JP2000033959A - 閉鎖膜付チュ―ブ容器 - Google Patents

閉鎖膜付チュ―ブ容器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開孔の際に、手間を要しない閉鎖膜付チュー
ブ容器。 【解決手段】 キャップの天面に針体6を垂下し、かつ
内筒5の下端に、複数の羽根片7及び外筒8の内周面
に、係合溝8aを形成した閉鎖膜付チューブ容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、閉鎖膜付チュー
ブ容器に関し、さらに詳しくは、キャップを口部から外
さないで、キャップの回転操作のみで閉鎖膜を開孔する
ことができる閉鎖膜付チューブ容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、医薬品、化粧品、食料品等を収納
するチューブ容器には、口部に閉鎖膜を設けて、流通過
程において内容物を保護するものがある。このような閉
鎖膜付チューブ容器から内容物を取り出す場合は、キャ
ップの雌ネジ部と反対側に設けられた針体の先端を、閉
鎖膜に突き刺して閉鎖膜を破り、内容物を抽出してい
た。
【0003】このような従来の閉鎖膜付チューブ容器と
しては、図11及び図12に示すものがある。図中、5
0はチューブ本体であり、チューブ本体50の口部51
には閉鎖膜52が形成されている。そして、口部51に
螺合するキャップ53の雌ネジ部と天面54を介して反
対側に凹所55が形成され、この凹所55の中央部に針
体56が形成されている。この針体56で閉鎖膜52を
突き刺して破ることにより、チューブ本体50の口部5
1は開孔され、内容物の抽出が可能となる(図12参
照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな発明にあっては、以下に示す欠点がある。 (1)キャップ53を口部51から一旦取り外した後、
キャップ53を逆さにし、針体56の先端を下側に向け
て、閉鎖膜52を破らなければならないので、キャップ
を外し、かつ逆さにしなければならない煩わしさがあ
る。 (2)また、前記方式の閉鎖膜付チューブ容器にあって
は、閉鎖膜52を破る際に、針体56に内容物が付着す
るため、内容物が付着した状態で再度キャップを締めた
場合、針体56が上向きになり、美感を損なう欠点があ
る。 (3)従来、キャップの針体で、閉鎖膜を開孔した後、
再度キャップを取付けた場合において、閉鎖膜を開孔し
たか否かを、キャップ及びチューブ本体の外観から判断
することは不可能であった。
【0005】この発明は、このような従来の課題に着目
してなされたもので、口部からキャップを取り外して、
キャップを逆さにして閉鎖膜を開孔しなければならない
面倒を解消すると共に、キャップの美感を良好にし、さ
らには閉鎖膜を開孔したか否かを、外観から判断できる
閉鎖膜付チューブ容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するた
め、請求項1記載の発明に対応する手段は、閉鎖膜を有
するチューブ本体と、チューブ本体の口部に螺合される
キャップとから成る閉鎖膜付チューブ容器において、閉
鎖膜に相対向するキャップの内筒の天面に、針体が垂下
して形成されると共に、閉鎖膜を破る際に、キャップの
外筒を回転することにより、キャップの内筒及び針体が
螺合しながら下降して、内筒の下端に形成された複数の
羽根片が、外側に向けて折曲されると共に、該羽根片の
先端部が、キャップ外筒の係合溝に嵌合することを特徴
とする。
【0007】請求項2記載の発明に対応する手段は、閉
鎖膜付チューブ容器のチューブ本体の口部に、中栓体が
嵌合されると共に、この中栓体の外周に、針体、羽根片
及び嵌合溝を有するキャップが螺合されたことを特徴と
する。
【0008】請求項3記載の発明に対応する手段は、閉
鎖膜を有するチューブ本体と、チューブ本体の口部に螺
合されるキャップとから成る閉鎖膜付チューブ容器にお
いて、閉鎖膜に相対向するキャップの内筒の天面に、キ
ャップの外筒を回転することにより、キャップの内筒及
び針体が螺合しながら下降して閉鎖膜を破る、針体が垂
下して形成されたことを特徴とする。
【0009】
【実施の形態】図1〜図4は、この発明に係る第1の実
施形態を示す断面図である。チューブ本体1及び閉鎖膜
2は、アルミ等の金属材料又はポリエチレン等の合成樹
脂材料で造られると共に、キャップ3は、ポリエチレン
等の合成樹脂で造られている。この第1の実施形態の特
徴は、キャップ3の内筒5の内周面に形成された雌ネジ
に連続する天面に、チューブ本体1の口部4に形成され
た閉鎖膜2に相対向して、針体6が形成されると共に、
内筒5の雌ネジに連続する内筒5の下端には、図3に示
すようにスリット7aにより一定間隔毎に仕切られた複
数の羽根片7が形成されている点である。この羽根片7
は、本来過誤により、キャップ3の針体6によって、閉
鎖膜2が開孔されるのを防止するために、スペーサーと
しての機能を果たしている。そして、キャップ3の外筒
8の内周面には、羽根片7の先端部7bが係合するため
の係合溝8aが形成されている。この係合溝8aは、羽
根片7の先端部7bに対応して形成され、羽根片7が内
筒5の周囲に、部分的に形成されている場合は、係合溝
8aも同様に部分的に形成されてもよい。なお、針体6
は図面の実施形態において、尖鋭部6aが、片側に偏っ
て形成されているが、中央下部に形成されてもよい。
【0010】次に、図5は、第1の実施形態の他の実施
例を示すもので、第1の実施形態と構成が異なる点は、
突起6から上方に突き抜けて、ノズル9及びノズル通路
9aが形成されている点である。そして、このノズル9
には通路9aを閉鎖するノズルキャップ10が螺合され
ている。その他の構成は、第1の実施形態と同様であ
る。
【0011】さらに、図6は第2の実施形態を示すもの
で、この第2の実施形態の特徴は、キャップ3の内筒5
が、チューブ本体1の口部4に直接的に螺合されている
のではなく、口部4の外周に嵌合された中栓体20を介
して、この中栓体20に螺合されている点にある。すな
わち、口部4と中栓体20とは、図7に示すように、口
部4の外周に形成された複数の縦リブ4aが、中栓体2
0の内側に形成された複数の縦溝20aと軸方向で嵌合
しており、又図6に示すように、中栓体20の外周に形
成された雄ネジ20bと、キャップ3の内筒5に形成さ
れた雌ネジ5aとが螺合されている。
【0012】図8及び図9は、この発明に係る第3の実
施形態を示す断面図である。この第3の実施形態の特徴
は、キャップ12が外筒13及び内筒14から構成さ
れ、外筒13と内筒14とは、外筒13の内周面の略中
間と、内筒14の内周面の下端とが薄肉の連結片16に
より連結されると共に、内筒14の内周面に形成された
雌ネジに連続する天面に、チューブ本体10の口部17
の閉鎖膜11に相対向して、針体15が形成されている
点にある。そして、図8及び図9に示す針体15の中央
下部には、尖鋭部15aが形成されている。なお、図1
0に示す針体18は、尖鋭部18aが、片側に偏る様に
形成された場合における第3の実施形態の他の実施例を
示した断面図である。
【0013】次に、この発明の作用について説明する。
まず、第1の実施形態において、閉鎖膜2を開孔して口
部4を開孔する場合は、キャップ8を回転して、チュー
ブ本体1の口部4の雄ネジに沿って、内筒5を螺合しな
がら下降する。すると、針体6の尖鋭部6aも同様に回
転しながら下降し、図2に示す様に、閉鎖膜2の基部2
aから円弧を描く様に口部4が開孔される。又、開孔と
同時に、内筒5の下端に形成された複数の羽根片7が、
図2及び図4に示すように、内筒5の押圧作用により、
その先端部7bが、チューブ本体1の肩部のテーパーに
沿って、徐々に外側に折曲される。この羽根片7の折曲
により、過誤により閉鎖膜2が開孔されるスペーサーと
しての機能を完了する。そして、この先端部7bが係合
溝8aに嵌合することにより、閉鎖膜2が、針体6によ
り開孔されたことが確認できる。なお、先端部7bと係
合溝8aとの嵌合は、容易には外れない。閉鎖膜2が開
孔されない場合と比較して、図1に示す寸法H1だけ、
キャップ3がさらに口部4の雄ネジの下方にまで螺合す
るので、チューブ本体1の閉鎖膜2が開孔されているこ
とを、外観上容易に認識することができる。この第1の
実施形態において、例えば、16φのチューブ本体1の
口部4に螺合されたキャップ3の場合、開孔前と開孔後
とでは、H1=5mm〜8mmの差を容易に目視でき
た。
【0014】次に、第2の実施形態において、閉鎖膜2
を開孔して口部4を開ける場合は、第1の実施形態と同
様に、キャップ8を回転して、内筒5を中栓体20に螺
合しながら下降する。そして、針体6の尖鋭部6aで閉
鎖膜2が開孔される前は、羽根片7の先端部7bが、中
栓体20の肩部20dに当接しているので、中栓体20
の裾部20cが、キャップ3の下から容易に目視でき
る。そして、開孔と同時に、内筒5の下端に形成された
複数の羽根片7が、キャップ3の下降により押圧され、
中栓体20の肩部20dとの当接が解除されると共に、
羽根片7の先端部7bが、キャップ3の係合溝8aと嵌
合する。そして、中栓体20の裾部20cが、キャップ
3によって隠れてしまう。したがって、中栓体20の裾
部20cの見え、隠れによって、開孔の有無の判断が可
能となる。そして、この羽根片7の折曲により、過誤に
より閉鎖膜2が開孔されるスペーサーとしての機能を完
了する。
【0015】さらに、第3の実施形態において、閉鎖膜
11を開孔する場合は、キャップ12を回転して、チュ
ーブ本体10の口部17の雄ネジに沿って、内筒14を
螺合しながら下降する。すると、針体15の尖鋭部15
aは同様に回転しながら下降し、図9に示す様に、閉鎖
膜11の中央部が開孔される。閉鎖膜11が開孔された
場合、内筒14が口部17の雄ネジの下方に螺合しなが
ら、さらに下方向にまで移動するので、閉鎖膜11が開
孔されない場合と比較して、図8に示す寸法H2だけ、
キャップ12の内筒14が、さらに下方向にまで移動し
た状態で、口部17の雄ネジに螺合される。したがっ
て、チューブ本体1の閉鎖膜2が開孔されているか否か
を、外観上容易に認識することができる。なお、開孔方
法は、図9に示すように閉鎖膜11の中央部から開孔さ
れてもよく、図10に示すように閉鎖膜11の基部11
aから開孔されてもよい。この第3の実施形態において
は、25φのチューブ本体10の口部17に螺合された
キャップ12の内筒14の場合、開孔前と開孔後では、
H2=5mm〜8mmの差を容易に目視できた。
【0016】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、チューブ容器の口部を開孔する場合において、従
来のようにキャップを取外して、キャップを逆さにし
て、閉鎖膜を破らなければならない面倒を解消でき、又
美感の面において優れると共に、閉鎖膜を開孔したか否
かを、外観上容易に認識できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る第1の実施形態を示す断面図。
【図2】この発明に係る第1の実施形態において、針体
で閉鎖膜を開孔した状態を示す断面図。
【図3】図1のA−A線の断面を示す平面断面図。
【図4】図2のB−B線の断面を示す平面断面図。
【図5】この発明に係る第1の実施形態において、他の
実施例を示す断面図。
【図6】この発明に係る第2の実施形態において、針体
で閉鎖膜を開孔した状態を示す断面図。
【図7】図6のC−C線の断面を示す平面図。
【図8】この発明に係る第3の実施形態を示す断面図。
【図9】この発明に係る第3の実施形態において、針体
で閉鎖膜を開孔した状態を示す断面図。
【図10】この発明に係る第3の実施形態において、他
の実施例を示す断面図。
【図11】従来の閉鎖膜付チューブ容器を示す正面断面
図。
【図12】従来の閉鎖膜付チューブ容器において、閉鎖
膜を開孔している状態を示す断面図。
【符号の説明】
1 10 チューブ本体 2 11 閉鎖膜 3 12 キャップ 4 17 口部 5 14 内筒 6 15 18 針体 7 羽根片 7b 先端部 8 13 外筒 8a 係合溝 20 中栓体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉鎖膜を有するチューブ本体と、該チュ
    ーブ本体の口部に螺合されるキャップとから成る閉鎖膜
    付チューブ容器において、該閉鎖膜に相対向するキャッ
    プの内筒の天面に、針体が垂下して形成されると共に、
    閉鎖膜を破る際に、キャップの外筒を回転することによ
    り、キャップの内筒及び針体が螺合しながら下降して、
    内筒の下端に形成された複数の羽根片が、外側に向けて
    折曲されると共に、該羽根片の先端部が、キャップ外筒
    の係合溝に嵌合することを特徴とする閉鎖膜付チューブ
    容器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の閉鎖膜付チューブ容器に
    おいて、チューブ本体の口部に、中栓体が嵌合されると
    共に、該中栓体の外周に、前記針体、羽根片及び嵌合溝
    を有するキャップが螺合されたことを特徴とする閉鎖膜
    付チューブ容器。
  3. 【請求項3】 閉鎖膜を有するチューブ本体と、該チュ
    ーブ本体の口部に螺合されるキャップとから成る閉鎖膜
    付チューブ容器において、該閉鎖膜に相対向するキャッ
    プの内筒の天面に、キャップの外筒を回転することによ
    り、キャップの内筒及び針体が螺合しながら下降して閉
    鎖膜を破る、針体が垂下して形成されたことを特徴とす
    る閉鎖膜付チューブ容器。
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