JP2005187962A - エラスティックウェビング、エラスティックウェビングの使用方法、及びエラスティックウェビングの製造方法 - Google Patents

エラスティックウェビング、エラスティックウェビングの使用方法、及びエラスティックウェビングの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 肌に触れたときのソフト感に優れ、表面が毛羽立ちにくく、耐久性にも優れたエラスティックウェビングであり、特にオス部との止着力が強いメス部を備えた面ファスナーとしての使用に好適なエラスティックウェビングを提供する。
【解決手段】 メス部Fbを形成する経糸2に15本以下の高強力糸から成るウーリー加工糸を用いることにより、高強力糸の特性である優れた耐久性(耐負荷性を含む)、それに付随する毛羽立ち難さを有し、また、ウーリー加工糸の特性であるソフト感と、オス部との優れた接着性を有するメス部Fbを備えたエラスティックウェビングを得る。
【選択図】 図3

Description

本発明はゴム入り織物とも称されるエラスティックウェビングの中で、特に、面ファスナ−機能を有するものに関する。
エラスティックウェビングは、ゴム入り織物やゴム入り細幅織物とも称され、身体の動きに合わせて伸縮する素材(ストレッチ素材)として近年その使用の広がりを見せている。代表的な商品としては、女性用のパンストのウエストゴム、ブラジャーの肩紐部分、男性用ではトランクスパンツやトレーニングパンツあるいはパジャマ等のウエストゴムなどに使用されている。また、サポーター(スポーツ用のものの他、患部を押さえる医療用のもの等)、コルセット(特に腰の部分を固定するために使用するもの)、携帯ストラップ、ヘアバンド、担架で負傷者を運搬する際等に使用される固定ベルト等の医療分野や物流の分野や、スポーツ着にも使用されている。一般的なエラスティックウェビングは、その長手方向にある程度の伸縮性が要求されるため(エラスティックウェビングの中には、その長手方向のみならず幅方向の両方に伸縮性が要求されるものもある。)、経糸として使用される糸には、ある程度の伸縮性が必要である。
上述したサポーターや固定ベルト等としてエラスティックウェビングを使用するときには、ベルトの一方の端部と他方の端部を重なり合わせてから、その重なった状態を維持固定できるように、面ファスナー機能を持たせたものが多い。面ファスナーは、小さなループが無数に並んだループ面(メス部)と、小さなカギ状フックを無数に有するフック面(オス部)を有し、メス部とオス部が接触し、メス部のループにオス部のカギ状フックが引っかかることで、接着効果を生じる。
面ファスナー機能を備えたエラスティックウェビングにおいて、上記メス部を形成する経糸には、従来2種類の糸が使用されている。その一つは、高強力糸複数本から構成されるフィラメント糸である。使用されるフィラメント糸を構成する高強力糸の本数としては24本以下が一般的であり、特に10本前後の本数がよく用いられる。高強力糸は、合成繊維の中でも、ナイロン繊維やポリエステル繊維等の元々強度に優れた繊維を、製糸段階で化学的に処理し強度を更に向上させた耐久性(耐負荷性を含む)に優れた糸であり、この高強力糸から構成されたフィラメント糸を経糸に用いたメス部は、エラスティックウェビングの伸長による負荷にも長期間耐えることができるため、耐久性に優れたものとなる。しかし、その反面、人の肌に触れた際のソフト性に欠ける、あるいは、オス部との接着性にかけるという欠点も有していた。図10は、上記フィラメント糸を経糸に使用したメス部とオス部の接触箇所を分かり易く表した模式図である。高強力糸4aで構成されたフィラメント糸を用いた経糸4が緩やかに弧を描き、ループRを形成している。オス部のカギ状フックT3は、ループRをしっかり捕らえているが、カギ状フックT4は、ループRを捕らえきれず、経糸4の構成糸である一本の高強力糸4aにかろうじて引っかかっている状態である。経糸4は、複数本の高強力糸4aを撚っただけの状態で構成されているため、各高強力糸はさほど絡み合っておらず、結合力が弱い。そのため、カギ状フックT4から引っ張り力を受けると、その力を受けている高強力糸4aだけが外部に引っ張り出されてしまうことになる。その結果、カギ状フックT4は、安定した係止部を得る事ができず、止着力が弱くなる。このようにメス部との止着が不安定な鉤型突起が多数存在するため、全体としてのメス部とオス部との止着力が弱くなってしまうことになる。
メス部を形成する経糸としての他の一つは、合成繊維数十本をウーリー加工して構成されるウーリー加工糸がある。ナイロン繊維やポリエステル繊維のような合成繊維が一般的であるが、合成繊維の本数は24本以上が一般的である。ウーリー加工糸は、各合成繊維が螺旋形状を有しながら互いに絡み合う状態で構成されているため、エラスティックウェビングとして経糸にウーリー加工糸を使用したメス部は、オス部との接着性に優れ、人の肌に触れた際のソフト感に優れたものとなる反面、毛羽立ちやすく、また、耐久性にかけるという問題を有していた。図11は、上記ウーリー加工糸を経糸に使用したメス部を表した模式図である。メス部Fdは、上記ウーリー加工糸を用いた経糸5と、緯糸1によって織り込まれ形成されている。メス部Fdが経糸方向に伸張を繰り返すと、経糸5も同様に伸張を繰り返すことになるが、引っ張り力が大きくなると経糸5に大きな負荷がかかる。上記ウーリー加工糸が使用された経糸5は、構成糸である合成繊維が負荷に耐えられず切れてしまい、切れた合成繊維がウーリー加工糸表面から飛び出し、毛羽立ち6となって現れている。また、メス部からオス部を剥離する際、オス部のカギ状フックが経糸5の構成糸である合成繊維を引っ張り、その引っ張り力に耐えられない合成繊維も切れてしまい、図中の毛羽立ち6となって現れる。
上述したように、面ファスナー機能を備えたエラスティックウェビングのメス部には、その経糸に高強力糸複数本から構成されるフィラメント糸を用いたものと、その経糸に合成繊維数十本をウーリー加工して構成されるウーリー加工糸を用いたものがあるが、前者には、肌に触れたときのソフト感に欠ける、あるいはオス部との止着力が弱いという欠点があり、また、後者には、毛羽立ちやすく、耐久性にかけるという欠点があった。
そこで本発明の目的は、肌に触れたときのソフト感に優れ、表面が毛羽立ちにくく、耐久性にも優れたエラスティックウェビングであり、特にオス部との止着力が強いメス部を備えた面ファスナーとしての使用に好適なエラスティックウェビングを提供することにある。
本発明の請求項1記載のエラスティックウェビングは、織り込まれた経糸と緯糸のうちの少なくとも一部の経糸には、複数本の高強力糸が互いに絡み合って構成されるウーリー加工糸が使用されており、この経糸は、一度緯糸と交差してから再度緯糸と交差するまで所定複数本緯糸と交差せず、これを繰り返しながら緯糸に織り込まれていることを特徴とする。
本発明によれば、経糸に合成繊維数十本をウーリー加工して構成されるウーリー加工糸を使用し、緯糸と共に織り込まれたエラスティックウェビングと比較して、高強力糸の特性による優れた耐久性(耐負荷性を含む)を有し、また、経糸に高強力糸複数本から構成されるフィラメント糸を使用し、緯糸と共に織り込まれたエラスティックウェビングと比較して、上記ウーリー加工糸は複数本の高強力糸が螺旋形状を有しながら互いに絡み合う状態で構成されているため、肌に触れたときのソフト感に優れる。そして、特に、面ファスナーのメス部として使用すると、面ファスナーのオス部のカギ状フックが、螺旋形状の各高強力糸のいずれかを捕らえただけでも、ある程度の止着力を得ることができるため、オス部との接着性に優れているエラスティックウェビングとすることができる。
本発明の請求項2記載のエラスティックウェビングは、請求項1に記載の発明を前提として、前記ウーリー加工糸を構成する複数本の高強力糸は、その本数が15本以下であり、その材質がナイロン繊維であることを特徴とする。
本発明によれば、上記高強力糸の材質がナイロン繊維であるため、耐久性(耐負荷性を含む)に優れ、15本以下の高強力糸で構成されるウーリー加工糸であっても、十分な耐久性(耐負荷性を含む)を有する。
本発明の請求項3記載の発明は、上記エラスティックウェビングの使用方法であり、前記請求項1又は請求項2記載のエラスティックウェビングを、面ファスナーのループが並んだループ面(メス部)とカギ状フックが並んだフック面(オス部)のうちのメス部として使用することを特徴とする。
本発明によれば、前記請求項1又は請求項2記載のエラスティックウェビングを面ファスナーのうちのループが並んだループ面(メス部)として使用する。面ファスナーのメス部は、カギ状フックを有するフック面(オス部)と止着を繰り返すと、毛羽立ちが生じ、この箇所からの劣化が生じる恐れがあったが、上記構成のエラスティックウェビングは、毛羽立ちが生じ難く、しかも、人の肌との接触感(ソフトタッチ感)も良く、したがって、サポーターや固定ベルト等として好適なエラスティックウェビングとなる。
本発明の請求項4記載の発明は、上記エラスティックウェビングの使用方法であり、前記請求項1又は請求項2記載のエラスティックウェビングに、面ファスナーのループが並んだループ面(メス部)とカギ状フックが並んだフック面(オス部)のうちのオス部が生地として縫合され、前記請求項3記載のメス部と止着させて使用することを特徴とする。
本発明によれば、上記構成のエラスティックウェビングのオス部が生地として縫合されているので、サポーターや固定ベルト等として使用するとき、互いに止着させ合うことができるエラスティックウェビングとなる。そして、面ファスナーのメス部は、カギ状フック(オス部)と止着を繰り返すと、毛羽立ちが生じ、この箇所からの劣化が生じる恐れがあったが、上記構成のエラスティックウェビングは、毛羽立ちが生じ難く、しかも、人の肌との接触感(ソフトタッチ感)も良く、したがって、サポーターや固定ベルト等として好適なエラスティックウェビングとなる。
本発明の請求項5記載の発明は、前記請求項1記載のエラスティックウェビングの製造方法であり、複数本の高強力糸を、追撚加工、ウーリー加工の順で加工して、ウーリー加工糸を生成し、このウーリー加工糸を少なくとも一部の経糸として使用し緯糸とともに織り込むことを特徴とする。
本発明によれば、複数本の高強力糸を追撚加工、ウーリー加工の順で生成されたウーリー加工糸は、従来の工程で生成されたウーリー加工糸よりも風合いが均一となり、また、生成に到るまでの工程で糸切れによるウーリー加工糸の品質の劣化が起こり難くなる。このため、上記工程のウーリー加工糸を、面ファスナーのメス部を構成する経糸に使用したエラスティックウェビングは、毛羽立ちが生じ難く、人の肌との接触感(ソフトタッチ感)にも優れたものとなる。
本発明によれば、面ファスナーの少なくともメス部を備えたエラスティックウェビングにおいて、生地の経糸と緯糸によって生地と一体に形成されるメス部の経糸に、複数本の高強力糸から成るウーリー加工糸を用いることにより、耐久性(耐負荷性を含む)に優れ、毛羽立ちにくく、また、肌に触れた際のソフト感に優れたメス部を有するエラスティックウェビングとなる。このエラスティックウェビングのメス部は、オス部との止着力も強力なものとなり、オス部とメス部の着脱を多数回繰り返しても、メス部の毛羽立ちによる劣化が起こりにくく、長期間の使用にも耐え得るようになる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を引用しながら説明する。
本実施の形態は、経糸に複数本の高強力糸が互いに絡み合って構成されるウーリー加工糸が一部の経糸に使用されているエラスティックウェビングAであり、これを面ファスナー機能を有するものとして使用する。図1及び図2は、本発明のエラスティックウェビングAの表面(片面)及び裏面(他面)を表した斜視図である(図1で上面となっている面を表面とする)。エラスティックウェビングAの表面には、面ファスナーのメス部Fbが一体的に形成され、エラスティックウェビングAの裏面の両端部には面ファスナーのオス部Faがそれぞれ、生地に直接縫合されている。したがって、裏面側の面ファスナーのオス部Faは、表面側の面のいずれにも止着できるものである。面ファスナーは、ループが並んだループ面(メス部)とカギ状フックを形成するフック面(オス部)とにより、互いの止着を得るもので、サポーターや固定ベルト等に多用されている。なお、上記オス部Faをどのサイズで、どの位置に、何枚生地に縫合するかは任意である。
図3は、本エラスティックウェビングの斜視図であり、上記メス部Fbは、経糸2が一度緯糸1と交差してから、次の緯糸1から連続7本分等のように複数本が緯糸1と交差せず、その上方を通過した後、再度緯糸1と交差し、これを繰り返しながら緯糸1に織り込まれて、構成されている。経糸2は、複数本の高強力糸から構成されるウーリー加工糸であり、高強力糸としてナイロン繊維が使用されている。ナイロン繊維の高強力糸は、非常に強い強度を有する。高強力糸の本数は、7本、10本、12本、14本、15本等の本数で扱われ、ここでは15本以下で使用されている。緯糸1との編み合わせを少なくすることで、経糸2に弛んだ状態を生じさせ、生地表面に無数のループRを生成する。また、本エラスティックウェビングには、経糸2の他に、経糸12が緯糸1に編みこまれており、緯糸1と共に本エラスティックウェビングの裏面を構成している。経糸12と緯糸1との織り方は、朱子織りであるが、経糸12は伸縮性のある糸を使用しているため上記経糸2のように緯糸間から弛み出さず、ループは生じていない。ここで、経糸12と緯糸1をどのような織り方(例えば、平織り、朱子織り等)にするかは、任意であり、経糸12にどのような糸を適応するかも任意であるが、織り方及び適用する糸の組み合わせにより、本エラスティックウェビングの伸縮性をある程度コントロールできる。
本実施の形態では、エラスティックウェビングAの片面のみメス部Fbが一体的に形成されているが、他面(裏面)にも、上記一度緯糸1と交差してから再度緯糸1と交差するまで所定複数本緯糸1と交差しない織り込み方を施すような経糸2を加えることにより、エラスティックウェビングAの両面にメス部Fbを形成することも可能である。図4は、表面、裏面の両方にメス部Fを有する本エラスティックウェビングの1例を示す断面図である。図4に示す例では、表面には、上記緯糸1と経糸2の織り込みにより、メス部Fbを形成するとともに、他面(裏面)にも、上記一度緯糸1と交差してから再度緯糸1と交差するまで所定複数本緯糸1と交差しない織り込み方を施すような経糸2を加えることにより、エラスティックウェビングAの両面にメス部Fbを形成している。ちなみに、ここでは、上記第2の経糸12も使用されている。これは、両面の経糸2と緯糸1との編み合わせが少ない為、このままでは、緯糸1上を経糸2が横滑りし経糸2間に隙間が生じたり、また、強度上の問題も生じるためであり、経糸12を緯糸1に織り込むことにより、これらの問題を解消している。ここで、経糸12に用いる糸及び緯糸1との織り方は任意であるが、織り方及び適用する糸の組み合わせにより、本エラスティックウェビングの伸縮性をある程度コントロールできる。
図5は、上記ウーリー加工糸の製造工程を表したフローチャートである。使用する原糸としては、ナイロン繊維の高強力糸を複数本用いる。第一工程S1として、高強力糸複数本を束ね、追撚加工を行なう。次に第2工程S2として、追撚加工した複数本の高強力糸にウーリー加工を行なう。第2工程S2が終了した時点で、ウーリー加工糸としては完成しているため、染色する必要がないウーリー加工糸に関しては、第5工程S5のコーン巻きを行い、上記エラスティックウェビングAの経糸として使用する。第2工程S2の終了後、染色が必要なウーリー加工糸については、第3工程S3のソフトワインディングに移行する。ソフトワインディングとは、染色する糸をやわらかく巻きなおす工程を指し、染色段階での染め斑を防止するために行なう。次に第4工程S4として、ソフトワインディングによりやわらかく巻き直されたウーリー加工糸を任意の色に染色する。第5工程として、染色されたウーリー加工糸をコーン巻きし、これを緯糸1とともに織り込む。なお、ウーリー加工と追撚加工の間に、ソフトワインディングや染色加工を介在させる場合もある。
本実施の形態のように、追撚加工、ウーリー加工の順で生成されたウーリー加工糸のほうが、従来の工程で生成されたウーリー加工糸よりも風合いが均一となり、また、コーン巻き(S5)に到るまでの工程で糸切れによるウーリー加工糸の品質の劣化が起こり難くなる。このため、上記工程のウーリー加工糸を、面ファスナーのメス部を構成する経糸2に使用したエラスティックウェビングAのメス部Fbは、毛羽立ちが生じ難く、人の肌との接触感(ソフトタッチ感)も良好な高品質になる。なお、上記高強力糸の材質がナイロン繊維であるため、耐久性(耐負荷性を含む)に優れ、15本以下の高強力糸で構成されるウーリー加工糸であっても、十分な耐久性(耐負荷性を含む)を有する。
図6は、上記エラスティックウェビングAのメス部Fbとオス部が接触したときのメス部Fbの一つのループRに注目し、このループRとカギ状フック(オス部)がどのように結びつくかを説明する図である。複数本の高強力糸2aから成るウーリー加工糸を用いた経糸2が緩やかに弧を描き、ループRを形成している。カギ状フックT1はループRを捕らえているが、カギ状フックT2は、ループRを捕らえきれず、経糸2を構成する高強力糸2bにかろうじて引っ掛かっている状態である。経糸2は、複数本の高強力糸2aがウーリー加工され互いに絡み合った状態で構成されるが、このとき、各高強力糸2aは互いに絡みつくことで大きな結合力を有する。このためカギ状フックT2が、高強力糸2bを引っ張り出そうとしても、他の高強力糸2aが引っ張り出されようとする高強力糸2bに絡みつき、高強力糸2bが経糸2の表面から引っ張り出されることを阻止する。このとき、カギ状フックT2から加わる引っ張り力がある程度強力でも、高強力糸2b及び2aは、耐負荷性に優れているため、引っ張り力に耐えきれず、きれてしまうことがない。その結果として、カギ状フックT2を留めておく力が強くなり、カギ状フックT2は強力な止着力を得ることができる。このようにメス部Fbとの接着が強力なカギ状フックFaが無数に存在するため、メス部Fbとオス部Faの止着力が強力となる。また、経糸2を構成する各高強力糸2aが、互いの結合力により、経糸2の表面からほつれ出ることが少ないため、毛羽立ちにくい性質を有するとともに、経糸2は、螺旋形状を有するウーリー加工糸であるため、メス部Fbの全体として肌に触れた際のソフト感に優れたものとなる。
(エラスティックウェビングの使用例1)
図7は、エラスティックウェビングAを、膝(関節)のサポーターに適用した使用例を示す斜視図である。エラスティックウェビングAのメス部Fb側の面となるように、エラスティックウェビングAを膝(肌に触れる面)に巻きつける。エラスティックウェビングAのメス部Fb(図示されていない)は、上記したように肌に触れた際のソフト感に優れている。また、オス部Fa(図示されていない)との止着力に優れているため、長時間使用しても、関節の動きに耐えられず接着しているメス部Fbとオス部Faの剥離は生じ難い。さらに、本エラスティックウェビングのメス部Fbは耐久性(耐負荷性を含む)に優れているため、止着を繰り返し行っても、毛羽立ちが生じにくく、メス部Fbからの劣化も起こり難い。
(エラスティックウェビングの使用例2)
図8は、エラスティックウェビングAの使用例として、書籍類の固定バンドBに適用した場合を示す斜視図である。固定する書籍類Yを纏めてから、その外周に固定バンドBを巻きつけ、両端部の面同士を接着させて使用する。固定バンドBは、メス部Fb(図示されていない)とオス部Fa(図示されていない)をそれぞれ両面に備えているため、書籍類Yと接触する面がどちら側なのか考慮することなく巻きつけ、接着することができる。また、固定バンドBのメス部Fbは、オス部Faとの止着力に優れているため、書籍類Yがずれることを防ぐ。さらに、固定バンドBのメス部Fbは耐久性(耐負荷性を含む)に優れているため、長期間使用しても毛羽立ちが生じにくく、メス部Fbからの劣化が起こり難い。
(エラスティックウェビングの使用例3)
図9は、上記面ファスナー機能を有したエラスティックウェビングAについて、電子機器(ここでは液晶テレビ)の運搬の際の固定に使用する保護ベルトCを例に挙げて説明する。メス部Fb側の面が裏側(液晶テレビと接触しない側)となるようにして、液晶テレビSの外周に保護ベルトCを巻きつける。保護ベルトCが外周を一周し、保護ベルトCの一方の端部の面と他方の端部の面が重なり合いベルトに緩みが生じない位置まで保護ベルトCを伸張させて巻きつける。両端部の面同士が重なり合った際、下方に重なっている端部の面にはオス部Faが縫合されているので、上方に重なっている端部の面(Fb)に接触することで、接着される。
以上の実施の形態において、エラスティックウェビングAの端部としての耳部が芯糸を囲むように経糸と緯糸により袋状に織り込まれ、この経糸は、ベヤヤーンとして、糸ゴム、ポリウレタン弾性糸、又は、ポリエーテルエステル弾性糸を使用し、ベヤヤーンの上に巻き回される上巻き糸として、ベヤヤーンの上に巻き回される第1の上巻き糸とこの第1の上巻き糸の上に巻き回される第2の上巻き糸とのダブルカバードヤーンとして構成され、第2の上巻き糸にスパン糸を使用すると良い。ベヤヤーンとして糸ゴム、ポリウレタン弾性糸、又は、ポリエーテルエステル弾性糸を使用していることから、ダブルカバードヤーンとしても伸縮性が生じ、織物が経糸方向に伸長したとき、袋耳内部の芯糸と共にその周りを囲む上記カバードヤーンの経糸も同時に伸長することとなり、上記従来のようなループRは生じ難くなる。そして、耳部の経糸において、最も表面側の第2の上巻糸にスパン糸を使用しているため、ほつれ難く、毛羽立ちも生じ難くなる。
本発明の一実施の形態であるエラスティックウェビングを表した斜視図である。 上記実施の形態であるエラティックウェビングを表した斜視図である。 上記実施の形態であるエラスティックウェビングのメス部の構造を示した斜視図である。 上記実施の形態であるエラスティックウェビングの構造を示した断面図である。 上記実施の形態であるエラスティックウェビングのメス部の経糸に用いるウーリー加工糸の製造工程を表したフローチャートである。 上記実施の形態であるエラスティックウェビングのメス部のループとオス部のカギ状フックの接触状態を表す正面図である。 上記実施の形態であるエラスティックウェビングの使用例を示す図である。 上記実施である形態であるエラスティックウェビングの他の使用例を示す図である 上記実施の形態であるエラスティックウェビングの他の使用例を示す図である。 従来の面ファスナー機能を有するエラスティックウェビングのメス部のループとオス部のカギ状フックの接触状態を表す正面図である。 従来の面ファスナー機能を有するエラスティックウェビングのメス部の構造を表す斜視図である。
符号の説明
1 緯糸、
2 経糸(高強力糸から成るウーリー加工糸)、2a 高強力糸、2b 高強力糸、
12 経糸、
A エラスティックウェビング、
B 固定バンド
C 保護ベルト
Fa 面ファスナーのオス部、Fb 面ファスナーのメス部、
T1 カギ状フック、T2 カギ状フック

Claims (5)

  1. 織り込まれた経糸と緯糸のうちの少なくとも一部の経糸には、複数本の高強力糸が互いに絡み合って構成されるウーリー加工糸が使用されており、この経糸は、一度緯糸と交差してから再度緯糸と交差するまで所定複数本緯糸と交差せず、これを繰り返しながら緯糸に織り込まれていることを特徴とするエラスティックウェビング。
  2. 前記ウーリー加工糸を構成する複数本の高強力糸は、その本数が15本以下であり、その材質がナイロン繊維であることを特徴とする請求項1に記載のエラスティックウェビング。
  3. 前記請求項1又は請求項2記載のエラスティックウェビングを、面ファスナーのループが並んだループ面(メス部)とカギ状フックが並んだフック面(オス部)のうちのメス部として使用することを特徴とするエラスティックウェビングの使用方法。
  4. 前記請求項1又は請求項2記載のエラスティックウェビングに、面ファスナーのループが並んだループ面(メス部)とカギ状フックが並んだフック面(オス部)のうちのオス部が生地として縫合され、前記請求項3記載のメス部と止着させて使用することを特徴とするエラスティックウェビングの使用方法。
  5. 前記請求項1記載のエラスティックウェビングの製造方法であり、複数本の高強力糸を、追撚加工、ウーリー加工の順で加工して、ウーリー加工糸を生成し、このウーリー加工糸を少なくとも一部の経糸として使用し緯糸とともに織り込むことを特徴とするエラスティックウェビングの製造方法。
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