JP2018072757A - マイクロレンズアレイ基板およびその製造方法、電気光学装置およびその製造方法、ならびに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄型化を図りつつ光の利用効率を向上させることができるマイクロレンズアレイ基板およびその製造方法、電気光学装置およびその製造方法、ならびに電子機器を提供する。【解決手段】マイクロレンズアレイ基板10は、基板11と、基板11上に配置されたマイクロレンズML1と、マイクロレンズML1上にマイクロレンズML1と平面視で重なるように配置されたマイクロレンズML2とを備え、マイクロレンズML2は、曲面で構成され、中央部16aと、中央部16aの外側に配置された周辺部16bとを有し、周辺部16bの曲率は、中央部16aの曲率よりも大きいことを特徴とする。【選択図】図3
Description
本発明は、マイクロレンズアレイ基板およびその製造方法、電気光学装置およびその製造方法、ならびに電子機器に関する。
素子基板と対向基板との間に、例えば、液晶などの電気光学物質を備えた電気光学装置が知られている。電気光学装置として、例えば、プロジェクターの液晶ライトバルブとして用いられる液晶装置や、ビデオカメラの撮像部として用いられる撮像装置を挙げることができる。液晶装置では、スイッチング素子や配線などが配置された領域に遮光部が設けられ、入射する光の一部は遮光部で遮光されて利用されない。そこで、少なくとも一方の基板にマイクロレンズを備えることにより、電気光学装置における光の利用効率の向上を図る構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のマイクロレンズアレイ基板は、光が入射する側に配置された第1レンズと、光が射出される側に配置された第2レンズとを有している。第1レンズは、基板に形成された凹部を基板よりも屈折率が大きい無機材料で埋めることにより構成される。第2レンズは、第1レンズとの間に透光層(光路長調整層)を介して、基板よりも屈折率が大きい無機材料で凸状に形成されている。第1レンズおよび第2レンズの断面視形状は、半楕円形状である。
特許文献1に記載のマイクロレンズアレイ基板では、入射する光を第1レンズでレンズの中心側へ集光し、第1レンズで集光された光を第2レンズでさらに集光する。これにより、カラーフィルター基板を介して液晶ライトバルブ(電気光学装置)に入射する光のうち、画素同士の境界に配置された遮光層で遮光されてしまう光を画素の開口部内に入射させて、電気光学装置における光の利用効率の向上を図っている。
第1レンズで集光され射出された光の範囲は、第1レンズに近いと大きいが、第1レンズから遠くなるにしたがって小さくなる。第1レンズと第2レンズとの距離(光路長)が小さくて、第1レンズで集光されて第2レンズに入射する光の範囲が、第2レンズで画素の開口部内に集光可能な範囲よりも大きいと、第2レンズに入射する光のうち画素の開口部内に集光されず利用されない光が多くなる。また、画素の開口部外に向かう光が多くなると、例えば遮光層などで反射されることにより迷光が生じてしまう。そのため、特許文献1に記載のマイクロレンズアレイ基板では、第1レンズで集光された光の範囲が第2レンズで集光可能な範囲に収まるように、第1レンズと第2レンズとの間に光路長調整層が設けられている。
ところで、電気光学装置の画素の配置ピッチが微細になると、画素の開口率を大きくすることが難しくなる。そのため、画素の配置ピッチが微細になるほど、光の利用効率を高めることが求められる。しかしながら、特許文献1に記載のマイクロレンズアレイ基板のように、光路長調整層により第1レンズと第2レンズとの間の距離が大きいと、第1レンズから外側に向かう光が第2レンズに入射する前に隣の画素側へ射出されてしまい、利用されない光となってしまう場合がある。一方、第1レンズと第2レンズとの距離を小さくすると、第1レンズで集光され射出された光の範囲が第2レンズで集光可能な範囲よりも大きくなって、利用されない光が多くなってしまう。したがって、第1レンズと第2レンズとの距離を小さくして薄型化を図りつつ、光の利用効率を向上させることができるマイクロレンズアレイ基板および電気光学装置が求められている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るマイクロレンズアレイ基板は、基板と、前記基板上に配置された第1のマイクロレンズと、前記第1のマイクロレンズ上に、前記第1のマイクロレンズと平面視で重なるように配置された第2のマイクロレンズと、を備え、前記第2のマイクロレンズは、曲面で構成され、中央部と、前記中央部の外側に配置された第1の周辺部と、を有し、前記第1の周辺部の曲率は、前記中央部の曲率よりも大きいことを特徴とする。
本適用例の構成によれば、基板側から入射する光は、第1のマイクロレンズで集光されて第2のマイクロレンズに入射し、第2のマイクロレンズでさらに集光されて基板とは反対側へ射出される。ここで、第2のマイクロレンズの中央部の外側に配置された第1の周辺部の曲率が中央部の曲率よりも大きいので、第2のマイクロレンズの第1の周辺部に入射する光は中央部に入射する光よりも強く曲げられる(屈折角が大きくなる)。そのため、第1の周辺部の曲率と中央部の曲率とが同じ場合と比べて、第2のマイクロレンズの中央部の外側に入射する光のうちより多くの光を、中央部側へ集光できる。すなわち、第1の周辺部の曲率と中央部の曲率とが同じ場合と比べて、第1のマイクロレンズから入射する光に対して第2のマイクロレンズで集光可能な範囲を大きくできる。したがって、第2のマイクロレンズで集光される光を減らすことなく第1のマイクロレンズと第2のマイクロレンズとの距離を小さくできるので、光路長調整層を不要にできる。そして、第1のマイクロレンズと第2のマイクロレンズとの距離を小さくすることで、第1のマイクロレンズから外側に向かう光を第2のマイクロレンズに入射させて利用することが可能となる。これにより、第1のマイクロレンズと第2のマイクロレンズとの距離を小さくして薄型化を図りつつ、光の利用効率を向上させることができるマイクロレンズアレイ基板を提供することができる。
[適用例2]上記適用例に係るマイクロレンズアレイ基板であって、前記第2のマイクロレンズは、前記第1の周辺部の外側に配置された第2の周辺部を有し、前記第2の周辺部の曲率は、前記中央部の曲率以下であることが好ましい。
本適用例の構成によれば、第2のマイクロレンズは、第1の周辺部の外側に、曲率が中央部と同じか中央部よりも小さい第2の周辺部を有している。そのため、第2の周辺部が無い場合と比べて、中央部と第2の周辺部との間に位置する第1の周辺部の曲率をより大きくすることができる。これにより、第1のマイクロレンズから入射する光に対して第2のマイクロレンズで集光可能な範囲をより大きくすることができる。
[適用例3]上記適用例に係るマイクロレンズアレイ基板であって、前記第1のマイクロレンズは、前記基板の屈折率よりも大きい屈折率を有する材料で、前記基板に設けられた凹部を埋めるように形成されており、前記第2のマイクロレンズは、前記基板の屈折率よりも大きい屈折率を有する材料で、前記第1のマイクロレンズとは反対側に突出する凸状に形成されていることが好ましい。
本適用例の構成によれば、屈折率よりも大きい屈折率を有する材料で、基板側に突出する凸状の第1のマイクロレンズと、第1のマイクロレンズとは反対側に突出する凸状の第2のマイクロレンズとが形成される。したがって、光が基板側から入射する場合、第2のマイクロレンズは光が射出される側に突出する凸状である。そのため、光が入射する側に突出する凸状である場合と比べて、第1のマイクロレンズ側から外側へ向かって第2のマイクロレンズの第1の周辺部に入射する光をより強く内側へ曲げることができる。これにより、光の利用効率をより向上させることができる。
[適用例4]上記適用例に係るマイクロレンズアレイ基板であって、前記第2のマイクロレンズの断面形状は、前記中央部の頂点に対して略対称であることが好ましい。
本適用例の構成によれば、第2のマイクロレンズの断面形状が中央部の頂点に対して略対称であるので、第2のマイクロレンズに入射する光のうち同一方向から中央部の頂点に対して対称な位置に入射する光は、ほぼ同じ角度で屈折する。これにより、第2のマイクロレンズから射出される光の角度のばらつきが小さくなる。したがって、例えば電気光学装置に適用した場合に、画素の開口部における明るさをより均一にすることが可能なマイクロレンズアレイ基板を提供できる。
[適用例5]本適用例に係る電気光学装置は、画素毎に設けられたスイッチング素子と、前記画素毎の開口部を有し前記スイッチング素子と平面視で重なるように設けられた遮光部と、を備えた第1の基板と、上記適用例のマイクロレンズアレイ基板を含み、前記第1の基板と対向するように配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された電気光学層と、を備え、前記第1のマイクロレンズおよび前記第2のマイクロレンズが、前記画素毎の前記開口部と平面視で重なるように配置されていることを特徴とする。
本適用例の構成によれば、電気光学装置は、第1のマイクロレンズと第2のマイクロレンズとの距離を小さくして薄型化を図りつつ、光の利用効率を向上させることができるマイクロレンズアレイ基板を備えている。したがって、画素の配置ピッチが微細であっても、薄型で、スイッチング素子の駆動により表示される画像が明るい電気光学装置を提供できる。
[適用例6]本適用例に係る電気光学装置は、画素毎に設けられた受光素子と、前記画素毎の開口部を有する遮光部と、を備えた第1の基板と、上記適用例のマイクロレンズアレイ基板を含み、前記第1の基板と対向するように配置された第2の基板と、を備え、前記第1のマイクロレンズおよび前記第2のマイクロレンズと前記受光素子とが、前記画素毎の前記開口部と平面視で重なるように配置されていることを特徴とする。
本適用例の構成によれば、電気光学装置は、第1のマイクロレンズと第2のマイクロレンズとの距離を小さくして薄型化を図りつつ、光の利用効率を向上させることができるマイクロレンズアレイ基板を備えている。したがって、画素の配置ピッチが微細であっても、薄型で、受光素子により取得される画像が明るい電気光学装置を提供できる。
[適用例7]本適用例に係る電子機器は、上記適用例の電気光学装置を備えていることを特徴とする。
本適用例の構成によれば、明るく優れた品質を有する画像を表示または取得できる電子機器を提供することができる。
[適用例8]本適用例に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法は、基板の表面に凹部を形成する工程と、前記基板の前記凹部を埋めるように、前記基板の屈折率よりも大きい屈折率を有する材料で第1のレンズ層を形成する工程と、前記第1のレンズ層上に、前記基板の屈折率よりも大きい屈折率を有する材料で、前記凹部と平面視で重なるように配置され曲面で構成された凸状部を有する第2のレンズ層を形成する工程と、を含み、前記凸状部は、中央部と、前記中央部の外側に配置された第1の周辺部と、を有し、前記第1の周辺部の曲率は、前記中央部の曲率よりも大きいことを特徴とする。
本適用例の製造方法によれば、基板上に、基板側に突出する凸状の第1のマイクロレンズと、第1のマイクロレンズとは反対側に突出する凸状の第2のマイクロレンズとを形成できる。第2のマイクロレンズの中央部の外側に配置された第1の周辺部の曲率が中央部の曲率よりも大きいので、第2のマイクロレンズの第1の周辺部に入射する光は中央部に入射する光よりも強く曲げられる。そのため、第1の周辺部の曲率と中央部の曲率とが同じ場合と比べて、第2のマイクロレンズの中央部の外側に入射する光のうちより多くの光を、中央部側へ集光できる。すなわち、第1の周辺部の曲率と中央部の曲率とが同じ場合と比べて、第1のマイクロレンズから入射する光に対して第2のマイクロレンズで集光可能な範囲を大きくできる。したがって、第2のマイクロレンズで集光される光を減らすことなく第1のマイクロレンズと第2のマイクロレンズとの距離を小さくできるので、光路長調整層を不要にできる。そして、第1のマイクロレンズと第2のマイクロレンズとの距離を小さくすることで、第1のマイクロレンズから外側に向かう斜め光を第2のマイクロレンズに入射させて利用することが可能となる。これにより、第1のマイクロレンズと第2のマイクロレンズとの距離を小さくして薄型化を図りつつ、光の利用効率を向上させることができるマイクロレンズアレイ基板を製造することができる。
[適用例9]本適用例に係る電気光学装置の製造方法は、上記適用例のマイクロレンズアレイ基板の製造方法を含むことを特徴とする。
本適用例の製造方法によれば、第1のマイクロレンズと第2のマイクロレンズとの距離を小さくして薄型化を図りつつ、光の利用効率を向上させることができるマイクロレンズアレイ基板を備えた電気光学装置を製造できる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大、縮小、あるいは誇張して表示している。また、説明に必要な構成要素以外は図示を省略する場合がある。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
(第1の実施形態)
<電気光学装置>
第1の実施形態では、電気光学装置として、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor:TFT)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、後述する投写型表示装置(プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
<電気光学装置>
第1の実施形態では、電気光学装置として、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor:TFT)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、後述する投写型表示装置(プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
まず、第1の実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置について、図1、図2、および図3を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略平面図である。図2は、第1の実施形態に係る液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。図3は、第1の実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略断面図である。詳しくは、図3は、図1のA−A’線に沿った概略断面図である。
図1および図3に示すように、本実施形態に係る液晶装置1は、第1の基板としての素子基板20と、素子基板20に対向配置された第2の基板としての対向基板30と、シール材42と、電気光学層としての液晶層40とを備えている。図1に示すように、素子基板20は対向基板30よりも大きく、両基板は、対向基板30の縁部に沿って額縁状に配置されたシール材42を介して接合されている。
液晶層40は、素子基板20と対向基板30とシール材42とによって囲まれた空間に封入された、正または負の誘電異方性を有する液晶で構成されている。シール材42は、例えば熱硬化性または紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤からなる。シール材42には、素子基板20と対向基板30との間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
額縁状に配置されたシール材42の内側には、素子基板20に設けられた遮光層22,26と、対向基板30に設けられた遮光層32とが配置されている。遮光層22,26,32は、額縁状の周縁部を有し、例えば遮光性の金属あるいは金属酸化物などで形成されている。額縁状の遮光層22,26,32の内側は、複数の画素Pが配列された表示領域Eとなっている。画素Pは、略多角形の平面形状を有している。画素Pは、例えば、略矩形状を有し、マトリックス状に配列されている。
表示領域Eは、液晶装置1において、実質的に表示に寄与する領域である。素子基板20に設けられた遮光層22,26は、表示領域Eにおいて、複数の画素Pの開口領域を平面的に区画するように、例えば格子状に設けられている。なお、液晶装置1は、表示領域Eの周囲を囲むように設けられた、実質的に表示に寄与しないダミー領域を備えていてもよい。
素子基板20の第1辺に沿って形成されたシール材42の表示領域Eと反対側には、第1辺に沿ってデータ線駆動回路51および複数の外部接続端子54が設けられている。また、その第1辺に対向する他の第2辺に沿ったシール材42の表示領域E側には、検査回路53が設けられている。さらに、これらの2辺と直交し互いに対向する他の2辺に沿ったシール材42の内側には、走査線駆動回路52が設けられている。
検査回路53が設けられた第2辺のシール材42の表示領域E側には、2つの走査線駆動回路52を繋ぐ複数の配線55が設けられている。これらデータ線駆動回路51、走査線駆動回路52に繋がる配線は、複数の外部接続端子54に接続されている。また、対向基板30の角部には、素子基板20と対向基板30との間で電気的導通をとるための上下導通部56が設けられている。なお、検査回路53の配置はこれに限定されず、データ線駆動回路51と表示領域Eとの間のシール材42の内側に沿った位置に設けてもよい。
以下の説明では、データ線駆動回路51が設けられた第1辺に沿った方向をX方向とし、この第1辺と直交し互いに対向する他の2辺に沿った方向をY方向とする。X方向は、図1のA−A’線に沿った方向である。遮光層22,26は、X方向とY方向とに沿った格子状に設けられている。画素Pの開口領域は、遮光層22,26によって格子状に区画され、X方向とY方向とに沿ったマトリックス状に配列されている。
また、X方向およびY方向と直交し図1における手前に向かう方向をZ方向とする。なお、本明細書では、液晶装置1の対向基板30側表面の法線方向(Z方向)から見ることを「平面視」という。
図2に示すように、表示領域Eには、走査線2とデータ線3とが互いに交差するように形成され、走査線2とデータ線3との交差に対応して画素Pが設けられている。画素Pのそれぞれには、画素電極28と、スイッチング素子としてのTFT24とが設けられている。
TFT24のソース電極(図示しない)は、データ線駆動回路51から延在するデータ線3に電気的に接続されている。データ線3には、データ線駆動回路51(図1参照)から画像信号(データ信号)S1,S2,…,Snが線順次で供給される。TFT24のゲート電極(図示しない)は、走査線駆動回路52から延在する走査線2の一部である。走査線2には、走査線駆動回路52から走査信号G1,G2,…,Gmが線順次で供給される。TFT24のドレイン電極(図示しない)は、画素電極28に電気的に接続されている。
画像信号S1,S2,…,Snは、TFT24を一定期間だけオン状態とすることにより、データ線3を介して画素電極28に所定のタイミングで書き込まれる。このようにして画素電極28を介して液晶層40に書き込まれた所定レベルの画像信号は、対向基板30に設けられた共通電極34(図3参照)との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。
なお、保持された画像信号S1,S2,…,Snがリークするのを防止するため、走査線2に沿って形成された容量線4と画素電極28との間に蓄積容量5が形成され、液晶容量と並列に配置されている。このように、各画素Pの液晶に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより液晶の配向状態が変化する。これにより、液晶層40(図3参照)に入射した光が変調されて階調表示が可能となる。
液晶層40を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。例えば、ノーマリーホワイトモードの場合、各画素Pの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少する。ノーマリーブラックモードの場合、各画素Pの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加し、全体として液晶装置1からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が射出される。
図3に示すように、第1の実施形態に係る対向基板30は、マイクロレンズアレイ基板10と、遮光層32と、保護層33と、共通電極34と、配向膜35とを備えている。第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10は、第1のマイクロレンズとしてのマイクロレンズML1と、第2のマイクロレンズとしてのマイクロレンズML2と、の2段のマイクロレンズを備えている。
マイクロレンズアレイ基板10は、基板11と、第1のレンズ層としてのレンズ層13と、第2のレンズ層としてのレンズ層15と、平坦化層17と、を備えている。基板11は、例えば、ガラスや石英などの光透過性を有する無機材料からなる。基板11の液晶層40側の表面を、面11aとする。基板11は、面11aに形成された複数の凹部12を有している。各凹部12は、画素P毎に設けられている。凹部12の断面形状は、例えば、その中央部が曲面であり、中央部を囲む周縁部が傾斜面(いわゆるテーパー状の面)となっている。なお、凹部12全体が曲面で構成されていてもよい。
レンズ層13は、凹部12を埋めて基板11の面11aを覆うように、凹部12の深さよりも厚く形成されている。レンズ層13は、光透過性を有し、基板11とは異なる屈折率を有する材料からなる。本実施形態では、レンズ層13は、基板11よりも屈折率が大きい無機材料からなる。このような無機材料としては、例えばSiON、Al2O3などが挙げられる。
レンズ層13を形成する材料で凹部12を埋め込むことにより、基板11側に突出する凸状のマイクロレンズML1が構成される。すなわち、レンズ層13のうち凹部12を埋める部分がマイクロレンズML1である。各マイクロレンズML1は、画素Pに対応して設けられている。また、複数のマイクロレンズML1によりマイクロレンズアレイMLA1が構成される。レンズ層13の表面は、基板11の面11aに略平行で平坦な面となっている。
なお、マイクロレンズML1の中央部に入射する入射光は、マイクロレンズML1の中心(曲面の焦点)へ向けて集光される。また、マイクロレンズML1の周縁部(傾斜面)に入射する入射光は、入射角度が略同一であれば略同一の角度でマイクロレンズML1の中心側へ屈折される。したがって、マイクロレンズML1全体が曲面で構成される場合と比べて、入射する光の過度の屈折が抑えられ、液晶層40に入射する光の角度のばらつきが抑えられる。
レンズ層15は、レンズ層13上に形成されている。レンズ層15は、例えば、レンズ層13と同程度の屈折率を有し、レンズ層13と同様の材料で形成されている。レンズ層15は、液晶層40側(マイクロレンズML1とは反対側)に突出する複数の凸状部16を有している。レンズ層15のうち凸状部16がマイクロレンズML2である。以下では、凸状部16の表面(平坦化層17と接する面)を、レンズ面という。
各凸状部16は、画素Pに対応して設けられ、各凹部12と平面視で重なるように配置されている。したがって、マイクロレンズML2はマイクロレンズML1と平面視で重なるように配置されている。凸状部16の断面形状は、曲面で構成されている。凸状部16の断面形状の詳細については、後述する。
平坦化層17は、凸状部16同士の間や凸状部16の周囲を埋めてレンズ層15を覆うように、凸状部16の高さよりも厚く形成されている。平坦化層17は、光透過性を有し、例えば、レンズ層15よりも低い屈折率を有する無機材料からなる。このような無機材料としては、例えばSiO2などが挙げられる。平坦化層17で凸状部16を覆うことにより、第2のマイクロレンズとしての凸形状のマイクロレンズML2が構成される。各マイクロレンズML2は、画素Pに対応して設けられている。また、複数のマイクロレンズML2によりマイクロレンズアレイMLA2が構成される。
平坦化層17は、マイクロレンズML2から遮光層26までの距離を所望の値に合わせる機能を有する。したがって、平坦化層17の層厚は、光の波長に応じたマイクロレンズML2の焦点距離などの光学条件に基づいて適宜設定される。平坦化層17の表面は、略平坦な面となっている。
遮光層32は、マイクロレンズアレイ基板10(平坦化層17)上に設けられている。遮光層32は、マイクロレンズML1およびマイクロレンズML2が配置された表示領域E(図1参照)の周囲を囲むように設けられている。遮光層32は、例えば、金属や金属化合物などで形成される。遮光層32は、表示領域E内に、素子基板20の遮光層22および遮光層26に平面視で重なるように設けられていてもよい。この場合、遮光層32は、格子状、島状、またはストライプ状などに形成されていてもよいが、平面視で遮光層22および遮光層26よりも狭い範囲に配置されていることが好ましい。
マイクロレンズアレイ基板10(平坦化層17)と遮光層32とを覆うように、保護層33が設けられている。共通電極34は、保護層33を覆うように設けられている。共通電極34は、複数の画素Pに跨って形成されている。共通電極34は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜からなる。なお、保護層33は共通電極34の液晶層40側の表面が平坦となるように遮光層32を覆うものであるが、保護層33を設けることなく導電性の遮光層32を直接覆うように共通電極34を形成してもよい。配向膜35は、共通電極34を覆うように設けられている。
素子基板20は、基板21と、遮光層22と、絶縁層23と、TFT24と、絶縁層25と、遮光層26と、絶縁層27と、画素電極28と、配向膜29とを備えている。基板21は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料からなる。
遮光層22は、基板21上に設けられている。遮光層22は、上層の遮光層26に平面視で重なるように格子状に形成されている。遮光層22および遮光層26は、例えば、金属や金属化合物などで形成される。遮光層22および遮光層26は、素子基板20の厚さ方向(Z方向)において、TFT24を間に挟むように配置されている。遮光層22は、TFT24の少なくともチャネル領域と平面視で重なっている。
遮光層22および遮光層26が設けられていることにより、TFT24への光の入射が抑制されるので、TFT24における光リーク電流の増大や光による誤動作を抑えることができる。遮光層22と遮光層26とで遮光部Sが構成される。遮光層22に囲まれた領域(開口部22a内)、および、遮光層26に囲まれた領域(開口部26a内)は、平面視で互いに重なっており、画素Pの領域のうち光が透過する開口部Tとなる。
絶縁層23は、基板21と遮光層22とを覆うように設けられている。絶縁層23は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。
TFT24は、絶縁層23上に設けられており、遮光層22および遮光層26と平面視で重なる領域に配置されている。TFT24は、画素電極28を駆動するスイッチング素子である。TFT24は、図示しない半導体層、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極で構成されている。半導体層には、ソース領域、チャネル領域、およびドレイン領域が形成されている。チャネル領域とソース領域、又は、チャネル領域とドレイン領域との界面にはLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成されていてもよい。
ゲート電極は、素子基板20において平面視で半導体層のチャネル領域と重なる領域に絶縁層25の一部(ゲート絶縁膜)を介して形成されている。図示を省略するが、ゲート電極は、下層側に配置された走査線にコンタクトホールを介して電気的に接続されており、走査信号が印加されることによってTFT24をオン/オフ制御している。
絶縁層25は、絶縁層23とTFT24とを覆うように設けられている。絶縁層25は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。絶縁層25は、TFT24の半導体層とゲート電極との間を絶縁するゲート絶縁膜を含む。絶縁層25により、TFT24によって生じる表面の凹凸が緩和される。絶縁層25上には、遮光層26が設けられている。そして、絶縁層25と遮光層26とを覆うように、無機材料からなる絶縁層27が設けられている。
画素電極28は、絶縁層27上に、画素Pに対応して設けられている。画素電極28は、遮光層22の開口部22aおよび遮光層26の開口部26aに平面視で重なる領域に配置されている。画素電極28は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜からなる。配向膜29は、画素電極28を覆うように設けられている。液晶層40は、素子基板20側の配向膜29と対向基板30側の配向膜35との間に封入されている。
なお、図示を省略するが、平面視で遮光層22および遮光層26に重なる領域には、TFT24に電気信号を供給するための電極、配線、中継電極や、蓄積容量5(図2参照)を構成する容量電極などが設けられている。遮光層22や遮光層26がこれらの電極、配線、中継電極、容量電極などを含む構成であってもよい。
第1の実施形態に係る液晶装置1では、例えば、光源などから発せられた光は、マイクロレンズML1,ML2を備える対向基板30(基板11)側から入射する。入射する光のうち、対向基板30(基板11)の表面の法線方向に沿って1段目のマイクロレンズML1の中心に入射した光L1は、直進して2段目のマイクロレンズML2の中心に入射し、そのまま直進して画素Pの開口部T内を透過し素子基板20側に射出される。
なお、以下では、対向基板30(基板11)の表面の法線方向を単に「法線方向」という。「法線方向」は、図3のZ方向に沿った方向であり、素子基板20(基板21)の法線方向と略同一の方向である。
マイクロレンズML1の端部に法線方向に沿って入射した光L2は、仮にそのまま直進した場合、破線で示すように遮光層26で遮光されてしまうが、基板11とレンズ層13との間の屈折率の差(正の屈折力)により、マイクロレンズML1の中心側へ屈折してマイクロレンズML2に入射する。そして、マイクロレンズML2に入射した光L2は、レンズ層15と平坦化層17との間の屈折率の差(正の屈折力)により、マイクロレンズML2の中心側へさらに屈折し、画素Pの開口部T内を透過して素子基板20側に射出される。
マイクロレンズML1の端部に法線方向に対して斜めに、かつ、マイクロレンズML1の中心に対して外側に向かって入射した光L3は、仮にそのまま直進した場合、破線で示すように遮光層32で遮光されてしまうが、基板11とレンズ層13との間の屈折率の差により、マイクロレンズML1の中心側へ屈折してマイクロレンズML2に入射する。マイクロレンズML2に入射した光L3は、仮にそのまま直進した場合、破線で示すように遮光層26で遮光されてしまうが、レンズ層15と平坦化層17との間の屈折率の差により、マイクロレンズML2の中心側へさらに屈折し、画素Pの開口部T内を透過して素子基板20側に射出される。
このように、液晶装置1では、そのまま直進した場合に遮光層32や遮光層26で遮光されてしまう光L2,L3を、2段のマイクロレンズML1,ML2の作用により、画素Pの開口部Tの中心側へ屈折させて開口部T内を透過させることができる。この結果、素子基板20側から射出される光の量を多くできるので、光の利用効率を高めることができる。
<第2のマイクロレンズの断面形状>
続いて、第1の実施形態に係る第2のマイクロレンズ(マイクロレンズML2)の断面形状および効果について、図4および図5を参照して説明する。図4は、第1の実施形態に係る第2のマイクロレンズの断面形状を示す模式断面図である。詳しくは、図4は、図3におけるマイクロレンズML2(凸状部16)の部分拡大図である。図5は、図3における2つの画素の要部を拡大して示す模式断面図である。
続いて、第1の実施形態に係る第2のマイクロレンズ(マイクロレンズML2)の断面形状および効果について、図4および図5を参照して説明する。図4は、第1の実施形態に係る第2のマイクロレンズの断面形状を示す模式断面図である。詳しくは、図4は、図3におけるマイクロレンズML2(凸状部16)の部分拡大図である。図5は、図3における2つの画素の要部を拡大して示す模式断面図である。
図4に実線で示すように、第1の実施形態に係るマイクロレンズML2(凸状部16)のレンズ面は、中央部16aと、中央部16aの外側に配置された第1の周辺部としての周辺部16bと、周辺部16bの外側に位置する第2の周辺部として周辺部16cとを有している。周辺部16bの曲率は、中央部16aの曲率よりも大きい。周辺部16cの曲率は、中央部16aの曲率以下(中央部16aの曲率と同じか中央部16aの曲率よりも小さい)である。
図4には、凸状部16の断面形状の比較として、2点鎖線で楕円形19を示している。例えば特許文献1に記載のマイクロレンズアレイ基板のように、従来のマイクロレンズアレイ基板が備える第2のマイクロレンズの断面形状は半楕円形状であるものが多い。したがって、図4は、第1の実施形態に係るマイクロレンズML2(凸状部16)の断面形状を従来の第2のマイクロレンズ(マイクロレンズML2e)の断面形状と比較して示す図である。なお、図4では、X軸はX方向に沿って楕円形19の中心19cを通る軸であり、Z軸はZ方向に沿って楕円形19の中心19cを通る軸である。
図4に示す楕円形19の長軸(長径)19aの長さは凸状部16の径(X軸方向における長さ)と同じであり、楕円形19の短軸(短径)19bの1/2の長さは凸状部16の高さ(Z軸方向における長さ)と同じであるものとする。したがって、本実施形態に係るマイクロレンズML2(凸状部16)の断面形状は、従来のマイクロレンズML2eの断面形状である楕円形19の下側(−Z方向側)の半分とほぼ重なる。しかしながら、マイクロレンズML2(凸状部16)のレンズ面は、周辺部16bが従来のマイクロレンズML2e(楕円形19)のレンズ面よりも外側へ張り出した台形に近い形状となっている。
マイクロレンズML2(凸状部16)のレンズ面の各部を、従来のマイクロレンズML2e(楕円形19)のレンズ面の各部と比較する。マイクロレンズML2の周辺部16bの曲率は、楕円形19の周辺部16bに相当する部分の曲率よりも大きい。したがって、マイクロレンズML2の周辺部16bにおいてレンズ面と基板11の面11aとがなす角度は、従来のマイクロレンズML2eと比べて大きくなる。
そのため、+Z方向側から法線方向(Z軸方向)に沿ってマイクロレンズML2の周辺部16bに入射する光のレンズ面に対する入射角は、従来のマイクロレンズML2eのこの部分に入射する光の入射角よりも大きくなる。したがって、従来のマイクロレンズML2eと比べて、マイクロレンズML2の周辺部16bから射出される光の屈折角が大きくなるので、マイクロレンズML2の周辺部16bから画素Pの開口部Tの中心側へ向かう光が多くなる。
これにより、マイクロレンズML2では、従来のマイクロレンズML2eと比べて、画素Pの開口部T内に集光可能な範囲を大きくできる。この結果、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10では、従来のマイクロレンズアレイ基板と比べて、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2との距離が小さくても、マイクロレンズML1で集光された光を画素Pの開口部T内に入射させることができる。
また、マイクロレンズML2が、光が射出される側に突出する凸状であるので、光が入射する側に突出する凸状である場合と比べて、マイクロレンズML1側から外側へ向かってマイクロレンズML2の周辺部16bに入射する光をより強く内側へ曲げることができる。これによっても、マイクロレンズML2で画素Pの開口部T内に集光可能な範囲を大きくすることができる。
一方、中央部16aの曲率は、楕円形19の中央部16aに相当する部分の曲率よりも小さい。したがって、従来のマイクロレンズML2eと比べて、中央部16aにおいてマイクロレンズML2のレンズ面と基板11の面11a(図3参照)とがなす角度は小さく、また、異なる位置でも角度の差異は少ない。
そのため、+Z方向側から法線方向に沿ってマイクロレンズML2のレンズ面の中央部16aに入射する光の入射角は、従来のマイクロレンズML2eのこの部分に入射する光と比べて小さく、そのばらつきも小さい。これにより、従来のマイクロレンズML2eと比べて、マイクロレンズML2の中央部16aから素子基板20(図3参照)側へ射出される光の屈折角のばらつきが小さくなるので、画素Pの開口部Tの中央部に入射する光の角度のばらつきが小さくなる。
この結果、本実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10では、従来のマイクロレンズアレイ基板と比べて、液晶装置1の画素Pの開口部Tの中央部における照度の分布の集中や偏りが緩和されてより均一な分布となるので、明るさをより均一にできる。また、画素Pの開口部Tの中央部への光の集中度が緩和されることで、長期使用における液晶層40(図3参照)の液晶の耐光性劣化が抑えられるので、液晶装置1の長寿命化を図ることができる。
周辺部16cの曲率は、楕円形19の周辺部16cに相当する部分の曲率よりも小さい。周辺部16cはマイクロレンズML2の端部に位置するため、周辺部16cに入射する光の多くは画素Pの開口部T内に入射しない。マイクロレンズML2では、このような周辺部16cを有することで、周辺部16cが無い場合と比べて、中央部16aと周辺部16cとの間に位置する周辺部16bの曲率をより大きくすることができる。これにより、マイクロレンズML1から入射する光に対してマイクロレンズML2で集光可能な範囲をより大きくすることができる。
なお、マイクロレンズML2の断面形状は、凸状部16の頂点に対して略対称であることが好ましい。図4では、凸状部16の断面形状がX軸方向において対称な例を示しているが、Y軸方向(図1参照)においても対称であることが好ましい。また、凸状部16の断面形状は、平面視で、凸状部16の頂点に対して360°に亘って対称であってもよい。
マイクロレンズML2の断面形状が凸状部16の頂点に対して略対称であると、マイクロレンズML2に入射する光のうち凸状部16の頂点に対して対称な位置に同一方向(例えば、法線方向)から入射する光は、ほぼ同じ角度で屈折する。これにより、マイクロレンズML2から射出される光の角度のばらつきが小さくなる。この結果、画素Pの開口部T内における明るさをより均一にできる。
図5において、画素P1には、本実施形態に係るマイクロレンズML1とマイクロレンズML2とが配置されている。画素P2には、比較例として、本実施形態に係るマイクロレンズML1と従来のマイクロレンズML2eとが配置されている。画素P1および画素P2において、光L4,L5は、それぞれマイクロレンズML1の同じ位置から同じ角度で射出されて、マイクロレンズML2とマイクロレンズML2eとに入射するものとする。
光L4は、法線方向に沿ってマイクロレンズML1の端部に入射し、集光されて(マイクロレンズML1の中心側へ屈折されて)射出された光である。画素P2において、従来のマイクロレンズML2eでは、マイクロレンズML1との距離が小さいと、マイクロレンズML1から射出された光L4を集光して画素P2の開口部T内に入射させることができない。そのため、この光L4を従来のマイクロレンズML2eで集光して画素P2の開口部T内に入射させることができる範囲内に入射させるためには、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2eとの間に距離(光路長)D2が必要になる。
したがって、従来のマイクロレンズML2eを備える場合、特許文献1に記載のマイクロレンズアレイ基板のように、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2eとの間に、基板11(図3参照)の屈折率と同程度の屈折率を有する透光層からなる光路長調整層を設けて距離(光路長)D2を確保する必要がある。そうすると、マイクロレンズアレイ基板の厚さが厚くなる。また、マイクロレンズアレイ基板の製造工程において、光路長調整層を形成する工程が必要となるため、生産コストの増大を招くこととなる。
一方、画素P1においては、上述したように、従来のマイクロレンズML2eよりも集光可能な範囲が大きいマイクロレンズML2を備えている。したがって、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2との間の距離(光路長)D1を距離(光路長)D2より小さくしても、光L4をマイクロレンズML2で集光して画素P1の開口部T内に入射させることができる。
これにより、本実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10では、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2との間の距離(光路長)D1を小さくできるので、光路長調整層を不要にできる。その結果、従来のマイクロレンズアレイ基板と比べて、マイクロレンズアレイ基板10の厚さを薄くできる。そして、従来のマイクロレンズアレイ基板と比べて光路長調整層を形成する工程が不要となるので、マイクロレンズアレイ基板10の製造リードタイムを短縮し生産コストを低減することができる。なお、マイクロレンズアレイ基板10の製造方法については後述する。
光L5は、法線方向に対して斜めにマイクロレンズML1に入射し、マイクロレンズML1から外側へ向かって射出された光である。画素P2において、マイクロレンズML1と従来のマイクロレンズML2eとの間に距離(光路長)D2が設定されているため、この光L5は、隣の画素P1側に漏れてしまい、マイクロレンズML2eに入射しない。光L5がマイクロレンズML2eに入射したとしても、マイクロレンズML2eで屈折した後、遮光部Sで遮光されてしまう。
画素P1においては、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2との間の距離(光路長)D1が小さいので、光L5をマイクロレンズML2の周辺部16bに入射させることが可能となる。上述したように、周辺部16bの曲率は従来のマイクロレンズML2eの曲率よりも大きいので、光L5をマイクロレンズML2の周辺部16bで屈折させて画素P1の開口部T内に入射させることができる。これにより、本実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10では、従来のマイクロレンズアレイ基板と比べて、光の利用効率を向上させることができる。
さらに、従来のマイクロレンズML2eと比べて、マイクロレンズML2の周辺部16bでより多くの光を集光して画素P1の開口部T内に入射させることができるので、遮光部S(遮光層26)で反射したり、マイクロレンズML2の端部側で全反射したりする光を少なくできる。そのため、これらの反射光によって生じる迷光を低減できるので、迷光に起因してTFT24の光リーク電流が発生して表示画像にフリッカーやムラなどが生じる表示品位の低下を抑えることができる。これにより、液晶装置1の表示品質を向上できる。加えて、遮光部Sに入射する光が少なくなれば、遮光部Sを小さくすることが可能となり、画素P1における開口部Tの開口率を大きくして明るさの向上を図ることも可能となる。
このように、本実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10の構成によれば、従来必要であった光路長調整層を不要にできるので、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2との距離を小さくできる。そして、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2との距離を小さくすることで、従来利用されなかった斜め光をマイクロレンズML2に入射させて利用することが可能となる。これにより、薄型であり、かつ、光の利用効率が高いマイクロレンズアレイ基板10および液晶装置1を提供することができる。なお、本実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10の構成は、画素Pの配置ピッチが微細な液晶装置1に好適であり、例えば、画素Pの配置ピッチが10μm以下の液晶装置1に有効である。
一方、本実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10の構成によれば、従来のマイクロレンズML2eよりも集光可能な範囲が大きいマイクロレンズML2を2段目に備えることで、1段目のマイクロレンズML1の集光力(屈折力)を従来よりも小さくすることが可能となる。マイクロレンズML1の屈折力を小さくすれば、凹部12の深さを浅くできる。そうすると、基板11に凹部12を形成する際のエッチング量を少なくできるので、凹部12を埋めて形成するレンズ層13の厚さを薄くできるとともに、レンズ層13の表面を平坦化する際にCMP処理を施す量を少なくできる。これにより、CMP処理の工数を低減できるので、マイクロレンズアレイ基板10の生産コストをさらに低減できる。
また、マイクロレンズML1の屈折力を小さくすれば、基板11とレンズ層13との屈折率差を小さくできる。そうすると、基板11とレンズ層13との界面におけるフレネル反射を低減できるので、フレネル反射による光損失を小さくできる。これにより、光の利用効率のさらなる向上が可能となる。
<マイクロレンズアレイ基板の製造方法>
次に、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10の製造方法を説明する。図6から図15は、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図である。詳しくは、図6から図15の各図は、図3のA−A’線に沿った概略断面図に相当し、図3とは上下方向(Z方向)が反転している。
次に、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10の製造方法を説明する。図6から図15は、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図である。詳しくは、図6から図15の各図は、図3のA−A’線に沿った概略断面図に相当し、図3とは上下方向(Z方向)が反転している。
まず、図6に示すように、石英などからなる光透過性を有する基板11の面11aに、例えば、SiO2などの酸化膜からなる制御膜70を形成する。制御膜70は、等方性エッチングにおけるエッチングレートが基板11と異なっており、凹部12を形成する際の深さ方向(Z方向)のエッチングレートに対して幅方向(図3に示すX方向およびY方向)のエッチングレートを調整する機能を有する。
制御膜70を形成した後、所定の温度で制御膜70のアニールを行う。制御膜70のエッチングレートは、アニール時の温度により変化する。したがって、アニール時の温度を適宜設定することにより、制御膜70のエッチングレートを調整することができる。
次に、制御膜70上にマスク層72を形成する。そして、マスク層72をパターニングして、マスク層72に開口部72aを形成する。この開口部72aの平面的な中心の位置が、形成される凹部12における中心となる。続いて、マスク層72の開口部72aを介して、制御膜70で覆われた基板11に等方性エッチングを施す。図示を省略するがこの等方性エッチングにより、制御膜70の開口部72aと重なる領域に開口部が形成され、その開口部を介して基板11がエッチングされる。
等方性エッチングには、制御膜70のエッチングレートの方が基板11のエッチングレートよりも大きくなるようなエッチング液(例えば、フッ酸溶液)を用いる。これにより、等方性エッチングにおける制御膜70の単位時間当たりのエッチング量が基板11の単位時間当たりのエッチング量よりも多くなるので、制御膜70に形成された開口部の拡大に伴って、基板11の幅方向におけるエッチング量が深さ方向におけるエッチング量よりも多くなる。
等方性エッチングにより、開口部72aから制御膜70と基板11とがエッチングされ、図7に示すように、基板11の面11a側に凹部12が形成される。上述したエッチングレートの設定により、凹部12の幅方向が深さ方向よりも拡大されて、凹部12の周縁部にテーパー状の斜面が形成される。なお、全体が曲面で構成された凹部12を形成する場合には、制御膜70を設けなくてもよい。図7には、マスク層72および制御膜70が除去された後の状態を示している。
本工程では、画素Pが配列されたX方向およびY方向において隣り合う凹部12同士が互いに接続されるとともに、画素Pの対角線方向(以下では、単に対角線方向という)において隣り合う凹部12同士が互いに離間されている状態、すなわち、対角線方向において隣り合う凹部12同士の間に基板11の面11aが残された状態で等方性エッチングを終了することが好ましい。
対角線方向において隣り合う凹部12同士が互いに接続されるまで等方性エッチングを行うと、マスク層72が基板11から浮いて剥がれてしまうおそれがある。隣り合う凹部12同士の間に基板11の面11aが残っている状態で等方性エッチングを終了すれば、等方性エッチングが終了するまでマスク層72をより確実に支持することができる。
次に、図8に示すように、基板11の面11a側を覆い凹部12を埋め込むように、光透過性を有し、基板11よりも大きい屈折率を有する無機材料を堆積してレンズ材料層13aを形成する。レンズ材料層13aは、例えばCVD法を用いて形成することができる。凹部12を埋め込むように形成されるため、レンズ材料層13aの表面は、基板11の凹部12に起因する凹凸が反映された凹凸形状となる。なお、レンズ材料層13aは、1回の成膜で形成してもよいし、複数回の成膜で形成してもよい。
次に、図9に示すように、レンズ材料層13aに対して平坦化処理を施す。平坦化処理では、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理などを用いて、レンズ材料層13aの上層の凹凸が形成された部分を研磨して除去することにより、上面が平坦化されてレンズ層13が形成される。そして、凹部12にレンズ層13の材料が埋め込まれることにより、マイクロレンズML1が構成される。なお、本実施形態では、基板11の面11a上にレンズ層13が残っている状態で平坦化処理を終了する。
なお、凹部12の深さが浅いほど、基板11に凹部12を形成する工程(図7参照)におけるエッチング量を少なくでき、凹部12を埋めてレンズ材料層13aを形成する工程(図8参照)における成膜量を少なくできる。すなわち、レンズ材料層13aの厚さを薄くできる。そうすると、レンズ材料層13aに対して平坦化処理を施す工程(図9参照)においてCMP処理を施す量を少なくできる。これらは、マイクロレンズアレイ基板10の製造リードタイムの短縮や生産コスト低減に寄与する。
次に、図10に示すように、レンズ層13を覆うように、光透過性を有し、基板11よりも大きい屈折率を有する無機材料を堆積して第1のレンズ材料層15aを形成する。第1のレンズ材料層15aは、例えばCVD法を用いて形成することができる。なお、従来のマイクロレンズアレイ基板では、レンズ層13とその上層のレンズ層15との間に光路長調整層を形成するが、本実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10では、光路長調整層を形成しない。そのため、従来のマイクロレンズアレイ基板と比べて、光路長調整層を形成する工程が不要となるので、マイクロレンズアレイ基板10の製造リードタイムを短縮し生産コストを低減できる。
続いて、図10に示すように、第1のレンズ材料層15a上に、レジスト層73を形成する。レジスト層73は、例えば、露光部分が現像により除去されるポジ型の感光性レジストで形成する。レジスト層73は、例えば、スピンコート法やロールコート法などで形成することができる。
次に、図示を省略するが、凹部12の位置に対応して遮光部が設けられたマスクを介して、レジスト層73を露光して現像する。これにより、図11に示すように、レジスト層73のうち、マスクの遮光部と重なる領域以外の領域が露光されて除去され、後の工程で凸状部16が形成される位置に対応する部分73aが残留する。したがって、残留した部分73a同士は、X方向、Y方向、対角線方向において互いに離間される。部分73aの平面形状は、例えば略矩形状であるが、4隅の角部が丸く形成されていてもよい。
なお、後述する工程で、第1のレンズ材料層15aにおける部分73aと重なる部分に、マイクロレンズML2(凸状部16)が形成される。本実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10では、従来のマイクロレンズアレイ基板と比べて、光路長調整層を形成せず、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2との間の距離を小さくできる。これにより、レジスト層73を露光する際のマスクのずれが抑えられるので、マイクロレンズML1に対するマイクロレンズML2の位置精度を向上できる。
次に、レジスト層73のうち残留した部分73aに、リフロー処理などの加熱処理を施すことにより軟化(溶融)させる。溶融した部分73aは、流動状態となり、表面張力の作用で表面が曲面状に変形する。これにより、図12に示すように、第1のレンズ材料層15a上に残留した部分73aから曲面状の凸状部73bが形成される。なお、凸状部73bの底部側(第1のレンズ材料層15a側)は平面視で略矩形状であるが、凸状部73bの先端側(上方)は平面視で略同心円状に形成される。
次に、図13に示すように、凸状部73bと第1のレンズ材料層15aとに上方側から、例えば、ドライエッチングなどの異方性エッチングを施す。これにより、レジストからなる凸状部73bが徐々に除去され、凸状部73bの除去に伴って第1のレンズ材料層15aの露出する部分がエッチングされる。その結果、第1のレンズ材料層15aの表面側に、凸状部73bの形状が反映される。本工程では、レンズ層13上に第1のレンズ材料層15aが残された(レンズ層13の表面が露出しない)状態で異方性エッチングを終了する。
なお、本工程におけるエッチング条件を、凸状部73bの材料(レジスト)のエッチングレートと第1のレンズ材料層15aの材料のエッチングレートとを略同一にできる条件とすることで、第1のレンズ材料層15aに凸状部73bの形状を転写することができる。
次に、図14に示すように、基板11よりも大きい屈折率を有する無機材料を、例えばCVD法を用いて、第1のレンズ材料層15aを覆うように堆積させて、第2のレンズ材料層15bを形成する。第1のレンズ材料層15a上に第2のレンズ材料層15bを積層させることで、凸状部73bの形状が拡大された凸状部16を有するレンズ層15が形成される。なお、第2のレンズ材料層15bの屈折率は、第1のレンズ材料層15aの屈折率と同じでもよいし、第1のレンズ材料層15aの屈折率より大きくてもよい。また、第2のレンズ材料層15bは、1回の成膜で形成してもよいし、複数回の成膜で形成してもよい。
次に、図15に示すように、レンズ層15を覆うように、光透過性を有し、例えば基板11と同程度の屈折率を有する無機材料を堆積して平坦化層17を形成する。そして、平坦化層17に対して平坦化処理を施す。凸状部16を平坦化層17で覆うことにより、マイクロレンズML2が構成される。以上により、マイクロレンズアレイ基板10が完成する。
なお、図4に示す凸状部16の断面形状は、第1のレンズ材料層15a上に第2のレンズ材料層15bを形成することで、第1のレンズ材料層15aの凸状部73bの形状が反映された形状が拡大されて形作られる(図14参照)。したがって、レジスト層73から形成される凸状部73bの断面形状(図12参照)は、第1のレンズ材料層15aに異方性エッチングを施した後の断面形状(図13参照)や、第2のレンズ材料層15bを形成した後の断面形状(図14参照)を踏まえて適宜設定するものとする。
凸状部73bの断面形状は、レジスト層73のうち残留した部分73aに加熱処理を施す際の処理条件により調整できる。また、加熱処理の代わりに、図10に示すレジスト層73に、例えば、グレイスケールマスクや面積階調マスクを用いて露光する方法、多段階露光する方法などを用いて、レジスト層73から凸状部73bの形状に加工するようにしてもよい。
マイクロレンズアレイ基板10が完成した後、公知の技術を用いて、マイクロレンズアレイ基板10上に、遮光層32と、保護層33と、共通電極34と、配向膜35とを順に形成して対向基板30を得る。また、基板21上に、遮光層22と、絶縁層23と、TFT24と、絶縁層25と、遮光層26と、絶縁層27と、画素電極28と、配向膜29とを順に公知の方法を用いて形成することにより、素子基板20を得る。
続いて、素子基板20と対向基板30とを位置決めし、素子基板20と対向基板30との間に熱硬化性または光硬化性の接着剤をシール材42(図1参照)として配置して硬化させて貼り合せる。そして、素子基板20と対向基板30とシール材42とで構成される空間に液晶を封入して挟持することにより、液晶装置1が完成する。素子基板20と対向基板30とを貼り合せる前にシール材42で囲まれた領域に液晶を配置することとしてもよい。
<電子機器>
次に、第1の実施形態に係る電子機器について図16を参照して説明する。図16は、第1の実施形態に係る電子機器としてのプロジェクターの構成を示す概略図である。
次に、第1の実施形態に係る電子機器について図16を参照して説明する。図16は、第1の実施形態に係る電子機器としてのプロジェクターの構成を示す概略図である。
図16に示すように、第1の実施形態に係る電子機器としてのプロジェクター(投写型表示装置)100は、偏光照明装置110と、2つのダイクロイックミラー104,105と、3つの反射ミラー106,107,108と、5つのリレーレンズ111,112,113,114,115と、3つの液晶ライトバルブ121,122,123と、クロスダイクロイックプリズム116と、投写レンズ117とを備えている。
偏光照明装置110は、例えば超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット101と、インテグレーターレンズ102と、偏光変換素子103とを備えている。ランプユニット101と、インテグレーターレンズ102と、偏光変換素子103とは、システム光軸Lxに沿って配置されている。
ダイクロイックミラー104は、偏光照明装置110から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー105は、ダイクロイックミラー104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー106で反射した後にリレーレンズ115を経由して液晶ライトバルブ121に入射する。ダイクロイックミラー105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ114を経由して液晶ライトバルブ122に入射する。ダイクロイックミラー105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ111,112,113と2つの反射ミラー107,108とで構成される導光系を経由して液晶ライトバルブ123に入射する。
光変調素子としての透過型の液晶ライトバルブ121,122,123は、クロスダイクロイックプリズム116の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ121,122,123に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調され、クロスダイクロイックプリズム116に向けて射出される。
クロスダイクロイックプリズム116は、4つの直角プリズムが貼り合わされて構成されており、その内面には赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投写光学系である投写レンズ117によってスクリーン130上に投写され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ121は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ122,123も同様である。液晶ライトバルブ121,122,123は、液晶装置1が適用されたものである。
第1の実施形態に係るプロジェクター100の構成によれば、複数の画素Pが高精細に配置されていても、光源からの入射光の利用効率が高く明るい表示と優れた表示品質とを得ることができる液晶装置1を液晶ライトバルブ121,122,123に備えているので、明るい表示と優れた表示品質とを有するプロジェクター100を提供することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、第1の実施形態に対して、マイクロレンズアレイ基板の製造方法が異なり、それに伴って第2のマイクロレンズの構成が異なるが、液晶装置の基本構成は同じである。ここでは、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法について、図17から図21を参照して説明する。
第2の実施形態では、第1の実施形態に対して、マイクロレンズアレイ基板の製造方法が異なり、それに伴って第2のマイクロレンズの構成が異なるが、液晶装置の基本構成は同じである。ここでは、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法について、図17から図21を参照して説明する。
<マイクロレンズアレイ基板の製造方法>
図17から図21は、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図である。図17から図21の各図に示す工程は、第1の実施形態の図11から図15の各図に示す工程に相当する。ここでは、第1の実施形態との相違点を説明し、第1の実施形態と同じ構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図17から図21は、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図である。図17から図21の各図に示す工程は、第1の実施形態の図11から図15の各図に示す工程に相当する。ここでは、第1の実施形態との相違点を説明し、第1の実施形態と同じ構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施形態では、レンズ層13上に形成する第1のレンズ材料層15aを、第1の実施形態よりも薄く形成する点が、第1の実施形態と異なる。図17には、レジスト層73が露光されて、後の工程で凸状部16が形成される位置に対応する部分73aが残留した状態を示している。図17に示すように、第2の実施形態では、第1のレンズ材料層15aは、例えば、上に形成されるレジスト層73の厚さよりも薄く形成される。
次に、図18に示すように、第1の実施形態と同様に、レジスト層73のうち残留した部分73aに、リフロー処理などの加熱処理を施すことにより、第1のレンズ材料層15a上に曲面状の凸状部73bを形成する。
次に、図19に示すように、凸状部73bと第1のレンズ材料層15aとに、上方側から異方性エッチングを施す。異方性エッチングは、凸状部73b(レジスト層73)が除去されるまで行う。そうすると、第1のレンズ材料層15aの厚さがレジスト層73の厚さよりも薄いので、第1のレンズ材料層15aのうち凸状部73bと重なる部分以外が除去されて、下層のレンズ層13の表面もエッチングされる。
その結果、レンズ層13と第1のレンズ材料層15aの残された部分とに、凸状部73bの形状が反映される。本工程では、基板11上にレンズ層13が残された状態で異方性エッチングを終了する。また、異方性エッチングを終了した時点では、レンズ層13における平坦化処理された表面が残っている。
次に、図20に示すように、基板11よりも大きい屈折率を有する無機材料を、例えばCVD法を用いて、レンズ層13と第1のレンズ材料層15aとを覆うように堆積させて、第2のレンズ材料層15bを形成する。第2のレンズ材料層15bの屈折率は、第1のレンズ材料層15aの屈折率と同じでもよいし、第1のレンズ材料層15aの屈折率より大きくてもよい。また、第2のレンズ材料層15bは、1回の成膜で形成してもよいし、複数回の成膜で形成してもよい。第1のレンズ材料層15aと第2のレンズ材料層15bとで、レンズ層15が構成される。レンズ層15の厚さは、第1の実施形態と比べて薄くなる。
次に、図21に示すように、第1の実施形態と同様に、レンズ層15を覆うように平坦化層17を形成する。そして、平坦化層17に対して平坦化処理を施す。以上により、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10Aが完成する。
第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10Aでは、図21に破線で示すマイクロレンズML2(凸状部16)の断面形状の中に、マイクロレンズML1を構成するレンズ層13の平坦化処理された表面が含まれている点が、第1の実施形態と異なる。換言すれば、マイクロレンズML2(凸状部16)がレンズ層13の一部(表面側)とレンズ層15とで構成される。
第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10Aの構成によれば、第1の実施形態と比べて、マイクロレンズML2(凸状部16)を構成するレンズ層15の厚さを薄くできるので、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2との距離をより小さくすることができる。これにより、画素Pの配置ピッチがより微細な液晶装置1において、光の利用効率を向上させることが可能となる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第1の実施形態に対して、マイクロレンズアレイ基板の製造方法が異なり、それに伴って第2のマイクロレンズの構成が異なるが、液晶装置の基本構成は同じである。ここでは、第3の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法について、図22から図26を参照して説明する。
第3の実施形態では、第1の実施形態に対して、マイクロレンズアレイ基板の製造方法が異なり、それに伴って第2のマイクロレンズの構成が異なるが、液晶装置の基本構成は同じである。ここでは、第3の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法について、図22から図26を参照して説明する。
<マイクロレンズアレイ基板の製造方法>
図22から図26は、第3の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図である。図22から図26の各図に示す工程は、第1の実施形態の図11から図15の各図に示す工程に相当する。ここでは、第1の実施形態との相違点を説明し、第1の実施形態と同じ構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図22から図26は、第3の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図である。図22から図26の各図に示す工程は、第1の実施形態の図11から図15の各図に示す工程に相当する。ここでは、第1の実施形態との相違点を説明し、第1の実施形態と同じ構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
第3の実施形態では、基板11上に形成するレンズ層13を厚く形成する点と、第1のレンズ材料層15aを形成しない点とが、第1の実施形態と異なる。図22には、レジスト層73が露光されて、後の工程で凸状部16が形成される位置に対応する部分73aが残留した状態を示している。図22に示すように、レンズ層13が第1の実施形態よりも厚く形成される。また、レンズ層13上には第1のレンズ材料層15aが形成されない。
次に、図23に示すように、第1の実施形態と同様に、レジスト層73のうち残留した部分73aに、リフロー処理などの加熱処理を施すことにより、レンズ層13上に曲面状の凸状部73bを形成する。
次に、図24に示すように、凸状部73bとレンズ層13とに、上方側から異方性エッチングを施す。本工程では、レンズ層13における平坦化処理された表面が残らなくなるまで異方性エッチングを施す。その結果、レンズ層13の表面側に、凸状部73bの形状が反映される。
次に、図25に示すように、基板11よりも大きい屈折率を有する無機材料を、例えばCVD法を用いて、レンズ層13を覆うように堆積させて、第2のレンズ材料層15bを形成する。第2のレンズ材料層15bは、1回の成膜で形成してもよいし、複数回の成膜で形成してもよい。第3の実施形態では、第2のレンズ材料層15bによりレンズ層15が構成される。
次に、図26に示すように、第1の実施形態と同様に、レンズ層15を覆うように平坦化層17を形成する。そして、平坦化層17に対して平坦化処理を施す。以上により、第3の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10Bが完成する。
第3の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10Bでは、図26に破線で示すマイクロレンズML2(凸状部16)の断面形状の中に、マイクロレンズML1を構成するレンズ層13が含まれている点が第1の実施形態と異なり、レンズ層13の平坦化処理された表面が残されていない点が第2の実施形態と異なる。第3の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10Bの構成によれば、第1の実施形態および第2の実施形態と比べて、第1のレンズ材料層15aを形成する工程が不要となるので、製造リードタイムの短縮や生産コスト低減が可能となる。
(第4の実施形態)
<電気光学装置>
第4の実施形態では、電気光学装置として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の撮像装置を例に挙げて説明する。この撮像装置は、例えば、後述するビデオカメラの撮像装置として好適に用いることができるものである。なお、電気光学装置はCCD(Charge Coupled Device)型の撮像装置であってもよい。
<電気光学装置>
第4の実施形態では、電気光学装置として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の撮像装置を例に挙げて説明する。この撮像装置は、例えば、後述するビデオカメラの撮像装置として好適に用いることができるものである。なお、電気光学装置はCCD(Charge Coupled Device)型の撮像装置であってもよい。
図27は、第4の実施形態に係る撮像装置の構成を示す概略断面図である。第1の実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付しその説明を省略する。図27に示すように、第4の実施形態に係る撮像装置6は、第1の基板としての受光素子基板60と、第2の基板としてのマイクロレンズアレイ基板10(10A,10B)とを備えている。撮像装置6では、マイクロレンズアレイ基板10自体が第2の基板に相当する。
平面図は省略するが、画素Pは、略多角形(例えば、略矩形)の平面形状を有し、マトリックス状に配列されている。複数の画素Pの各々には、受光素子63と、図示しない画素トランジスター(いわゆるCMOSトランジスター)とが設けられている。また、複数の画素Pの各々には、マイクロレンズアレイ基板10に設けられたマイクロレンズML1とマイクロレンズML2とが、受光素子63と平面視で重なるように配置されている。
受光素子基板60は、基板61と、半導体層62と、受光素子63と、層間絶縁層64と、遮光層65と、平坦化層66とを備えている。基板61は、例えば、シリコンなどからなる半導体基板である。基板61上には、半導体層62が設けられており、半導体層62にフォトダイオードなどで構成された受光素子63が設けられている。
受光素子63は、フォトダイオードなどの光電変換素子で構成される。受光素子63は、受光面63aを有している。受光素子63は、受光面63aに入射した光の光量(強度)に応じた信号電荷を光電変換により生成し、生成した信号電荷を蓄積する。画素トランジスターは、例えば、転送トランジスター、リセットトランジスター、増幅トランジスターなどの複数のトランジスターで構成される。
層間絶縁層64は、半導体層62および受光素子63を覆うように設けられている。層間絶縁層64は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。
遮光層65は、層間絶縁層64上に、平面視で格子状に設けられている。遮光層65は、例えば、金属や金属化合物などで形成される。遮光層65により遮光部Sが構成され、遮光層65に囲まれた領域(開口部65a内)が画素Pの領域のうち光が透過する開口部Tとなる。遮光層65が設けられていることにより、マイクロレンズML1およびマイクロレンズML2を透過した光が、隣り合う画素Pの受光素子63へ入射してしまうことを抑制できる。
平坦化層66は、層間絶縁層64と遮光層65とを覆うように設けられており、略平坦な表面を有している。平坦化層66は、SiO2などの無機材料で形成されていてもよいし、アクリルなどの樹脂材料で形成されていてもよい。マイクロレンズアレイ基板10は、受光素子基板60の平坦化層66側に対向するように配置されている。
第4の実施形態に係る撮像装置6は、入射する光を集光するマイクロレンズアレイ基板10を備えている。そのため、撮像装置6では、マイクロレンズML1の中心に法線方向に沿って入射する光L1だけでなく、マイクロレンズML1の端部に法線方向に沿って入射する光L2や斜めに入射する光L3も、画素Pの開口部Tの中心側へ屈折させて開口部T内を透過させることができる。
また、従来よりも薄型で光の利用効率が高いマイクロレンズアレイ基板10を備えている。そのため、従来のマイクロレンズアレイ基板と比べて、受光素子63に入射する光の量をより多くできるので、受光感度の向上を図ることができる。また、遮光部Sで反射したり、マイクロレンズML2の端部側で全反射したりする反射光によって生じる迷光が低減されるため、受光素子63により生成される信号電荷において迷光に起因するノイズが低減されるので、S/N比と階調の解像度との向上を図ることができる。
<電子機器>
次に、第4の実施形態に係る電子機器について図28を参照して説明する。図28は、第4の実施形態に係る電子機器としてのビデオカメラの構成を示す概略図である。第4の実施形態に係るビデオカメラ200は、静止画像および動画像を撮像可能な電子機器である。
次に、第4の実施形態に係る電子機器について図28を参照して説明する。図28は、第4の実施形態に係る電子機器としてのビデオカメラの構成を示す概略図である。第4の実施形態に係るビデオカメラ200は、静止画像および動画像を撮像可能な電子機器である。
図28に示すように、第4の実施形態に係る電子機器としてのビデオカメラ200は、光学部201と、シャッター部202と、撮像部203と、駆動部204と、信号処理部205と、モニター206と、メモリー207とを備えている。撮像部203は、本実施形態に係る撮像装置6が適用されたものである。また、モニター206は、第1の実施形態に係る液晶装置1が適用されたものである。
光学部201は、1枚または複数枚のレンズで構成され、被写体からの光(入射光)を撮像部203に導き、撮像部203の受光素子63の受光面63a(図27参照)に結像させる。シャッター部202は、光学部201と撮像部203との間に配置され、駆動部204の制御に基づいて、撮像部203への光照射期間および遮光期間を制御する。
撮像部203は、光学部201およびシャッター部202を介して、受光面63aに結像される光に応じて、一定期間、信号電荷を蓄積する。撮像部203に蓄積された信号電荷は、駆動部204から供給される駆動信号(タイミング信号)に従って転送される。なお、撮像部203は、光学部201または信号処理部205などとともに構成されたモジュールの一部として含まれていてもよい。
駆動部204は、撮像部203の転送動作、および、シャッター部202のシャッター動作を制御する駆動信号を出力して、撮像部203およびシャッター部202を駆動する。信号処理部205は、撮像部203から出力された信号電荷に対して各種の信号処理を施す。信号処理部205が信号処理を施すことにより得られた画像(画像データ)は、モニター206に供給されて表示され、メモリー207に供給されて記憶(記録)される。
第4の実施形態に係るビデオカメラ200の構成によれば、受光感度の向上とS/N比および階調の解像度の向上が図られた撮像装置6を備えているので、明るく解像度に優れた画像を撮像可能なビデオカメラ200を提供できる。そして、S/N比および階調の解像度が向上することで、信号処理部205における信号処理をより簡易化できるので、信号処理速度を速めるとともに、コストの低減を図ることができる。また、明るい表示と優れた表示品質とを得ることができる液晶装置1を備えているので、モニター206に明るく優れた表示品質で画像を表示可能なビデオカメラ200を提供できる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。変形例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
(変形例1)
第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10では、レンズ層13とレンズ層15との間に光路長調整層を有していない構成であったが、本発明はこのような形態に限定されず、レンズ層13とレンズ層15との間に光路長調整層を有する構成としてもよい。レンズ層13とレンズ層15との間に光路長調整層を形成する構成においても、従来のマイクロレンズアレイ基板と比べて、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2との間の距離を小さくできるので、光路長調整層の厚さを薄くすることができる。
第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10では、レンズ層13とレンズ層15との間に光路長調整層を有していない構成であったが、本発明はこのような形態に限定されず、レンズ層13とレンズ層15との間に光路長調整層を有する構成としてもよい。レンズ層13とレンズ層15との間に光路長調整層を形成する構成においても、従来のマイクロレンズアレイ基板と比べて、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2との間の距離を小さくできるので、光路長調整層の厚さを薄くすることができる。
(変形例2)
第1の実施形態に係る液晶装置1を適用可能な電子機器は、プロジェクター100やビデオカメラ200に限定されない。液晶装置1は、例えば、投写型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、または電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型のビデオカメラ、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として好適に用いることができる。
第1の実施形態に係る液晶装置1を適用可能な電子機器は、プロジェクター100やビデオカメラ200に限定されない。液晶装置1は、例えば、投写型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、または電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型のビデオカメラ、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として好適に用いることができる。
また、第4の実施形態に係る撮像装置6を適用可能な電子機器は、ビデオカメラ200に限定されない。撮像装置6は、デジタルスチルカメラや、撮像機能を有する携帯電話やスマートフォンなどの情報端末機器の撮像部として好適に用いることができる。
1…液晶装置(電気光学装置)、6…撮像装置(電気光学装置)、10,10A,10B…マイクロレンズアレイ基板(第2の基板)、11…基板、11a…面(表面)、12…凹部、13…レンズ層(第1のレンズ層)、15…レンズ層(第2のレンズ層)、16…凸状部、16a…中央部、16b…周辺部(第1の周辺部)、16c…周辺部(第2の周辺部)、20…素子基板(第1の基板)、24…TFT(スイッチング素子)、30…対向基板(第2の基板)、40…液晶層(電気光学層)、60…受光素子基板(第1の基板)、63…受光素子、100…プロジェクター(電子機器)、200…ビデオカメラ(電子機器)、ML1…マイクロレンズ(第1のマイクロレンズ)、ML2,ML2e…マイクロレンズ(第2のマイクロレンズ)、P…画素、S…遮光部、T…開口部。
Claims (9)
- 基板と、
前記基板上に配置された第1のマイクロレンズと、
前記第1のマイクロレンズ上に、前記第1のマイクロレンズと平面視で重なるように配置された第2のマイクロレンズと、を備え、
前記第2のマイクロレンズは、曲面で構成され、中央部と、前記中央部の外側に配置された第1の周辺部と、を有し、
前記第1の周辺部の曲率は、前記中央部の曲率よりも大きいことを特徴とするマイクロレンズアレイ基板。 - 請求項1に記載のマイクロレンズアレイ基板であって、
前記第2のマイクロレンズは、前記第1の周辺部の外側に配置された第2の周辺部を有し、
前記第2の周辺部の曲率は、前記中央部の曲率以下であることを特徴とするマイクロレンズアレイ基板。 - 請求項1または2に記載のマイクロレンズアレイ基板であって、
前記第1のマイクロレンズは、前記基板の屈折率よりも大きい屈折率を有する材料で、前記基板に設けられた凹部を埋めるように形成されており、
前記第2のマイクロレンズは、前記基板の屈折率よりも大きい屈折率を有する材料で、前記第1のマイクロレンズとは反対側に突出する凸状に形成されていることを特徴とするマイクロレンズアレイ基板。 - 請求項3に記載のマイクロレンズアレイ基板であって、
前記第2のマイクロレンズの断面形状は、前記中央部の頂点に対して略対称であることを特徴とするマイクロレンズアレイ基板。 - 画素毎に設けられたスイッチング素子と、前記画素毎の開口部を有し前記スイッチング素子と平面視で重なるように設けられた遮光部と、を備えた第1の基板と、
請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイ基板を含み、前記第1の基板と対向するように配置された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された電気光学層と、を備え、
前記第1のマイクロレンズおよび前記第2のマイクロレンズが、前記画素毎の前記開口部と平面視で重なるように配置されていることを特徴とする電気光学装置。 - 画素毎に設けられた受光素子と、前記画素毎の開口部を有する遮光部と、を備えた第1の基板と、
請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイ基板を含み、前記第1の基板と対向するように配置された第2の基板と、を備え、
前記第1のマイクロレンズおよび前記第2のマイクロレンズと前記受光素子とが、前記画素毎の前記開口部と平面視で重なるように配置されていることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項5または6に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。
- 基板の表面に凹部を形成する工程と、
前記基板の前記凹部を埋めるように、前記基板の屈折率よりも大きい屈折率を有する材料で第1のレンズ層を形成する工程と、
前記第1のレンズ層上に、前記基板の屈折率よりも大きい屈折率を有する材料で、前記凹部と平面視で重なるように配置され曲面で構成された凸状部を有する第2のレンズ層を形成する工程と、を含み、
前記凸状部は、中央部と、前記中央部の外側に配置された第1の周辺部と、を有し、
前記第1の周辺部の曲率は、前記中央部の曲率よりも大きいことを特徴とするマイクロレンズアレイ基板の製造方法。 - 請求項8に記載のマイクロレンズアレイ基板の製造方法を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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