JP2000022228A - 積層型圧電アクチュエータ - Google Patents

積層型圧電アクチュエータ

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JP2000022228A
JP2000022228A JP10183941A JP18394198A JP2000022228A JP 2000022228 A JP2000022228 A JP 2000022228A JP 10183941 A JP10183941 A JP 10183941A JP 18394198 A JP18394198 A JP 18394198A JP 2000022228 A JP2000022228 A JP 2000022228A
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誠 東別府
Katsuhiko Onizuka
克彦 鬼塚
Tomohiro Kawamoto
智裕 川元
Takeshi Setoguchi
剛 瀬戸口
Koki Ashida
幸喜 芦田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高印加電圧での駆動や、高温雰囲気での駆動、
高荷重印加状態での駆動においても、圧電板と金属薄板
との剥離がなく、かつ変位量の低下を防止できる積層型
圧電アクチュエータを提供する。 【解決手段】複数の圧電板11と複数の金属薄板13と
を交互に積層し、圧電板11と金属薄板13とを金属と
ガラスを主成分とする導電性接着剤14により加熱接合
してなるとともに、金属薄板13を交互に電気的に接続
した積層型圧電アクチュエータにおいて、金属薄板13
をFeとNiを主成分とする合金により形成し、金属薄
板13と導電性接着剤14との界面にFeとSiを含有
する複合酸化物からなる酸化防止膜17を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層型圧電アクチ
ュエータに係わり、例えば、光学装置等の精密位置決め
装置や振動防止用の駆動素子、自動車用エンジンの燃料
噴射用の駆動素子等に使用される積層型圧電アクチュエ
ータに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、電極が形成された圧電板を複数
枚積層した積層型圧電アクチュエータが知られていた。
このような積層型圧電アクチュエータは、圧電板に電圧
を印加して逆圧電効果によって圧電板を数〜数十μm伸
長させ、アクチュエータの駆動力源とするものである。
【0003】そして、近年の積層型圧電アクチュエータ
では、大きな変位量を確保し、更により早い駆動を行う
ため、 高電圧を高周波数で印加することが行われてい
る。また、使用環境条件においては高温雰囲気や高荷重
状態で使用される積層型圧電アクチュエータが開発され
ている。
【0004】積層型圧電アクチュエータとしては同時焼
成タイプがあり、このような同時焼成タイプの積層型圧
電アクチュエータは、圧電板の厚みを薄く作製すること
が比較的容易であり、印加電界を高くできるために低電
圧高変位が可能であるが、圧電板材料(例えば、Pb
(Zr,Ti)O3 等のセラミックスからなる)と同時
焼成を行なうための内部電極材料としては、PdやPt
等の貴金属を使用する必要があり、積層数が増すにした
がってコスト高になるという問題があった。
【0005】そこで、従来、コスト低減を図るために、
両面にAgとガラスからなる金属電極を形成した圧電板
を複数積層するとともに、金属電極間に金属薄板を配置
し、圧電板同士を加熱接合し、これらの金属薄板の接続
用突起部を圧電板の外周面に対して所定の空隙を残すよ
うに軸方向に折り曲げ、同一極性の接続用突起部を重な
り合わせて導通させた積層型圧電アクチュエータが開発
されている。このような積層型圧電アクチュエータの金
属薄板の材料としては、Ag、Ni、Cu、SUSなど
が用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属薄
板としてAgを用いた場合には貴金属であるため、積層
型圧電アクチュエータ自体が高価になるという問題があ
った。
【0007】また、金属薄板としてNi、Cuを用いた
場合には安価に積層型圧電アクチュエータを製造できる
ものの、圧電板と金属薄板とをAgとガラス(SiO2
含有)からなる導電性接着剤により加熱接合すると、金
属薄板の表面層にNiOやCuOなどの酸化絶縁層が生
じ、このような酸化物は導電性接着剤との密着性が不十
分であり、金属薄板と圧電板とが剥離し易いという問題
があった。
【0008】即ち、金属薄板の表面層にNiOやCuO
が形成されると、加熱接合時においてガラス接合がしに
くくなり、導電性接着剤との密着性が不十分となり、金
属薄板と圧電板とが剥離しやすいという問題があった。
【0009】また、NiOやCuOなどの酸化絶縁層は
温度に対して不安定であり保護性の皮膜を形成しないた
め、導電性接着剤中のSiO2 による金属薄板の酸化が
経時的に進行していき、圧電板と金属薄板との間に電気
的な導通不良を生じたり、電圧印加時に電圧降下が生じ
て変位量が低下するという問題があった。このような金
属薄板の酸化は高温雰囲気(25〜200℃)になると
さらに助長されるため、金属薄板の電気抵抗も高くな
り、駆動時の変位量が急激に低下するという問題があっ
た。
【0010】さらに、金属薄板としてSUS(Fe−C
r−Ni)を用いた場合には安価に積層型圧電アクチュ
エータを製造できるものの、Agとガラスからなる導電
性接着剤とSUSとの熱膨張のミスマッチにより加熱接
合時に剥離が発生するという問題があった。
【0011】一方、上記問題を解決するため、特開平3
−76175号では、Ag電極を焼き付けた圧電板と、
Fe−Ni系合金の金属薄板とをエポキシ接着剤で接着
した圧電アクチュエータが開示されている。
【0012】しかしながら、このような積層型圧電アク
チュエータでは、エポキシ接着剤により圧電板と金属薄
板とを接合しているため、繰り返し電圧駆動していくと
圧電板と電極薄板とが剥離してしまうという問題があっ
た。また、エポキシ接着剤は、圧電板および金属薄板に
比べて剛性が低いため、高荷重を印加した場合の駆動や
温度が高い雰囲気での駆動においては変位量が低下して
しまうという問題があった。
【0013】本発明は、高印加電圧での駆動や、高温雰
囲気での駆動、高荷重印加状態での駆動においても、圧
電板と金属薄板との剥離がなく、かつ変位量の低下を防
止できる積層型圧電アクチュエータを提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型圧電アク
チュエータは、複数の圧電板と複数の金属薄板とを交互
に積層し、前記圧電板と前記金属薄板とを金属とガラス
を主成分とする導電性接着剤により加熱接合してなると
ともに、前記金属薄板を交互に電気的に接続した積層型
圧電アクチュエータにおいて、前記金属薄板をFeとN
iを主成分とする合金により形成してなるものである。
金属薄板と導電性接着剤との界面にFeとSiを含有す
る複合酸化物からなる酸化防止膜が形成されている。
【0015】また、金属薄板の両面に金属メッキ膜が形
成されていても良い。この場合には、金属薄板と金属メ
ッキ膜との間に、前記金属薄板の金属元素と前記金属メ
ッキ膜の金属元素とを含有する複合酸化物からなる酸化
防止膜が形成されている。
【0016】
【作用】本発明の積層型圧電アクチュエータでは、Fe
とNiを主成分とする合金からなる金属薄板と、圧電板
とを、ガラスフリットを含有した金属ペースト(導電性
接着剤)を用いて一定条件で加熱接合すると、金属薄板
と導電性接着剤との界面に、それぞれの金属元素である
FeとSiを含有する複合酸化物、例えばシリケート
(Fe2 SiO4 )からなる酸化防止膜が生成され、こ
の酸化防止膜は酸化に対して保護性の膜であるため、導
電性接着剤中のSiO2 による金属薄板の経時的な酸化
を抑制でき、変位量の低下が抑制されるとともに、酸化
防止膜により金属薄板と導電性接着剤との密着性が高く
なるため、高印加電圧での駆動や、高温雰囲気での駆
動、高荷重印加状態での駆動においても、圧電板と金属
薄板との剥離が抑制される。
【0017】また、表面に、例えば、Cr、Alなどの
金属メッキ膜が施されたFeとNiを主成分とする合金
からなる金属薄板と、圧電板とを、ガラスフリットを含
有した金属ペースト(導電性接着剤)を用いて一定条件
下で加熱接合すると、金属薄板と金属メッキ膜との界面
に、それぞれの金属であるFeおよび/またはNiと、
Crおよび/またはAlを含有する複合酸化物、例えば
FeCrO4 や、NiCrO4 からなる酸化防止膜が生
成され、この酸化防止膜は酸化に対して保護性の膜であ
るため、導電性接着剤中のSiO2 による金属薄板の経
時的な酸化を抑制でき、変位量の低下が抑制されるとと
もに、金属薄板と金属メッキ膜との密着性が高くなるた
め、高印加電圧での駆動や、高温雰囲気での駆動、高荷
重印加状態での駆動においても、圧電板と金属薄板との
剥離が抑制される。一方、金属メッキ膜と導電性接着剤
との界面にも、同様の化合物を生成するため、金属薄板
と圧電板との密着性をさらに向上できるとともに、変位
量の低下をさらに抑制できる。
【0018】したがって、圧電板に電圧を十分に印加で
きるとともに、高温雰囲気および高荷重印加条件におい
ても、金属薄板と圧電板の剥離を防止でき、高い信頼性
を有し、且つ特性の安定した駆動が可能となるのであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明の積層型圧電アクチ
ュエータを示すもので、符号1は積層体を示している。
この積層体1は、図1および図2に示すように、複数の
圧電板11と複数の金属薄板13とが交互に積層され、
圧電板11と金属薄板13とが導電性接着剤14により
接合されている。
【0020】圧電板11はPb(ZrTi)O3 (以下
PZTと略す)を主成分とする焼結体である。圧電板1
1を構成する圧電材料は、例えば、チタン酸ジルコン酸
鉛を主成分とする圧電セラミックス材料などが使用され
るが、これに限定されるものではなく、圧電性を有する
セラミックスであれば何でも良い。この圧電板11を構
成する圧電材料としては、圧電歪み定数d33が高いもの
が望ましい。特に、金属成分としてPb、Zr、Ti、
Zn、Sb、Ni、Teと、SrおよびBaのうち少な
くとも一種を含む複合ペロブスカイト型化合物であっ
て、これらの金属元素のモル比による組成式を、Pb
1-x-y Srx Bay (Zn1/3 Sb2/3 a (Ni1/2
Te1/2 b ZrcTi1-a-b-c 3 と表わした時、
x,y,a,b,cのモル比が、0≦x≦0.12、0
≦y≦0.12、0<x+y、0.05≦a≦0.1
2、0≦b≦0.015、0.43≦c≦0.52を満
足する基本成分100重量部に対して、等モル比からな
るPbOおよびNb2 5 を合量で0.2〜1.2重量
部添加含有してなる圧電磁器組成物が望ましい。
【0021】この圧電板11の厚みtは、小型化および
高い電圧を印加するという点から、0.2〜0.6mm
であることが望ましい。
【0022】金属薄板13の対向位置には、図3に示す
ように、接続用突起部15がそれぞれ形成されており、
このような金属薄板13および接続用突起部15はFe
とNiを主成分とする合金、例えばコバール(52Fe
−31Ni−17Co)、42アロイ(58Fe−42
Ni)等により形成されている。
【0023】金属薄板13の厚さは、変位量に寄与しな
いためにできるだけ薄いもの、例えば、20〜100μ
mのものが好ましい。また、金属薄板13としては、他
の金属薄板13との短絡や放電を防止するために、積層
体1の外周面に露出しないように、圧電板11よりも小
さいことが望ましい。
【0024】接続用突起部15は、図1に示したよう
に、圧電板11の径方向に突出して形成されており、接
続用突起部15同士は交互に90度の角度をなすよう
に、金属薄板13が圧電板11の間に介装されている。
【0025】これらの金属薄板13は、その接続用突起
部15の位置により正電極用金属薄板、もしくは負電極
用金属薄板とされている。そして、接続用突起部15が
積層体1の軸方向に折曲され、正電極用金属薄板、負電
極用金属薄板にそれぞれ形成された接続用突起部15同
士が半田や溶接により電気的に接続されている。
【0026】圧電板11と金属薄板13とは金属、例え
ばAgとガラスを主成分とする導電性接着剤14により
加熱接合されている。ガラスは少なくともSiO2 を含
有するものであれば良く、例えば、PbO−SiO2
2 3 からなることが望ましい。導電性接着剤14
は、Agを90〜97重量%と、PbO−SiO2 −B
2 3 からなるガラス成分3〜10重量%とからなるこ
とが望ましい。
【0027】積層体1の上下面には、圧電的に不活性で
機械的エネルギーを伝達する不活性体18が接合されて
いる。
【0028】そして、金属薄板13と導電性接着剤14
との界面には、図2に示すように、FeとSiを含有す
る複合酸化物、例えば、シリケート(Fe2 SiO4
からなる酸化防止膜17が形成されている。
【0029】尚、図示しないが、本発明の積層型圧電ア
クチュエータでは、圧電板11および接続用突起部15
の外周面を絶縁性樹脂で被覆し、また、圧電板11外周
面と接続用突起部15との間の空隙にも、絶縁性樹脂が
隙間がないように充填されている。
【0030】本発明の積層型圧電アクチュエータは、例
えば、先ず圧電板11の上下面に、金属とSiO2 を含
有するガラスからなる金属ペーストを塗布し、400〜
600℃程度で焼き付ける。
【0031】この後、FeとNiを主成分とする合金か
らなる金属薄板13と圧電板11とを交互に積層し、3
60〜650℃に加熱し、金属薄板13と圧電板11と
を加熱接合し、積層体1を作製する。この加熱接合工程
において、金属薄板13と導電性接着剤14との間にF
eとSiを含有する複合酸化物、例えば、Fe2 SiO
4 を形成する。このようなFe2 SiO4 からなる酸化
防止膜17を形成するには、導電性接着14中のSiO
2 フリットの軟化点付近で加熱接合することが重要であ
る。
【0032】この後、金属薄板13に形成された接続用
突起部15を積層体1の軸方向に折曲し、接続用突起部
15同士を交互に接続し、また積層体1の表面に絶縁性
樹脂を被覆し、圧電板11を分極することにより、本発
明の積層型圧電アクチュエータが作製される。
【0033】以上のように構成された積層型圧電アクチ
ュエータでは、FeとNiを主成分とする合金からなる
金属薄板13と圧電板11とを、ガラスを含有した金属
ペーストを用いて一定条件下で加熱接合すると、金属薄
板13と導電性接着剤14との界面に、それぞれの金属
元素であるFeとSiを含有する複合酸化物、例えばシ
リケート(Fe2 SiO4 )からなる酸化防止膜17が
形成され、この酸化防止膜17は一旦形成後は酸化に対
して安定な保護性の膜であるため、導電性接着剤14中
のSiO2 による金属薄板13の経時的な酸化を抑制で
き、変位量の低下を抑制できるとともに、酸化防止膜1
7は金属薄板13と導電性接着剤14との密着性が高い
ため、高印加電圧での駆動や、高温雰囲気での駆動、高
荷重印加状態での駆動においても、圧電板11と金属薄
板13との剥離を抑制できる。
【0034】従って、圧電板11と電極薄板13との導
通不良を生じることがなくなり、圧電板11に十分な電
圧を印加できるとともに、高温雰囲気および高荷重印加
条件においても、圧電板11と金属薄板13との剥離を
防止でき、高い信頼性が得られるとともに、特性の安定
した駆動が可能となる。
【0035】尚、図4に示すように、FeとNiを主成
分とする合金からなる金属薄板13の両面に金属メッキ
膜21を形成し、圧電板11と一定条件下で加熱接合す
ることにより積層体1を作製しても良い。この場合に
は、金属薄板13と金属メッキ膜21との間、および金
属メッキ膜21と導電性接着剤14との間に、金属薄膜
13の金属元素と金属メッキ膜21の金属元素との複合
酸化物からなる酸化防止膜23が形成されている。金属
メッキ膜21の金属材料としては、耐熱性良好な金属と
いう点からCr,Alが望ましい。
【0036】このような積層型圧電アクチュエータで
は、金属薄板13と金属メッキ膜21との界面や金属メ
ッキ膜21と導電性接着剤14との界面に、金属メッキ
膜21と金属薄板13の金属元素であるFeおよび/ま
たはNiと、Crおよび/またはAlを含有する複合酸
化物、例えばFeCrO4 やNiCrO4 からなる酸化
防止膜23が形成され、このような酸化防止膜23は、
酸化に対して保護性の膜であり、導電性接着剤14中の
SiO2 による金属薄板13の経時的な酸化をさらに抑
制でき、変位量の低下をさらに抑制できるとともに、酸
化防止膜23の存在により圧電板11と金属薄板13と
の接合強度をさらに向上できる。
【0037】
【実施例】実施例1 Pb1-x-y Srx Bay (Zn1/3 Sb2/3 a (Ni
1/2 Te1/2 b Zrc Ti1-a-b-c 3 と表わした
時、x=0.04、y=0.02、a=0.075、b
=0.005、c=0.47を満足する基本成分100
重量部に対して、等モル比からなるPbOおよびNb2
5 を合量で0.5重量部添加含有したPZT焼結体の
両面を研磨して、直径20mm、厚み0.5mmの円板
状の圧電板11を形成した。この圧電板11の両主面
に、Ag粉末90重量%、PbO−SiO2 −B2 3
を主成分とするガラス10重量%の金属ペーストを10
μmの厚みになるように印刷した後、100℃にて乾燥
し、520℃で焼き付けた。
【0038】厚さ50μmのコバール製薄板を、図3に
示したような2mm×2mmの突起を有する直径19m
mの円形に打ち抜き、接続用突起部15が形成された金
属薄板13を作製し、この金属薄板13と圧電板11と
を交互に積層し、圧電板11を100層積層し、上下端
の圧電板11に上記金属ペーストのガラスによりPZT
からなる不活性体18を接着し、位置ずれが生じないよ
うに軽く圧力を加えた後、上部に約3kgの重りを乗せ
て、600℃、1時間で加圧接合し、積層体1を作製し
た。尚、金属薄板13の接続用突起部15は一層おきに
同じ位置にくるように、交互に配置した。
【0039】次に、図1に示したように、圧電板11の
径方向に突出した接続用突起部15の先端部を軸方向に
各々折曲げ、折り曲げた先端部をハンダで接続し正電極
用外部電極、および負電極用外部電極とした。また、絶
縁性を有するシリコンゴムで積層体1を被覆した。これ
を80℃のシリコンオイル中で3kV/mmの直流電圧
を30分間印加して分極処理を行なった。
【0040】得られた積層型圧電アクチュエータの導電
性接着剤14と金属薄板13の近傍を走査電子顕微鏡
(SEM)により接合界面を観察した結果、FeとSi
の複合酸化物からなる酸化防止膜17が形成されている
ことを確認した。
【0041】そして、得られた積層型圧電アクチュエー
タに500Vの直流電圧を印加した結果、40μmの変
位量が得られた。更にこのアクチュエータに0Vから+
500Vの直流電界を50Hzの周波数にて印加した
(パルス駆動)結果、印加回数1×108 回まで駆動を
行った場合でも金属薄板13と圧電板11との界面部の
破断、および変位量の低下は見られなかった。
【0042】また、600kgの荷重を印可しても変位
量は低下することがなく、高温雰囲気において(〜15
0℃)駆動しても変位量は低下しなかった。
【0043】実施例2 金属薄板13の両面に膜厚2μmのCrメッキを施し、
上記と同様にして積層型圧電アクチュエータを作製し
た。
【0044】得られた積層型圧電アクチュエータでは、
金属メッキ膜21と金属薄板13との間、導電性接着剤
14と金属メッキ膜21との間を走査電子顕微鏡により
観察した結果、それぞれFeとCrの複合酸化物からな
る酸化防止膜23が形成されていることを確認した。
【0045】この積層型圧電アクチュエータでは、50
0Vの直流電圧を印加した結果、40μmの変位量が得
られた。更にこのアクチュエータに0Vから+500V
の直流電界を50Hzの周波数にて印加した(パルス駆
動)結果、印加回数5×108 回まで駆動を行った場合
でも金属薄板13と圧電板11との界面部の破断および
変位量の低下は見られなかった。
【0046】また、600kgの荷重印可しても変位量
は低下することがなく、高温雰囲気において(〜150
℃)駆動しても変位量は低下しなかった。
【0047】比較例 金属薄板13として銅を用い、実施例1と同様にして積
層型圧電アクチュエータを作製した。
【0048】得られた積層型圧電アクチュエータでは、
導電性接着剤と金属薄板の間を走査電子顕微鏡により観
察した結果、導電性接着剤と金属薄体との間にCuOか
らなる膜が形成されていることを確認した。
【0049】この積層型圧電アクチュエータでは、0V
から+500Vの直流電界を印加させたところ変位量が
30μmであった。また、600kgの荷重を印加した
状態で変位量を測定したところ25μmに低下した。雰
囲気温度150℃においても変位量は27μmに低下し
た。また、上記パルス駆動においても1×106 回印加
で金属薄板13と圧電板11の境界で破断した。
【0050】尚、変位量の測定は、試料を防振台上に固
定し、試料上面にアルミニウム箔を張り付けて、レーザ
ー変位計により、素子の中心部及び周囲部3箇所で測定
した値の平均値で評価した。
【0051】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の積層型圧電
アクチュエータでは、金属薄板が酸化防止膜により挟持
された状態となるため、金属薄板の導電性接着剤中のS
iO2による経時的な酸化が抑制され、圧電板と電極薄
板との電気的な導通不良を防止でき、圧電体に十分な電
圧を印加できるとともに、酸化防止膜が介在することに
より圧電板と金属薄板との接合強度が向上するため、圧
電板と金属薄板との間の剥離を防止でき、高温雰囲気お
よび高荷重印加条件においても、高い信頼性を有し、且
つ特性の安定した積層型圧電アクチュエータが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型圧電アクチュエータの側面図で
ある。
【図2】図1の一部を拡大して示す断面図である。
【図3】図1の金属薄板を示す平面図である。
【図4】金属薄板と金属メッキ膜、金属メッキ膜と導電
性接着剤との間に酸化防止膜が形成された状態を示す断
面図である。
【符号の説明】
1・・・積層体 11・・・圧電板 13・・・金属薄板 14・・・導電性接着剤 15・・・接続用突起部 17、23・・・酸化防止膜 18・・・不活性体 21・・・金属メッキ膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬戸口 剛 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 (72)発明者 芦田 幸喜 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3G066 AB02 BA46 CC05U CD04 CD21 CD30 CE27 CE30 CE31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の圧電板と複数の金属薄板とを交互に
    積層し、前記圧電板と前記金属薄板とを金属とガラスを
    主成分とする導電性接着剤により加熱接合してなるとと
    もに、前記金属薄板を交互に電気的に接続した積層型圧
    電アクチュエータにおいて、前記金属薄板をFeとNi
    を主成分とする合金により形成してなることを特徴とす
    る積層型圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】金属薄板と導電性接着剤との界面にFeと
    Siを含有する複合酸化物からなる酸化防止膜が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の積層型圧電ア
    クチュエータ。
  3. 【請求項3】金属薄板の両面に金属メッキ膜が形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の積層型圧電アク
    チュエータ。
  4. 【請求項4】金属薄板と金属メッキ膜との間に、前記金
    属薄板の金属元素と前記金属メッキ膜の金属元素とを含
    有する複合酸化物からなる酸化防止膜が形成されている
    ことを特徴とする請求項3記載の積層型圧電アクチュエ
    ータ。
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