JP2000030673A - 電池及びその電池缶の製造方法 - Google Patents

電池及びその電池缶の製造方法

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JP2000030673A JP10192893A JP19289398A JP2000030673A JP 2000030673 A JP2000030673 A JP 2000030673A JP 10192893 A JP10192893 A JP 10192893A JP 19289398 A JP19289398 A JP 19289398A JP 2000030673 A JP2000030673 A JP 2000030673A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池缶の薄肉化及び軽量化により体積エネル
ギー密度及び重量エネルギー密度を向上させた電池を提
供する。 【解決手段】 アルミニウム系材料と鉄系材料とを接合
したクラッド材をDI工法により底面厚さ/側周面厚さ
比1.2〜5.0の有底筒状に形成した電池缶6内に発
電要素を収容して電池を構成する。アルミニウム系材料
により軽量化を図ると共に、アルミニウム系材料の耐圧
強度の低さを鉄系材料の剛性により補うことができるの
で、電池缶の側周面を薄肉化することができ、電池缶内
容積の増加により発電要素の収容量が増し、電池の体積
エネルギー密度及び重量エネルギー密度を向上させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池缶の構造を改
良することにより電池の体積エネルギー密度及び重量エ
ネルギー密度を向上させた電池及びその電池缶の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電池を使用する機器、特に携帯電話等の
携帯機器の小型化、軽量化の進展に伴って電池のエネル
ギー密度の向上が要求されている。外形サイズが規格化
されている電池にあっては、同一規格サイズであって
も、より高エネルギー密度で、より軽量であることが望
まれている。電池のエネルギー密度を示す指標として、
電池の小型化の指標となる体積エネルギー密度(Wh/
l)と、電池の軽量化の指標となる重量エネルギー密度
(Wh/kg)とが用いられている。電池のエネルギー
密度を決定する重要な要素は、正極及び負極の活物質や
電解質等により構成される発電要素であるが、この発電
要素を収容する電池缶が前記体積エネルギー密度及び重
量エネルギー密度の向上に寄与する度合いも少なくな
い。即ち、電池缶の肉厚を薄く形成することによって外
形寸法が規格化されている電池缶の容積の増加を図るこ
とができ、発電要素の収容量の増加から電池全体として
の体積エネルギー密度が向上する。また、電池缶の重量
の軽減により電池全体としての重量が減少し、重量エネ
ルギー密度の向上を図ることができる。電池缶が電池全
体の重量に占める重量比率は、現状ではニッケル水素蓄
電池やリチウムイオン二次電池において、円筒形電池の
場合で10〜20wt%である。角形電池の場合では耐
圧強度を得るために電池缶の肉厚を増加させる必要があ
るので30〜40wt%である。この重量比率を軽減さ
せることによって重量エネルギー密度の向上を図ること
ができる。
【0003】電池缶の薄肉化や軽量化を図るために、電
池缶としての使用材料や加工技術に様々の改良がなされ
ており、角形のリチウムイオン二次電池では電池缶材料
にアルミニウムもしくはアルミニウム合金を用いること
により前記重量比率を20〜30wt%に低減すること
が可能となっている。また、電池缶を有底筒状に加工す
る製造方法として、例えば特公平7−99688号公報
に記載されるように、絞り加工とシゴキ加工とを併用す
るDI(Drawing and Ironing)工
法が用いられ、製造工程の削減による生産性の向上だけ
でなく、より薄肉化が可能となり、アルミキルド鋼(S
PCE材)を用いた場合では、電池の体積エネルギー密
度を2〜5%向上させるまでに至っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電池の
信頼性や安全性を確保するためには電池缶の強度保持は
不可欠な要素であり、強度を犠牲にしてエネルギー密度
の向上を図ることはできない。一次電池の場合において
は長期保存での容量確保や漏液防止あるいは安定した放
電特性を得るために、二次電池においては一次電池に要
求される要素に加えて充放電のサイクル寿命や安全性あ
るいは電池内部圧力の上昇による膨れ変形に対応できる
強度を保持している必要がある。また、電池はその種類
によって使用する電解液の種類が異なるため、電池缶と
して使用する材質は電解液に対する耐食性を有するもの
であることが必要で、電池缶の形成素材を安易に選定す
ることはできない。
【0005】従って、強度を確保しつつエネルギー密度
の向上を図るためには、強度が高く軽い材料で尚且つ耐
食性に優れた材料が必要となるが、この要求を満たす素
材の開発はなされていない。現在電池缶として使用され
ている材料として、アルミキルド鋼等の鉄系材料と、ア
ルミニウム合金等のアルミニウム系材料とがあるが、い
ずれの場合も電池缶としては一長一短である。即ち、前
記アルミキルド鋼はヤング率が約20000kgf/m
2 であるため電池缶の薄肉化を達成することができ、
体積エネルギー密度の向上を図ることはできるが、その
比重が約7.8であるため電池缶の重量増加をまねき、
重量エネルギー密度を向上させることはできない。一
方、前記アルミニウム合金の場合は、その比重は約2.
7であるが、ヤング率は約7000kgf/mm2 であ
るため、軽量化に寄与できるものの剛性が劣るため、電
池缶としての強度を得るには肉厚に形成する必要があ
り、体積エネルギー密度が低下し、重量エネルギー密度
の点でもその軽量さを生かすことができない。
【0006】そこで、鉄系材料及びアルミニウム系材料
それぞれの特質を生かすために、これらをクラッド材に
形成した材料を電池缶として使用する試みがなされてお
り、ボタン形電池の電池缶として、高さの低い偏平円筒
状に形成したものが特開平1−294350号公報に開
示されている。しかし、円筒形あるいは角筒形等の高さ
寸法を大きくして電池容量を増加させた有底筒状に形成
した電池缶を実現するに至っていない状況にある。
【0007】本発明の目的とするところは、電池缶の薄
肉化及び軽量化を図ることにより電池の体積エネルギー
密度及び重量エネルギー密度を向上させることができる
電池及びその電池缶の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本願の第1発明は、発電要素を有底筒状に形成された
電池缶に収容してなる電池において、前記電池缶がアル
ミニウムもしくはアルミニウムを主体とする合金により
形成された第1の層と、鉄もしくは鉄を主体とする合金
により形成された第2の層とを備えたクラッド材によ
り、底面厚さ/側周面厚さ比が1.2〜5.0となるよ
うに形成されてなることを特徴とする。
【0009】上記構成によれば、発電要素を収容する電
池缶がアルミニウム系材料及び鉄系材料を接合したクラ
ッド材により形成されているので、異種金属それぞれの
特質を生かして電池缶が形成され、電池性能の向上を図
ることができる。即ち、アルミニウム系材料は軽量であ
るが電池缶としての強度を得るには肉厚に形成しなけれ
ばならず、軽量である特質を生かすことができない課題
を鉄系材料の剛性によって補うことができるので、肉厚
を薄くして軽量な電池缶を形成することができる。この
電池缶の薄肉化により電池缶容積が増加して発電要素の
収容量が増し、電池の体積エネルギー密度が向上すると
同時に、軽量化により重量エネルギー密度の向上を図る
ことができる。また、クラッド材を側周面の高さ寸法が
底面径より大きい有底筒状に製缶するとき、重量比率が
大きい側周面を薄く形成すると軽量化に有効であり、D
I工法により底面厚さ/側周面厚さ比が1.2〜5.0
となるように製缶することができる。また、アルミニウ
ム系材料と鉄系材料とでは熱膨張係数が異なるため、こ
の電池缶を二次電池に適用したような場合に、充電時の
温度上昇に伴う内圧の上昇により電池缶に膨れ変形が生
じるのを抑える方向に曲げ応力が作用し、膨れ変形を抑
制するので側周面を薄く形成しても所要の変形強度を保
持することができる。
【0010】上記構成における第1の層は、アルミニウ
ムに0.5〜2.5wt%のマンガンを含有させたアル
ミニウム合金により形成することによって、製缶性が良
好となり、電池缶に対する溶接性もよくなる。
【0011】また、第2の層は、炭素の含有量が0.1
wt%以下の冷間圧延用炭素鋼とすることによって、D
I加工時のシゴキ加工が円滑になされ、製缶性が良好と
なるため電池缶の不良による電池不良をなくすことがで
きる。
【0012】また、第2の層は、炭素の含有量が0.1
wt%以下で、チタン及びニオブの少なくとも1つの含
有量が0.1wt%以下の冷間圧延用炭素鋼とすること
によって製缶の加工性を向上させることができる。
【0013】また、第2の層は、SUS304またはS
US430のステンレス鋼を用いることができ、これを
電池缶の内面側となるように配したときには電解液に対
する耐食性を向上させることができる。
【0014】また、第1及び第2の各層それぞれの厚さ
が10〜300μmで、クラッド材としたときの厚さが
20〜600μmであることが望ましく、10μm以下
の素材はコスト高となり実用的でなく、製缶を安定して
行い得るクラッド材の厚さは、これが好適である。
【0015】また、第1の層及び/又は第2の層の両面
又は片面にニッケル層を設けることにより、アルミニウ
ム系材料と鉄系材料との間の接合性がよくなり、DI加
工により安定した品質の電池缶を製造することができ
る。また、鉄系材料の表面にニッケル層が設けられてい
ることにより、アルカリ電解液に対する耐食性がよく鉄
系材料を内面側にして電池缶を製作し、ニッケル水素蓄
電池等の電池缶として適用するのに好適である。
【0016】前記ニッケル層は、その厚さが製缶後に
0.5〜10μmとなるように形成するのが好適であ
る。ニッケル層も絞り及びシゴキ加工により薄くなるの
で、ニッケルメッキの厚さは1.0〜20μmとしてお
くことにより、製缶後に前記値が得られる。また、ピン
ホールを発生させない厚さで且つニッケルメッキのコス
トを抑えるには前記厚さにニッケル層を設けることが適
切である。
【0017】また、第1の層を外面側にして電池缶を有
底筒状に形成することにより、鉄系材料を内面側として
電池缶が形成され、望ましくはその表面にニッケルメッ
キを施して電解液に耐食性を確保して電池缶が電池の負
極電極となるように構成することができる。また、アル
ミニウム系材料が外面側となるので、電池缶に対する溶
接性もよくなる。
【0018】また、第2の層を外面側にして電池缶を有
底筒状に形成することにより、電池缶の外面は鉄系材料
となるので、傷つきにくく耐久性に優れ、封口加工が容
易となる。
【0019】また、側周面の内面に筒形成方向に多数の
微細溝を形成することにより、電池缶内面の表面積が増
加するので、発電要素と電池缶との間の接触抵抗が低下
し、電池性能の向上を図ることができる。
【0020】前記微細溝は、ニッケル層の表面にのみ形
成されるようにすると好適である。
【0021】ニッケル層が存在する場合には微細溝がニ
ッケル層を越えて基材面に達しないようにすることによ
って、ニッケル層による耐食性を損なうことがない。微
細溝の形成深さは微小なので、ニッケル層を微細溝の深
さ以上に形成しておくことにことにより、この状態は実
現される。
【0022】また、電池缶の開口端側の側周面の厚さ
が、他の側周面より10%以上厚くなるように形成する
ことにより、耐圧強度が最も弱い封口部分の厚さを増す
ことができ、側周面全体の厚さを厚くして容積の低下及
び重量増加をまねくことなく耐圧強度を増加させること
ができる。
【0023】前記構成は、外径寸法が35mmφ以下の
有底円筒形の電池缶の場合では、その開口端側の側周面
が、他の側周面の厚さより30%以上厚く形成すること
ができ、小さい外径の円筒形電池缶の場合では、側周面
の厚さを薄くしても電池缶の膨れ変形が生じにくく、封
口部となる開口端側の側周面の厚さだけを厚く形成して
おくことにより、電池としての封口耐圧強度を得ること
ができる。
【0024】また、有底筒状に形成された電池缶の底面
から側周面への立ち上がり部位が、曲率半径0.5mm
以下の曲面になるように形成することにより、底面厚さ
/側周面の厚さ比を大きく形成することが可能となり、
側周面の厚さを薄肉化しても電池缶の膨れ変形を抑制す
ることができる。立ち上がり部の曲面半径は大きくする
方が加工性はよいが、電池缶内への発電要素の収容スペ
ースを損なうことになり、曲面半径は加工性を考慮して
より小さい方が望ましい。
【0025】本願の第2発明は、発電要素を収容する電
池缶の製造方法において、異種金属を複数層に接合した
クラッド材をプレス機による絞り加工によってカップ状
中間製品に形成した後、絞りダイス及びシゴキダイスを
用いて前記カップ状中間製品をシゴキ加工するDI工法
により、底面厚さ/側周面厚さが1.2〜5.0となる
有底筒状に形成することを特徴とする。
【0026】上記製造方法によれば、電池缶はクラッド
材をカップ状の中間製品に絞り加工した後、DI工法に
より中間製品を一工程により所望の有底筒状形状に形成
すると共に、側周面の高さと厚さを所望の値に形成する
ことができる。DI工法の絞り及びシゴキ加工により側
周面はクラッド材の接合金属の厚さ比率のままに薄肉に
引き延ばされるので、接合する金属層の基材として軽量
のアルミニウム系材料と剛性のある鉄系材料とを薄肉形
成することにより、軽量化しながらも所定の強度を有す
る電池缶を少ない工程で効率的に製造することができ
る。このように薄肉形成された電池缶はその容積が増
し、発電要素の収容量を増加させることができるので、
電池の体積エネルギー密度を向上させることができる。
また、軽量化により電池の重量エネルギー密度を向上さ
せることができる。
【0027】上記製造方法におけるDI加工によるシゴ
キ率が20〜90%の範囲となるように一工程で連続的
にシゴキ加工することにより、側周面の厚さが薄い有底
筒状に電池缶を形成することができ、クラッド材により
薄肉に形成しても所定の強度が得られる電池缶を製造す
ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の一実施形態について説明し、本発明の理解に供する。
尚、以下に示す実施形態は本発明を具体化した一例であ
って、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0029】本実施形態に係る電池は、発電要素を収容
する電池缶に、鉄系材料とアルミニウム系材料とを圧接
圧延したクラッド材を用いたことを特徴とするもので、
クラッド材の組成を変えてクラッド材による電池缶とし
ての有効性を検証すると共に、適用する電池の種類及び
形状を変えて、クラッド材を用いて電池缶を形成する適
正な構成について検証を行ったものである。
【0030】まず、AAサイズのニッケル水素蓄電池を
構成するために、その電池缶を仕上がり外径13.8m
mφ、高さ49.0mmの有底円筒形に形成し、これに
発電要素を収容してニッケル水素蓄電池を形成した第1
の実施形態について説明する。
【0031】図1において、ニッケル水素蓄電池1は、
電池缶6内に発電要素2を収容し、電池缶6の開口端を
封口板11で封口して形成される。このニッケル水素蓄
電池1に用いられた前記電池缶6は、アルミニウム系材
料と鉄系材料とを接合したクラッド材を用いて以下に説
明するように製造される。
【0032】前記クラッド材とする第1の層に厚さ20
0μmの純アルミニウム材(JIS−A1050相
当)、第2の層に厚さ200μm、炭素含有量:0.0
4wt%のアルミキルド鋼(以下、SPCE材)を採用
し、このSPCE材の両面に2.5μm厚さにニッケル
メッキを施し、熱処理した後、第1の層のアルミニウム
材を重ね合わせ、圧接圧延して厚さ400μmのクラッ
ド材を形成する。
【0033】このクラッド材を円形に切り抜き、電池缶
の内面側がSPCE材、外面側がアルミニウム材となる
ようにしてプレス機により絞り加工して、外径21.5
mmφ、高さ15.5mmのカップ状の中間製品5に形
成する。この状態では、元のクラッド材から底面の厚
さ、側周面の厚さ共にほとんど変化はない。このように
形成されたカップ状の中間製品5を、図2に示すように
DI加工工程に送り出し、絞り及びシゴキにより側周面
が所定高さ寸法となる有底円筒形に成形する。このDI
工法は、中間製品5をパンチ7により絞りダイス3及び
シゴキダイス4、4、4が一直線上に列設されたダイス
列内に押し出すことにより、パンチ7の進出方向にその
内径が小さくなるようにダイスが配列された絞りダイス
3、各シゴキダイス4内に中間製品5が押し込まれる毎
に絞り及びシゴキが加えられ、一工程で所定寸法の有底
円筒形の電池缶6に成形される。DI加工がなされた状
態では、外径13.8mmφ、高さ54mmとなり、開
口端側は平坦でなく波打ったような状態になっているの
で、電池缶6の設定高さ寸法である49.0mmになる
ように開口端側の耳部を切断する。
【0034】図3は、上記DI工法によって形成された
電池缶6の断面形状を示すもので、底面6aの厚さは4
00μm、側周面6bの厚さは150μm、開口端側周
面6cの厚さは170μmの有底円筒形に形成されてい
る。従って、この電池缶6のDI加工におけるシゴキ率
は63%となる。尚、シゴキ率は、「シゴキ率(%)=
(元の厚さ−シゴキ後の厚さ)×100/元の厚さ」と
定義する。また、底面厚さ/側周面厚さ比は2.67
で、重量は約2.4gである。因みに同形同サイズの電
池缶をSPCE材の単一材料により形成したときの重量
は約3.6gであり、クラッド材で形成することにより
約33%の軽量化が達成されたことになる。
【0035】前記開口端側周面6cは、この電池缶6内
に発電要素等を収容した後、開口端を封口板で封口する
封口強度を得るために、側周面6bの厚さより約13%
厚く形成されている。電池の内圧が上昇したとき、封口
部位が耐圧強度的に最も弱い部位となるため、側周面6
bより厚く形成することにより封口による耐圧強度を増
強することができ、側周面6bの厚さは膨れ変形が抑制
できる必要最小限にすることができる。特に、このよう
な円筒形の電池缶をその外径が35mmφ以下に形成す
る場合には、開口端側周面6cの厚さは他の側周面6b
より30%以上厚くすることができる。つまり35mm
φ以下の円筒形の場合には、側周面6bの厚さをかなり
薄く形成しても電池内圧上昇による膨れ変形を抑制でき
るので、側周面6bを薄くして耐圧強度的に問題が生じ
やすい開口端側周面6cを所要の厚さに形成すること
で、電池缶の軽量化をより促進することができる。尚、
開口端側周面6cを側周面6bより厚く形成する方法
は、図2(b)に示すように、DI金型におけるパンチ
7の直径を開口端側周面6cの位置で、増加させる厚さ
相当分だけ小さく形成しておくことにより、シゴキダイ
ス4を通過するときに開口端はパンチ7の直径が小さく
なっている内方に押し出されて開口端側周面6cが側周
面6bより厚く形成される。
【0036】図4は、上記DI工法により形成した電池
缶6の形成状態を確認するために、底面6aから側周面
6bに立ち上がるコーナー部の断面形状を50倍金属顕
微鏡から求めた状態で示すもので、底面6aは厚さ20
0μmのアルミニウム材(Al)と厚さ200μmのS
PCE材(鉄系材料であるためFeと示す)とにより計
400μmの厚さに、側周面6bは厚さ75μmのアル
ミニウム材と厚さ75μmのSPCE材とにより計15
0μmの厚さに形成され、これらの間は半径0.4mm
のコーナー部によって底面6aの厚さから側周面6bの
薄肉状態に円滑な変化がなされていることがわかる。こ
のコーナー部に半径0.4mmの曲面を設けることによ
って、シゴキ加工が円滑になされると共に、側周面6b
を薄肉化した電池缶6の耐圧強度を得ることができる。
尚、コーナー部の曲率半径を大きくするとシゴキ加工は
より容易となり耐圧強度も向上するが、電池缶6内に収
容する発電要素の有効容積が減少することになり、可能
な限り小さな曲率半径とするため、前記曲率半径を得た
ものである。
【0037】また、図5は側周面6bの内側表面の状態
を3000倍走査型電子顕微鏡から求めたもので、側周
面6bの形成方向(円筒形成方向)に微細な溝(白く見
える部分)が形成されている。これは、DI加工の工程
におけるパンチ7による引っ掻き傷といえるもので、ア
ルミナ等の比較的硬い粒子がパンチ7と電池缶6との間
に介在することにより生じるものである。前記アルミナ
粒子は原材料となるクラッド材の表面に介在するが、意
識的に溝の形成を促すには、アルミナ粉末を前記中間製
品5の内面に分散させた後、DI加工を行うと溝の形成
はより確実になされる。この溝の深さは1μm程度のも
ので、ニッケルメッキ層の厚さを越えない状態に形成さ
れている。図6は側周面6bの断面を10000倍の走
査型電子顕微鏡写真として示すもので、SPCE材(F
e)上にニッケルメッキ層(Ni)が形成され、このニ
ッケルメッキ層に溝が形成されており、溝の形成はニッ
ケルメッキ層を越えない状態に形成されていることがわ
かる。
【0038】このように電池缶6の内面に溝が形成され
ていることにより、電池缶6内面の表面積が増加し、電
池の正負電極のいずれか一方の電極となる電池缶6と、
この中に収容される発電要素との接触抵抗が著しく低下
する効果が得られる。
【0039】以上説明したように形成された電池缶6
は、クラッド材を構成するアルミニウム材により軽量化
がなされると共に、このアルミニウム材のヤング率の低
さによる耐圧強度の低さをSPCE材の剛性により補う
ことができる。また、電池缶6を二次電池に適用した場
合に、充電時の温度上昇(最高温度約60℃)に伴う内
圧の上昇により生じる膨れ変形は、アルミニウム系材料
と鉄系材料との熱膨張係数の差による曲げ応力が電池缶
6の側周面6bを内側に変形させる応力として作用する
ため、電池缶6の膨れ変形が抑制される効果を得ること
ができる。
【0040】上記構成になる電池缶6を用いてニッケル
水素蓄電池を作製するために、以下に示す発電要素を電
池缶6内に収容する。
【0041】まず、正極は、球状の水酸化ニッケル粉末
と酸化亜鉛、酸化コバルト、水酸化コバルト等の添加物
とをペースト状に混合し、スポンジ状のニッケル導電性
多孔体に充填した後、乾燥、加圧、切断により所定の寸
法に形成して正極板とする。
【0042】また、負極は、水素吸蔵合金としてAB5
タイプのMmNi3.6 Mn0.4 Al0. 3 Co0.7 組成の
合金粉末に導電剤や結着剤を添加してペースト状にし、
ニッケルメッキした鉄素材のパンチングメタル芯材に塗
着し、乾燥、加圧、切断により所定寸法に形成して負極
板とする。これら正極板と負極板とをスルフォン加工し
たポリプロピレン不織布により作製されたセパレータを
介して巻回し、これを電池缶6内に収容する。このと
き、負極板の最外周面は電池缶6の内面に直接接触さ
せ、正極板からリードを引き出して封口キャップに設け
た正極端子にスポット溶接する。
【0043】次に、電池缶6内に電解液として、水酸化
リチウム(LiOH・H2 O)を40g/l溶解させて
比重1.30とした水酸化カリウム(KHO)水溶液を
2.0cc注液する。この後、電池缶6の開口端を封口
キャップにより封口するため、開口端側周面6cをカシ
メ加工することにより封口キャップを取り付け、電池缶
6内を密閉封口してニッケル水素蓄電池を完成させる。
このようにして作製されたAAサイズのニッケル水素蓄
電池の電池重量は約26g、電池容量は1350mAh
となる。
【0044】上記第1の実施形態として作製した電池缶
6を(電池缶6A)として、この電池缶6Aの適性を考
察するために、組成及び加工方法を変えて同一規格サイ
ズの電池缶6B〜6Gを作製し、各電池缶6B〜6Gに
より同様にニッケル水素蓄電池を作製した。以下、各電
池缶6B〜6Gについて電池缶6Aと比較検証しつつ説
明する。
【0045】(電池缶6B)電池缶6Bは、クラッド材
を構成する鉄系材料の表面にニッケルメッキを施すこと
の有効性を検証するために構成したもので、厚さ200
μmの純アルミニウム材(JIS−A1050相当)
と、厚さ200μmのSPCE材(炭素含有量0.04
wt%)とを圧接圧延した厚さ400μmのクラッド材
を、電池缶6Aと同様にDI加工して図3に示したもの
と同一サイズに形成した。電池缶6Aと異なるのは、S
PCE材の両面にニッケルメッキが施されていないこと
のみで、その他の構成は同一である。従って、底面厚さ
/側周面厚さ比(2.67)、シゴキ率(63%)、重
量(2.4g)は電池缶6Aとほぼ同等である。
【0046】上記構成において、電池缶6Bの製缶工程
となるDI加工における絞り及びシゴキ加工が必ずしも
スムーズでなく、電池Aの電池缶6Aの場合と比較する
と、やや製缶不良が発生しやすいことが判明した。この
原因は、ニッケルメッキ層が無いことによりアルミニウ
ム系材料と鉄系材料との接合強度が弱くなること、DI
金型との接触面にニッケルメッキ層が無いことによるも
のと考えられる。
【0047】また、電池缶6Bをニッケル水素蓄電池の
ようなアルカリ蓄電池に適用した場合に、ニッケルメッ
キ層が無いことによりアルカリ電解液による腐食の進行
と推察される充電特性、放電特性、サイクル寿命特性、
保存特性の低下が生じた。しかし、有機電解液を使用す
るリチウムイオン二次電池等に適用する場合には全く問
題なく、DI加工の加工性の低下を除けば電池缶として
の有用性はあるといえる。
【0048】(電池缶6C)電池缶6Cは、クラッド材
を構成する鉄系材料の炭素含有量によるDI工法による
製缶加工性を検証したもので、厚さ200μmの純アル
ミニウム材(JIS−A1050相当)と、厚さ200
μm、炭素含有量0.11wt%のSPCE材の両面に
2.3μm厚さにニッケルメッキを施したものとを圧接
圧延した厚さ400μmのクラッド材を、電池缶6Aと
同様にDI加工して図3に示したものと同一サイズに形
成した。電池缶6Aと同一の底面厚さ/側周面厚さ比
(2.67)、シゴキ率(63%)、重量(2.4g)
に形成したが、炭素含有量が0.1wt%を越えるSP
CE材ではDI加工に難があり、電池缶を製造する加工
性に問題があり、適切な電池缶材料とし得なかった。
【0049】(電池缶6D)電池缶6Dは、クラッド材
を構成するアルミニウム系材料のマンガン含有量による
DI加工性及び溶接性等を検証したもので、電池缶6A
の純アルミニウム材に代えてマンガン含有量が0.4w
t%のアルミニウム合金を使用してクラッド材を形成し
た。他の構成は電池缶6Aと同一である。この電池缶6
Dの構成の場合には、マンガンの含有量が少ないことか
らアルミニウム合金として硬度が低くなり、DI加工に
よる製缶性に問題があり、目的とする構成を得るに至ら
なかった。
【0050】(電池缶6E)電池缶6Eは、前記電池缶
6Dと反対にアルミニウム系材料のマンガン含有量が
2.6wt%と多いアルミニウム合金を使用したもの
で、この場合も製缶性に問題があり、電池組み立て時の
加工や溶接性が悪く、やはり目的とする構成を得るに至
らなかった。
【0051】(電池缶6F)電池缶6Fは、クラッド材
による電池缶と単独材による電池缶とを比較するための
比較例として構成したもので、SPCE材により図3に
示した電池缶6と同一形状寸法で同一のDI加工を行っ
たものである。製缶性においても問題はなく、電池を構
成した場合にも電池缶6Aを用いたものと同等の性能が
得られた。しかし、鉄系材料のみで形成されているため
電池缶重量が増し、電池缶6Aに比して重量エネルギー
密度で約4%の容量低下をまねくことになる。
【0052】(電池缶6G)電池缶6Gは、円筒形の底
面厚さ/側周面厚さ比の適正範囲を検証するために、電
池缶6Aと同一組成のクラッド材を用いてDI加工のシ
ゴキ率を変えて作製した。底面厚さ400μmに対して
側周面厚さを360μmに形成すると、このときのシゴ
キ率は10%となり、封口耐圧強度が大きなものが得ら
れるが、クラッド材の使用量が増加し通常の電池に使用
するには実用的でない。また、電池缶内の有効容積が減
少するため、電池缶6Aと比較すると約6%の体積エネ
ルギー密度の低下をまねくことになる。体積エネルギー
密度を増加させるためには、側周面の厚さを薄く形成す
ることが有効であるので、底面厚さ400μmに対して
側周面厚さを30μmまで薄く形成した電池缶の作製を
試みた。この場合の底面厚さ/側周面厚さ比は13.
3、シゴキ率は93%と大きくなり、必要とされる形状
に加工することは困難であった。検証の結果、底面厚さ
/側周面厚さ比の適正値は1.2〜5.0とした。
【0053】上記各態様による電池缶6B〜電池缶6G
の検証から、AAサイズのニッケル水素蓄電池に適用し
た電池缶6として実施例1に示した構成が適正なもので
あることがわかり、従来のSPCE材単独により作製さ
れた電池缶を用いたものより重量エネルギー密度の向上
を図ることができ、クラッド材による電池缶をDI加工
により作製することの有効性が示される。
【0054】次に、角形のリチウムイオン二次電池を構
成するために、その電池缶を仕上がり寸法が底面22×
8mm、高さ48.0mmの有底角筒形に形成し、これ
に発電要素を収容してリチウムイオン二次電池を形成し
た第2の実施形態について説明する。
【0055】図7において、リチウムイオン二次電池1
2は、電池缶9内に発電要素13を収容し、電池缶9の
開口端を封口キャップ14で封口して形成される。この
リチウムイオン二次電池12に用いられた前記電池缶9
は、アルミニウム系材料と鉄系材料とを接合したクラッ
ド材を用いて以下に説明するように製造される。
【0056】前記クラッド材とする第1の層に厚さ20
0μmのアルミニウム合金(JIS−A3003相
当)、第2の層に厚さ250μm、炭素含有量:0.0
3wt%のSPCE材を採用し、このSPCE材の両面
に3.5μm厚さにニッケルメッキを施して熱処理した
後、第1の層のアルミニウム材を重ね合わせ、圧接圧延
して厚さ450μmのクラッド材を形成する。
【0057】このクラッド材を円形に切り抜き、電池缶
の内面側がアルミニウム合金、外面側がSPCE材とな
るようにしてプレス機により絞り加工してカップ状の中
間製品に形成する。この状態では、元のクラッド材から
底面厚さ、側面厚さ共にほとんど変化はない。このよう
に形成されたカップ状の中間製品5を、図2に示したも
のと同様のDI加工工程に送り出し、絞り及びシゴキに
より所定高さ寸法の有底角筒形に成形する。DI加工が
なされた状態では、底面サイズ22×8mm、高さ52
mmとなり、開口端側は平坦でなく波打ったような状態
になっているので、電池缶の設定高さ寸法である48m
mになるように開口端側の耳部を切断する。
【0058】図8は、上記加工方法によって製作された
角形電池缶9の断面形状を示すもので、底面9aの厚さ
は450μm、側周面9bの厚さは200μmに形成さ
れており、底面厚さ/側周面厚さ比は2.25、シゴキ
率は56%となっている。また、電池缶9の開口端側周
面6cは、側周面6bより30%厚い250μmに形成
され、開口端の封口強度を向上させている。
【0059】また、底面9aから側周面9bに立ち上が
るコーナー部は、曲率半径0.35mmの曲面に形成さ
れている。この曲率半径は大きくした方が電池缶9の強
度を大きくすることができるが、電池缶9内に収容する
発電要素の有効容積を確保するためには曲率半径は小さ
い方が望ましく、強度保持と容積確保とを加味すると
0.5mm以下の曲率半径であることが必要となる。
【0060】上記のように構成された電池缶9を用いて
リチウムイオン二次電池を製作するために、電池缶9内
に以下に示すような発電要素を収容する。
【0061】正極は、導電剤であるLiCoO2、アセ
チレンブラック、結着剤であるフッ素樹脂等をペースト
状に混合し、これをアルミニウム箔基板に塗着した後、
乾燥、加圧、切断により所定寸法にして正極板を形成す
る。負極は、球状の黒鉛にスチレンブタジエンラバー結
着剤、カルボキシメチルセルロース増粘剤等を添加して
ペースト状にしたものを銅箔基板に塗着し、乾燥、加
圧、切断により所定寸法にして負極板に形成する。これ
らの正極板と負極板とをポリエチレン微多孔膜で形成し
たセパレータを介して巻回し、電池缶9内に収容し、リ
チウムイオン二次電池の負極端子とする封口キャップと
負極板とをリードで接続すると共に、正極端子となる電
池缶9とをリードで接続する。この電池缶9内に、エチ
レンカーボネート−ジエチルカーボネートをモル比で
1:3に混合したものに1mol/1の濃度の六フッ化
リン酸リチウムを溶解した電解液を注入し、電池缶9の
開口端に封口キャップ14を配し、電池缶9と封口キャ
ップ14との間をレーザー封口により密閉する。
【0062】このようにして製作されたリチウムイオン
二次電池は、幅22mm、厚さ8mm、高さ48mmの
角形電池となり、電池重量は約18g、電池容量は61
0mAhとなる。この電池の有効性を検証するために、
従来の単一材料を用いた電池缶により同一規格のリチウ
ムイオン二次電池を比較例として製作した。
【0063】比較例は、従来から用いられているアルミ
ニウム合金(JIS−A3003相当)の単一材料を用
いて電池缶9と同一の外径寸法に形成するので、耐圧強
度上から側周面の厚さは500μm以上必要で、底面厚
さ/側周面厚さ比1となる500μmの均等厚さで電池
缶を作製し、前記と同様に発電要素を収容してリチウム
イオン二次電池を製作した。この電池の電池重量は17
g、電池容量は550mAhとなった。
【0064】電池重量としては、電池缶をアルミニウム
単一材料で形成した比較例の方が有利であるが、クラッ
ド材で形成した電池缶9を用いた実施例の電池は、電池
缶容積が大きく電池容量が増加するため、体積エネルギ
ー密度で10%、重量エネルギー密度で5%向上するこ
とが明らかとなった。
【0065】以上説明した各実施形態は、円筒形、角形
それぞれの二次電池に適用した例を示したが、二次電池
は充電等により電池内圧の上昇などによる膨れ変形や封
口部の耐圧強度において最も過酷な条件に曝されるもの
として、これらを適用対象とした。従って、適用条件が
よりゆるやかな一次電池に適用してもよいことは明確で
ある。
【0066】また、クラッド材を構成する鉄系材料とし
てステンレス鋼を用いることもでき、DI工法における
加工性は各実施形態において採用したSPCE材よりや
や劣るが、耐圧強度や耐食性を向上させることができ
る。ステンレス鋼としてはSUS304、SUS430
等が好適である。
【0067】
【発明の効果】以上の説明の通り本発明によれば、アル
ミニウム系材料と鉄系材料とを接合したクラッド材をD
I工法により底面厚さ/側周面厚さ比が1.2〜5.0
となるようにして電池缶が形成されるので、アルミニウ
ム系材料による軽量化と、鉄系材料による剛性とを併せ
て実現する電池缶を使用して電池を構成することがで
き、電池缶の薄肉化により発電要素の収容量が増加する
ことによる体積エネルギーの向上と、軽量化による重量
エネルギー密度の向上とを併せて実現する電池を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るニッケル水素蓄電池の概
略構成を示す断面図。
【図2】DI工法の構成を示す概略断面図。
【図3】円筒形電池缶の構成を示す断面図。
【図4】電池缶のコーナー部の金属顕微鏡により得られ
た断面図。
【図5】電池缶の内周面の走査型電子顕微鏡により得ら
れた表面図。
【図6】電池缶の側周面の走査型電子顕微鏡により得ら
れた断面図。
【図7】第2の実施形態に係るリチウムイオン二次電池
の概略構成を示す断面図。
【図8】角形電池缶の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 ニッケル水素蓄電池 2 発電要素 6 電池缶(円筒形) 9 電池缶(角形) 6a、9a 底面 6b、9b 側周面 6c、9c 開口端側周面 12 リチウムイオン二次電池 13 発電要素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 21/00 C22C 21/00 L (72)発明者 北岡 進 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA03 CC06 CC10 DD03 DD05 KK01 KK02 KK03

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電要素を有底筒状に形成された電池缶
    に収容してなる電池において、前記電池缶がアルミニウ
    ムもしくはアルミニウムを主体とする合金により形成さ
    れた第1の層と、鉄もしくは鉄を主体とする合金により
    形成された第2の層とを備えたクラッド材により、底面
    厚さ/側周面厚さ比が1.2〜5.0となるように形成
    されてなることを特徴とする電池。
  2. 【請求項2】 第1の層が、アルミニウムに0.5〜
    2.5wt%のマンガンを含有させたアルミニウム合金
    により形成されてなる請求項1記載の電池。
  3. 【請求項3】 第2の層が、炭素の含有量が0.1wt
    %以下の冷間圧延用炭素鋼である請求項1記載の電池。
  4. 【請求項4】 第2の層が、炭素の含有量が0.1wt
    %以下で、チタン及びニオブの少なくとも1つの含有量
    が0.1wt%以下の冷間圧延用炭素鋼である請求項1
    または3記載の電池。
  5. 【請求項5】 第2の層が、ステンレス鋼である請求項
    1記載の電池。
  6. 【請求項6】 第1及び第2の各層それぞれの厚さが1
    0〜300μmで、クラッド材としたときの厚さが20
    〜600μmである請求項1〜5いずれか一項に記載の
    電池。
  7. 【請求項7】 第1の層及び/又は第2の層の両面又は
    片面にニッケル層が設けられてなる請求項1〜6いずれ
    か一項に記載の電池。
  8. 【請求項8】 ニッケル層をその厚さが製缶後に0.5
    〜10μmとなるように形成した請求項7記載の電池。
  9. 【請求項9】 電池缶が第1の層を外面側にして有底筒
    状に形成されてなる請求項1〜8いずれか一項に記載の
    電池。
  10. 【請求項10】 電池缶が第2の層を外面側にして有底
    筒状に形成されてなる請求項1〜9いずれか一項に記載
    の電池。
  11. 【請求項11】 側周面の内面側に筒形成方向に多数の
    微細溝が形成されてなる請求項1〜10いずれか一項に
    記載の電池。
  12. 【請求項12】 微細溝がニッケル層の表面にのみ形成
    されてなる請求項7又は8、11記載の電池。
  13. 【請求項13】 電池缶の開口端側の側周面の厚さが、
    他の側周面より10%以上厚く形成されてなる請求項1
    〜12いずれか一項に記載の電池。
  14. 【請求項14】 電池缶の外径寸法が35mmφ以下の
    有底円筒形に形成され、その開口端側の側周面が、他の
    側周面の厚さより30%以上厚く形成されてなる請求項
    1〜13いずれか一項に記載の電池。
  15. 【請求項15】 有底筒状に形成された電池缶の底面か
    ら側周面への立ち上がり部位が、曲率半径0.5mm以
    下の曲面に形成されてなる請求項1〜14いずれか一項
    に記載の電池。
  16. 【請求項16】 発電要素を収容する電池缶の製造方法
    において、異種金属を複数層に接合したクラッド材をプ
    レス機による絞り加工によってカップ状中間製品に形成
    した後、絞りダイス及びシゴキダイスを用いて前記カッ
    プ状中間製品をシゴキ加工するDI工法により、底面厚
    さ/側周面厚さが1.2〜5.0となる有底筒状に形成
    することを特徴とする電池缶の製造方法。
  17. 【請求項17】 DI工法によるシゴキ率が20〜90
    %の範囲となるように一工程で連続的にしごき加工する
    請求項16記載の電池缶の製造方法。
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