JP2000034263A - リンゴ酸モノアミド類組成物及びその製造方法 - Google Patents
リンゴ酸モノアミド類組成物及びその製造方法Info
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Abstract
リンゴ酸モノアミド類の組成物及びその製造方法を提供
することを目的とする。 【解決手段】 リンゴ酸、無水酢酸及び触媒を混合、攪
拌することによって得られるアセチル化無水リンゴ酸
と、炭素数6〜24の炭化水素基を有する第一アミン又
は炭素数6〜24の第一炭化水素基と炭素数1〜18の
第二炭化水素基とを有する第二アミンとを反応させて、
リンゴ酸モノアミド類組成物を製造する。
Description
モノアミド類組成物及びその有利な製造方法に関する。
有するマイルドな界面活性剤として、洗浄剤、化粧品、
医薬等に使用される非常に有用な製品である。
る方法としては、ジカルボン酸無水物とアミンとを原料
として開環アミド化させる方法(下記の反応式I)と、
ジカルボン酸とアミンとを原料として脱水アミド化させ
る方法(下記の反応式II)(中間体であるイミド経由法
を含む)とが知られている。
法で製造は可能であるが、いずれの方法を用いても、リ
ンゴ酸が水酸基を有することに起因した不純物を多く含
む。上記反応式Iで示される方法の場合には、原料であ
るリンゴ酸無水物を高純度で得ることが難しい。また、
上記反応式IIで示される方法の場合には、反応温度が高
いため、マレイン酸誘導体やリンゴ酸ジアミドの副生が
起こる。これらの不純物は、製造工程中に特別な精製工
程を必要とする。
て、リンゴ酸モノアミド類を製造する際には多くの副生
物の生成が起こり、工業的に満足されるものではなかっ
た。本発明は、工業的に容易に、安価で、特別な精製工
程を必要としない、不純物量の少ない新規なリンゴ酸モ
ノアミド類組成物及びその製造方法を提供することを目
的とする。
に、本発明のリンゴ酸モノアミド類組成物は、下記の一
般式(1)で表されるβ−体を50重量%以上含有する
ことを特徴とする。
示し、R2 は炭素数6〜24の炭化水素基を示し、R3
は水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基を示し、M
は水素原子、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イ
オン、アンモニウムイオン又は有機アンモニウムイオン
を示す)
物の製造方法は、アセチル化無水リンゴ酸と、第一アミ
ン又は第二アミンとを反応させることを特徴とする。
成物は、上記の一般式(1)で表されるβ−体を50重
量%以上、好ましくは80〜100重量%含有する。
れるリンゴ酸モノアミドであるが、α−体、β−体はカ
ルボキシル基基準の置換基の位置により、下記の一般式
(2)で表されるα−体と区別する。
炭素数6〜24の炭化水素基を示し、R3 は水素原子又
は炭素数1〜18の炭化水素基を示し、Mは水素原子、
アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモ
ニウムイオン又は有機アンモニウムイオンを示す)
α−体とβ−体との重量比については、α−体/β−体
=50/50〜0.1/99.9、好ましくは20/8
0〜0.1/99.9の範囲にある。
物は、不純物であるジアミドの含有割合は5重量%以
下、マレイン酸アミド(イミド)の含有割合は10重量
%以下、フマル酸アミドや酢酸アミド等のその他の成分
の含有割合は20重量%以下である。
造方法としては、まず、リンゴ酸、無水酢酸及び触媒を
混合、攪拌することによってアセチル化無水リンゴ酸を
得る。混合、攪拌の方法は特に限定されず、通常は、無
水酢酸にリンゴ酸を分散させ、その分散液に徐々に触媒
を加えるか、あるいは無水酢酸に触媒を分散または溶解
させ、その触媒分散液または触媒溶液にリンゴ酸を徐々
に添加する方法がとられる。尚、リンゴ酸はD体又はL
体の光学異性体単独でもよく、また、ラセミ体でもよ
い。
らに好ましくは80℃以下で実施される。反応温度が1
00℃を超える場合、リンゴ酸の脱水反応が競争して起
こり、無水マレイン酸やフマル酸、重合物副生の原因と
なる。反応時間は、0.5〜3時間程度である。
ず、カルボニル基を活性化させるものであれば良く、通
常は酸又は塩基触媒、好ましくは硫酸、トルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、燐酸、塩化水素等の酸触媒、
さらに好ましくは硫酸が用いられる。
ことができ、生成物を溶解し、かつ反応しないヘキサ
ン、ベンゼン、クロロホルム、酢酸エチル及び酢酸が適
している。
2〜1/5の範囲が好ましく、さらに好ましくは1/2
〜1/2.5の範囲である。モル比が1/2より大きく
リンゴ酸が過剰の時、未反応リンゴ酸が残存すると共
に、反応中の粘度が高まり、スムーズな反応進行ができ
ない。モル比が1/5より小さく無水酢酸が過剰の時、
反応後の副生酢酸および未反応無水酢酸の除去に多大な
労力がかかり、好ましくない。
対して0.01〜5重量%である。さらに、有機溶媒を
用いる場合の有機溶媒の使用量は、リンゴ酸の重量に対
して0〜5倍量である。
製造する際において、前記反応式Iで示される方法の原
料となるリンゴ酸無水物を高純度で製造することは困難
であった。しかし、このような方法によって、高純度ア
セチル化無水リンゴ酸が得られる。
と、第一アミン又は第二アミンとを反応させる。
素数6〜24の炭化水素基を有する第一アミンが好まし
く、第二アミンとしては炭素数6〜24の第一炭化水素
基と炭素数1〜18の第二炭化水素基とを有する第二ア
ミンが好ましい。
化水素基がヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デ
シル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシ
ル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプ
タデシル、オクタデシル(ステアリル)、オクタデセニ
ル(オレイル)、ノナデセニル、エイコセニル、ヘンエ
イコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニ
ル等のアルキル基又はアルケニル基等であるアミンや、
これらの混合物である植物油、動物油由来のアミン等が
挙げられる。これらの中でも、溶解性の点で、炭素数8
〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するアミンが
好ましい。
基がヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、
ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テト
ラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシ
ル、オクタデシル(ステアリル)、オクタデセニル(オ
レイル)、ノナデセニル、エイコセニル、ヘンエイコセ
ニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル等の
アルキル基又はアルケニル基等で、第二炭化水素基がメ
チル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシ
ル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシ
ル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オク
タデシル(ステアリル)、オクタデセニル(オレイル)
等のアルキル基又はアルケニル基等であるアミンや、こ
れらの混合物である植物油、動物油由来のアミン等を挙
げることができる。これらの中でも、溶解性の点で、第
一炭化水素基が炭素数8〜18のアルキル基又はアルケ
ニル基であり第二炭化水素基が炭素数1〜6のアルキル
基であるアミンが好ましい。
水リンゴ酸との反応モル比は、アミン/アセチル化無水
リンゴ酸=0.5/1.0〜1.0/1.0の範囲が好
ましく、より好ましくはアミン/アセチル化無水リンゴ
酸=0.8/1.0〜1.0/1.0である。アミンが
過剰になるとジアミドが副生し、モル比が0.5/1.
0未満ではアミド化合物の生成量が少なくなり、経済的
でない。
好ましくは70℃以下である。100℃を超えると脱酢
酸反応によりマレイン酸アミド、フマル酸アミド等の副
生成物が増す。反応時間は、アミン全量添加後、0〜2
時間程度である。
えば、ヘキサン、ベンゼン、クロロホルム、酢酸エチル
及び酢酸等を用いることができ、生成物を溶解し、かつ
反応しない点で酢酸が適している。有機溶媒の使用量
は、アセチル化無水リンゴ酸の重量に対して0〜5倍
量、好ましくは0〜等倍量である。
成物としてアセチルリンゴ酸モノアミドが得られるが、
これをさらに、40〜90℃の条件下で水酸化カリウム
などの塩基を加えて1〜5時間反応させた後、20〜5
0℃の条件下で塩酸などの酸を加えて3〜6時間反応さ
せると、リンゴ酸モノアミドが得られる。塩の形態で用
いる場合には、中和塩としては、カリウム、ナトリウム
等のアルカリ土類金属、ジエタノールアミンやトリエタ
ノールアミン等のアルカノールアミンが好ましい。
界面活性剤として洗浄剤、化粧品、医薬品等に使用する
ことができる。
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。また、以下の実施例において、「%」は
「重量%」である。
とHPLCとGCの条件を以下に示す。
すい反応生成物が分析対象である。 日本電子(株)製300MHz核磁気共鳴型測定装置 使用溶媒:ジメチルスルホキシド−d6 、メタノール−
d4
アミドと原料アミンが分析対象である。 カラム:「Ultra1 (HEWLETT PACKARD)」 直径0.2mm×25m×0.11μm 温 度:Column:50℃(0min)→(15℃/min)→ 300℃(8min) Inj.:300℃ Det.:FID 320℃
対象である。 カラム:「Inertsil ODS−3」、直径4.
0mm×100mm×3μm(GLサイエンス(株)
製) 移動相:アセトニトリル/水=6/4 25mM KH
2PO4 流 速:1.0mL/min 検 出:UV 210nm
レン1417gとを仕込み、撹拌懸濁させながら加温し
た。液温度が100℃に達した時点で、徐々にラウリル
アミン463gを滴下させた。反応温度を145℃迄上
げ、6時間撹拌した。反応溶液から溶媒を留去し、NM
R、HPLCにて反応物の組成を分析したところ、リン
ゴ酸イミド65.0%、リンゴ酸アミド10.0%、マ
レイン酸イミド5.0%、リンゴ酸3.0%、およびフ
マル酸2.0%、であった。また、GCにて原料アミン
およびジアミドを分析したところそれぞれ0.5%と
7.0%であった。この反応組成物を塩基性条件下、冷
却しながら、水溶液中で開環反応を行い、NMRとHP
LCとGCにて反応物の組成を分析した。結果を表1に
示す。
スコに、無水酢酸306g(3モル)、リンゴ酸201
g(1.5モル)を仕込み、攪拌混合しながら硫酸0.
1gを反応温度70℃に保ちつつ滴下した。仕込み後、
70℃で2時間かけて熟成を行なった。反応溶液から副
生した酢酸を減圧留去し、アセチル化無水リンゴ酸を得
た。
ル化無水リンゴ酸474g(3.0モル)と酢酸600
gとを仕込み、攪拌させながら50℃に加温し、徐々に
ラウリルアミン527g(2.85モル)を滴下させ
た。反応温度を70℃迄上げ、1時間攪拌した。反応溶
液から溶媒を留去し、NMRとHPLCとGCにて反応
物の組成を分析した。結果を表1に示す。
ル化無水リンゴ酸474g(3.0モル)と酢酸600
gとを仕込み、攪拌させながら50℃に加温し、徐々に
ヤシ由来アミン545g(2.85モル)を滴下させ
た。反応温度を70℃迄上げ、1時間攪拌した。反応溶
液から溶媒を留去し、NMRとHPLCとGCにて反応
物の組成を分析した。結果を表1に示す。
ル化無水リンゴ酸474g(3.0モル)と酢酸800
gとを仕込み、攪拌させながら50℃に加温し、徐々に
ステアリルアミン766g(2.85モル)を滴下させ
た。反応温度を70℃迄上げ、1時間攪拌した。反応溶
液から溶媒を留去し、NMRとHPLCとGCにて反応
物の組成を分析した。結果を表1に示す。
ル化無水リンゴ酸474g(3.0モル)と酢酸600
gとを仕込み、攪拌させながら50℃に加温し、徐々に
ラウリルアミン527g(2.85モル)を滴下させ
た。反応温度を110℃迄上げ、1時間攪拌した。反応
溶液から溶媒を留去し、NMRとHPLCとGCにて反
応物の組成を分析した。結果を表1に示す。
及び実施例1〜4で得られたものは、これに塩基で脱ア
セチル処理をした後、精製したものを用いた)を手に取
り、手洗いによってすすぎ性を評価した。すすぎ性の評
価基準は以下の通りである。結果を表2に示す。
製造方法は、高純度アセチル化無水リンゴ酸を原料とし
て使用して、穏和な条件下での第一アミン又は第二アミ
ンとの開環アミド化を経由することによって、特別な精
製を必要とせずに、不純物の少ないリンゴ酸モノアミド
類組成物を得ることができる。また、本発明の製造方法
によって得られる不純物が少ないリンゴ酸モノアミド類
組成物は、脱アセチル反応を経て目的とする製品へ導い
た際に、不純物によりリンゴ酸モノアミド類組成物の特
徴が弱まることが回避されることと、製品中で濁りを生
じる等の問題を起こす原因となるジアミドの含量が少な
いため、高い品質を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記の一般式(1)で表されるβ−体を
50重量%以上含有するリンゴ酸モノアミド類組成物。 【化1】 (式中、R1 は水素原子又はアセチル基を示し、R2 は
炭素数6〜24の炭化水素基を示し、R3 は水素原子又
は炭素数1〜18の炭化水素基を示し、Mは水素原子、
アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモ
ニウムイオン又は有機アンモニウムイオンを示す) - 【請求項2】 アセチル化無水リンゴ酸と、第一アミン
又は第二アミンとを反応させることを特徴とするリンゴ
酸モノアミド類組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20092998A JP3974709B2 (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | リンゴ酸モノアミド類組成物の製造方法 |
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---|---|---|---|
JP20092998A JP3974709B2 (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | リンゴ酸モノアミド類組成物の製造方法 |
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JP3974709B2 JP3974709B2 (ja) | 2007-09-12 |
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JP20092998A Expired - Fee Related JP3974709B2 (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | リンゴ酸モノアミド類組成物の製造方法 |
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---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1245650A2 (en) * | 2001-03-29 | 2002-10-02 | Air Products And Chemicals, Inc. | Low foam N,N'-dialkylmalamide wetting agents |
-
1998
- 1998-07-15 JP JP20092998A patent/JP3974709B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1245650A2 (en) * | 2001-03-29 | 2002-10-02 | Air Products And Chemicals, Inc. | Low foam N,N'-dialkylmalamide wetting agents |
EP1245650A3 (en) * | 2001-03-29 | 2003-11-05 | Air Products And Chemicals, Inc. | Low foam N,N'-dialkylmalamide wetting agents |
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