JPH06164057A - 半導体レーザおよびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザおよびその製造方法

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JPH06164057A
JPH06164057A JP31520392A JP31520392A JPH06164057A JP H06164057 A JPH06164057 A JP H06164057A JP 31520392 A JP31520392 A JP 31520392A JP 31520392 A JP31520392 A JP 31520392A JP H06164057 A JPH06164057 A JP H06164057A
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gaas
semiconductor laser
substrate
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JP31520392A
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Akira Furuya
章 古谷
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 II−VI族化合物半導体レーザとその製造
方法に関し、p型GaAs基板とp型クラッド層のヘテ
ロ接合界面で生じる大きな価電子帯不連続を緩和して、
低電圧動作できるII−VI族化合物半導体レーザを提
供することを目的とする。 【構成】 GaAsよりも禁制帯幅の広いII−VI族
化合物半導体層を含んで形成されたダブルヘテロ接合構
造と、基板またはコンタクト層を構成するp型GaAs
層と、前記ダブルヘテロ接合構造と前記p型GaAs層
との間に配置され、GaAsと前記II−VI族化合物
半導体との中間のバンドギャップを有し、GaAsとほ
ぼ格子整合し、p型Alx Ga1-x As、p型(Aly
Ga1-y 0.5 In0.5 Pの少なくとも一種で形成され
たバッファ層を含む中間層とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体レーザに関し、特
にII−VI族化合物半導体レーザとその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】コンパクトで長寿命の半導体レーザは、
光通信分野のみならず情報処理分野で広く利用されてい
る。特に、後者の場合、市場の拡大が著しいが、半導体
レーザの特性改善に要求される重要な因子として、短波
長化が挙げられる。たとえば光ディスク等の記録密度を
取り上げると、集光レンズによるスポット径がλに比例
するため、短波長化によって記録密度が(1/λ2 )に
比例して向上する。
【0003】III−V族化合物半導体を活性層に用い
た半導体レーザは、AlGaInP系の黄緑色発光が最
短波長であり、青色領域には届かない。このため、II
−VI族化合物半導体を活性層材料に用いた青色発光半
導体レーザの開発に力が注がれている。
【0004】注入発光を行なうII−VI族化合物半導
体レーザにおいては、通電時の発熱損失を抑制するため
に、十分低抵抗化できる基板材料が必要とされ、通常G
aAs基板が選定される。
【0005】基板をGaAsで形成し、コンタクト層を
II−VI族化合物半導体で形成する場合、コンタクト
層をn型、基板をp型とするのが低抵抗化のために便宜
である。また、注入キャリアの再結合により、青色発光
を生じる活性層はCdZnSeとし、これを両側からZ
nSeで挟む構造がしばしば採用される。
【0006】図3は、従来例による青色発光半導体レー
ザの積層構造断面図と基板/クラッド層界面領域のエネ
ルギバンド構造を示す。図3(A)は、基板31と第1
のクラッド層33との間に、バッファ層32としてp型
InGaAs層が介在する例を示す。
【0007】基板31としてp型GaAsウエハが用い
られ、その上にp型InGaAsのバッファ層32、p
型ZnSeの第1のクラッド層33を含むダブルヘテロ
接合構造が形成されている。
【0008】ダブルヘテロ接合構造内においては、第1
のクラッド層33はp型ZnSe層であり、その上に量
子井戸活性層34としてCd0.17Zn0.83Se層、さら
にその上に、第2のクラッド層35としてn型ZnSe
層が配置されている。
【0009】n型ZnSe層の上には、ストライプ電極
を形成するためのSiO2 マスク36が配置され、その
上にn層電極37としてAuが蒸着されている。また、
基板31の裏面には、p層電極38としてAuが蒸着さ
れている。
【0010】この従来例で用いられているp型InGa
Asバッファ層32は、基板31と第1のクラッド層3
3の間の格子不整を緩和する目的で設けられている。組
成はIn0.1 Ga0.9 As等が用いられている。
【0011】Cd0.17Zn0.83Se/ZnSeヘテロ接
合は、格子不整合なので量子井戸活性層34は歪量子井
戸層となる。歪を許容できる臨界膜厚は約230Aなの
で、通常Cd0.17Zn0.83Se層の膜厚は数十Aに選択
される。
【0012】図3(B)は、別のタイプの従来例による
半導体レーザの断面構造を示す。この半導体レーザにお
いても、Cd0.17Zn0.83Se層からなる量子井戸活性
層44と、これを挟むZnSe層43、45によるダブ
ルヘテロ構造が用いられている。ただし、この場合、p
型ZnSe層およびn型ZnSe層は、それぞれ第1の
光ガイド層43および第2の光ガイド層45として働
く。
【0013】光ガイド層43、45を挟んで、第1およ
び第2のクラッド層42、46が配置されている。第1
および第2のクラッド層42、46は、GaAsにほぼ
格子整合したp型ZnS0.06Se0.94層およびn型Zn
0.06Se0.94層で構成されている。
【0014】基板41としては、図3(A)の例同様、
p型GaAsウエハが用いられている。また、第2のク
ラッド層46の上には、コンタクト層47としてn型Z
nSe層が配置されている。
【0015】この半導体レーザにおいても、SiO2
スク48による上部電極狭窄が行なわれている。n層電
極49、p層電極50は、Au等の金属蒸着膜である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】図3(A)および
(B)に示したp型GaAs基板を用いた従来の半導体
レーザでは、上部ストライプ電極側でのコンタクト抵抗
は改善されている。しかし、InGaAs/ZnSeま
たはGaAs/ZnSSeのヘテロ接合においては、界
面で生じる価電子帯の不連続(ΔEv )が伝導帯の不連
続(ΔEc )より大きくなる。
【0017】図3(C)は、図3(B)で示した層構造
を持つ半導体レーザの基板/クラッド層間、すなわち、
p型GaAs/p型ZnS0.06Se0.94ヘテロ接合のエ
ネルギバンド構造を示す。ΔEv >ΔEc であり、ΔE
v はほぼ1eVの大きさとなる。
【0018】この大きな価電子帯の不連続は、p型Ga
As基板41からp型クラッド層42へ正孔を注入する
時、大きな電位障壁を形成する。図3(A)の半導体レ
ーザの場合もほぼ同じことがいえる。この結果、半導体
レーザのストライプ電極側のコンタクト抵抗が低減した
にもかかわらず、なおレーザ素子の立ち上がり電圧は2
0V程度にしか改善されない。
【0019】本発明の目的は、p型GaAs基板とp型
クラッド層のヘテロ接合界面で生じる大きな価電子帯不
連続を緩和して、低電圧動作できるII−VI族化合物
半導体レーザを提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ
は、GaAsよりも禁制帯幅の広いII−VI族化合物
半導体層を含んで形成されたダブルヘテロ接合構造と、
基板またはコンタクト層を構成するp型GaAs層と、
前記ダブルヘテロ接合構造と前記p型GaAs層との間
に配置され、GaAsと前記II−VI族化合物半導体
との中間のバンドギャップを有し、GaAsとほぼ格子
整合し、p型Alx Ga1-x As、p型(Aly Ga
1-y 0.5 In0.5 Pの少なくとも一種で形成されたバ
ッファ層を含む中間層とを有する。
【0021】また、本発明の半導体レーザの製造方法
は、p型GaAs基板上に、GaAsと所定II−VI
族化合物半導体との中間のバンドギャップを有し、Ga
Asとほぼ格子整合し、p型Alx Ga1-x As、p型
(Aly Ga1-y 0.5 In0. 5 Pの少なくとも一種で
形成されたバッファ層を含む中間層を結晶成長させる工
程と、続いて、前記中間層上にAlを含まない材料のキ
ャップ層を堆積する工程と、前記キャップ層を真空容器
中で除去し、前記中間層を露出させる工程と、続いて、
前記中間層上に前記所定II−VI族化合物半導体の層
を含むダブルヘテロ接合構造を結晶成長させる工程とを
含む。
【0022】
【作用】GaAsよりも禁制帯幅の大きいII−VI族
化合物半導体と、p型GaAs層を直接接合すると、そ
の界面における価電子帯の不連続は大きな電位障壁を形
成してしまうが、その中間に中間のバンドギャップを有
するバッファ層を介在させることにより、価電子帯の不
連続が緩和される。バッファ層は、p型Alx Ga1-x
As、p型(Aly Ga1-y 0.5 In0.5 Pの少なく
とも一種を用いて形成される。
【0023】p型Alx Ga1-x As、p型(Aly
1-y 0.5 In0.5 Pの少なくとも一種を用いてバッ
ファ層を形成した後、同一装置内でII−VI族化合物
半導体層を含むダブルヘテロ接合を形成することは好ま
しくない。
【0024】II−VI族化合物とIII−V族化合物
は互いに電気的不純物となり、同一装置内で成長する
と、意図しない不純物ドープが避けにくい。このため、
結晶層の性質を変化させてしまう一方、Alを含む化合
物を表面に露出して大気中に取り出すと、酸化を防止す
ることは困難である。表面が酸化すれば、電気的、結晶
的特性が劣化してしまう。
【0025】バッファを含む中間層を結晶成長させた
後、続いて中間層上にAlを含まない材料のキャップ層
を堆積することにより、Alを含む中間層は被覆され、
外気の元に取り出しても変化を受けないようになる。
【0026】その後、別の装置に搬入し、キャップ層を
真空容器中で除去し、中間層上にII−VI族化合物半
導体の層を含むダブルヘテロ接合構造を結晶成長させる
ことにより、清浄な表面を有するバッファ層上にダブル
ヘテロ接合を形成することができる。
【0027】
【実施例】図1は、本発明の基本構成を説明するための
図である。図1(A)は、半導体レーザ用の半導体積層
構造を示している。p型GaAs単結晶ウエハからなる
基板1とp型ZnS0.6 Se0.94層からなる第1のクラ
ッド層3との間に、ヘテロ接合界面での価電子帯の大き
な不連続を緩和できるバッファ層2が挿入されている。
【0028】バッファ層2は、傾斜組成層からなり、p
型のAlx Ga1-x As層2aおよび/またはp型の
(Aly Ga1-y 0.5 In0.5 P層2bの積層を有す
る。第1のクラッド層3は、p型のZnS0.6 Se0.94
層である。
【0029】この上に歪量子井戸構造のCd0.17Zn
0.83Se薄層からなる活性層4を配置し、活性層4上に
第2のクラッド層5であるn型ZnS0.6 Se0.94層を
配置すれば、ダブルヘテロ構造が得られる。
【0030】活性層4を挟むダブルヘテロ構造は、図1
(A)に点線で図示したZnSeの光ガイド層7、8に
よっても構成することができる。この場合、光ガイド層
7、8の外側にクラッド層3、5が配置されることにな
る。第2のクラッド層5上には、コンタクト層6として
n型ZnSe層が配置されている。
【0031】なお、全体の構成を上下逆にして、ダブル
ヘテロ接合の上側をp型領域とし、その上にp型GaA
sのコンタクト層を形成することもできる。p型GaA
sとp型ZnSSe層ないしp型ZnSe層との間の接
触構造としては、同様の構成となる。この場合、以下の
説明においては、GaAs基板をGaAs層と読み換え
ればよい。
【0032】図1(B)は、バッファ層2の役割を説明
するためのヘテロ接合のエネルギバンド図である。図1
(B)では、バッファ層2は基板1に接したp型Alx
Ga 1-x As層からなる傾斜組成層2aと、2aに接し
たp型(Aly Ga1-y 0. 5 In0.5 P層からなる傾
斜組成層2bとで構成されている。
【0033】組成傾斜層2a、2bの組成比x、yは、
それぞれ厚みと共にゼロから単調に増大する。勿論、階
段状に増大させる等、別のプロフィルを設定することも
可能である。
【0034】図1(B)によれば、GaAs/ZnSS
eヘテロ接合界面で価電子帯に生じる大きな不連続ΔE
v (図3参照)は、基板1/傾斜組成層2aヘテロ接
合、傾斜組成層2a内部、傾斜組成層2a/傾斜組成層
2bヘテロ接合、傾斜組成層2b内部および傾斜組成層
2b/第1のクラッド層3ヘテロ接合に分割される。
【0035】各界面での不連続ΔEv は、kTオーダ程
度に小さくすることができる。この結果、各ヘテロ接合
界面に印加される電圧を低減することができ、総合的に
従来より低い動作電圧で半導体レーザを駆動し得る。
【0036】なお、p型GaAs層の上に、直接(Al
y Ga1-y 0.5 In0.5 P層を形成すると、界面の不
連続ΔEv は0.3eV程度となる。これでも従来と較
べると、電位障壁は大幅に減少している。Alx Ga
1-x As層の上に直接ZnSSe層を形成する場合も同
様である。
【0037】また、図1(A)で示す積層構造を堆積さ
せる際、まずIII−V族化合物半導体成長装置内でバ
ッファ層2を基板1上にエピタキシャル成長後、その上
にキャップ層9(図示せず)を成長させて、一旦成長装
置外に試料を取り出す。
【0038】次に、II−VI族化合物半導体成長装置
内に試料を移動させて、キャップ層9をドライエッチン
グし、しかる後、バッファ層2上にII−VI族化合物
半導体各層を堆積する。成長装置は、分子線成長(MB
E)装置や有機金属気相成長(MOCVD)装置等を用
いることができる。
【0039】III−V族化合物半導体とII−VI族
化合物半導体とを、別の成長装置内で堆積することによ
って、成長装置の大型化、複雑化および相互不純物汚染
を避けることができる。試料を装置間移動させる際に問
題となるAl化合物の酸化反応は、キャップ層9で防止
することができる。この結果、比較的安価に高品位の半
導体レーザ用積層構造を得ることができる。
【0040】以下、より具体的な実施例についてより詳
しく述べる。図2は、実施例による半導体レーザの主要
製造工程を示す断面図である。まず、p型GaAs単結
晶ウエハからなる基板11の(100)面を化学研磨処
理後、III−V族化合物半導体薄膜成長用のMBE装
置(図示せず)内に導入する。
【0041】熱処理後、図2(A)に示すように、基板
11表面にIII−V族化合物半導体を積層する。すな
わち、基板11上に、まずZnドープ、キャリア濃度1
×1018cm-3のp型Alx Ga1-x As層からなる傾
斜組成層12aを500Aの厚みに成長させる。この
時、混晶比xは基板11表面に接する領域のx=0から
厚さ500Aの位置のx=0.6まで単調に増加させ
る。
【0042】次に、ソースを一部切り換えて、この上に
Znドープ、キャリア濃度(1×1018cm-3のp型
(Aly Ga1-y 0.5 In0.5 P層からなる傾斜組成
層12bを厚さ500A成長させる。この場合も混晶比
yはAl0.6 Ga0.4 As層に接する位置でy=0と
し、厚みと共に単調にy=0.7まで増加させる。傾斜
組成層12aと12bの界面においては、Al0.6 Ga
0.4 AsとGa0.5 In0. 5 Pが接する。
【0043】周知のように、Alx Ga1-x AsはGa
Asにほぼ格子整合し、また(Al y Ga1-y 0.5
0.5 PもほぼGaAsに格子整合する。いずれの混晶
においても、前記組成範囲で混晶比増大と共にバンドギ
ャップは単調に増加する。
【0044】(Aly Ga1-y 0.5 In0.5 Pにおい
ては、0≦y≦0.7の組成範囲で直接遷移型バンド構
造を有し、(Al0.7 Ga0.3 0.5 In0.5 Pのバン
ドギャップEgは2.32eVとなる。
【0045】図1(B)に示すように、傾斜組成層12
a、12b内では、基板から離れるにしたがってバンド
ギャップが増大するようになっている。傾斜組成層12
aと12bとでバッファ層12を構成する。
【0046】バッファ層12の上には、キャップ層20
としてZnドープ、キャリア濃度1×1018cm-3のp
型GaAs層を300A程度堆積させる。次に、試料を
III−V族化合物成長用MBE装置から外部に取出
し、II−VI族化合物薄膜成長用MBE装置に移動す
る。移動過程で試料表面は空気に曝されるが、表面はG
aAsであるため、内側のAl化合物混晶は酸化される
ことなく安定である。
【0047】次に、図2(B)に示すように、試料をま
ずII−VI族化合物半導体用MBE装置の準備室に導
入し、真空排気後表面のキャップ層をプラズマエッチン
グする。このプラズマエッチングにはCl2 ガスを用い
ればよい。あるいは熱エッチングでGaAs層を除去す
ることも可能である。下層のAl化合物混晶からなるバ
ッファ層12が、エッチングストッパとして働く。
【0048】なお、キャップ層20はp型GaAs層で
はなく、p型またはアンドープのIn0.5 Ga0.5 P層
を用いて形成することもできる。この場合の選択ドライ
エッチングは、HClガスプラズマを利用して行なうこ
とができる。キャップ層20をドライエッチングすれ
ば、試料表面には清浄なバッファ層12が露呈する。
【0049】次に、図2(C)に示すように、試料をM
BE装置の準備室(プラズマエッチング室)から成長室
に移動させる。この工程は、真空を破ることなく行なう
ことができるので、バッファ層12表面は清浄のまま保
たれる。
【0050】成長室内では、II−VI族化合物半導体
の積層を行なう。まず、バッファ層12上に活性窒素ド
ープ、キャリア濃度8×1017cm-3のp型ZnS0.06
Se 0.94層からなる厚さ1.5μmの第1のクラッド層
13を積層する。
【0051】次に、活性窒素ドープ、キャリア濃度4×
1017cm-3のp型ZnSe層からなる第1の光ガイド
層17を厚さ400Aに、その上にアンドープのCd
0.17Zn0.83Se層からなる歪量子井戸活性層14を厚
さ60〜80Aに、その上に塩素ドープ、キャリア濃度
5×1017cm-3のn型ZnSe層からなる第2の光ガ
イド層18を厚さ400Aに、その上に塩素ドープ、キ
ャリア濃度7×1017cm-3のn型ZnS0.06Se0.94
層からなる第2のクラッド層15を厚さ1μmに、そし
てその上に塩素ドープ、キャリア濃度2×1018cm-3
のn型ZnSe層からなるコンタクト層16を300A
の厚さに連続的に堆積する。
【0052】得られた半導体積層構造をMBE装置から
取出し、コンタクト層16表面にSiO2 膜を堆積後、
ホトリソグラフィとエッチングを用いて幅5μmのスト
ライプ状穴あけを行ない、SiO2 ストライプマスク2
2を形成する。
【0053】その後、その上にAuを蒸着してn層電極
21とする。厚さ約100μmにラッピングされた基板
11裏面には、p層電極19としてAuを蒸着する。半
導体レーザ素子は、幅300μm、長さ300nμm程
度のサイズにへき開して作られる。このようにして、青
色発光半導体レーザが形成される。
【0054】上記した工程で、III−V族化合物半導
体のバッファ層12上に、堆積した各II−VI族化合
物半導体層は、いずれも閃亜鉛鉱型結晶構造をとり、エ
ピタキシャルに成長する。
【0055】以上の実施例で、基板11と第1のクラッ
ド層13との間の価電子帯の大きな不連続ΔEv は、各
バッファ層12a、12bにおける価電子帯勾配と各ヘ
テロ接合とによって分割されるため、1ヶ所に大きな電
位障壁が形成されることはなくなる。たとえば、基板1
1と傾斜組成層12aおよび傾斜組成層12aと12b
の間のヘテロ接合でΔEv の値を十分小さくすることが
できる。
【0056】なお、組成を一定値としたり、階段的変化
としても、各電位障壁の値が小さくなることにより、接
続抵抗を低減することができる。この結果、動作電圧の
より低い半導体レーザが得られる。
【0057】前記実施例では、バッファ層12が2つの
傾斜組成層12a、12bからなる場合について述べた
が、どちらか一方のみを用いることもできる。要は、バ
ンドギャップがGaAsとII−VI族化合物半導体の
中間になるように、組成変化させたGaAsと格子整合
する混晶であればよい。また、光ガイド層17、18は
省略することも可能である。
【0058】また、構成を上下反転し、p型GaAs基
板の代わりに、p型GaAs層を用いてもよい。さら
に、結晶成長方法はMBE法以外にも、たとえば減圧M
OCVD法、ガスソースMBE法等を用いることもでき
る。
【0059】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者
に自明であろう。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
GaAs基板とII−VI族化合物半導体クラッド層間
で生じる大きな価電子帯不連続ΔEv を緩和することが
できる。また、製造装置を大型化、複雑化することなく
III−V族、II−VI族半導体の積層構造を得るこ
とができる。
【0061】この結果、動作電圧の比較的低いII−V
I族化合物半導体レーザを、比較的安価に製造すること
ができると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を説明する図である。図1
(A)は半導体レーザの積層構造を示す断面図であり、
図1(B)は基板と第1のクラッド層間のエネルギバン
ド図を示す。
【図2】実施例による半導体レーザの主要製造工程を示
す断面図である。
【図3】従来例による半導体レーザ層構造を示す。図3
(A)および(B)は断面図、図3(C)は基板/クラ
ッド層エネルギバンド図である。
【符号の説明】
1 基板(p型GaAs単結晶ウエハ) 2 バッファ層 2a 傾斜組成層(p型Alx Ga1-x As層) 2b 傾斜組成層(p型(Aly Ga1-y 0.5 In
0.5 P層) 3 第1のクラッド層(p型ZnS0.6 Se0.94層) 4 活性層(Cd0.17Zn0.83Se薄層) 5 第2のクラッド層(n型ZnS0.06Se0.94層) 6 コンタクト層(n型ZnSe層) 7 第1の光ガイド層(p型ZnSe層) 8 第2の光ガイド層(n型ZnSe層) 11 基板(p型GaAs層) 12 バッファ層 12a 傾斜組成層(p型Alx Ga1-x As層) 12b 傾斜組成層(p型(Aly Ga1-y 0.5 In
0.5 P層) 13 第1のクラッド層(p型ZnS0.06Se0.94層) 14 量子井戸活性層(Cd0.17Zn0.83S層) 15 第2のクラッド層(n型ZnS0.06Se0.94層) 16 コンタクト層(n型ZnSe層) 17 第1の光ガイド層(p型ZnSe層) 18 第2の光ガイド層(n型ZnSe層) 19 p層電極(Au) 20 キャップ層(p型GaAs層) 21 n層電極(Au) 22 SiO2 ストライプマスク 31、41 基板(p型GaAsウエハ) 32 バッファ層(p型InGaAs層) 33 第1のクラッド層(p型ZnSe層) 34、44 量子井戸活性層(Cd0.17Zn0.83Se
層) 35 第2のクラッド層(n型ZnSe層) 36、48 SiO2 マスク 37、49 n層電極(Au) 38、50 p層電極(Au) 42 第1のクラッド層(p型ZnS0.06Se0.94層) 43 第1の光ガイド層(p型ZnSe層) 45 第2の光ガイド層(n型ZnSe層) 46 第2のクラッド層(n型ZnS0.06Se0.94層) 47 コンタクト層(n型ZnSe層)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaAsよりも禁制帯幅の広いII−V
    I族化合物半導体層を含んで形成されたダブルヘテロ接
    合構造(3、4、5)と、 基板またはコンタクト層を構成するp型GaAs層
    (1)と、 前記ダブルヘテロ接合構造と前記p型GaAs層との間
    に配置され、GaAsと前記II−VI族化合物半導体
    との中間のバンドギャップを有し、GaAsとほぼ格子
    整合し、p型Alx Ga1-x As、p型(Aly Ga
    1-y 0.5 In0. 5 Pの少なくとも一種で形成されたバ
    ッファ層を含む中間層(2)とを有する半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 前記バッファ層の組成x、yが、p型G
    aAs層側からダブルヘテロ接合構造側に向かってほぼ
    単調増大する請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 p型GaAs基板上に、GaAsと所定
    II−VI族化合物半導体との中間のバンドギャップを
    有し、GaAsとほぼ格子整合し、p型Al x Ga1-x
    As、p型(Aly Ga1-y 0.5 In0.5 Pの少なく
    とも一種で形成されたバッファ層を含む中間層を結晶成
    長させる工程と、 続いて、前記中間層上にAlを含まない材料のキャップ
    層を堆積する工程と、 前記キャップ層を真空容器中で除去し、前記中間層を露
    出させる工程と、 続いて、前記中間層上に前記所定II−VI族化合物半
    導体の層を含むダブルヘテロ接合構造を結晶成長させる
    工程とを含む半導体レーザの製造方法。
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