JP2000035638A - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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JP2000035638A
JP2000035638A JP10204999A JP20499998A JP2000035638A JP 2000035638 A JP2000035638 A JP 2000035638A JP 10204999 A JP10204999 A JP 10204999A JP 20499998 A JP20499998 A JP 20499998A JP 2000035638 A JP2000035638 A JP 2000035638A
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Kazuya Tsukada
和也 塚田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 迅速処理でありながら高感度で安定性に優
れ、又、低補充化処理においても長期安定性及び銀色調
に優れ、更にはアルデヒド型硬膜剤の無い現像処理にお
いても残色性の優れる処理方法を提供する 【解決手段】 平板状ハロゲン化銀粒子の成長過程で、
反応物溶液から限外濾過法により、塩を含む水溶液を抜
き取りつつ、かつ、下記数式1で定義される平均粒子間
距離を、該平板状ハロゲン化銀粒子の成長開始から成長
終了時に亙り成長開始時の平均粒子間距離の0.60倍
以上1.15倍以下に制御し、持続しながら粒子成長さ
せた平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化乳剤層を
少なくとも1層含有するハロゲン化銀写真感光材料を自
動現像機で現像、定着、水洗処理することを特徴とする
ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。 数式1 平均粒子間距離=〔反応物溶液の体積/反応物溶液中の
成長粒子数〕1/3

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大学病院等においては患者数の増
加に伴い、医療現場において煩雑さが増してきており迅
速診断が要望されている。医療市場においては従来90
秒であった処理時間を45秒処理、30秒処理に短縮し
た自動現像機システムが製品化されてきている。
【0003】迅速処理においては現像時間の短縮化によ
り現像が十分に行われずに濃度が低い、定着時間の短縮
化により定着不良を招いたり、定着硬膜が十分に行われ
ずに乾燥不良が生じる等の問題を解決する必要がある。
又、迅速化に従って従来処理に比べて高速搬送、高速高
温乾燥等により自動現像機にも大きい負荷がかかるため
スリップによる膜はがれや現像ムラ、乾燥ムラが生じや
すい等の欠点もわかってきた。これらの欠点を解決する
ために感材の現像性向上、省銀による定着負荷軽減、薄
膜化による乾燥負荷軽減、現像液の活性化を高pH化、
主薬量、現像促進剤添加、現像攪拌性向上で改善する手
段、定着性を定着促進剤、主薬量調整、定着攪拌性向上
で改善する手段、乾燥性は高スクイズ性付与、赤外・ヒ
ートローラー等の手段による高温乾燥化、又、ムラを改
善するために現像−定着渡り、定着−水洗渡りのスクイ
ズ性、搬送性に工夫を与える等が行われているがいずれ
も十分とは言えず、特に上記対応により自動現像機によ
る負荷が高くなったがために長期間に亙る安定な処理が
十分に行えないため、複雑でなく簡易で安定な迅速処理
が望まれている。
【0004】一方で1995年廃液の海洋投棄禁止がロ
ンドン条約で制定されてから、陸上処理が避けられず廃
液処理費用がアップする等の理由から廃液の減量化のた
めに低補充化が行われてきている。
【0005】処理液の低補充化に伴い現像槽及び定着槽
中の処理液に感材からの溶出蓄積成分が濃縮すること、
現像液及び定着液に含有される成分濃度を処理槽中で現
像反応、定着反応に必要な量に保てるように高濃度化が
必要となるため含有される成分が析出又はオイルアウト
し感材に付着する故障が生じたり、超低補充化に進むに
従い現像、定着負荷が増大し定着不良、現像安定性(酸
化疲労の増大)劣化、銀色調の劣化が深刻となる。これ
らの欠点に対し自動現像機の処理槽の開口比を縮小し、
蒸発濃縮・酸化疲労を改善する手段、感材の溶出成分の
減量化のため省銀化、現像促進剤・定着促進剤等の工夫
により塩濃度を押さえたまま現像・定着性を付与する手
段等が使われている。しかし銀色調劣化についてはこれ
らの手段によっても十分とは言えず有効な改善が望まれ
ていた。
【0006】更には従来、医療用の現像液で現像処理中
に生じる搬送ローラー接触によるローラープレッシャー
跡や銀ヨリムラを改善するために添加していたアルデヒ
ド型硬膜剤が1998年OECDで職業暴露の有害性の
懸念から要管理物質に指定される動きがあり、又、高p
H化域では自己縮合しpHを大きく変える等現像液(濃
縮液含む)を不安定化するためそのフリー化が検討され
てきている。特に現像液の一液化のためには必要不可欠
であり種種の製品化も行われている。
【0007】しかし、アルデヒド型硬膜剤をフリーにし
てしまうと液中プレッシャーカブリ劣化は元より、乾燥
ムラの劣化、残色の劣化を引き起こす。これら欠点にた
いして、感材の高硬膜化や残色改良剤添加等の手段が行
われているが十分とは言えず、特に残色改良は望まれて
いた。
【0008】最近、これら問題に対し、感材の省銀化が
有効であることから銀量低下分の濃度の維持を目的にハ
ロゲン化銀粒子を平板状にし高被覆率を持つような工夫
が取られている。しかし、このような平板状粒子を使用
しても十分とは言えない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は
迅速処理でありながら高感度で安定性に優れ、又、低補
充化処理においても長期安定性及び銀色調に優れ、更に
はアルデヒド型硬膜剤の無い現像処理においても残色性
の優れる処理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0011】(1) 平板状ハロゲン化銀粒子の成長過
程で、反応物溶液から限外濾過法により、塩を含む水溶
液を抜き取りつつ、かつ、下記数式1で定義される平均
粒子間距離を、該平板状ハロゲン化銀粒子の成長開始か
ら成長終了時に亙り成長開始時の平均粒子間距離の0.
60倍以上1.15倍以下に制御し、持続しながら粒子
成長させた平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化乳
剤層を少なくとも1層有するハロゲン化銀写真感光材料
を自動現像機で現像、定着、水洗処理することを特徴と
するハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0012】数式1 平均粒子間距離=〔反応物溶液の体積/反応物溶液中の
成長粒子数〕1/3 (2) Dry to Dry30秒以下で処理するこ
とを特徴とする前記1記載のハロゲン化銀写真感光材料
の処理方法。
【0013】(3) 現像液及び定着液の補充量がそれ
ぞれ200ml/m2以下であり、かつ下記一般式
(1)で表される化合物の存在下で処理することを特徴
とする前記1記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方
法。
【0014】
【化2】
【0015】〔式中P、QはNまたはCR2(R2は水素
原子或いは置換されてもよいアルキル基又は置換されて
もよいアリール基を表す)を表し、R1は少なくとも1
個以上のスルホ基、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキ
シ基又はその塩又はボロン残基で置換されたアルキル基
を表す。それらの置換基が2個以上ある時は同じであっ
ても異なっても良い。M1は水素原子、アルカリ金属原
子、4級アンモニウム塩及びアルカリ条件下でM1が水
素原子又はアルカリ金属となりうる基を表す。〕 (4) 現像剤は実質的にアルデヒド型硬膜剤を含有せ
ず、現像剤及び/又は定着剤中に下記一般式(2)で表
される化合物を含有することを特徴とする前記1記載の
ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0016】一般式(2) X−(R1−S)n−R2−S−R3−Y 〔式中、R1、R2及びR3はアルキレン基を表す。これ
らのアルキレン基はエーテル結合を有していてもよい。
1とR3又はR2とR3とで環を形成してもよい。X及び
Yは同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル
基、アミノ基、アンモニオ基、ヒドロキシル基、カルボ
キシル基、スルホ基、アミノカルボニル基又はアミノス
ルホニル基を表し、XとYとで環を形成してもよい。n
は0〜10の整数を表す。〕 (5) 前記平板状ハロゲン化銀粒子が体積換算粒径の
変動係数が0.2以下であり、かつ該平板状ハロゲン化
銀粒子の全投影面積の50%以上がアスペクト比4以上
の平板状ハロゲン化銀粒子であることを特徴とする前記
1〜4のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料
の処理方法。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係る平板状ハロゲン化銀粒子の製造設備は、ハロゲン化
銀乳剤の調製が可能な装置であり、ハロゲン化銀粒子の
形成が行なわれる反応容器とハロゲン化銀粒子の形成に
用いられる各種添加液の添加ライン、反応物溶液と各種
添加液を混合するための攪拌機構を有し、また、粒子成
長過程における平均粒子間距離を制御するための反応物
溶液の濃縮機構である限外ろ過装置を有するものであ
る。該濃縮機構は反応容器内に設置しても良いが、好ま
しくはパイプ等で反応容器に接続され、ポンプ等の反応
物溶液の循環機構により反応物溶液を反応容器と濃縮機
構間で任意の流量で循環させ、任意に停止させることが
可能であり、更には、該濃縮機構によって反応物溶液か
ら抜きとられる塩を含む水溶液の容量を検出する装置を
有し、かつその量を任意に制御することが可能な機構を
備える設備である。また、必要に応じてその他の機能を
付与することも可能である。
【0018】一般にハロゲン化銀乳剤の調製工程は、核
形成工程(核生成工程及び核の熟成工程から成る)とそ
れに続く該核の成長工程に大別される。また、予め造り
置いた核乳剤(或いは種乳剤)を別途成長させることも
可能である。該成長工程は、第1成長工程、第2成長工
程、というようにいくつかの段階を含む場合もある。本
発明におけるハロゲン化銀粒子の成長過程とは、核(或
いは種)形成後から粒子成長終了までの全ての成長工程
を意味し、成長開始時とは成長工程の開始時点を言う。
【0019】また、本発明における平均粒子間距離と
は、ハロゲン化銀乳剤調製時の反応物(ハロゲン化銀乳
剤)溶液内における成長に与るハロゲン化銀粒子の空間
的な重心間距離の平均値を意味し、換言すれば、反応物
(ハロゲン化銀乳剤)溶液内において、全ての成長粒子
が各々等しい空間を有すると仮定した場合に、1個の粒
子が有する空間と等しい体積の立方体の1辺長をいう。
具体的には下式で定義される値である。
【0020】平均粒子間距離=〔反応物溶液の体積/反
応物溶液中の成長粒子数〕1/3 ハロゲン化銀粒子の成長過程では、主として粒子成長に
供される銀塩水溶液やハロゲン塩水溶液の添加により、
反応容器内の反応物溶液量は粒子の成長に伴い増大し、
同時に平均粒子間距離も増加する。本発明に係るハロゲ
ン化銀乳剤は、この粒子成長に伴う平均粒子間距離の増
加を抑制し、又は平均粒子間距離を持続し、或いは減少
せしめる。ここで、平均粒子間距離を持続するとは、特
定の平均粒子間距離を有する状態に少なくとも10秒以
上保たれることをいう。
【0021】ハロゲン化銀粒子の成長過程における平均
粒子間距離は、ハロゲン化銀粒子成長時の反応物(ハロ
ゲン化銀乳剤)溶液の容量に直接反映される。ハロゲン
化銀乳剤の収率の向上を考えた場合、成長過程における
平均粒子間距離の増加は少なくとも成長開始時の1.1
5倍以下に保たれることが好ましい。一方、平板状ハロ
ゲン化銀粒子の成長過程における平均粒子間距離を小さ
くすると、アスペクト比が低下する。特に、ハロゲン化
銀粒子の成長過程における平均粒子間距離が、成長開始
時の値の0.60倍より小さくなると顕著なアスペクト
比の低下が生じ、平板状ハロゲン化銀粒子としての写真
性能上の特徴が低下する。従って本発明においては、ハ
ロゲン化銀粒子の成長過程における平均粒子間距離の値
が、成長開始時の値の0.60倍以上1.15倍以下の
範囲に制御される。更には、成長過程におけるこの値が
0.60倍以上1.10倍以下であることが好ましく、
0.60倍以上1.05倍以下であることがより好まし
い。
【0022】また、本発明において、ハロゲン化銀粒子
の成長過程における成長開始時の平均粒子間距離の値と
しては、1.5μm以上であることが好ましい。更に
は、1.8μm以上4.0μm以下であることが好まし
く、2.0μm以上3.5μm以下が特に好ましい。
【0023】ハロゲン化銀粒子の成長過程における平均
粒子間距離が、成長開始時から成長終了時に亙り成長開
始時の平均粒子間距離の0.6倍以上1.15倍以下で
あるということは、成長過程においてハロゲン化銀粒子
数が実質的に変わらない場合には、成長過程における反
応物溶液の容量が、成長開始時の反応物溶液の容量の約
0.22倍から約1.52倍の範囲に保たれることを意
味する。即ち、反応物溶液の容量が、成長開始時の反応
物溶液の容量の約0.22倍量を割らないように、かつ
約1.52倍量を越えないように、限外濾過法により反
応物溶液から塩を含む水溶液を適宜抜き取りつつ粒子成
長を行なえば良い。ここで、限外濾過膜によって反応物
溶液から分離される塩を含む水溶液を透過フラックスと
称する。
【0024】本発明におけるハロゲン化銀粒子の成長過
程における粒子間距離の制御は、本発明の効果を奏し、
かつ、ハロゲン化銀乳剤の写真性能向上と乳剤収率向上
の両立を目的としている。従って、写真性能の劣化を伴
う乳剤収率の向上は本発明の意図するところではない。
ハロゲン化銀粒子の成長過程における成長開始時の平均
粒子間距離が、本発明における好ましい値より小さい場
合、即ち1.5μm未満の場合には、特開平6−673
26号公報の実施例の発明乳剤(平均粒子間距離が1.
1μm程度以下)に示されるように、濃縮化に伴い顕著
なアスペクト比の低下を生ずる。このようなアスペクト
比の低下は、写真性能が少し低下し、しかも本発明の効
果を損なう。
【0025】本発明に適用できるハロゲン化銀乳剤の製
造装置の一態様として、限外濾過装置によって粒子成長
過程における平均粒子間距離を任意に制御し、持続する
ことが可能なハロゲン化銀乳剤の製造装置の一例を図1
を参考に説明する。
【0026】反応容器1は最初から、分散媒体3を含有
している。この装置は反応容器1に、少なくとも1種の
銀塩水溶液、好ましくは硝酸銀水溶液を添加するための
銀添加ライン4と、少なくとも1種のハロゲン化塩水溶
液、好ましくは臭素や沃素、塩素のアルカリ金属塩水溶
液、又はアンモニウム塩水溶液、或いはそれらの混合物
を添加するためのハライド添加ライン5を有する。ま
た、ハロゲン化銀乳剤調製過程で、分散媒体及び反応物
溶液(分散媒体とハロゲン化銀粒子の混合物)を攪拌す
るための攪拌機構2を有する。この攪拌機構はあらゆる
通常の様式が可能である。銀塩水溶液は銀添加ライン4
から、銀添加バルブ20によって制御された流量で反応
容器に添加される。ハロゲン塩水溶液はハライド添加ラ
イン5から、ハライド添加バルブ21によって制御され
た流量で反応容器に添加される。この銀添加ライン4及
びハライド添加ライン5を通じての溶液の添加は、液面
添加でもよいが、より好ましくは攪拌機構2近傍の液中
に添加する方がよい。攪拌機構2は、銀塩水溶液及びハ
ロゲン塩水溶液を分散媒体と混合させ、可溶性銀塩が可
溶性ハロゲン化物塩と反応してハロゲン化銀を生成する
ことを可能にする。
【0027】第一段階のハロゲン化銀形成中、即ち核生
成工程において、基盤となるハロゲン化銀核粒子を含む
分散物(反応物溶液)が生成される。続いて必要に応じ
て熟成工程を経て核形成工程を終了する。その後、銀塩
水溶液及びハロゲン塩水溶液の添加を継続すると、第二
段階のハロゲン化銀形成、即ち成長工程段階へ移り、そ
の工程で反応生成物として生じた追加のハロゲン化銀
が、最初に生成されたハロゲン化銀核粒子の上に沈積し
て、これら粒子のサイズを増大させる。本発明では、反
応容器への銀塩水溶液及びハロゲン塩水溶液の添加によ
る粒子形成過程で、反応容器内の反応物溶液の一部が循
環ポンプ13によって、液取り出しライン8を通して限
外濾過ユニット12に送られ、液戻しライン9を通して
反応容器に戻される。その際、液戻しライン9の途中に
設けられた圧力調整用バルブ18により限外濾過ユニッ
ト12にかかる圧力を調節して、反応物溶液中に含まれ
る水溶性塩の溶液の一部を限外濾過ユニットにより分離
し、透過液排出ライン10を通して系外に排出する。こ
のような方法で、反応容器への銀塩水溶液及びハロゲン
塩水溶液の添加による粒子成長過程においても、粒子間
距離を任意に制御しながらの粒子形成が可能となる。
【0028】本発明においてこの方法を適用するときに
は、限外濾過膜によって分離される水溶性塩の溶液の透
過液量(透過フラックス;限外濾過フラックスともい
う)を任意に制御することが好ましい。例えばその場合
には、透過液排出ライン10の途中に設けられた流量調
節用バルブ19を用いて限外濾過フラックスを任意に制
御できる。その際、限外濾過ユニット12の圧力変動を
最小限に抑えるために、透過液戻りライン11の途中に
設けられたバルブ25を開放して透過液戻りライン11
を使用しても良い。或いは、バルブ25を閉じて透過液
戻りライン11を使用しなくとも良く、それは操作条件
により任意に選択することが可能である。また限外濾過
フラックスの検出には透過液排出ライン10の途中に設
けられた流量計14を使用しても良いし、透過液受け容
器27と秤28を用いて重量変化により検出しても良
い。
【0029】本発明において、粒子成長過程における限
外濾過法による濃縮は、粒子形成過程を通じて連続して
実施しても良いし、断続的に実施しても良い。但し、粒
子成長過程において限外濾過法を適用する場合には、限
外濾過工程への反応物溶液の循環を開始した以降は、少
なくとも粒子形成終了時まで反応物溶液の循環を継続す
ることが好ましい。従って、濃縮を中断している時も限
外濾過ユニットへの反応物溶液の循環は継続しているこ
とが好ましい。これは、反応容器内の粒子と限外濾過工
程の粒子間における成長偏在を回避するためである。ま
た、限外濾過工程を通る循環流量は十分に高くすること
が好ましい。具体的には、ハロゲン化銀反応物溶液の液
取り出しライン及び液戻しラインを含む限外濾過ユニッ
ト内における滞留時間は、30秒以内が好ましく、15
秒以内がより好ましく、更には10秒以内が特に好まし
い。
【0030】液取り出しライン8、液戻しライン9、限
外濾過ユニット12及び循環ポンプ13等を含む限外濾
過工程の容積は、反応容器容積の30%以下であること
が好ましく、20%以下であることがより好ましく、1
0%以下であることが特に好ましい。
【0031】このように、限外濾過工程を適用すること
により、全ハロゲン化銀反応物溶液の容量は粒子形成中
任意に低下させることができる。また、添加ライン7か
ら水を添加することによって、ハロゲン化銀反応物溶液
の容量を任意に保つことも可能である。
【0032】本発明において、限外濾過を実施する際に
用いることができる限外濾過モジュール及び循環ポンプ
に特別な制限はないが、ハロゲン化銀乳剤に作用して写
真性能等に悪影響を及ぼすような材質及び構造は避ける
ことが好ましい。また、限外濾過モジュールに用いられ
る限外濾過膜の分画分子量も任意に選択することができ
る。例えば、ハロゲン化銀乳剤に含まれるゼラチン等の
分散媒や乳剤調製時に使用した化合物を粒子成長過程で
除去したい場合には、除去対象物の分子量以上の分画分
子量を有する限外濾過膜を選択することができ、また、
除去したくない場合には、除去対象物の分子量以下の分
画分子量を有する限外濾過膜を選択することができる。
【0033】上述した製造方法は、本発明に係る平板状
ハロゲン化銀粒子の調製に好ましく適用できる。
【0034】平板状ハロゲン化銀粒子は、結晶学的には
双晶に分類される。双晶とは、一つの粒子内に一つ以上
の双晶面を有する結晶であり、ハロゲン化銀粒子におけ
る双晶の形態の分類は、クラインとモイザーによる報文
「Photographishe Korrespon
denz」99巻99頁、同100巻57頁に詳しく述
べられている。本発明に係る平板状ハロゲン化銀粒子
は、粒子内に1つ又は互いに平行な2つ以上の双晶面を
有するものであり、これらの双晶面は平板状粒子の表面
を形成する平面の中で最も広い面積を有する面(主平面
とも称する)に対してほぼ平行に存在する。本発明にお
ける最も好ましい形態は、平行な2つの双晶面を有する
場合である。
【0035】本発明においてアスペクト比とは、面積換
算粒径と粒子厚さの比(アスペクト比=直径/厚さ)を
いう。ここで、面積換算粒径とは、主平面に対して垂直
にその粒子を投影した場合の面積に等しい面積を有する
円の直径を意味する。また、体積換算粒径とは、個々の
ハロゲン化銀粒子と同一の体積を有する球の直径を意味
する。粒子厚さとは、主平面に垂直な方向での粒子の厚
さであり、一般に2つの主平面間の距離に一致する。
【0036】面積換算粒径や体積換算粒径を算出するた
めの粒子の投影面積と厚さは以下の方法で求められる。
支持体上に内部標準となる粒径既知のラテックスボール
と、主平面が基板に平行に配向するようにハロゲン化銀
粒子とを塗布した試料を作製し、ある角度からカーボン
蒸着によりシャドーを施した後、通常のレプリカ法によ
ってレプリカ試料を作製する。同試料の電子顕微鏡写真
を撮影し、画像処理装置等を用いて個々の粒子の投影面
積と厚さを求める。この場合、粒子の投影面積は内部標
準の投影面積から、粒子の厚さは内部標準と粒子の影
(シャドー)の長さから算出することができる。本発明
において、アスペクト比、面積換算粒径、粒子厚さ、体
積換算粒径の平均値は、上記レプリカ法を用いてハロゲ
ン化銀乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子を任意に500
個以上測定し、それらの算術平均として求められる値を
いう。
【0037】本発明においてハロゲン化銀粒子の体積換
算粒径の変動係数とは、上記測定から得られる値を用い
て下式によって定義される値である。本発明に係るハロ
ゲン化銀粒子の体積換算粒径の変動係数は0.2以下が
好ましく、0.15以下がより好ましく、0.1以下が
特に好ましい。
【0038】体積換算粒径の変動係数=(体積換算粒径
の標準偏差/体積換算粒径の平均値) 同様に、上記測定からハロゲン化銀粒子の面積換算粒径
の変動係数を求めることができる。ここで、面積換算粒
径の変動係数とは下式によって定義される値である。本
発明に係るハロゲン化銀粒子の面積換算粒径の変動係数
は0.2以下が好ましく、0.15以下がより好まし
く、0.1以下が特に好ましい。
【0039】面積換算粒径の変動係数=(面積換算粒径
の標準偏差/面積換算粒径の平均値) 本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、該ハロゲン化銀乳剤
に含まれるハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上
がアスペクト比4以上の平板状ハロゲン化銀粒子である
ことが好ましく、全投影面積の50%以上がアスペクト
比8以上の平板状ハロゲン化銀粒子であることが更に好
ましい。また、該ハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン
化銀粒子の全投影面積の80%以上が本発明に係る平板
状ハロゲン化銀粒子であることが好ましい。
【0040】本発明に係る平板状ハロゲン化銀粒子は、
粒子内に1つ又は互いに平行な2つ以上の双晶面を有す
るが、本発明に係る平板状ハロゲン化銀粒子の50%以
上が粒子内に互いに平行な2つの双晶面を有する平板状
粒子であることが好ましく、80%以上であることがよ
り好ましい。これらの双晶面は透過型電子顕微鏡により
観察することができる。具体的な方法は次の通りであ
る。まず、含有される平板粒子の主平面が、基板に対し
てほぼ平行に配向するようにハロゲン化銀乳剤を基板上
に塗布し、試料を作製する。これをダイヤモンド・カッ
ターを用いて基板に対して垂直に連続的に切削し、厚さ
0.1μm程度の連続薄切片を得る。この切片を透過型
電子顕微鏡で観察することにより双晶面の存在及びその
位置を確認することができる。
【0041】本発明におけるハロゲン化銀粒子の組成と
しては、沃臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀であ
ることが好ましい。特にハロゲン化銀乳剤の平均沃化銀
含有率が10モル%以下の沃化銀を含有する沃臭化銀で
あることが好ましく、更には平均沃化銀含有率が0.1
モル%以上2モル%以下であることが好ましい。ハロゲ
ン化銀粒子の組成は、EPMA法、X線回折法等の組成
分析法を用いて調べることができる。
【0042】本発明に係るハロゲン化銀粒子の表面相の
平均沃化銀含有率は、0.1モル%以上であることが好
ましく、0.2モル%以上3モル%以下であることがよ
り好ましく、0.3モル%以上1.5モル%以下が更に
好ましい。ここでいうハロゲン化銀粒子の表面相の平均
沃化銀含有率は、XPS法又はISS法を用いて求めら
れる値である。例えば、XPS法による表面沃化銀含有
率は次のようにして得られる。試料を1×10-4tor
r以下の超高真空中で−155℃以下まで冷却し、プロ
ーブ用X線としてMgKaをX線源電流40mAで照射
し、Ag3d5/2、Br3d、I3d3/2電子につ
いて測定する。測定されたピークの積分強度を感度因子
で補正し、これらの強度比からハロゲン化銀表面相の沃
化銀含有率等の組成を求める。
【0043】また、本発明に係るハロゲン化銀乳剤にお
いては、ハロゲン化銀粒子間の沃化銀含有率がより均一
であることが好ましい。即ち、該ハロゲン化銀乳剤にお
ける沃化銀含有率の変動係数が30%以下であることが
好ましく、更には20%以下である場合がより好まし
い。但し、ここでいう変動係数とは沃化銀含有率の標準
偏差を沃化銀含有率の平均値で割ったものに100を乗
じた値であり、ハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン化
銀粒子を任意に500個以上測定し得られた値をいう。
【0044】写真用ハロゲン化銀粒子は、塩化銀、臭化
銀、沃化銀、或いはそれらの固溶体から成る微結晶であ
るが、その結晶内部にハロゲン化銀組成の異なる2つ以
上の相を形成することが可能である。このような構造を
有する粒子としては、互いに異なるハロゲン化銀組成を
有する内核相と外表相から構成される粒子が知られてお
り、一般にコア/シェル型粒子と呼ばれる。本発明に係
るハロゲン化銀粒子は、外表相が内核相より沃化銀含有
率が高いコア/シェル型の粒子構造を有することが好ま
しい。
【0045】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は転位線を
有することができる。転位線が存在する位置としては、
平板状ハロゲン化銀粒子の外周部近傍や稜線近傍、又は
頂点近傍に存在することが好ましい。個々の粒子におけ
る転位線導入の位置関係でいえば、粒子全体の銀量の5
0%以降に導入されることが好ましく、60%以上95
%以下の間で導入されることが更に好ましく、70%以
上90%以下の間で導入されることが最も好ましい。
【0046】ハロゲン化銀粒子への転位線の導入法とし
ては、例えば、沃化カリウムのような沃素イオンを含む
水溶液と水溶性銀塩溶液をダブルジェットで添加する方
法、もしくは沃化銀微粒子を添加する方法、沃素イオン
を含む溶液のみを添加する方法、特開平6−11781
号に記載されているような沃素イオン放出剤を用いる方
法等の、公知の方法を使用して所望の位置で転位線の起
源となる転位を形成することができる。これらの方法の
中では、沃素イオンを含む水溶液と水溶性銀塩溶液をダ
ブルジェットで添加する方法や沃化銀微粒子を添加する
方法、沃素イオン放出剤を用いる方法が好ましい。
【0047】また、上述した製造方法を用いることによ
って、ハロゲン化銀乳剤への転位線導入効率を飛躍的に
高めることが可能である。例えば、ハロゲン化銀粒子の
成長過程における転位線導入時の平均粒子間距離を、成
長開始時の平均粒子間距離の0.60倍以上1.00倍
以下に制御することが好ましく、0.60倍以上0.8
0以下に制御することがより好ましい。具体的には、転
位線導入時の平均粒子間距離の値を3.2μm以下に制
御することが好ましく、2.8μm以下に制御すること
がより好ましく、0.90μm以上2.0μm以下に制
御することが特に好ましい。
【0048】ハロゲン化銀粒子が有する転位線は、例え
ばJ.F.Hamilton、Photo.Sci.E
ng.11(1967)57や、T.Shiozaw
a,J.Soc.Phot.Sci.Japan35
(1972)213に記載の、低温での透過型電子顕微
鏡を用いた直接的な方法により観察できる。即ち、乳剤
から粒子に転位が発生するほどの圧力をかけないように
注意して取り出したハロゲン化銀粒子を、電子顕微鏡用
のメッシュに乗せ、電子線による損傷(プリントアウト
など)を防ぐように試料を冷却した状態で透過法により
観察を行う。この時、粒子の厚みが厚いほど電子線が透
過しにくくなるので、高圧型の電子顕微鏡を用いた方が
より鮮明に観察することができる。このような方法によ
って得られた粒子写真から、個々の粒子における転位線
の位置及び数を求めることができる。
【0049】本発明に用いることのできるハロゲン化銀
乳剤の調製形態としては、当業界で知られた方法を適宜
適用することができる。例えば、ハロゲン化銀粒子形成
時の反応液のpAgを制御する、いわゆるコントロール
ド・ダブルジェット法やコントロールド・トリプルジェ
ット法を用いることができる。また、必要に応じてハロ
ゲン化銀溶剤を用いることができ、有用なハロゲン化銀
溶剤としては、アンモニア、チオエーテル、チオ尿素類
をあげることができる。チオエーテルに関しては米国特
許第3,271,151号、同第3,790,387
号、同第3,574,626号等を参考にすることがで
きる。また粒子の調製法としては特に限定はなく、アン
モニア法やアンモニアを使わない中性法、酸性法などを
用いることができるが、ハロゲン化銀粒子形成時のカブ
リを抑制できるという観点から、好ましくはpH(水素
イオン濃度の逆数の対数)が5.5以下、更に好ましく
は4.5以下の環境で粒子を形成することが好ましい。
【0050】本発明に用いることのできるハロゲン化銀
乳剤は、ハロゲン化銀粒子と共に分散媒を含む。分散媒
とは、ハロゲン化銀粒子に対する保護コロイド性を有す
る化合物であり、核生成工程から粒子成長終了時に亙っ
て存在させることが好ましい。本発明に好ましく用いる
ことができる分散媒には、ゼラチンと保護コロイドポリ
マーがある。ゼラチンとしては、通常分子量10万程度
のアルカリ処理ゼラチンや酸処理ゼラチン、或いは分子
量5千〜3万程度の低分子ゼラチン又は酸化処理ゼラチ
ンを好ましく用いることができる。特に核生成時には酸
化処理ゼラチンや低分子量ゼラチン、酸化処理した低分
子量ゼラチンを好適に用いることができる。
【0051】ハロゲン化銀粒子間及び粒子内部における
ハロゲン化銀組成をより精密に制御するために、ハロゲ
ン化銀粒子の沃化銀含有相形成の少なくとも一部を、1
種類以上のハロゲン化銀微粒子のみを供給することによ
って形成することができる。また、同様の理由から、ハ
ロゲン化銀粒子の沃化銀含有相形成の少なくとも一部
を、該ハロゲン化銀粒子よりも溶解度の小さいハロゲン
化銀粒子の存在下に行なうことができる。溶解度の小さ
いハロゲン化銀粒子としては沃化銀微粒子乳剤を用いる
ことが望ましい。
【0052】尚、本発明のハロゲン化銀乳剤において
は、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119
(以下RD308119と略す)に記載されている技術
を用いることができる。
【0053】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、ハ
ロゲン化銀乳剤層中及び/又は保護層、クロスオーバー
カット層を含む親水性保護コロイド層中にデキストラ
ン、デキストリン等の天然ポリマー及び/又はポリアク
リルアミド等の合成ポリマーを含有することが好まし
い。
【0054】本発明において、Dry to Dryと
は感材が自動現像機の挿入口に先端が入ったときから乾
燥出口から感材の後端が出る迄の時間を言う。
【0055】本発明に係るハロゲン化銀感光材料の現像
処理方法は、現像、定着、水洗及び乾燥の工程を含む自
動現像機で処理されるが、現像から乾燥までの工程全処
理時間は30秒以下で処理される。即ち、感光材料の先
端が自動現像機の挿入口に先端が入ったときから乾燥出
口から感材の後端が出る迄の時間(Dry to Dr
y)が30秒以下であるが20秒以下がより好ましい。
【0056】現像工程及び定着工程の液外部は熱を奪う
様な風の対流が少なくそれぞれの現像温度、定着温度付
近に温度が保たれることが好ましい。液外ローラーにヒ
ートローラーを使っても良いし、液外部だけに温調を設
けても良い。
【0057】現像液及び定着液の補充量に関しては20
0ml/m2以下が好ましいが200〜65ml/m2
より好ましい。65ml/m2より低いと液の蒸発量と
感材による液持ち出し量より少ないことと、センシトメ
トリー性能、定着性が厳しいため好ましくない。
【0058】現像液中の亜硫酸イオン量は0.10mo
l/l以上が好ましいが0.60mol/l以下がより
好ましい。0.60mol/lより多いと銀スラッジが
発生しやすくなり、減感も伴い好ましくない。
【0059】水洗水に関しては水洗量2.5l/分以上
が好ましいが付着成分の洗い出しという観点からいくと
4.0l/分〜6.0l/分がより好ましい。
【0060】本発明の現像液での現像時間は5〜20秒
で、好ましくは6〜15秒である。現像温度は25〜5
0℃が好ましく、30〜40℃がより好ましい。
【0061】定着温度及び時間は約20〜50℃で6〜
15秒が好ましく、30〜40℃で6〜10秒がより好
ましい。
【0062】乾燥時間は、通常35〜100℃好ましく
は40〜80℃の熱風を吹きつけたり、遠赤外線による
加熱手段が設けられた乾燥ゾーン或いはヒートローラー
による加熱手段が設けられた乾燥ゾーンが、自動現像機
に設置されていてもよい。
【0063】又、自動現像機には前記現像、定着、水洗
の各工程の間に、感光材料に水又は定着能を持たない酸
性溶液のリンス液を付与する機構を備えた自動現像機を
用いてもよい。さらに自動現像機には、現像液や定着液
を調液できる装置を内蔵していてもよい。
【0064】本発明の処理方法は上記一般式(1)で表
される化合物の存在下で処理することが好ましいが、上
記一般式(1)で表される化合物は、ハロゲン化銀写真
感光材料に添加しても、現像液及び/又は定着液に添加
してもよい。
【0065】一般式(1)の化合物の添加量は処理液中
であれば5mg〜500mg/lが好ましく、更に好ま
しくは10mg〜200mg/lである。ハロゲン化銀
写真感光材料中に含有する場合は親水性コロイド層中で
あればいずれの場所でも良いが、好ましくはハロゲン化
銀写真乳剤層、保護層であり、より好ましくは保護層に
添加するのが良い。保護層に添加することにより感材の
保存性への影響(減感等)が少なくなるため好ましい。
感材中の添加量は1mg〜100mgが好ましく添加さ
れる。
【0066】上記一般式(1)においてP、QはNまた
はCR2を表すが、P、Qは同じであっても異なっても
よく、共にNが好ましい。R2は水素原子或いは置換さ
れてもよいアルキル基又は置換されてもよいアリール基
を表すが、フェニル基が好ましい。
【0067】上記一般式(1)においてR1は少なくと
も1個以上のスルホ基、カルボキシ基、アミノ基、ヒド
ロキシ基又はその塩又はボロン残基で置換された炭素数
1〜20の直鎖もしくは分岐アルキル基(例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、ドデシル基、
イソプロピル基など)、炭素数1〜20のシクロアルキ
ル基(例えばシクロプロピル基、シクロヘキシル基な
ど)を表す。
【0068】またアルキル基(直鎖、分岐のアルキル
基、シクロアルキル基)は更に置換されてもよく、具体
的にはハロゲン原子(F、Cl、Brなど)、アルキル
基(メチル基、エチル基など)、アリール基(フェニル
基など)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基な
ど)、アリールオキシ基(フェノキシ基など)、スルホ
ニル基(メタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル
基など)、カルバモイル基(無置換カルバモイル基、ジ
エチルカルバモイル基など)、アミド基(アセトアミド
基、ベンズアミド基など)、アルコキシカルボニルアミ
ノ基(メトキシカルボニルアミノ基など)、アリロキシ
カルボニルアミノ基(フェノキシカルボニルアミノ基な
ど)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基
など)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカル
ボニル基など)、シアノ基、ニトロ基、アミノ基(無置
換アミノ基、ジメチルアミノ基など)、アルキルスルフ
ィニル基(メチルスルフィニル基など)、アリールスル
フィニル基(フェニルスルフィニル基など)、アルキル
チオ基(メチルチオ基など)、及びアリールチオ基(フ
ェニルチオ基等)を挙げることができる。R1として特
に好ましいものは1個以上のスルホ基、カルボキシ基又
はヒドロキシ基の置換した置換したメチル基、エチル
基、プロピル基である。
【0069】一般式(1)において、M1は水素原子、
アルカリ金属原子(例えばナトリウム原子、カリウム原
子など)、4級アンモニウム基(例えばトリメチルアン
モニウム基、ジメチルアンモニウム基、トリブチルアン
モニウム基など)及びアルカリ条件下でM1が水素原子
又はアルカリ金属となりうる基(例えばアセチル基、シ
アノエチル基、メタンスルホニル基など)を表す。
【0070】以下に本発明に用いられる一般式(1)で
表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの化
合物に限定されるものではない。
【0071】
【化3】
【0072】本発明において、実質的にアルデヒド型硬
膜剤を含まないとは0.005mol/l以下を指す。
アルデヒド型硬膜剤とはジアルデヒド型硬膜剤またはそ
の重亜硫酸付加物を指す。具体的にはグルタルアルデヒ
ド、マレインジアルデヒド、α−n−ブトキシアルデヒ
ト等を指す。
【0073】次に一般式(2)で表される化合物につい
て述べる。一般式(2)において、R1、R2及びR3
表すエーテル結合を有していてもよいアルキレン基は、
炭素数1〜10特に1〜6が好ましく、例えば−CH2
CH2−、−(CH23−、−(CH24−、−(C
22−O−(CH22−、−CH2CH(OH)−C
−が挙げられる。
【0074】一般式(2)において、X及びYは、水素
原子の他に、炭素数1〜10の置換基を有しても良いア
ルキル基(例えばメチル基、エチル基)、置換基を有し
てもよいアミノ基(例えばジメチルアミノ基、ジエチル
アミノ基、−N(CHCH2CN)2、−N(CH2
H(OH)−CH2OH)2、モルフォリノ基)、置換基
を有してもよいアンモニオ基(例えばトリメチルアンモ
ニオ基)、置換基を有してもよいアミノカルボニル基
(例えばジメチルアミノカルボニル基)、置換基を有し
てもよいアミノスルホニル基(例えばジメチルアミノス
ルホニル基)が好ましい。中でも、水素原子、アミノ
基、アンモニオ基が好ましい。
【0075】また、一般式(2)で表される化合物は無
機又は有機の酸の塩の形をとってもよい。無機又は有機
の酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、
沃化水素酸、過塩素酸、シュウ酸、p−トルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸等が挙げられる。
【0076】以下に本発明に用いられる一般式(2)で
表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの化
合物に限定されるものではない。
【0077】
【化4】
【0078】一般式(2)で表される化合物は、現像液
であれば、0.001g〜0.3g/lが好ましく、定
着液であれば0.1g〜20g/lが好ましく、この範
囲で効果を発揮する。
【0079】本発明の現像液、及び定着液は固体化キッ
トから水に溶解して調製された液であることが好まし
い。固体化キットにすることにより、キット状態の保存
性(長期保存での成分量・組成変化)が著しく向上する
と同時にキット形態でのスペースが縮小される面で有効
である。本発明は、長期安定性を解決すべき課題として
挙げているが、固体化キットとすることで効果をさらに
顕著にすることができる。
【0080】写真処理剤を固体化するには、濃厚液また
は微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混練し成
型化するか、仮成型した写真処理剤の表面に水溶性結着
剤を噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任意の
手段が採用できる。
【0081】好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固
体処理剤を造粒した後、打錠工程を行い形成する方法で
ある。単に固体処理剤成分を混合し打錠工程により形成
された固形処理剤より溶解性や保存性が改良され結果と
して写真性能も安定になるという利点がある。
【0082】錠剤形成のための造粒方法は転動造粒、押
し出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、撹拌造粒、流動層造
粒、噴霧乾燥造粒等公知の方法を用いることができる。
錠剤形成のためには、得られた造粒物の平均粒径は造粒
物を混合し、加圧圧縮する際、成分の不均一化、いわゆ
る偏析が起こりにくいという点で、100〜800μm
のものを用いることが好ましく、より好ましくは200
〜750μmである。さらに粒度分布は造粒物粒子の6
0%以上が±100〜150μmの偏差内にあるものが
好ましい。次に得られた造粒物を加圧圧縮する際には公
知の圧縮機、例えば油圧プレス機、単発式打錠機、ロー
タリー式打錠機、プリケッティングマシンを用いること
ができる。加圧圧縮されて得られる固体処理剤は任意の
形状を取ることが可能であるが、生産性、取扱い性の観
点から又はユーザーサイドで使用する場合の粉塵の問題
からは円筒型、いわゆる錠剤が好ましい。
【0083】さらに好ましくは造粒時、各成分毎例えば
アルカリ剤、還元剤、保恒剤等を分別造粒する。
【0084】上記の固体処理剤の嵩密度は、その溶解性
の観点と、本発明の目的の効果の点から錠剤である場合
1.0g/cm3〜2.5g/cm3が好ましく1.0g
/cm3より大きいと得られる固形物の強度の点で、
2.5g/cm3より小さいと得られる固形物の溶解性
の点でより好ましい。固体処理剤が顆粒又は粉末である
場合、嵩密度は0.40〜0.95g/cm3のものが
好ましい。
【0085】固体処理剤を投入する場所は処理槽中であ
ればよいが、好ましいのは、感光材料を処理する処理部
と連通し、該処理部との間を処理液が流通している場所
であり、更に処理部との間に一定の処理液循環量があり
溶解した成分が処理部に移動する構造が好ましい。固体
処理剤は温調されている処理液中に投入されることが好
ましい。
【0086】一般に自動現像機は温調のため、電気ヒー
ターにより処理液を温調している。一般的方法としては
処理槽と連結した補助タンクに熱交換部を設け、ヒータ
ーを設置しこの補充タンクには処理タンクから液を一定
循環量で送り込み、温度を一定ならしめるようポンプが
配置されている。
【0087】そして通常は処理液中に混入したり、結晶
化で生じる結晶異物を取り除く目的でフィルターが配置
され、異物を除去する役割を担っている。
【0088】この補助タンクの如き、処理部と連通した
場所であって、温調が施された場所に固体処理剤が投入
されるのが最も好ましい方法である。何故なら投入され
た処理剤のうちの不溶成分はフィルター部によって処理
部とは遮断され、固形分が処理部に流れ込み感光材料な
どに付着することは防止でき、固体処理剤の溶解性も非
常に良好となる。
【0089】また、処理タンク内に処理部と共に処理剤
投入部を設ける場合には、不溶成分がフィルム等に直接
接触しないよう遮閉物等の工夫をすることが好ましい。
【0090】フィルターや濾過装置などの材質は一般的
な自動現像機に使用されるものは全て本発明では使用で
き、特殊な構造や材料が本発明の効果を左右するもので
はない。
【0091】
【実施例】以下に、本発明を実施例を挙げて具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されるもの
ではない。
【0092】以下に示す全ての乳剤は、容積が32lの
反応容器を用いて調製した。また、限外濾過ユニットと
しては旭化成SIP−1013、循環ポンプとしてはD
AIDO Rotary Pumpを使用した。限外濾
過工程の乳剤循環部分の容積は1.2lであり、15l
/分の一定流速で乳剤を循環させた。したがって、反応
物溶液の滞留時間は4.8秒であり、限外濾過工程の乳
剤循環部分の容積は、反応容器の容積の3.8%であっ
た。粒子成長過程における粒子間距離の制御は、上記限
外濾過工程における透過フラックスを適宜制御して行っ
た。具体的には、図1の流量調節用バルブ19の調整に
よって行った。
【0093】(Em−100の調製) 〔核生成工程〕反応容器内の下記ゼラチン溶液B−10
1を30℃に保ち、特開昭62−160128号公報記
載の混合攪拌装置を用いて攪拌回転数400回転/分で
攪拌しながら、1Nの硫酸を用いてpHを1.96に調
整した。その後ダブルジェット法を用いてS−101液
とX−101液を一定の流量で1分間で添加し核形成を
行った。
【0094】 (B−101) 低分子量ゼラチン(平均分子量2万) 32.4g 臭化カリウム 9.92g H2O 12938.0ml (S−101) 硝酸銀 50.43g H2O 225.9ml (X−101) 臭化カリウム 35.33g H2O 224.7ml 〔熟成工程〕上記添加終了後に下記G−101液を加
え、30分間を要して60℃に昇温した。昇温後、1N
の水酸化カリウムを用いてpHを5.8に調整し、更に
20分間保持した。この間溶液の銀電位(飽和銀−塩化
銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で測定)を1
Nの臭化カリウム溶液を用いて14mVに制御した。
【0095】 (G−101) アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 139.1g 下記〔化合物A〕の10重量%メタノール溶液 4.64ml H2O 3266.0ml 〔化合物A〕;HO(CH2CH2O)m〔CH(CH3
CH2O〕19.8(CH2CH2O)nH(m+n=9.7
7) 〔粒子成長工程−1〕熟成終了後、続いてダブルジェッ
ト法を用いてS−102液とX−102液を流量を加速
しながら(終了時と開始時の添加流量の比が約12倍)
38分間で添加した。添加終了後にG−102液を加
え、攪拌回転数を550回転/分に調整した後、引き続
いてS−103液とX−103液を流量を加速しながら
(終了時と開始時の添加流量の比が約2倍)40分間で
添加した。この間溶液の銀電位を1Nの臭化カリウム溶
液を用いて14mVに制御した。
【0096】 (S−102) 硝酸銀 639.8g H2O 2866.2ml (X−102) 臭化カリウム 448.3g H2O 2850.7ml (G−102) アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 203.4g 前記〔化合物A〕の10重量%メタノール溶液 6.20ml H2O 1867.0ml (S−103) 硝酸銀 989.8g H2O 1437.2ml (X−103) 臭化カリウム 679.6g 沃化カリウム 19.35g H2O 1412.0ml 〔粒子成長工程−2;転移線形成〕上記添加終了後に、
反応容器内の溶液温度を20分を要して40℃に降温し
た。その後、3.5Nの臭化カリウム水溶液を用いて反
応容器内の銀電位を−32mVに調整し、続いて平均粒
径0.05μmのAgI微粒子乳剤を0.283モル相
当量加えた後、S−104液とX−104液を流量を加
速しながら(終了時と開始時の添加流量の比が1.2
倍)7分間で添加した。
【0097】 (S−104) 硝酸銀 672.0g H2O 975.8ml (X−104) 臭化カリウム 470.8g H2O 959.4ml 上記乳剤調製における反応容器内の反応物溶液の最大量
は28.9リットルであった。従って、最大0.49
(モル/リットル)×32リットルに相当するハロゲン
化銀乳剤の調製が可能である。
【0098】上記成長終了後に常法に従い脱塩・水洗処
理を施し、ゼラチンを加えて良く分散し、40℃にてp
Hを5.8、pAgを8.1に調整した。かくして得ら
れた乳剤をEm−100とする。
【0099】(Em−200の調製)以下に示す各工程
以外は、Em−100と同様にしてEm−200を調製
した。
【0100】〔熟成工程〕核生成工程終了後にG−10
1液を加えた後、30分間を要して60℃に昇温しその
状態で20分間保持した。続いて、アンモニア水溶液を
加えてpHを9.3に調整し更に7分間保持した後、1
Nの硝酸水溶液を用いてpHを5.8に調整した。この
間溶液の銀電位を1Nの臭化カリウム溶液を用いて10
mVに制御した。
【0101】〔粒子成長工程−1〕熟成工程終了後、続
いてダブルジェット法を用いてS−102液とX−10
2液を流量を加速しながら(終了時と開始時の添加流量
の比が約12倍)38分間で添加した。添加終了後にG
−102液を加え、攪拌回転数を550回転/分に調整
した後、引き続いてS−103液とX−103液を流量
を加速しながら(終了時と開始時の添加流量の比が約2
倍)40分間で添加した。この間溶液の銀電位を1Nの
臭化カリウム溶液を用いて11mVに制御した。
【0102】Em−200の調製における反応容器内の
反応物溶液の最大量は29.3リットルであった。従っ
て、最大0.48(モル/リットル)×32リットルに
相当するハロゲン化銀乳剤の調製が可能である。
【0103】(Em−300の調製)図1と同様の構成
を有するハロゲン化銀乳剤製造設備を用いて、以下の手
順によりハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0104】〔核生成工程〕反応容器内の下記ゼラチン
溶液B−301を30℃に保ち、特開昭62−1601
28号公報記載の混合攪拌装置を用いて攪拌回転数40
0回転/分で攪拌しながら、1Nの硫酸を用いてpHを
1.96に調整した。その後ダブルジェット法を用いて
S−301液とX−301液を一定の流量で1分間で添
加し核形成を行った。
【0105】 (B−301) 低分子量ゼラチン(平均分子量2万) 32.4g 臭化カリウム 9.92g H2O 12938.0ml (S−301) 硝酸銀 50.43g H2O 225.9ml (X−301) 臭化カリウム 35.33g H2O 224.7ml 〔熟成工程〕核生成工程終了後にG−301液を加えた
後、30分間を要して60℃に昇温しその状態で20分
間保持した。続いて、アンモニア水溶液を加えてpHを
9.3に調整し更に7分間保持した後、1Nの硝酸水溶
液を用いてpHを5.8に調整した。この間溶液の銀電
位を1Nの臭化カリウム溶液を用いて8mVに制御し
た。
【0106】 (G−301) アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 139.1g 前記〔化合物A〕の10重量%メタノール溶液 4.64ml H2O 3266.0ml 〔粒子成長工程−1〕熟成終了後、続いてダブルジェッ
ト法を用いてS−302液とX−302液を流量を加速
しながら(終了時と開始時の添加流量の比が約12倍)
38分間で添加した。この間溶液の銀電位を1Nの臭化
カリウム溶液を用いて6mVに制御した。添加終了後に
G−302液を加え、攪拌回転数を550回転/分に調
整した後、引き続いてS−303液とX−303液を流
量を加速しながら(終了時と開始時の添加流量の比が約
2倍)40分間で添加した。この間溶液の銀電位を1N
の臭化カリウム溶液を用いて8mVから4mVに連続的
に変化させた。また、S−302液及びX−302液の
添加と同時に、反応容器内の反応物溶液を限外濾過ユニ
ットへ循環させて濃縮を実施することにより、平均粒子
間距離は粒子成長工程−1の全域に亙って、粒子成長工
程−1開始時の平均粒子間距離に保った。
【0107】 (S−302) 硝酸銀 639.8g H2O 2866.2ml (X−302) 臭化カリウム 448.3g H2O 2850.7ml (G−302) アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 203.4g 前記〔化合物A〕の10重量%メタノール溶液 6.20ml H2O 1867.0ml (S−303) 硝酸銀 989.8g H2O 1437.2ml (X−303) 臭化カリウム 679.6g 沃化カリウム 19.35g H2O 1412.0ml 〔粒子成長工程−2;転移線形成〕上記添加終了後に、
反応容器内の溶液温度を20分を要して40℃に降温し
た。その後、3.5Nの臭化カリウム水溶液を用いて反
応容器内の銀電位を−32mVに調整し、続いて平均粒
径0.05μmのAgI微粒子乳剤を0.283モル相
当量加えた後、S−304液とX−304液を流量を加
速しながら(終了時と開始時の添加流量の比が1.2
倍)7分間で添加した。尚、粒子成長工程−1における
濃縮処理終了後から粒子成長工程−2終了まで、限外濾
過ユニットへの反応物溶液の循環を継続した。
【0108】 (S−304) 硝酸銀 672.0g H2O 975.8ml (X−304) 臭化カリウム 470.8g H2O 959.4ml 上記乳剤調製における反応容器内の反応物溶液の最大量
は20.3リットルであった。従って、最大0.70
(モル/リットル)×32リットルに相当するハロゲン
化銀乳剤の調製が可能である。
【0109】上記成長終了後に常法に従い脱塩・水洗処
理を施し、ゼラチンを加えて良く分散し、40℃にてp
Hを5.8、pAgを8.1に調整した。かくして得ら
れた乳剤をEm−300とする。
【0110】(Em−400の調製)図1と同様の構成
を有するハロゲン化銀乳剤製造設備を用いて、以下の手
順によりハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0111】〔核生成工程〕反応容器内の下記ゼラチン
溶液B−401を30℃に保ち、特開昭62−1601
28号公報記載の混合攪拌装置を用いて攪拌回転数40
0回転/分で攪拌しながら、1Nの硫酸を用いてpHを
1.96に調整した。その後ダブルジェット法を用いて
S−401液とX−401液を一定の流量で1分間で添
加し核形成を行った。
【0112】 (B−401) 酸処理ゼラチン(平均分子量10万) 32.4g 臭化カリウム 9.92g H2O 12938.0ml (S−401) 硝酸銀 50.43g H2O 225.9ml (X−401) 臭化カリウム 35.33g H2O 224.7ml 〔熟成工程〕核生成工程終了後にG−401液を加えた
後、30分間を要して60℃に昇温しその状態で20分
間保持した。続いて、アンモニア水溶液を加えてpHを
9.3に調整し更に7分間保持した後、1Nの硝酸水溶
液を用いてpHを5.8に調整した。この間溶液の銀電
位を1Nの臭化カリウム溶液を用いて4mVに制御し
た。
【0113】 (G−401) アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 139.1g 前記〔化合物A〕の10重量%メタノール溶液 4.64ml H2O 3266.0ml 〔粒子成長工程−1〕熟成終了後、続いてダブルジェッ
ト法を用いてS−402液とX−402液を流量を加速
しながら(終了時と開始時の添加流量の比が約12倍)
38分間で添加した。この間溶液の銀電位を1Nの臭化
カリウム溶液を用いて6mVに制御した。添加終了後に
G−402液を加え、攪拌回転数を550回転/分に調
整した後、引き続いてS−403液とX−403液を流
量を加速しながら(終了時と開始時の添加流量の比が約
2倍)40分間で添加した。この間溶液の銀電位を1N
の臭化カリウム溶液を用いて4mVから−2mVに連続
的に変化させた。また、S−402液及びX−402液
の添加と同時に、反応容器内の反応物溶液を限外濾過ユ
ニットへ循環させて濃縮を実施することにより、平均粒
子間距離は粒子成長工程−1の全域に亙って、粒子成長
工程−1開始時の平均粒子間距離に保った。
【0114】 (S−402) 硝酸銀 639.8g H2O 2866.2ml (X−402) 臭化カリウム 448.3g H2O 2850.7ml (G−402) アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 203.4g 前記〔化合物A〕の10重量%メタノール溶液 6.20ml H2O 1867.0ml (S−403) 硝酸銀 989.8g H2O 1437.2ml (X−403) 臭化カリウム 679.6g 沃化カリウム 19.35g H2O 1412.0ml 〔粒子成長工程−2;転移線形成〕上記添加終了後に、
反応容器内の溶液温度を20分を要して40℃に降温し
た。その後、3.5Nの臭化カリウム水溶液を用いて反
応容器内の銀電位を−52mVに調整し、続いて平均粒
径0.05μmのAgI微粒子乳剤を0.283モル相
当量加えた後、S−404液とX−404液を流量を加
速しながら(終了時と開始時の添加流量の比が1.2
倍)7分間で添加した。尚、粒子成長工程−1における
濃縮処理終了後から粒子成長工程−2終了まで、限外濾
過ユニットへの反応物溶液の循環を継続した。
【0115】 (S−404) 硝酸銀 672.0g H2O 975.8ml (X−404) 臭化カリウム 470.8g H2O 959.4ml 上記乳剤調製における反応容器内の反応物溶液の最大量
は20.3リットルであった。従って、最大0.70
(モル/リットル)×32リットルに相当するハロゲン
化銀乳剤の調製が可能である。
【0116】上記成長終了後に常法に従い脱塩・水洗処
理を施し、ゼラチンを加えて良く分散し、40℃にてp
Hを5.8、pAgを8.1に調整した。かくして得ら
れた乳剤をEm−400とする。
【0117】(Em−500の調製)以下に示す各工程
以外は、Em−400と同様にしてEm−500を調製
した。
【0118】〔粒子成長工程−1〕熟成工程終了後、続
いてダブルジェット法を用いてS−402液とX−40
2液を流量を加速しながら(終了時と開始時の添加流量
の比が約12倍)38分間で添加した。また、S−40
2液及びX−402液の添加と同時に、反応容器内の反
応物溶液を限外濾過ユニットへ循環させて濃縮を実施す
ることにより、S−402液及びX−402液の添加
中、平均粒子間距離を粒子成長工程−1開始時の値に保
った。S−402液とX−402液の添加終了後、限外
濾過ユニットを使用して反応容器内の反応物溶液を濃縮
することにより、平均粒子間距離を粒子成長工程−1開
始時の平均粒子間距離の0.5倍にし、以降粒子成長終
了時まで反応容器内の反応物溶液を限外濾過ユニットへ
継続循環させて濃縮を実施し、平均粒子間距離を粒子成
長過程の全域に亙って、粒子成長工程−1開始時の平均
粒子間距離の0.5倍に保った。したがって、転移線形
成時の平均粒子間距離は1.2μmであった。
【0119】Em−500の調製における反応容器内の
反応物溶液の最大量は20.3リットルであった。従っ
て、最大0.70(モル/リットル)×32リットルに
相当するハロゲン化銀乳剤の調製が可能である。
【0120】上記各乳剤の調製時に、成長過程のハロゲ
ン化銀乳剤のサンプリングを適宜実施して電子顕微鏡で
観察したが、何れのハロゲン化銀乳剤においてもハロゲ
ン化銀粒子の成長過程における新たなハロゲン化銀粒子
の生成及びその成長は認められなかった。
【0121】以上のように調製した各乳剤の特徴をレプ
リカ法を用いて調べた。その結果を表1に示す。何れの
乳剤においても成長開始時の平均粒子間距離は2.4μ
mであった。また、成長終了後の各乳剤中に含まれるハ
ロゲン化銀粒子の立方体換算平均粒径は0.7μmであ
った。
【0122】
【表1】
【0123】※1:表中「平均粒子間距離の範囲」と
は、(粒子成長工程における平均粒子間距離)/(粒子
成長工程開始時の平均粒子間距離)の値の制御幅を表
す。
【0124】次に、得られた乳剤を以下の方法で分光増
感及び化学増感を施した。
【0125】乳剤を50℃にした後、増感色素(5,
5′−ジクロロ−9−エチル−3,3′−ジ−(スルホ
プロピル)−オキサカルボシアニンナトリウム塩無水
物)固体微粒子分散物を最適分光増感感度になるように
加えた後に、下記セレン増感剤を7.0×10-6モル添
加し、チオシアン酸アンモニウム塩を銀1モル当たり
4.0×10-4モル、及び塩化金酸3.2×10-6モル
とチオ硫酸ナトリウム3.4×10-5モル添加し、その
40分後、上記沃臭化銀微粒子乳剤を1.7×10-3
ル/Ag1モル添加後、4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデン(TAI)1.2
×10-2モルで安定化した。
【0126】
【化5】
【0127】(試料の作製)得られたそれぞれの乳剤
に、下記の各種添加剤を加えて乳剤液(感光性ハロゲン
化銀塗布液)とした。添加量はハロゲン化銀1モル当た
りの量で示す。
【0128】 t−ブチル−カテコール 400mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 1.0g スチレン無水マレイン酸共重合体 2.5g トリメチロールプロパン 10g ジエチレングリコール 5g ニトロフェニル−トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 4g 2−メルカプトベンズインダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 1.5mg n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g
【0129】
【化6】
【0130】 一般式(1)の化合物 表2記載量 また保護層に用いた添加剤は次の通りである。添加量は
ゼラチン1g当たりの量で示す。
【0131】 保護層用塗布液 面積平均粒径7μmのポリメチルメタクリレートからなるマット剤 7mg コロイドシリカ(平均粒径0.013μm) 70mg 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 30mg
【0132】
【化7】
【0133】 (CH2=CHSO2CH22O(硬膜剤) 36mg 一般式(1)の化合物 表2記載量 以上の塗布液を、厚さ175μmの下引き処理済のブル
ーに着色したポリエチレンテレフタレートフィルムベー
ス上に乳剤層と保護層1層を両面に均一に塗布、乾燥し
て試料を作製した。尚、ハロゲン化銀乳剤層の銀付量は
片面当たり1.16g/m2とした。
【0134】以下に本発明に係る現像剤の固形剤及び液
剤を作製した。
【0135】〈ハイドロキノン現像主薬とする固形現像
剤α〉現像液として100リットル量の調製 [造粒物(A)]現像主薬のハイドロキノン3000
g、フェニドン400g、ホウ酸1000g、N−アセ
チル−D,L−ペニシラミン10g、グルタルアルデヒ
ド重亜硫酸Na塩500gをそれぞれ市販のバンタムミ
ル中で、平均10μmになるまで粉砕する。この微粉に
エルソルビン酸ナトリウム400g、亜硫酸ナトリウム
700g、結合剤D−ソルビットを200gを加えミル
中で30分混合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約5
分間、30mlの水を添加することにより造粒した後、
造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒
物の水分をほぼ完全に除去する。
【0136】[固形現像剤Aの作製]このようにして得
られた造粒物(A)を1−オクタンスルホン酸ナトリウ
ム100gと25℃、40%RH以下に調湿された部屋
で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた
混合物を菊水製作所(株)製タフプレスコレクト152
7HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を10
gにして圧縮打錠を行い、直径30mmの円筒形になる
ようにしてハイドロキノン系現像錠剤を作製した。
【0137】[造粒物(B)]炭酸カリウム10000
g、重炭酸ナトリウム1000g、KBr 200gを
それぞれ市販のバンタムミル中で平均10μmになるま
で粉砕する。各々の微粉にLiOH・H2O 200
g、DTPA・5H 250g、1−フェニル−5−メ
ルカプトテトラゾール5g、亜硫酸ナトリウム4000
g、一般式(1)で表される化合物表2記載量、一般式
(2)で表される化合物表2記載量、結合剤マンニトー
ル1000gを加えミル中で30分混合して市販の撹拌
造粒機中で室温にて約15分間、30mlの水を添加す
ることにより造粒した後、造粒物を流動乾燥機で40℃
にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去す
る。
【0138】[固形現像剤Bの作製]このようにして得
られた造粒物(B)を1−オクタンスルホン酸ナトリウ
ム200gと25℃、40%RH以下に調湿された部屋
で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた
混合物を菊水製作所(株)製タフプレスコレクト152
7HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を10
gにして圧縮打錠を行いアルカリ現像錠剤を作製した。
【0139】〈レダクトン類を主薬とする固形現像剤
β〉現像液として100l量の調製 [造粒物(C)]1−フェニル−3−ピラゾリドンを3
00g、N−アセチル−D,L−ペニシラミン10g、
グルタルアルデヒド重亜硫酸ナトリウム500gをそれ
ぞれ市販のバンタムミル中で平均10μmになるまで粉
砕する。この微粉にメタ重亜硫酸ナトリウム1500
g、エルソルビン酸ナトリウム4000g、結合剤D−
ソルビット600gを加えミル中で30分混合して市販
の撹拌造粒機中で室温にて約10分間、30mlの水を
添加することにより造粒した後、造粒物を流動層乾燥機
で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に
除去する。
【0140】[固形現像剤Cの作製]このようにして得
られた造粒物(C)を1−オクタンスルホン酸ナトリウ
ム80gと25℃、40%RH以下に調湿された部屋で
混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた混
合物を菊水製作所(株)製タフプレスコレクト1527
HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を10g
にして圧縮打錠を行いレダクトン類主薬系現像錠剤を作
製した。
【0141】[造粒物(D)]炭酸カリウム9000
g、重炭酸ナトリウム100gをそれぞれ市販のバンタ
ムミル中で平均10μmになるまで粉砕する。各々の微
粉にDTPA・5H 250g、一般式(1)で表され
る化合物表2記載量、一般式(2)で表される化合物表
2記載量、KI 70g、メチル−β−シクロデキスト
リン200g、結合剤マンニトール2000g、D−ソ
ルビット700gを加えミル中で30分混合して市販の
撹拌造粒機中で室温にて約15分間、30mlの水を添
加することにより造粒した後、造粒物を流動乾燥機で4
0℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去
する。
【0142】[固形現像剤Dの作製]このようにして得
られた造粒物(D)を1−オクタンスルホン酸ナトリウ
ム150gと25℃、40%RH以下に調湿された部屋
で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた
混合物を菊水製作所(株)製タフプレスコレクト152
7HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を10
gにして圧縮打錠を行いアルカリ現像錠剤を作製した。
【0143】ハイドロキノン主薬の現像剤A、B及びレ
ダクトン主薬現像剤C、Dはそれぞれ防湿のためアルミ
を含有させたピロー袋に5.0リットル量ずつ封入包装
した。
【0144】以下の操作で定着液として100リットル
量になる固形定着剤を作製した。
【0145】[造粒物(E)]チオ硫酸アンモニウム/
チオ硫酸ナトリウム(90/10重量比)15000g
を市販のバンタムミル中で平均10μmになるまで粉砕
する。この微粉に亜硫酸ナトリウム500g、Na22
5750g、本発明一般式(2)化合物表2記載量、
結合剤パインフロー1300gを加え水添加量を50m
lにして撹拌造粒を行い、造粒物を流動層乾燥機で40
℃で乾燥して水分をほぼ完全に除去する。
【0146】[造粒物(F)]ホウ酸400g、硫酸ア
ルミ・8水塩1200g、琥珀酸1200g、酒石酸3
00gを市販のバンタムミル中で平均10μmになるま
で粉砕する。この微粉にD−マンニット250g、D−
ソルビット120g、PEG#4000を160g加
え、水添加量30mlにして撹拌造粒を行い、造粒物を
流動層乾燥機で40℃で乾燥して水分を完全に除去す
る。
【0147】[固形定着剤]このようにして得られた造
粒物(E)にβ−アラニン3000g、酢酸ナトリウム
4330g、更に1−オクタンスルホン酸ナトリウムを
総重量の1.5%になるように添加し、更に造粒物
(F)にはメタ重亜硫酸ナトリウム750gと1−オク
タンスルホン酸ナトリウムを総重量の1.0%となるよ
うに添加し、それぞれ25℃、40%RH以下に調湿さ
れた部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、
得られた混合物を菊水製作所(株)製タフプレスコレク
ト1527HUを改造した打錠機により1錠当たり充填
量を(E)は10.2g、(F)は11.2gにして圧
縮打錠を行い、直径30mmの円筒形の定着錠剤を作製
した。これら、各々の固形定着剤を防湿のためにアルミ
を含有させたピロー袋に5.0リットル量分ずつ封入包
装した。
【0148】〈処理方法〉自現機はSRX−701(コ
ニカ(株)製)を改造し使用した。現像温度35℃、定
着温度35℃、乾燥温度55℃で処理時間Dry to
Dry表2記載の条件で処理を行った。補充は表2に
記載量で行った。
【0149】スタート時の現像タンク内の現像液はハイ
ドロキノン主薬固形現像剤α、レダクトン主薬固形現像
剤βともに各々の固形現像剤A、B又はC、Dを混合し
て、後記載の改造ケミカルミキサーで希釈水で希釈溶解
して調製する。尚、錠剤は完全に溶解し、析出物は見ら
れなかった。この現像液13.5リットルをSRX−7
01(コニカ(株)製)に入れ、後記載のスターターを
加えてスタート液として現像槽を満たして処理を開始し
た。スターター添加量は35ml/1リットルであっ
た。定着剤は固形定着剤(E)、(F)を後記載の改造
ケミカルミキサーで希釈水で希釈して調製する。尚、錠
剤は完全に溶解し、析出物は見られなかった。この調製
した定着液13.5リットルをSRX−701の定着処
理タンクに入れてスタート液とした。
【0150】 スターター処方 KBr 5.5g HO(CH22S(CH22S(CH)2OH 0.05g N−アセチル−D,L−ペニシラミン 0.10g メタ重亜硫酸ナトリウム 下記開始液pHになる量 水仕上げ 35ml 尚、SRX−701を現像、定着ともに各々の固形剤が
投入できるように改造ケミカルミキサー投入口を設けて
固形剤溶解用に内蔵ケミカルミキサーを改造した。
【0151】現像、定着ともに各々の固形剤の投入口に
それぞれの包装袋を手で開封したものをセットし内蔵ケ
ミカルミキサーに錠剤を落とすと同時に温水(25〜3
0℃)を注水し撹拌溶解しながら溶解時間25分で5.
0リットルに調液する。これを現像・定着補充液として
用いた。この調製された補充液を現像槽、定着槽に供給
して前記記載の量を満たす。
【0152】現像剤を溶解した時のpHはハイドロキノ
ン系現像液αが10.55、レダクトン主薬系βの場合
pH10.15になるように酢酸、KOHで微調整し
た。定着液の溶解補充液pHは4.80であった。
【0153】内蔵ケミカルミキサーは調液槽と予備タン
ク槽に分かれており調液槽容量は5.0リットル、予備
タンク容量も5.0リットルであり、フィルムをランニ
ング処理中に調液槽で作製された補充液がなくなって
も、また撹拌溶解時間(約25分)中に無補充状態にな
らないように補充液が供給されるように予備タンクを設
けた。
【0154】スターターを添加した時の現像液のpHは
αが10.45、βが9.95であった。
【0155】上記固形剤でなく下記3パート構成の濃縮
液キットから内蔵ケミカルミキサーを3パート構成で調
液できるように改造したSRX−701で調液した補充
現像液γにも同様にスターターを添加し開始液(開始p
H9.95)とし処理を行った。定着液は上記で調製さ
れたと同じ液を使用した。
【0156】 現像液γの調製 [濃縮液現像キットの組成] 現像液1リットル仕上げ量 (Aパート) エルソルビン酸ナトリウム 40g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリドン 4g 亜硫酸カリウム50% 70g 重炭酸カリウム 3g 炭酸カリウム 100g 一般式(1)で表される化合物 表2記載量 一般式(2)で表される化合物 表2記載量 ジエチレングリコール 70g 50%水酸化カリウム pH調整用 純水で550mlに仕上げpHは10.80に調整し
た。
【0157】 (Bパート) 酢酸(90%) 22g トリエチレングリコール 10g N−アセチル−D,L−ペニシラミン 0.2g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 2.0g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリドン 4g 5−ニトロインダゾール 0.02g (Cパート) 50%グルタルアルデヒド液 5.0g 尚、上記現像剤1リットル調液した時のpHは10.1
0であった。
【0158】前記、得られた塗布試料、処理剤、自現機
を用い下記の評価を行った。
【0159】〈長期安定性〉各々の処理槽に液面センサ
ーを設け、処理開始前に液面センサーがONになるよう
に液面低下を補う水を補充し、自現機稼働中は1時間も
しくは2時間ごとに液面チェックをし低下分を水補充し
補うようにした。但し、定着への補充は現像−定着の渡
りラックの洗浄水をその補充分に含めるようにした。
【0160】又、現像補充液、定着補充液を処理開始前
に四つ切り4枚処理相当量を稼働時に1時間当たり四つ
切り2枚分相当量を添加し液面低下、濃縮を抑制する方
法も行った。
【0161】[センシトメトリー変動の評価]先に調製
した感光材料を大角サイズに裁断し、現像処理後の光学
濃度が1.0となるように全面均一な露光を施し、ラン
ニングを行った。ランニング中は感光材料四つ切りサイ
ズ1枚当たり現像、定着の補充量は表2記載量であっ
た。ランニングは1日当たり50枚処理を行い、初日
(スタート液の状態)と500枚(20日)、1000
枚(40日)、1500枚(60日)のセンシトメトリ
ーを求め表2に示した。
【0162】センシトメトリーは次のようにして求め
た。得られたフィルムを蛍光増感紙KO−250(コニ
カ(株)製)で挟み、管電圧90kVp、電流20m
A、時間0.05秒の条件でX線照射を行い、距離方法
にてセンシトメトリーカーブを作製し感度を求めた。感
度の値はFog+1.0を得るのに必要なX線量の逆数
として求めた。γ値としてFog+0.25〜Fog+
2.0の濃度範囲において濃度差を濃度を得るのに必要
な露光量の対数値差で割った値である傾きとして表し
た。
【0163】[残色性の評価]得られた塗布試料を3
0.5×25.4cmのサイズに裁断し、未露光のまま
上記処理方法で現像処理した。残色の度合いは目視にて
下記の基準で評価した。 A:ほとんど残色しない B:わずかに残色しているが気にならない C:残色しているが実用的に許容される D:残色が多く不可 [銀色調の評価]得られたフィルムの大角サイズを蛍光
増感紙KO−250(コニカ(株)製)で挟み、管電圧
90kVp、電流200mA、時間0.05秒の条件で
ファントームを被写体としてX線照射を行った。これを
上記ランニングの中で処理した。得られた画像を下記ラ
ンクに従い目視評価した。
【0164】 ランク5:色調が黒調である ランク4:色調が温黒調である ランク3:色調がわずかに黄色味を帯びている ランク2:色調がやや黄色味を帯びておりNGレベル ランク1:明らかに黄色味を帯びる
【0165】
【表2】
【0166】表2からわかるように本発明の構成をとる
ことにより、迅速処理時の安定な処理(感度、Dm)
と、ランニング(経時を含めた長期ランニング)による
感度、γ、Dm変動が大きく改善されることがわかる。
特にγ、Dmの変動改善は顕著である。又、低補充時の
銀色調、アルデヒド硬膜剤フリー時の残色がいずれも改
善される。
【0167】
【発明の効果】本発明により迅速処理でありながら高感
度で安定性に優れ、又、低補充化処理においても長期安
定性及び銀色調に優れ、更にはアルデヒド型硬膜剤の無
い現像処理においても残色性の優れる処理方法を提供す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造設備に適用できるハロゲン化銀乳
剤の製造装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 反応容器 2 攪拌機構 3 分散媒体 4 銀添加ライン 5 ハライド添加ライン 6 分散媒体添加ライン 7 添加ライン 8 液取り出しライン 9 液戻しライン 10 透過液排出ライン 11 透過液戻りライン 12 限外濾過ユニット 13 循環ポンプ 14 流量計 15,16,17 圧力計 18 圧力調整用バルブ 19 流量調節用バルブ 20 銀添加バルブ 21 ハライド添加バルブ 22 液抜き取りバルブ 23,24,25 バルブ 26 限外濾過透過液 27 透過液受け容器 28 秤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 5/31 G03C 5/31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状ハロゲン化銀粒子の成長過程で、
    反応物溶液から限外濾過法により、塩を含む水溶液を抜
    き取りつつ、かつ、下記数式1で定義される平均粒子間
    距離を、該平板状ハロゲン化銀粒子の成長開始から成長
    終了時に亙り成長開始時の平均粒子間距離の0.60倍
    以上1.15倍以下に制御し、持続しながら粒子成長さ
    せた平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化乳剤層を
    少なくとも1層有するハロゲン化銀写真感光材料を自動
    現像機で現像、定着、水洗処理することを特徴とするハ
    ロゲン化銀写真感光材料の処理方法。 数式1 平均粒子間距離=〔反応物溶液の体積/反応物溶液中の
    成長粒子数〕1/3
  2. 【請求項2】 Dry to Dry30秒以下で処理
    することを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真
    感光材料の処理方法。
  3. 【請求項3】 現像液及び定着液の補充量がそれぞれ2
    00ml/m2以下であり、かつ下記一般式(1)で表
    される化合物の存在下で処理することを特徴とする請求
    項1記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。 【化1】 〔式中P、QはNまたはCR2(R2は水素原子或いは置
    換されてもよいアルキル基又は置換されてもよいアリー
    ル基を表す)を表し、R1は少なくとも1個以上のスル
    ホ基、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基又はその
    塩又はボロン残基で置換されたアルキル基を表す。それ
    らの置換基が2個以上ある時は同じであっても異なって
    も良い。M1は水素原子、アルカリ金属原子、4級アン
    モニウム塩及びアルカリ条件下でM1が水素原子又はア
    ルカリ金属となりうる基を表す。〕
  4. 【請求項4】 現像液は実質的にアルデヒド型硬膜剤を
    含有せず、現像液及び/又は定着液中に下記一般式
    (2)で表される化合物を含有することを特徴とする請
    求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。 一般式(2) X−(R1−S)n−R2−S−R3−Y 〔式中、R1、R2及びR3はアルキレン基を表す。これ
    らのアルキレン基はエーテル結合を有していてもよい。
    1とR3又はR2とR3とで環を形成してもよい。X及び
    Yは同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル
    基、アミノ基、アンモニオ基、ヒドロキシル基、カルボ
    キシル基、スルホ基、アミノカルボニル基又はアミノス
    ルホニル基を表し、XとYとで環を形成してもよい。n
    は0〜10の整数を表す。〕
  5. 【請求項5】 前記平板状ハロゲン化銀粒子が体積換算
    粒径の変動係数が0.2以下であり、かつ該平板状ハロ
    ゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上がアスペクト比
    4以上の平板状ハロゲン化銀粒子であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真
    感光材料の処理方法。
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