JP3170262U - 安全帯 - Google Patents
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Abstract
Description
伸縮ロープの目的は、引張力の掛かっていない状態で長尺袋の実質長さを短くすることにあり、ロープ本体に課せられた強靱性(引っ張り強度)は、専ら長尺袋が担当する。従って、伸縮ロープは、長尺袋全体に格納されている必要はなく、蛇腹構造域に存在していれば良い。
ロープ本体の材質は、伸縮ロープ部分についても、長尺袋部分についても特に限定するものではないが、経年劣化しにくく伸縮性も長期保持される材質が伸縮ロープには求められるし、強度に優れ薄い材質が長尺袋に求められるので、そうした要求に応えられるものを選択すべきであることは言うまでもない。
そのための方策の一つとして提案したのが請求項3であり、ロープ本体を金属部材の挿通孔に挿通したのち、2本まとめて結着するという方法である。作業者落下時この結着部分に加わる力は、より強く結着させるように働くため、上記問題は解消されることになって好適である。
(2) 1本のロープ本体を二つ折りにし、その折曲箇所を安全帯本体に掛止するという構造であるので、別体である2本のロープを掛止する場合と異なり、掛止部の構造をシンプルなものとし易い。
(3) ショックアブソーバー部を取設する場合、二丁掛け安全帯でありながら取設個数を1個で済ませることが可能である。
ロープ本体3は、強靱な長尺袋31を平らに畳んだものを主体材料としておりこれが落下時の作業者を支える強度を備えている〔同図(a)〕。
なおロープ本体3は、二つ折りされ二丁掛けロープとして用いるものであるので、ロープ本体3の中央の折曲部分近辺は蛇腹構造とせず、結果、蛇腹構造域Zを2区画設けるのが好適である。理由として、伸縮ロープ32の厚さ分薄くできること、平らな構造である方が安全帯本体との連結が容易であること、等々が挙げられる。
そこで、長尺袋31の両端開口部からそれぞれ伸縮ロープ32を挿入し、これらが中央を挟んで離反する状態で、各伸縮ロープ32端部付近で長尺袋31ともども縫着する〔同図(b)〕。縫着部33は、本例の場合長手方向に対して直交する方向に直線ミシンで往復縫いをするという手法で形成したが、本考案はこれに限定しない。
そして伸縮ロープ32に加えていた引張力を解除すると、伸縮ロープ32が縮まるのと共動する形で長尺袋31〔正確には、同図(c)で形成された縫着部33と同図(d)で形成された縫着部34の間〕に、蛇腹構造域Zが形成される〔同図(d)〕。なお図では左右方向に伸縮ロープ32余剰分が大きく突出しているが、これは製法を判りやすくするための描出によるものであり、製造段階でこのような形態であるかどうかとは無関係である。そしてこの余剰部分は、本考案安全帯には不要な部分である。
以上のようにして得られるロープ本体3の両端には、フック4(図示略)が取設されることとなる。
即ち、金属部材5を介してロープ本体3と安全帯本体2を連結するという方法である。この方法の場合、金属部材5にロープ本体3を連結し、フック4その他も取設した後、初めて安全帯本体2との連結作業をすれば良いので製作能率が良い、ロープ本体3の交換が容易である、等々の利点があり好適である。
更に本考案の場合には、1本を二つ折りし、その折曲部分を掛止することで二丁掛けとする部材がロープ本体3であるので、金属部材5がロープ本体挿通孔51を有しており、ここにロープ本体3を通せば、連結ができることになる。但し、単に通しただけでは僅かな力でロープ本体3がロープ本体挿通孔51内を滑ってしまうので、これを防止するために結束バンド6にて締着固定している。また金属部材5には、安全帯本体2との連結構造部である安全帯本体側挿通孔52も有しており、簡単に掛止できるようになっている。なお本例では金属部材5として、二部材を可回動に合体させる構造を採用しているが一部材にロープ本体挿通孔51、安全帯本体側挿通孔52の双方を設けるようにしても構わない(図示略)。更に、ロープ本体挿通孔51を有する部材として本例では、シャックル状の部材と、安全帯本体側挿通孔52を有する金属部材側とを、回動自在に連絡する構造部材2つで連結したものを使用したが、他の構造であっても良いし、市販部材(例えばシャックルやカラビナ等)を援用して金属部材5と成すことも可能であり、これらの構造が本考案を限定するものではない。
そこで、ロープ本体挿通孔51にロープ本体3を通して二股状とした後、ロープ本体挿通孔51に近い箇所で、二本のロープ本体をまとめて結ぶようにしても良い。結び方は基本的にはどのようなものであっても良いが、本考案者が種々試作実験した範囲では後述する結着方法が最適であった。
いずれにせよ結着箇所を設けた場合、作業者が落下すると負荷はこの結着部が受けることになる。従って、上述したようにロープ本体3が一直線になることはない。なお結着箇所を設けた場合にも結束バンド6を取り付けるのが好ましいが、この時結束バンド6は、ロープ本体3の折曲部分のぐらつきを防止するためだけに付帯されるものであり、大きな耐荷重力が求められることはない。
同図(a)の構造であると、二股になったロープ本体3のロープA、Bのどちらが荷重を受けてもショックアブソーバー部7は機能し、同図(b)の状態(縫着糸が順次破断してゆく状態)を経て、同図(c)の状態まで伸び切ることになる。
まず、片方のロープ本体(ロープA)だけを折曲する。折曲方向は、他方のロープ本体(ロープB)の長手方向に対して概ね直交する方向である〔同図(a)〕。換言すると、ロープAは長手方向に対して概ね45度の角度の稜線で折り畳まれる形で曲げることになる。同図(a)を裏から見た状態を同図(b)に示す。
この状態でロープAは、長手方向に対してほぼ直交しているので、再度長手方向に対して概ね45度の角度の稜線で折り畳む〔同図(e)〕。これによって、ロープA、Bは方向がほぼ揃うことになる。但し同図(e)段階で折り畳んだ部分は、このままでは形状が維持されにくいので結着部分全体を縫着する、結着部全体を別部材で被覆(例えば熱収縮性プラスチックによるシュリンク包装)する等の保形措置を講じるのが望ましい。
なお、既述したショックアブソーバー部7を付帯させる場合には、この保形措置の際にショックアブソーバー部7も一緒にまとめるようにすると全体形状がシンプルとなるばかりでなく、落下時この保形措置構造部分が破壊される際、落下エネルギーがこの破壊分だけ消費され多少のショックアブソーバー効果をもたらすことになり更に好適である。
2 安全帯本体
3 ロープ本体
31 長尺袋
32 伸縮ロープ
33 縫着部
34 縫着部
4 フック
5 金属部材
51 ロープ本体挿通孔
52 安全帯本体挿通孔
6 結束バンド
7 ショックアブソーバー部
A 片方のロープ本体
B 他方のロープ本体
Z 蛇腹構造域
Claims (7)
- 安全帯本体に設けられたロープ係止部から二股に延出する1本のロープ本体を有する安全帯であって、該ロープ本体は、非伸縮性材料より成る長尺袋で構成されており、且つ、該二股に延出する部分には蛇腹構造域が設けられており、該蛇腹構造域は、該長尺袋内に格納された伸縮ロープを伸張させた状態で該長尺袋と該伸縮ロープとを縫着することによって形成したものであることを特徴とする安全帯。
- 該ロープ係止部は、該ロープ本体を挿通させるための挿通孔を有する金属部材である請求項1記載の安全帯。
- 該ロープ本体は、該金属部材の該挿通孔に挿通したのち、2本まとめて結着するものである請求項2記載の安全帯。
- 該ロープ本体の該結着部分と、該金属部材の挿通孔の間には、該長尺袋を一部分折り畳んだ状態でその重なり部分をジグザグ或いは縦横に縫合することで形成されるショックアブソーバー部を設けて成る請求項3記載の安全帯。
- 該ロープ本体の該結着部分は、片方のロープ本体だけを長手方向に対して概ね45度の稜線となる角度で折曲し、裏側にある他方のロープ本体との隙間に挿通させた後、再度概ね45度の稜線となる角度で折曲させることで、折曲していない他方のロープ本体の該長手方向に揃え、この状態で該ショックアブソーバー部と重ね合わせたまま縫合することによって構成されるものである請求項4記載の安全帯。
- 該ロープ本体には、蛍光テープが貼着或いは縫着されているものである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の安全帯。
- 該ロープ本体は、その自然長、伸張長さ、引っ張り強度、その他の差異に応じて、色彩又は配色を変えたものである請求項1乃至6記載の安全帯。
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