JP2000025500A - 車両用シート - Google Patents

車両用シート

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JP2000025500A JP10199269A JP19926998A JP2000025500A JP 2000025500 A JP2000025500 A JP 2000025500A JP 10199269 A JP10199269 A JP 10199269A JP 19926998 A JP19926998 A JP 19926998A JP 2000025500 A JP2000025500 A JP 2000025500A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートクッションの乗り心地性能を何ら損な
うことなく、乗員がシートクッションの上を前方移動す
る早期に臀部及び大腿部を拘束することによってサブマ
リン現象の発生を防止し、乗員の体格や着座位置、更に
はシートクッションを調整できるメカニズムに関係なく
確実に乗員保護を確保することができる車両用シートの
提供を課題とする。 【解決手段】 シートパン7が、乗員の臀部対応部分か
ら大腿部対応部分にわたる位置に設けられた可動部8
と、該可動部8の少なくとも左右両側に位置する固定部
9とから形成されており、前記可動部8は前後方向の略
中央部又は略中央部よりも後方で回転自在に支持されて
いると共に、はね上げ機構としてのねじりバネ13や圧
縮バネ体14により前端部がはね上げ可能になってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用シート、特
に、車両衝突時に乗員を確実に保護することができる車
両用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両衝突時に乗員を保護するため、車両
にはシートベルトが装備されているが、乗員によるシー
トベルトの装着状態によっては、シートベルトの下方か
ら乗員の腰部が前方へずれる所謂サブマリン現象がおき
る可能性がある。
【0003】そのため、特開平l一275230号公
報、特開平5−286386号公報に記載されているよ
うに、シートクッションの前部に持ち上げ装置を内蔵さ
せ、車両の衝突時に持ち上げ装置を作動させてシートク
ッションの前部を持ち上げ、乗員の腰部が前方へ移動し
ないようにする第1の従来例が知られている。
【0004】また、実開平7−5899号公報に記載さ
れているように、シートクッションを支持するレールの
前部に上向きの傾斜部を設け、シートクッションが衝突
時の慣性力で前方移動する際に、このレールの傾斜部に
乗り上げて、シートクッションの前部を持ち上げた状態
にする第2の従来例が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
第1の従来例の場合、持ち上げ装置がシートクッション
前部に内蔵されているため、シートのクッション性を損
なう可能性があると共に、シートクッションを部分的に
上方へ突出させるように構成するため、シートの製作が
困難で、コスト的にも不利である。更に、乗員の臀部か
ら斜めに力を受けるため、シートの後部の前端が変形し
て、前部と後部の境目のところに食い込み、持ち上げる
操作にかなりの負担がかかる。
【0006】また、第2の従来例の場合、結果的にシー
トの前方移動量が増えるため、シートを設置するための
スペースの確保が困難で、またコスト的にも不利であ
る。
【0007】そこでこの発明は、シートクッションの乗
り心地性能を何ら損なうことなく、乗員がシートクッシ
ョンの上を前方移動する早期に臀部及び大腿部を拘束す
ることによってサブマリン現象の発生を防止し、乗員の
体格や着座位置、更にはシートクッションを調整できる
メカニズムに関係なく確実に乗員保護を確保することが
できる車両用シートの提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、シー
トクッション内部のシートパンが、乗員の臀部対応部分
から大腿部対応部分にわたる位置に設けられた可動部
と、該可動部の少なくとも左右両側に位置する固定部と
から形成されており、前記可動部は前後方向の略中央部
又は略中央部よりも後方で回転自在に支持されていると
共に、衝突検出手段を設け、該検出手段からの信号によ
り作動するはね上げ機構により前端部がはね上げ可能に
なっている。
【0009】ここで、「可動部」は必ずしもシートパン
の前後方向での全長にわたって形成されている必要はな
く、可動部の前側に相当幅の固定部が残されていても良
い。要は、可動部が、乗員の臀部対応部分から大腿部対
応部分にわたる位置に設けられていれば良い。
【0010】請求項2の発明は、はね上げ機構が、衝突
検知手段が車両衝突に相当する急減速を検知した時に作
動状態になる。
【0011】請求項3の発明は、はね上げ機構が、可動
部のはね上げ後の状態を維持する第1ロック機構を有し
ている。
【0012】請求項4の発明は、はね上げ機構が、可動
部のはね上げ前の状態を維持する第2ロック機構を有し
ている。
【0013】請求項5の発明は、はね上げ機構が、可動
部の前後方向の略中央部又は略中央部を回転自在に支持
する回転シャフトに設けたねじりバネである。
【0014】請求項6の発明は、はね上げ機構が、可動
部の前端部の下方に設けた上下方向での圧縮バネ体であ
る。
【0015】請求項7の発明は、はね上げ機構が、基端
部を可動部の回動支点である後端部付近に回動自在に取
付け且つ先端部を可動部の下面に沿って移動可能とした
第1リンクと、該第1リンクの中間部に回動自在に連結
された第2リンクと、第2リンクを介して第1リンクの
中間部を後方へ押す前後方向での圧縮バネ体とから成
る。
【0016】請求項8の発明は、はね上げ機構が、基端
部を可動部の回動支点である後端部付近に回動自在に取
付け且つ先端部を可動部の下面に沿って移動可能とした
ジャバラ部材と、該ジャバラ部材の先端部に回動自在に
連結されたリンクと、リンクを介してジャバラ部材の先
端部を後方へ押す前後方向での圧縮バネ体とから成る。
【0017】請求項9の発明は、第1ロック機構が、可
動部の前端部をはね上げるために一方側へ移動可能な筒
部と、該筒部と係合して該筒部が一方側へ移動した後の
戻りを阻止するロック爪とから形成される。
【0018】請求項10の発明は、第1ロック機構が、
はね上がる前端部とは反対に下降する可動部の後端部に
取付けられたスライドバーと、該スライドバーを下方移
動自在に係合する円弧スロットを有するスライダから形
成され、該スライダの円弧スロット内にスライドバーの
上昇を阻止するラッチ爪が形成されている。
【0019】請求項11の発明は、第2ロック機構が、
可動部の前端部をはね上げるために一方側へ移動可能な
筒部と、該筒部と係合して該筒部の一方側への移動を阻
止するロック爪とから形成される。
【0020】請求項12の発明は、はね上げ機構にては
ね上げられる可動部の前端部の後側隣接位置に折れビー
ドを形成した。
【0021】
【発明の効果】請求項1の発明では、シート全体を可動
することがないため低コストでサブマリンを防止するシ
ートが得られる。又、スライドシールは従来より用いら
れているものを流用できるためコストを低減することが
出来る。更に乗員の腰部が車両衝突時の慣性によって前
方へ移動することは、時間遅れなく直接に抑止されるの
で、乗員の脛、膝、胸部、頭部の確実な拘束、腹部荷重
の低減及びサブマリン現象の防止を容易に実現すること
ができ、乗員の体格や着座位置、更にはシートクッショ
ンを調整できるメカニズムに関係なく、確実に乗員を保
護することができる。
【0022】請求項2の発明では、減速度検知手段が車
両衝突に相当する急減速を検知した時にはね上げ機構が
作動状態になるため、特に時間遅れなく乗員腰部の前方
移動を直接に抑止することができる。
【0023】請求項3の発明では、はね上げ機構が可動
部のはね上げ後の状態を維持する第1ロック機構を有し
ているため、乗員腰部の前方移動をより確実に抑止する
ことができる。
【0024】請求項4の発明では、はね上げ機構が可動
部のはね上げ前の状態を維持する第2ロック機構を有し
ているため、第2ロックを減速度検知手段により解除す
ることにより、早期のはね上げが可能となる。
【0025】請求項5の発明では、はね上げ機構がねじ
りバネであるため、簡単な構造で、確実なはね上げが期
待できる。
【0026】請求項6の発明では、はね上げ機構が可動
部の前端部の下方に設けた上下方向での圧縮バネ体であ
るため、該圧縮バネ体により可動部の前端部を直接はね
上げることができる。
【0027】請求項7の発明では、圧縮バネ体を前後方
向に設けるため、シートクッションの上下幅の増大を抑
制することができる。
【0028】請求項8の発明では、ジャバラ部材を用い
ているため、剛体リンクを用いる場合に比べて、乗り心
地が向上する。
【0029】請求項9の発明では、第1ロック機構が筒
部とロック爪とから形成されるため、簡単な構造で、可
動部のはね上げ状態を確実に維持することができる。
【0030】請求項10の発明では、第1ロック機構が
スライドバーとスライダとから形成されているため、可
動部の後端部を直接拘束して、可動部のはね上げ状態を
確実に維持することができる。
【0031】請求項11の発明では、第2ロック機構の
ロック爪が筒部に係合するため、可動部の前端部を直接
拘束して、可動部のはね上げ状態を確実に維持すること
ができる。
【0032】請求項12の発明では、可動部の前端部が
折れビードから折れてより上方へはね上がるため、乗員
腰部の前方移動を更に確実に抑止することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、この発明の複数の実施例
を、図面に基づいて説明する。尚、各実施例において、
共通する構成部分については同符号を付して説明し、重
複する説明は省略する。
【0034】図1〜図17は、本発明の第1実施例を示
す図である。図1は、シートのシートクッション1及び
シートバック2からクッション部を外した骨格構造を示
す図であり、主に、シートクッションフレーム3とシー
トバックフレーム4を示している。シートクッションフ
レーム3の下面にはアッパレール5が固定されており、
該アッパレール5がフロアに固定されたロアレール6に
対して前後スライド自在に係合されている。
【0035】シートクッションフレーム3の上面はシー
トパン7により構成されている。このシートパン7は、
乗員Mの臀部対応部分から大腿部対応部分にわたる中央
部の可動部8と、この可動部8の左右両側及び前後の周
囲に位置する固定部9とから形成されている。固定部9
はアッパレール5に固定されている。可動部8の支持構
造は後述する。
【0036】図2は、シートバックフレーム4及びシー
トクッションフレーム3にそれぞれクッション部を取付
けた状態のシートを示すものある。シートクッション1
の表面は、可動部8の後述する作用により前端部が盛り
上がるようになっている。
【0037】次に、図3により、前記シートパン7の可
動部8周辺の構造を詳述する。可動部8の後端部付近に
は回転シャフト10が設けられている。この回転シャフ
ト10は左右のアッパレール5にブラケット11(図5
参照)を介して設けられている。この回転シャフト10
には、前記可動部8の後端部付近が、回転シャフト10
に対して回動自在な一対の補強スティフナ12を介して
結合されており、乗員Mを支えることができる。回転シ
ャフト10には「はね上げ機構」としてのねじりバネ1
3が設けられ、可動部8の前端部をはね上げる方向に付
勢している。
【0038】一方、可動部8の前端部と、シートクッシ
ョンフレーム3との間には、「はね上げ機構」としての
4つの圧縮バネ体14が車幅方向に並べて設けられてい
る。この圧縮バネ体14は、上下に向きが逆の一対のロ
ック爪15、16が設けられたシャフト17と、該シャ
フト17に通され且つロック爪15、16が係合可能な
スリット18を有する筒部19と、該筒部19を上向き
に付勢するバネ本体20と、筒部19の上端に設けられ
た硬質ゴム製の緩衝部材21とから形成されている。筒
部19は下側のロック爪15に係合することにより上昇
が規制され、上側のロック爪16に係合することにより
筒部19がシャフト17よりも上方へ突出した状態が維
持されるようになっている。すなわち、上側のロック爪
16は筒部19と「第1ロック機構」を形成し、下側の
ロック爪15は筒部19と「第2ロック機構」を形成す
る。下側のロック爪15は、減速度検知手段Sからの信
号により図示せぬトリガ機構(ソレノイド)が作動する
ことにより、シャフト17内へ没入するようになってい
る。通常時は、圧縮バネ体14の筒部19が下側のロッ
ク爪15に係合した状態になっている。
【0039】尚、図4は可動部8の前側部分、図5は可
動部8の後側部分を示しているが、図4では、左右の圧
縮バネ体14のみ図示し、中央側の2つの圧縮バネ体1
4の図示は省略している。
【0040】そして、車両の衝突時に、減速度検知手段
Sが車両の急減速を検知すると、減速度検知手段Sから
の信号により、トリガ機構が解除されて、下側のロック
爪15がシャフト17内に没入する。下側のロック爪1
5が没入すると、圧縮バネ体14のバネ本体20が解放
され、筒部19を上方へ突出し、可動部8の前端部を持
ち上げる。圧縮バネ体14の筒部19がシャフト17よ
りも上方へ突出すると、上側のロック爪16に係合して
下降が阻止されるため、可動部8の前端部をはね上げた
状態が維持される。筒部19が上昇することにより、可
動部8の後端部付近に設けられたねじりバネ13も解放
されるため、このねじりバネ13によっても、可動部8
は前端部をはね上げることになる。可動部8の前端部が
はね上がることにより、クッション部を介して、シート
クッション1の前端部が持ち上がる。
【0041】これにより、乗員Mの腰部が車両衝突時の
慣性によって前方へ移動することは、時間遅れなく直接
に抑止されるので、乗員の脛、膝、胸部、頭部の確実な
拘束、腹部荷重の低減及びサブマリン現象の防止を容易
に実現することができ、乗員Mの体格や着座位置、更に
はシートクッション1を調整できるメカニズムに関係な
く、確実に乗員を保護することができる。
【0042】このことを、図12〜図17に基づいて説
明する。
【0043】図12は、脛荷重を示している。図12か
ら明らかなように、腰部の前方移動が規制されるため、
本特許の方が、従来よりも脛の荷重が小さくなってお
り、脛がより確実に拘束されていることが分かる。
【0044】図13は、膝の移動量を示している。図1
3から明らかなように、腰部の前方移動が規制されるた
め、本特許の方が、従来よりも膝の移動量が小さくなっ
ており、膝がより確実に拘束されていることが分かる。
【0045】図14は、シートベルト22(図11参
照)のベルト張力を示している。図14から明らかなよ
うに、前部が持ち上げられたシートクッション1により
乗員Mの大腿部などで荷重が保持されて、乗員の運動エ
ネルギーの一部が吸収されるため、本特許の方が、従来
よりもベルト張力が小さくなる。つまり、シートベルト
22の負担をそれだけ軽減することができる利点があ
る。
【0046】図15は、シートの反力を示している。図
15から明らかなように、シートの反力が従来よりも同
等以上のピークを示すことになり、乗員Mを確実に保護
して、その安全性を高めることができる。
【0047】図16は、胸部の移動量を示している。前
述のように、乗員の運動エネルギーの一部が吸収される
と共に、シートの反力が従来と同様以上のピークを示す
ため、本特許の方が従来よりも胸部の移動量が小さくな
っており、胸部がより確実に拘束されていることがわか
る。
【0048】図17は、頭部の加速度を示している。胸
部の場合と同じ理由により、本特許の方が従来よりも頭
部の加速度が小さくなっており、頭部がより確実に拘束
されていることがわかる。
【0049】そして、本実施例では、また、可動部8を
回動させるための、ねじりバネ13付きの回転シャフト
10や、圧縮バネ体14がシートクッション1の下方に
設けられているため、これらの機構によりシートクッシ
ョン1の乗り心地が損なわれることはない。
【0050】なお、車両衝突時の減速度に応じて、圧縮
バネ体14による可動部8のはね上げストロークを、段
階的もしくは無段階的に変更しても良い。
【0051】図18〜図21は、本発明の第2実施例を
示す図である。この実施例では、シートパン7の左右両
側に、前後方向に沿う「はね上げ機構」としての圧縮バ
ネ体23が設けられている。この圧縮バネ体23は、前
後が補強スティフナ24を介してアッパレール5に固定
されたシャフト25と、筒部26、バネ本体27を備え
ており、シャフト25には前後で向きの異なるロック爪
28、29が設けられており、筒部26には該ロック爪
28、29と係合するスリット30が形成されている。
前側のロック爪28は、減速度検知手段Sからの信号に
より図示せぬトリガ機構(ソレノイド)が作動すること
により、シャフト25内へ没入するようになっている。
通常時は、筒部26が前側のロック爪28に係合した状
態になっている。すなわち、後側のロック爪29は筒部
26と「第1ロック機構」を形成し、前側のロック爪2
8は筒部26と「第2ロック機構」を形成する。
【0052】シャフト25の後端には第1リンク31の
基端部31aが回動自在に支持されている。また、この
第1リンク31の先端31bは、可動部8の下面に沿っ
て前後方向でスライドできるようになっている。そし
て、この第1リンク31の中間部と、筒部26との間に
は、両端が回動自在に連結された第2リンク32が設け
られている。これらの第1リンク31及び第2リンク3
2も「はね上げ機構」を構成する。図18中、符号43
はロック爪28を没入させるためのアクチュエータを示
している。
【0053】従って、車両の衝突時に、衝突検出手段た
る減速度検知手段Sが車両の急減速を検知すると、減速
度検知手段Sからの信号により、トリガ機構が解除され
て、前側のロック爪28がシャフト25内に没入する。
前側のロック爪28が没入すると、圧縮バネ体23のバ
ネ本体27が解放され、筒部26が後方へ移動し、第2
リンク32が第1リンク31を引き起こすため、可動部
8の前端部を持ち上げる。圧縮バネ体23の筒部26が
シャフト25の後側のロック爪29に達すると、後側の
ロック爪29に係合して前方への戻りが阻止されるた
め、可動部8の前端部をはね上げた状態は維持される。
【0054】これにより、先の実施例と同様に、乗員M
の腰部が車両衝突時の慣性によって前方へ移動すること
は、時間遅れなく直接に抑止されるので、乗員の脛、
膝、胸部、頭部の確実な拘束、腹部荷重の低減及びサブ
マリン現象の防止を容易に実現することができ、乗員M
の体格や着座位置、更にはシートクッション1をを調整
できるメカニズムに関係なく、確実に乗員を保護するこ
とができる。また、シートクッションの乗り心地が損な
われることもない。
【0055】なお、この実施例においても、圧縮バネ体
23による可動部8のはね上げストロークを、段階的も
しくは無段階的に変更しても良い。
【0056】図22及び図23は、本発明の第3実施例
を示す図である。この実施例では、第2実施例の第1リ
ンク31に代えて、基端部33aが回動自在に支持さ
れ、先端部33bが可動部8の下面に沿って移動自在な
ジャバラ部材33を設け、第2リンク32をこのジャバ
ラ部材33の先端部33bに連結したものである。これ
らのジャバラ部材33及び第2リンク32も「はね上げ
機構」を構成する。
【0057】通常時は、筒部26は前側のロック爪28
に係合し、且つ、ジャバラ部材33は伸びた状態になっ
ている。そして、前側のロック爪28が没入して、筒部
26が後方へ移動すると、ジャバラ部材33が縮むと共
に、第2リンク32が引き起こされ、該第2リンク32
により、可動部8の前端部がはね上がることになる。そ
の他の構成及び作用効果は、第2実施例と同様である。
【0058】図24〜図28は、この発明の第4実施例
を示す図である。この実施例では、可動部8の前後略中
央部付近には、車幅方向に沿う回転シャフト34が左右
のアッパレール5に対し補強スティフナ35を介して回
動自在に設けられている。また、この回転シャフト34
には、可動部8の前端部をはね上げ方向に付勢する「は
ね上げ機構」としてのねじれバネ36が設けられてい
る。このねじれバネ36は、図示せぬロック機構を介し
て、減速度検知手段Sに接続されており、該減速度検知
手段Sから信号を受けた場合のみ、ねじれバネ36が解
放されるようになっている。
【0059】また、この可動部8の後端部には、一対の
ヒンジジョイント37を介してスライドバー38が回動
自在に取付けられている。シートパン7における後側の
固定部9には、円弧スロット39を有する左右一対のス
ライダ40が設けられている。そして、このスライダ4
0の円弧スロット39内に、前記可動部8の後端に設け
られたスライドバー38が移動可能に係合されている。
この円弧スロット39内には、スライドバー38の下方
移動のみを許し、上方移動を阻止するラッチ爪41が複
数形成されている。すなわち、スライドバー38とスラ
イダ40により、本実施例の「第1ロック機構」が形成
されている。
【0060】従って、車両の衝突時に、減速度検知手段
Sが車両の急減速を検知すると、減速度検知手段Sから
の信号により、図示せぬロック機構が解除されて、ねじ
れバネ36が解放され、該ねじれバネ36の付勢力によ
り、可動部8の前端部を持ち上げる。回転シャフト34
が可動部8の略前後中央部にあるため、可動部8の前端
部がはね上があると、後端部はこれとは逆に下がる。す
なわち、図26〜図28に示すように、可動部8の後端
部に設けられたスライドバー38が、スライダ40の円
弧スロット39内を下側へ移動する。そして、移動しき
ったスライドバー38が、最寄りのラッチ爪41に係合
して上方への戻りが阻止され(図28参照)、可動部8
の前端部をはね上げた状態は維持される。その他の構成
及び作用効果は、第1実施例と同様である。 図29〜
図31は、この発明の第5実施例を示す図である。この
実施例では、前記第1実施例の可動部8における前端部
の後側隣接位置に、2つの折れビード42a、42bを
形成したものである。可動部8の前側を圧縮バネ体14
ではね上げる際に、この折れビード42a、42bから
折れるため、圧縮バネ体14にて支持した部分が、折れ
ビード42a、42bを境にして、第1実施例よりも更
に上方にはね上があることになる。
【0061】従って、乗員Mの腰部が前方へ移動するの
をより確実に阻止することができ、また乗員の運動エネ
ルギーをより吸収して、乗員をより確実に保護できるよ
うになる。その他の効果及び作用効果は第1実施例と同
様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るクッション部を外し
た状態のシートの概略斜視図である。
【図2】第1実施例に係るシートの概概略斜視図であ
る。
【図3】第1実施例に係るシートの内部構造を示す概略
斜視図である。
【図4】第1実施例に係る可動部の前部の構造を示す概
略斜視図である。
【図5】第1実施例に係る可動部の後部の構造を示す概
略斜視図である。
【図6】第1実施例の圧縮バネ体を示す概略平面図であ
る。
【図7】第1実施例の圧縮バネ体の解放前の状態を示す
概略側面図である。
【図8】第1実施例の圧縮バネ体の解放後の状態を示す
概略側面図である。
【図9】第1実施例に係る図3のA−A線における可動
部の断面図である。
【図10】第1実施例に係る可動体の前端部がはね上が
った状態を示す断面図である。
【図11】第1実施例に係る乗員の拘束状態を示す概略
側面図である。
【図12】第1実施例に係る脛荷重を示すグラフであ
る。
【図13】第1実施例に係る膝移動量を示すグラフであ
る。
【図14】第1実施例に係るシートベルトのベルト張力
を示すグラフである。
【図15】第1実施例に係るシート反力を示すグラフで
ある。
【図16】第1実施例に係る胸部移動量を示すグラフで
ある。
【図17】第1実施例に係る頭部加速度を示すグラフで
ある。
【図18】第2実施例に係るシートの内部構造を示す概
略斜視図である。
【図19】第2実施例の圧縮バネ体を示す概略平面図で
ある。
【図20】第2実施例の圧縮バネ体の解放前の状態を示
す概略側面図である。
【図21】第2実施例の圧縮バネ体の解放後の状態を示
す概略側面図である。
【図22】第3実施例の圧縮バネ体の解放前の状態を示
す概略側面図である。
【図23】第3実施例の圧縮バネ体の解放後の状態を示
す概略側面図である。
【図24】第4実施例に係るシートの内部構造を示す概
略斜視図である。
【図25】第4実施例に係る図24のB−B線における
可動部の断面図である。
【図26】第4実施例に係る可動部の後部の下降前の状
態を示す概略斜視図である。
【図27】第4実施例に係る可動部の後部の下降途中の
状態を示す概略斜視図である。
【図28】第4実施例に係る可動部の後部の下降後にお
ける上昇が阻止された状態を示す概略斜視図である。
【図29】第5実施例に係る可動部のはね上げ前の状態
を示す断面図である。
【図30】第5実施例に係る可動部のはね上げ後の状態
を示す断面図である。
【図31】第5実施例に係る可動部のはね上げ後の状態
で且つ乗員腰部の前方移動が抑制された状態を示す断面
図である。
【符号の説明】
7 シートパン 8 可動部 9 固定部 13、36 ねじりバネ(はね上げ機構) 14、23 圧縮バネ体(はね上げ機構) 15、28 ロック爪(第2ロック機構) 16、29 ロック爪(第1ロック機構) 19、26 筒部(第1・第2ロック機構) 31 第1リンク(はね上げ機構) 32 第2リンク(はね上げ機構) 33 ジャバラ部材(はね上げ機構) 38 スライドバー(第1ロック機構) 40 スライダ(第1ロック機構) 42a、42b 折れビード M 乗員 S 減速度検知手段(衝突検出手段)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートクッション内部のシートパンが、
    乗員の臀部対応部分から大腿部対応部分にわたる位置に
    設けられた可動部と、該可動部の少なくとも左右両側に
    位置する固定部とから形成されており、 前記可動部は前後方向の略中央部又は略中央部よりも後
    方で回転自在に支持されていると共に、衝突検出手段を
    設け、該検出手段からの信号により作動するはね上げ機
    構により前端部がはね上げ可能になっていることを特徴
    とする車両用シート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用シートであって、 はね上げ機構は、衝突検知手段が車両衝突に相当する急
    減速を検知した時に作動状態になることを特徴とする車
    両用シート。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の車両用シー
    トであって、 はね上げ機構は、可動部のはね上げ後の状態を維持する
    第1ロック機構を有していることを特徴とする車両用シ
    ート。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3記載の車両用シー
    トであって、 はね上げ機構は、可動部のはね上げ前の状態を維持する
    第2ロック機構を有していることを特徴とする車両用シ
    ート。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車
    両用シートであって、 はね上げ機構が、可動部の前後方向の略中央部又は略中
    央部を回転自在に支持する回転シャフトに設けたねじり
    バネであることを特徴とする車両用シート。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車
    両用シートであって、 はね上げ機構が、可動部の前端部の下方に設けた上下方
    向での圧縮バネ体であることを特徴とする車両用シー
    ト。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車
    両用シートであって、はね上げ機構が、基端部を可動部
    の回動支点である後端部付近に回動自在に取付け且つ先
    端部を可動部の下面に沿って移動可能とした第1リンク
    と、該第1リンクの中間部に回動自在に連結された第2
    リンクと、第2リンクを介して第1リンクの中間部を後
    方へ押す前後方向での圧縮バネ体とから成ることを特徴
    とする車両用シート。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車
    両用シートであって、 はね上げ機構が、基端部を可動部の回動支点である後端
    部付近に回動自在に取付け且つ先端部を可動部の下面に
    沿って移動可能としたジャバラ部材と、該ジャバラ部材
    の先端部に回動自在に連結されたリンクと、リンクを介
    してジャバラ部材の先端部を後方へ押す前後方向での圧
    縮バネ体とから成ることを特徴とする車両用シート。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の車
    両用シートであって、 第1ロック機構が、可動部の前端部をはね上げるために
    一方側へ移動可能な筒部と、該筒部と係合して該筒部が
    一方側へ移動した後の戻りを阻止するロック爪とから形
    成されることを特徴とする車両用シート。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    車両用シートであって、 第1ロック機構が、はね上がる前端部とは反対に下降す
    る可動部の後端部に取付けられたスライドバーと、該ス
    ライドバーを下方移動自在に係合する円弧スロットを有
    するスライダから形成され、該スライダの円弧スロット
    内にスライドバーの上昇を阻止するラッチ爪が形成され
    ていることを特徴とする車両用シート。
  11. 【請求項11】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    車両用シートであって、 第2ロック機構が、可動部の前端部をはね上げるために
    一方側へ移動可能な筒部と、該筒部と係合して該筒部の
    一方側への移動を阻止するロック爪とから形成されるこ
    とを特徴とする車両用シート。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の車両用シートであって、 はね上げ機構にてはね上げられる可動部の前端部の後側
    隣接位置に折れビードを形成したことを特徴とする車両
    用シート。
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