JP2016017983A - マイクロレンズアレイ基板、電気光学装置、および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】光の利用効率を向上させて明るい表示と良好なコントラスト比とを得ることが可能なマイクロレンズアレイ基板、電気光学装置、および電子機器を提供する。
【解決手段】マイクロレンズアレイ基板10は、面11aに凹部12が設けられた基板11と、凹部12を埋め込むように設けられたレンズ層13と、レンズ層13を覆うように設けられた光路長調整層14とを備え、凹部12は中央部に配置された平坦部12aを有し、レンズ層13の屈折率は基板11の屈折率よりも大きく、光路長調整層14の屈折率は基板11の屈折率よりも大きく、かつ、レンズ層13の屈折率以下であることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、マイクロレンズアレイ基板、電気光学装置、および電子機器に関する。
素子基板と対向基板との間に電気光学物質(例えば、液晶など)を備えた電気光学装置が知られている。電気光学装置として、例えば、プロジェクターの液晶ライトバルブとして用いられる液晶装置などを挙げることができる。このような液晶装置においては、高い光利用効率を実現することが求められている。そこで、マイクロレンズアレイ基板を備え、液晶装置に入射する光のうち遮光層で遮光されてしまう光をマイクロレンズで集光して画素の開口部内に入射させることにより、液晶装置の実質的な開口率の向上を図る構成が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のマイクロレンズアレイ基板は、基板の凹部(窪み)に高屈折接着剤からなるレンズ層を塗布して調整用ガラス板と貼り合せることにより形成される。基板に凹部を形成する際に、凹部中に蓄積される不要物が基板表面を覆うとともにエッチング液の循環を阻害することにより、凹部の中央部は略平坦な形状となる。略平坦な形状の部分は集光作用がないため、マイクロレンズの中央部に入射する平行光は、屈折することなくそのまま直進してマイクロレンズから射出される。
特開2004−4745号公報
しかしながら、マイクロレンズアレイ基板に入射する光には、基板表面の法線方向に沿った平行光ばかりでなく、法線方向に対して角度を持った斜め光も少なからず含まれる。特許文献1に記載のマイクロレンズアレイ基板では、レンズ層の屈折率は基板の屈折率よりも大きく、調整用ガラス板の屈折率は基板の屈折率と同一である。そのため、マイクロレンズの中央部に入射する斜め光は、基板とレンズ層との界面で屈折しその屈折角が入射角よりも小さくなるが、レンズ層と調整用ガラス板との界面で再び屈折して、マイクロレンズに入射したときの角度に戻されて射出される。そうすると、マイクロレンズから射出された斜め光が遮光部で遮光されて光の利用効率が低下するおそれや、液晶分子の配向方向に対して斜めに進む光が多くなることでコントラスト比が低下するおそれがある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るマイクロレンズアレイ基板は、第1の面に凹部が設けられた基板と、前記凹部を埋め込むように設けられたレンズ層と、前記レンズ層を覆うように設けられた透光層と、を備え、前記凹部は、中央部に配置された平坦部を有し、前記レンズ層の屈折率は前記基板の屈折率よりも大きく、前記透光層の屈折率は前記基板の屈折率よりも大きく、かつ、前記レンズ層の屈折率以下であることを特徴とする。
本適用例の構成によれば、基板の屈折率よりも大きな屈折率を有するレンズ層で凹部を埋め込むことにより、マイクロレンズが構成される。凹部は、集光作用を有していない平坦部を中央部に有しているため、マイクロレンズの中央部に入射する平行光は、屈折することなくレンズ層と透光層とを通過する。一方、マイクロレンズの中央部に入射する斜め光は、レンズ層の屈折率が基板の屈折率よりも大きいので、基板とレンズ層との界面で屈折しその屈折角は入射角よりも小さくなる。ここで、透光層の屈折率は基板の屈折率よりも大きく、かつ、レンズ層の屈折率以下であるので、レンズ層と透光層との界面で屈折する際の屈折角は、斜め光がレンズ層に入射した際の入射角よりも小さくなる。したがって、マイクロレンズの中央部に入射する斜め光を、透光層の屈折率が基板の屈折率と同じである場合よりも法線方向に対する角度を小さくして射出することができる。また、レンズ層の屈折率と透光層の屈折率との差が小さくなるため、レンズ層と透光層との界面での斜め光の反射が抑えられる。これらにより、光の利用効率を向上させることができる。
[適用例2]上記適用例に係るマイクロレンズアレイ基板であって、前記透光層の屈折率は、前記レンズ層の屈折率よりも小さくてもよい。
本適用例の構成によれば、透光層の屈折率はレンズ層の屈折率よりも小さい。すなわち、透光層の屈折率がレンズ層の屈折率と異なるので、透光層とレンズ層とで組成や配合比が異なる材料を用いて、別工程で成膜することが可能となる。
[適用例3]上記適用例に係るマイクロレンズアレイ基板であって、前記凹部は、周縁部に前記第1の面から前記平坦部に向かって傾斜する傾斜面を有していることが好ましい。
本適用例の構成によれば、凹部はその周縁部に基板の第1の面から平坦部に向かって傾斜する傾斜面、すなわちテーパー状の面を有している。したがって、凹部の周縁部が曲面である場合と比べて、周縁部に入射する光の過度の屈折を抑えることができる。また、周縁部に入射する光が屈折する角度が略同一となるので、マイクロレンズから射出される光の角度のばらつきをより小さく抑えることができる。
[適用例4]本適用例に係る電気光学装置は、第1の基板と、前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された電気光学層と、前記第1の基板に配置された複数の遮光層で構成され、画素に対応する開口部を有する遮光部と、を備え、前記第1の基板または前記第2の基板に、請求項1から3のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイ基板を備え、平面視において、前記遮光部の内縁が前記平坦部の外縁よりも外側に配置されていることを特徴とする。
本適用例の構成によれば、電気光学装置は複数の遮光層で構成され各画素に対応する開口部を有する遮光部とマイクロレンズアレイ基板とを備えている。そのため、マイクロレンズの中央部(平坦部)に入射する斜め光は、法線方向に対する角度が小さくなって射出されるので、入射する際の入射角のまま進んだ場合に遮光部で遮光される斜め光を各画素の開口部内に導くことができる。また、遮光部の内縁が平坦部の外縁よりも外側に配置されているので、マイクロレンズの中央部に入射して屈折することなく射出される平行光は、遮光部で遮光されることなく開口部内を透過する。これらにより、電気光学装置に入射する平行光および斜め光が遮光部で遮光されることによる光の利用効率の低下や、液晶分子の配向方向に対して斜めに進む光が多くなることによるコントラスト比の低下を抑えることができる。
[適用例5]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記画素は平面視で略矩形状であり、前記レンズ層は、前記画素の対角同士を結ぶ対角線方向に連続して設けられていることが好ましい。
本適用例の構成によれば、レンズ層は、画素の対角同士を結ぶ対角線方向に連続して設けられている。換言すれば、レンズ層は、凹部を埋め込む部分だけでなく、画素の対角線方向において隣り合う凹部同士の間の基板の表面にも設けられている。そのため、凹部を埋め込むように形成したレンズ層の表面を研磨して平坦化する工程において、画素の対角線方向において隣り合う凹部同士の間にレンズ層が残った状態で研磨を終了するので、レンズ層の過剰な研磨によりレンズ径が小さくなって光の利用効率が低下することを抑止できる。
[適用例6]本適用例に係る電子機器は、上記適用例の電気光学装置を備えていることを特徴とする。
本適用例の構成によれば、明るく優れたコントラスト比を有する画像を表示する電子機器を提供することができる。
第1の実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略平面図。 第1の実施形態に係る液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。 第1の実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略断面図。 第1の実施形態に係る液晶装置の遮光部およびマイクロレンズの形状と配置とを示す模式平面図。 第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の作用を説明する模式断面図。 第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図。 第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図。 第2の実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略断面図。 第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図。 第3の実施形態に係る電子機器としてのプロジェクターの構成を示す概略図。 従来のマイクロレンズアレイ基板の作用を比較して説明する模式断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大、縮小、あるいは誇張して表示している。また、説明に必要な構成要素以外は図示を省略する場合がある。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
(第1の実施形態)
<電気光学装置>
ここでは、電気光学装置として、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor:TFT)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、後述する投写型表示装置(プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
まず、第1の実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置について、図1、図2、および図3を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略平面図である。図2は、第1の実施形態に係る液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。図3は、第1の実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略断面図である。詳しくは、図3は、図1のA−A’線に沿った概略断面図である。
図1および図3に示すように、第1の実施形態に係る液晶装置1は、第1の基板としての素子基板20と、素子基板20に対向配置された第2の基板としての対向基板30と、シール材42と、電気光学層としての液晶層40とを備えている。図1に示すように、素子基板20は対向基板30よりも大きく、両基板は、対向基板30の縁部に沿って額縁状に配置されたシール材42を介して接合されている。
液晶層40は、素子基板20と対向基板30とシール材42とによって囲まれた空間に封入された、正または負の誘電異方性を有する液晶で構成されている。シール材42は、例えば熱硬化性または紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤からなる。シール材42には、素子基板20と対向基板30との間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
額縁状に配置されたシール材42の内側には、素子基板20に設けられた遮光層22,26と、対向基板30に設けられた遮光層32とが配置されている。遮光層22,26,32は、額縁状の周縁部を有し、例えば遮光性の金属あるいは金属酸化物などで形成されている。額縁状の遮光層22,26,32の内側は、複数の画素Pが配列された表示領域Eとなっている。画素Pは、例えば、略矩形状を有し、マトリックス状に配列されている。
表示領域Eは、液晶装置1において、実質的に表示に寄与する領域である。素子基板20に設けられた遮光層22,26は、表示領域Eにおいて、複数の画素Pを平面的に区画するように、例えば格子状に設けられている。なお、液晶装置1は、表示領域Eの周囲を囲むように設けられた、実質的に表示に寄与しないダミー領域を備えていてもよい。
素子基板20の第1辺に沿って形成されたシール材42の表示領域Eと反対側には、第1辺に沿ってデータ線駆動回路51および複数の外部接続端子54が設けられている。また、その第1辺に対向する他の第2辺に沿ったシール材42の表示領域E側には、検査回路53が設けられている。さらに、これらの2辺と直交し互いに対向する他の2辺に沿ったシール材42の内側には、走査線駆動回路52が設けられている。
検査回路53が設けられた第2辺のシール材42の表示領域E側には、2つの走査線駆動回路52を繋ぐ複数の配線55が設けられている。これらデータ線駆動回路51、走査線駆動回路52に繋がる配線は、複数の外部接続端子54に接続されている。また、対向基板30の角部には、素子基板20と対向基板30との間で電気的導通をとるための上下導通部56が設けられている。なお、検査回路53の配置はこれに限定されず、データ線駆動回路51と表示領域Eとの間のシール材42の内側に沿った位置に設けてもよい。
以下の説明では、データ線駆動回路51が設けられた第1辺に沿った方向をX方向とし、この第1辺と直交し互いに対向する他の2辺に沿った方向をY方向とする。X方向は、図1のA−A’線に沿った方向である。遮光層22,26は、X方向とY方向とに沿った格子状に設けられている。画素Pは、遮光層22,26によって格子状に区画され、X方向とY方向とに沿ったマトリックス状に配列されている。
また、X方向およびY方向と直交し図1における上方に向かう方向をZ方向とする。なお、本明細書では、液晶装置1の対向基板30側表面の法線方向(Z方向)から見ることを「平面視」という。
図2に示すように、表示領域Eには、走査線2とデータ線3とが互いに交差するように形成され、走査線2とデータ線3との交差に対応して画素Pが設けられている。画素Pのそれぞれには、画素電極28と、スイッチング素子としてのTFT24とが設けられている。
TFT24のソース電極(図示しない)は、データ線駆動回路51から延在するデータ線3に電気的に接続されている。データ線3には、データ線駆動回路51(図1参照)から画像信号(データ信号)S1,S2,…,Snが線順次で供給される。TFT24のゲート電極(図示しない)は、走査線駆動回路52から延在する走査線2の一部である。走査線2には、走査線駆動回路52から走査信号G1,G2,…,Gmが線順次で供給される。TFT24のドレイン電極(図示しない)は、画素電極28に電気的に接続されている。
画像信号S1,S2,…,Snは、TFT24を一定期間だけオン状態とすることにより、データ線3を介して画素電極28に所定のタイミングで書き込まれる。このようにして画素電極28を介して液晶層40に書き込まれた所定レベルの画像信号は、対向基板30に設けられた共通電極34(図3参照)との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。
なお、保持された画像信号S1,S2,…,Snがリークするのを防止するため、走査線2に沿って形成された容量線4と画素電極28との間に蓄積容量5が形成され、液晶容量と並列に配置されている。このように、各画素Pの液晶に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより液晶の配向状態が変化する。これにより、液晶層40(図3参照)に入射した光が変調されて階調表示が可能となる。
液晶層40を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。例えば、ノーマリーホワイトモードの場合、各画素Pの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少する。ノーマリーブラックモードの場合、各画素Pの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加し、全体として液晶装置1からは画像信号に応じたコントラスト比をもつ光が射出される。
図3に示すように、対向基板30は、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10と、遮光層32と、保護層33と、共通電極34と、配向膜35とを備えている。
マイクロレンズアレイ基板10は、基板11と、レンズ層13と、透光層としての光路長調整層14とを備えている。基板11は、例えば、ガラスや石英などの光透過性を有する無機材料からなる。基板11の液晶層40側の面を、第1の面としての面11aとする。基板11は、面11aに形成された複数の凹部12を有している。各凹部12は、画素Pに対応して設けられている。凹部12は、その中央部に配置された平坦部12aと、周縁部に配置された傾斜面12cと、平坦部12aと傾斜面12cとの間に配置された曲面部12bとを有している。
レンズ層13は、複数の凹部12を埋め込むように形成されている。レンズ層13は、光透過性を有し、基板11よりも光屈折率が大きい無機材料からなる。このような無機材料としては、例えばSiON、Al23などが挙げられる。レンズ層13を形成する材料で凹部12を埋め込むことにより、凸状のマイクロレンズMLが構成される。各マイクロレンズMLは、画素Pに対応して設けられている。また、複数のマイクロレンズMLによりマイクロレンズアレイMLAが構成される。
光路長調整層14は、基板11とレンズ層13とを覆うように設けられている。光路長調整層14は、光透過性を有し、基板11よりも光屈折率が大きく、かつ、レンズ層13よりも光屈折率が小さい無機材料からなる。光路長調整層14は、例えば、レンズ層13と同じ無機材料で構成される。
レンズ層13および光路長調整層14をSiONで形成する場合、レンズ層13と光路長調整層14とで酸素(O)と窒素(N)との比を異ならせることで、レンズ層13の光屈折率と光路長調整層14の光屈折率とを異ならせることができる。より具体的には、SiONに含まれる酸素(O)に対する窒素(N)の比率を高めることで、光屈折率を大きくすることができる。例えば、基板11の光屈折率が1.46であるとすると、レンズ層13の光屈折率は1.56〜1.70程度とされ、光路長調整層14の光屈折率は1.48〜1.69程度とされる。
光路長調整層14は、マイクロレンズMLから遮光層26までの距離を所望の値に合わせる機能を有する。したがって、光路長調整層14の層厚は、光の波長に応じたマイクロレンズMLの焦点距離などの光学条件に基づいて適宜設定される。
遮光層32は、マイクロレンズアレイ基板10(光路長調整層14)上に設けられている。遮光層32は、マイクロレンズMLが配置された表示領域E(図1参照)の周囲を囲むように設けられている。遮光層32は、表示領域E内にも設けられ、素子基板20の遮光層22および遮光層26に平面視で重なるように格子状、島状、またはストライプ状などに形成されていてもよい。
保護層33は、光路長調整層14と遮光層32とを覆うように設けられている。共通電極34は、保護層33を覆うように設けられている。共通電極34は、複数の画素Pに跨って形成されている。共通電極34は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜からなる。配向膜35は、共通電極34を覆うように設けられている。
なお、保護層33は共通電極34の液晶層40側の表面が平坦となるように、遮光層32を覆うものであって、必須な構成要素ではなく、例えば、導電性の遮光層32を直接覆うように共通電極34を形成してもよい。
素子基板20は、基板21と、遮光層22と、絶縁層23と、TFT24と、絶縁層25と、遮光層26と、絶縁層27と、画素電極28と、配向膜29とを備えている。基板21は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料からなる。
遮光層22は、基板21上に設けられている。遮光層22は、上層の遮光層26に平面視で重なるように格子状に形成されている。遮光層22および遮光層26は、素子基板20の厚さ方向(Z方向)において、TFT24を間に挟むように配置されている。遮光層22は、TFT24の少なくともチャネル領域と平面視で重なっている。
遮光層22および遮光層26が設けられていることにより、TFT24への光の入射が抑制されるので、TFT24における光リーク電流の増大や光による誤動作を抑えることができる。遮光層22と遮光層26とで遮光部Sが構成される。遮光層22に囲まれた領域(開口部22a内)、および、遮光層26に囲まれた領域(開口部26a内)は、平面視で互いに重なっており、画素Pの領域のうち光が透過する開口部Tとなる。
絶縁層23は、基板21と遮光層22とを覆うように設けられている。絶縁層23は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。
TFT24は、絶縁層23上に設けられている。TFT24は、画素電極28を駆動するスイッチング素子である。TFT24は、図示しない半導体層、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極で構成されている。半導体層には、ソース領域、チャネル領域、およびドレイン領域が形成されている。チャネル領域とソース領域、又は、チャネル領域とドレイン領域との界面にはLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成されていてもよい。
ゲート電極は、素子基板20において平面視で半導体層のチャネル領域と重なる領域に絶縁層25の一部(ゲート絶縁膜)を介して形成されている。図示を省略するが、ゲート電極は、下層側に配置された走査線にコンタクトホールを介して電気的に接続されており、走査信号が印加されることによってTFT24をオン/オフ制御している。
絶縁層25は、絶縁層23とTFT24とを覆うように設けられている。絶縁層25は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。絶縁層25は、TFT24の半導体層とゲート電極との間を絶縁するゲート絶縁膜を含む。絶縁層25により、TFT24によって生じる表面の凹凸が緩和される。絶縁層25上には、遮光層26が設けられている。そして、絶縁層25と遮光層26とを覆うように、無機材料からなる絶縁層27が設けられている。
画素電極28は、絶縁層27上に、画素Pに対応して設けられている。画素電極28は、遮光層22の開口部22aおよび遮光層26の開口部26aに平面視で重なる領域に配置されている。画素電極28は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜からなる。配向膜29は、画素電極28を覆うように設けられている。液晶層40は、素子基板20側の配向膜29と対向基板30側の配向膜35との間に封入されている。
なお、TFT24と、TFT24に電気信号を供給する電極や配線など(図示しない)とは、平面視で遮光層22および遮光層26に重なる領域に設けられている。これらの電極や配線などが遮光層22や遮光層26を兼ねる構成であってもよい。
第1の実施形態に係る液晶装置1では、例えば、光源などから発せられた光は、マイクロレンズMLを備える対向基板30(基板11)側から入射する。入射する光のうち、対向基板30(基板11)の表面の法線方向に沿ってマイクロレンズMLの中央部(平坦部12a)に入射した平行光の光L1は、平坦部12aが集光機能を有していないので、そのまま直進して画素Pの開口部T内を透過し素子基板20側に射出される。
なお、以下では、対向基板30(基板11)の表面の法線方向を単に「法線方向」という。「法線方向」は、図3のZ方向に沿った方向であり、素子基板20(基板21)の法線方向と略同一の方向である。また、以下では、法線方向に平行な光を「平行光」といい、法線方向に対して傾いた(角度を持った)光を「斜め光」という。
マイクロレンズMLの平坦部12aの外側で、曲面部12bに入射した平行光の光L2は、基板11とレンズ層13との間の光屈折率の差により、画素Pの平面的な中心側へ屈折して、画素Pの開口部T内を透過し素子基板20側に射出される。なお、曲面部12bが平面視で遮光部S(遮光層26および遮光層22)と重なる領域に配置されている場合でも、光L2は、画素Pの平面的な中心側へ屈折するので、遮光部Sで遮光されることなく、画素Pの開口部T内を透過し素子基板20側に射出される。
曲面部12bの外側で、傾斜面12cに入射した平行光の光L3は、仮にそのまま直進した場合、破線で示すように遮光部Sで遮光されてしまう。液晶装置1では、光L3は、基板11とレンズ層13との間の光屈折率の差により、画素Pの平面的な中心側へ屈折するので、遮光部Sで遮光されることなく、画素Pの開口部T内を透過し素子基板20側に射出される。なお、レンズ層13と光路長調整層14との間にも光屈折率の差があるため、レンズ層13と光路長調整層14との界面でも屈折が起きるが、これについては後述する。
液晶装置1では、このように、直進した場合に遮光部Sで遮光されてしまう平行光の光L3も、マイクロレンズMLの作用により画素Pの開口部T内に入射させて液晶層40を通過させることができる。この結果、素子基板20側から射出される光の量を多くできるので、光の利用効率を高めることができる。
また、平坦部12aに入射する平行光の光L1はそのまま直進し、傾斜面12c内に入射する平行光は光L3と略同一の角度で屈折するので、凹部12の全体が集光作用を有する曲面部で構成されている場合と比べて、液晶層40に入射する光の角度のばらつきを抑えることができる。この結果、液晶分子の配向方向に対する光の角度のばらつきを小さくできるので、液晶装置1に表示される画像のコントラスト比を向上させることができる。
<マイクロレンズアレイ基板>
続いて、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10の詳細構成と作用について、図4、図5、および図11を参照して説明する。図4は、第1の実施形態に係る液晶装置の遮光部およびマイクロレンズの形状と配置とを示す模式平面図である。図5は、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の作用を説明する模式断面図である。なお、図5は、図3における1つの画素Pの部分拡大図に相当する。要部以外の図示を省略している。図11は、従来のマイクロレンズアレイ基板の作用を比較して説明する模式断面図である。図5および図11では、要部以外の図示を省略している。
図4に示すように、液晶装置1の表示領域Eには、複数の画素Pが所定の配置ピッチでマトリックス状に配列されている。図4には、互いに隣り合う4つの画素Pが図示されている。画素Pの各々は略矩形の平面形状を有し、X方向およびY方向において隣り合う画素P同士が互いに接するように配列されている。画素Pの対角に位置する頂点同士を結ぶ対角線に沿った方向をW方向とする。
図4に斜線を付して示すように、液晶装置1の表示領域Eには、遮光部Sが略格子状に設けられている。遮光部Sは、遮光層22と遮光層26とで構成される。換言すれば、遮光部Sには、遮光層22および遮光層26の少なくとも一つが配置されている。各画素Pの領域のうち、遮光部Sと平面視で重なる領域は光を透過しない非開口領域であり、開口部Tと平面視で重なる領域は光が透過する開口領域である。TFT24は、遮光部Sと平面視で重なる領域に配置されている。
遮光部Sは、X方向に延在する部分とY方向に延在する部分とを有している。遮光部Sは、例えば、4つの角部に開口部T側に張り出した部分を有している。この遮光部Sの張り出した部分には、例えば、TFT24の一部や図示しない中継電極や容量電極などが配置されている。遮光部Sをこのような形状とすることで、遮光部Sの領域を小さくして開口率を高めても、TFT24を確実に遮光することができる。
遮光部Sは、複数の画素Pの各々に対応する開口部Tを有している。開口部Tは、略矩形状の4つの角部が窪んだ輪郭形状を有している。開口部Tは、X方向に沿った直線およびY方向に沿った直線に対して線対称な輪郭形状を有している。なお、開口部Tの輪郭形状(遮光部Sの平面形状)は、このような形態に限定されるものではなく、4つの角部が窪んでいない輪郭形状であってもよいし、X方向またはY方向のいずれか一方に沿った直線に対して非線対称な輪郭形状であってもよい。
開口部Tは、平面視で開口部22aと開口部26aとが重なる領域である。なお、遮光層32が表示領域Eにも設けられている場合、遮光部Sは遮光層22と遮光層26と遮光層32とで構成され、開口部Tは平面視で開口部22aと開口部26aと遮光層32の開口部とが重なる領域となる。
複数のマイクロレンズML(凹部12)の各々は、複数の画素Pの各々に対応して、同じ配置ピッチで配列されている。マイクロレンズML(凹部12)は、平面視で画素Pの開口部Tと重なるように配置されている。太い実線で示すように、マイクロレンズML(凹部12)の平面形状は略矩形であり、画素Pに内接する大きさである。2点鎖線で示すように、凹部12の仮想的な外形は円形状であり、例えば、画素Pの内接円よりも大きく外接円よりも小さい。
X方向およびY方向において隣り合うマイクロレンズML同士の境界は、遮光部SのX方向に延在する部分およびY方向に延在する部分と平面視で重なる領域に配置されている。また、マイクロレンズML(凹部12)の4隅の角部は、遮光部SのX方向に延在する部分とY方向に延在する部分とが交差する部分と平面視で重なる領域に配置されている。
X方向およびY方向において隣り合うマイクロレンズML(凹部12)同士は互いに接続されている。そのため、X方向およびY方向において隣り合うマイクロレンズML同士が互いに離間されている場合と比べて、マイクロレンズMLに入射する光をより多くすることができる。対角線に沿った方向(W方向)において隣り合うマイクロレンズML(凹部12)同士は、互いに離間されている。
凹部12は、中央部に配置された平坦部12aと、平坦部12aの周囲に配置された曲面部12bと、曲面部12bの周囲に配置された傾斜面12cとを有している。平坦部12aと曲面部12bと傾斜面12cとは、連続して形成されている。凹部12の仮想的な外形の設計上の中心は、画素Pの平面的な中心と一致している。平坦部12aおよび曲面部12bは、凹部12の仮想的な外形(円形)の同心円状に形成されている。
平坦部12aは、凹部12の底部であり、平面視で画素Pの開口部T内に配置されている。換言すれば、遮光部Sの内縁は、平坦部12aの外縁よりも外側に配置されている。これにより、マイクロレンズMLの平坦部12aに入射する平行光(図3に示す光L1)は、屈折することなくそのまま直進して射出されても、遮光部Sで遮光されることなく各画素Pの開口部T内を透過することができる。
レンズ層13は、凹部12を埋める範囲に配置されている。したがって、X方向およびY方向において隣り合うマイクロレンズML(凹部12)同士では、レンズ層13が連続して設けられている(図3参照)。また、対角線に沿った方向(W方向)において隣り合うマイクロレンズML(凹部12)同士では、レンズ層13は分断されている(図7(d)参照)。
図5に示すマイクロレンズMLの光軸Axは、マイクロレンズML(凹部12)の平面的な中心を通り、基板11の表面の法線方向に平行な直線である。図5に示す光L2,L3は、図3に示す平行光の光L2,L3に対応している。上述したように、光L2,L3は、基板11とレンズ層13との界面で屈折するが、レンズ層13と光路長調整層14との界面でも屈折する。
例えば、図5に示すように、曲面部12bに入射し基板11とレンズ層13との界面で光軸Ax側へ屈折した光L2は、レンズ層13と光路長調整層14との界面で、破線で示すそのまま直進した場合の光路よりもさらに光軸Ax側へ屈折して、画素Pの開口部T内を透過する。傾斜面12cに入射し基板11とレンズ層13との界面で光軸Ax側へ屈折した光L3も、レンズ層13と光路長調整層14との界面で、破線で示すそのまま直進した場合の光路よりもさらに光軸Ax側へ屈折して、画素Pの開口部T内を透過する。
次に、マイクロレンズMLの平坦部12aに斜め光の光L4,L5が入射する場合を考える。斜め光である光L4の入射角をθ1とする。図示しないが、斜め光である光L5の入射角もθ1とする。光軸Ax側に向かって斜めに平坦部12aに入射した光L4は、基板11とレンズ層13との光屈折率の差により、基板11とレンズ層13との界面で屈折する。この屈折角をθ2とすると、レンズ層13の光屈折率が基板11の光屈折率よりも大きいので、屈折角θ2は入射角θ1よりも小さくなる。
レンズ層13を透過した光L4は、レンズ層13と光路長調整層14との光屈折率の差により、レンズ層13と光路長調整層14との界面で屈折する。この屈折角をθ3とすると、光路長調整層14の光屈折率がレンズ層13の光屈折率よりも小さいため、屈折角θ3は入射角θ2よりも大きくなる。したがって、光L4は、破線で示すそのまま直進した場合の光路よりも光軸Ax側に屈折してマイクロレンズMLから射出され、画素Pの開口部T内を透過する。
光軸Axから遠ざかる側に向かって斜めに平坦部12aに入射した光L5は、基板11とレンズ層13との界面およびレンズ層13と光路長調整層14との界面で光L4と同様に屈折する。図示しないが、光L5の入射角がθ1であるので、光L5は、光L4と同様に屈折角θ2で屈折し、さらに屈折角θ3で屈折する。そして、光L5は、破線で示すそのまま直進した場合の光路よりも光軸Axから遠ざかる側に屈折してマイクロレンズMLから射出され、画素Pの開口部T内を透過する。
ここで、光路長調整層14の光屈折率は基板11の光屈折率よりも小さいので、レンズ層13と光路長調整層14との界面で屈折する際の入射角θ2と屈折角θ3との差は、基板11とレンズ層13との界面で屈折する際の入射角θ1と屈折角θ2との差よりも小さくなる。すなわち、屈折角θ3は入射角θ1よりも小さい。したがって、マイクロレンズMLに入射する光L4,L5は、光軸Axに対する角度が入射する際よりも小さくなってマイクロレンズMLから射出される。
次に、本実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10を、特許文献1のように、光路長調整層14の光屈折率がレンズ層13の光屈折率と同じ従来の構成のマイクロレンズアレイ基板と比較する。図11に示す従来のマイクロレンズアレイ基板80は、基板11と、レンズ層13と、光路長調整層81とを備える。光路長調整層81は、ガラス基板やSiO2などで構成され、基板11と同じ光屈折率を有しているものとする。
光L4,L5がマイクロレンズMLの平坦部12aに入射する際の入射角θ1と、基板11とレンズ層13との界面で屈折する際の屈折角θ2とは、図5に示す場合と同一である。図11に示すように、光L4がレンズ層13と光路長調整層81との界面で屈折する屈折角をθ4とすると、光路長調整層81の光屈折率が基板11の光屈折率と同じであるので、屈折角θ4は入射角θ1と同じとなり、図5に示す屈折角θ3よりも大きくなる。
したがって、従来のマイクロレンズアレイ基板80では、マイクロレンズMLに入射する斜め光の光L4,L5は、光軸Axに対する角度が入射する際と同じ角度に戻されてマイクロレンズMLから射出される。そのため、光軸Axから遠ざかる側に向かって入射した光L5は、入射する際と同じ角度で光軸Axから遠ざかる側に向かってマイクロレンズMLから射出され、遮光部S(遮光層26および遮光層22)で遮光されてしまうので、光の利用効率の低下を招くこととなる。
このように、マイクロレンズML(凹部12)の中央部が平坦部12aであると、中央部が曲面部である場合と比べて中央部に入射する平行光を屈折させることなくそのまま直進させることができるが、中央部に入射する斜め光は中央部が曲面部である場合のように光軸Axに向けて集光されない。そのため、光L5のように、マイクロレンズMLの平坦部12aに、光軸Axから遠ざかる側に向かって入射する斜め光は、遮光部Sで遮光される可能性が高くなる。
また、従来のマイクロレンズアレイ基板80では、曲面部12bに入射した平行光の光L2と傾斜面12cに入射した平行光の光L3とがレンズ層13と光路長調整層81との界面で屈折する角度は、ともに図5に示す第1の実施形態の場合よりも大きくなる。そのため、光L2,L3および光L4がマイクロレンズMLから射出されて液晶層40を透過する際に、液晶分子の配向方向に対する角度が大きくなるので、コントラスト比の低下を招くこととなる。
これに対して、図5に示す本実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10では、レンズ層13と光路長調整層14との界面で屈折する際の屈折角θ3を入射角θ1よりも小さくできるため、斜め光がマイクロレンズMLの平坦部12aに入射する際の角度に対して、マイクロレンズMLから射出される際の角度を小さくできる。したがって、光L5のように、マイクロレンズMLの平坦部12aに光軸Axから遠ざかる側に向かって入射し、入射角θ1のまま進んだ場合に遮光部Sで遮光されてしまう斜め光を、画素Pの開口部T内に導くことができる。これにより、画素Pの開口部T内を透過する光の量が多くなるので、液晶装置1における光の利用効率を向上させることができる。
そして、光L2,L3および光L4がマイクロレンズMLから射出されて液晶層40を透過する際に、液晶分子の配向方向に対する角度を小さくできるので、液晶装置1に表示される画像のコントラスト比を向上させることができる。したがって、液晶装置1をプロジェクターの液晶ライトバルブとして用いる場合に、投写レンズに入射する光のケラレを抑制でき、プロジェクターにおける光の利用効率やコントラスト比の向上を図ることができる。
また、遮光部Sで遮光される光の量が少なくなることは、遮光部Sに照射される光の量が少なくなることを意味する。そのため、照射される光を吸収することによる遮光部Sの発熱が低減されるので、液晶装置1の温度上昇が抑えられ、液晶装置1の長寿命化や冷却機構の簡素化による低消費電力化を図ることが可能となる。
さらに、マイクロレンズアレイ基板10では、従来のマイクロレンズアレイ基板80と比べて、レンズ層13と光路長調整層14との光屈折率の差が小さくなるので、斜め光が入射する際のレンズ層13と光路長調整層14との界面での反射が抑えられる。これも、液晶装置1における光の利用効率の向上に寄与する。そして、窒素(N)を含むSiONで光路長調整層14が構成されるので、光路長調整層14がガラス基板やSiO2で構成される場合と比べて、外部から液晶層40への水分の侵入が抑えられる。これも、液晶装置1の長寿命化に寄与する。
<マイクロレンズアレイ基板の製造方法>
次に、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10の製造方法を説明する。図6および図7は、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図である。詳しくは、図6および図7の各図は、図4のB−B’線(W方向)に沿った概略断面図に相当する。
まず、図6(a)に示すように、石英などからなる光透過性を有する基板11の面11aに、例えば、SiO2などの酸化膜からなる制御膜70を形成する。制御膜70は、等方性エッチングにおけるエッチングレートが基板11と異なっており、凹部12を形成する際の深さ方向(Z方向)のエッチングレートに対して幅方向(W方向、X方向、およびY方向)のエッチングレートを調整する機能を有する。
制御膜70を形成した後、所定の温度で制御膜70のアニールを行う。制御膜70のエッチングレートは、アニール時の温度により変化する。したがって、アニール時の温度を適宜設定することにより、制御膜70のエッチングレートを調整することができる。
次に、図6(b)に示すように、制御膜70上にマスク層71を形成する。続いて、図6(c)に示すように、マスク層71をパターニングして、マスク層71に開口部72を形成する。開口部72は、形成される凹部12における平坦部12aと同様に平面視で円形状であり、その形状および大きさは平坦部12aの形状および大きさと略同一に設定される。換言すれば、マスク層71の開口部72の形状および大きさによって、形成される凹部12における平坦部12aの形状および大きさが決まる。
次に、図6(d)に示すように、マスク層71の開口部72を介して、制御膜70で覆われた基板11に等方性エッチングを施す。等方性エッチングには、制御膜70のエッチングレートの方が基板11のエッチングレートよりも大きくなるようなエッチング液(例えば、フッ酸溶液)を用いる。等方性エッチングにより、開口部72から制御膜70と基板11とがエッチングされ、制御膜70に開口部70aが形成されるとともに、基板11に凹部12が形成される。
次に、図7(a)に示すように、等方性エッチングの進行に伴って凹部12が拡大され、凹部12のうち平面視でマスク層71の開口部72に対応する部分が略平坦な面となる。これにより、凹部12の中央部に平坦部12aが形成される。また、平坦部12aの周囲を囲むように曲面部12bが形成される。
ここで、基板11とマスク層71との間に制御膜70が設けられていない場合は、図7(a)に破線で示すように、曲面部12bが基板11の面11aに到達するまで形成されることとなる。本実施形態では、基板11とマスク層71との間に制御膜70が設けられており、等方性エッチングにおける制御膜70の単位時間当たりのエッチング量は基板11の単位時間当たりのエッチング量よりも多い。
したがって、制御膜70の開口部70aの拡大量は凹部12の深さ方向の拡大量よりも多くなるので、開口部70aの拡大に伴って、凹部12の幅方向も拡大することとなる。そのため、基板11の幅方向における単位時間当たりのエッチング量は、深さ方向における単位時間当たりのエッチング量よりも多くなる。これにより、曲面部12bの周囲を囲むようにテーパー状の傾斜面12cが形成される。
上述したように、凹部12における平坦部12aの形状および大きさは、マスク層71の開口部72の形状および大きさにより制御することができる。また、凹部12における曲面部12bおよび傾斜面12cのそれぞれの大きさは、基板11の深さ方向のエッチングレートに対する幅方向のエッチングレートにより制御され、このエッチングレートの差は制御膜70のアニール時の温度設定により調整できる。
本工程では、図7(a)に示すように、隣り合う凹部12同士が互いに離間されている状態で等方性エッチングを終了する。隣り合う凹部12同士が互いに接続されるまで等方性エッチングを行うと、マスク層71が基板11から浮いて剥がれてしまうおそれがある。本実施形態では、隣り合う凹部12同士の間に基板11の面11aが残っている状態で等方性エッチングを終了するので、等方性エッチングが終了するまでマスク層71を支持することができる。
形成される凹部12の仮想的な平面形状はマスク層71の開口部72の平面形状が拡大された円形状であるが、X方向およびY方向に隣り合う凹部12同士が接続されるため、凹部12の平面形状は4隅の角部が丸く形成された略矩形状となる。
次に、図7(b)に示すように、基板11からマスク層71を除去した後、基板11の面11a側を覆い凹部12を埋め込むように、光透過性を有し、基板11よりも大きな光屈折率を有する無機材料を堆積してレンズ層13を形成する。レンズ層13は、例えばCVD法を用いて形成することができる。レンズ層13は凹部12を埋め込むように形成されるため、レンズ層13の表面は基板11の凹部12に起因する凹凸が反映された凹凸形状となる。
続いて、レンズ層13に対して平坦化処理を施す。平坦化処理では、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理などを用いて、レンズ層13の表面側の凹凸が形成された部分(図7(b)に示す2点鎖線より上方の部分)を研磨して除去することにより、図7(c)に示すように、レンズ層13の表面が平坦化される。凹部12にレンズ層13の材料が埋め込まれてマイクロレンズMLが構成される。
次に、図7(d)に示すように、基板11の面11aおよびレンズ層13を覆うように、光透過性を有し、基板11よりも大きくレンズ層13よりも小さい光屈折率を有する無機材料を堆積して光路長調整層14を形成する。光路長調整層14は、例えばCVD法を用いて形成することができる。これにより、マイクロレンズアレイ基板10が完成する。
なお、図示を省略するが、従来の凹部が曲面で構成されたマイクロレンズでは、マスク層に本実施形態よりも小さな開口部を形成し、その開口部を介して基板に等方性エッチング処理を施すことにより、基板が略球面状にエッチングされて曲面状の凹部が形成される。このとき、形成される凹部の径が本実施形態の凹部12の最大径(W方向における径)と同じである場合、曲面状の凹部の深さは本実施形態の凹部12の深さよりも大きく(深く)なる。そのため、本実施形態と比べて、基板のエッチング量および凹部を埋めるためのレンズ層の使用量が多くなるので、CMP処理工程における研磨量も多くなり、その結果、これらの工程における工数の増大を招くこととなる。
本実施形態に係るマイクロレンズMLの構成によれば、凹部12の中央部に平坦部12aを設けることで、凹部12の深さが浅くなるので、マイクロレンズアレイ基板10の製造工程における工数や材料の使用量を低減することができる。また、堆積したレンズ層13の膜厚がより均一になり表面の凹凸形状が小さくなるので、レンズ層13の表面の平坦性を向上させることができる。
次に、公知の技術を用いて、マイクロレンズアレイ基板10上に、遮光層32と、保護層33と、共通電極34と、配向膜35とを順に形成して対向基板30を得る。また、基板21上に、遮光層22と、絶縁層23と、TFT24と、絶縁層25と、遮光層26と、絶縁層27と、画素電極28と、配向膜29とを順に形成して素子基板20を得る。
次に、素子基板20と対向基板30との間に熱硬化性または光硬化性の接着剤をシール材42(図1参照)として配置して硬化させ、素子基板20と対向基板30とを接合する。そして、素子基板20と対向基板30とシール材42とで構成される空間に液晶を封入することにより、液晶装置1が完成する。素子基板20と対向基板30とを接合する前にシール材42で囲まれた領域に液晶を配置することとしてもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る液晶装置が備えるマイクロレンズアレイ基板は、第1の実施形態に対して、レンズ層の層厚が異なる点以外はほぼ同様の構成を有している。図8は、第2の実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略断面図である。詳しくは、図8は、図1のA−A’線に沿った概略断面図に相当する。第1の実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付しその説明を省略する。
<マイクロレンズアレイ基板>
図8に示すように、第2の実施形態に係る液晶装置1Aは、対向基板30Aにマイクロレンズアレイ基板10Aを備えている。第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10Aは、基板11と、レンズ層15と、光路長調整層14とを備えている。
レンズ層15は、第1の実施形態に係るレンズ層13と同じ無機材料からなり、レンズ層13よりも厚い層厚で形成されている。より具体的には、レンズ層15は、凹部12の深さよりも厚く、基板11の面11aを覆うように設けられている。したがって、第1の実施形態では画素Pの対角線に沿った方向(W方向)において隣り合うマイクロレンズML(凹部12)同士でレンズ層13が分断された構成(図4参照)であったのに対して、第2の実施形態ではW方向において隣り合うマイクロレンズML(凹部12)同士でレンズ層15が連続して設けられた構成(図9(c)参照)となっている。
第2の実施形態では、基板11、レンズ層15、および光路長調整層14の光屈折率が第1の実施形態と同様の関係にあるので、第1の実施形態と同様に、液晶装置1Aにおける光の利用効率とコントラスト比とを向上できる。さらに、第2の実施形態では、レンズ層15をSiONで形成する場合、第1の実施形態と比べて、SiONに含まれる窒素(N)の比率が高いレンズ層15の層厚が厚くなるので、外部から液晶層40への水分の侵入をより効果的に抑えることができる。
<マイクロレンズアレイ基板の製造方法>
次に、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10Aの製造方法を説明する。図9は、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図である。詳しくは、図9の各図は、図4のB−B’線(W方向)に沿った概略断面図に相当する。
第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10Aの製造方法は、第1の実施形態と比べて、レンズ層15を厚く形成する点が異なり、凹部12を形成するまでの工程(図6(a)〜(d)、および図7(a))は同じである。凹部12を形成した後、図9(a)に示すように、基板11の面11a側を覆い凹部12を埋め込むように、基板11よりも大きな光屈折率を有する無機材料を堆積してレンズ層15を形成する。レンズ層15は、第1の実施形態のレンズ層13よりも厚く形成される。
続いて、レンズ層15に対して平坦化処理を施す。平坦化処理では、W方向において隣り合うマイクロレンズ凹部12同士の間で基板11の面11aを覆う厚さが残るように、レンズ層15の表面の凹凸が形成された部分(図9(a)に示す2点鎖線より上方の部分)を研磨して除去する。これにより、図9(b)に示すように、レンズ層15の表面が平坦化される。そして、図9(c)に示すように、レンズ層15を覆うように、基板11よりも大きくレンズ層15よりも小さい光屈折率を有する無機材料を堆積して光路長調整層14を形成する。これにより、マイクロレンズアレイ基板10Aが完成する。
第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10Aの製造方法では、図9(b)に示すレンズ層15の表面を平坦化する工程で、W方向において隣り合うマイクロレンズ凹部12同士の間で基板11の面11aを覆う厚さを残して研磨を終了するので、レンズ層15の過剰な研磨を防止できる。凹部12の深さを埋める厚さよりも薄くなるまでレンズ層15を過剰に研磨すると、マイクロレンズMLの径(面積)が小さくなって光の利用効率が低下してしまう。第2の実施形態では、レンズ層15の過剰な研磨による光の利用効率低下を抑止できる。
(第3の実施形態)
<電子機器>
次に、第3の実施形態に係る電子機器について図10を参照して説明する。図10は、第3の実施形態に係る電子機器としてのプロジェクターの構成を示す概略図である。
図10に示すように、第3の実施形態に係る電子機器としてのプロジェクター(投写型表示装置)100は、偏光照明装置110と、2つのダイクロイックミラー104,105と、3つの反射ミラー106,107,108と、5つのリレーレンズ111,112,113,114,115と、3つの液晶ライトバルブ121,122,123と、クロスダイクロイックプリズム116と、投写レンズ117とを備えている。
偏光照明装置110は、例えば超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット101と、インテグレーターレンズ102と、偏光変換素子103とを備えている。ランプユニット101と、インテグレーターレンズ102と、偏光変換素子103とは、システム光軸Lxに沿って配置されている。
ダイクロイックミラー104は、偏光照明装置110から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー105は、ダイクロイックミラー104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー106で反射した後にリレーレンズ115を経由して液晶ライトバルブ121に入射する。ダイクロイックミラー105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ114を経由して液晶ライトバルブ122に入射する。ダイクロイックミラー105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ111,112,113と2つの反射ミラー107,108とで構成される導光系を経由して液晶ライトバルブ123に入射する。
光変調素子としての透過型の液晶ライトバルブ121,122,123は、クロスダイクロイックプリズム116の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ121,122,123に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調され、クロスダイクロイックプリズム116に向けて射出される。
クロスダイクロイックプリズム116は、4つの直角プリズムが貼り合わされて構成されており、その内面には赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投写光学系である投写レンズ117によってスクリーン130上に投写され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ121は、上述した実施形態のマイクロレンズアレイ基板10を備える液晶装置1、またはマイクロレンズアレイ基板10Aを備える液晶装置1Aのいずれかが適用されたものである。液晶ライトバルブ121は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ122,123も同様である。
第3の実施形態に係るプロジェクター100の構成によれば、複数の画素Pが高精細に配置されていても、明るい表示と良好なコントラスト比とを得ることができる液晶装置1,1Aを備えているので、明るく優れたコントラスト比を有する画像を表示するプロジェクター100を提供することができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。変形例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
(変形例1)
上記の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10,10Aでは、光路長調整層14の光屈折率が基板11の光屈折率よりも大きく、かつ、レンズ層13,15の光屈折率よりも小さい構成を有していたが、本発明はこのような形態に限定されない。光路長調整層14の光屈折率がレンズ層13,15の光屈折率と同じ構成であってもよい。換言すれば、光路長調整層14がなく、レンズ層13,15が光路長調整層14の層厚を含む厚さで形成された構成であってもよい。
このような構成であると、マイクロレンズMLの平坦部12aに入射する斜め光の光L4,L5は、基板11とレンズ層13,15との界面で屈折した際の屈折角θ2のまま(図5に破線で示す光路)でマイクロレンズMLから射出される。また、レンズ層13,15と光路長調整層14との界面での斜め光の反射が起きなくなる。これらにより、光の利用効率をより向上させることが可能となる。ただし、単一の層を厚く形成することで、形成されるレンズ層13,15に反りや撓みが生じる場合がある。このような場合は、上記の実施形態のように、レンズ層13,15と光路長調整層14とを個別に形成する方が好ましい。
(変形例2)
上記の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10,10Aは、凹部12の平坦部12aの平面形状が円形であったが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、凹部12の平坦部12aの平面形状が略矩形状であってもよい。平坦部12aの平面形状が略矩形状であると、画素Pの開口部Tの輪郭が略矩形である場合に、開口部Tの輪郭に沿って平坦部12aを配置できるので、マイクロレンズMLに入射する平行光がそのまま直進する領域を広くすることができる。なお、平坦部12aの平面形状を略矩形状とする場合は、図6(c)に示すマスク層71に開口部72を形成する工程において、開口部72の平面形状を矩形にすればよい。
(変形例3)
上記の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10,10Aは、凹部12の曲面部12bの周囲にテーパー状の傾斜面12cを備える構成を有していたが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、凹部12が傾斜面12cを備えておらず、曲面部12bが平坦部12aの周囲から周縁部まで形成された構成であってもよい。このような構成であっても、凹部12の中央部に平坦部12aを有し、光路長調整層14の光屈折率が基板11の光屈折率よりも大きく、かつ、レンズ層13,15の光屈折率よりも小さければ、光の利用効率やコントラスト比の向上を図ることができる。しかしながら、凹部12の周縁部が曲面であると、入射する光が大きく屈折されたり全反射されたりしてしまう場合があるため、凹部12が傾斜面12cを有する構成の方が好ましい。
(変形例4)
上記の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10,10Aの製造方法は、マスク層71の開口部72の形状、および制御膜70を設けることで等方性エッチングを施す工程において幅方向と深さ方向とのエッチングレートの差を制御することにより凹部12を形成する構成であったが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、基板11上にレジスト層を形成し、グレースケールマスクを用いた露光や多段階露光などにより、レジスト層に凹部12の基となる形状を形成し、レジスト層と基板11とに略同一のエッチング選択比で異方性エッチングを施すことにより、基板11に凹部12の形状を転写して形成することができる。なお、この場合、制御膜70は不要となる。
(変形例5)
上述した液晶装置1,1Aでは、マイクロレンズアレイ基板10,10Aを対向基板30に備えていたが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、マイクロレンズアレイ基板10を素子基板20に備えた構成としてもよい。
(変形例6)
上記の実施形態に係る液晶装置1を適用可能な電子機器は、プロジェクター100に限定されない。液晶装置1は、例えば、投写型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、または電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として好適に用いることができる。
1,1A…液晶装置(電気光学装置)、10,10A…マイクロレンズアレイ基板、11…基板、11a…面(第1の面)、12…凹部、12a…平坦部、12c…傾斜面、13,15…レンズ層、14…光路長調整層(透光層)、20…素子基板(第1の基板)、30,30A…対向基板(第2の基板)、40…液晶層(電気光学層)、100…プロジェクター(電子機器)、P…画素、S…遮光部、T…開口部。

Claims (6)

  1. 第1の面に凹部が設けられた基板と、
    前記凹部を埋め込むように設けられたレンズ層と、
    前記レンズ層を覆うように設けられた透光層と、を備え、
    前記凹部は、中央部に配置された平坦部を有し、
    前記レンズ層の屈折率は前記基板の屈折率よりも大きく、前記透光層の屈折率は前記基板の屈折率よりも大きく、かつ、前記レンズ層の屈折率以下であることを特徴とするマイクロレンズアレイ基板。
  2. 請求項1に記載のマイクロレンズアレイ基板であって、
    前記透光層の屈折率は、前記レンズ層の屈折率よりも小さいことを特徴とするマイクロレンズアレイ基板。
  3. 請求項1または2に記載のマイクロレンズアレイ基板であって、
    前記凹部は、周縁部に前記第1の面から前記平坦部に向かって傾斜する傾斜面を有していることを特徴とするマイクロレンズアレイ基板。
  4. 第1の基板と、
    前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された電気光学層と、
    前記第1の基板に配置された複数の遮光層で構成され、画素に対応する開口部を有する遮光部と、を備え、
    前記第1の基板または前記第2の基板に、請求項1から3のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイ基板を備え、
    平面視において、前記遮光部の内縁が前記平坦部の外縁よりも外側に配置されていることを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項4に記載の電気光学装置であって、
    前記画素は平面視で略矩形状であり、
    前記レンズ層は、前記画素の対角同士を結ぶ対角線方向に連続して設けられていることを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項4または5に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。
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