JP2000028805A - マイクロレンズ基板及びその製造方法 - Google Patents

マイクロレンズ基板及びその製造方法

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JP2000028805A
JP2000028805A JP10197827A JP19782798A JP2000028805A JP 2000028805 A JP2000028805 A JP 2000028805A JP 10197827 A JP10197827 A JP 10197827A JP 19782798 A JP19782798 A JP 19782798A JP 2000028805 A JP2000028805 A JP 2000028805A
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light
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Tomohito Kitamura
智史 北村
Tadashi Ishimatsu
忠 石松
Osamu Koga
修 古賀
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】集光光学系の平行光の平行度の悪い集光光学系
を用いた液晶プロジェクション装置においても、入射し
た光を損失することなく出射させる集光効率の損なうこ
とのない、ピッチの精細なマイクロレンズ基板22を提
供すること。 【解決手段】透明基板上33の片面に、透明低屈折率材
料37を用いたマイクロレンズ32、高い屈折率を有す
る透明樹脂層31、透明薄板30、透明電極層28を順
次積層したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶プロジェクシ
ョン装置などに用いる透明基板上に複数のマイクロレン
ズを形成したマイクロレンズ基板及びその製造方法に関
するものであり、特にレンズのピッチが精細で、集光効
率の良好なマイクロレンズ基板及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図5は、液晶プロジェクション装置の一
例を示す断面図であるが、液晶プロジェクション装置
は、光源(50)、集光レンズ(60)からなる集光光
学系(61)、液晶表示パネル(1)、及び投写レンズ
(80)などで構成されている。光源(50)に要求さ
れる性能としては演色性、効率、寿命などがあげられ、
ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、短アークキセ
ノンランプなどが用いられている。
【0003】集光光学系(61)は光源(50)からの
光を集光レンズ(60)で集光し、光軸(O−O’)に
平行な平行光(70)として液晶表示パネル(1)を照
射するものである。ライトバルブとしての液晶表示パネ
ル(1)を通過した光は投写レンズ(80)により、例
えば、スクリーン(図示せず)上に投写されるものであ
る。
【0004】この平行光(70)は、液晶表示パネル
(1)を構成しているマイクロレンズに入射し、マイク
ロレンズからは光軸(O−O’)に対し、ある角度をも
って出射しているが、投写レンズ(80)はマイクロレ
ンズから出射した光を集光し、スクリーン上に投写する
ものである。
【0005】図6は、このような液晶プロジェクション
装置に使用される液晶表示パネル(1)の一例を拡大し
て示す断面図である。図6に示すように、液晶表示パネ
ル(1)はマイクロレンズ基板(2)、液晶(7)、及
びTFT基板(3)などで構成されている。マイクロレ
ンズ基板(2)は、透明基板(13)、マイクロレンズ
(12)、透明接着剤層(11)、透明薄板(10)、
及び透明電極層(8)などで構成されており、このマイ
クロレンズ(12)はドライエッチング法により形成さ
れたものである。また、TFT基板(3)は、透明基板
(4)、TFT基板上のブラックマトリックス(5)、
及び透明電極層(6)などで構成されている。
【0006】図6に示すように、図5に示す集光光学系
(61)からの光軸(O−O’)に平行な平行光(7
0)は、液晶表示パネル(1)の全面を照射しているも
のであるが、図6中央のマイクロレンズ(12)の左側
周縁部からの光(14L)及び右側周縁部からの光(1
4R)は、マイクロレンズ(12)により屈折され実線
で示すように、TFT基板上のブラックマトリックス
(5)間の開口部を通過し集光している。
【0007】図6において、平行光(70)の平行度が
不十分であると、例えば、図6に示すように、角度α’
以上をもった斜めの平行光の際には、点線で示す右側周
縁部からの光(15R)より右方へ屈折され、TFT基
板上のブラックマトリックス(5)により遮光されてし
まうことになる。このように、平行光(70)の平行度
が不十分な集光光学系(61)においては、角度α’以
上をもった斜めの平行光はTFT基板上のブラックマト
リックス(5)により遮光されてしまうことになり、マ
イクロレンズ(12)から出射さる光が減少してしまう
ものである。
【0008】すなわち、液晶プロジェクション装置に使
用される液晶表示パネル(1)においては、TFT基板
上のブラックマトリックス(5)が配置されているの
で、斜めの平行光はTFT基板上のブラックマトリック
ス(5)により遮光されてしまうことになる。これは液
晶表示パネル(1)を構成するマイクロレンズ基板
(2)の使命である、入射した光を損失することなくT
FT基板上のブラックマトリックス(5)間の開口部か
ら出射させる機能、すなわち、集光効率を損なうものと
なる。
【0009】図6におけるマイクロレンズ(12)はド
ライエッチング法により形成されたものであるが、この
ようなマイクロレンズを製造する方法としては、ドライ
エッチング法の他に、例えば、イオン拡散法がある。集
光光学系(61)の平行光(70)の平行度が不十分な
際には、イオン拡散法により形成されたマイクロレンズ
においても、上記ドライエッチング法により形成された
マイクロレンズにおけると同様な問題を含んでいるもの
である。
【0010】また、このイオン拡散法は、透明ガラス基
板にイオンを拡散させ透明ガラス基板の屈折率を部分的
に変化させ、マイクロレンズの機能をもたせたものであ
るが、イオン拡散の度合いを精度よく制御することは困
難なため、図7に示すマイクロレンズのピッチ(U)に
相当するイオン拡散法におけるマイクロレンズのピッチ
の精細さは約30μm程度が限度となっているものであ
る。
【0011】図7は、図6における斜めの平行光がTF
T基板上のブラックマトリックス(5)により遮光され
る状態を具体的に示す説明図である。図7において、透
明基板(13)の元の厚みは、透明基板(13)にマイ
クロレンズの頂点の高さ(V)を加えたものであり、マ
イクロレンズ(12)は元の厚みの透明基板からドライ
エッチング法により形成されたものであるので、マイク
ロレンズ(12)と透明基板(13)とは同一の屈折率
を有している。
【0012】また、図6における透明薄板(10)、透
明電極層(8)、液晶(7)、透明電極層(6)、及び
透明基板(4)などは説明を簡略にするために、均質な
透明接着剤層(11)と設定した。この透明接着剤層
(11)の屈折率はマイクロレンズ(12)の屈折率よ
り小さな値のものを用い、マイクロレンズ(12)に凸
レンズの機能をもたせるものである。
【0013】マイクロレンズの周縁部間の上方に位置す
る箇所(H及びM)にはTFT基板上のブラックマトリ
ックス(5)が配置されている。また、TFT基板上の
ブラックマトリックス(5)部における中心点はBであ
る。マイクロレンズ(12)に入射した光軸(O−
O’)に平行な平行光で、光軸上の光は、Oよりマイク
ロレンズの中心点(A)、マイクロレンズの頂点
(P),TFT基板上のブラックマトリックス(5)部
における中心点(B)を経て、焦点(C)に至る。ま
た、マイクロレンズ(12)に入射した光軸(O−
O’)に平行な平行光で、光軸の近傍の近軸光線(図示
せず)は、マイクロレンズ(12)の円弧状表面で屈折
され焦点(C)に至る。
【0014】また、マイクロレンズ(12)に入射した
光軸(O−O’)に平行な平行光で、マイクロレンズ
(12)の左側周縁部からの光(14L)及び右側周縁
部からの光(14R)は、マイクロレンズの両周縁部
(E、G)で屈折され実線で示すように、TFT基板上
のブラックマトリックス(5)間の開口部のJ点及びK
点を経て、焦点(C)に至るものである。尚、説明を簡
略にするために、球面収差などによる焦点の移動はない
ものとしている。
【0015】図7において、マイクロレンズのピッチは
U、マイクロレンズの頂点(P)の高さはV、マイクロ
レンズの曲率半径はrであり、また、H〜I、及びL〜
MはTFT基板上のブラックマトリックス(5)の幅
を、I〜LはTFT基板上のブラックマトリックス
(5)間の開口部の大きさを示している。また、Tはマ
イクロレンズの中心点(A)から焦点(C)までの距離
で焦点距離(f)を示し、Sはマイクロレンズの中心点
(A)からTFT基板上のブラックマトリックス(5)
までの距離、QはTFT基板上のブラックマトリックス
(5)から焦点(C)までの距離を示している。
【0016】15L及び15Rは、マイクロレンズの光
軸(O−O’)から角度α’斜めに入射する平行光で、
マイクロレンズの両周縁部を通る光を示し、点線はその
光路、C’はその焦点を示している。
【0017】このマイクロレンズの焦点距離は次式によ
り求められる。
【0018】
【数1】
【0019】ここで、例えば、Uは約20μm,Vは約
5μmとし、n1 は1.42、n2は1.52のものを
用いると、上式により、このマイクロレンズの焦点距離
f=約178μm程度のものとなる。マイクロレンズ
(12)に入射した光軸(O−O’)に平行な平行光
で、マイクロレンズ(12)の左側周縁部からの光(1
4L)及び右側周縁部からの光(14R)は、マイクロ
レンズの両周縁部(E、G)で屈折され実線で示すよう
に、TFT基板上のブラックマトリックス(5)間の開
口部のJ点及びK点を経て、光軸上の焦点(C)に焦光
する。
【0020】前記のように、透明薄板(10)、透明電
極層(8)、液晶(7)などは均質な透明接着剤層(1
1)と設定したが、各々の厚みは、各々約70μm,約
0.2μm,約5μm,程度であり、また、透明接着剤
層(11)の厚みはマイクロレンズ(12)の頂点の高
さを含んで約10μm程度であり、これらを合計して約
85μm程度のものとなる。すなわち、マイクロレンズ
の中心点(A)からTFT基板上のブラックマトリック
ス(5)までの距離(S)は、約85μm程度のものと
なる。
【0021】上記のように、マイクロレンズの焦点距離
は約178μm程度であり、マイクロレンズの中心点
(A)からTFT基板上のブラックマトリックス(5)
までの距離(S)は、約85μm程度のものであるの
で、TFT基板上のブラックマトリックス(5)から焦
点(C)までの距離(Q)は約93μm程度になる。ま
た、マイクロレンズのピッチ(U)は約20μmである
ので、TFT基板上のブラックマトリックス(5)部に
おける光束の幅(J〜K)は約10.3μm程度のもの
となる。また、マイクロレンズのピッチ(U)は約20
μmであり、TFT基板上のブラックマトリックス
(5)部の片側の大きさ、H〜I間、及びL〜M間が各
々約3μm程度のものであるので、TFT基板上のブラ
ックマトリックス(5)部におけるブラックマトリック
ス間の開口部の大きさ(I〜L)は、約14μm程度の
ものとなる。
【0022】すなわち、開口部の大きさの約14μm程
度に対し、光束の幅は約10.3μm程度であるので、
TFT基板上のブラックマトリックスにより光が遮光さ
れることはなく、マイクロレンズへの入射光は全てマイ
クロレンズから射出されることになる。また、この際の
マイクロレンズからの射出角は片側でθ’となる。θ’
=∠ECAは、略tan-1(U/2)/fであり、約
3.2°程度のものとなる。
【0023】図7の点線で示すように、マイクロレンズ
の光軸(O−O’)から角度α’斜めに入射する平行光
で、マイクロレンズの左側周縁部を通る光(15L)
は、左側周縁部(E)にて屈折しTFT基板上のブラッ
クマトリックス(5)部の開口部を通過し焦点(C’)
に至る。一方、マイクロレンズの右側周縁部を通る光
(15R)は、右側周縁部(G)にて屈折しTFT基板
上のブラックマトリックス(5)部のL点に接して焦点
(C’)に至るものである。すなわち、点線で示すマイ
クロレンズの光軸(O−O’)から角度α’斜めに入射
する平行光は焦点(C’)に集光する。
【0024】図7における角度β’=∠LGKは、右側
周縁部(G)にて屈折する光(15R)が、この角度
β’以上大きく右方へ屈折するとTFT基板上のブラッ
クマトリックス(5)により遮光され、焦光効率を損な
うことを示すものである。この角度β’=∠LGKは、
約tan-1(K〜L)/Sであり、約1.2°程度のも
のとなる。
【0025】この角度β’は、マイクロレンズの光軸か
ら斜めに入射する平行光の傾き角度α’に略近似するの
で、焦光光学系(61)からの平行光の平行度は約1.
2°以内の傾きであれば、マイクロレンズとして入射光
を損失させるものではないが、約1.2°以上の傾きで
あれば、マイクロレンズとして入射光を損失させること
を示すものである。このような入射光が損失する問題
は、前記イオン拡散法により形成されたマイクロレンズ
においても同様なものである。
【0026】前記液晶表示パネル(1)に用いる集光光
学系(61)の平行光の平行度を約1.2°以内の傾き
に留めると集光光学系が高価なものとなるので、平行光
の平行度は不十分なものへと緩和されてしまうものであ
り、マイクロレンズ基板の集光効率は損なわれたものと
なっている。集光効率の損なわれないマイクロレンズ基
板が要望されているものである。
【0027】前記のように、イオン拡散法により形成さ
れたマイクロレンズのピッチの精細さは、約30μm程
度までが限界であり、また、上記のようにイオン拡散
法、及びイオンエッチング法により形成されたマイクロ
レンズ基板は、液晶プロジェクション装置に使用される
液晶表示パネル(1)においては、TFT基板上のブラ
ックマトリックス(5)が配置されているので、その集
光効率は液晶表示パネルを照射する集光光学系の平行光
の平行度の度合いに影響されてしまうものであり、ま
た、その焦光効率の損失は大きなものである。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、液晶プ
ロジェクション装置に使用される液晶表示パネルにおい
ては、TFT基板上のブラックマトリックスが配置され
ているので、マイクロレンズ基板の集光効率は液晶表示
パネルを照射する集光光学系の平行光の平行度の度合い
に影響され、その集光効率が損失されてしまうものであ
るが、本発明は、集光光学系の平行光の平行度の悪い集
光光学系を用いた液晶プロジェクション装置において
も、入射した光を損失することなく出射させる集光効率
の損なうことのない、ピッチの精細なマイクロレンズ基
板を提供するものである。また、本発明は、集光光学系
の平行光の平行度の悪い集光光学系を用いた液晶プロジ
ェクション装置においても、入射した光を損失すること
なく出射させる集光効率の損なうことのない、ピッチの
精細なマイクロレンズ基板の製造方法を提供するもので
ある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明基板上の
片面に少なくとも、(a)透明低屈折率材料を用いて形
成された複数の凹型マイクロレンズ、(b)該透明低屈
折率材料の屈折率より高い屈折率を有する透明樹脂層、
(c)透明薄板、(d)透明電極層を順次積層したこと
を特徴とするマイクロレンズ基板である。
【0030】また、本発明は、(1)透明基板上に透明
低屈折率材料を用いて透明低屈折率材料層を成膜する工
程、(2)該透明低屈折率材料層上にフォトレジストを
塗布しレジストパターンを形成する工程、(3)該レジ
ストパターンをマスクとしてドライエッチング法により
該透明低屈折率材料層をエッチングして凹型マイクロレ
ンズを形成する工程、(4)エッチング後に残されたレ
ジストパターンを剥膜する工程、(5)該透明低屈折率
材料の屈折率より高い屈折率を有する透明樹脂層を介し
て透明薄板を貼り合わせるスペーサ形成工程、(6)上
記(1)から(5)の工程により得られた透明基板上に
透明電極層を形成する工程、を含むマイクロレンズ基板
の製造方法である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に本発明によるマイクロレン
ズ基板及びその製造方法を、その実施形態に基づいて説
明する。図1は、本発明によるマイクロレンズ基板(2
2)が液晶表示パネル(21)に使用される一実施例を
拡大して示す断面図である。図1に示すように、液晶表
示パネル(21)はマイクロレンズ基板(22)、液晶
(27)、及びTFT基板(23)などで構成されてい
る。マイクロレンズ基板(22)は、透明基板(3
3)、凹型マイクロレンズ(32)、透明樹脂層(3
1)、透明薄板(30)、及び透明電極層(28)など
で構成されており、この凹型マイクロレンズ(32)は
ドライエッチング法により形成されたものである。ま
た、TFT基板(23)は、透明基板(24)、TFT
基板上のブラックマトリックス(25)、及び透明電極
層(26)などで構成されている。
【0032】図1に示すように、集光光学系からの光軸
(O−O’)に平行な平行光(90)は、液晶表示パネ
ル(21)の全面を照射しているものであるが、図1中
央の凹型マイクロレンズ(32)の左側周縁部からの光
(34L)及び右側周縁部からの光(34R)は、透明
低屈折率材料で形成された凹型マイクロレンズ(32)
と高い屈折率を有する透明樹脂層(31)との界面にて
屈折され実線で示すように、透明薄板(30)、透明電
極層(28)、液晶(27)、及びTFT基板上のブラ
ックマトリックス(25)間の開口部を通過し集光して
いる。
【0033】図1において、平行光(90)の平行度が
不十分であると、例えば、図1に示すように、角度α以
上をもった斜めの平行光の際には、点線で示す右側周縁
部からの光(35R)より右方へ屈折され、TFT基板
上のブラックマトリックス(25)により遮光されてし
まうことになる。
【0034】本発明に用いる透明基板(33)は、十分
な強度、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光透過性などを有
し、同時に透明基板(33)上に成膜される透明低屈折
率材料などと十分な密着力をもつものが好ましい。例え
ば、コーニング社製、低膨張ガラス、品番1737、及
び品番7059などがあげられる。
【0035】透明基板(33)上に成膜される透明低屈
折率材料としては、屈折率がより低い材料であることが
望ましいものである。例えば、MgF2 、SiO2 、S
iOなどがあげられ、各々の屈折率は、各々1.38、
1.46、1.48程度のものである。
【0036】透明基板(33)の屈折率は、この透明低
屈折率材料と同一、或いは小さい屈折率であることが好
ましいものである。これは、小さい屈折率であると光軸
に対し斜めから入射した光は、凹型マイクロレンズ(3
2)の平面にて一度屈折されてから凹型マイクロレンズ
(32)の表面の円弧面にて屈折されるため、斜めから
入射した光の出射角はその分だけ小さくなるからであ
る。
【0037】図1における透明樹脂層(31)の材料と
しては、凹型マイクロレンズ(32)と透明薄板(3
0)とを貼合わせるに十分な接着強度、耐熱性、光透過
性などを有し、その屈折率は凹型マイクロレンズ(3
2)の材料である透明低屈折率材料の屈折率より大きい
屈折率であることが必要な条件である。これにより凹型
マイクロレンズ(32)の凹部にある透明樹脂層(3
1)との界面にて光が屈折し、透明樹脂層に凸レンズと
しての機能をもたせるものである。また、この透明樹脂
層(31)の材料の屈折率は、より大きい屈折率である
ことが望ましく、凹型マイクロレンズ(32)の材料で
ある透明低屈折率材料の屈折率と透明樹脂層(31)の
材料の屈折率との差が大きいほど、マイクロレンズの焦
点距離は小さなものとなり、本発明における集光効率の
向上に寄与するものである。
【0038】従って、この透明樹脂層(31)の材料の
屈折率は、より大きい屈折率であることが望ましいもの
であるが、使用するマイクロレンズ(32)の材料であ
る透明低屈折率材料の屈折率との組み合わせ、材料の価
格などを考慮して適切なものを選択することになる。透
明樹脂層(31)の材料としては、例えば、エポック社
製、熱硬化性接着剤、品番396(屈折率:1.65)
などの接着剤が好適なものである。
【0039】透明薄板(30)は、凹型マイクロレンズ
(32)により屈折された光束をTFT基板上のブラッ
クマトリックス(25)部の開口部を通過させるため
に、凹型マイクロレンズ(32)とTFT基板上のブラ
ックマトリックス(25)との間に必要な距離を設ける
ためのもので、スペーサーとして機能するものである。
この透明薄板(30)の材料としては、透明な低膨張ガ
ラスなどが用いられる。この透明薄板(30)と透明樹
脂層(31)の厚みの合計が、略30μm以上の際には
図1に示すように透明薄板(30)と透明樹脂層(3
1)を使用するものであるが、厚みの合計が略30μm
以下の際には、透明薄板(30)に代わり透明樹脂層と
することもできる。これは工程数を減らすことになり、
また、材料の原価面でも好ましいものとなるものであ
る。
【0040】透明電極層(28)は液晶表示パネル(2
1)を構成している液晶(27)を駆動するための電極
であり、材料しては、例えばITOなどが用いられてい
る。
【0041】一方、TFT基板(23)における透明基
板(24)は、前記透明基板(33)と同種のものが用
いられるものである。また、TFT基板上のブラックマ
トリックス(25)はTFT基板(23)上に設けられ
たTFT(図示せず)を遮光するためのものであり、ま
た、液晶表示パネル(21)のコントラスト低下を防い
でいるものである。これは、TFT基板(23)上に設
けられたTFTの部分は表面に段差があるので、液晶分
子の配向の制御が正常におこなわれず、照射される光が
この部分から漏れてしまうからである。従って、この段
差部、すなわちTFTの部分をブラックマトリックスで
遮光しているものである。
【0042】また、TFT基板(23)上のブラックマ
トリックス層(25)は、凹型マイクロレンズ周縁部間
の上方に位置するように、TFT基板(23)とマイク
ロレンズ基板(22)が貼り合わされている。これは凹
型マイクロレンズ間のレンズとして形成されていない微
小な部分から侵入した光が、フレアのように凹型マイク
ロレンズ本来の機能を妨げる現象、例えば、液晶表示パ
ネル(21)のコントラスト低下を防いでいるものであ
る。
【0043】このTFT基板上のブラックマトリックス
(25)は液晶表示パネル(21)としての画素間に設
けられており、ブラックマトリックス(25)のピッチ
と凹型マイクロレンズ(32)のピッチは同一に設定さ
れているものである。
【0044】次に、本発明におけるマイクロレンズ基板
の集光効率について説明をする。図2は、本発明におけ
るマイクロレンズ基板の集光効率を具体的に示す説明図
である。図2において、前記のように、凹型マイクロレ
ンズ(32)の屈折率と透明基板(33)の屈折率とは
異なるものであるが、説明を簡略にするために凹型マイ
クロレンズ(32)と透明基板(33)とは均質な凹型
マイクロレンズ(32)の屈折率と設定した。
【0045】また、図1における透明薄板(30)、透
明電極層(28)、液晶(27)、透明電極層(2
6)、及び透明基板(24)なども同様に、均質な透明
樹脂層(31)と設定した。この透明樹脂層(31)の
屈折率は凹型マイクロレンズ(32)の屈折率より大き
な値のものを用る。これは凹型マイクロレンズ(32)
の凹部にある透明樹脂層(31)との界面にて光を屈折
させ、透明樹脂層(31)に凸レンズの機能をもたせる
ものである。また、凹型マイクロレンズ(32)の屈折
率と透明樹脂層(31)の屈折率との差をより大きく
し、より短い焦点距離の凸レンズとするものである。
【0046】凹型マイクロレンズの周縁部間の上方に位
置する箇所(h及びm)にはTFT基板上のブラックマ
トリックス(25)が配置されている。また、TFT基
板上のブラックマトリックス(25)部における中心点
はbである。凹型マイクロレンズ(32)に入射した光
軸(O−O’)に平行な平行光で、光軸上の光は、Oよ
り凹型マイクロレンズの底点(p)、凹型マイクロレン
ズ(透明樹脂層)の中心点(a)、TFT基板上のブラ
ックマトリックス(25)部における中心点(b)を経
て、焦点(c)に至る。また、凹型マイクロレンズ(3
2)に入射した光軸(O−O’)に平行な平行光で、光
軸の近傍の近軸光線(図示せず)は、凹型マイクロレン
ズ(32)の円弧状表面で屈折され焦点(c)に至る。
【0047】また、凹型マイクロレンズ(32)に入射
した光軸(O−O’)に平行な平行光で、凹型マイクロ
レンズ(32)の左側周縁部からの光(34L)及び右
側周縁部からの光(34R)は、凹型マイクロレンズの
両周縁部(e、g)で屈折され実線で示すように、TF
T基板上のブラックマトリックス(25)間の開口部を
経て焦点(c)に至るものである。尚、説明を簡略にす
るために、球面収差などによる焦点の移動はないものと
している。
【0048】図2において、凹型マイクロレンズのピッ
チはu、凹型マイクロレンズの底点(p)の深さはv、
凹型マイクロレンズの曲率半径はr’であり、また、h
〜i、及びl〜mはTFT基板上のブラックマトリック
ス(25)の幅を、i〜lはTFT基板上のブラックマ
トリックス(25)間の開口部の大きさを示している。
また、tは凹型マイクロレンズ(透明樹脂層)の中心点
(a)から焦点(c)までの距離で焦点距離(f’)を
示し、sは凹型マイクロレンズ(透明樹脂層)の中心点
(a)からTFT基板上のブラックマトリックス(2
5)までの距離を示している。
【0049】35L及び35Rは、凹型マイクロレンズ
の光軸(O−O’)から角度α斜めに入射する平行光
で、凹型マイクロレンズの両周縁部を通る光を示し、点
線はその光路、c’はその焦点を示している。
【0050】この凹型マイクロレンズ(透明樹脂層)の
焦点距離は次式により求められる。
【0051】
【数2】
【0052】ここで、例えば、uは約20μm,vは約
5μmとし、n3 は1.38、n4は1.56のものを
用いると、上式により、この凹型マイクロレンズ(透明
樹脂層)の焦点距離(f’)=約96μm程度のものと
なる。凹型マイクロレンズ(32)に入射した光軸(O
−O’)に平行な平行光で、凹型マイクロレンズ(3
2)の左側周縁部からの光(34L)及び右側周縁部か
らの光(34R)は、凹型マイクロレンズの両周縁部
(e、g)で屈折され実線で示すように、TFT基板上
のブラックマトリックス(25)間の開口部の、光軸上
の焦点(c)に焦光する。
【0053】前記のように、透明薄板(30)、透明電
極層(28)、液晶(27)などは均質な透明樹脂層
(31)と設定したが、各々の厚みは、各々約70μ
m,約0.2μm,約3μm,程度であり、これらを合
計して約73μm程度のものとなる。すなわち、凹型マ
イクロレンズ(透明樹脂層)の中心点(a)からTFT
基板上のブラックマトリックス(25)までの距離
(s)は、約73μm程度のものとなる。
【0054】上記のように、凹型マイクロレンズ(透明
樹脂層)の焦点距離は約96μm程度であり、凹型マイ
クロレンズ(透明樹脂層)の中心点(a)からTFT基
板上のブラックマトリックス(25)までの距離(s)
は、約73μm程度のものであるので、TFT基板上の
ブラックマトリックス(25)から焦点(c)までの距
離(q)は約23μm程度になる。また、凹型マイクロ
レンズのピッチ(u)は約20μmであるので、TFT
基板上のブラックマトリックス(25)部における光束
の幅(j〜k)は約4.8μm程度のものとなる。ま
た、凹型マイクロレンズのピッチ(u)は約20μmで
あり、TFT基板上のブラックマトリックス(25)部
の片側の大きさ、h〜i間、及びl〜m間が各々約3μ
m程度のものであるので、TFT基板上のブラックマト
リックス(25)部におけるブラックマトリックス間の
開口部の大きさ(i〜l)は、約13μm程度のものと
なる。
【0055】すなわち、開口部の大きさの約13μm程
度に対し、光束の幅は約4.8μm程度であるので、T
FT基板上のブラックマトリックスにより光が遮光され
ることはなく、凹型マイクロレンズへの入射光は全て凹
型マイクロレンズから射出されることになる。また、こ
の際の凹型マイクロレンズからの射出角は片側でθとな
る。θ=∠ecaは、略tan-1(u/2)/f’であ
り、約5.9°程度のものとなる。
【0056】図2の点線で示すように、凹型マイクロレ
ンズの光軸(O−O’)から角度α斜めに入射する平行
光で、凹型マイクロレンズの左側周縁部を通る光(35
L)は、左側周縁部(e)にて屈折しTFT基板上のブ
ラックマトリックス(25)部の開口部を通過し焦点
(c’)に至る。一方、凹型マイクロレンズの右側周縁
部を通る光(35R)は、右側周縁部(g)にて屈折し
TFT基板上のブラックマトリックス(25)部のl点
に接して焦点(c’)に至るものである。すなわち、点
線で示す凹型マイクロレンズの光軸(O−O’)から角
度α斜めに入射する平行光は焦点(c’)に集光する。
【0057】図2における角度β=∠lgkは、右側周
縁部(g)にて屈折する光(35R)が、この角度β以
上大きく右方へ屈折するとTFT基板上のブラックマト
リックス(25)により遮光され、焦光効率を損なうこ
とを示すものである。この角度β=∠lgkは、約ta
-1(k〜l)/sであり、約3.6°程度のものとな
る。
【0058】この角度βは、凹型マイクロレンズの光軸
から斜めに入射する平行光の傾き角度αに略近似するの
で、焦光光学系(61)からの平行光の平行度は約3.
6°以内の傾きであれば、凹型マイクロレンズとして入
射光を損失させるものではないが、約3.6°以上の傾
きであれば、凹型マイクロレンズとして入射光を損失さ
せることを示すものである。このような入射光が損失す
る問題は、前記イオン拡散法により形成されたマイクロ
レンズにおいても同様なものである。
【0059】すなわち、前記のように、液晶プロジェク
ション装置に使用される液晶表示パネルにおいては、T
FT基板上のブラックマトリックスが配置されているの
で、マイクロレンズ基板の集光効率は液晶表示パネルを
照射する集光光学系の平行光の平行度の度合いに影響さ
れ、その焦光効率が損失されてしまうものであるが、上
記のように、本発明は、集光光学系の平行光の平行度の
悪さが約3.6°程度の集光光学系を用いた液晶プロジ
ェクション装置においても、入射した光を損失すること
なく出射させる集光効率の損なうことのない、ピッチの
精細なマイクロレンズ基板が得られるものである。
【0060】図4は、本発明によるマイクロレンズ基板
が液晶表示パネルに使用される他の一例を拡大して示す
断面図である。図4に示すように、液晶表示パネル(4
1)はマイクロレンズ基板(42)、液晶(47)、及
びTFT基板(43)などで構成されている。マイクロ
レンズ基板(42)は、透明基板(53)、凹型マイク
ロレンズ(52)、透明樹脂層(51)、透明薄板(5
4)、透明薄板上のブラックマトリックス層(49)、
カラーフィルタ層(56)、及び透明電極層(48)な
どで構成されており、この凹型マイクロレンズ(52)
はドライエッチング法により形成されたものである。ま
た、TFT基板(43)は、透明基板(44)、TFT
基板上のブラックマトリックス(45)、及び透明電極
層(46)などで構成されている。
【0061】図4に示すように、集光光学系からの光軸
(O−O’)に平行な平行光(90)は、液晶表示パネ
ル(41)の全面を照射しているものであるが、図4中
央の凹型マイクロレンズ(52)の左側周縁部からの光
(54L)及び右側周縁部からの光(54R)は、凹型
マイクロレンズ(52)により屈折され実線で示すよう
に、透明薄板上のブラックマトリックス層(49)間、
及びTFT基板上のブラックマトリックス(45)間の
開口部を通過し集光している。
【0062】図4において、平行光(90)の平行度が
不十分であると、例えば、図4に示すように、角度
α’’以上をもった斜めの平行光の際には、点線で示す
右側周縁部からの光(55R)より右方へ屈折され、T
FT基板上のブラックマトリックス(45)、或いは透
明薄板上のブラックマトリックス層(49)により遮光
されてしまうことになる。
【0063】透明薄板上のブラックマトリックス層(4
9)は、凹型マイクロレンズ周縁部間の上方に位置する
箇所に形成されている。これは凹型マイクロレンズ間の
レンズとして形成されていない微小な部分から侵入した
光が、フレアのように凹型マイクロレンズ本来の機能を
妨げる現象、例えば、液晶表示パネル(41)のコント
ラスト低下を防いでいるものである。
【0064】また、この透明薄板上のブラックマトリッ
クス層(49)部の幅は、光軸に対し斜めから入射した
光束が、TFT基板上のブラックマトリックス(45)
に達するまえに透明薄板上のブラックマトリックス層
(49)によって遮光されてしまうことのないように、
TFT基板上のブラックマトリックス(45)部の幅よ
り小さく設定されているものである。この透明薄板上の
ブラックマトリックス層(49)の材料しては、遮光性
能のある、例えば、Crのような金属薄膜が好適なもの
である。
【0065】このように、図4に示すマイクロレンズ基
板においては、カラーフィルタ層が設けられているの
で、マイクロレンズ基板がカラーフィルタの機能を兼
ね、また、液晶表示パネルのコントラスト低下を十分に
防いだものとなっている。
【0066】以下に本発明によるマイクロレンズ基板の
製造方法について具体的に説明する。図3(イ)〜
(ヘ)は、本発明におけるマイクロレンズ基板の製造方
法の一実施例を示す断面図である。図3(イ)における
透明基板(33)としては、透明ガラス基板:日本電気
硝子(株)製、結晶化ガラス、ネオセラムを用いた。
【0067】先ず、図3(イ)に示すように、透明基板
(33)上に透明低屈折率材料(37)を成膜した。使
用した透明低屈折率材料(37)としては、MgF
2 (屈折率:1.35)を用いた。成膜方法はEB蒸着
法により、条件は、到達真空圧:10-4(Pa)台、蒸
着速度:5.0(Å/sec)で成膜した。膜厚は約4
μmのものを得た。
【0068】次に、成膜した透明低屈折率材料(37)
上にフォトレジストを塗布した。フォトレジストとして
は、ポジ型感光性樹脂(東京応化工業(株)製、品番A
Z−4620)を使用し、透明低屈折率材料を成膜した
透明基板(33)上にスピンコート法により塗布した。
塗布後に90°C、120秒のベーキングをおこなっ
た。
【0069】次に、ステッパーを用いてパターンの露光
をおこなった。露光後に浸漬現像をおこない図3(ロ)
に示すようなフォトレジストパターン(38)を形成し
た。フォトレジストパターンは18μmの正方形でその
中心に7μmφのピンホールを形成した。現像液は指定
現像液(東京応化工業(株)製、品番NMD−W(濃度
2.5重量%))を用い、約60秒の現像をおこなっ
た。次に、キャノンPLA−520Aを用い、約1分間
(365nm:420mJ/cm2 )のUV照射を行っ
た。
【0070】次に、フォトレジストパターン(38)を
マスクとして、プラズマエッチング法によるドライエッ
チングをおこなった。図3(ハ)に示すように等方性エ
ッチング(40)であり、ドライエッチングの条件は、
1.5(Pa)、0.3(W/cm2 ),BCl3 ガス
20(SCCM)、エッチング速度:0.05μm/m
inであった。
【0071】次に、エッチング後に残されたレジストパ
ターンを剥離した。剥離液としては、東京応化(株)
製、剥離液、品番10を用い、80°C、約30分の浸
漬剥離にておこなった。十分な水洗後、クリーンオーブ
ンにて150℃・1時間の乾燥を行った。
【0072】続いて、透明低屈折率材料の屈折率より高
い屈折率を有する透明樹脂層(31)を介して透明薄板
(30)を貼り合わせた。透明樹脂層(31)として
は、透明接着剤(協立化学(株)製、エポキシ系UV硬
化型接着剤、品番OG142(屈折率:1.56))を
用いた。透明薄板(30)には、日本電気硝子(株)
製、結晶化ガラス、ネオセラムを用い、厚みは約70μ
mとした。UV照射は照度約100(mW/cm2 )に
て,約3分おこない透明接着剤を硬化させた。
【0073】続いて、上記工程により得られた透明基板
上に、ITOをRFスパッタにより約0.14μm成膜
し透明電極層(28)を形成し、マイクロレンズ基板
(22)を得た。RFスパッタ条件は、Arに0.5%
の酸素を加えた混合ガスを用いて、ガス分圧2Torr
・2KWであった。得られたマイクロレンズ基板(2
2)の凹型マイクロレンズ(32)のピッチ(u)は約
20μm、焦点距離(f’)は約93μm、凹型マイク
ロレンズ(透明樹脂層)の中心点からTFT基板上のブ
ラックマトリックス(25)までの距離は約73μm、
TFT基板上のブラックマトリックス(25)部におけ
る光束の幅は約4.0μmのものであった。このマイク
ロレンズ基板(22)の、図2における角度βに相当す
る角度、すなわち、平行光の傾きによるTFT基板上の
ブラックマトリックス(25)での遮光の始まる角度
は、約3.4°のものである。
【0074】このようにしてマイクロレンズ基板(2
2)は、上記のように、フォトレジストパターン(3
8)を形成させ、ドライエッチング法により凹型マイク
ロレンズを形成するので、凹型マイクロレンズのピッチ
は約20μm以下の精細なものが容易に得られるもので
ある。液晶プロジェクション装置に用いる液晶表示パネ
ルは、例えば、対角大きさ0.9″、VGA(画素数6
40×480)用では、画素ピッチは約28μm程度、
また、対角大きさ0.9″、SVGA(画素数800×
600)用では、画素ピッチは約23μm程度、また、
対角大きさ0.9″、XGA(画素数1024×76
8)、及びSXGA(画素数1080×1024)用で
は、画素ピッチは約20μm以下であるので、精細なマ
イクロレンズの製法としては好適なものである。
【0075】また、このようにしてマイクロレンズ基板
(22)は、集光光学系の平行光の平行度の悪い集光光
学系を用いた液晶プロジェクション装置においても、入
射した光を損失することなく出射させる集光効率の損な
うことのない、ピッチの精細なマイクロレンズ基板が得
られるものである。
【0076】以下に本発明の実施例を説明する。
【0077】<実施例1>透明基板(33)としては、
透明ガラス基板(日本電気硝子(株)製、結晶化ガラ
ス、ネオセラム)を用いた。先ず、図3(イ)に示すよ
うに、透明基板(33)上に透明低屈折率材料(37)
を成膜した。使用した透明低屈折率材料(37)として
は、SiO2 (屈折率:1.46)を用いた。成膜方法
はEB蒸着法により、条件は、到達真空圧:10-4(P
a)台、蒸着速度:5.0(nm/sec)で成膜し
た。膜厚は約5μmのものを得た。
【0078】次に、成膜した透明低屈折率材料(37)
上にフォトレジストを塗布した。フォトレジストとして
は、ポジ型感光性樹脂(東京応化工業(株)製、品番A
Z−4620)を使用し、透明低屈折率材料を成膜した
透明基板(33)上にスピンコート法により塗布した。
塗布後に90°C、120秒のベーキングをおこなっ
た。
【0079】次に、ステッパーを用いてパターンの露光
をおこなった。露光後に浸漬現像をおこない図3(ロ)
に示すようなフォトレジストパターン(38)を形成し
た。フォトレジストパターンは18μmの正方形でその
中心に7μmφのピンホールを形成した。現像液は指定
現像液(東京応化工業(株)製、品番NMD−W(濃度
2.5重量%))を用い、約60秒の現像をおこなっ
た。次に、キャノンPLA−520Aを用い、約1分間
(365nm:420mJ/cm2 )のUV照射を行っ
た。
【0080】次に、フォトレジストパターン(38)を
マスクとして、プラズマエッチング法によるドライエッ
チングをおこなった。図3(ハ)に示すように等方性エ
ッチング(40)であり、ドライエッチングの条件は、
1.5(Pa)、0.8(W/cm2 )、C2F6ガス
20(SCCM)、エッチング速度:0.2μm/mi
nであった。
【0081】次に、エッチング後に残されたレジストパ
ターンを剥離した。剥離液としては、東京応化(株)
製、剥離液、品番10を用い、80°C、約30分の浸
漬剥離にておこなった。十分な水洗後、クリーンオーブ
ンにて150℃・1時間の乾燥を行った。
【0082】続いて、透明低屈折率材料の屈折率より高
い屈折率を有する透明樹脂層(31)を介して透明薄板
(30)を貼り合わせた。透明樹脂層(31)として
は、透明接着剤(エポック社製、熱硬化性接着剤、品番
396(屈折率:1.65))を用いた。透明薄板(3
0)には、ショット(株)製、品番AF−45を用い、
厚みは約70μmとした。UV照射は照度約100(m
W/cm2 )にて,約3分おこない透明接着剤を硬化さ
せた。
【0083】続いて、上記工程により得られた透明基板
上に、ITOをRFスパッタにより約0.14μm成膜
し透明電極層(28)を形成し、マイクロレンズ基板
(22)を得た。RFスパッタ条件は、Arに0.5%
の酸素を加えた混合ガスを用いて、ガス分圧2Torr
・2KWであった。得られたマイクロレンズ基板(2
2)の凹型マイクロレンズ(32)の焦点距離(f’)
は約81.45μm、凹型マイクロレンズ(透明樹脂
層)の中心点からTFT基板上のブラックマトリックス
(25)までの距離は約50μm、TFT基板上のブラ
ックマトリックス(25)部における光束の幅は約6.
95μmのものであった。このマイクロレンズ基板(2
2)の、図2における角度βに相当する角度、すなわ
ち、平行光の傾きによるTFT基板上のブラックマトリ
ックス(25)での遮光の始まる角度は、約3.43°
のものである。
【0084】
【発明の効果】本発明は、透明基板上の片面に少なくと
も、透明低屈折率材料を用いて形成された複数の凹型マ
イクロレンズ、透明低屈折率材料の屈折率より高い屈折
率を有する透明樹脂層、透明薄板、透明電極層を順次積
層したマイクロレンズ基板であり、凹型マイクロレンズ
の屈折率と透明樹脂層の屈折率との差が大きなものであ
るので、凹型マイクロレンズの焦点距離は短くなり、集
光光学系の平行光の平行度の悪い集光光学系を用いた液
晶プロジェクション装置においても、入射した光を損失
することなく出射させる集光効率の損なうことのない、
ピッチの精細なマイクロレンズ基板が得られる。また、
本発明は、集光光学系の平行光の平行度の悪い集光光学
系を用いた液晶プロジェクション装置においても、入射
した光を損失することなく出射させる集光効率の損なう
ことのない、ピッチの精細なマイクロレンズ基板を製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマイクロレンズ基板が液晶表示パ
ネルに使用されるの一実施例を拡大して示す断面図であ
る。
【図2】本発明におけるマイクロレンズ基板の集光効率
を具体的に示す説明図である。
【図3】(イ)〜(ヘ)は、本発明におけるマイクロレ
ンズ基板の製造方法の一実施例を示す断面図である。
【図4】本発明によるマイクロレンズ基板の他の例を拡
大して示す断面図である。
【図5】液晶プロジェクション装置の一例を示す断面図
である。
【図6】液晶プロジェクション装置に使用される液晶表
示パネルの一例を拡大して示す断面図である。
【図7】従来方によるマイクロレンズ基板にて、斜めの
平行光がTFT基板上のブラックマトリックスにより遮
光される状態を具体的に示す説明図である。
【符号の説明】
1…液晶表示パネル 2…従来法におけるマイクロレンズ基板 3、23、43…TFT基板 4、24、44…透明基板 5、25、45…TFT基板上のブラックマトリックス 6、26、46…TFT基板上の透明電極層 7、27、47…液晶 8、28、48…透明電極層 10、30、54…透明薄板 11、31、51…透明樹脂層 12…マイクロレンズ 13、33、53…透明基板 14L、34L、54L…マイクロレンズの左側周縁部
からの光 14R、34R、54R…マイクロレンズの右側周縁部
からの光 15L、35L、55L…斜めの平行光の左側周縁部か
らの光 15R、35R、55R…斜めの平行光の右側周縁部か
らの光 21、41…本発明における液晶表示パネル 22、42…本発明におけるマイクロレンズ基板 49…透明薄板上のブラックマトリックス層 32、52…本発明における凹型マイクロレンズ 37…透明低屈折率材料 38…フォトレジストパターン 40…ドライエッチングガス 50…光源 56…カラーフィルタ層 60…集光レンズ 61…集光光学系 70、90…平行光 80…投写レンズ A、a…マイクロレンズの中心点 B、b…TFT基板上のブラックマトリックス部におけ
る中心点 C,C’,c,c’,…焦点 E,e,G,g,…マイクロレンズの両周縁部 f,f’…マイクロレンズの焦点距離 H,h,M,m…マイクロレンズの周縁部間の上方に位
置する箇所 H〜I、L〜M,h〜i、l〜m…TFT基板上のブラ
ックマトリックスの幅 I〜L,i〜l…TFT基板上のブラックマトリックス
間の開口部の大きさ O,O’…光軸 P…マイクロレンズの頂点 p…凹型マイクロレンズの底点 Q…TFT基板上のブラックマトリックスから焦点まで
の距離 r…マイクロレンズの曲率半径 r’…凹型マイクロレンズの曲率半径 S,s…マイクロレンズの中心点からTFT基板上のブ
ラックマトリックスまでの距離 T,t…マイクロレンズの中心点から焦点までの距離 U,u…マイクロレンズのピッチ V…マイクロレンズの頂点の高さ v…凹型マイクロレンズの凹部の深さ α,α’,α’’…斜めに入射する平行光の角度 β,β’…TFT基板上のブラックマトリックスにより
遮光される角度 θ,θ’…マイクロレンズからの射出角

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上の片面に少なくとも、 (a)透明低屈折率材料を用いて形成された複数の凹型
    マイクロレンズ、 (b)該透明低屈折率材料の屈折率より高い屈折率を有
    する透明樹脂層、 (c)透明薄板、 (d)透明電極層を順次積層したことを特徴とするマイ
    クロレンズ基板。
  2. 【請求項2】(1)透明基板上に透明低屈折率材料を用
    いて透明低屈折率材料層を成膜する工程、 (2)該透明低屈折率材料層上にフォトレジストを塗布
    しレジストパターンを形成する工程、 (3)該レジストパターンをマスクとしてドライエッチ
    ング法により該透明低屈折率材料層をエッチングして凹
    型マイクロレンズを形成する工程、 (4)エッチング後に残されたレジストパターンを剥膜
    する工程、 (5)該透明低屈折率材料の屈折率より高い屈折率を有
    する透明樹脂層を介して透明薄板を貼り合わせるスペー
    サ形成工程、 (6)上記(1)から(5)の工程により得られた透明
    基板上に透明電極層を形成する工程、を含むマイクロレ
    ンズ基板の製造方法。
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