ばした状態の袋ベルト11と、延伸状態ではなく自然長状態とした長尺弾性体12と共に重縫合している。これにより、拘持材13を固定した位置、つまり袋ベルト11と長尺弾性体12と拘持材13とを重縫合した位置でストラップ1が分割される。
図3(a)及び (b)は、本発明の実施例1に係る拘持材13の取付部を示したストラップ1の要部拡大正面図及び要部拡大底面断面図である。これらの図に示すように、拘持材13は可撓性のある薄板状のシートであり、中央部をコの字状に折曲し、そのコの字立片間に袋ベルト11と長尺弾性体12を挟み込んで重縫合している。この拘持材13のストラップ1長手方向の長さは特に特定されるものではなく、縫合する縫い糸が繰り返し使用に耐えればよい。本実施例では、拘持材13にランヤードAの品名表示や製造情報の表示、また、ユーザーが記入できるスペース等の確保のため、50mm程度の長さとしている。また、この拘持材13の厚さも特に特定されるものではなく、繰り返し使用に耐えうる厚さであればよい。
この拘持材13は平板状でもよく、ストラップ1の両面、或いは片面の何れかに袋ベルト11と長尺弾性体12と共に重縫合してもよい。しかしながら、コの字状の方が表裏の位置合わせが容易で、縫合したときの縫い糸が表裏対称で適切な位置に来るよう縫合できる。また、可撓性のない板材でもよく、袋ベルト11と長尺弾性体12と共に固定できればよい。
ここで、本実施例において、袋ベルト11は合成繊維製であると前述したが、ランヤードAは「安全帯の規格」及び「安全帯構造指針」に定められた強度を有する必要があり、主として袋ベルト11が荷重を受け持つので、その幅と厚さは、摩耗や紫外線等による劣化を考慮した上で、落下衝撃時に加わる荷重に耐えうる強度を有している。
また、本実施例において、長尺弾性体12は弾性限界の高い天然ゴム製であると前述したが、ある程度の弾性を有する合成ゴムでもよい。このとき、ランヤードAの延伸状態と自然長状態の長さの差は小さくなるので、少々使い勝手は悪くなるが、繰り返し使用に対する耐久性は向上する。
但し、長尺弾性体12は、両端に輪状部5,5を形成するように縫合し、また袋ベルト11と拘持材13と共に重縫合するので、縫合の加工性より、それらを確実に縫着するための縫合スペースを確保できる扁平であることが望ましい。具体的には、扁平のゴムベルトを用いている。そのため、拘持材13と共に固定しない場合、長期間の使用により袋ベルト11に内包した長尺弾性体12が丸まってしまい、筒状である袋ベルト11の内面と強く接触したとき、その摩擦力で縮み難くなり、袋ベルト11が折り畳まれない箇所が生じて、無負荷時のランヤードAの長さが長くなってしまう。
そこで、本実施例のように、袋ベルト11と長尺弾性体12と拘持材13とを重縫合した位置でストラップ1を分割することにより、扁平の長尺弾性体12が断面方向に丸まり難くなる。実際には、安全帯のランヤードAに用いるストラップ1の長さにおいて、そのままの長さ(分割しない長さ)では長尺弾性体12が丸まることがあるが、このストラップ1を二等分割した長さでは丸まることが殆どない。これにより、無負荷時のランヤードAの長さを、当初の長さで保つことができ、本発明のランヤードAを長期間使用しているうちに、無負荷時のランヤードA長さが長くなってしまい、使いづらくなることがない。
図4(a)及び (b)は、本発明の実施例1に係るランヤードAのフック61休止状態を、他の伸縮式蛇腹状ランヤード9(以下「ランヤード9」という)と比較した説明図であり、図4(a)は、実施例1に係るランヤードAのフック61休止状態を、図4(b)は、拘持材13を固定せず、ストラップ91を分割しないランヤード9を示している。図4(b)に示すように、ランヤード9は、フック61休止状態において、ストラップ91が大きな輪状部を形成し、作業者が移動する際、構造物に引っ掛かることがある。一方、本実施例のランヤードAは、図4(a)に示すように、拘持材13の端部で折り曲げて、当該輪状部を極めて小さくし、構造物に引っ掛かり難くできるので安全性が向上する。
また、図1(a)及び (b)に示すように、袋ベルト11の蛇腹状態は、表裏両面に均等な波状となっていない。つまり、蛇腹状に収縮した際、山部と谷部のピッチが均等に規則正しく配置されたような整合性はなく、山部と谷部が不連続な略均等である。このように不連続な略均等の蛇腹状であっても、実使用においては特に問題はないが、極端に長手方向の一方に片寄ってしまうと、無負荷時のランヤードAの長さが長くなるだけではなく、波状の山部が突出し局部劣化の要因となる。本発明のランヤードAは、袋ベルト11が略均等な蛇腹状態とならずに片寄ってしまうこともなく、局部劣化を防止することができる。
更に、万一の墜落事故が発生し、ランヤードA先端のフック61を掛止した構造物とランヤードAのリング62を接続した安全帯を装着した人体との間に障害物があるような現場であったとき、ランヤードAの中間部分がその障害物と接触するような状態となり、ランヤードAがその接触部で二分されることになる。そのとき、ストラップ1が片寄った蛇腹状態であれば、二分された人体側の片方だけが伸びることがある。このランヤードAは落下衝撃荷重を受け持つ袋ベルト11が伸びることにより衝撃による荷重を吸収し、落下時の最大衝撃荷重を緩和するものであるが、ランヤードAの中間部分が障害物と接触した場合は、片寄らずに略均等な蛇腹状態である場合に比較すると、袋ベルト11の片方だけに荷重が集中して落下衝撃荷重が大きくなってしまうこともある。
尚、ランヤードAにおいて、フック61をUシャックル51aでストラップ1に、またショックアブソーバ7をUシャックル51bでストラップ1に連結するとき、輪状部5に摩耗防止材52を取り付けることが好ましい。また、落下衝撃荷重を緩和するために備えたショックアブソーバ7は必須ではなく、ランヤードAの端部はフック61ではなく、カラビナ等でもよく、構造物等に接続できればよい。尚、ランヤードAの人体側の端部は、
胴ベルト型安全帯の場合はリング62を、ハーネス型安全帯の場合はフック63(図6参照)を備えたタイプが多い。
<変形例1>
実施例1の変形例として、袋ベルト1に内包する長尺弾性体82を、合成繊維製のベルトで、その経糸の一部に長尺のゴムを用いて、そのベルトが伸縮するように構成してもよい。図5(a)から(C)は、本発明の実施例1の変形例に係る長尺弾性体82を示した正面図、側面図及び底面断面図である。これらの図に示すように、長尺弾性体82は、経糸に合成繊維経糸821と長尺ゴム823を用い、緯糸に合成繊維緯糸822を用いている。図5(C)に示すように、この長尺弾性体82は表裏両面が交互に波状となった蛇腹部を形成している。
これは、長尺弾性体82の製織工程において、一方の合成繊維経糸821aと延伸した長尺ゴム823を所定長さ製織し、次に合成繊維経糸821aと他方の合成繊維経糸821bとを所定長さ製織し、続いて合成繊維経糸821bと延伸した長尺ゴム823を所定長さ製織する。つまり、長尺弾性体82の表裏で、製織部(製織して両者が結合した部分)が交互に設けられた構成となっている。このとき、合成繊維経糸821aと長尺ゴム823の製織部分および合成繊維経糸821bと長尺ゴム823の製織部分の合成繊維緯糸822の糸数を減らすように、その製織部と関わらないようにして製織する。これにより、延伸した長尺ゴム823が自然長状態となったとき、合成繊維経糸821a又は合成繊維経糸821bの製織した部分が谷部を形成し、製織していない部分が山部を形成して、表裏両面が交互に波状となった蛇腹部ができる。この蛇腹部を有することにより、長尺ゴム823が延伸するとき合成繊維経糸821が追随して、伸縮ベルトとなる。尚、図5(C)の平坦部(波状となっていない部分)は、表裏の合成繊維経糸821a,821bと長尺ゴム823とが製織されているので伸縮しない。このように長尺弾性体82に合成繊維経糸821を用いることにより、長尺弾性体82も荷重を受け持つことができ、外層となる袋ベルト11が摩耗して劣化しても内層の長尺弾性体82で強度が保持できる。
<変形例2>
また、図示しないが、上記の長尺弾性体82の合成繊維経糸821により成る外層部分を、「安全帯の規格」及び「安全帯構造指針」に定められた強度を有するように分厚くして、袋ベルト1を省略することもできる。このとき、その外層が摩耗等で劣化しても、万が一の落下衝撃荷重に耐えうる強度と耐久性を有する必要がある。
以下、本発明の実施例2について説明する。上記実施例1と説明の重複する部分については同一の符号を付して説明を省略し、実施例1に対し、実施例2のうち差異を有する構造のみについて説明する。
図6(a)及び (b)は、本発明の実施例2に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードB(以下「ランヤードB」という)の自然長状態を示した正面図及び底面図である。これらの図に示すように、ランヤードBは、フック61と、ストラップ2と、フック63を備えたショックアブソーバ7とから成る。ここで、ストラップ2以外の構成は実施例1と共通であり、ストラップ2の基本構成も実施例1と共通で、両端に輪状部5,5を形成している。
このストラップ2は、長尺で筒状の袋ベルト21と、その袋ベルト21より所定率短尺の長尺弾性体22とから成り、袋ベルト21内に長尺弾性体22を挿入重合している。そして、実施例1では、ストラップ1の中央部近傍で、拘持材13を自然長状態とした長尺弾性体12と、蛇腹状態を部分的に解除した袋ベルト11と共に重縫合したが、本実施例では、ストラップ2を略4等分する箇所で、拘持材23aと拘持材23b,23bを自然長状態とした長尺弾性体22と、蛇腹状態を部分的に解除した袋ベルト21と共に重縫合する。これにより、更に、扁平の長尺弾性体22が断面方向に丸まり難く、かつ袋ベルト21の蛇腹収縮が長手方向に片寄り難くなる。
尚、本実施例では、ストラップ2を略4等分する箇所で、拘持材23aと拘持材23b,23bを袋ベルト21と長尺弾性体22と共に重縫合したが、ストラップ2の略2等分又は略5等分する複数箇所で重縫合してもよく、また略等分せずともよく、それらの場合も同様の作用・効果が得られる。但し、このときは、これら重縫合する箇所数により、袋ベルト21より短尺とする長尺弾性体22の所定率を微調整する必要がある。
以下、本発明の実施例3について説明する。上記実施例1及び実施例2と説明の重複する部分については同一の符号を付して説明を省略し、実施例1及び実施例2に対し、実施例3のうち差異を有する構造のみについて説明する。
本発明の実施例3に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードC(以下「ランヤードC」という:図示しない)は、フック61と、ストラップ3と、フック63を備えたショックアブソーバ7とから成る。ここで、ストラップ3以外の構成は実施例1又は実施例2と共通であり、ストラップ3の基本構成も実施例1と共通で、両端に輪状部5,5を形成している。
このストラップ3は、長尺で筒状の袋ベルト31と、その袋ベルト31より所定率短尺の長尺弾性体32とから成り、袋ベルト31内に長尺弾性体32を挿入重合している。図7(a)及び
(b)は、本発明の実施例3に係る拘持材33を示した正面図及び側面図である。実施例1及び実施例2では、拘持材13等を袋ベルト11、長尺弾性体12等と共に重縫合したが、本実施例では、拘持材33を所定長さの扁平筒状体で構成し、ストラップ3の所定箇所で、自然長状態とした袋ベルト31と自然長状態とした長尺弾性体32とを外包拘持する。これにより、重縫合したときと略同様に、ストラップ3が分割されて、扁平の長尺弾性体32が断面方向に丸まり難く、かつ袋ベルト31の蛇腹収縮が長手方向に片寄り難くなる。
この拘持材33は、断面が長孔の扁平筒状体であり、その材質は樹脂又は合成ゴムである。その長孔の大きさと長手方向の長さは、それらの可撓性により決定されるが、ストラップ3を伸縮させたときに、その位置が移動しないように、袋ベルト31と長尺弾性体32とを外包拘持できる大きさと長さである。また、合成繊維製のベルトを輪状に縫合してもよい。
但し、この拘持材33は、ストラップ3の両端に輪状部5,5を形成する前に、予め袋ベルト31と長尺弾性体32に挿通しておく必要がある。また、この拘持材33を複数個設けることにより、更に、扁平の長尺弾性体32が断面方向に丸まり難く、かつ袋ベルト31の蛇腹収縮が長手方向に片寄り難くなる。
A、B、C ランヤード(安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤード)
1 ストラップ
11 袋ベルト 12 長尺弾性体 13 拘持材
2 ストラップ
21 袋ベルト 22 長尺弾性体 23a、23b 拘持材
3 ストラップ
31 袋ベルト 32 長尺弾性体 33 拘持材
5 輪状部
51a、51b Uシャックル 52 摩耗防止材
61 フック 62 リング 63 フック
7 ショックアブソーバ
82 長尺弾性体
821 合成繊維経糸 822 合成繊維緯糸 823 長尺ゴム
9 ランヤード 91 ストラップ

Claims (1)

  1. 長尺で筒状の袋ベルトと、当該袋ベルトより所定率短尺の長尺弾性体とから成るストラップを有する安全帯用のランヤードであって、
    前記ランヤードの一端に安全帯の胴ベルトに接続するリングを備えており、他端に当該リングに掛止可能なフックを備えており、
    前記ストラップは、前記袋ベルト内に前記長尺弾性体を挿入重合し、両者の端部を引き揃えた状態で折り返して縫合し、両端に輪状部が形成されており、
    前記ストラップの両端の輪状部間に引張力の負荷を加えたとき、前記袋ベルトは自然長状態となり、前記長尺弾性体は前記袋ベルト長さまで延伸された延伸状態となり、また、引張力の加わらない無負荷時には、前記長尺弾性体は自然長状態となり、前記袋ベルトは表裏両面に波状となった蛇腹状態となるように構成されており、
    前記ストラップ片面の、前記ランヤード長を二等分割する位置に、50mm程度の長さを有する平板状の拘持材の一端を合致させ、自然長状態とした前記長尺弾性体と、蛇腹状態を部分的に解除した前記袋ベルトと共に重縫合し、
    前記フックを前記リングに掛止して、前記ストラップが前記拘持材の一端部で折り曲げられたとき、その折り返しにより相対した両ストラップが近接するように構成したことを特徴とする安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤード。
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