JP2000031079A - Soi基板の製造方法 - Google Patents

Soi基板の製造方法

Info

Publication number
JP2000031079A
JP2000031079A JP10201962A JP20196298A JP2000031079A JP 2000031079 A JP2000031079 A JP 2000031079A JP 10201962 A JP10201962 A JP 10201962A JP 20196298 A JP20196298 A JP 20196298A JP 2000031079 A JP2000031079 A JP 2000031079A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ions
substrate
kev
acceleration energy
silicon substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10201962A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Endo
昭彦 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP10201962A priority Critical patent/JP2000031079A/ja
Publication of JP2000031079A publication Critical patent/JP2000031079A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Element Separation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間熱処理を行うことなくより低いコストで
SOI基板を製造することができるSOI基板の製造方
法を提供する。 【解決手段】 シリコン基板にHイオン又はHeイオン
を、加速エネルギが5keV以上40keV未満で注入
した後、該シリコン基板を略500℃に昇温し、それに
Oイオンを、加速エネルギが30keV以上180ke
V以下で注入し、イオン注入層2を形成する。このシリ
コン基板を、1000℃以上1400℃以下の温度で適
宜時間だけ熱処理することによって、複数のボイド6,
6,…を含むイオン注入遷移層3を生成し、ボイド6,
6,…をSiO2 相の不均質核として埋め込み酸化層4
及び表面シリコン層5を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁層の上に単結
晶のシリコン層、所謂表面シリコン層を形成したSOI
(Silicon On Insulator)基板を製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】SOI基板は、表面シリコン層に形成す
る複数の半導体素子の間を電気的に分離することができ
るため、従来のシリコン基板に比べて、半導体素子を高
集積化することができると共に、信頼性を向上させるこ
とができるため、ULSI又はVLSI用の基板に用い
られている。
【0003】従来よりSOI基板を製造するには、質量
分析器で離別したイオンに電圧を印加して加速するイオ
ン注入装置によって、単結晶のシリコン基板に酸素イオ
ンを注入した後に熱処理を施し、シリコン基板の適宜深
さの位置に絶縁層である埋め込み酸化層(SiO2 層)
を形成するSIMOX(Separation by Implantaion
of Oxygen )法、又は、イオン注入装置に代えて、
例えばECRプラズマ処理装置を用いてシリコン基板に
酸素イオンを注入した後に熱処理を施すSPIMOX
(Separation by Plasma Implantaion of Oxyge
n )法等によって行っていた。
【0004】前述したSIMOX法では、シリコン基板
の表面から酸素イオンを注入するため、表面シリコン層
の平坦度は、埋め込み酸化層を形成する前のシリコン基
板の表面の平坦度と同程度に優れている。しかし、酸素
イオンを注入する際に、表面シリコン層に結晶欠陥が導
入されてその結晶性が劣化するため、イオン注入後に13
00℃程度の熱処理を行うことによって表面シリコン層の
結晶性を改善していたが、熱処理中に、埋め込み酸化層
の成長に伴って格子間シリコンが表面シリコン層に導入
され、表面シリコン層に転位が生じてSOI特性が低下
するという問題があった。
【0005】また、熱処理によって形成される埋め込み
酸化層の厚さを均一にすると共に埋め込み酸化層と表面
シリコン層との界面の平坦度を向上させるためには、イ
オンの加速エネルギ及びイオンの注入量によって定まる
イオン分布に応じて、熱処理の最高温度及び昇温速度と
いった熱処理パターンを適正化しなければならず、熱処
理パターンの適正化に多くの手間を要するという問題も
あった。
【0006】一方、前述したSPIMOX法では、シリ
コン基板の略全表面に同時的にイオンを注入することが
できるため、SIMOX法に比べてスループットが向上
し、従って製造コストを低減することができる。しか
し、イオンの注入に用いるプラズマ処理装置は、注入す
べきイオン種を離別することができないので、種々の酸
素イオン(O+ ,O2 + 及びO++等)がシリコン基板に
注入される。注入された酸素原子の分布は、各酸素イオ
ン種の分布を重ね合わせたものとなり、酸素原子を所要
の分布にすることが困難である。従って、SOI基板中
の埋め込み酸化層の厚さの均一性、及び埋め込み酸化層
と表面シリコン層との界面の平坦度が低いという問題が
あった。
【0007】そのため、特開平 8−321594号公報には次
のような製造方法が開示されている。シリコン基板にH
eイオン又はHイオンを、ドーズ量が1×1016/cm
2 〜5×1017/cm2 で、加速エネルギが40keV
〜200keVの条件で注入することによって、シリコ
ン基板の内部にイオン注入損傷領域を形成する。イオン
注入損傷領域では、Heイオン又はHイオンの注入によ
って、格子位置のシリコン原子が放出されて格子間シリ
コン原子が生成されている。
【0008】この基板を100濃度%に近い高酸素濃度
の酸化性雰囲気中で、1000〜1400℃の熱処理を
施して埋め込み酸化層を生成する。熱処理によって、シ
リコン基板に注入したHeイオン又はHイオンを雰囲気
中へ外方拡散させることによってイオン注入損傷領域に
空孔を生成させると共に、シリコン基板中へ酸素原子を
内方拡散させる。シリコン基板内へ拡散した酸素原子
は、前述した空孔の存在によってイオン注入損傷領域の
位置で優先的にSiOX を形成するため、イオン注入損
傷領域を中心とする適宜の領域に埋め込み酸化層が生成
される。
【0009】また、前記公報には次のような製造方法も
開示されている。Heイオン又はHイオンを前同様にし
て注入したシリコン基板を800℃〜1400℃の温度
でアニール処理することによって、注入したHeイオン
又はHイオンを雰囲気中へ外方拡散させてイオン注入損
傷領域に空孔を生成させる。この基板に酸素イオンを、
ドーズ量が1017/cm2 のオーダで、加速エネルギが
40keV〜180keV程度の条件で注入した後、酸
素が1濃度%であり、アルゴンが99濃度%である雰囲
気中で1000〜1400℃の熱処理を施すことによっ
て、注入した酸素イオンでシリコンを酸化して埋め込み
酸化層を生成する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】特開平 8−321594号公
報に記載された2つの製造方法の内の前者の方法にあっ
ては、熱処理中に埋め込み酸化層の成長に伴って生成さ
れる格子間シリコンは、イオン注入損傷領域の空孔によ
って捕獲されるため、表面シリコン層における転位の発
生を可及的に低減することができる。また、拡散によっ
て酸素原子を基板内へ導入するため、埋め込み酸化層を
均一に生成することができる。
【0011】しかし、熱処理に長時間を要するため、ス
ループットが低いという問題があった。また、拡散によ
って酸素原子を基板内へ導入するため、埋め込み酸化層
と表面シリコン層との界面が不明確であり、埋め込み酸
化層及び表面シリコン層を所要の厚さに調整することが
困難であった。
【0012】また、特開平 8−321594号公報に記載され
た後者の方法にあっては、酸素イオンを基板に注入する
ため、酸素原子を基板内に拡散させる場合に比べて、操
作に要する時間が短いものの、Heイオン又はHイオン
の注入操作と酸素イオンの注入操作との間に、中間熱処
理であるアニール処理を基板に施して空孔を生成しなけ
ればならない。アニール処理には比較的長時間を要する
ため、スループットが低く、従ってSOI基板の製造コ
ストが高いという問題があった。
【0013】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは中間熱処理を行うこ
となくより低いコストでSOI基板を製造することがで
きるSOI基板の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1発明に係るSOI基
板の製造方法は、Hイオン又はHeイオンとOイオンと
をシリコン基板に注入し、また、シリコン基板に熱処理
を施すことによってSOI基板を製造する方法におい
て、シリコン基板に注入されたHイオン又はHeイオン
の深さと、Oイオンの深さとが略等しくなるHイオン又
はHeイオンの加速エネルギ及びOイオンの加速エネル
ギで、対応するイオンをシリコン基板にそれぞれ注入す
ることを特徴とする。
【0015】第2発明に係るSOI基板の製造方法は、
第1発明において、Hイオン又はHeイオンの加速エネ
ルギは、5keV以上40keV以下に定めることを特
徴とする。
【0016】第3発明に係るSOI基板の製造方法は、
第1又は第2発明において、Oイオンの加速エネルギ
は、30keV以上180keV以下に定めることを特
徴とする。
【0017】第4発明に係るSOI基板の製造方法は、
第1乃至第3発明の何れかにおいて、Hイオン又はHe
イオンとOイオンとの何れか一方のイオンをシリコン基
板に注入した後に、他方のイオンをシリコン基板に注入
し、その後、シリコン基板を1000℃以上1400℃
以下の温度で熱処理することを特徴とする。
【0018】本発明者らが鋭意検討した結果、シリコン
基板に注入したHeイオン又はHイオンの注入深さ(投
影飛程距離Rp)と、酸素イオンの注入深さとを略等し
くなした場合、SOI基板の品質を損なうことなく、H
eイオン又はHイオンの注入操作と酸素イオンの注入操
作との間の中間熱処理を省略することができるという知
見を得、前述した問題を解決するに到った。
【0019】図2は、Hイオン、Heイオン及びOイオ
ンをシリコン基板に注入するときの加速エネルギと、注
入深さとの関係を示すグラフであり、横軸は加速エネル
ギを、縦軸は注入深さをそれぞれ示している。図2から
明らかな如く、Hイオン/Heイオンの加速エネルギと
Oイオンの加速エネルギとを適宜に定めることによっ
て、例えば、Hイオンの加速エネルギを略20keV又
はHeイオンの加速エネルギを略35keVにし、Oイ
オンの加速エネルギを150keVにすることによっ
て、Hイオン/Heイオンの注入深さとOイオンの注入
深さとを略一致させることができる。
【0020】Hイオン又はHeイオンの加速エネルギは
5keV以上40keV未満に定める。Hイオン又はH
eイオンの加速エネルギを5keV未満に定めた場合、
イオン注入操作に伴って、シリコン基板の表面がHイオ
ン又はHeイオンによってスパッタリングされるため損
傷する。一方、Hイオン又はHeイオンの加速エネルギ
を40keV以上に定めた場合、Hイオン又はHeイオ
ンの注入深さの位置にOイオンを注入すべく、Oイオン
を高い加速エネルギで注入しなければならず、それによ
ってシリコン基板の表面が損傷する。
【0021】また、Oイオンの加速エネルギは、30k
eV以上180keV以下に定めることによってシリコ
ン基板の表面に損傷を与えることなく、所要の深さの領
域に高密度に注入することができる。Oイオンの加速エ
ネルギを30keV未満に定めた場合、Oイオンの注入
深さが浅く、SOI基板にデバイスを作成するために必
要な厚さの表面シリコン層が得られない。また、180
keVを越える値に定めた場合、シリコン基板の表面に
損傷を与える虞があると共に、シリコン基板に注入する
Hイオン又はHeイオンの深さとOイオンの深さとを略
等しくすることが困難である。
【0022】(Hイオン/Heイオン)又はOイオンの
何れか一方のイオンを、前述した如く定めた加速エネル
ギでシリコン基板に注入した後、他方のイオンを対応す
る加速エネルギで注入することによって、略等しい注入
深さに(Hイオン/Heイオン)及びOイオンを分布さ
せる。そして、この基板を1000℃以上1400℃以
下の温度で熱処理する。
【0023】熱処理中、Hイオン/HeイオンがH原子
/He原子として凝集して空孔(ボイド)核が生成さ
れ、H原子/He原子が基板から外方拡散することによ
ってボイド領域が形成される第1プロセスと、O原子と
Si原子とが結合してSiO2核が生成され、生成され
たSiO2 核が成長して埋め込み酸化層が形成される第
2プロセスとが並行して進行する。
【0024】前述した第1プロセスの進行速度は第2プ
ロセスの進行速度よりわずかに速く、SiO2 核の成長
によって放出される格子間シリコンは、ボイド領域に即
座に捕獲されるため、表面シリコン層に転位が発生する
ことが抑制される。また、前述したボイド領域は埋め込
み酸化層となるSiO2 相の不均質核として作用するた
め、埋め込み酸化層は、ボイド領域を中心に均一な厚さ
で形成され、埋め込み酸化層と表面シリコン層との界面
の平坦度も高い。
【0025】ところで、特開平 8−321594号公報に記載
された方法にあっては、シリコン基板にHeイオン又は
Hイオンを、加速エネルギが40keV〜200keV
で注入し、酸素イオンを、加速エネルギが40keV〜
180keVの条件で注入しているため、Heイオンの
注入深さは略0.5μm以上であり、Hイオンの注入深
さは略0.6μm以上であるが、酸素イオンの注入深さ
は略0.1μm以上略0.5μm未満である。従って、
Heイオン又はHイオンの注入深さと、酸素イオンの注
入深さとは一致していない。そのため、放出された格子
間シリコンがボイド領域に捕獲される割合が低く、表面
シリコン層の転位を低減することに限界があった。ま
た、ボイド領域がSiO2 相の不均質核として作用し難
いため、埋め込み酸化層の均一性及び埋め込み酸化層と
表面シリコン層との界面の平坦度が低い。
【0026】本発明にあっては、(Hイオン/Heイオ
ン)又はOイオンの何れか一方のイオンをシリコン基板
に注入した後に、続いて、他方のイオンを注入し、その
後、シリコン基板を熱処理することによって、中間熱処
理を行うことなく高品質のSOI基板を低い製造コスト
で製造することができる。また、(Hイオン/Heイオ
ン)及びOイオンを注入する順番を適宜に選択すること
ができるため、製造プロセスの変更にも適応することが
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて具体的に説明する。図1は本発明に係るSO
I基板の製造手順を説明する説明図である。図1(1)
に示した如く、シリコン基板にHイオン又はHeイオン
を、ドーズ量が略10 16/cm2 のオーダ、加速エネル
ギが5keV以上40keV未満の条件で注入した後、
該シリコン基板を略500℃に昇温し、それにOイオン
を、ドーズ量が略1017/cm2 のオーダ、加速エネル
ギが30keV以上180keV以下、好ましくは40
keV以上180keV以下の条件で注入し、イオン注
入層2を形成する。
【0028】又は、Oイオンをシリコン基板に、前同様
の条件で注入した後、Hイオン又はHeイオンを前記シ
リコン基板に、前同様の条件で注入する。このとき、H
イオン又はHeイオンと、Oイオンとが略等しい入深さ
になるように、Hイオン又はHeイオンの加速エネル
ギ、及びOイオンの加速エネルギを図2に基づいて定め
ておく。
【0029】なお、Oイオンの加速エネルギを30ke
Vに定めた場合、Hイオン又はHeイオンの加速エネル
ギは5keVに定める。これによって、Oイオンの注入
深さと、Hイオン又はHeイオンの注入深さとを略等し
くなすことができる。また、Oイオンの加速エネルギを
40keVに定め、Hイオン又はHeイオンの加速エネ
ルギは5keVに定めた場合、Oイオンの注入深さと、
Hイオン又はHeイオンの注入深さとを一致させること
ができる。
【0030】両イオンを注入したシリコン基板を、10
00℃以上1400℃以下の温度で適宜時間だけ熱処理
することによって、熱処理の初期にあっては、図1
(2)に示した如く、イオン注入層2からHイオン又は
Heイオンをシリコン基板1から外方拡散させて、複数
のボイド6,6,…を含むイオン注入遷移層3を生成す
る。そして、熱処理の中期及び後期に、図1(2)に示
した如く、ボイド6,6,…をSiO2 相の不均質核と
して埋め込み酸化層4及び表面シリコン層5を形成す
る。
【0031】このとき、埋め込み酸化層4の形成によっ
て放出される格子間シリコンは、ボイド6,6,…に即
座に捕獲されるため、表面シリコン層5に転位が発生す
ることが抑制される。また、埋め込み酸化層4は、ボイ
ド6,6,…を中心に均一な厚さで形成され、埋め込み
酸化層と表面シリコン層との界面の平坦度も高い。更
に、Hイオン又はHeイオンとOイオンとを注入する順
番を適宜に選択することができるため、該製造プロセス
の変更にも適応することができる。
【0032】
【実施例】次に比較試験を行った結果について説明す
る。次の表1は、SIMOX法に、本発明方法を適用し
て製造したSOI基板(本発明例)、Oイオンのみを注
入する従来方法を適用して製造したSOI基板(第1従
来例)、及び、Heイオンを40keV以上の加速エネ
ルギで注入した後、中間熱処理を行い、その後にOイオ
ン注入する従来方法を適用して製造したSOI基板(第
2従来例)について、埋め込み酸化層の厚さのバラツ
キ、及び表面シリコン層に生成された転位密度を測定し
た結果を示すものである。
【0033】
【表1】
【0034】本発明例では、ビームライン方式のイオン
注入装置を用いて、直径が4インチのP型シリコン基板
に、Hイオン又はHeイオンを、ドーズ量が3×1016
/cm2 であり、加速エネルギが表1に示した各値の条
件で注入した後、該基板を500℃に昇温し、その基板
にOイオンを、ドーズ量が3×1017/cm2 であり、
加速エネルギが150keV又は60keVの条件で注
入した。そして、基板を、アルゴンが99濃度%であ
り、酸素が1%である雰囲気中、1350℃で4時間熱
処理することによってSOI基板を製造した。
【0035】また、比較例として、Hイオン又はHeイ
オンをシリコン基板に、加速エネルギが40keV(比
較例1及び2)又は3keV(比較例3及び4)で注入
する以外は、前同様の操作を行ってSOI基板を製造し
た。
【0036】一方、第1従来例では、Hイオン又はHe
イオンを注入することなく、シリコン基板にOイオン
を、ドーズ量が3×1017/cm2 であり、加速エネル
ギが150keV又は60keVの条件で注入した。そ
して、基板を、アルゴンが99濃度%であり、酸素が1
%である雰囲気中、1350℃で4時間熱処理すること
によってSOI基板を製造した。
【0037】また、第2従来例では、Heイオンを、ド
ーズ量が3×1016/cm2 であり、加速エネルギが4
0keVの条件で注入した後、該基板に10-2Torr
のオーダの減圧下、1000℃で1時間の中間熱処理を
施し、その後、該基板を500℃になし、その基板にO
イオンを、ドーズ量が3×1017/cm2 であり、加速
エネルギが150keVの条件で注入した。そして、基
板を、アルゴンが99濃度%であり、酸素が1%である
雰囲気中、1350℃で4時間熱処理することによって
SOI基板を製造した。
【0038】これらのSOI基板を縦断し、TEM観察
によって埋め込み酸化層の厚さを測定し、そのバラツキ
を次式によって求めた。また、各SOI基板をSecc
o(HF(100cc)+K2 Cr2 7 の0.15モ
ル水溶液(50cc)の混合液)でエッチングした後、
光学顕微鏡によって表面シリコン層の転位密度を測定し
た。 厚さのバラツキ=(1−最小厚さ/最大厚さ)×100
【0039】表1から明らかな如く、本発明例にあって
は何れの場合にも、埋め込み酸化層の厚さのバラツキが
小さく、表面シリコン層の転位密度が102 〜104
cm 2 のオーダであった。なお、Hイオン又はHeイオ
ンの注入深さと、Oイオンの注入深さとの差を低減する
に従って、表面シリコン層の転位密度が低減しており、
最大で102 /cm2 のオーダまで低減することができ
た。
【0040】これに対し、比較例では、埋め込み酸化層
の厚さのバラツキは比較的小さいものの、表面シリコン
層の転位密度が105 /cm2 を越えるオーダであっ
た。一方、第1従来例では、埋め込み酸化層の厚さのバ
ラツキが大きく、表面シリコン層の転位密度も105
cm2 を越えるオーダであった。また、第2従来例で
は、埋め込み酸化層の厚さのバラツキが大きく、表面シ
リコン層の転位密度も10 4 /cm2 程度オーダと比較
的多いものであった。
【0041】また、次の表2は、SPIMOX法に、本
発明方法を適用して製造したSOI基板(本発明例)、
及びOイオンのみを注入する従来方法を適用して製造し
たSOI基板(第1従来例)について、埋め込み酸化層
の厚さのバラツキ、及び表面シリコン層に生成された転
位密度を測定した結果を示すものである。
【0042】
【表2】
【0043】本発明例では、ビームライン方式のイオン
注入装置に代えて、ECRプラズマ処理装置を用い、直
径が4インチのP型シリコン基板に、Heイオンを、ド
ーズ量が5×1016/cm2 であり、加速エネルギが表
2に示した各値の条件で注入した後、該基板を500℃
に昇温し、その基板にOイオンを、ドーズ量が3×10
17/cm2 であり、加速エネルギが60keVの条件で
注入した。そして、基板を、アルゴンが99濃度%であ
り、酸素が1%である雰囲気中、1350℃で4時間熱
処理することによってSOI基板を製造した。
【0044】また、比較例として、Heイオンをシリコ
ン基板に、加速エネルギが40keVで注入する以外
は、前同様の操作を行ってSOI基板を製造した。一
方、第1従来例では、Heイオンを注入することなく、
シリコン基板にOイオンを、ドーズ量が5×1017/c
2 であり、加速エネルギが60keVの条件で注入し
た。そして、基板を、アルゴンが99濃度%であり、酸
素が1%である雰囲気中、1350℃で4時間熱処理す
ることによってSOI基板を製造した。
【0045】表2から明らかな如く、本発明例にあって
は何れの場合にも、埋め込み酸化層の厚さのバラツキが
小さく、表面シリコン層の転位密度が103 又は104
/cm2 のオーダであった。また、Heイオンの注入深
さと、Oイオンの注入深さとの差を低減するに従って、
表面シリコン層の転位密度が低減していた。これに対
し、比較例及び第1従来例では、埋め込み酸化層の厚さ
のバラツキが大きく、表面シリコン層の転位密度も10
5 /cm2 を越えるオーダであった。
【0046】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明にあっては、
中間熱処理を行うことなく高品質のSOI基板を低い製
造コストで製造することができる。また、Hイオン又は
HeイオンとOイオンとを注入する順番を適宜に選択す
ることができるため、製造プロセスの変更にも適応する
ことができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るSOI基板の製造手順を説明する
説明図である。
【図2】Hイオン、Heイオン及びOイオンをシリコン
基板に注入するときの加速エネルギと、注入深さとの関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 イオン注入層 4 埋め込み酸化層 5 表面シリコン層 6 ボイド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Hイオン又はHeイオンとOイオンとを
    シリコン基板に注入し、また、シリコン基板に熱処理を
    施すことによってSOI基板を製造する方法において、 シリコン基板に注入されたHイオン又はHeイオンの深
    さと、Oイオンの深さとが略等しくなるHイオン又はH
    eイオンの加速エネルギ及びOイオンの加速エネルギ
    で、対応するイオンをシリコン基板にそれぞれ注入する
    ことを特徴とするSOI基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 Hイオン又はHeイオンの加速エネルギ
    は、5keV以上40keV未満に定める請求項1記載
    のSOI基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 Oイオンの加速エネルギは、30keV
    以上180keV以下に定める請求項1又は2記載のS
    OI基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 Hイオン又はHeイオンとOイオンとの
    何れか一方のイオンをシリコン基板に注入した後に、他
    方のイオンをシリコン基板に注入し、その後、シリコン
    基板を1000℃以上1400℃以下の温度で熱処理す
    る請求項1乃至3の何れかに記載のSOI基板の製造方
    法。
JP10201962A 1998-07-16 1998-07-16 Soi基板の製造方法 Pending JP2000031079A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10201962A JP2000031079A (ja) 1998-07-16 1998-07-16 Soi基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10201962A JP2000031079A (ja) 1998-07-16 1998-07-16 Soi基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000031079A true JP2000031079A (ja) 2000-01-28

Family

ID=16449659

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10201962A Pending JP2000031079A (ja) 1998-07-16 1998-07-16 Soi基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000031079A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004235253A (ja) * 2003-01-28 2004-08-19 Fujitsu Ltd 半導体基板の製造方法
JP2005217191A (ja) * 2004-01-29 2005-08-11 Sumitomo Mitsubishi Silicon Corp 貼り合わせ基板の製造方法
JP2007281316A (ja) * 2006-04-11 2007-10-25 Sumco Corp Simoxウェーハの製造方法
CN101901780A (zh) * 2010-06-25 2010-12-01 上海新傲科技股份有限公司 一种绝缘体上锗硅和应变硅材料的制备方法
RU2581443C1 (ru) * 2015-03-30 2016-04-20 Федеральное государственное бюджетное учреждение "Национальный исследовательский центр "Курчатовский институт" Структура полупроводник-на-изоляторе и способ ее получения

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004235253A (ja) * 2003-01-28 2004-08-19 Fujitsu Ltd 半導体基板の製造方法
JP4531339B2 (ja) * 2003-01-28 2010-08-25 富士通セミコンダクター株式会社 半導体基板の製造方法
JP2005217191A (ja) * 2004-01-29 2005-08-11 Sumitomo Mitsubishi Silicon Corp 貼り合わせ基板の製造方法
JP4539098B2 (ja) * 2004-01-29 2010-09-08 株式会社Sumco 貼り合わせ基板の製造方法
JP2007281316A (ja) * 2006-04-11 2007-10-25 Sumco Corp Simoxウェーハの製造方法
CN101901780A (zh) * 2010-06-25 2010-12-01 上海新傲科技股份有限公司 一种绝缘体上锗硅和应变硅材料的制备方法
RU2581443C1 (ru) * 2015-03-30 2016-04-20 Федеральное государственное бюджетное учреждение "Национальный исследовательский центр "Курчатовский институт" Структура полупроводник-на-изоляторе и способ ее получения

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6593173B1 (en) Low defect density, thin-layer, SOI substrates
US5589407A (en) Method of treating silicon to obtain thin, buried insulating layer
JP4928932B2 (ja) 複合材料ウェハの製造方法および使用済みドナー基板のリサイクル方法
JP4817342B2 (ja) Soiタイプのウェハの製造方法
KR100199125B1 (ko) 반도체 기판의 제조방법 및 그 제조장치
US7947571B2 (en) Method for fabricating a semiconductor on insulator substrate with reduced Secco defect density
KR100878734B1 (ko) Simox 웨이퍼의 제조 방법
US7910463B2 (en) Method of producing SIMOX wafer
US7560363B2 (en) Manufacturing method for SIMOX substrate
US6548379B1 (en) SOI substrate and method for manufacturing the same
US20080251879A1 (en) Method for Manufacturing Simox Substrate and Simox Substrate Obtained by this Method
JP2000031079A (ja) Soi基板の製造方法
JPH10223551A (ja) Soi基板の製造方法
JPH04264724A (ja) 半導体基板の製造方法
JP5374805B2 (ja) Simoxウェーハの製造方法
JPH0846161A (ja) Soi基板及びその製造方法
JPH0319218A (ja) Soi基板の作成方法及び作成装置
JP4370647B2 (ja) Simox基板及びその製造方法
JPH1197377A (ja) Soi基板の製造方法
JP2002231651A (ja) Simox基板およびその製造方法
JP2010027731A (ja) Simoxウェーハの製造方法及びsimoxウェーハ
JP2685384B2 (ja) 半導体基板の製造法
JP2861617B2 (ja) Lsi用基板の製造方法
JP2003289051A (ja) Simox基板およびその製造方法
JPH09116126A (ja) Simoxウエハーおよびその製造方法