JPS635532Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本案は伸縮性織布を用いた緊締用バンドに関す
るものである。

〔従来の技術〕

人体の体型に沿わせて定着させるにはコルセツ
ト、ランジエリー、サポータ、ベルトにみられる
ように伸縮性の布地が用いられる。また、カイロ
や、薬剤、パツドなどの品物を身体の定位置に保
持させるためのベルト類に伸縮性布地を利用する
のは好都合である。このような目的に用いるベル
ト類には感触が柔らかく、装着時の圧迫感が少な
く、また運動の妨げとならず、さらに体型の保型
性、物品の保持など必要な機能が要求される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そのためには素材の選定が重要であり、また、
フリーサイズが好ましい。従来は、コルセツト、
ランジエリー、サポータ、ベルトのように専用の
用途に限られ、多用な用途に対応しうるものはあ
まり知られていない。特にフリーサイズの場合に
は、互いに係止しうる留め具の対の取付けのため
に特殊な構造や器具類を要していた。

本案の目的は全長に渡り伸縮性を有し、しか
も、バンド組織の一部を利用して自由に長さを調
整しうる留め具を備えた緊締用バンドを提供する
ことにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本案は伸縮性を有する弾性糸と、該弾性糸の横
ずれを防止する撚糸と合成樹脂フイラメントとを
織組織のたて糸とよこ糸として織成した織布から
なり、前記弾性糸の列をバンドの長手方向に用
い、該弾性糸の列間の間隔を適宜拡げて織組織の
合成樹脂フイラメントの列を一部を一定の幅で露
出させ、露出させた列のいずれかのフイラメント
に係止させるフツクをバンドの端末に装備した緊
締用バンドである。

〔実施例〕

以下本案の実施例を図によつて説明する。

第１図は本案を腹巻きに適用した例を示す。腹
巻き１は、化学かいろなどを収容するバツク２
と、該バツク２の両側に取付けられたバンド３
Ａ，３Ｂとからなり、一方のバンド３Ａの端縁に
取付けられたフツク４，４を、他方のバンド３Ｂ
の一部に引掛けて人体の胴部に巻回装着するもの
である。

バンド３Ａ，３Ｂは同一の織布Ｃで構成された
もので、その構造を第２図に示す。すなわち、織
布Ｃは、第２図に示すようによこ糸に合成樹脂フ
イラメント５を用い、たて糸に伸縮性を有する弾
性糸６、例えばスパンテツクスのような糸と撚糸
７とを用い、２本のたて糸６，７をからませてよ
こ糸のフイラメント５に交錯させ、いわゆる“紗
織”によつて織成したものである。フイラメント
５の列を腹巻きの長手方向に用い、且つこの織目
における隣接相互のたて糸の間隔を適宜拡げ、た
て糸の列間にフイラメント５，５…を一定の幅で
平行に露出させる。織組織のたて糸の間隔は織成
時に適宜変化させてもよく、あるいは、均一な組
織に織成したのち、適宜１〜数組のたて糸を抜き
取つてフイラメント５，５…の一部を露出させて
もよい。また、織目の組織は紗織に限ることはな
いが、たて糸の横ずれを防止できる組織とするこ
とが必要である。

織布Ｃの面に露出させたフイラメント５の区間
ｄがフツク４の引掛部となるもので、フイラメン
ト５は、フツク４の張力に耐える強靭なものを用
いる。例えば、ナイロンフイラメントなどが好適
である。上記の構成とした織布Ｃの両側縁を第１
図に示すように抑え片８で抑えたテープ状に加工
し、これを一定長さに裁断し、バツク２の両縁に
取付けて腹巻き１のバンド３Ａ，３Ｂとし、その
両端縁に縁材７Ａ，７Ｂを固定し、バンド３Ａの
縁材７Ａにフツク４を装着する。

この腹巻きを使用するときには、バツク２内に
かいろ（図示略）を収容してバンド３Ａ，３Ｂを
人体の胴部に巻付け、第２図、第３図に示すよう
に一方のバンド３Ａのフツク４，４を、他方のバ
ンド３Ｂの区間ｄ内で露出するフイラメント５，
５，…のいずれかに係止させる。バンド３Ａ，３
Ｂの織布Ｃは、そのたて糸に弾性糸が織込まれて
いるため、バンド３Ａ，３Ｂが伸長して人体の胴
部になじんで定着する。また、織布Ｃは、そのよ
こ糸がフイラメント５であるため、適度の強度が
保たれ、バンド３Ａ，３Ｂが２折れになることが
ない。

〔考案の効果〕

以上実施例では腹巻きのバンドに適用した場合
の例について説明したが、勿論、これに限らず、
一般のフリーサイズバンド、手袋などの緊締バン
ド及び衣類、その他の物品の吊紐、掛紐、その他
の用途に広く適用することができる。本案は、バ
ンドの全長にわたり伸縮性を有するために緊締時
マイルドに締つて身体に定着し、しかも織物の生
地の織目の一部分を利用してフツクを引掛けるも
のであるため、フツクの引掛位置を密接したフイ
ラメントのいずれかを選定して、ほぼ無段階に設
定できる。しかも、合成樹脂フイラメントと弾性
糸とを用いて織成した織布は強靭で伸縮性を有
し、織布と緊張状態に保たせ、その復元力でフツ
クを確実にフイラメントに係止して緊締できる効
果を有するものである。

したがつて本案によれば、織物組の一部を利用
して各種フリーサイズの緊締用バンドとして優れ
た効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のバンドを適用した腹巻きの一
実施例を示す正面図、第２図は織布の組織の一例
を示す正面拡大図、第３図はフツクの結合状態を
示す要部拡大斜視図である。 １……腹巻き、３Ａ，３Ｂ……バンド、４……
フツク、５……フイラメント、６……弾性糸、７
……撚糸、Ｃ……織布、ｄ……フイラメントの露
出区間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 伸縮性を有する弾性糸と、該弾性糸の横ずれを
   防止する撚糸と合成樹脂フイラメントとを織組織
   のたて糸とよこ糸として織成した織布からなり、
   前記弾性糸の列をバンドの長手方向に用い、該弾
   性糸の列間の間隔を適宜拡げて織組織の合成樹脂
   フイラメントの列の一部を一定の幅で露出させ、
   露出させた列のいずれかのフイラメントに係止さ
   せるフツクをバンドの端末に装備した緊締用バン
   ド。