JP2000043699A - 車両のブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

車両のブレーキ液圧制御装置

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JP2000043699A
JP2000043699A JP10218924A JP21892498A JP2000043699A JP 2000043699 A JP2000043699 A JP 2000043699A JP 10218924 A JP10218924 A JP 10218924A JP 21892498 A JP21892498 A JP 21892498A JP 2000043699 A JP2000043699 A JP 2000043699A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リザーバと、複数の車輪ブレーキおよびマスタ
シリンダ間にそれぞれ設けられる複数の常開型電磁弁
と、各車輪ブレーキおよび前記リザーバ間にそれぞれ設
けられる複数の常閉型電磁弁と、前記リザーバのブレー
キ液を汲み上げて前記各車輪ブレーキのうち少なくとも
一部の車輪ブレーキにブレーキ液を供給可能なポンプ
と、該ポンプを駆動する電気式のアクチュエータとが、
共通の基体に取付けられる車両のブレーキ液圧制御装置
において、基体に施す加工を単純化して加工工数の低減
を図るとともに組付性を向上し、装置全体の小型化を図
る。 【解決手段】プランジャ式のポンプ8A,8Bに往復作
動するアクチュエータ9A,9Bが同軸に連結されて成
る液圧発生ユット14A,14Bと、リザーバ7A,7
Bと、各常開型電磁弁11FL〜11RRと、各常閉型電磁
弁13FL〜13RRとが、基体16に同一方向から取付け
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のブレーキ液
圧制御装置に関し、特に、ブレーキ液を貯溜するリザー
バと、複数の車輪ブレーキおよびマスタシリンダ間にそ
れぞれ設けられる複数の常開型電磁弁と、各車輪ブレー
キおよび前記リザーバ間にそれぞれ設けられる複数の常
閉型電磁弁と、前記リザーバのブレーキ液を汲み上げて
前記各車輪ブレーキのうち少なくとも一部の車輪ブレー
キにブレーキ液を供給可能なポンプと、該ポンプを駆動
する電気式のアクチュエータとが、共通の基体に取付け
られる車両のブレーキ液圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかるブレーキ液圧制御装置は、
たとえば特開平6−122364号公報および特開平9
−254760号公報等により既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは、
ポンプが、軸方向に往復作動するプランジャポンプであ
り、電気式のアクチュエータが電動モータであり、複数
の常開型電磁弁、複数の常閉型電磁弁およびリザーバが
基体の一面側に取付けられるのに対して、電動モータは
基体の他面側に取付けられており、ブレーキ液圧制御装
置が大型化してしまう。またプランジャポンプは、電動
モータの回転軸線と直交する方向にプランジャを作動せ
しめるべく前記基体の両面に直交する側面から基体に取
付けられており、基体自体も大型化してしまう。しかも
複数の常開型電磁弁、複数の常閉型電磁弁およびリザー
バと、電動モータと、プランジャポンプとが、相互に異
なる方向から基体に取付けられることになるので、組付
が煩雑となるだけでなく、基体に多方向から加工を施さ
ねばならないので基体の加工も煩雑となる。さらに電動
モータならびに各常開型電磁弁および各常閉型電磁弁へ
の電気式接続を同一箇所で行なうようにするために、特
開平6−122364号公報では、各常開型電磁弁およ
び各常閉型電磁弁が配設される基体の一面側に、基体の
他面側に取付けられる電動モータに連なる導体を取り回
すための貫通孔が基体に設けられており、このような構
造では、基体の加工がより煩雑となるだけでなく基体自
体も大型化し、基体への組付性も劣ることになる。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、基体に施す加工を単純化して加工工数の低減
を図るとともに組付性を向上し、装置全体の小型化を図
り得るようにした車両のブレーキ液圧制御装置を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ブレーキ液を貯溜するリザーバと、複数
の車輪ブレーキおよびマスタシリンダ間にそれぞれ設け
られる複数の常開型電磁弁と、各車輪ブレーキおよび前
記リザーバ間にそれぞれ設けられる複数の常閉型電磁弁
と、前記リザーバのブレーキ液を汲み上げて前記各車輪
ブレーキのうち少なくとも一部の車輪ブレーキにブレー
キ液を供給可能なポンプと、該ポンプを駆動する電気式
のアクチュエータとが、共通の基体に取付けられる車両
のブレーキ液圧制御装置において、ポンプ室に一端を臨
ませたプランジャがポンプハウジングに摺動自在に嵌合
されて成るプランジャ式の前記ポンプに往復作動する前
記アクチュエータが同軸に連結されて成る液圧発生ユニ
ットと、前記リザーバ、前記各常開型電磁弁および前記
各常閉型電磁弁とが、前記基体に同一方向から取付けら
れることを特徴とする。
【0006】このような構成によれば、ポンプのプラン
ジャにアクチュエータが同軸に連結されて成る液圧発生
ユニットと、リザーバ、各常開型電磁弁および各常閉型
電磁弁とが基体に同一方向から取付けられるので、液圧
発生ユニット、リザーバ、各常開型電磁弁および各常閉
型電磁弁を取付けるための加工を基体の一面側だけに施
せばよく、アクチュエータ、各常開型電磁弁および各常
閉型電磁弁への電気的接続を同一箇所に行うために基体
に加工を施したり、導体を取り回したりすることが不要
である。したがって基体の加工を単純化して加工工数の
低減を図るとともに組付性を向上することができ、基体
の小型化および装置全体の小型化を図ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0008】図1ないし図8は本発明の一実施例を示す
ものであり、図1は車両のブレーキ液圧制御装置の液圧
回路図、図2はABS制御での減圧状態を示す図1に対
応した液圧回路図、図3はABS制御での液圧保持状態
を示す図1に対応した液圧回路図、図4はABS制御で
の増圧状態を示す図1に対応した液圧回路図、図5はト
ラクション制御状態を示す図1に対応した液圧回路図、
図6は車両のブレーキ液圧制御装置の縦断側面図、図7
は図6の7−7線矢視方向から見た基体の平面図、図8
は図6の8−8線拡大断面図である。
【0009】先ず図1において、このブレーキ液圧制御
装置は、前輪駆動の四輪車両に搭載されるものであり、
リザーバRを備えてタンデム型に構成されるマスタシリ
ンダMと、駆動輪である左前輪および右前輪にそれぞれ
装着される左および右前輪用の車輪ブレーキBFL,BFR
と、従動輪である左後輪および右後輪にそれぞれ装着さ
れる左および右後輪用の車輪ブレーキBRL,BRRにそれ
ぞれ接続される比例減圧弁1L ,1R との間に設けられ
る。
【0010】マスタシリンダMは、ブレーキペダル3の
踏込みに応じたブレーキ液圧を出力する一対の出力ポー
ト4A,4Bを備え、両出力ポート4A,4Bに第1お
よび第2出力液圧路5A,5Bが個別に接続される。而
して第1出力液圧路5Aは、前後一組である左前輪およ
び右後輪にそれぞれ個別に装着される左前輪および右後
輪用の車輪ブレーキBFL,BRRに対応するものであり、
第2出力液圧路5Bは、前後一組である右前輪および左
後輪にそれぞれ個別に装着される右前輪および左後輪用
の車輪ブレーキBFR,BRLに対応するものである。
【0011】第1出力液圧路5Aは、第1出力液圧路5
A側へのブレーキ液の流通を許容する第1チェック弁1
0Aを介して、ブレーキ液を貯溜する第1リザーバ7A
に接続されており、第2出力液圧路5Bは、第2出力液
圧路5B側へのブレーキ液の流通を許容する第2チェッ
ク弁10Bを介して、ブレーキ液を貯溜する第2リザー
バ7Bに接続される。
【0012】第1出力液圧路5Aおよび第1リザーバ7
Aと左前輪用の車輪ブレーキBFLとの間には制御弁手段
FLが設けられ、第1出力液圧路5Aおよび第1リザー
バ7Aと右後輪用の車輪ブレーキBRRとの間には制御弁
手段6RRが設けられる。また第2出力液圧路5Bおよび
第2リザーバ7Bと右前輪用の車輪ブレーキBFRとの間
には制御弁手段6FRが設けられ、第2出力液圧路5Bお
よび第2リザーバ7Bと左後輪用の車輪ブレーキBRL
の間には制御弁手段6RLが設けられる。
【0013】第1リザーバ7Aに吸入口32(図8参
照)が接続される第1ポンプ8Aの吐出口30(図8参
照)が、左前輪用の車輪ブレーキBFLおよび制御弁手段
FL間に、左前輪用の車輪ブレーキBFL側から第1ポン
プ8A側へのブレーキ液の流通を阻止して接続され、第
2リザーバ7Bに吸入口が接続される第2ポンプ8Bの
吐出口が、右前輪用の車輪ブレーキBFRおよび制御弁手
段6FR間に、右前輪用の車輪ブレーキBFR側から第2ポ
ンプ8B側へのブレーキ液の流通を阻止して接続され
る。
【0014】第1ポンプ8Aと、第1ポンプ8Aを駆動
する電気式の第1アクチュエータ9Aとで第1液圧発生
ユニット14Aが構成され、第2ポンプ8Bと、第2ポ
ンプ8Bを駆動する電気式の第2アクチュエータ9Bと
で第2液圧発生ユニット14Bが構成され、両液圧発生
ユニット14A,14Bは相互に独立して作動可能であ
る。
【0015】左前輪用の車輪ブレーキBFLに対応した制
御弁手段6FLは、第1出力液圧路5Aおよび左前輪用の
車輪ブレーキBFL間に設けられる常開型電磁弁11
FLと、左前輪用の車輪ブレーキBFLおよび第1リザーバ
7A間に設けられる常閉型電磁弁13FLとで構成され
る。
【0016】この制御弁手段6FLは、常開型電磁弁11
FLを消磁、開弁するとともに常閉型電磁弁13FLを消
磁、閉弁してマスタシリンダMおよび左前輪用の車輪ブ
レーキBFL間を連通するとともに車輪ブレーキBFLおよ
び第1リザーバ7A間を遮断する状態と、常開型電磁弁
11FLを励磁、閉弁するとともに常閉型電磁弁13FL
励磁、開弁してマスタシリンダMおよび左前輪用の車輪
ブレーキBFL間を遮断するとともに左前輪用の車輪ブレ
ーキBFLおよび第1リザーバ7A間を連通する状態と、
常開型電磁弁11FLを励磁、閉弁するとともに常閉型電
磁弁13FLを消磁、閉弁してマスタシリンダMおよび第
1リザーバ7Aと左前輪用の車輪ブレーキBFLとの間を
ともに遮断する状態とを切換えるように制御される。
【0017】右前輪用の車輪ブレーキBFRに対応した制
御弁手段6FRは、第2出力液圧路5Bおよび右前輪用の
車輪ブレーキBFR間に設けられる常開型電磁弁11
FRと、右前輪用の車輪ブレーキBFRおよび第2リザーバ
7B間に設けられる常閉型電磁弁13FRとで構成され、
マスタシリンダMおよび右前輪用の車輪ブレーキBFR
を連通するとともに右前輪用の車輪ブレーキBFRおよび
第2リザーバ7B間を遮断する状態と、マスタシリンダ
Mおよび右前輪用の車輪ブレーキBFR間を遮断するとと
もに右前輪用の車輪ブレーキBFRおよびリザーバ7B間
を連通する状態と、マスタシリンダMおよびリザーバ7
Bと右前輪用の車輪ブレーキBFRとの間をともに遮断す
る状態とを切換えるように制御される。
【0018】右後輪用の車輪ブレーキBRRに対応した制
御弁手段6RRは、第1出力液圧路5Aおよび右後輪用の
車輪ブレーキBRR間に設けられる絞り付きの常開型電磁
弁11RRと、該常開型電磁弁11RRに並列に接続される
一方向弁12RRと、右後輪用の車輪ブレーキBRRおよび
第1リザーバ7A間に設けられる常閉型電磁弁13RR
で構成され、一方向弁12RRは、絞りを備える常開型電
磁弁11RRの開弁状態でブレーキ操作を中止したときに
右後輪用の車輪ブレーキBRRからマスタシリンダM側に
ブレーキ液を速やかに戻す働きをする。
【0019】この制御弁手段6RRは、常開型電磁弁11
RRを消磁、開弁するとともに常閉型電磁弁13RRを消
磁、閉弁してマスタシリンダMおよび右後輪用の車輪ブ
レーキBRR間を連通するとともに車輪ブレーキBRRおよ
び第1リザーバ7A間を遮断する状態と、常開型電磁弁
11RRを励磁、閉弁するとともに常閉型電磁弁13RR
励磁、開弁してマスタシリンダMおよび右後輪用の車輪
ブレーキBRR間を遮断するとともに右後輪用の車輪ブレ
ーキBRRおよび第1リザーバ7A間を連通する状態と、
常開型電磁弁11RRを励磁、閉弁するとともに常閉型電
磁弁13RRを消磁、閉弁してマスタシリンダMおよび第
1リザーバ7Aと右後輪用の車輪ブレーキBRRとの間を
ともに遮断する状態と、常開型電磁弁11RRを消磁、開
弁するとともに常閉型電磁弁13RRを励磁、開弁してマ
スタシリンダMおよび第1リザーバ7Aと右後輪用の車
輪ブレーキBRRとの間をともに連通する状態とを切換え
るように制御される。
【0020】さらに左後輪用の車輪ブレーキBRLに対応
した制御弁手段6RLは、第2出力液圧路5Bおよび左後
輪用の車輪ブレーキBRL間に設けられる常開型電磁弁1
RLと、該常開型電磁弁11RLに並列に接続される一方
向弁12RLと、左後輪用の車輪ブレーキBRLおよび第2
リザーバ7B間に設けられる常閉型電磁弁13RLとで構
成され、マスタシリンダMおよび左後輪用の車輪ブレー
キBRL間を連通するとともに車輪ブレーキBRLおよび第
2リザーバ7B間を遮断する状態と、マスタシリンダM
および左後輪用の車輪ブレーキBRL間を遮断するととも
に左後輪用の車輪ブレーキBRLおよび第2リザーバ7B
間を連通する状態と、マスタシリンダMおよび第2リザ
ーバ7Bと左後輪用の車輪ブレーキBRLとの間をともに
遮断する状態と、マスタシリンダMおよび第2リザーバ
7Bと左後輪用の車輪ブレーキB RLとの間をともに連通
する状態とを切換えるように制御される。
【0021】このようなブレーキ液圧制御装置におい
て、ブレーキペダル3の踏込みによる通常のブレーキ操
作時に、各制御弁手段6FL〜6RRでは、常開型電磁弁1
FL〜11RRが消磁、開弁状態となっているとともに常
閉型電磁弁13FL〜13RRが消磁、閉弁状態となってお
り、マスタシリンダMから出力される液圧が、左前輪用
および右後輪用の車輪ブレーキBFL,BFRに作用すると
ともに、比例減圧弁1R,1L で減圧されて右後輪用お
よび左後輪用の車輪ブレーキBRR,BRLに作用する。こ
の際、両ポンプ8A,8Bを駆動する両アクチュエータ
9A,9Bは停止したままである。
【0022】上述のブレーキ操作時に車輪がロック状態
に入りそうになったときには、各制御弁手段6FL〜6RR
のうち、ロック状態に入りそうになった車輪に対応する
制御弁手段によりブレーキ液圧の減圧、保持および増圧
を切換えるようにしてABS制御が実行されるが、以下
に、左前輪がロック状態に入りそうになったときの左前
輪用の車輪ブレーキBFLのABS制御について図2ない
し図4を参照しながら説明する。
【0023】左前輪がロック状態に入りそうになったと
きのABS制御時には、先ず左前輪用の車輪ブレーキB
FLの減圧制御が実行されるものであり、この減圧制御時
には、図2で示すように、制御弁手段6FLにおける常開
型電磁弁11FLを励磁、閉弁するとともに常閉型電磁弁
13FLを励磁、開弁し、マスタシリンダMおよび左前輪
用の車輪ブレーキBFL間を遮断するが左前輪用の車輪ブ
レーキBFLおよび第1リザーバ7A間を連通する。これ
により左前輪用の車輪ブレーキBFLのブレーキ液が第1
リザーバ7Aに逃がされ、左前輪用の車輪ブレーキBFL
のブレーキ液圧が減圧される。この際、第1ポンプ8A
を駆動する第1アクチュエータ9Aは停止したままであ
る。
【0024】上記減圧制御に続く液圧保持時には、図3
で示すように、制御弁手段6FLにおける常開型電磁弁1
FLを励磁、閉弁するとともに常閉型電磁弁13FLを消
磁、閉弁し、マスタシリンダMおよび第1リザーバ7A
と左前輪用の車輪ブレーキB FLとの間をともに遮断す
る。これにより左前輪用の車輪ブレーキBFLのブレーキ
液圧が保持されるが、この際にも、第1ポンプ8Aを駆
動する第1アクチュエータ9Aは停止したままである。
【0025】さらに前記液圧保持に続く増圧時に走行路
面の摩擦係数が低いときには、図4で示すように、制御
弁手段6FLにおける常開型電磁弁11FLを励磁、閉弁す
るとともに常閉型電磁弁13FLを消磁、閉弁することに
よりマスタシリンダMおよび第1リザーバ7Aと左前輪
用の車輪ブレーキBFLとの間をともに遮断した状態で、
第1アクチュエータ9Aにより第1ポンプ8Aを作動せ
しめる。そうすると第1リザーバ7Aから第1ポンプ8
Aに汲み上げられたブレーキ液によるブレーキ液圧が左
前輪用の車輪ブレーキBFLに作用し、左前輪用の車輪ブ
レーキBFLのブレーキ液圧が増圧されることになる。
【0026】また走行路面の摩擦係数が低い状態での急
増圧時には、制御弁手段6FLの常開型電磁弁11FLを消
磁、開弁状態とするとともに常閉型電磁弁13FLを消
磁、閉弁状態として、マスタシリンダMおよび左前輪用
の車輪ブレーキBFL間を連通するが左前輪用の車輪ブレ
ーキBFLおよび第1リザーバ7A間を遮断してマスタシ
リンダMからのブレーキ圧を左前輪用の車輪ブレーキB
FLに作用せしめるようにしてもよく、この場合、第1ポ
ンプ8Aの吐出圧をマスタシリンダMの出力液圧よりも
低く設定しておくことにより、マスタシリンダM側に第
1ポンプ8Aの吐出圧が作用することはない。
【0027】さらに走行路面の摩擦係数が高いときのA
BS制御での増圧時には、第1アクチュエータ9Aすな
わち第1ポンプ8Aの作動を停止した状態で、図1で示
した通常のブレーキ操作時と同様に、制御弁手段6FL
常開型電磁弁11FLが消磁、開弁状態とされるとともに
常閉型電磁弁13FLが消磁、閉弁状態とされ、マスタシ
リンダMから出力される液圧が、左前輪用の車輪ブレー
キBFLに作用して、該車輪ブレーキBFLのブレーキ圧が
増圧される。
【0028】右前輪用の車輪ブレーキBFRのABS制御
については、上述の左前輪用の車輪ブレーキBFLのAB
S制御と同様に制御弁手段6FRが制御され、第2ポンプ
8Bを駆動する第2アクチュエータ9Bは、走行路面の
摩擦係数が低い状態での右前輪用の車輪ブレーキBFR
ブレーキ液圧増圧時にのみ作動する。
【0029】このようにして、左前輪用の車輪ブレーキ
FLおよび右前輪用の車輪ブレーキBFRのABS制御時
には各車輪ブレーキBFL,BFRの減圧、保持、増圧が繰
り返され、走行路面の摩擦係数が低い状態での増圧時に
は、第1および第2リザーバ7A,7B内のブレーキ液
が第1および第2ポンプ8A,8Bで汲み上げられるこ
とになり、摩擦係数が特に低い路面の走行時等であって
も両リザーバ7A,7B内がブレーキ液で満たされてし
まうことがなく、ABS制御を長時間にわたって継続す
ることができる。
【0030】またマスタシリンダMの出力液圧に打勝つ
液圧を両ポンプ8A,8Bが吐出する必要はないので、
両ポンプ8A,8Bの小型、軽量化を図ることができる
とともに、両ポンプ8A,8Bをそれぞれ駆動する第1
および第2アクチュエータ9A,9Bの小型、軽量化を
図ることができる。
【0031】さらに両ポンプ8A,8Bは走行路面の摩
擦係数が低い状態での左、右前輪用の車輪ブレーキ
FL,BFRのブレーキ液圧増圧時にのみ作動すればよ
く、ABS作動音を低減することができるとともに消費
電力を低減することができる。しかも両ポンプ8A,8
Bの作動時には制御弁手段6FL,6FRによりマスタシリ
ンダMおよび各車輪ブレーキBFL,BFR間が遮断してい
るので、各ポンプ8A,8Bの吐出圧がマスタシリンダ
M側に作用することはなく、したがってキックバックが
生じることを防止することができ、運転者がキックバッ
クによる違和感を感じることはない。しかも摩擦係数が
高い路面ではポンプ8A,8Bの作動を停止することに
より、消費エネルギーを節減することができる。
【0032】右後輪用の車輪ブレーキBRRおよび左後輪
用の車輪ブレーキBRLのABS制御における減圧および
保持制御については、上述の左前輪用および右前輪用の
車輪ブレーキBFL,BFRの減圧、保持制御時と同様に制
御弁手段6RR,6RLが制御される。但し、右後輪用の車
輪ブレーキBRRおよび左後輪用の車輪ブレーキBRLのA
BS制御における増圧制御時には、制御弁手段6RR,6
RLの常開型電磁弁11 RR,11RLが消磁、開弁されると
ともに常閉型電磁弁13RR,13RLが消磁、閉弁され
る。すなわち右後輪用の車輪ブレーキBRRおよび左後輪
用の車輪ブレーキBRLは、常開型電磁弁11RR,11RL
が備える絞りで絞られつつ、マスタシリンダMの出力液
圧で増圧されるものであり、各ポンプ8A,8Bの吐出
圧が、走行路面の摩擦係数が低い状態での左前輪用およ
び右前輪用の車輪ブレーキBFL,B FRの増圧時にだけ用
いられるので、各ポンプ8A,8Bおよび各アクチュエ
ータ9A,9Bを、より一層、小型、軽量化することが
できる。
【0033】さらに第1および第2ポンプ8A,8Bは
相互に独立して作動可能であり、各ポンプ8A,8Bに
それぞれ対応した車輪ブレーキBFL,BFRのブレーキ液
圧制御状態に応じて、各ポンプ8A,8Bの作動・停止
をそれぞれ個別に制御したり、各ポンプ8A,8Bの駆
動時間を異ならせたりすることが可能であり、それによ
りブレーキ圧制御をより緻密に実行することが可能とな
るとともに、消費エネルギーの節減およびポンプ作動音
の低減が可能となる。
【0034】しかも左、右前輪用の車輪ブレーキBFL
FRは、左、右後輪用の車輪ブレーキBRL,BRRよりも
消費液量が多いものであり、消費液量の多い側である
左、右前輪用の車輪ブレーキBFL,BFRのブレーキ液圧
増圧を各ポンプ8A,8Bの吐出圧で行なうようにし
て、ABS制御の効率を高めることができる。
【0035】さらに前記各ポンプ8A,8Bの吐出口3
0…が、駆動輪である左、右前輪用の車輪ブレーキ
FL,BFRと、それらの車輪ブレーキBFL,BFRに対応
した制御弁手段6FL,6FRとの間にそれぞれ接続されて
いることにより、ブレーキペダル3を操作しない非ブレ
ーキ操作時に、左、右前輪の駆動力を低減するようにし
たトラクション制御を行なうことができる。
【0036】すなわち左前輪の駆動力を低減するトラク
ション制御を実行するときには、図5で示すように、制
御弁手段6FLにおける常開型電磁弁11FLを励磁、閉弁
するとともに常閉型電磁弁13FLを消磁、閉弁し、マス
タシリンダMおよび第1リザーバ7Aと左前輪用の車輪
ブレーキBFLとの間をともに遮断した状態で、第1アク
チュエータ9Aにより第1ポンプ8Aを作動せしめ、第
1リザーバ7Aから汲み上げたブレーキ液によるブレー
キ液圧を左前輪用の車輪ブレーキBFLに作用せしめて左
前輪用の車輪ブレーキBFLを作動せしめ、左前輪の駆動
力低減によるトラクション制御を行なうことができる。
【0037】この際、第1リザーバ7Aを左前輪用の車
輪ブレーキBFLと共通にした従動輪である右後輪用の車
輪ブレーキBRRに対応した制御弁手段6RRでは、常開型
電磁弁11RRが消磁、開弁されるとともに、常閉型電磁
弁13RRが励磁、開弁される。これにより、マスタシリ
ンダMおよび第1リザーバ7Aと右後輪用の車輪ブレー
キBRRとの間がともに連通状態となり、第1ポンプ8A
の吸入口32(図8参照)がマスタシリンダMに連通す
ることになり、非作動状態にあるマスタシリンダMから
のブレーキ液を第1ポンプ8Aで吸入して左前輪用の車
輪ブレーキBFLに供給することができ、第1リザーバ7
Aにブレーキ液を常時貯溜しておく必要はない。しかも
トラクション制御専用の手段を設けることを不要とし、
第1ポンプ8Aおよび制御弁手段6FL,6RRの制御をA
BS制御時とは変更するだけで、トラクション制御を実
行することができる。
【0038】他の駆動輪である右前輪用の車輪ブレーキ
FRについても、上述の左前輪用の車輪ブレーキBFL
同様に、制御弁手段6FR,6RLを制御することにより、
右前輪の駆動力を低減するトラクション制御を実行可能
である。
【0039】図6および図7において、上記ブレーキ液
圧制御装置の各常開型電磁弁11FL,11FR,11RL
11RR、各常閉型電磁弁13FL,13FR,13RL,13
RR、両リザーバ7A,7Bおよび両液圧発生ユット14
A,14Bは、たとえばアルミニウム合金等から成る矩
形のブロック状の基体16の一面16a側に同一方向か
ら取付けられる。
【0040】基体16の一面16aには、各常開型電磁
弁11FL〜11RRにそれぞれ対応して一列に並ぶ4つの
有底の第1取付け孔17…と、各常閉型電磁弁13FL
13 RRにそれぞれ対応して前記第1取付け孔17…の列
に並列にして一列に並ぶ4つの有底の第2取付け孔18
…と、第2取付け孔18…の列に関して上記第1取付け
孔17…の列とは反対側に配置される一対の有底のリザ
ーバ形成孔19,19と、両リザーバ形成孔19,19
ならびに前記第2取付け孔18…の列間に配置される一
対の有底の第3取付け孔20,20とが設けられる。
【0041】各常開型電磁弁11FL〜11RRは、弁部1
1a…およびソレノイド部11b…を有するものであ
り、ソレノイド部11b…を基体16の一面16aから
突出させるようにして弁部11a…を第1取付け孔17
…に嵌合、固定することにより、各常開型電磁弁11FL
〜11RRが基体16の一面16a側に取付けられる。
【0042】常閉型電磁弁13FL〜13RRは、弁部13
a…およびソレノイド部13b…を有するものであり、
ソレノイド部13b…を基体16の一面16aから突出
させるようにして弁部13a…を第2取付け孔18…に
嵌合、固定することにより、各常閉型電磁弁13FL〜1
RRが基体16の一面16a側に取付けられる。
【0043】リザーバ7A,7Bは、リザーバ形成孔1
9…の閉塞端との間に貯溜室21を形成するようにして
リザーバ形成孔19…に液密にかつ摺動自在に嵌合され
る有底円筒状のピストン22…と、開放孔23…を中央
部に有してリザーバ形成孔19…の開口端側に嵌合され
る蓋部材24…と、該蓋部材24…の外周縁部に当接し
て該蓋部材24…のリザーバ形成孔19…からの離脱を
阻止すべくリザーバ形成孔19…の開口端側内面に装着
される止め輪25…と、蓋部材24…およびピストン2
2…間に縮設されるばね26…とで構成される。
【0044】図8において、第1ポンプ8Aは、端壁2
8aを一端に有する有底円筒状のポンプハウジング28
と、ポンプハウジング28に摺動自在に嵌合される棒状
のプランジャ29とを備える。
【0045】前記端壁28aの中央部には吐出口30が
設けられ、プランジャ29の一端および前記端壁28a
間にはポンプ室31が形成される。またプランジャ29
の他端は、ポンプハウジング28の他端から突出するも
のであり、このプランジャ29の他端には、該プランジ
ャ29の一直径線に沿って延びるとともに両端をプラン
ジャ29の外面に開口せしめた吸入口32が設けられ
る。さらにプランジャ29の一端中央部に設けられるテ
ーパ状の弁座33に一端開口部を臨ませる連通路34が
プランジャ29に同軸に設けられ、該連通路34の他端
は吸入口32に連通する。
【0046】ポンプ室31内には、連通路34の一端開
口部を閉鎖可能な吸入弁35が収納されており、該吸入
弁35は、前記弁座33と、該弁座33に着座可能な球
状の弁体36と、ポンプハウジング28の端壁28aお
よび弁体36間に設けられて該弁体36を弁座33に着
座する方向に付勢するばね力を発揮するばね37とを備
える。
【0047】この吸入弁35は、プランジャ29がポン
プ室31の容積を増大する方向(図8の上方向)に移動
するのに伴ってポンプ室31の圧力が減圧されるのに応
じて開弁し、吸入口32から連通路34を介してポンプ
室31にブレーキ液を吸入するが、プランジャ29がポ
ンプ室31の容積を減小する方向に移動するのに伴って
ポンプ室31の圧力が増圧されるのに応じて閉弁し、連
通路34からポンプ室31へのブレーキ液の流入を阻止
する働きをする。
【0048】基体16に設けられている第3取付け孔2
0は、一端を閉じた小径部20aと、小径部20aの他
端に同軸に連なって小径部20bよりも大径に形成され
る大径部20bとから成るものであり、ポンプハウジン
グ28は、その一端部と小径部20aの一端閉塞部との
間に吐出液室38を形成するようにして前記小径部20
aに嵌合され、ポンプハウジング28の外周には小径部
20aの内周面に弾発的に接触する環状のシール部材3
9が装着される。
【0049】上記吐出液室38内でポンプハウジング2
8には吐出弁40が装着されており、該吐出弁40は、
ポンプ室31に通じる吐出口30を中央部に臨ませて端
壁28aの吐出液室38側の面に設けられるテーパ状の
弁座41と、該弁座41に着座可能な球状の弁体42
と、ポンプハウジング28の一端に装着されるリテーナ
44および弁体42間に設けられて弁体42を弁座41
への着座方向に付勢するばね力を発揮するばね43とを
備え、リテーナ44には該リテーナ44で吐出液室38
内を区画しないようにするための連通孔45が設けられ
ている。
【0050】このような吐出弁40は、プランジャ29
がポンプ室31の容積を増大する方向に移動するのに伴
ってポンプ室31の圧力が減圧されるのに応じて閉弁
し、吐出液室38から吐出口30を介してポンプ室31
にブレーキ液が流入するのを阻止するが、プランジャ2
9がポンプ室31の容積を減小する方向に移動するのに
伴ってポンプ室31の圧力が増圧されるのに応じて開弁
し、ポンプ室31から吐出口30を介して吐出液室38
にブレーキ液を吐出する働きをする。
【0051】基体16には、吐出液室38に一端が通じ
る吐出通路46が設けられており、該吐出通路46の他
端は、左前輪用の車輪ブレーキBFLおよび制御弁手段6
FL間に接続される。すなわち第1ポンプ8Aの吐出口3
0は、左前輪用の車輪ブレーキBFL側から第1ポンプ8
A側へのブレーキ液の流れを吐出弁40で阻止するよう
にして、左前輪用の車輪ブレーキBFLおよび制御弁手段
FL間に接続されることになる。
【0052】第1アクチュエータ9Aは、固定コア48
と、該固定コア48に対する近接、離反を可能として前
記第1ポンプ8Aのプランジャ29に同軸に連結される
可動コア49とを備えるソレノイドである。
【0053】固定コア48は、磁性金属により円筒状に
形成されるものであり、該固定コア48の一端に基端部
を同軸にかつ一体に連ならせた接続筒部50の先端部
が、第1ポンプ8Aにおけるポンプハウジング28の他
端に、圧入等により結合される。また固定コア48およ
び接続筒部50の連設部から半径方向外方に張出すフラ
ンジ部51が、固定コア48および接続筒部50に一体
に設けられる。
【0054】しかも第1ポンプ8Aにおけるプランジャ
29の他端部はポンプハウジング28の他端から突出し
て前記接続筒部50内に摺動自在に嵌合されるものであ
り、ポンプハウジング28の他端側内面には、プランジ
ャ29の他端部外面に弾発的に摺接する環状のシール部
材52が装着される。
【0055】フランジ部51は、第3取付け孔20の大
径部20bに嵌合されており、大径部20bの内周面お
よび接続筒部50の外周面間には環状室53が形成さ
れ、フランジ部51の外面には大径部20bの内面に弾
発的に接触する環状のシール部材54が装着される。ま
た大径部20bの開口端側内面には、フランジ部51の
外周縁外面に接触する止め輪55が装着される。
【0056】固定コア48および接続筒部50には、磁
性材料により有底円筒状に形成されるガイド部材57が
嵌合されており、該ガイド部材57の外周に設けられた
環状溝58に内端を嵌合せしめてガイド部材57の軸方
向位置を定めるピン59が、ガイド部材57の半径方向
に沿う軸線を有して固定コア48に嵌合される。而して
固定コア48および接続筒部50内での軸方向位置が定
められたガイド部材57の一端と、プランジャ29の他
端部および接続筒部50の先端部との間には、プランジ
ャ29に設けられている吸入口32に通じる吸入液室6
0が形成され、ガイド部材57の他端位置は固定コア4
8から可動コア49側に突出しないように配置される。
また固定コア48への嵌合状態でピン59の外端は固定
コア48の外面から突出することはない。
【0057】接続筒部50には、環状室45を吸入液室
60に通じさせる複数の連通路61…が設けられ、基体
16には、環状室45に一端を通じさせる吸入通路62
が設けられ、該吸入通路62の他端は第1リザーバ7A
に接続される。すなわち第1ポンプ7Aの吸入口32は
第1リザーバ7Aに連通することになる。
【0058】固定コア48はガイド筒63に結合され
る。このガイド筒63は、非磁性材料により一端側を開
口するとともに他端側を半球状にして閉塞した有底円筒
状に形成されるものであり、固定コア48がガイド筒6
3の一端側に圧入された後、固定コア48およびガイド
筒63は溶接される。
【0059】可動コア49は、固定コア48に対向して
ガイド筒63内に摺動自在に嵌合される。この可動コア
49の一端には、第1ポンプ8Aにおけるプランジャ2
9の他端に一端を同軸に当接させる非磁性材料製のロッ
ド64の他端が当接されており、該ロッド64はガイド
部材57に摺動自在に嵌合される。また吸入液室60内
において、プランジャ29および接続筒部50間には、
プランジャ29をロッド64に当接させる方向のばね力
を発揮するばね65が設けられており、該ばね65のば
ね力はロッド64を介して可動コア49に作用し、前記
ばね65のばね力により可動コア49は固定コア48か
ら離反する方向に付勢されることになる。なお、吸入弁
35におけるばね37のばね力もロッド64に当接させ
る方向でプランジャ29に作用するのであるが、該ばね
37のばね荷重は前記ばね65のばね荷重に比べて小さ
く設定されている。
【0060】可動コア49および固定コア48間には、
可動コア49が固定コア48に直接接触したときの残留
磁気により、可動コア49の固定コア48からの離反作
動が不円滑となることを防止するために、非磁性材料か
ら成るリング状のスペーサ66が、固定コア48から離
反した可動コア49との間に充分な間隔をあけるように
して介装される。
【0061】ガイド筒63は、合成樹脂製のボビン67
で同軸に囲繞されており、該ボビン67にコイル68が
巻装される。
【0062】ボビン67およびコイル68は、磁性金属
から成る磁路形成筒69で覆われる。この磁路形成筒6
9の一端には、ガイド筒63の一端外面に内周を近接、
対向させてフランジ部51に接触する当接鍔部69aが
半径方向内方に張出すようにして一体に設けられてお
り、該磁路形成筒69の他端には、ガイド筒63の他端
部を突出させる貫通孔70aを中央部に有してガイド筒
63の一直径線に沿って延びる平板状の磁路形成板70
の両端がかしめ結合等によって結合される。また磁路形
成筒69の当接鍔部69aと、ボビン67との間には、
該ボビン67を磁路形成板70に押付けるばね力を発揮
するばね71が設けられる。
【0063】このような第1アクチュエータ9Aでは、
コイル68の消磁状態にあっては、可動コア49がばね
65のばね力により固定コア48から離反した位置(図
8の位置)にあり、第1ポンプ8Aのプランジャ29は
ポンプ室31の容積を増大する位置に移動している。ま
たコイル68が励磁されると、可動コア49がばね65
のばね力に抗して固定コア48に近接する方向に移動
し、第1ポンプ8Aのプランジャ29はポンプ室31の
容積を減小する側に押圧駆動される。すなわちコイル6
8の消磁・励磁を切換えることにより、可動コア49が
軸方向に往復作動し、それに応じてプランジャ29が軸
方向に往復駆動され、第1ポンプ8Aがポンプ作動する
ことになる。
【0064】ところで、可動コア49および固定コア4
8間の空間、ならびにガイド筒63の閉塞端および可動
コア49間の空間がそれぞれ密閉状態であると、可動コ
ア49の往復移動に応じた前記各空間の加、減圧が生じ
て可動コア49の円滑な往復作動が阻害されることにな
る。そこで可動コア49の外面には、前記両空間間を結
ぶ連通溝72が軸方向全長にわたって設けられる。また
吸入液室60に臨むロッド64の一端面には、該ロッド
64の一直径線に沿う溝73が設けられ、可動コア49
に接触するロッド64の他端面には、該ロッド64の一
直径線に沿う溝74が設けられ、ロッド64には両溝7
3,74間を結ぶ連通孔75が同軸に設けられる。すな
わち吸入液室60は、溝73、連通孔75および溝74
を介して、可動コア49および固定コア48間の空間に
連通し、可動コア49および固定コア48間の空間は連
通溝72を介してガイド筒63の閉塞端および可動コア
49間の空間に連通している。
【0065】第2ポンプ8Bおよび第2アクチュエータ
9Bも、上述の第1ポンプ8Aおよび第1アクチュエー
タ9Aと同様に構成されている。
【0066】再び図6において、各常開型電磁弁11FL
〜11RRにおけるソレノイド部11b…の上部、各常閉
型電磁弁13FL〜13RRにおけるソレノイド部13b…
の上部、ならびに両アクチュエータ9A,9Bにおける
ボビン67…、磁路形成筒69…の上部および磁路形成
板70…は、合成樹脂から成るモールド部76でユニッ
ト化されており、各常開型電磁弁11FL〜11RRの弁部
11a…を第1取付け孔17…に嵌合、固定し、各常閉
型電磁弁13FL〜13RRの弁部13a…を第2取付け孔
18…に嵌合、固定し、さらに両液圧発生ユニット14
A,14Bにおいてガイド筒63が圧入後に溶接されて
いる固定コア48と一体のフランジ部51を第3取付け
孔20…に嵌合、固定した状態で、ソレノイド部11b
…,13b…ならびにコイル68が巻装されているボビ
ン67…、磁路形成筒69…、磁路形成板70…および
ばね71…を同時に組付けて、各常開型電磁弁11FL
11RR、各常閉型電磁弁13FL〜13RRおよび両液圧発
生ユニット14A,14Bの基体16への組付を完了す
ることができる。
【0067】ところで、基体16…の一面16aには、
リザーバ7A,7B、各常開型電磁弁11FL〜11RR
各常閉型電磁弁13FL〜13RRおよび両液圧発生ユニッ
ト14A,14Bを覆うようにして、合成樹脂製のカバ
ー77が複数のボルト78…により締結されるものであ
り、該カバー77内の上部には、電子制御ユニット(E
CU)80や他の電子部品が装着される非導電材製の基
板79が挿入、固定されており、該基板79に連なるバ
スバー81に、各常開型電磁弁11FL〜11RRにおける
ソレノイド部11b…から上方に延びる端子82…、各
常閉型電磁弁13FL〜13RRにおけるソレノイド部13
b…から上方に延びる端子83…、ならびに両液圧発生
ユニット14A,14Bのアクチュエータ19A,19
Bから上方に延びる端子84…が接続される。
【0068】次にこの実施例の作用について説明する
と、各ポンプ8A,8Bは、ポンプ室31…に一端を臨
ませたプランジャ29…がポンプハウジング28…に摺
動自在に嵌合されて成り、往復作動する電気式のアクチ
ュエータ9A,9Bが前記プランジャ29…に同軸に連
結されるものであり、各ポンプ8A,8Bおよび各アク
チュエータ9A,9Bの連結構造を単純化することがで
き、各ポンプ8A,8Bおよび各アクチュエータ9A,
9Bの作動効率を向上することができる。
【0069】しかも各アクチュエータ9A,9Bは、固
定コア48…と、該固定コア48…に対する近接、離反
を可能として前記プランジャ29…に同軸に連結される
可動コア49…とを備えるソレノイドであり、アクチュ
エータ9A,9Bをより簡単な構成として、低コスト化
を図ることができる。
【0070】またポンプ8A,8Bのプランジャ29…
にアクチュエータ9A,9Bが同軸に連結されて成る液
圧発生ユニット14A,14Bと、リザーバ7A,7B
と、各常開型電磁弁11FL〜11RRと、各常閉型電磁弁
13FL〜13RRとが基体16に同一方向から取付けられ
るので、液圧発生ユニット14A,14B、リザーバ7
A,7B、各常開型電磁弁11FL〜11RRおよび各常閉
型電磁弁13FL〜13 RRを取付けるための加工を基体1
6の一面16a側だけに施せばよく、アクチュエータ9
A,9B、各常開型電磁弁11FL〜11RRおよび各常閉
型電磁弁13FL〜13RRへの電気的接続を同一箇所に行
うために基体16に加工を施したり、導体を取り回した
りすることが不要である。したがって基体16の加工を
単純化して加工工数の低減を図るとともに組付性を向上
することができ、基体16の小型化および装置全体の小
型化を図ることができる。
【0071】上記実施例では、アクチュエータ9A,9
Bとしてソレノイドを用いたが、アクチュエータ9A,
9Bは軸方向に往復作動するものであればよく、しかも
アクチュエータ9A,9Bが小型のものでよいことか
ら、リニアモータおよび圧電素子をアクチュエータとし
て用いることも可能である。
【0072】また上記実施例では、駆動輪の車輪ブレー
キBFL,BFRにのみブレーキ液を供給可能とするように
ポンプ8A,8Bが設けられたが、本発明は、駆動輪お
よび従動輪の車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRのい
ずれにもポンプ8A,8Bからブレーキ液を供給可能と
した、所謂還流式のアンチロックブレーキ制御装置にも
適用可能である。
【0073】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0074】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、液圧発生
ユニット、リザーバ、各常開型電磁弁および各常閉型電
磁弁を取付けるための加工を基体の一面側だけに施せば
よく、アクチュエータ、各常開型電磁弁および各常閉型
電磁弁への電気的接続を同一箇所に行うために基体に加
工を施したり、導体を取り回したりすることが不要であ
り、基体の加工を単純化して加工工数の低減を図るとと
もに組付性を向上することができ、基体の小型化および
装置全体の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用ブレーキ液圧制御装置の液圧回路図であ
る。
【図2】ABS制御での減圧状態を示す図1に対応した
液圧回路図である。
【図3】ABS制御での液圧保持状態を示す図1に対応
した液圧回路図である。
【図4】ABS制御での増圧状態を示す図1に対応した
液圧回路図である。
【図5】トラクション制御状態を示す図1に対応した液
圧回路図である。
【図6】車両のブレーキ液圧制御装置の縦断側面図であ
る。
【図7】図6の7−7線矢視方向から見た基体の平面図
である。
【図8】図6の8−8線拡大断面図である。
【符号の説明】
7A,7B・・・リザーバ 8A,8B・・・ポンプ 9A,9B・・・アクチュエータ 11FL,11FR,11RL,11RR・・・常開型電磁弁 13FL,13FR,13RL,13RR・・・常閉型電磁弁 14A,14B・・・液圧発生ユニット 16・・・基体 28・・・ポンプハウジング 29・・・プランジャ 31・・・ポンプ室 BFL,BFR,BRL,BRR・・・車輪ブレーキ M・・・マスタシリンダ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ液を貯溜するリザーバ(7A,
    7B)と、複数の車輪ブレーキ(BFL,BFR,BRL,B
    RR)およびマスタシリンダ(M)間にそれぞれ設けられ
    る複数の常開型電磁弁(11FL,11FR,11RL,11
    RR)と、各車輪ブレーキ(BFL,BFR,BRL,BRR)お
    よび前記リザーバ(7A,7B)間にそれぞれ設けられ
    る複数の常閉型電磁弁(13FL,13FR,13RL,13
    RR)と、前記リザーバ(7A,7B)のブレーキ液を汲
    み上げて前記各車輪ブレーキ(BFL,BFR,BRL
    RR)のうち少なくとも一部の車輪ブレーキ(BFL,B
    FR)にブレーキ液を供給可能なポンプ(8A,8B)
    と、該ポンプ(8A,8B)を駆動する電気式のアクチ
    ュエータ(9A,9B)とが、共通の基体(16)に取
    付けられる車両のブレーキ液圧制御装置において、ポン
    プ室(31)に一端を臨ませたプランジャ(29)がポ
    ンプハウジング(28)に摺動自在に嵌合されて成るプ
    ランジャ式の前記ポンプ(8A,8B)に往復作動する
    前記アクチュエータ(9A,9B)が同軸に連結されて
    成る液圧発生ユット(14A,14B)と、前記リザー
    バ(7A,7B)、前記各常開型電磁弁(11FL,11
    FR,11RL,11RR)および前記各常閉型電磁弁(13
    FL,13FR,13RL,13RR)とが、前記基体(16)
    に同一方向から取付けられることを特徴とする車両のブ
    レーキ液圧制御装置。
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