JP2000028336A - 形状測定装置及び形状測定方法 - Google Patents

形状測定装置及び形状測定方法

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JP2000028336A
JP2000028336A JP10195886A JP19588698A JP2000028336A JP 2000028336 A JP2000028336 A JP 2000028336A JP 10195886 A JP10195886 A JP 10195886A JP 19588698 A JP19588698 A JP 19588698A JP 2000028336 A JP2000028336 A JP 2000028336A
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Kazuhiro Ohashi
和寛 大橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定対象物の長短に関係なく高精度の寸法測
定を行うことができるようにする。 【解決手段】 基準情報保持手段5は、指定された領域
内の画像情報及びその画像の位置情報を基準情報として
保持する。パターンマッチング手段6は、測定指令を受
け取ると、画像撮影手段3で撮影されている画像内か
ら、基準情報に含まれている画像情報と画像パターンが
近似している適合領域を検出する。ずれ量演算手段7
は、適合領域の位置と基準情報内の位置情報とのずれを
算出する。測定手段9は、ずれ量演算手段7で算出され
たずれ量によって補正された座標へ試料台を移動させる
ことで、そのとき画像撮影手段3で撮影された画像を利
用した測定を実行する。これにより、長寸法測定のよう
に試料台の移動を伴う測定であっても、測定対象領域を
正確に画像撮影手段3で捉えることができ、高精度の測
定が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は形状測定方法及び形
状測定装置に関し、特にステンシルマスク等の微細なパ
ターンの寸法を測定するための形状測定装置及び形状測
定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンシルマスク(stencil mask)による
パターン形成は、形成された電子ビームをステンシルマ
スクに照射し、ステンシルマスクによって形成された電
子ビームをウェハ上に照射することで露光を行うリソグ
ラフィー技術の1つである。
【0003】現在電子ビーム露光用マスクは、SOIウ
ェハーを用いており、薄膜部(メンブレン)の20μm
厚のSi層にパターン加工がなされている。このパター
ンは描画方式の違いにより、可変成形ビーム露光方式と
部分一括露光との2種類に分けられる。
【0004】可変成形ビーム露光方式のマスクパターン
は、3×3個の矩形が配置されている。この矩形を通過
させようとする電子ビームを予め成形することで、所望
のラインや矩形をウェハ上に描画できる。
【0005】一方、部分一括露光方式は、5×5個のパ
ターン中にさらに3×3のパターンが配置されている。
特に部分一括露光用マスクには、露光装置調整用の特別
なパターンが配置されている。この特別なパターンは、
5×5パターン中の左上と右下とに配置されている。ま
た、中心部には可変矩形用パターンが配置される。左上
と右下の2つの特別な矩形パターンにより縮小率、回転
率などの測定が行われ、露光データパラメータの1つと
して露光時にフィードバックされる。その結果、最適な
露光が行われる。しかも、部分一括露光を用いた場合一
つの部分一括用パターンをつなぎ合わせて露光するため
に、パターン位置精度、パターン間の直角度、平行度が
重要な露光プロセスのファクターになる。
【0006】そのため、この2つの特別な矩形パターン
には、位置精度、パターン間の直角度、パターン幅、コ
ーナ半径、パターン間距離、などの高い精度が必要とな
る。また、5×5のパターン上の左上と右下にあるの
で、相互の関係においても同様の精度が求められる。さ
らに、部分一括パターンの配置位置なども、高い精度が
必要である。5×5のパターンの個々の矩形の一辺は、
125μmである。そのため、5×5のパターンの左上
と右下の矩形の配置精度を検査するには、6mm以上の
間隔測定が必要になる。さらに、2つの特別な矩形パタ
ーンの一辺の長さは5μmであるため、その形状の精度
を測定するには、0.03μm以上の精度が必要であ
る。
【0007】このような仕様のなかでステンシルマスク
を測定するには、数μm〜数十mmまでカバーできる測
定装置が必要となる。そこで、顕微鏡で観察した像をカ
メラで撮影し、表示装置上に映し出された画像の大きさ
から、パターンの幅などを測定することが行われてい
る。そのためには、あらかじめ、基準となる長さが何画
素で表示されるのかを装置に数えておく。そして、実際
の測定対象物の寸法が何画素で表示されているのかに基
づいて、測定対象物の実際の寸法を計算する。なお、露
光時には、ステンシルマスクよりも1/25〜1/60
で縮小されるため、光学顕微鏡の拡大倍率で十分対応で
きる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、表示装置に映
し出された画像から寸法を測る場合には、測定対象物が
1画面内に収まっていなければならない。そのため、よ
り高精度の測定を行うために顕微鏡の倍率をあげると、
1画面内に納まりきらなくなり、測定不可能となってし
まう。その結果、測定対象物の寸法が長くなるほど顕微
鏡の倍率を下げざるを得ず、測定精度が落ちてしまうと
いう問題点がある。また、低倍率のレンズもない。
【0009】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、測定対象物の長短に関係なく高精度の寸法測
定を行うことができる形状測定装置を提供することを目
的とする。
【0010】また、本発明の他の目的は、測定対象物の
長短に関係なく高精度の寸法測定を行うことができる形
状測定方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、試料台上の試料を顕微鏡で拡大すること
で微細な形状を測定する形状測定装置において、前記顕
微鏡を介して視認することのできる拡大画像を撮影する
画像撮影手段と、移動指令を受け取ると、試料を乗せる
べき試料台を指令された位置に移動する移動制御手段
と、前記画像撮影手段で撮影された画像からパターンマ
ッチング用エリアが指定されると、前記試料台の位置情
報と前記パターンマッチング用エリア内のテンプレート
画像情報とを基準情報として保持する基準情報保持手段
と、測定指令を受け取ると、前記基準情報に含まれてい
る位置情報への移動指令を前記移動制御手段へ出力し、
そのとき前記画像撮影手段で撮影されている画像内か
ら、前記基準情報に含まれているテンプレート画像情報
と画像パターンが近似している適合領域を検出するパタ
ーンマッチング手段と、前記適合領域の位置と前記基準
情報内の位置情報とのずれ量を算出するずれ量演算手段
と、測定対象となる領域の座標を、前記ずれ量演算手段
で算出されたずれ量で補正し、補正後の位置を指定した
移動指令を前記移動制御手段へ出力することで、前記画
像撮影手段で撮影された画像を利用した測定を実行する
測定手段と、を有することを特徴とする形状測定装置が
提供される。
【0012】このような形状測定装置によれば、画像撮
影手段で撮影された画像からパターンマッチング用エリ
アが指定されると、基準情報保持手段により、試料台の
位置情報とパターンマッチング用エリア内のテンプレー
ト画像情報とが基準情報として保持される。その後、測
定指令を受け取ると、パターンマッチング手段により、
基準情報に含まれている位置情報への移動指令が移動制
御手段へ出力され、そのとき画像撮影手段で撮影されて
いる画像内から、基準情報に含まれているテンプレート
画像情報と画像パターンが近似している適合領域が検出
される。すると、ずれ量演算手段により、前記適合領域
の位置と基準情報内の位置情報とのずれ量が算出され
る。そして、測定手段により、測定対象となる領域の座
標が、ずれ量演算手段で算出されたずれ量で補正され、
補正後の位置を指定した移動指令を移動制御手段へ出力
することで、画像撮影手段で撮影された画像を利用した
測定が実行される。
【0013】また、上記課題を解決するために、試料台
上の試料を顕微鏡で拡大することで微細な形状を測定す
る形状測定方法において、測定すべき試料と同じ形状の
基準試料を試料台に固定し、前記基準試料の一部を前記
顕微鏡で拡大したテンプレート画像情報と、前記画像の
位置情報とを基準情報として記録し、試料台に固定され
た測定対象試料上の前記基準情報に含まれる位置情報で
示された領域周辺を前記顕微鏡で拡大し、拡大された画
像の中から、前記基準情報に含まれるテンプレート画像
情報と画像パターンが近似している領域を検索し、検出
された領域の位置情報と、前記基準情報に含まれる位置
情報とのずれ量を算出し、測定対象となる領域の座標を
算出されたずれ量で補正し、前記測定対象試料上の補正
後の位置を前記顕微鏡で拡大することで、前記顕微鏡で
拡大された画像を利用した測定を実行する、ことを特徴
とする形状測定方法が提供される。
【0014】このような形状測定方法によれば、まず、
測定すべき試料と同じ形状の試料の一部の拡大画像と、
その画像の位置情報とが基準情報として記録される。次
に、測定対象試料上の基準情報に含まれる位置情報で示
された領域周辺を顕微鏡で拡大され、拡大された画像の
中から、基準情報に含まれるテンプレート画像情報と画
像パターンが近似している領域が検索される。すると、
検出された領域の位置情報と、基準情報に含まれる位置
情報とのずれ量が算出される。そして、測定対象となる
領域の座標が、算出されたずれ量で補正され、測定対象
試料上の位置を顕微鏡で拡大することにより得られた画
像を利用した測定が実行される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の原理構成図であ
る。これは、試料台上の試料1を顕微鏡2で拡大するこ
とで微細な形状を測定する形状測定装置である。
【0016】画像撮影手段3は、顕微鏡2を介して視認
することのできる拡大画像を撮影する。移動制御手段4
は、移動指令を受け取ると、試料1を乗せるべき試料台
を指令された位置に移動する。
【0017】基準情報保持手段5は、画像撮影手段3で
撮影された画像の中からパターンマッチング用エリアが
指定されると、指定された領域内のテンプレート画像情
報及び、その画像の位置情報を基準情報として保持す
る。このときの位置情報は、移動制御手段4が試料台の
位置決めをした位置と、画像撮影手段3が撮影した画像
内の指定された領域の画像中心からのずれ量とから求め
る。画像内の指定された領域の画像中心からのずれ量
は、画面に表示された際のピクセル数を、実際の試料上
の長さに換算することにより算出する。
【0018】パターンマッチング手段6は、測定指令を
受け取ると、基準情報に含まれている位置情報への移動
指令を移動制御手段4へ出力する。そして、画像撮影手
段3で撮影されている画像内から、基準情報に含まれて
いるテンプレート画像情報と画像パターンが近似してい
る適合領域を検出する。
【0019】ずれ量演算手段7は、適合領域の位置と基
準情報内の位置情報とのずれを算出する。試料台位置計
測手段8は、試料台の位置を極めて正確に計測する。例
えば、レーザ干渉計を用いて、試料台の位置を測定す
る。
【0020】測定手段9は、画像撮影手段3で撮影され
た画像を利用した測定を実行する。測定を行うために
は、測定対象となる領域を画像撮影手段3で撮影できる
位置に移動する必要がある。その際には、ずれ量演算手
段7で算出されたずれ量で補正した後の位置を指定した
移動指令を移動制御手段4へ出力する。そして、測定領
域内の測定点の座標値を用いた測定(例えば、2つの測
定点間の距離の測定)を行う際には、画像撮影手段3で
撮影された測定領域の画像の画像パターンを解析するこ
とで測定領域内の測定点を特定し、測定点の画像中心か
らの距離と、試料台位置計測手段8の計測値から得られ
る試料台の位置とから、測定点の座標値を得る。
【0021】このような形状測定装置において、任意の
2点間の寸法を測定する場合には、準備段階として、パ
ターンマッチング用の画像を画像情報保持手段5に記憶
させる。それには、まず試料1を試料台に載せる。そし
て、パターンマッチング用の画像を顕微鏡2で見ること
ができるように、移動制御手段4を用いて試料台を移動
する。そのとき画像撮影手段3により撮影された画像の
中からパターンマッチング用の領域を指定し、その領域
の画像情報と位置情報とを基準情報として基準情報保持
手段5に保持させる。
【0022】次に測定指令を入力すると、パターンマッ
チング手段6により、移動制御手段4に対して、パター
ンマッチング用エリアへの移動指令が出力される。そし
て、基準情報内の画像情報と画像パターンが近似してい
る領域の検索が行われる。すると、ずれ量演算手段7に
より、基準情報内の位置情報と、パターンマッチング手
段6で検出された領域の位置とのずれ量が計算される。
【0023】さらに、測定手段9により、ずれ量演算手
段7で算出されたずれ量によって補正した座標を指定し
た、測定対象となる領域への移動指令が移動制御手段4
に出力される。このとき、測定手段9は、試料台の正確
な位置を試料台位置計測手段8から取得することで、画
像撮影手段3が撮影した画像の中心部分の正確な位置を
認識する。そして、画像撮影手段3により撮影した画像
が測定手段9で解析され、測定対象となる測定点を特定
される。ここで、測定手段9が測定点の位置の画像中心
部からのずれ量を計算することで、測定点の正確な座標
が算出される。このような測定点を、パターンの幅を示
す部分で検出すれば、パターンの幅を測定することがで
きる。
【0024】以下に、本発明に係る形状測定装置の具体
的な例を示す。なお、以下の例では、画像情報の相関係
数を用いてパターンマッチングを行っている。図2は、
本発明の本実施の形態を実現する装置構成を示す図であ
る。
【0025】光学系は、顕微鏡30を中心に構成されて
いる。顕微鏡30の上部にはCCTV(Closed Circuit
Television) カメラ31が設けられている。CCTVカ
メラ31は、CCD(Charge Coupled Device) により画
像情報を信号化し、ビデオモニタ15に送る。CCTV
カメラ31には、イメージロータ39が取りつけられて
いる。イメージロータ39は、測定時のステンシルマス
クの傾きを補正するために用いる。また、傾いて測定し
た時には測定再現性が悪化する。ただし、ステンシルマ
スクを固定する際には、セッティング治具をエアースラ
イド38上部で吸着させるため、セッティング治具の直
角度が出てしまえば、イメージロータ39で調整する必
要はない。
【0026】対物レンズ34は、スライドレボルバ33
を介して取り付けられている。スライドレボルバ33
は、画像処理部12からの信号により制御されており、
このスライドレボルバ33が左右方向に移動すること
で、顕微鏡の倍率を任意に変えることができる。CCT
Vカメラ31と対物レンズ34との間には、CCTVカ
メラ31の焦点をあわせるためのリレーレンズ(図示せ
ず)が設けられている。焦点の微調整は、ピエゾアクチ
ュエータ37に電圧をかけることにより行われる。XY
ステージ19は、ステージドライバ13で制御されてい
る。また、XYステージ19には、レーザ干渉計14の
反射ミラー(図示せず)がX方向とY方向に各々取りつ
けられている。
【0027】レーザ干渉計14は、パラレルI/O(Inp
ut Output)により制御部11に接続されており、XYス
テージ19に取り付けられたミラーからの光に基づい
て、XYステージ19の位置を測定する。測定データは
制御部11に送出する。制御部11は、レーザ干渉計1
4からの測定データにより現在のステージ位置を認識す
る。
【0028】画像処理部12は、スライドレボルバ33
などの調節をすることで、ビデオモニタ15に表示され
る画像の倍率を調整する。また、フォーカスの微調整の
ためにピエゾアクチュエータ37に接続されている。こ
のピエゾアクチュエータ37を制御することで、0.0
2μmの分解能を得ている。また、画像処理部12に
は、測定内容、パターンマッチング画像、測定エリア画
像などが入力されており、制御部11からの選択信号に
より、随時必要なデータをCCTVカメラ31から読み
込む。
【0029】ステージドライバ13には、ジョイスティ
ック13aや操作ボックス13bが設けられており、こ
れらの操作に応じて、XYステージ19の位置や、Z軸
方向の位置を調整する。このときの座標値は、ステージ
ドライバ13から制御部11へ送られる。また、制御部
11から座標値が入力された場合には、XYステージ1
9を指定された座標に移動する。
【0030】制御部11は、画像処理部12、ステージ
ドライバ13及びレーザ干渉計14に接続されており、
それらの動作を制御する。また、制御部11は、レーザ
干渉計14、ステージドライバ13、入出力デバイス
(I/O)18、及び画像処理部12からの信号を受け
付ける。さらに、制御部11には入出力装置として、キ
ーボード11a、表示装置16、プリンタ17及びI/
O18が接続されている。キーボード11aは、作業者
からの指令の入力に用いられる。表示装置16は、測定
結果の表示などに用いられ、その測定結果は必要に応じ
てプリンタ17で印字される。
【0031】さらに制御部11は、入力された信号や各
種測定データに基づいて、測定演算を行う。また、ステ
ージドライバ13へ、制御部11内に記憶された座標を
送出することでXYステージ19の位置を制御する。ソ
フト面においては、画像処理部12での測定項目に対す
る設定を行う。これに伴い、測定座標位置をステージド
ライバ13へ送出する。逆に、測定前の準備段階におい
ては、ステージドライバ13から制御部11へ座標位置
が送られる。制御部11とステージドライバ13との間
の物理的な接続はRS−232Cで行われている。ま
た、制御部11は、長寸法測定時にはXYステージ19
を移動させ、さらにレーザ干渉計14による測定値をパ
ラレルインタフェースを介して読み込む。
【0032】測定座標を読み込むときには、XYステー
ジ19の座標とZ軸座標の他、スライドレボルバ33の
位置(顕微鏡倍率)なども読み込み、それらを記憶す
る。このように、スライドレボルバ33、XYステージ
19、画像処理部12のティーチングデータが、制御部
11に記憶される。また、画像処理部12、ステージド
ライバ13、及びレーザ干渉計14のパラメータ設定
を、制御部11を用いて行うことができる。そのため、
倍率変更やステージ移動、及び各種測定を組み合わせて
制御できる。その結果、複数種の測定を1台の装置で行
うことが可能である。
【0033】照明系は、ランプ35と、ランプ点灯電圧
を安定させるための照明電源36からなる。照明系は、
様々な場所に配置された反射装置の角度などを切り替え
ることで、測定内容に応じた場所を照らすことができ
る。
【0034】このような形状測定装置を用いることで、
マスクパターンの幅や、比較的長い間隔の測定を高精度
に行うことができる。そこで、まず幅測定を行う場合の
手順を以下に説明する。なお、以下に示す幅測定は、ス
テンシルマスクのパターンの幅測定を、試料を交換しな
から繰り返し行う場合の例である。
【0035】図3は、寸法測定手順を示すフローチャー
トである。このフローチャートをステップ番号に沿って
説明する。 [S11]利用者は、幅測定を行うべきステンシルマス
クをXYステージ19に装着する。 [S12]利用者は、オートフォーカスを行うための画
像の範囲を設定する。設定した範囲は、制御部11に記
憶される。 [S13]利用者は、パターンマッチング用の左側の基
準パターン領域を指定し、その領域内のテンプレート画
像情報を制御部11に登録する。 [S14]利用者は、パターンマッチング用の右側の基
準パターン領域を指定し、その領域内のテンプレート画
像情報を制御部11に登録する。 [S15]利用者は、顕微鏡30で拡大された画像をビ
デオモニタ15で確認し、幅測定を行うパターンの左端
のエリアを設定する。設定されたエリアの範囲に関する
情報は、制御部11に記憶される。 [S16]利用者は、顕微鏡30で拡大された画像をビ
デオモニタ15で確認し、幅測定を行うパターンの右端
のエリアを設定する。設定されたエリアの範囲に関する
情報は、制御部11に記憶される(この時のビデオモニ
タ画像はステップS15と同一である)。 [S17]制御部11は、XYステージ19の座標をス
テージドライバ13から受け取り、登録する。
【0036】以上が準備段階の手順である。以降の処理
が、実際の測定段階である。 [S18]利用者は、測定対象の試料をXYステージ1
9に装着する。 [S19]利用者は、制御部11に対して幅測定の指令
を入力する。 [S20]制御部11は、左側基準パターンが登録され
た位置へXYステージ19を移動し、左側基準パターン
により近い相関係数の領域をパターンマッチングにより
検索する。そして、左側基準パターンの位置と、検出さ
れたパターンの位置との誤差を求める。 [S21]制御部11は、右側基準パターンが登録され
た位置へXYステージ19を移動し、右側基準パターン
と同等な相関係数の領域をパターンマッチングにより検
索する。 [S22]制御部11は、ステップS20,S21の計
算結果を用い、ステージ移動補正量を求める。 [S23]制御部11は、ステップS17で登録した座
標にステップS22で求めた補正量を加え、ステージド
ライバ13を制御して補正後の座標値へXYステージ1
9を移動する。 [S24]制御部11は、ステップS15,S16で指
定されたエリア内の輝度波形に基づいて左右の縦線(パ
ターンと開口部との境界)の位置を検索する。 [S25]制御部11は、ステップS24で得られた2
点間の距離を計算する。この値が、測定すべきパターン
の幅となる。
【0037】以下に、幅測定の処理手順を、ビデオモニ
タ15や表示装置16の表示内容を交えながら具体的に
説明する。まず、測定試料を顕微鏡30に装着する際に
おいて、用いる測定試料は、シリコンウェハ若しくは露
光装置に入れられる状態のステンシルマスクである。こ
の測定試料をXYステージ19に真空吸着された試料台
に載せ、測定時に動かないように固定する。
【0038】次に、表示装置16を見ながら、以下の操
作を行う。図4は、表示装置に表示される初期画面を示
す図である。初期画面41には、「自動測定」、「手動
測定」、「測定パラメータ設定」、「ファイルメンテナ
ンス」、及び「終了」の項目が表示されている。「自動
測定」を選択すれば、自動的に測定が開始される。「手
動測定」を選択すれば、手動操作により測定を行うこと
ができる。「測定パラメータ設定」を選択すれば、測定
パラメータの値を任意に設定することができる。「ファ
イルメンテナンス」を選択すれば、制御部11内に格納
された画像ファイルなどの複写や削除などの操作を行う
ことができる。「終了」を選択すれば、測定処理のプロ
グラムが終了する。
【0039】ここで、まず「測定パラメータ設定」を選
択する。すると、測定パラメータ設定画面が表示装置1
6に表示される。図5は、パラメータ設定画面を示す図
である。パラメータ設定画面42には、「装置パラメー
タ設定」と「レシピ段取り」の項目が表示されている。
「装置パラメータ設定」を選択すれば、画像処理部12
などの各種装置に対するパラメータを設定することがで
きる。「レシピ段取り」を選択すれば、測定方法の各種
設定を行うことができる。また、パラメータ設定画面4
2の右下には、この画面の表示中にファンクションキー
に割り当てられている機能が表示されている。ここで
は、「F10」のファンクションキーに対して「戻る」
(上位の階層の画面に戻ること)という機能が割り当て
られている。
【0040】ここで「レシピ段取り」を選択する。する
と、レシピ段取り設定画面が表示される。図6は、レシ
ピ段取り設定画面を示す図である。レシピ段取り設定画
面43には、「測定共通設定」と「測定座標設定」との
項目がある。「測定共通設定」を選択すれば各測定に共
通のパラメータを設定することができる。「測定座標設
定」を選択すれば、測定する座標値等の設定を行うこと
ができる。このレシピ段取り設定画面43上で、さらに
「測定共通設定」を選択する。すると、アライメント座
標設定画面が表示される。なお、ファンクションキーの
機能の割り当ては、パラメータ設定画面42と同じであ
る。
【0041】図7は、アライメント座標設定画面を示す
図である。アライメント座標設定画面44には、アライ
メントを行うための左右の点の座標値入力部が設けられ
ている。「左」と「右」とのそれぞれの点は、X−Y−
Zの3次元の座標値で指定することができる。それぞれ
の座標値には、プログラム番号が割り当てられる。
【0042】画面の下側には、2つのファンクションキ
ーに割り当てられた機能の内容が表示されている。「テ
ィーチング」の機能は、ファンクションキー「F8」に
割り当てられており、キーボード11aの「F8」を押
せば、ステージドライバ13から送られる座標値が設定
される。「戻る」と表記された前の画面に戻るための機
能は、ファンクションキー「F10」に割り当てられて
おり、キーボード11aの「F10」を押せば、前のレ
シピ段取り設定画面43に戻ることができる。
【0043】ここでは,まず、キーボード11aを用い
て、カーソルの位置を左のXの入力領域まで移動する。
次に、画像処理部12に接続されているビデオモニタ1
5に表示されているメインメニュー画面から、トラック
ボール12aを用いてプログラム選択メニューを表示さ
せる。
【0044】図8は、画像処理部のメインメニュー画面
を示す図である。メインメニュー画面51には、「プロ
グラム選択」、「条件設定」、「プログラムメンテナン
ス」、「パラメータ設定」、「リセット」、及び「終
了」の項目が表示されている。
【0045】ここでは、「プログラム選択」を選択す
る。すると、使用されていないプログラムの番号が、ビ
デオモニタ15に表示される。図9は、プログラム選択
画面を示す図である。プログラム選択画面52では、登
録されたプログラムのタイトル、倍率、及びコメントが
表示される。プログラムが登録されていない領域には、
「未登録」と表示されている。利用者は、「未登録」と
表示されている項目を、トラックボール12aを用いて
選択する。すると、種別選択画面がビデオモニタ15に
表示される。
【0046】図10は、種別選択画面を示す図である。
種別選択画面53には、「パターン幅」、「パターンマ
ッチング」、「エッジ測定」及び「縦線検出(HL,H
R)」の項目が表示されている。ここでは、「パターン
マッチング」の項目を選択する。
【0047】ここで、パターンマッチングの必要性につ
いて説明する。原則として、現在試料台に載せてある試
料をそのまま測定する場合には、何らかの外部要因がな
い限り試料そのものが動くことはない。しかし、同様の
パターンを有する複数のステンシルマスクのパターン幅
を測定する場合、ステンシルマスクの載せ換えの作業が
発生する。ステンシルマスクを載せ換える場合、試料台
の全く同一の位置に載せることはできないため、ビデオ
モニタ15の中心からずれてしまう可能性がある。ま
た、XYステージ19を移動する際にも、機械的な誤差
が生じる。これを回避するためには、基準パターンから
の移動量を求め、X軸、Y軸とのずれ量を測定する。こ
のずれ量を、ステンシルマスクを載せ換えた後にXYス
テージ19を元の位置に移動する際の、XYステージ1
9の座標指定位置の補正値として用いる。これにより、
高倍率で移動を行っても、目的の領域がビデオモニタ1
5の表示範囲内におさまるようになる。
【0048】このため、事前に基準となるパターン(同
一Y座標上で左右2つのパターン)を登録しておく必要
がある。なお、左右のパターンが同一である場合には、
片側のパターンのみを登録すればよい。パターンを登録
するには、まずフォーカスを合わせる。それには、はじ
めに手動でおおまかな調整を行う。フォーカスの手動調
整は、作業者がビデオモニタ15を見ながら行う。ビデ
オモニタ15には、現在のCCTVカメラ31の画像が
表示されている。そして、フォーカスが合っていないと
きには、操作ボックス13bのフォーカススイッチの
「UP/DOWN」を押すことでフォーカス調整を行
う。このようにして、手動でフォーカスを合わせること
ができる。このとき多少ずれていてもオートフォーカス
をするので気にすることはない。
【0049】次に基準パターンとすべき左端のパターン
を、ジョイスティック13aによりXYステージ19を
移動することで探し出す。ビデオモニタ15には、あら
かじめ中心に十字マークが表示されているので、その十
字マークを参考にして、探し出したパターンが画面の中
心になるように操作する。
【0050】図11は、画面54の中心には、十字マー
ク54aが表示されている。また、オートフォーカス設
定エリア54bを示す境界線と、パターンマッチング設
定エリア54cを示す境界線とが表示されている。
【0051】ここで、パターンマッチングの対象とする
パターンの中心が、十字マーク54aと一致するように
ジョイスティック13aを操作する。次に、フォーカス
の微調整を自動で行う。事前に、手動によるフォーカス
調整は行っているが、XYステージが移動することで、
試料までの焦点距離が変わることが多い。そこで、フォ
ーカスの自動設定(オートフォーカス)を行うのであ
る。
【0052】オートフォーカスを行うには、まずオート
フォーカス範囲の設定を行う。オートフォーカス範囲
は、ビデオモニタ15の画面に表示されているオートフ
ォーカス設定エリア54bを示す矩形の大きさを、トラ
ックボール12aを用いて所定の大きさにすることで行
う。オートフォーカス設定エリア54bを指定すれば、
その範囲内の情報に基づいてフォーカスが自動調整され
る。
【0053】このように、フォーカスの自動設定を行
い、正確にフォーカスを合わせることで、画像のコント
ラストが向上する。また、オートフォーカス設定エリア
54bを表示画面内の一部分に限定したことで、ノイズ
などの影響が減り再現性がよくなる。
【0054】なお、フォーカスの微調整を実現している
のは、ピエゾアクチュエータ37である。先に、手動で
フォーカス調整を行った際には、顕微鏡30が上下(Z
軸方向)に移動することでフォーカスの調整を行ってい
たが、これでは微調整が難しい。そこで、ピエゾアクチ
ュエータ37を制御することで、フォーカスの微調整を
行うのである。これにより、0.02μm送りでフォー
カスのための移動量を制御できる。
【0055】次に、パターンマッチング用の基準パター
ンを登録する。パターンの登録を行うことで、試料を入
れ換えた際のずれの量を求めることが可能となる。ま
た、パターン位置が大きくずれた場合には、エラーメッ
セージを出力する。基準パターンの登録方法は、オート
フォーカスの際にオートフォーカス設定エリアを指定す
る場合と同様である。
【0056】各エリアの設定が終了したら、基準パター
ンを制御部11に登録する。それには、表示装置16に
表示されているアライメント座標設定画面44(図7に
示す)の下にあるティーチングのファンクションキーに
該当するキー(キーボード11aの「F8」)を入力す
る。これにより、現在のXYステージ座標がステージド
ライバ13から読み込まれる。同時に、カーソル位置に
ステージドライバ13から読み込まれた座標が表示され
る。
【0057】キーボード11aを用いて、アライメント
座標設定画面44のプログラム番号の位置までカーソル
を移動する。ここで、プログラム選択画面52(図9に
示す)で設定したプログラム番号を入力する。このとき
右端の基準パターンを設定するために、キーボード11
aでカーソルを右側の基準パターンの位置まで移動させ
ておく。そして、パターンマッチング設定エリア内の画
像を、左側のパターンマッチング用の基準パターンとし
て画像処理部12に登録する。
【0058】次に、右端のパターンマッチング用の基準
パターン登録を行う。この処理は、左端の基準パターン
の登録処理と同じである。なお、前回行った左端と同様
なパターンである場合には、画像処理部12にあらかじ
め登録されているので、新たに登録する必要はない。そ
の場合、XYステージ19を移動させ、制御部11へ座
標を読み込ませるだけでよい。座標を読み込ませたら、
画像処理部12に対して強制終了の入力を行う。これに
より、左端と右端とのパターンマッチングのための画像
と、その画像の座標値が登録される。
【0059】上記処理に続けて幅測定を行う場合には、
表示装置16に表示されているアライメント座標設定画
面44上で、「戻る」の機能が設定されているファンク
ションキー「F10」をキーボード11aから入力す
る。すると、図6のレシピ段取り設定画面43が表示装
置16に表示される。ここで、キーボード11aを用
い、表示されたレシピ段取り設定画面43の中から「測
定座標設定」の項目を選択する。すると、測定座標設定
画面が表示される。
【0060】図12は、測定座標設定画面を示す図であ
る。この測定座標設定画面45には、「幅測定」、「長
寸法測定」、「直交度測定」及び「垂直度測定」の項目
が表示されている。この測定座標設定画面45中の「幅
測定」の項目を選択する。すると、幅測定用座標設定画
面が表示される。
【0061】図13は、幅測定用座標設定画面を示す図
である。この幅測定用座標設定画面46では、幅測定を
行う位置のX座標、Y座標、Z座標の設定項目に加え、
レボルバの設定値とプログラム番号を登録するための項
目が設けられている。この幅測定用座標設定画面46中
で、カーソルを座標位置「1」の「X」の位置に移動す
る。
【0062】次に、画像処理部12のビデオモニタ15
に表示されているメインメニュー画面51(図8に示
す)から「プログラム選択」をトラックボール12aで
選択する。そして、未使用のプログラム番号を選択す
る。
【0063】図10の種別選択画面53が表示された
ら、「パターン幅」の項目を選択する。XYステージ1
9の操作用ジョイスティック13aに付いているスイッ
チにより、スライドレボルバ33を動作させ、任意のレ
ンズ倍率を選択する。
【0064】操作ボックス13bのフォーカススイッチ
のUP/DOWNを押すことで、フォーカスを調整す
る。そして、画面の中心を示す十字マーク上に、測定対
象パターンの中心を移動する。これは、なるべくレンズ
収差の少ない中心位置から測定を行うためである。ま
た、これにより再現性を向上させることもできる。
【0065】図14は、ビデオモニタの画面を示す図で
ある。この画面55には、マスクパターン55aが中央
付近に表示されている。この例では、マスクパターン5
5aの左側から右側までの幅を測定するものとする。そ
のためには、左側と右側とについてサーチ用のエリアを
設定する。このエリアは、縦線(マスクパターンの開口
部の縁など)の検出を行う領域を指定するものである。
【0066】そこで、画面55の下に表示されている
「エリア1」のボタンをトラックボール12aで選択す
る。次に、オートフォーカスエリアを選択した場合と同
じ要領で、測定開始エリアを選択する。選択前には、画
面55の右上に画面の1ピクセルを単位とした場合のカ
ーソルのX−Y座標値が表示されている。選択後は、相
対的な選択エリアのサイズが表示される。なお、この例
ではマスクパターン55aのX方向の幅を測定するた
め、Y方向の大きさは「エリア1」における設定値で固
定される。
【0067】次に、画面55下の「エリア2」を選択す
る。そして、幅測定終了領域を指定する。領域の指定が
終了したら、最後に画面55下にある「終了」を選択す
ると、設定したエリアの領域を示すデータが記録され
る。
【0068】次に、表示装置16に幅測定用座標設定画
面46(図13に示す)が表示されている状態で、キー
ボード11aの「ティーチング」のファンクションキー
「F8」を押す。これにより、測定位置のXYステージ
座標とボルバー位置が制御部11に読み込まれる。そし
て、幅測定用座標設定画面46が表示されている状態で
キーボード11aの「戻る」のファンクションキー「F
10」を押す。すると、ファイル名の入力用のサブウィ
ンドウ(図示せず)が表示される。そこで、任意のファ
イル名を入力することにより、幅測定用座標設定画面4
6での設定が保存される。その後、各画面で「戻る」の
ファンクションキーを押していくことで、初期画面41
(図4に示す)が表示される。
【0069】以上が準備段階の処理である。次に、実際
の幅測定を行う。初期画面41が表示されたら、「自動
測定」の機能をキーボード11aより選択する。する
と、自動測定のためのパラメータが登録されたファイル
名の入力画面が表示される。そこで、先程入力したファ
イル名を入力する。その結果、保存したファイルが読み
出される。そして、表示装置16には、測定内容の選択
画面が表示される。
【0070】図15は、測定内容選択画面を示す図であ
る。この測定内容選択画面47には、「幅測定」、「長
寸法測定」、「直交度測定」、及び「真直度測定」の項
目が表示されている。ここでは、「幅測定」を選択す
る。そして、「スタート」のファンクションキー「F
5」を押すと自動測定が実行される。なお、測定内容選
択画面47で4つ全てを選択することもできる。この場
合、測定倍率に応じた全ての測定が行われる。これによ
り省力化が図られる。
【0071】自動測定処理では、まず移動時の補正量を
算出する。そのためにXYステージ19を、「測定共通
設定」において登録したアライメント座標設定の「左」
の座標に移動される。そして、オートフォーカスが行わ
れ、画像が何回かに分けて取り込まれる。取り込んだ画
像は、重ね合わされる。
【0072】そして、画像処理部12のプログラム番号
に登録された基準パターンと、正規相関をもちいてパタ
ーンマッチングが行われる。ここで一定以上の相関があ
ればパターンの整合性がとれていると見なす。整合性の
とれたパターンが見つかったら、画像処理部12に登録
されていたパターンの中心位置を求めると同時に、パタ
ーンが適合した領域(適合パターン)の中心位置を求め
る。以後、同様の手順で右端の座標に移動し、登録され
ている画像と合致する領域を探し出し、それぞれの中心
座標を求める。
【0073】ここで、左端基準パターン中心位置を「L
11」、左端適合パターン中心位置を「L12」、右端基準
パターン中心位置を「R11」、右端適合パターン中心位
置を「R12」、XYステージ移動補正量を「Rev」と
した場合、以下の式により移動補正量を求めることがで
きる。
【0074】
【数1】 移動補正量が求まったら、幅測定を行うためにティーチ
ングされた位置に、式(1)で求められた補正量を加え
る。この結果得られる座標値に、XYステージ19を移
動する。これにより、測定すべき試料を交換した際に装
着位置がずれてしまっても、実際に測定すべき領域が画
面からはみ出ることがなくなる。これは、顕微鏡の倍率
を高倍率にして測定を行う場合に特に有効である。
【0075】XYステージ19が所定の位置に移動した
ら、準備段階で登録されている「エリア1」と「エリア
2」との中から、縦線の検出を行う。縦線を検出するに
は、エリア内の輝度波形を微分する。このとき、マスク
パターンと開口部との境界では輝度が急激に変化するた
め、その部分で微分成分が極値となる。従って、微分成
分が極値となっる位置が、縦線部分である。
【0076】このようにして、「エリア1」と「エリア
2」との双方でパターンの縁となる縦線部分が求めら
れ、2本の縦線間の距離が計算される。この距離は、ビ
デオモニタ15の表示画面内で、2本の縦線が画面の何
ピクセル分に相当するのかを計数し、そのピクセル数を
実際の試料上での長さに換算することで求めることがで
きる。
【0077】ところで、上記のように、「エリア1」と
「エリア2」との双方が1つの画面内に表示されていれ
ば、XYステージ19を移動することなく幅の測定が可
能である。ただし、本実施の形態では光学顕微鏡を用い
ているため、画像の中心部分から離れるほど光学系の歪
みの影響を受ける。そこで、各エリアから縦線部分を検
索する際に、そのエリアが画像の中心にくるようにXY
ステージ19を移動するようにしてもよい。なお、幅測
定においてXYステージ19の移動を伴った場合、XY
ステージ19の移動誤差を、レーザ干渉計を用いて補正
する必要がある。なお、その補正方法は長寸法測定の場
合と同じであるため、後述する長寸法測定において説明
する。
【0078】以上のような測定は、比較的長い長寸法測
定においても、同様に行うことができる。長寸法の場合
には、顕微鏡の倍率をあげると、測定対象物の左端と右
端とを1つの画面内に納めることはできないが、パター
ンマッチングを行い移動補正量を求めておくことで、的
確に測定領域を画面内に捕らえることができる。画面内
に捕らえることができれば、レーザ干渉計により正確に
求められるXYステージ19の移動量に、左端と右端と
のずれ量を補正することで、正確な寸法を求めることが
できる。
【0079】図16は、長寸法測定の手順を示すフロー
チャートである。この手順をステップ番号に沿って説明
する。 [S31]利用者は、試料を装着する。 [S32]利用者は、パターンマッチングを行うための
左側基準パターンを登録する。 [S33]利用者は、パターンマッチングを行うための
右側基準パターンを登録する。 [S34]利用者は、画像処理部12を操作し、右側の
オートフォーカス範囲を設定する。 [S35]利用者は、画像処理部12を操作し、右側の
縦線を検出するためのエリアを設定する。 [S36]利用者からの指令により、制御部11は右側
の縦線を検出する際のXYステージ19の座標を登録す
る。 [S37]利用者は、画像処理部12を操作し、左側の
オートフォーカス範囲を設定する。 [S38]利用者は、画像処理部12を操作し、左側の
縦線を検出するためのエリアを設定する。 [S39]利用者からの指令により、制御部11は左側
の縦線を検出する際のXYステージ19の座標を登録す
る。
【0080】ここまでが、長寸法測定における準備段階
である。以下、実際の測定処理を行う。 [S40]利用者は、測定対象のステンシルマスクを試
料台に固定する。 [S41]利用者は、制御部11に対して、長寸法測定
指令を入力する。 [S42]制御部11は、XYステージを移動する際の
補正量を演算する。この処理は、幅測定におけるステッ
プS20〜S22(図3に示す)の処理と同じである。 [S43]制御部11、右端の縦線を検索するためのエ
リアへXYステージ19を移動する。 [S44]画像処理部12は、右端の縦線を検索する。 [S45]制御部11は、レーザ干渉計14の測定値を
利用して、右端の縦線の正確な位置を計算する。 [S46]制御部11、左端の縦線を検索するためのエ
リアへXYステージ19を移動する。 [S47]画像処理部12は、左端の縦線を検索する。 [S48]制御部11は、レーザ干渉計14の測定値を
利用して、左端の縦線の正確な位置を計算する。 [S49]制御部11は、ステップS45とステップS
48で算出された値から、2つの縦線の間の距離を計算
する。
【0081】以上のようにして、長寸法を測定ことがで
きる。以下に、長寸法の測定を行う際の操作手順を、具
体的な表示画面を用いて説明する。なお、幅測定と同じ
操作については説明を省略する。
【0082】試料の装着と、パターンマッチングのため
の基準パターン登録の処理は、前述の幅測定の場合と同
様である。基準パターンを登録したら、表示装置16に
は図11の測定座標設定画面45が表示される。そこ
で、測定座標設定画面45中の「長寸法測定」をキーボ
ード11aにより選択する。すると以下の画面が表示さ
れる。
【0083】図17は、長寸法測定設定画面を示す図で
ある。この長寸法測定設定画面49には、準備段階で記
憶された情報(主として、画像情報とその画像の位置)
のリストが表示されている。ここで、「1−1」と「1
−2」とが対となっている。それぞれ、右端側の測定エ
リアの情報と左端側の測定エリアの情報である。「可
否」とは、測定を行うか否かの設定フラグである。
「1」であれば測定を行い、「0」であれば測定を行わ
ない。「X」、「Y」、「Z」は、画像を登録した際の
XYステージの座標とZ軸のカウンタ値である。「画
像」は、測定に用いる画像処理部12のプログラム番号
である。「倍率」は、測定に使用する拡大倍率を示して
いる。「ATF」は、2点目の画像を取得する際のオー
トフォーカスの使用の有無を示しており、「0」であれ
ば2点目のオートフォーカスを行わないことを示し、
「1」であれば2点目のオートフォーカスを行うことを
示す。長寸法測定設定画面49の下部には、ファンクシ
ョンキーの与えられた機能が表示されている。測定点数
が多い場合には、時間短縮になり有効な手段といえる。
【0084】ここで、利用者は、キーボード11aを用
いてカーソルを「1−1」の「X」の位置に移動させ
る。そして、トラックボール12aを操作し、画像処理
部12のビデオモニタ15に表示されているメインメニ
ュー画面51(図8に示す)から、「条件設定」の項目
を選択する。すると、プログラム選択画面52(図9に
示す)が表示される。
【0085】利用者は、トラックボール12aを操作
し、プログラム選択画面52内の未使用のプログラム登
録領域を選択する。すると、図10に示したような種別
選択画面53が表示される。ここで、利用者は、トラッ
クボール12aを用いて「縦線検出」を選択する。
【0086】次に、利用者は、ジョイスティック13a
に設けられているレボルバー選択スイッチを押すことに
より、任意の倍率のレンズを選択する。ちなみに、今回
の測定装置では、レボルバー選択スイッチとして5倍、
20倍、100倍の3種類が用意されている。レンズが
選択されると、その倍率による拡大画像がビデオモニタ
15に表示される。
【0087】図18は、ビデオモニタの表示画面を示す
図である。この画面56内には、長寸法の測定を行うべ
きパターン56aの右端が映し出されている。また、画
面56の中心位置には十字マークが表示されている。利
用者は、この画面56を見ながらトラックボール12a
を操作し、パターン56aの右端が画面中央に来るよう
に調整する。
【0088】次に、測定するパターンにオートフォーカ
スにより焦点を合わせることができるようにする。オー
トフォーカスを使用しないと測定値にばらつきがでてし
まうからである。さらに、オートフォーカス用ゲイン幅
を設定する。オートフォーカス用ゲイン幅とは、画像輝
度波形の微分成分を用いてオートフォーカスを行う際
の、微分成分の増幅率である。さらに、オートフォーカ
スを行うべき領域を、ビデオモニタ15を見ながら設定
する。
【0089】図19は、オートフォーカス領域設定時の
画面を示す図である。この画面57の右上には、ポイン
タが指し示している位置がピクセル単位で表示され、さ
らにその位置での明るさが256段階で表示される。利
用者は、トラックボール12aを操作してポインタの位
置を移動させ、オートフォーカスエリアを設定する。
【0090】図20は、オートフォーカスエリア設定後
の画面を示す図である。この画面58の中央付近には、
矩形のオートフォーカスエリア58aが表示されてい
る。このとき、測定領域とオーバーラップするエリアを
設定すると、再現性が向上する。
【0091】次に、オートフォーカスエリア58aと同
じ画面内に、右端側縦線検出用のエリア設定を行う。設
定方法は、オートフォーカスエリア58aの設定と同様
である。
【0092】ここで、ティーチング用のファンクション
キーを押す。これにより、XYステージ座標がXYステ
ージドライバから制御部11に送られ、ステージ座標と
フォーカス用Z軸の位置が表示装置16の画面に表示さ
れる。
【0093】画像処理部12の終了位置のボタンを押し
ファイル名を入力することで、ここまで設定してきた情
報を登録する。そして、表示装置16の長寸法測定設定
画面49(図17に示す)において、カーソル位置を
「1−1」の列の「画像」の位置に移動し、図9のプロ
グラム選択画面52で選択した登録番号を入力する。
【0094】次に、長寸法測定設定画面49(図17に
示す)のカーソル位置を、「1−1」の下の列の「1−
2」のX位置まで移動し、長寸法を測定する左端の座標
値を入力する。そして、左端側のエリアを右端の場合と
同様に設定する。左端の設定が終了したら、表示装置1
6に表示されている図17の長寸法測定設定画面49に
おいて、「終了」の機能が設定されているファンクショ
ンキーを押す。すると、ファイル名入力用のメニューと
なるため、そのメニューにおいてファイル名を入力し、
設定処理を終了させる。
【0095】以上が、長寸法測定における準備段階の処
理である。準備段階の処理が終わったら、実際の測定を
開始する。なお、同じ形状の複数のマスクパターンにお
ける長寸法測定を繰り返し行う場合を想定して以下の測
定段階の手順を説明する。
【0096】測定段階では、まず、測定対象となるステ
ンシルマスクを試料台に固定する。そして、図4に示す
メインの初期画面41を表示装置16に表示させ、「自
動測定」の項目を選択する。すると、ファイル名入力の
画面が表示されるため、その画面内に長寸法測定用とし
て登録したファイル名を入力する。これにより、登録し
ておいた設定内容が、制御部11内のメモリに読み出さ
れ、表示装置16には、図15に示した測定内容選択画
面47が表示される。利用者は、この測定内容選択画面
47において「長寸法測定」を選択する。これらの入力
が完了すると、画面47下部にあるスタートファンクシ
ョンF5を押し、長寸法の測定を行う。
【0097】長寸法の測定が開始されると、制御部11
は、幅測定の場合と同様にパターンマッチングを行い、
XYステージ19の座標指定位置の補正量を算出する。
そして、右側のエリアとして登録された位置に補正量を
加算した座標へ、XYステージ19を移動するように、
制御部11からステージドライバ13へ指令が出され
る。このとき、Z軸の位置も指定される。ステージドラ
イバ13は指令に従って、XYステージ19とZ軸の位
置とを移動する。
【0098】次に、画像処理部12に対して、右側のオ
ートフォーカス領域として設定された領域の画像に基づ
いてオートフォーカスを行わせる。さらに、そして、制
御部11は、右側のエリアとして指定された領域内の画
像の輝度波形を微分することで、縦線(マスクパターン
の開口部の縁に当たる部分)を検出し、エリア内の縦線
の中心座標を求める。縦線の中心座標を求める際には、
まず画面の中心部の座標がステージドライバ13が位置
決めを行った座標と想定し、画像の中心から縦線までの
X方向の画面のピクセル数を数える。そして、そのピク
セル数を実際の試料上における距離に換算する。
【0099】ステージドライバ13が位置決めをしたと
きのレーザ干渉計の座標をR21とし、検出された縦線の
画面中心からのX方向のずれをdRとすれば、DR (d
R,0)というベクトル量を用いて、縦線の中心座標R
22を、
【0100】
【数2】R22=R21+DR ・・・(2) と表すことができる。
【0101】制御部11は、縦線の中心座標を求めると
同時にレーザ干渉計14における測定値を取得する。レ
ーザ干渉計14は、XYステージ19の正確な位置を測
定しているため、レーザ干渉計14が測定した位置が、
ビデオモニタ15に表示されている画像の中心部分の本
当の座標である。従って、制御部11が縦線の画面中心
からのX方向のずれdRとレーザ干渉計14の測定した
座標値R21とを取得することで、縦線の正確な座標を算
出することができる。
【0102】右端の縦線の位置が求められたら、制御部
11は、XYステージ19を左端のエリアの位置(座標
指定位置の補正を行った後の位置)へ移動するようにス
テージドライバ13へ指令を出す。ステージドライバ1
3は指令された位置へXYステージ19を移動する。以
後、右端の場合と同様に左端のエリア内の縦線を検出
し、左端の縦線の中心座標を求める。そして、制御部1
1は、右端側で検出された縦線の中心座標から、左端側
で検出された縦線の中心座標を減算することにより、長
寸法を測定する。
【0103】ここで、左端の縦線の検出において、ステ
ージドライバ13が位置決めしたときのレーザ干渉計の
読み出した座標L21と、検出された縦線の位置のビデオ
モニタ15の画面中心からのずれ量とによって算出した
座標をL22とすると、長寸法の測定結果Mは、以下の式
で表すことができる。
【0104】
【数3】M= R22−L22 ・・・(3) 以上のようにして、長寸法の測定においても、非常に正
確に測定することができる。すなわち、測定対象物が1
つの画面内に収まらなくてもよいため、顕微鏡の拡大倍
率を上げて、非常に精密な測定を行うことができる。
【0105】また、XYステージ19を移動する際に
は、座標指定位置の補正を行うため、試料を載せ換えた
際にも、測定対象として指定したエリアを画面の中心で
捉えることができる。これにより、光学顕微鏡を用いて
試料の拡大画像を取得しても、光学系の歪みの影響を受
けずにすみ、測定誤差が少なくなる。しかも、光学顕微
鏡は電子顕微鏡に比べて安価であるため、形状測定装置
全体を安価な構成とすることができる。
【0106】ところで、本発明に係る形状測定装置を用
いれば、指定したエリア内の縦線及び横線上の1点の座
標を正確に測定できるため、2直線間の平行度や直角度
を精密に計ることができることから、ステンシルマスク
の測定項目の一つであるパターン位置精度も測定でき
る。以下に、それらの測定方法について簡単に説明す
る。
【0107】図21は、平行度測定方法を説明する図で
ある。この図は、シリコン基板80に矩形の開口部81
が設けられており、開口部81の上側の辺82と下側の
辺83との平行度を求めるものとする。
【0108】平行度を求める場合、平行度を求めるべき
2つの辺82,83を、画像処理部12において特定す
る必要がある。それには、測定対象の各辺の上の点を、
3点以上指定する。図22の例では、辺82に対して3
つの点82a,82b,82cが指定されており、同様
に、辺83に対しても3つの点83a,83b,83c
が指定されている。点の指定は、目的とする辺を含む矩
形領域を指定することで行われる。指定した矩形領域の
中から横線を検出し、その中心の点が指定した点とな
る。
【0109】次に、各辺82,83に対して指定された
点の座標を求める。座標は、指定された領域内の輝度波
形を求め、その輝度波形の平均位置の座標を求める。各
点の座標が求められたら、それらの座標値を最適に通過
する一次関数を各辺82,83について求める。求めら
れた2つの一次関数84,85が交わるときの角度θ1
を求めることで、平行度を演算する。このようにして、
マスクパターン等の2つの辺の平行度を測定することが
できる。
【0110】次に、直角度測定方法について説明する。
図22は、直角度測定方法を説明する図である。この図
は、シリコン基板90に矩形の開口部91が設けられて
おり、開口部81の左下の角92の直角度を測定するも
のとする。直角度測定の場合には、測定すべき角92を
はさんだ2つの辺93,94に対して、3箇所ずつの測
定点93a〜93c,94a〜94cを囲む領域を指定
する。制御部11は、指定された領域から測定点93a
〜93c,94a〜94cの座標を求める。このとき、
辺93の測定点93a〜93cを求める際には、指定さ
れた領域内の縦線を検出し、その縦線の中心を測定点と
する。また、辺94の測定点94a〜94cを求める際
には、指定された領域内の縦線を検出し、その縦線の中
心を測定点とする。測定点は、シリコン基盤90の縁上
の1点であり、輝度波形を微分して、その極値を取るこ
とにより求められる。
【0111】そして、角92の上方にのびる辺93上に
設定した測定点を通る一次関数95を求める。同様に、
角92の右側にのびる辺94上に設定した測定点付近を
通る一次関数96を求める。これらの一次関数95,9
6が交わる際の角度を求める。これにより、角92にお
ける直角度を測定することができる。
【0112】以上のように本発明を用いることにより、
短い幅測定と長寸法測定とを高い精度で行うことができ
る。しかも、試料の拡大画像を得るのに光学顕微鏡を用
いているため、電子顕微鏡を用いた装置に比べて非常に
安価である。
【0113】また、XYステージを移動する所定の座標
に移動する際にも、移動の際の誤差等を加味して、位置
決めする座標を補正しているため、拡大倍率を高くして
も、目的の測定点を画面中心付近で捉えることができ
る。画面中心付近で捉えれば、光学系の歪みの影響が少
なくなり、精度の高い測定が可能となる。
【0114】なお、上記の制御装置や画像処理装置は、
コンピュータによって実現することができる。その場
合、制御装置や画像処理装置が有すべき機能の処理内容
は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され
たプログラムに記述されており、このプログラムをコン
ピュータで実行することにより、上記処理がコンピュー
タで実現される。コンピュータで読み取り可能な記録媒
体としては、磁気記録装置や半導体メモリ等がある。市
場に流通させる場合には、CD−ROM(CompactDisk R
ead Only Memory) やフロッピーディスク等の可搬型記
録媒体にプログラムを格納して流通させたり、ネットワ
ークを介して接続されたコンピュータの記憶装置に格納
しておき、ネットワークを通じて他のコンピュータに転
送することもできる。コンピュータで実行する際には、
コンピュータ内のハードディスク装置等にプログラムを
格納しておき、メインメモリにロードして実行する。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように本発明の形状測定装
置では、予め基準情報を保持しておき、実際の測定対象
試料の測定を行う際には、基準となる画像により近い相
関係数の領域が基準情報を取得した際の位置とどれだけ
ずれているのかを換算し、そのずれ量で補正した位置へ
試料台を移動しながら画像撮影手段により撮影された画
像を用いた測定を行うようにしたため、試料台の移動を
伴う測定を行っても、測定対象となる領域を正確に画像
撮影手段で捉えることができ、正確な測定が可能とな
る。その結果、長寸法測定のように2つの測定対象領域
が1つの画面内で撮影できない場合であっても、同一画
面内で捉えた場合と同様の精度で測定を行うことができ
る。
【0116】また、本発明の形状測定方法によれば、基
準となる画像と同じ輝度波形の領域のずれ量を計算し、
そのずれ量で補正した位置へ試料台を移動しながら画像
撮影手段により撮影された画像を用いた測定を行うよう
にしたため、試料台の移動を伴う測定を行っても、測定
対象となる領域を正確に画像撮影手段で捉えることがで
き、正確な測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明の本実施の形態を実現する装置構成を示
す図である。
【図3】寸法測定手順を示すフローチャートである。
【図4】表示装置に表示される初期画面を示す図であ
る。
【図5】パラメータ設定画面を示す図である。
【図6】レシピ段取り設定画面を示す図である。
【図7】アライメント座標設定画面を示す図である。
【図8】画像処理部のメインメニュー画面を示す図であ
る。
【図9】プログラム選択画面を示す図である。
【図10】種別選択画面を示す図である。
【図11】ビデオモニタ画面を示す図である。
【図12】測定座標設定画面を示す図である。
【図13】幅測定用座標設定画面を示す図である。
【図14】ビデオモニタの画面を示す図である。
【図15】測定内容選択画面を示す図である。
【図16】長寸法測定の手順を示すフローチャートであ
る。
【図17】長寸法測定設定画面を示す図である。
【図18】ビデオモニタの表示画面を示す図である。
【図19】オートフォーカス領域設定時の画面を示す図
である。
【図20】オートフォーカスエリア設定後の画面を示す
図である。
【図21】平行度測定方法を説明する図である。
【図22】直角度測定方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 試料 2 顕微鏡 3 画像撮影手段 4 移動制御手段 5 基準情報保持手段 6 パターンマッチング手段 7 ずれ量演算手段 8 試料台位置計測手段 9 測定手段
フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA03 AA04 AA06 AA17 AA20 AA22 AA51 BB01 CC17 EE00 FF04 FF42 FF51 FF61 GG04 HH12 JJ03 JJ09 JJ26 LL05 LL12 NN02 NN20 PP12 PP24 QQ13 QQ23 QQ24 QQ29 QQ38 QQ41 RR09 SS02 SS06 SS13 5B057 AA03 BA19 DA07 DB02 DC02 DC33 5F056 AA06 EA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料台上の試料を顕微鏡で拡大すること
    で微細な形状を測定する形状測定装置において、 前記顕微鏡を介して視認することのできる拡大画像を撮
    影する画像撮影手段と、 移動指令を受け取ると、試料を乗せるべき試料台を指令
    された位置に移動する移動制御手段と、 前記画像撮影手段で撮影された画像からパターンマッチ
    ング用エリアが指定されると、前記試料台の位置情報と
    前記パターンマッチング用エリア内のテンプレート画像
    情報とを基準情報として保持する基準情報保持手段と、 測定指令を受け取ると、前記基準情報に含まれている位
    置情報への移動指令を前記移動制御手段へ出力し、その
    とき前記画像撮影手段で撮影されている画像内から、前
    記基準情報に含まれているテンプレート画像情報と画像
    パターンが近似している適合領域を検出するパターンマ
    ッチング手段と、 前記適合領域の位置と前記基準情報内の位置情報とのず
    れ量を算出するずれ量演算手段と、 測定対象となる領域の座標を、前記ずれ量演算手段で算
    出されたずれ量で補正し、補正後の位置を指定した移動
    指令を前記移動制御手段へ出力することで、前記画像撮
    影手段で撮影された画像を利用した測定を実行する測定
    手段と、 を有することを特徴とする形状測定装置。
  2. 【請求項2】 前記試料台の位置を測定する試料台位置
    計測手段をさらに有し、 前記測定手段は、測定指令で指定された測定領域内の測
    定点の座標値を算出する際には、前記画像撮影手段で撮
    影された前記測定領域の画像と画像パターンが近似して
    いる領域を解析することで前記測定点を特定し、前記測
    定点の画像中心からの距離と、前記試料台位置計測手段
    の計測値から得られる前記試料台の位置とから、前記測
    定点の座標値を得ることを特徴とする請求項1記載の形
    状測定装置。
  3. 【請求項3】 前記試料台位置計測手段は、レーザ干渉
    計を用いて前記試料台の位置を測定することを特徴とす
    る請求項2記載の寸法測定装置。
  4. 【請求項4】 試料台上の試料を顕微鏡で拡大すること
    で微細な形状を測定する形状測定方法において、 測定すべき試料と同じ形状の基準試料を試料台に固定
    し、 前記基準試料の一部を前記顕微鏡で拡大したテンプレー
    ト画像情報と、前記画像の位置情報とを基準情報として
    記録し、 試料台に固定された測定対象試料上の前記基準情報に含
    まれる位置情報で示された領域周辺を前記顕微鏡で拡大
    し、 拡大された画像の中から、前記基準情報に含まれるテン
    プレート画像情報と画像パターンが近似している領域を
    検索し、 検出された領域の位置情報と、前記基準情報に含まれる
    位置情報とのずれ量を算出し、 測定対象となる領域の座標を算出されたずれ量で補正
    し、前記測定対象試料上の補正後の位置を前記顕微鏡で
    拡大することで、前記顕微鏡で拡大された画像を利用し
    た測定を実行する、 ことを特徴とする形状測定方法。
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