JP2000022276A - 半導体素子および半導体発光素子ならびに半導体受光素子 - Google Patents

半導体素子および半導体発光素子ならびに半導体受光素子

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JP2000022276A JP18227698A JP18227698A JP2000022276A JP 2000022276 A JP2000022276 A JP 2000022276A JP 18227698 A JP18227698 A JP 18227698A JP 18227698 A JP18227698 A JP 18227698A JP 2000022276 A JP2000022276 A JP 2000022276A
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znse
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side electrode
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Shigetaka Tomitani
茂隆 冨谷
Satoru Kijima
悟 喜嶋
Hiroyuki Okuyama
浩之 奥山
Osamu Taniguchi
理 谷口
Hironori Tsukamoto
弘範 塚本
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 p側電極とのコンタクト構造を改善すること
により、動作電圧を低下させることができる半導体発光
素子を提供する。 【解決手段】 n型基板の上にn型クラッド層,第1の
ガイド層,活性層,第2のガイド層,p型クラッド層,
ZnSSeキャップ層,ZnSeキャップ層19,組成
傾斜超格子層20および低欠陥コンタクト層21を順次
積層する。組成傾斜超格子層20はp型ZnTe層20
a,20c,20e,20g,20iとp型ZnSe層
20b,20d,20f,20h,20jとを交互に積
層して形成する。p型ZnTe層20a,20c,20
e,20g,20iの厚さは低欠陥コンタクト層21側
を厚くする。低欠陥コンタクト層21の厚さは5nm以
下とする。格子歪みが緩和され、低欠陥コンタクト層2
1の欠陥密度が低くなるため、通電直後における動作電
圧の上昇が抑制され、動作電圧が低くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、母体結晶がZnS
eよりなる第1の層と母体結晶がZnTeよりなる第2
の層とを備えた半導体素子に係り、特に、II−VI族
化合物半導体よりなる半導体発光素子または半導体受光
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、緑色ないし青色で発光可能な半導
体発光素子は、高密度光ディスク装置,高密度光磁気デ
ィスク装置,フルカラー表示ディスプレー装置,光化学
反応処理装置あるいは医療機器などの光源として開発が
求められている。
【0003】緑色ないしは青色で発光可能な半導体発光
素子を構成する材料としては、亜鉛(Zn),マグネシ
ウム(Mg),ベリリウム(Be),カドミウム(C
d),水銀(Hg)およびマンガン(Mn)のうち少な
くとも1種のII族元素と、酸素(O),硫黄(S),
セレン(Se)およびテルル(Te)のうち少なくとも
1種のVI族元素とから成るII−VI族化合物半導体
が有望である。特に、四元混晶であるZnMgSSe混
晶は、結晶性に優れかつ入手が容易なGaAsよりなる
基板上に結晶成長させることが可能であり、半導体発光
素子のガイド層やクラッド層を構成する材料として知ら
れている(例えば、Electronics Letters28(1992)p.179
8)。
【0004】従来、このようなII−VI族化合物半導
体を用いた半導体発光素子、特にクラッド層にZnMg
SSe混晶を用いた半導体発光素子では、n型GaAs
よりなる基板の上に、バッファ層を介してn型ZnMg
SSe混晶よりなるクラッド層,ZnCdSe混晶より
なる活性層,p型ZnMgSSe混晶よりなるクラッド
層およびp型ZnSeよりなるキャップ層を順次積層し
て、キャップ層にp側電極を接続し、基板にn側電極を
接続したものが一般的な構造であった。しかし、この半
導体発光素子では、キャップ層を構成するp型ZnSe
のキャリア濃度を高くすることが難しいためにp側電極
についてオーミックコンタクトを得ることが難しいとい
う問題があった。
【0005】そこで、この問題を解決するために、キャ
ップ層の上にp型ZnTe層とp型ZnSe層とを交互
に積層した超格子層を形成し、その上に高いキャリア濃
度を容易に得ることができるp型ZnTeよりなる厚さ
50nm程度のコンタクト層を形成して、パラジウム
(Pd)層と白金(Pt)層と金(Au)層とを順次積
層したp側電極を接続する技術が開発された。このコン
タクト構造によりp側電極とのオーミックコンタクト特
性は大幅に向上し、ZnCdSe混晶を活性層,ZnS
Se混晶をガイド層,ZnMgSSe混晶をクラッド層
とするSCH(Separate Confinement Heterostructur
e)構造の半導体発光素子において、すでに室温連続発
振が達成されている(例えば、Jpn. J. Appl. Phys. 33
(1994) p.L938)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなコンタクト構造を用いた従来の半導体素子では、通
電直後に7〜8Vの急激な動作電圧の上昇を生じてしま
うという問題があった。そこで、その原因を解明するた
めに半導体発光素子の断面構造を透過型電子顕微鏡(T
EM;Transmission Electron Microscope)により観察
したところ、図6に示したように、超格子層120とコ
ンタクト層121との界面に3.2×1014/cm2
度の高密度な不一致転位130が導入されていることが
分かった。また、コンタクト層121の中には積層欠陥
131や貫通転位132が高密度に形成されていること
も分かった。つまり、通電直後における動作電圧の上昇
は、不一致転位130の転位芯が通電直後にホールトラ
ップとして働き、超格子層120とコンタクト層121
との界面に空乏層が生じるためであると考えられる。よ
って、従来の半導体発光素子では、低い電圧で動作させ
ることができず、寿命を延長することができないと共
に、信頼性を向上させることができなかった。
【0007】また、以上II−VI族化合物半導体を用
いた半導体発光素子について説明したが、このような青
色ないし緑色で発光可能な半導体発光素子が実用化され
るようになると、従来のシリコン(Si)を用いたフォ
トダイオードでは、十分な特性が得られなくなってく
る。そこで、II−VI族化合物半導体を用いたフォト
ダイオードの開発が求められており、半導体発光素子と
同様に、p側電極とのコンタクト構造が問題となる。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、ZnSeよりなる第1の層に
組成傾斜超格子層を介して形成したZnTeよりなる第
2の層の欠陥密度を低減することができる半導体素子を
提供することにある。
【0009】本発明の第2の目的は、p側電極とのコン
タクト構造を改善することにより、動作電圧を低下させ
ることができる半導体発光素子を提供することにある。
【0010】本発明の第3の目的は、p側電極とのコン
タクト構造を改善することにより、信頼性が高く、量子
効率の高い半導体受光素子を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体素子
は、母体結晶がZnSeよりなる第1の層と、この第1
の層に隣接して設けられると共に、母体結晶がZnTe
よりなるZnTe層と母体結晶がZnSeよりなるZn
Se層とが交互に2層づつ以上積層され、各ZnTe層
または各ZnSe層の少なくとも一方の厚さが積層方向
において変化することにより組成に傾斜を有する組成傾
斜超格子層と、この組成傾斜超格子層に隣接して設けら
れ、母体結晶がZnTeよりなり厚さが5nm以下の第
2の層とを備えたものである。
【0012】本発明による半導体発光素子は、亜鉛,マ
グネシウム,ベリリウム,カドミウム,マンガンおよび
水銀からなる群のうちの少なくとも1種のII族元素
と、酸素,硫黄,セレンおよびテルルからなる群のうち
の少なくとも1種のVI族元素とを含むII−VI族化
合物半導体よりそれぞれなるn型クラッド層,活性層,
p型クラッド層が少なくとも順次積層され、p型クラッ
ド層に対してp側電極が電気的に接続されたものであっ
て、p型クラッド層とp側電極との間に設けられ、p型
不純物が添加されたp型ZnSeよりなるZnSeキャ
ップ層と、このZnSeキャップ層に隣接してZnSe
キャップ層とp側電極との間に設けられると共に、p型
ZnTe層とp型ZnSe層とが交互に2層づつ以上積
層され、各p型ZnTe層または各p型ZnSe層の少
なくとも一方の厚さが積層方向において変化することに
より組成に傾斜を有する組成傾斜超格子層と、この組成
傾斜超格子層に隣接して組成傾斜超格子層とp側電極と
の間に設けられ、p型不純物が添加されたp型ZnTe
よりなり厚さが5nm以下の低欠陥コンタクト層とを備
えたものである。
【0013】本発明による半導体受光素子は、亜鉛,マ
グネシウム,ベリリウム,カドミウム,マンガンおよび
水銀からなる群のうちの少なくとも1種のII族元素
と、酸素,硫黄,セレンおよびテルルからなる群のうち
の少なくとも1種のVI族元素とを含むII−VI族化
合物半導体よりそれぞれなるn型層,I層,p型層が少
なくとも順次積層され、p型層に対してp側電極が電気
的に接続されたものであって、p型層とp側電極との間
に設けられ、p型不純物が添加されたp型ZnSeより
なるZnSeキャップ層と、このZnSeキャップ層に
隣接してZnSeキャップ層とp側電極との間に設けら
れると共に、p型ZnTe層とp型ZnSe層とが交互
に2層づつ以上積層され、各p型ZnTe層または各p
型ZnSe層の少なくとも一方の厚さが積層方向におい
て変化することにより組成に傾斜を有する組成傾斜超格
子層と、この組成傾斜超格子層に隣接して組成傾斜超格
子層とp側電極との間に設けられ、p型不純物が添加さ
れたp型ZnTeよりなり厚さが5nm以下の低欠陥コ
ンタクト層とを備えたものである。
【0014】本発明による半導体素子では、第1の層に
組成傾斜超格子層を介して第2の層が積層されている。
ここでは、第2の層の厚さが5nm以下となっており、
欠陥密度が低くなっている。
【0015】本発明による半導体発光素子では、p側電
極から低欠陥コンタクト層を介して活性層に電流が注入
され発光が起こる。ここでは、低欠陥コンタクト層が組
成傾斜超格子層に隣接して形成され、かつ低欠陥コンタ
クト層の厚さが5nm以下となっているので、低欠陥コ
ンタクト層の欠陥密度が低くなり、動作電圧の上昇が抑
制される。
【0016】本発明による半導体受光素子では、主とし
てI層で吸収された光により電子−正孔対が発生し、n
型層からp型層および低欠陥コンタクト層を介してp側
電極へ流れる電流が発生する。ここでは、低欠陥コンタ
クト層が組成傾斜超格子層に隣接して形成され、かつ低
欠陥コンタクト層の厚さが5nm以下となっているの
で、低欠陥コンタクト層の欠陥密度が低くなり、高い量
子効率および高い信頼性が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0018】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態に係る半導体発光素子である半導体レーザ
の断面構造を表すものである。この半導体レーザは、基
板11の一面に、バッファ層12,n型クラッド層1
3,第1のガイド層14,活性層15,第2のガイド層
16,p型クラッド層17,ZnSSeキャップ層1
8,ZnSeキャップ層19,組成傾斜超格子層20お
よび低欠陥コンタクト層21が順次積層されている。
【0019】基板11は、例えば、積層方向における厚
さ(以下、単に厚さという)が100〜350μmであ
り、n型不純物として珪素(Si)を添加したn型Ga
Asにより構成されている。バッファ層12などは、こ
の基板11の(001)面に積層されている。バッファ
層12は、例えば、厚さが10nmであり、n型不純物
として塩素(Cl)を添加したn型ZnSeにより構成
されている。n型クラッド層13は、例えば、厚さが1
μmであり、n型不純物として塩素を添加したn型Zn
MgSSe混晶により構成されている。
【0020】第1のガイド層14は、例えば、厚さが1
00nmであり、n型不純物として塩素を添加したある
いは不純物を添加しないZnSSe混晶により構成され
ている。このZnSSe混晶のVI族元素における組成
比は硫黄が6%,セレンが94%(モル%;以下同じ)
であり、格子定数が基板11を構成するGaAsの格子
定数に整合されている。
【0021】活性層15は、例えば、厚さが3〜4nm
の単一量子井戸構造を有したZnCdSe混晶により構
成されている。このZnCdSe混晶のII族元素にお
ける組成比は亜鉛が75%,カドミウムが25%であ
り、格子定数が基板11を構成するGaAsの格子定数
よりも若干大きくなっている。
【0022】第2のガイド層16は、例えば、厚さが1
00nmであり、p型不純物として窒素(N)を添加し
たあるいは不純物を添加しないZnSSe混晶により構
成されている。このZnSSe混晶のVI族元素におけ
る組成比は硫黄が6%,セレンが94%である。p型ク
ラッド層17は、例えば、厚さが1μmであり、p型不
純物として窒素を添加したp型ZnMgSSe混晶によ
り構成されている。
【0023】ZnSSeキャップ層18は、例えば、厚
さが1.5μmであり、p型不純物として窒素を添加し
たp型ZnSSe混晶により構成されている。このp型
ZnSSe混晶のVI族元素における組成比は、基板1
1を構成するGaAsの格子定数に整合するように硫黄
が6%,セレンが94%とすることが好ましい。ZnS
eキャップ層19は、例えば、厚さが100nmであ
り、p型不純物として窒素を添加したp型ZnSeによ
り構成されている。
【0024】組成傾斜超格子層20は、例えば図2に一
部を拡大して示したように、p型不純物として窒素を添
加したp型ZnTe層20a,20c,20e,20
g,20iと、p型不純物として窒素を添加したp型Z
nSe層20b,20d,20f,20h,20jとを
交互に2層づつ以上(ここでは5層づつ)積層して構成
されている。組成傾斜超格子層20を構成するp型Zn
Te層20a,20c,20e,20g,20iおよび
p型ZnSe層20b,20d,20f,20h,20
jは、それぞれ量子構造を有している。この組成傾斜超
格子層20は、ZnSeキャップ層19を構成するZn
Seと後述する低欠陥コンタクト層21を構成するZn
Teとの価電子帯が不連続であるために生ずる抵抗を小
さくし、動作電圧を低くするためのものである。
【0025】また、この組成傾斜超格子層20は、Zn
Seキャップ層19を構成するZnSeと後述する低欠
陥コンタクト層21を構成するZnTeとの格子定数が
大きく異なるために生ずる格子歪みを緩和する役割も有
している。本来、ZnSeとZnTeとの格子定数の差
は約7%もあるので、ZnSeキャップ層19にZnT
eよりなる低欠陥コンタクト層21を隣接させて積層し
た場合、低欠陥コンタクト層21の臨界膜厚は10分子
層程度と極めて薄くなり、実質的に欠陥の導入を防ぐこ
とはできない。この場合、理論的には、ZnSeキャッ
プ層19と低欠陥コンタクト層21との界面に約5.4
nm間隔で不一致転位が導入されてしまう。そこで、こ
こでは、組成傾斜超格子層20により格子歪みを緩和し
て低欠陥コンタクト層21に導入される欠陥の数を低減
するようになっている。
【0026】この組成傾斜超格子層20は、p型ZnT
e層20a,20c,20e,20g,20iまたはp
型ZnSe層20b,20d,20f,20h,20j
の少なくとも一方の厚さが積層方向において変化してお
り、全体としての組成が積層方向において傾斜してい
る。ちなみに、ここでは、ZnSeキャップ層19の側
から順に、0.3nmの厚さのp型ZnTe層20a,
1nmの厚さのp型ZnSe層20b,0.3nmの厚
さのp型ZnTe層20c,1nmの厚さのp型ZnS
e層20d,0.3nmの厚さのp型ZnTe層20
e,1nmの厚さのp型ZnSe層20f,0.45n
mの厚さのp型ZnTe層20g,1nmの厚さのp型
ZnSe層20h,0.6nmの厚さのp型ZnTe層
20iおよび1nmの厚さのp型ZnSe層20jが積
層されている。
【0027】すなわち、p型ZnSe層20b,20
d,20f,20h,20jの厚さはそれぞれ同一であ
り、p型ZnTe層20a,20c,20e,20g,
20iの厚さはZnSeキャップ層19の側よりも低欠
陥コンタクト層21の側の方が厚くなるように変化して
いる。よって、組成傾斜超格子層20の全体としての組
成は、テルルの組成比がZnSeキャップ層19の側か
ら低欠陥コンタクト層21の側に向かって大きくなるよ
うに傾斜している。なお、ここで示した組成傾斜超格子
層20の構造は、ZnSeキャップ層19と低欠陥コン
タクト層21との価電子帯不連続を緩和するのに最適な
ものである。
【0028】低欠陥コンタクト層21は、例えば、厚さ
が1原子層(約0.28nm)以上5nm以下であり、
p型不純物として窒素を添加したp型ZnTeにより構
成されている。ここで、低欠陥コンタクト層21をZn
Teにより構成するのは、ZnTeはp側電極とオーミ
ック接触を得ることができる程度の十分に高いキャリア
濃度を得ることができるからである。また、低欠陥コン
タクト層21の厚さを5nm以下とするのは、組成傾斜
超格子層20でも説明したように、ZnSeキャップ層
19を構成するZnSeとこの低欠陥コンタクト層21
を構成するZnTeとの格子定数が大きく異なるために
生ずる格子歪みの影響を小さくするためである。
【0029】ここで、低欠陥コンタクト層21の厚さと
組成傾斜超格子層20の挿入により格子歪みが緩和され
る程度との関係を説明するために、格子緩和度の差R
diffとして数1を定義する。
【数1】 thisはZnSeキャップ層19に組成傾斜超格子層2
0を介して低欠陥コンタクト層21を積層した場合にお
ける組成傾斜超格子層20と低欠陥コンタクト層21と
を合わせた格子歪み(本半導体レーザの格子歪み)であ
り、SdirectはZnSeキャップ層19に低欠陥コンタ
クト層21を直接積層した場合における低欠陥コンタク
ト層21の格子歪み(直接積層した場合の格子歪み)で
ある。
【0030】これら本半導体レーザの格子歪みSthis
よび直接積層した場合の格子歪みSdirectは数2により
それぞれ求められる。
【数2】 i はZnSeキャップ層19からi番目の層の格子定
数、aref は参照する層の格子定数、di はZnSeキ
ャップ層19からi番目の層の厚さである。ちなみに、
本半導体レーザの格子歪みSthisを求める際には、組成
傾斜超格子層20のp型ZnTe層20a,20c,2
0e,20g,20iおよびp型ZnSe層20b,2
0d,20f,20h,20jをそれぞれ1層として計
算する。また、直接積層した場合の格子歪みSdirect
求める際はi=1となり、a1 は低欠陥コンタクト層2
1の格子定数、d1 は低欠陥コンタクト層21の厚さと
なる。
【0031】数1および数2から分かるように、格子緩
和度の差Rdiffが大きいほど格子歪みが緩和されること
になる。そこで、これら数1および数2を用い、低欠陥
コンタクト層21の厚さのみを変化させて格子緩和度の
差Rdiffを求めた。なお、その際、参照する層はZnS
eキャップ層19とし、参照する格子定数aref はZn
Seの格子定数0.56681nmとした。参照する層
は基板11としてもよいが、ここでは、ZnSeとZn
Teとからのみなる多層膜に関する考察であるので、Z
nSeキャップ層19を参照する層とした。ちなみに、
基板11を参照する層としても同様の結果がられる。ま
た、本半導体レーザの格子歪みSthisは、組成傾斜超格
子層20として先に説明したp型ZnTe層20a,2
0c,20e,20g,20iとp型ZnSe層20
b,20d,20f,20h,20jとを交互に積層し
た場合について求めた。
【0032】図3は低欠陥コンタクト層21の厚さと格
子緩和度の差Rdiffとの関係を表すものである。このよ
うに、低欠陥コンタクト層21の厚さが5nmよりも大
きくなると、ZnSeキャップ層19に直接低欠陥コン
タクト層21を積層した場合とあまり変わらず、組成傾
斜超格子層20による格子歪みの緩和の効果を十分に得
ることができないことが分かる。
【0033】また、低欠陥コンタクト層21の厚さを4
nmとした場合の断面構造をTEMにより観察した。ち
なみに、組成傾斜超格子層20は、先に説明したp型Z
nTe層20a,20c,20e,20g,20iとp
型ZnSe層20b,20d,20f,20h,20j
とを交互に積層した構成とした。その結果、図2に一部
を拡大して示したように、低欠陥コンタクト層21の結
晶表面は約70nmの周期で凹凸にうねっており、その
うねりの凹部のみに積層欠陥31が生じていることが分
かった。つまり、この積層欠陥31のほかに欠陥は観察
されず、低欠陥コンタクト層21の欠陥密度は2.0×
1010/cm2 程度と従来に比べて約4桁も低減されて
いることが分かった。
【0034】なお、図1に示したように、低欠陥コンタ
クト層21,組成傾斜超格子層20およびZnSeキャ
ップ層19は、各々<110>方向(図1においては図
面に対して垂直方向)に延長された幅が例えば10μm
の帯状となっており、電流狭窄部を構成している。Zn
Seキャップ層19,組成傾斜超格子層20および低欠
陥コンタクト層21がそれぞれ形成されていないZnS
Seキャップ層18のZnSeキャップ層19側の領域
には、酸化アルミニウム(Al2 3 )あるいはポリイ
ミドなどよりなる絶縁層22が形成されている。
【0035】絶縁層22および低欠陥コンタクト層21
の基板11と反対側には、例えば、低欠陥コンタクト層
21の側からパラジウム層,白金層および金層を順次積
層して加熱処理することにより形成されたp側電極23
が設けられている。このp側電極23は、低欠陥コンタ
クト層21,組成傾斜超格子層20,ZnSeキャップ
層19およびZnSSeキャップ層18をそれぞれ介し
てp型クラッド層17に電気的に接続されている。基板
11の一面と反対側の他面には、例えばインジウム(I
n)よりなるn側電極24が設けられている。このn側
電極24は、基板11およびバッファ層12を介してn
型クラッド層13に対して電気的に接続されている。
【0036】この半導体レーザは、また、図示しない
が、低欠陥コンタクト層21の延長方向(すなわち共振
器長方向)と垂直な一対の側面に、端面膜がそれぞれ設
けられている。この端面膜は、例えば、フッ化マグネシ
ウム(MgF2 )膜と硫化亜鉛(ZnS)膜とを交互に
積層して形成されている。なお、この半導体レーザは、
図示しないが、ヒートシンクに対して配設され、周囲が
パッケージにより覆われた状態で用いられる。
【0037】このような構成を有する半導体レーザは、
次のようにして製造することができる。
【0038】まず、n型GaAsよりなる基板11を用
意し、例えば、分子線エピタキシー(Molecular Beam E
pitaxy;MBE)法により、その一面((001)面)
に、n型ZnSeよりなるバッファ層12,n型ZnM
gSSe混晶よりなるn型クラッド層13,ZnSSe
混晶よりなる第1のガイド層14,ZnCdSe混晶よ
りなる活性層15,ZnSSe混晶よりなる第2のガイ
ド層16,p型ZnMgSSe混晶よりなるp型クラッ
ド層17,p型ZnSSe混晶よりなるZnSSeキャ
ップ層18,p型ZnSeよりなるZnSeキャップ層
19,p型ZnTe層20a,20c,20e,20
g,20iとp型ZnSe層20b,20d,20f,
20h,20jとよりなる組成傾斜超格子層20および
p型ZnTeよりなる低欠陥コンタクト層21を順次成
長させる。
【0039】次いで、低欠陥コンタクト層21の上に図
示しないレジスト膜を塗布し、フォトリソグラフィによ
って<110>方向に延長された複数の平行な帯状のマ
スクパターンを形成する。続いて、この図示しないレジ
スト膜をマスクとしてウエットエッチングまたはドライ
エッチングを行い、低欠陥コンタクト層21,組成傾斜
超格子層20およびZnSeキャップ層19を順次選択
的に除去して、これらを<110>方向に延長された複
数の平行な帯状とする。そののち、全面(すなわち低欠
陥コンタクト層21などが選択的に除去されたZnSS
eキャップ層18の上および図示しないレジスト膜の
上)に、例えば真空蒸着法により酸化アルミニウム膜を
形成し、図示しないレジスト膜をこのレジスト膜の上に
形成された酸化アルミニウム膜と共に除去して(リフト
オフ)、絶縁層22を形成する。
【0040】絶縁層22を形成したのち、例えば、真空
蒸着法により、低欠陥コンタクト層21および絶縁層2
2の上にパラジウム層,白金層および金層を順次蒸着し
てp側電極23を形成すると共に、基板11の他面にイ
ンジウム層を蒸着してn側電極24を形成する。そのの
ち、加熱処理を行う。
【0041】p側電極23およびn側電極24を形成し
たのち、基板11を低欠陥コンタクト層21の長さ方向
(共振器長方向)と垂直に所定の幅(例えば600nm
幅)で劈開し、その劈開面に端面膜を形成する。そのの
ち、複数形成した帯状の各低欠陥コンタクト層21の間
をその長さ方向と並行に劈開する。これにより、図1に
示した半導体レーザが形成される。
【0042】このようにして製造した半導体レーザは、
次のように作用する。
【0043】この半導体レーザでは、n側電極24とp
側電極23との間に所定の電圧が印加されると、低欠陥
コンタクト層21,組成傾斜超格子層20,ZnSeキ
ャップ層19,ZnSSeキャップ層18およびp型ク
ラッド層17を介して、活性層15にp側電極23から
電流が注入される。活性層15では、電子−正孔再結合
により発光が起こる。ここでは、低欠陥コンタクト層2
1が組成傾斜超格子層20に隣接して設けられ、かつ低
欠陥コンタクト層21の厚さが5nm以下と薄くなって
いるので、低欠陥コンタクト層21の欠陥密度が低く、
ホールトラップが少なくない。よって、特に通電直後に
おける動作電圧の上昇が抑制される。
【0044】なお、本実施の形態に係る半導体レーザの
効果を確認するために、連続動作試験を行ってその動作
電圧の経時変化を調べた。その際、組成傾斜超格子層2
0は、先に説明したp型ZnTe層20a,20c,2
0e,20g,20iとp型ZnSe層20b,20
d,20f,20h,20jとを交互に積層して構成
し、低欠陥コンタクト層21の厚さは4nmとした。ま
た、連続動作における電流密度は500A/cm2 、電
流は一定、温度は室温として行った。
【0045】図4にその動作電圧の経時変化を従来の半
導体レーザにおける動作電圧の経時変化と共に示す。ち
なみに、従来の半導体レーザは、低欠陥コンタクト層2
1の厚さが50nmであることを除き、本実施の形態に
係る半導体レーザと同一の構成のものであり、連続動作
の際の条件は本実施の形態に係る半導体レーザと同一と
した。このように、本実施の形態に係る半導体レーザに
よれば、従来の半導体レーザに比べて通電直後の動作電
圧の上昇が極めて小さくなり、約6Vも動作電圧を低く
できることが分かった。これは、低欠陥コンタクト層2
1における欠陥密度が低いために余分なホールトラップ
が生じないためであると考えられる。
【0046】このように本実施の形態に係る半導体レー
ザによれば、低欠陥コンタクト層21を組成傾斜超格子
層20に隣接して形成すると共に、低欠陥コンタクト層
21の厚さを5nm以下とするようにしたので、低欠陥
コンタクト層21の欠陥密度を低くすることができ、特
に、通電直後における動作電圧の上昇を抑制することが
できる。よって、動作電圧が低くなり、素子の寿命を延
長させることができると共に、良好な特性を得ることが
でき、信頼性も向上させることができる。
【0047】(第2の実施の形態)図5は本発明の第2
の実施の形態に係る半導体受光素子であるフォトダイオ
ードの構成を表すものである。このフォトダイオード
は、基板41の一面に、バッファ層42,n型層43,
I層44,p型層45,ZnSeキャップ層46,組成
傾斜超格子層47および低欠陥コンタクト層48が順次
積層されている。
【0048】基板41は、例えば、厚さが100〜35
0μmであり、n型不純物として珪素を添加したn型G
aAsにより構成されている。バッファ層42などは、
この基板41の(001)面に積層されている。バッフ
ァ層42は、例えば、厚さが10nmであり、n型不純
物として塩素を添加したn型ZnSeにより構成されて
いる。n型層43は、例えば、厚さが1000μmであ
り、n型不純物として塩素を添加したn型ZnSSe混
晶により構成されている。
【0049】I層44は、例えば、厚さが200nmで
あり、不純物を添加しないZnSSe混晶により構成さ
れている。p型層45は、例えば、厚さが1μmであ
り、p型不純物として窒素を添加したp型ZnSSe混
晶により構成されている。ZnSeキャップ層46は、
例えば、厚さが100nmであり、p型不純物として窒
素を添加したp型ZnSeにより構成されている。
【0050】組成傾斜超格子層47は、第1の実施の形
態において説明した組成傾斜超格子層20と同一の構成
を有している。すなわち、p型不純物として窒素を添加
したp型ZnTe層と、p型不純物として窒素を添加し
たp型ZnSe層とを交互に2層づつ以上積層して構成
されている。また、この組成傾斜超格子層47は、各p
型ZnTe層または各p型ZnSe層の少なくとも一方
の厚さが積層方向において変化しており、全体としての
組成が積層方向において傾斜している。
【0051】低欠陥コンタクト層48は、第1の実施の
形態において説明した低欠陥コンタクト層21と同一の
構成を有している。すなわち、例えば、厚さが1原子層
(約0.28nm)以上5nm以下であり、p型不純物
として窒素を添加したp型ZnTeにより構成されてい
る。
【0052】また、低欠陥コンタクト層48,組成傾斜
超格子層47およびZnSeキャップ層46は、それぞ
れ一対の側辺が<110>方向に平行な正方形状となっ
ている。ZnSeキャップ層46,組成傾斜超格子層4
7および低欠陥コンタクト層48がそれぞれ形成されて
いないp型層45のZnSeキャップ層46側の領域に
は、酸化アルミニウムあるいはポリイミドなどよりなる
絶縁層49が形成されている。
【0053】絶縁層49および低欠陥コンタクト層48
の基板41と反対側には、例えば、可視光が透過するよ
うに10nm程度と薄くされた金よりなる薄膜電極40
が設けられている。この薄膜電極50の基板41と反対
側には、例えば、薄膜電極50の側からパラジウム層,
白金層および金層を順次積層して加熱処理することによ
り形成されたp側電極51が設けられている。このp側
電極51には、低欠陥コンタクト層48に対応してそれ
よりも若干小さい正方形状の開口41aが形成されてい
る。これらp側電極51および薄膜電極50は、低欠陥
コンタクト層48,組成傾斜超格子層47およびZnS
eキャップ層46をそれぞれ介してp型層45に電気的
に接続されている。基板41の一面と反対側の他面に
は、例えばインジウムよりなるn側電極52が設けられ
ている。このn側電極52は、基板41およびバッファ
層42を介してn型層43に対して電気的に接続されて
いる。なお、このフォトダイオードは、図示しないが、
ヒートシンクに対して配設され、周囲がパッケージによ
り覆われた状態で用いられる。
【0054】このような構成を有するフォトダイオード
は、次のようにして製造することができる。
【0055】まず、n型GaAsよりなる基板41を用
意し、例えば、MBE法により、その一面(001)面
に、n型ZnSeよりなるバッファ層42,n型ZnS
Se混晶よりなるn型層43,不純物を添加していない
ZnSSe混晶よりなるI層44,p型ZnSSe混晶
よりなるp型層45,p型ZnSeよりなるZnSeキ
ャップ層46,p型ZnTe層とp型ZnSe層とより
なる組成傾斜超格子層47およびp型ZnTeよりなる
低欠陥コンタクト層48を順次成長させる。
【0056】次いで、低欠陥コンタクト層48の上に図
示しないレジスト膜を塗布し、フォトリソグラフィによ
って一対の側辺が<110>方向に平行な複数の正方形
状のマスクパターンを形成する。続いて、この図示しな
いレジスト膜をマスクとしてウエットエッチングまたは
ドライエッチングを行い、低欠陥コンタクト層48,組
成傾斜超格子層47およびZnSeキャップ層46を順
次選択的に除去して、これらを一対の側辺が<110>
方向に平行な複数の正方形状とする。そののち、全面
(すなわち低欠陥コンタクト層48などが選択的に除去
されたp型層45の上および図示しないレジスト膜の
上)に、例えば真空蒸着法により酸化アルミニウム膜を
形成し、図示しないレジスト膜をこのレジスト膜の上に
形成された酸化アルミニウム膜と共に除去して(リフト
オフ)、絶縁層49を形成する。
【0057】絶縁層49を形成したのち、例えば、真空
蒸着法により、低欠陥コンタクト層48および絶縁層4
9の上に金層を蒸着して薄膜電極50を形成する。薄膜
電極50を形成したのち、薄膜電極50の上に図示しな
いレジスト膜を塗布し、フォトリソグラフィによって低
欠陥コンタクト層48よりも若干小さい正方形状のマス
クパターンを低欠陥コンタクト層48に対応させて形成
する。そののち、全面(すなわち薄膜電極50の上およ
び図示しないレジスト膜の上)に、例えば真空蒸着法に
よりパラジウム層,白金層および金層を順次蒸着し、図
示しないレジスト膜をこのレジスト膜の上に形成された
パラジウム層,白金層および金層と共に除去して(リフ
トオフ)、p側電極51を形成する。p側電極51を形
成したのち、基板11の他面に例えば真空蒸着法により
インジウム層を蒸着してn側電極52を形成し、加熱処
理を行う。
【0058】そののち、基板41を低欠陥コンタクト層
48の正方形状の各辺と平行にそれぞれ劈開する。これ
により、図1に示したフォトダイオードが形成される。
【0059】このようにして製造したフォトダイオード
は、次のように作用する。
【0060】このフォトダイオードでは、主としてI層
44において吸収された光により電子−正孔対が発生す
ると、n側電極52とp側電極51との間に印加されて
いる電界に引かれて電子はn型層43の方へ、また、正
孔はp型層45の方へそれぞれ走行する。すなわち、n
型層43からp型層45,ZnSeキャップ層46,組
成傾斜超格子層47および低欠陥コンタクト層48をそ
れぞれ介して薄膜電極50およびp側電極51へ流れる
電流が発生する。ここでは、低欠陥コンタクト層48が
組成傾斜超格子層47に隣接して設けられ、かつ低欠陥
コンタクト層48の厚さが5nm以下と薄くなっている
ので、低欠陥コンタクト層48の欠陥密度が低く、ホー
ルトラップが少なくない。よって、高い量子効率が得ら
れる。
【0061】このように本実施の形態に係るフォトダイ
オードによれば、低欠陥コンタクト層48を組成傾斜超
格子層47に隣接して形成すると共に、低欠陥コンタク
ト層48の厚さを5nm以下とするようにしたので、低
欠陥コンタクト層48の欠陥密度を低くすることができ
る。よって、高い量子効率を得ることができると共に、
高い信頼性を得ることができる。
【0062】以上、各実施の形態を挙げて本発明を説明
したが、本発明は上記各実施の形態に限定されるもので
はなく、種々の変形が可能である。例えば、上記第1の
実施の形態においては、バッファ層12,n型クラッド
層13,第1のガイド層14,活性層15,第2のガイ
ド層16,p型クラッド層17およびZnSSeキャッ
プ層18をそれぞれ構成するII−VI族化合物半導体
について具体的な例を挙げて説明したが、本発明は、他
の適宜なII−VI族化合物半導体(すなわち、亜鉛,
マグネシウム,カドミウム,マンガン,水銀およびベリ
リウムからなる群より選ばれた少なくとも1種のII族
元素と、酸素,セレン,硫黄およびテルルからなる群よ
り選ばれた少なくとも1種のVI族元素とを含むII−
VI族化合物半導体)によってこれら各層を構成するこ
ともできる。これは第2の実施の形態におけるバッファ
層42,n型層43,I層44およびp型層45につい
ても同様である。
【0063】また、上記各実施の形態においては、半導
体レーザまたはフォトダイオードの一構成例を挙げて説
明したが、本発明は、p型ZnSeよりなるZnSeキ
ャップ層19,46と、これに隣接して設けられると共
にp型ZnTe層とp型ZnSe層とよりなる組成傾斜
超格子層20,47と、これに隣接して設けられたp型
ZnTeよりなる低欠陥コンタクト層21,48とを備
えていれば、他の構成を有する半導体レーザまたはフォ
トダイオードについても広く適用することができる。
【0064】更に、上記第1の実施の形態においては、
半導体発光素子として半導体レーザ(laser diode ;L
D)についてのみ説明したが、本発明は、発光ダイオー
ド(light emitting diode;LED)などの他の半導体
発光素子についても同様に適用することができる。加え
て、上記第2の実施の形態においては、半導体受光素子
としてフォトダイオードについてのみ説明したが、本発
明は、他の半導体受光素子についても同様に適用するこ
とができる。
【0065】更にまた、本発明は、半導体発光素子およ
び半導体受光素子に限らず、母体結晶がZnSeよりな
る第1の層と、これに隣接して設けられると共に母体結
晶がZnTeよりなるZnTe層と母体結晶がZnSe
よりなるZnSe層とを交互に積層した組成傾斜超格子
層と、これに隣接して設けられ母体結晶がZnTeより
なる第2の層とを備えた半導体素子についても広く適用
可能である。ここで、母体結晶は、第1の層,組成傾斜
超格子層および第2の層をそれぞれ構成する結晶であ
り、これにはp型不純物またはn型不純物がそれぞれ添
加されていてもよく、不純物が添加されていなくてもよ
い。
【0066】加えてまた、上記各実施の形態において
は、p型ZnSeよりなるZnSeキャップ層19,4
6にp型ZnTeよりなる低欠陥コンタクト層21,4
8を積層する場合について説明したが、本発明は、Zn
SeとZnTeのように格子定数が大きく異なる結晶を
積層する場合に広く応用することが可能である。例え
ば、母体結晶がSiよりなる第1の層に母体結晶がSi
Geよりなる第2の層を積層する場合についても、母体
結晶がSiよりなるSi層と母体結晶がGe(ゲルマニ
ウム)よりなるGe層を交互に積層した超格子層を介し
て第2の層を所定の厚さ以下で形成すれば、第2の層に
おける欠陥密度を低くすることができる。
【0067】また、母体結晶がGaAsよりなる第1の
層に母体結晶がInAsよりなる第2の層を積層する場
合についても、母体結晶がGaAsよりなるGaAs層
と母体結晶がInAsよりなるInAs層を交互に積層
した超格子層を介して第2の層を所定の厚さ以下で形成
すれば、第2の層における欠陥密度を低くすることがで
きる。更に、母体結晶がGaNよりなる第1の層に母体
結晶がInNよりなる第2の層を積層する場合について
も、母体結晶がGaNよりなるGaN層と母体結晶がI
nNよりなるInN層を交互に積層した超格子層を介し
て第2の層を所定の厚さ以下で形成すれば、第2の層に
おける欠陥密度を低くすることができる。
【0068】更にまた、上記各実施の形態においては、
各II−VI族化合物半導体層を成長させる際にMBE
法を用いる場合について説明したが、MOCVD(Meta
l Organic Chemical Vapor Deposition )法などを用い
るようにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の半導
体素子によれば、組成傾斜超格子層を介して第2の層を
形成すると共に、第2の層の厚さを5nm以下とするよ
うにしたので、第2の層の欠陥密度を低くすることがで
き、素子の特性を向上させることができるという効果を
奏する。
【0070】また、請求項2記載の半導体発光素子によ
れば、低欠陥コンタクト層を組成傾斜超格子層に隣接し
て形成すると共に、低欠陥コンタクト層の厚さを5nm
以下とするようにしたので、低欠陥コンタクト層の欠陥
密度を低くすることができ、特に、通電直後における動
作電圧の上昇を抑制することができる。よって、動作電
圧が低くなり、素子の寿命を延長させることができると
共に、良好な特性を得ることができ、信頼性も向上させ
ることができるという効果を奏する。
【0071】更に、請求項3記載の半導体受光素子によ
れば、低欠陥コンタクト層を組成傾斜超格子層に隣接し
て形成すると共に、低欠陥コンタクト層の厚さを5nm
以下とするようにしたので、低欠陥コンタクト層の欠陥
密度を低くすることができる。よって、高い量子効率を
得ることができると共に、高い信頼性を得ることができ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザ
の構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した半導体レーザの組成傾斜超格子層
および低欠陥コンタクト層の一部を拡大して表す断面図
である。
【図3】低欠陥コンタクト層の厚さと格子緩和度の差R
diffとの関係を表す特性図である。
【図4】図1に示した半導体レーザにおける動作電圧の
経時変化を従来の半導体レーザと比較して表す特性図で
ある。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るフォトダイオ
ードの構成を表す断面図である。
【図6】従来の半導体発光素子を説明するための断面図
である。
【符号の説明】
11,41…基板、12,42…バッファ層、13…n
型クラッド層、14…第1のガイド層、15…活性層、
16…第2のガイド層、17…p型クラッド層、18…
ZnSSeキャップ層、19…ZnSeキャップ層、2
0,47…組成傾斜超格子層、21,48…低欠陥コン
タクト層、22,49…絶縁層、23,51…p側電
極、24,52…n側電極、31,131…積層欠陥、
43…n型層、44…I層、45…p型層、46…キャ
ップ層、50…薄膜電極、120…超格子層、121…
コンタクト層、130…不一致転位、132…貫通転位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山 浩之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 谷口 理 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 塚本 弘範 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5F041 AA24 CA03 CA04 CA35 CA41 CA43 CA44 CA82 CA92 5F073 AA45 AA73 BA06 CA22 CB02 CB10 CB22 DA06 EA28

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母体結晶がZnSeよりなる第1の層
    と、 この第1の層に隣接して設けられると共に、母体結晶が
    ZnTeよりなるZnTe層と母体結晶がZnSeより
    なるZnSe層とが交互に2層づつ以上積層され、各Z
    nTe層または各ZnSe層の少なくとも一方の厚さが
    積層方向において変化することにより組成に傾斜を有す
    る組成傾斜超格子層と、 この組成傾斜超格子層に隣接して設けられ、母体結晶が
    ZnTeよりなり厚さが5nm以下の第2の層とを備え
    たことを特徴とする半導体素子。
  2. 【請求項2】 亜鉛(Zn),マグネシウム(Mg),
    ベリリウム(Be),カドミウム(Cd),マンガン
    (Mn)および水銀(Hg)からなる群のうちの少なく
    とも1種のII族元素と、酸素(O),硫黄(S),セ
    レン(Se)およびテルル(Te)からなる群のうちの
    少なくとも1種のVI族元素とを含むII−VI族化合
    物半導体よりそれぞれなるn型クラッド層,活性層,p
    型クラッド層が少なくとも順次積層され、p型クラッド
    層に対してp側電極が電気的に接続された半導体発光素
    子であって、 前記p型クラッド層と前記p側電極との間に設けられ、
    p型ZnSeよりなるZnSeキャップ層と、 このZnSeキャップ層に隣接して前記ZnSeキャッ
    プ層と前記p側電極との間に設けられると共に、p型Z
    nTe層とp型ZnSe層とが交互に2層づつ以上積層
    され、各p型ZnTe層または各p型ZnSe層の少な
    くとも一方の厚さが積層方向において変化することによ
    り組成に傾斜を有する組成傾斜超格子層と、 この組成傾斜超格子層に隣接して前記組成傾斜超格子層
    と前記p側電極との間に設けられ、p型ZnTeよりな
    り厚さが5nm以下の低欠陥コンタクト層とを備えたこ
    とを特徴とする半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 亜鉛(Zn),マグネシウム(Mg),
    ベリリウム(Be),カドミウム(Cd),マンガン
    (Mn)および水銀(Hg)からなる群のうちの少なく
    とも1種のII族元素と、酸素(O),硫黄(S),セ
    レン(Se)およびテルル(Te)からなる群のうちの
    少なくとも1種のVI族元素とを含むII−VI族化合
    物半導体よりそれぞれなるn型層,I層,p型層が少な
    くとも順次積層され、p型層に対してp側電極が電気的
    に接続された半導体受光素子であって、 前記p型層と前記p側電極との間に設けられ、p型Zn
    SeよりなるZnSeキャップ層と、 このZnSeキャップ層に隣接して前記ZnSeキャッ
    プ層と前記p側電極との間に設けられると共に、p型Z
    nTe層とp型ZnSe層とが交互に2層づつ以上積層
    され、各p型ZnTe層または各p型ZnSe層の少な
    くとも一方の厚さが積層方向において変化することによ
    り組成に傾斜を有する組成傾斜超格子層と、 この組成傾斜超格子層に隣接して前記組成傾斜超格子層
    と前記p側電極との間に設けられ、p型ZnTeよりな
    り厚さが5nm以下の低欠陥コンタクト層とを備えたこ
    とを特徴とする半導体受光素子。
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