JP4342269B2 - エラスティックウェビング - Google Patents

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本発明は、ゴム入り織物やゴム入り細幅織物とも称され、伸縮性に優れた素材(ストレッチ素材)として用いられるエラスティックウェビングに関する。
エラスティックウェビングは、ゴム入り織物やゴム入り細幅織物とも称され、身体の動きに合わせて伸縮する素材(ストレッチ素材)として近年その使用の広がりを見せている。代表的な商品としては、女性用のパンストのウエストゴム、ブラジャーの肩紐部分、男性用ではトランクスパンツやトレーニングパンツやパジャマ等のウエストゴムなどに使用されている。また、サポーター、コルセット(特に腰の部分を固定するために使用するもの)、携帯ストラップ、ヘアバンド、担架で負傷者を運搬する際に使用される固定ベルト等の医療分野やスポーツ着にも使用されている。このエラスティックウェビングは、その長手方向にある程度の伸縮性が要求されるため(エラスティックウェビングの中には、長手方向のみならず幅方向の両方に伸縮性が要求されるものもある。)、経糸として使用される糸には、ある程度の伸縮性が必要である。
エラスティックウェビングは、経糸と緯糸により織り合わされており、その端部(耳部)についても同様である。エラスティックウェビングの耳部の織り方としては、耳部の経糸を軸にして、緯糸が反対側の面に折り返されるように織るのが一般的である。また、耳部を袋耳として織ることもエラスティックウェビングとしては一般的である。耳部を袋耳にするのは、耳部の耐久性の向上の他、織物に装飾を施すという狙いもあり、デザイン的要素を含んでいる。そのため、リボン等の装飾性が要求される織物には、この袋耳が良く使われている。
袋耳の構造は、織物の端部の経糸の更に外側に、この経糸と接するように経糸方向に糸(以下芯糸)を置き、この芯糸の周囲を包むように経糸と緯糸を織り込んで行く。芯糸にどのような性質の糸を適応するかは種々のものがあるが、エラスティックウェビングでは、上述したように経糸方向に伸縮性が求められるため、適用する糸にも糸ゴムやポリウレタン繊維の糸等、伸縮性に優れたものの場合がほとんどである。
上記従来の袋耳を有したエラスティックウェビングにおいて、耳部の経糸に使用される糸は、スパン糸、ウーリー加工されていないフィラメント糸や、ウーリー加工されたフィラメント糸等がそのまま使用されている。
スパン糸は、短繊維の撚り合わせであるため、伸縮性に乏しい。また、ウーリー加工されていないフィラメント糸も伸縮性に乏しい。これら伸縮性の乏しい糸を耳部の経糸として織り込むには、織物を経糸方向に伸長させ、その伸長した長さに経糸を合わせる必要がある。織物を経糸方向に伸長させないまま伸縮性のない経糸を織り込むと、耳部が他の部分より伸長せず、伸縮性の不均一な織物となってしまうためである。しかし、耳部の経糸の長さを織物の伸長状態に合わせると通常状態(伸張状態から縮小して元の状態に戻った状態)では、耳部の経糸が弛んでしまい、ループが生じる。ループとは、織物を構成する経糸が、通常状態(織物が伸縮していない状態)で弛んでしまい、緯糸間からはみ出して織物表面に半円状の輪(ループ)を生じる現象である。小さな突起物がループ内に進入すると、ループを構成する経糸が切れたり(その結果、一種の毛羽立ち状態になる。)、ほつれたりする原因となる。図9、図10は、上記ループが生じる状態を模式的に示すもので、図10は耳部の伸長状態を、図9は通常状態を表している。経糸13は耳部の伸長に合わせて伸長しているように見える。しかし、これは耳部製作段階で、耳部の伸長状態の長さに合わせて経糸の長さを決定し、最初から伸長した長さで織り込まれているためであり、経糸13が伸長したのではない。次に、図9の耳部の通常状態を見ると、経糸13があまってしまうため、緯糸11間から経糸13がはみだしてしまい、耳部表面にループRができる。
ただし、スパン糸は、短繊維の撚り合わせであるため、一部の短繊維が外部から干渉され、糸の表面からほつれ出ても、他の部分の短繊維には影響せず、その結果、毛羽立ちにくいという性質を持つ。また、ウーリー加工されていないフィラメント糸の方も、人口的に作られた繊維を束ねたものであるため、もともと毛羽立ちにくいという性質をもつ。よって、上記糸を使用した耳部は、ループができることを除けば、ほつれ、毛羽立ちを起こしにくいという長所を有する。耳部のデザイン性を考慮したとき、ほつれ、毛羽立ちを起こしにくいという点では、下記の長繊維のウーリー加工糸より優れているといえる。
次に、ウーリー加工されたフィラメント糸は、ウーリー加工された長繊維を数十本束ね、撚り合わせて作られる。ウーリー加工することにより、糸を構成する長繊維は螺旋形状を有することになり、この螺旋形状が糸に伸縮性を生む。ウーリー加工糸を耳部の経糸に使用した場合、織物の伸び縮みに合わせ、耳部の経糸も伸び縮みできるので、耳部の表面に上記ループは生じない。
しかし、上記ウーリー加工されたフィラメント糸を経糸に用いた耳部は、自身を構成する各長繊維が螺旋形状であるため、小さな突起物が引っかかり易く、引っかかった長繊維が外側に引っ張り出されるため、袋耳の表面にほつれや毛羽立ちが生じ易いという欠点を有する。この状態を模式的に示した図が図11である。ウーリー加工されたフィラメント糸12は、図11で示すように螺旋形状を持つ長繊維の束で構成されているため、突起物T等が引っかかり易く、毛羽立ちやすい性質を持つ。また、突起物T等によって一本の長繊維が引っ張り出されると、他の長繊維も、引っ張り出された長繊維との摩擦によって外側に引っ張り出されるため、その影響を受けてしまう。このように、ウーリー加工されたフィラメント糸12は毛羽立ち易く、この糸を経糸に使用した耳部も毛羽立ち易い性質となる。
上述したように、エラスティックウェビングの耳部が袋耳である場合、その耳部の経糸として使用する糸については、ウーリー加工されたフィラメント糸や、スパン糸やウーリー加工されていないフィラメント糸が従来使用されてきた。そして、これら伸縮性に優れた糸と伸縮性に乏しい糸に関して、前者を経糸して使用した耳部は、ループが生じない反面、経糸自体がほつれたり毛羽立ち易いという欠点を持ち、後者を経糸として使用した耳部は、経糸自体はほつれ、毛羽立ちが起こりにくいという長所を持つ反面、ループを生じやすく、ほつれ、糸切れの原因となるという欠点を持つ。そのため、上記いずれの糸を耳部の経糸として適用しても、耳部の装飾性、耐久性を十分には維持できないという問題があった。
そこで本発明の目的は、耳部が袋耳である場合に、ほつれ難く毛羽立ったりせず、また、ループを生じ難く、伸縮性にも優れた耳部を有するエラスティックウェビングを提供することにある。
本発明の請求項1記載のエラスティックウェビングは、織物の端部としての耳部が芯糸を囲むように経糸と緯糸により袋状に織り込まれ、この経糸は、ベヤヤーンとして、糸ゴム、ポリウレタン弾性糸、又は、ポリエーテルエステル弾性糸を使用し、ベヤヤーンの上に巻き回される上巻き糸として、ベヤヤーンの上に巻き回される第1の上巻き糸とこの第1の上巻き糸の上に巻き回される第2の上巻き糸とのダブルカバードヤーンとして構成され、第1の上巻き糸は、スパン糸若しくはウーリー加工されていないフィラメント糸を使用するか、又は、ウーリー加工されたフィラメント糸を使用し、第2の上巻き糸にスパン糸を使用しているエラスティックウェビングであり、前記エラスティックウェビングに面ファスナーのフック面(オス部)とループ面(メス部)のうちのオス部がその長手方向の一方の面の両端側の少なくとも一方側に縫合されているとともに、他方の面全体はメス部とされていることを特徴とする。
本発明によれば、ベヤヤーンとして糸ゴム、ポリウレタン弾性糸、又は、ポリエーテルエステル弾性糸を使用していることから、ダブルカバードヤーンとしても伸縮性が生じ、織物が経糸方向に伸長したとき、袋耳内部の芯糸と共にその周りを囲む上記カバードヤーンの経糸も同時に伸長することとなり、上記従来のようなループは生じ難くなる。そして、耳部の経糸において、最も表面側の第2の上巻糸にスパン糸を使用しているため、ほつれ難く、毛羽立ちも生じ難くなる。
ここで、ベヤヤーンの上に巻き回される第1の上巻き糸は、表面に表れないので、スパン糸又はウーリー加工されていないフィラメント糸であっても、ウーリー加工されたフィラメント糸等であっても使用可能である。しかし、ウーリー加工されたフィラメント糸を使用すると、経糸であるカバードヤーンが伸長した際、第2の上巻き糸の間から、第一の上巻き糸がほつれ出ることがあるため、第の上巻き糸に使用する糸としては、スパン糸又はウーリー加工されていないフィラメント糸を用いるのが適切である。このため、第1の上巻き糸は、スパン糸又はウーリー加工されていないフィラメント糸としている。一方、第1の上巻き糸にウーリー加工されたフィラメント糸を使用したエラスティックウェビングとすることで、伸縮性を向上させることができる。従って、ウーリー加工糸を耳部の経糸に使用した場合、織物の伸び縮みに合わせ、耳部の経糸も伸び縮みできるので、緯糸間からはみ出して耳部の表面に半円状の輪(ループ)が生じることはない。その結果、小さな突起物がループ内に進入して、ループを構成する経糸が切れたり(その結果、一種の毛羽立ち状態になる。)、ほつれたりする原因が生じるのを防止することができる。
そして、本発明によれば、耳部がほつれたり、毛羽立ったりしにくい特徴を有する。そのため、縫合された面ファスナーのオス部がこの耳部に接触しても、ほつれたり、毛羽立ったりし難くなり、面状ファスナーを縫合して好適なエラスティックウェビングとなる。
本発明によれば、耳部が袋耳であるエラスティックウェビングを使用した製品において、耳部に小さな突起物や先鋭な物に接触しても、ほつれや毛羽立ちが生じ難く、その製品としての美感を損なうことがない。また、耳部のほつれ、毛羽立ちが起こりにくいため、耳部からの製品の劣化が進行しにくくなり、肌触り感も良くなる。したがって、女性用のパンストのウエストゴム、ブラジャーの肩紐部分等に使用されて好適なものとなる。
上記エラスティックウェビングに面ファスナーが縫合された製品においても、耳部が面ファスナーのオス部からの引っかかりを受け難くなり、製品としての美感を損なうことがなく、また、耳部からの製品劣化が起こりにくいという効果がある。したがって、サポーター、コルセット、担架で負傷者を運搬する際に使用される固定ベルト等に使用されて好適なものとなる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を引用しながら説明する。
(第1の実施の形態)
本発明のエラスティックウェビングは、図1ないし図4に示すように、織物の端部としての耳部が芯糸4を囲むように経糸3と緯糸1により袋状に織り込まれ、この経糸3は、ベヤヤーン5の上に巻き回される第1の上巻き糸6と、この第1の上巻き糸6の上に巻き回される第2の上巻き糸7とのダブルカバードヤーンとして構成されている。
図1は、本発明の一実施の形態のエラスティックウェビングの耳部周辺の構造を模式的に示した正面側の図であり、図2は、図1の裏側の構造を模式的に示した図である。図3は、図1、図2で示したエラスティックウェビングの耳部周辺の断面図である。図1の破線cの右側が耳部aであり、その形状は袋耳となっている(図3)。破線cを境界として、耳部以外の部分を緯糸1と共に構成する経糸2には、ウーリー加工されたフィラメント糸が使用される。また、この他にも、経糸2に使用される糸としては、スパン糸あるいはウーリー加工されていないフィラメント糸等がある。破線cを境界として、耳部を緯糸1と共に構成する経糸3には、ダブルカバードヤーンが使用される。耳部a内部の芯糸4には、糸ゴムあるいはポリウレタン弾性糸等を使用する。本実施の形態では、緯糸1と経糸2の編み方は、平織りとなっている。これに対し、耳部の緯糸1と経糸3の編み方は、朱子織りである。
図4は、エラスティックウェビングの耳部aの経糸3に使用されるダブルカバードヤーン8の構造を表している。ダブルカバードヤーン8の伸縮性を受け持つベヤヤーン5は、糸ゴム、ポリウレタン弾性糸、又は、ポリエーテルエステル弾性糸の使用が可能である。ベヤヤーン5に第1の上巻き糸6が巻き回されるが、その上に巻き回される第2の上巻き糸7はスパン糸であり、特にレイヨン、ナイロン、ポリエステル、コットン素材のスパン糸をよく用いる。第2の上巻き糸7にスパン糸を適用したのは、最も表面側にほつれ難く毛羽立ちも生じ難い糸を使用することにより、耳部の役割である装飾性や耐久性を長時間維持させるためである。
ここで、シングルカバードヤーンではなく、ダブルカバードヤーンとしたのは、上巻き糸の安定性がシングルよりダブルの方が良いためである。これは、内側、外側の第1と第2の上巻き糸6,7がねじれに対する復元力によって、直線形状に戻ろうとするのをそれぞれの接触による摩擦力によって抑制し合うためである。なお、第1の上捲き糸6は、表面に表れないので、上述したスパン糸、ウーリー加工されていないフィラメント糸等の伸縮性に乏しい糸や、ウーリー加工されたフィラメント糸等を使用することができる。しかし、ウーリー加工されたフィラメント糸を使用すると、経糸であるカバードヤーンが伸長した際、第2の上巻き糸7の間から、第1の上巻き糸6がほつれ出ることがあるため、第1の上巻き糸6に使用する糸としては、スパン糸あるいはウーリー加工されていないフィラメント糸が望ましい。なお、第1の上巻き糸6にウーリー加工されたフィラメント糸を使用したエラスティックウェビングとすると、伸縮性を向上させることができる。
次に、上記構成の本実施の形態と従来例とを比較して説明する。まず、伸縮状態を比較する。図6、図7は、本実施の形態のエラスティックウェビングの耳部aの伸長状態(図7)と、伸張状態から戻った通常状態(図6)を模式的に表わした図である。経糸3は、図4のダブルカバードヤーン8である。エラスティックウェビングが通常状態から伸長し、伸長状態となると(図7)、経糸3も伸長する。伸長状態から通常状態に戻ると、伸張していた経糸3も元の長さに戻るが、図6に示すように耳部aにループは生じない。
これに対して、エラスティックウェビングの耳部の経糸にスパン糸を用いた従来例を示したものが図9、図10であり、図9は耳部bの通常状態を、図10は伸長状態を表している。図9では、経糸13は耳部bの伸長に合わせて伸長しているように見える。しかし、これは耳部製作段階で、耳部bの伸長状態の長さに合わせて経糸の長さを決定し、最初から伸長した長さで織り込まれているためであり、経糸13が伸長したのではない。次に、図9の耳部bの通常状態を見ると、経糸13があまってしまうため、緯糸11間から経糸13がはみだしてしまい、耳部表面にループRが生じ易くなる。
次に、毛羽立ちやほつれが与える影響を比較する。図5は、本実施の形態のエラスティックウェビングの耳部の経糸に使用されるダブルカバードヤーン8(図4)が毛羽立った状態を模式的に示した図である。カバードヤーン8の表面を構成するのは、スパン糸を用いた第2の上捲き糸7である。10は、第2の上巻き糸7の表面に生じた毛羽立ちを表している。第2の上巻き糸7はスパン糸であり、このスパン糸は短繊維を撚り合わせて作られた糸である。符号10の毛羽立ちのように、一部の短繊維が表面上から飛び出しても、他の短繊維には影響がない。一部の毛羽立ちが他の部分に影響を及ぼさないという点で、スパン糸の第2の上巻き糸7は毛羽立ちにくく、この糸で表面を構成するカバードヤーン8も毛羽立ちにくいことになる。よって、カバードヤーン8で経糸を構成する耳部も毛羽立ちにくい性質を有する。
これに対して、従来のように、エラスティックウェビングの耳部の経糸にウーリー加工されたフィラメント糸を使用した場合を考察する。図11は、耳部の経糸に用いるウーリー加工されたフィラメント糸12を示す図である。ウーリー加工されたフィラメント糸12は螺旋形状を持つ長繊維の束で構成されている。そのため、突起物Tや先鋭な物(木材のささくれや植物の刺等)等が引っかかりやすく、毛羽立ちが容易に生じる性質を持つ。また、突起物T等によって一本の長繊維が引っ張り出されると、他の長繊維も、引っ張り出された長繊維との摩擦によって外側に引っ張り出されるため、その影響を受けてしまう。よって、ウーリー加工されたフィラメント糸12は毛羽立ちやすく、この糸を経糸に使用した耳部も毛羽立ちやすい性質となる。
このように、耳部が袋耳であるエラスティックウェビングの耳部の経糸にウーリー加工されたフィラメント糸を適応すると(従来例)、突起物等に引っかかりやすく、毛羽立ちやすいエラスティックウェビングとなり、耳部の経糸にスパン糸を適用すると(従来例)、耳部表面にループが生じ易いエラスティックウェビングとなる。これに対して、本実施の形態のように、第2の上捲き糸にスパン糸を使用したダブルカバードヤーンを耳部の経糸に適用した場合、毛羽立ち難く、ほつれ難く、そして、ループも生じ難くなる。したがって、第2の上捲き糸がスパン糸のダブルカバードヤーンを経糸として適用した耳部は、耳部の本来の役割である装飾性や耐久性が長時間維持され、肌触り感も向上する。
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、第1の実施の形態のエラティックウェビングに面ファスナーを縫合したもので、図8に示すように、担架で負傷者を運搬する際に使用される固定ベルトVに使用されている。この固定ベルトVは、所定幅を有する長尺なもので、その長手方向の両端側に面ファスナーのオス部F1,F1が縫合されている。この面ファスナーF1,F1は、四角形状で固定ベルトVとほぼ同じ幅を有する。また、このオス部が縫合されている面を表面とすると、裏面全体がオス部に対応するメス部を兼ねる。このメス部は、固定ベルト製造段階で、経糸を固定ベルトの長手方向の寸法より長く織り込むことで弛みを作り、緯糸間から弛んだ経糸をはみ出させ、裏面全体にループを生じさせることによって成る。ここで、面ファスナーの原理は、小さなループがびっしり並んだループ面(「メス部」とも呼ばれる)と、細かいカギ状(フック部とも呼ばれる)になっているフック面(「オス部」とも呼ばれる)との2面からなるもの、同じ面にフックとループを並べて一つの面でフック面とループ面の二面の働きをするものなどがある。図8に表す固定ベルトは、前者の面ファスナーを有している。
この固定ベルトVは、腰等に捲き回して、上記両端部を重ね合わせて伸縮性を持って固定する。上記両端部を固定するとき、面ファスナーF1,F1のオス部が上記構成の耳部aに接触すると、面ファスナーF1,F1のオス部は、無数の小さな鉤型突起を有しているため、従来例のものでは、この突起が引っ掛かると、耳部aの表面のほつれが激しく、一種の毛羽立ちを生じさせていた。これでは、デザイン性を考慮して耳部を袋耳としても、その美感が損なわれてしまう。なおかつ、そのほつれ箇所(毛羽立ち箇所)から織物の劣化が進んでしまうことになる。
これに対して、本実施の形態のエラティックウェビングの耳部aは、ほつれたり毛羽立ち難く、しかも、ループも生じ難いために、面ファスナーF1,F1のオス部が引っ掛かっても、毛羽立つようなことがなく、その耳部の美観が長時間維持される。また、織物の耳部からの劣化も進みにくくなる。このため、上記のようなベルトVのほか、サポーター、コルセット、ヘアバンド等に同じように適用して好適なエラスティックウェビングとなる。
本発明の第1の実施の形態のエラスティックウェビングの耳部周辺の表側の構造を示す正面図である。 上記実施の形態のエラティックウェビングの裏側の構造を示す背面図である。 上記実施の形態のエラスティックウェビングの断面図である。 上記実施の形態のエラスティックウェビングの耳部の経糸に使用されるダブルカバードヤーンの構造を示す図である。 上記第1の実施の形態のダブルカバードヤーンの表面の毛羽立ち状態を模式的に示す図である。 上記実施の形態の耳部の通常状態を示す図である。 上記実施の形態の耳部の伸長状態を示す図である。 本発明の第2の実施の形態であるエラスティックウェビングに面ファスナーを縫合した実施の形態を示す斜視図である。 従来のエラスティックウェビングの耳部の経糸にスパン糸を用いたときの、耳部の通常状態を示す図である。 従来のエラスティックウェビングの耳部の経糸にスパン糸を用いたときの、耳部の伸長状態を示す図である。 従来のエラスティックウェビングの耳部の経糸に使用されるウーリー加工されたフィラメント糸を示す図である。
符号の説明
1 緯糸
2 耳部以外の経糸
3 耳部の経糸(ダブルカバードヤーン)
4 芯糸
5 ベヤヤーン
6 第1の上巻き糸
7 第2の上巻き糸
8 ダブルカバードヤーン
a 耳部
T 突起物(先鋭物)
R ループ
V 固定ベルト

Claims (1)

  1. 織物の端部としての耳部が芯糸を囲むように経糸と緯糸により袋状に織り込まれ、この経糸は、ベヤヤーンとして、糸ゴム、ポリウレタン弾性糸、又は、ポリエーテルエステル弾性糸を使用し、ベヤヤーンの上に巻き回される上巻き糸として、ベヤヤーンの上に巻き回される第1の上巻き糸とこの第1の上巻き糸の上に巻き回される第2の上巻き糸とのダブルカバードヤーンとして構成され、第1の上巻き糸は、スパン糸若しくはウーリー加工されていないフィラメント糸を使用するか、又は、ウーリー加工されたフィラメント糸であり、第2の上巻き糸にスパン糸を使用しているエラスティックウェビングであり、
    前記エラスティックウェビングに面ファスナーのフック面(オス部)とループ面(メス部)のうちのオス部がその長手方向の一方の面の両端側の少なくとも一方側に縫合されているとともに、他方の面全体はメス部とされていることを特徴とするエラスティックウェビング。
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