JP2000021317A - プラズマディスプレイパネル用隔壁およびプラズマディスプレイパネル - Google Patents
プラズマディスプレイパネル用隔壁およびプラズマディスプレイパネルInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 隔壁と蛍光体層との密着性を向上させ、製品
の品質および歩留の向上が図れるプラズマディスプレイ
パネル用隔壁およびそれを用いたプラズマディスプレイ
パネルを提供する。 【解決手段】 隔壁の溶融母体となるガラスフリット
と、主として隔壁の形態および強度を維持するための骨
材とを主成分として含有するプラズマディスプレイパネ
ル用隔壁であって、焼成後の隔壁表面のグロス値が、1
〜50の範囲内にあるように構成する。
の品質および歩留の向上が図れるプラズマディスプレイ
パネル用隔壁およびそれを用いたプラズマディスプレイ
パネルを提供する。 【解決手段】 隔壁の溶融母体となるガラスフリット
と、主として隔壁の形態および強度を維持するための骨
材とを主成分として含有するプラズマディスプレイパネ
ル用隔壁であって、焼成後の隔壁表面のグロス値が、1
〜50の範囲内にあるように構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル用隔壁およびそれを用いたプラズマディスプ
レイパネルに関する。
レイパネル用隔壁およびそれを用いたプラズマディスプ
レイパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】ガス放電パネルであるプラズマディスプ
レイパネル(PDP)は、2枚の対向するガラス基板に
それぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、その間に
Ne、He、Xe等を主体とする希ガスを封入した構造
となっている。そして、これらの電極間に電圧を印加
し、電極周辺の微小なセル内で放電を発生させることに
より、各セルを発光させて表示を行うようにしている。
情報を表示するためには、規則的に並んだセルを選択的
に放電発光させる。このPDPには、電極が放電空間に
露出している直流型(DC型)と絶縁層で覆われている
交流型(AC型)の2タイプがあり、双方とも表示機能
や駆動方式の違いによって、さらにリフレッシュ駆動方
式とメモリー駆動方式に分類される。
レイパネル(PDP)は、2枚の対向するガラス基板に
それぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、その間に
Ne、He、Xe等を主体とする希ガスを封入した構造
となっている。そして、これらの電極間に電圧を印加
し、電極周辺の微小なセル内で放電を発生させることに
より、各セルを発光させて表示を行うようにしている。
情報を表示するためには、規則的に並んだセルを選択的
に放電発光させる。このPDPには、電極が放電空間に
露出している直流型(DC型)と絶縁層で覆われている
交流型(AC型)の2タイプがあり、双方とも表示機能
や駆動方式の違いによって、さらにリフレッシュ駆動方
式とメモリー駆動方式に分類される。
【0003】DC型のPDPおよびAC型のPDPにお
いて、各セルは2枚のガラス基板が隔壁により対向保持
されて形成されている。このような隔壁は、表示放電空
間をできるだけ大きくして高輝度の発光を得るために、
ガラス基板に対して垂直に切り立ち、かつ、幅が狭く十
分な高さを有することが要求される。特に高精細のPD
Pでは、例えば、高さ100μmに対して幅が30〜5
0μmであるような高アスペクト比の隔壁が必要とされ
る。
いて、各セルは2枚のガラス基板が隔壁により対向保持
されて形成されている。このような隔壁は、表示放電空
間をできるだけ大きくして高輝度の発光を得るために、
ガラス基板に対して垂直に切り立ち、かつ、幅が狭く十
分な高さを有することが要求される。特に高精細のPD
Pでは、例えば、高さ100μmに対して幅が30〜5
0μmであるような高アスペクト比の隔壁が必要とされ
る。
【0004】従来より、PDPにおける隔壁は、ガラス
フリット、骨材、着色剤からなる組成物と焼成により消
失するエチルセルロース、アクリル系樹脂をターピネオ
ール、ブチルカルビトール等の溶剤に溶解させた有機ビ
ヒクルを三本ロール等により混練したペーストをスクリ
ーン印刷によりパターン状に印刷、乾燥を所望の高さに
なるまで繰り返し、焼成する方法;あるいはスクリーン
印刷、ブレードコート、ダイコート等により塗布、乾燥
しベタ膜を形成した後、ベタ膜上に耐サンドブラスト性
を有するマスクをパターン状に形成し、サンドブラスト
加工を行い、マスクを剥離した後焼成する方法等により
形成されている。
フリット、骨材、着色剤からなる組成物と焼成により消
失するエチルセルロース、アクリル系樹脂をターピネオ
ール、ブチルカルビトール等の溶剤に溶解させた有機ビ
ヒクルを三本ロール等により混練したペーストをスクリ
ーン印刷によりパターン状に印刷、乾燥を所望の高さに
なるまで繰り返し、焼成する方法;あるいはスクリーン
印刷、ブレードコート、ダイコート等により塗布、乾燥
しベタ膜を形成した後、ベタ膜上に耐サンドブラスト性
を有するマスクをパターン状に形成し、サンドブラスト
加工を行い、マスクを剥離した後焼成する方法等により
形成されている。
【0005】このようにして背面板(片方のガラス基
板)の上に形成された隔壁の側面および隔壁と隔壁との
間には蛍光体層が設けられる。このような蛍光体層は、
隔壁の形成後に感光性の蛍光体層塗布組成物を塗布、露
光、現像することによって所定の位置に配置形成され
る。
板)の上に形成された隔壁の側面および隔壁と隔壁との
間には蛍光体層が設けられる。このような蛍光体層は、
隔壁の形成後に感光性の蛍光体層塗布組成物を塗布、露
光、現像することによって所定の位置に配置形成され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな蛍光体層の形成においては、隔壁と蛍光体層との密
着性が十分とは言えず、特に、隔壁側面の上端部近傍で
の蛍光体層の剥れが生じることがあった。また、密着性
が極端に悪い場合には、蛍光体層そのものがそっくりと
脱落してしまうこともあった。
うな蛍光体層の形成においては、隔壁と蛍光体層との密
着性が十分とは言えず、特に、隔壁側面の上端部近傍で
の蛍光体層の剥れが生じることがあった。また、密着性
が極端に悪い場合には、蛍光体層そのものがそっくりと
脱落してしまうこともあった。
【0007】このような実状のもとに本発明は創案され
たものであり、その目的は、隔壁と蛍光体層との密着性
を向上させ、製品の品質および歩留の向上が図れるプラ
ズマディスプレイパネル用隔壁およびそれを用いたプラ
ズマディスプレイパネルを提供することにある。
たものであり、その目的は、隔壁と蛍光体層との密着性
を向上させ、製品の品質および歩留の向上が図れるプラ
ズマディスプレイパネル用隔壁およびそれを用いたプラ
ズマディスプレイパネルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明は、隔壁の溶融母体となるガラスフリ
ットと、主として隔壁の形態および強度を維持するため
の骨材とを主成分として含有するプラズマディスプレイ
パネル用隔壁であって、焼成後の隔壁表面のグロス値
が、1〜50の範囲内にあるように構成される。
るために、本発明は、隔壁の溶融母体となるガラスフリ
ットと、主として隔壁の形態および強度を維持するため
の骨材とを主成分として含有するプラズマディスプレイ
パネル用隔壁であって、焼成後の隔壁表面のグロス値
が、1〜50の範囲内にあるように構成される。
【0009】また、本発明は、放電空間を区画する隔壁
およびこの隔壁に被着される蛍光体層を有するプラズマ
ディスプレイパネルにおいて、焼成後の隔壁表面のグロ
ス値が、1〜50の範囲内にあるように構成される。
およびこの隔壁に被着される蛍光体層を有するプラズマ
ディスプレイパネルにおいて、焼成後の隔壁表面のグロ
ス値が、1〜50の範囲内にあるように構成される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプラズマディスプ
レイパネル用隔壁の組成の説明をする前に、プラズマデ
ィスプレイパネル全体の構成を簡単に説明しておく。
レイパネル用隔壁の組成の説明をする前に、プラズマデ
ィスプレイパネル全体の構成を簡単に説明しておく。
【0011】図1は、AC型PDPの一構成例を示す斜
視図である。この図において、符号1は前面板、符号2
は背面板、符号3は隔壁、符号4は維持電極、符号5は
バス電極、符号6は誘電体層、符号7はMgO層、符号
8はアドレス電極、符号9は蛍光体層を示している。
視図である。この図において、符号1は前面板、符号2
は背面板、符号3は隔壁、符号4は維持電極、符号5は
バス電極、符号6は誘電体層、符号7はMgO層、符号
8はアドレス電極、符号9は蛍光体層を示している。
【0012】図1は、PDPの構成が理解しやすいよう
に、前面板1と背面板2を離した状態で示してある。図
1に示されるようにAC型PDPは、ガラス板からなる
前面板1と背面板2とが互いに平行に対峙され、背面板
2に立設された隔壁3によって前面板1と背面板2とが
密封されたセルを構成するように一定間隔で固着されて
いる。
に、前面板1と背面板2を離した状態で示してある。図
1に示されるようにAC型PDPは、ガラス板からなる
前面板1と背面板2とが互いに平行に対峙され、背面板
2に立設された隔壁3によって前面板1と背面板2とが
密封されたセルを構成するように一定間隔で固着されて
いる。
【0013】前面板1の背面側には、透明電極である維
持電極4と金属電極であるバス電極5とからなる複合電
極が互いに平行に形成され、これを覆うように誘電体層
6、およびMgO層7が順次形成されている。
持電極4と金属電極であるバス電極5とからなる複合電
極が互いに平行に形成され、これを覆うように誘電体層
6、およびMgO層7が順次形成されている。
【0014】また、背面板2の前面側(図面において上
側)には、複合電極と直交するとともに隔壁3の間に位
置するようにアドレス電極8がストライプ状に互いに平
行に形成され、また、アドレス電極8上のセル底面上に
蛍光体層9が設けられている。
側)には、複合電極と直交するとともに隔壁3の間に位
置するようにアドレス電極8がストライプ状に互いに平
行に形成され、また、アドレス電極8上のセル底面上に
蛍光体層9が設けられている。
【0015】また、図2にその断面の詳細構造が示され
ており、この図によれば、ガラス基板2に下地層10を
形成した後にアドレス電極8が設けられ、さらに誘電体
層6’が積層された後、隔壁3、蛍光体層9が設けられ
る。
ており、この図によれば、ガラス基板2に下地層10を
形成した後にアドレス電極8が設けられ、さらに誘電体
層6’が積層された後、隔壁3、蛍光体層9が設けられ
る。
【0016】このようなAC型PDPは面放電型であ
り、前面板1における複合電極間に交流電源から所定の
電圧を印加して電場を形成することにより、前面板1と
背面板2と隔壁3とで区画される表示要素としての各セ
ル内で放電が行われる。
り、前面板1における複合電極間に交流電源から所定の
電圧を印加して電場を形成することにより、前面板1と
背面板2と隔壁3とで区画される表示要素としての各セ
ル内で放電が行われる。
【0017】そして、この放電により生じる紫外線によ
り蛍光体9を発光させることで、前面板1を透過する光
を観察者が視認できるようになっている。
り蛍光体9を発光させることで、前面板1を透過する光
を観察者が視認できるようになっている。
【0018】図3はDC型PDPの一構成例を示したも
のであり、そのなかで、図3(a)は平面図、図3
(b)は図3(a)におけるX−X線での断面図であ
る。図中、符号11は前面板、符号12は背面板、符号
13は陰極、符号14は電極体、符号15は表示陽極、
符号16は隔壁、符号17は放電セル、符号18は端子
部、符号19は抵抗体、符号20は補助電極、符号21
は電極体、符号22は蛍光体層、符号23はプライミン
グスリットをそれぞれ示している。
のであり、そのなかで、図3(a)は平面図、図3
(b)は図3(a)におけるX−X線での断面図であ
る。図中、符号11は前面板、符号12は背面板、符号
13は陰極、符号14は電極体、符号15は表示陽極、
符号16は隔壁、符号17は放電セル、符号18は端子
部、符号19は抵抗体、符号20は補助電極、符号21
は電極体、符号22は蛍光体層、符号23はプライミン
グスリットをそれぞれ示している。
【0019】DC型PDPは、図3に示されるように、
前面板11と背面板12の2枚のガラス基板を合わせて
パネル化され、また、前面板11上には陰極13からな
る第1の電極群が形成され、背面板12上には電気的に
接続した電極4本と表示陽極15とからなる第2の電極
群が形成されている。陰極13と表示陽極15が略直交
するように前面板11と背面板12とが隔壁16により
対向保持されて放電セル17が形成されている。放電セ
ル17内の陰極13と電極体14とによって単位放電電
極対が構成されている。
前面板11と背面板12の2枚のガラス基板を合わせて
パネル化され、また、前面板11上には陰極13からな
る第1の電極群が形成され、背面板12上には電気的に
接続した電極4本と表示陽極15とからなる第2の電極
群が形成されている。陰極13と表示陽極15が略直交
するように前面板11と背面板12とが隔壁16により
対向保持されて放電セル17が形成されている。放電セ
ル17内の陰極13と電極体14とによって単位放電電
極対が構成されている。
【0020】そして、表示陽極15は線状部15aとこ
の線状部15aから横向きに突き出た突起部15bとを
備え、電極体14からは端子部18が表示陽極15と平
行に伸びており、表示陽極15の突起部15bと電極体
14の端子部18との間は抵抗体19により電気的に接
続されている。また、隣接する表示陽極15の間にはそ
れと平行に補助陽極20が設けられており、陰極13と
交差する箇所には補助陽極20上にも電極体21が設け
られている。
の線状部15aから横向きに突き出た突起部15bとを
備え、電極体14からは端子部18が表示陽極15と平
行に伸びており、表示陽極15の突起部15bと電極体
14の端子部18との間は抵抗体19により電気的に接
続されている。また、隣接する表示陽極15の間にはそ
れと平行に補助陽極20が設けられており、陰極13と
交差する箇所には補助陽極20上にも電極体21が設け
られている。
【0021】DC型PDPでは、陰極13と表示陽極1
5の間に所定の電圧を印加すると、抵抗体19を介して
電極体14に電流が流れ、放電セル17内にて陰極13
と電極体14との間で放電が起こり、この放電により発
生する紫外線で、例えばR,G,B,各3色の蛍光体層
22を発光させるようになっている。この発光は前面板
11を通して外部に放射され、フルカラーの画像表示が
行われる。この場合、補助陽極18は放電セル17内に
放電の種火となる荷電粒子をプライミングスリット23
を通して供給する役目を持つ。なお、符号24は誘電体
層で、表示陽極15、端子部18、抵抗体19及び補助
陽極20を放電空間から電気的に隔絶せしめ、放電発生
箇所を電極体14、21のみに限定する。
5の間に所定の電圧を印加すると、抵抗体19を介して
電極体14に電流が流れ、放電セル17内にて陰極13
と電極体14との間で放電が起こり、この放電により発
生する紫外線で、例えばR,G,B,各3色の蛍光体層
22を発光させるようになっている。この発光は前面板
11を通して外部に放射され、フルカラーの画像表示が
行われる。この場合、補助陽極18は放電セル17内に
放電の種火となる荷電粒子をプライミングスリット23
を通して供給する役目を持つ。なお、符号24は誘電体
層で、表示陽極15、端子部18、抵抗体19及び補助
陽極20を放電空間から電気的に隔絶せしめ、放電発生
箇所を電極体14、21のみに限定する。
【0022】本発明におけるPDP用の隔壁3および隔
壁16(以下隔壁3を代表として取りあげて説明する)
は、隔壁形成用塗布組成物をスクリーン印刷により隔壁
形状にパターン印刷する方法や、隔壁形成用塗布組成物
をスクリーン印刷、ブレードコート、ダイコート等によ
り塗布、乾燥しベタ膜を形成した後、ベタ膜上に耐サン
ドブラスト性を有するマスクをパターン状に形成し、サ
ンドブラスト加工を行い、マスクを剥離した後焼成する
方法等により形成される。
壁16(以下隔壁3を代表として取りあげて説明する)
は、隔壁形成用塗布組成物をスクリーン印刷により隔壁
形状にパターン印刷する方法や、隔壁形成用塗布組成物
をスクリーン印刷、ブレードコート、ダイコート等によ
り塗布、乾燥しベタ膜を形成した後、ベタ膜上に耐サン
ドブラスト性を有するマスクをパターン状に形成し、サ
ンドブラスト加工を行い、マスクを剥離した後焼成する
方法等により形成される。
【0023】このような焼成後に形成される隔壁3は、
隔壁3の溶融母体となるガラスフリットと、主として、
隔壁の形態および強度を維持するための骨材とが含有さ
れている。
隔壁3の溶融母体となるガラスフリットと、主として、
隔壁の形態および強度を維持するための骨材とが含有さ
れている。
【0024】本発明における隔壁3は、焼成後の隔壁表
面のグロス値(光沢度)が、1〜50の範囲内、好まし
くは、2〜45の範囲内、さらにより好ましくは、4〜
40の範囲内に設定される。このグロス値が50を超え
ると、隔壁と蛍光体層との密着性の向上が図れなくなっ
てしまう。また、グロス値が1未満となると、焼成後の
リブ(隔壁)パターンがもろくなり、リブ欠陥が非常に
多くなるために使用できなくなる。
面のグロス値(光沢度)が、1〜50の範囲内、好まし
くは、2〜45の範囲内、さらにより好ましくは、4〜
40の範囲内に設定される。このグロス値が50を超え
ると、隔壁と蛍光体層との密着性の向上が図れなくなっ
てしまう。また、グロス値が1未満となると、焼成後の
リブ(隔壁)パターンがもろくなり、リブ欠陥が非常に
多くなるために使用できなくなる。
【0025】本発明における隔壁表面のグロス値は、日
本電色工業(株)製グロスメーターVGS−1001を
用いて角度75°で測定した値である。
本電色工業(株)製グロスメーターVGS−1001を
用いて角度75°で測定した値である。
【0026】焼成後の隔壁表面のグロス値を本発明の範
囲内に調整する手法は特に限定されるものではないが、
取り分け、好適な調整手法を例示すれば以下のとおりで
ある。
囲内に調整する手法は特に限定されるものではないが、
取り分け、好適な調整手法を例示すれば以下のとおりで
ある。
【0027】(1)骨材の材料および含有量を適宜選定
することにより、グロス値を調整する。
することにより、グロス値を調整する。
【0028】隔壁3に含有される骨材としては、例え
ば、ジルコニア、ジルコン、チタニア、アルミナ、シリ
カ、酸化チタン、マグネシア、ムライト、コージェライ
ト、炭化珪素、チタン酸バリウム、ジルコン酸バリウ
ム、ガラス等の隔壁の焼成温度以下の温度で安定に存在
するものが使用される。これらの中でも特に、骨材とし
てジルコニア、ジルコンを1〜60wt%程度含有させ
ることが好ましい。また、グロス値を調整するために骨
材粒径を適宜選定することも重要なファクターとなり得
る。
ば、ジルコニア、ジルコン、チタニア、アルミナ、シリ
カ、酸化チタン、マグネシア、ムライト、コージェライ
ト、炭化珪素、チタン酸バリウム、ジルコン酸バリウ
ム、ガラス等の隔壁の焼成温度以下の温度で安定に存在
するものが使用される。これらの中でも特に、骨材とし
てジルコニア、ジルコンを1〜60wt%程度含有させ
ることが好ましい。また、グロス値を調整するために骨
材粒径を適宜選定することも重要なファクターとなり得
る。
【0029】(2)隔壁3の溶融母体となるガラスフリ
ットの材質および含有量を適宜選定することによりグロ
ス値を調整する。
ットの材質および含有量を適宜選定することによりグロ
ス値を調整する。
【0030】ガラスフリットは、バインダー(接着剤)
として役割をなすものであり、そのガラス転移点(T
g)は、塗布組成物中、ペーストとして用いる樹脂が焼
成により完全に消失する温度以上であることが望まし
い。さらに、ガラスフリットの軟化点はガラス基板が変
形する温度以下でなければならない。具体的には、Tg
が350〜500℃、軟化点が400〜600℃の間で
適宜選択される。さらに、残留歪を極力小さくし、基板
の反りや誘電体層のクラックの発生を抑えるために、ガ
ラスフリットの熱膨張係数(α)をガラス基板、下地
層、誘電体層の熱膨張係数にできるだけ合わせる必要が
ある。従って、具体的には、α=60〜90×10-7/
℃程度のものを使用するのが望ましいが、骨材、着色剤
を添加することでαが変化するため、最終的に隔壁3と
した時のαが60〜90×10-7/℃程度となるよう適
宜選択すればよい。ガラスフリットの平均粒径は、0.
1〜10μm、好ましくは、1〜5μmの範囲とするこ
とができる。ガラスフリットの隔壁3中の含有率は、4
0〜95wt%、好ましくは60〜90wt%程度とさ
れる。
として役割をなすものであり、そのガラス転移点(T
g)は、塗布組成物中、ペーストとして用いる樹脂が焼
成により完全に消失する温度以上であることが望まし
い。さらに、ガラスフリットの軟化点はガラス基板が変
形する温度以下でなければならない。具体的には、Tg
が350〜500℃、軟化点が400〜600℃の間で
適宜選択される。さらに、残留歪を極力小さくし、基板
の反りや誘電体層のクラックの発生を抑えるために、ガ
ラスフリットの熱膨張係数(α)をガラス基板、下地
層、誘電体層の熱膨張係数にできるだけ合わせる必要が
ある。従って、具体的には、α=60〜90×10-7/
℃程度のものを使用するのが望ましいが、骨材、着色剤
を添加することでαが変化するため、最終的に隔壁3と
した時のαが60〜90×10-7/℃程度となるよう適
宜選択すればよい。ガラスフリットの平均粒径は、0.
1〜10μm、好ましくは、1〜5μmの範囲とするこ
とができる。ガラスフリットの隔壁3中の含有率は、4
0〜95wt%、好ましくは60〜90wt%程度とさ
れる。
【0031】本発明においては、ガラスフリット成分と
してPb系ガラスを主体にしてBi系のガラスの含有量
を変えることにより、有効に隔壁のグロス値を調整する
ことができる。
してPb系ガラスを主体にしてBi系のガラスの含有量
を変えることにより、有効に隔壁のグロス値を調整する
ことができる。
【0032】(3)隔壁の形成プロセスにおいてグロス
値を適宜調整する。
値を適宜調整する。
【0033】例えば、隔壁の焼成温度条件を調整した
り、隔壁にブラスト処理を施したり、ペーストの練り方
を変えたりすることにより、隔壁のグロス値を適宜調整
することができる。
り、隔壁にブラスト処理を施したり、ペーストの練り方
を変えたりすることにより、隔壁のグロス値を適宜調整
することができる。
【0034】上記隔壁3に用いられる骨材は、その材料
の選定の仕方次第では、着色剤としての機能をも併用さ
せることができるが、さらに、積極的に着色を要す場合
が多々あり、その場合には隔壁3中に顔料(着色剤)が
含有される。
の選定の仕方次第では、着色剤としての機能をも併用さ
せることができるが、さらに、積極的に着色を要す場合
が多々あり、その場合には隔壁3中に顔料(着色剤)が
含有される。
【0035】顔料(着色剤)としては、耐熱性があるも
のが用いられる。本発明の場合、基板の作製工程中の焼
成温度以上の耐熱性があればよい。このような着色剤と
しては、複合酸化物系顔料(Cr,Co,Ni,Fe,
Mn,Cu,Sb,As,Bi,Ti,Cd,Al,C
a,Si,Mg,Ba等の2種以上の金属の酸化物から
なる顔料)、酸化チタン、アルミナ、ジルコン、ジルコ
ニア、シリカ、マグネシア、チタン酸鉛、チタン酸カリ
ウム、硫セレン化カドミウム、弁柄(Fe2 O3 )、亜
酸化銅、カドミウム水銀赤(CdS+HgS)、クロム
バーミリオン、銀朱、アンチモン赤ヨード赤、ジンクア
イアンレッド、モリブデン赤、鉛丹、カドミウムレッ
ド、クロムグリーン、亜鉛緑、コバルトグリーン、酸化
クロム、ビリジアン、エメラルドグリーン群青、紺青、
コバルトブルー、セルリアンブルー、硫化銅、チタンイ
エロー、チタンブラック、黒色酸化鉄(Fe3 O4 )、
黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、黄鉛などが挙げら
れ、これらは適宜目的に応じ選択して用いれば良い。
のが用いられる。本発明の場合、基板の作製工程中の焼
成温度以上の耐熱性があればよい。このような着色剤と
しては、複合酸化物系顔料(Cr,Co,Ni,Fe,
Mn,Cu,Sb,As,Bi,Ti,Cd,Al,C
a,Si,Mg,Ba等の2種以上の金属の酸化物から
なる顔料)、酸化チタン、アルミナ、ジルコン、ジルコ
ニア、シリカ、マグネシア、チタン酸鉛、チタン酸カリ
ウム、硫セレン化カドミウム、弁柄(Fe2 O3 )、亜
酸化銅、カドミウム水銀赤(CdS+HgS)、クロム
バーミリオン、銀朱、アンチモン赤ヨード赤、ジンクア
イアンレッド、モリブデン赤、鉛丹、カドミウムレッ
ド、クロムグリーン、亜鉛緑、コバルトグリーン、酸化
クロム、ビリジアン、エメラルドグリーン群青、紺青、
コバルトブルー、セルリアンブルー、硫化銅、チタンイ
エロー、チタンブラック、黒色酸化鉄(Fe3 O4 )、
黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、黄鉛などが挙げら
れ、これらは適宜目的に応じ選択して用いれば良い。
【0036】上述してきたような隔壁3を形成するため
に、隔壁形成用塗布組成物(ペースト)が作られる。隔
壁形成用塗布組成物は、最終的に焼成して隔壁3を形成
した時の固形分組成が、上記の範囲内に納まるように骨
材、ガラスフリット等の含有量が調製される。これらの
固形分は混合された後、有機ビヒクルを加え三本ロー
ル、ビーズミル等により混練、分散してペースト状の塗
布組成物とされる。
に、隔壁形成用塗布組成物(ペースト)が作られる。隔
壁形成用塗布組成物は、最終的に焼成して隔壁3を形成
した時の固形分組成が、上記の範囲内に納まるように骨
材、ガラスフリット等の含有量が調製される。これらの
固形分は混合された後、有機ビヒクルを加え三本ロー
ル、ビーズミル等により混練、分散してペースト状の塗
布組成物とされる。
【0037】ここで用いる有機ビヒクルの樹脂として
は、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロー
ス誘導体、ポリアクリルエステル、アルキッド樹脂等の
ポリエステル系樹脂、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、ビニル酢
酸、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタ
クリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルメタク
リレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、2−ヘキシルアクリレート、ラウ
リルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリ
ルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ドデシル
メタクリレート、ドデシルアクリレート、ヘキシルメタ
クリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルメタクリ
レート、オクチルアクリレート、セチルメタクリレー
ト、セチルアクリレート、ノニルメタクリレート、ノニ
ルアクリレート、デシルメタクリレート、デシルアクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチル
アミノエチルメタクリレート、2−メトキシアクリレー
ト、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ダイアセトンア
クリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリ
ルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、イソプロ
ピルアクリルアミド、ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート、t−ブチルメタクリレート、N,N−ジメチルア
クリルアミド、α−メチルスチレン、スチレン、ビニル
トルエン、N−ビニル−2−ピロリドン等のモノマーか
らなるホモポリマーおよび上記モノマーから選択された
2種以上のモノマーからなる共重合体、エチレン−アク
リル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹
脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等が
例示される。
は、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロー
ス誘導体、ポリアクリルエステル、アルキッド樹脂等の
ポリエステル系樹脂、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、ビニル酢
酸、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタ
クリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルメタク
リレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、2−ヘキシルアクリレート、ラウ
リルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリ
ルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ドデシル
メタクリレート、ドデシルアクリレート、ヘキシルメタ
クリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルメタクリ
レート、オクチルアクリレート、セチルメタクリレー
ト、セチルアクリレート、ノニルメタクリレート、ノニ
ルアクリレート、デシルメタクリレート、デシルアクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチル
アミノエチルメタクリレート、2−メトキシアクリレー
ト、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ダイアセトンア
クリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリ
ルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、イソプロ
ピルアクリルアミド、ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート、t−ブチルメタクリレート、N,N−ジメチルア
クリルアミド、α−メチルスチレン、スチレン、ビニル
トルエン、N−ビニル−2−ピロリドン等のモノマーか
らなるホモポリマーおよび上記モノマーから選択された
2種以上のモノマーからなる共重合体、エチレン−アク
リル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹
脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等が
例示される。
【0038】溶剤としては、α−、β−、γ−テルピネ
オールのようなテルペン類、エチレングリコールモノア
ルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエー
テル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル
類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、エチ
レングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エ
チレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、ジ
エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート
類、ジエチレングリコールジアルキルエーテルアセテー
ト類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、
プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレ
ングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロ
ピレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、2−エチル
ヘキサノール、1−ブトキシ−2−プロパノール等のア
ルコール類等が例示され、これらを単独または、2種類
以上を混合して使用してもよい。
オールのようなテルペン類、エチレングリコールモノア
ルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエー
テル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル
類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、エチ
レングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エ
チレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、ジ
エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート
類、ジエチレングリコールジアルキルエーテルアセテー
ト類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、
プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレ
ングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロ
ピレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、2−エチル
ヘキサノール、1−ブトキシ−2−プロパノール等のア
ルコール類等が例示され、これらを単独または、2種類
以上を混合して使用してもよい。
【0039】さらに、可塑剤、沈降防止剤、分散剤等を
必要に応じて適宜使用することができる。
必要に応じて適宜使用することができる。
【0040】次に、図2を参照しつつ隔壁3を備える背
面板の作製方法について簡単に説明する。
面板の作製方法について簡単に説明する。
【0041】まず、ガラス基板2の上に下地層10を介
して、アドレス電極8をパターン形成する。電極8の形
成方法としては、(1)スパッタ法、真空蒸着法等の薄
膜形成プロセスとフォトプロセスを組み合わせる方法、
(2)スクリーン印刷法によるパターン印刷による方
法、(3)スクリーン印刷やブレードコート、ダイコー
ト、ロールコート、リバースコート等のコーティング法
とフォトプロセスを組み合わせる方法等が挙げられる。
フォトプロセスとしては、フォトレジストを塗布して乾
燥させた後、露光及び現像工程によりパターニングする
方法、あるいは、ドライフィルムレジストを用いて同様
にパターニングする方法などがある。電極の膜厚として
は、例えば、電極材料としてCrを用い、スパッタ法に
より成膜を行った場合には、0.05〜0.2μm程度
であり、成膜されたCr薄膜をフォトレジストを用いて
パターニングして電極が形成される。なお、電極材料及
びパターニング方法は必ずしもこれらの方法に限定され
るものではない。
して、アドレス電極8をパターン形成する。電極8の形
成方法としては、(1)スパッタ法、真空蒸着法等の薄
膜形成プロセスとフォトプロセスを組み合わせる方法、
(2)スクリーン印刷法によるパターン印刷による方
法、(3)スクリーン印刷やブレードコート、ダイコー
ト、ロールコート、リバースコート等のコーティング法
とフォトプロセスを組み合わせる方法等が挙げられる。
フォトプロセスとしては、フォトレジストを塗布して乾
燥させた後、露光及び現像工程によりパターニングする
方法、あるいは、ドライフィルムレジストを用いて同様
にパターニングする方法などがある。電極の膜厚として
は、例えば、電極材料としてCrを用い、スパッタ法に
より成膜を行った場合には、0.05〜0.2μm程度
であり、成膜されたCr薄膜をフォトレジストを用いて
パターニングして電極が形成される。なお、電極材料及
びパターニング方法は必ずしもこれらの方法に限定され
るものではない。
【0042】上記いずれかの方法を使用して所定パター
ンのアドレス電極8を形成した後、誘電体層6’を成膜
し、この上に隔壁3を形成する。隔壁3の形成方法とし
ては、前述したように前記隔壁形成用塗布組成物を用
い、スクリーン印刷により隔壁形状にパターン印刷する
方法や、スクリーン印刷、ブレードコート、ダイコート
等によりベタ膜を作製した後、ベタ膜上に耐サンドブラ
スト性を有するマスクをパターン状に形成し、サンドブ
ラストにより隔壁形成材の不要部分を除去して所定の隔
壁形状にする方法が例示できる。またさらには、ペース
トを予めフィルムにコーティングした後、基板にラミネ
ートし同様にサンドブラスト加工を行う方法等が例示さ
れる。上記何れかの方法によって隔壁を形成した後、焼
成を行い所定の隔壁3を得る。形成する隔壁3の高さ
は、50μm〜250μm程度である。このようにして
形成された隔壁3と隔壁3との間には、蛍光体層9が形
成される。蛍光体層9の形成には、通常、フォトリソ工
程が用いられ、感光性の蛍光体層形成用塗料が塗布乾燥
された後、露光及び現像処理を行うことにより隔壁3と
隔壁3との間に蛍光体層9が形成される。蛍光体層9は
図示のごとく隔壁3の側面上端部まで密着されており、
側面上端部での密着境界面9aでの剥離が特に問題とな
る箇所である。蛍光体層形成用塗料には、蛍光粉体、ポ
リマー、モノマー、重合開始剤、溶剤、および各種添加
剤が含有される。
ンのアドレス電極8を形成した後、誘電体層6’を成膜
し、この上に隔壁3を形成する。隔壁3の形成方法とし
ては、前述したように前記隔壁形成用塗布組成物を用
い、スクリーン印刷により隔壁形状にパターン印刷する
方法や、スクリーン印刷、ブレードコート、ダイコート
等によりベタ膜を作製した後、ベタ膜上に耐サンドブラ
スト性を有するマスクをパターン状に形成し、サンドブ
ラストにより隔壁形成材の不要部分を除去して所定の隔
壁形状にする方法が例示できる。またさらには、ペース
トを予めフィルムにコーティングした後、基板にラミネ
ートし同様にサンドブラスト加工を行う方法等が例示さ
れる。上記何れかの方法によって隔壁を形成した後、焼
成を行い所定の隔壁3を得る。形成する隔壁3の高さ
は、50μm〜250μm程度である。このようにして
形成された隔壁3と隔壁3との間には、蛍光体層9が形
成される。蛍光体層9の形成には、通常、フォトリソ工
程が用いられ、感光性の蛍光体層形成用塗料が塗布乾燥
された後、露光及び現像処理を行うことにより隔壁3と
隔壁3との間に蛍光体層9が形成される。蛍光体層9は
図示のごとく隔壁3の側面上端部まで密着されており、
側面上端部での密着境界面9aでの剥離が特に問題とな
る箇所である。蛍光体層形成用塗料には、蛍光粉体、ポ
リマー、モノマー、重合開始剤、溶剤、および各種添加
剤が含有される。
【0043】また、この作製方法は、図3に示すDC型
構造のPDPにも応用できることは勿論である。
構造のPDPにも応用できることは勿論である。
【0044】
【実施例】以下に具体的実施例を示し、本発明をさらに
詳細に説明する。なお、実施例中「部」は重量部、
「%」は「重量%」を示す。 [実験例I] (試料1〜8)フリット混合物1〜8の作製 ガラスフリットとしてPb系ガラスを用い、骨材として
ジルコニアを用い、顔料としてダイピロキサイドブラッ
ク#9510を用いた。ジルコニアの隔壁のグロス値を
変えるために、ジルコニアの含有量を種々変えて、種々
のフリット混合物1〜8の原料を作製した。
詳細に説明する。なお、実施例中「部」は重量部、
「%」は「重量%」を示す。 [実験例I] (試料1〜8)フリット混合物1〜8の作製 ガラスフリットとしてPb系ガラスを用い、骨材として
ジルコニアを用い、顔料としてダイピロキサイドブラッ
ク#9510を用いた。ジルコニアの隔壁のグロス値を
変えるために、ジルコニアの含有量を種々変えて、種々
のフリット混合物1〜8の原料を作製した。
【0045】これらを弗素樹脂製の容器に入れ、ペイン
トコンディショナーRC−5000(レッドデビル社
製)により15分間混合し、フリット混合物1〜8を作
製した。
トコンディショナーRC−5000(レッドデビル社
製)により15分間混合し、フリット混合物1〜8を作
製した。
【0046】隔壁形成材(ペースト)の作製 次いで、下記の要領で上記フリット混合物に下記の添加
物を加えて隔壁形成材(ペースト)1〜8を作製した。
物を加えて隔壁形成材(ペースト)1〜8を作製した。
【0047】 ・上記フリット混合物1〜8(個別) … 80部 ・エトセルSTD−100FP(ダウ・ケミカル社製) … 2部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(純正化学製) … 9部 ・スクリーンオイル759(奥野製薬工業製) … 9部 これらを均一に混合した後、三本ロールミル(井上製作
所製、C−4・3/4×10)にて混練しペースト1〜
8を作製した。
所製、C−4・3/4×10)にて混練しペースト1〜
8を作製した。
【0048】隔壁形成材(ペースト)を用いての板状サ
ンプルの作製 300×450mmのガラス基板上に、上記隔壁形成材
(ペースト)1〜8をスクリーンオイル759(奥野製
薬工業製)で希釈しシェアーレート15[1/se
c]、22℃で600ポイズに粘度調整し、スクリーン
印刷により印刷、乾燥をそれぞれ10回繰り返し、乾燥
膜厚200μmのベタ膜を作製した。その後、ピーク温
度575℃、保持時間20分、全焼成時間2時間で焼成
を行い目的とする隔壁の組成と同一の板状サンプル1〜
8(試料1〜8)を作製した。これらの板状サンプル1
〜8のグロス値を測定したところ下記表1に示すとおり
であった。
ンプルの作製 300×450mmのガラス基板上に、上記隔壁形成材
(ペースト)1〜8をスクリーンオイル759(奥野製
薬工業製)で希釈しシェアーレート15[1/se
c]、22℃で600ポイズに粘度調整し、スクリーン
印刷により印刷、乾燥をそれぞれ10回繰り返し、乾燥
膜厚200μmのベタ膜を作製した。その後、ピーク温
度575℃、保持時間20分、全焼成時間2時間で焼成
を行い目的とする隔壁の組成と同一の板状サンプル1〜
8(試料1〜8)を作製した。これらの板状サンプル1
〜8のグロス値を測定したところ下記表1に示すとおり
であった。
【0049】これらの板状サンプル1〜8を、焼成表面
をアセトンを用いて洗浄した後、80℃の温度条件で3
0分間乾燥させた。
をアセトンを用いて洗浄した後、80℃の温度条件で3
0分間乾燥させた。
【0050】蛍光体層形成用ペーストの作製 下記の要領で、3種類の蛍光体層形成用ペーストG(Gre
en) ,B(Blue),およびR(Red) を準備した。 (ペーストG) ・蛍光体(NP−200;日亜化学工業製) … 55部 ・ヒドロキシプロピルセルロース … 6部 ・ペンタエリスリトールトリアクリレート … 15部 ・イルガキュアーI907(チバガイギー製) … 2部 ・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール … 50部 (ペーストB) ・蛍光体(NP−107;日亜化学工業製) … 55部 ・ヒドロキシプロピルセルロース … 6部 ・ペンタエリスリトールトリアクリレート … 10部 ・イルガキュアーI907(チバガイギー製) … 3部 ・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール … 50部 (ペーストR) ・蛍光体(NP−360;日亜化学工業製) … 55部 ・ヒドロキシプロピルセルロース … 6部 ・ペンタエリスリトールトリアクリレート … 15部 ・イルガキュアーI907(チバガイギー製) … 2部 ・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール … 50部蛍光体層の密着性試験 前記隔壁組成からなる板状サンプル1〜8(試料1〜
8)の上に、上記の各蛍光体層形成用ペーストG,B,
およびRをそれぞれ、塗布、乾燥、露光(40μm開口
のマスクを利用)、現像して所定の蛍光体層パターンを
形成させた。そして、パターンを形成する現像時に、蛍
光体層パターンの剥離が生じない状態での最低必要露光
量(最低必要照射量)を求めた。この最低必要露光量が
少ないほど、密着性は良好であり、密着性の基準は以下
のとおりとした。
en) ,B(Blue),およびR(Red) を準備した。 (ペーストG) ・蛍光体(NP−200;日亜化学工業製) … 55部 ・ヒドロキシプロピルセルロース … 6部 ・ペンタエリスリトールトリアクリレート … 15部 ・イルガキュアーI907(チバガイギー製) … 2部 ・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール … 50部 (ペーストB) ・蛍光体(NP−107;日亜化学工業製) … 55部 ・ヒドロキシプロピルセルロース … 6部 ・ペンタエリスリトールトリアクリレート … 10部 ・イルガキュアーI907(チバガイギー製) … 3部 ・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール … 50部 (ペーストR) ・蛍光体(NP−360;日亜化学工業製) … 55部 ・ヒドロキシプロピルセルロース … 6部 ・ペンタエリスリトールトリアクリレート … 15部 ・イルガキュアーI907(チバガイギー製) … 2部 ・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール … 50部蛍光体層の密着性試験 前記隔壁組成からなる板状サンプル1〜8(試料1〜
8)の上に、上記の各蛍光体層形成用ペーストG,B,
およびRをそれぞれ、塗布、乾燥、露光(40μm開口
のマスクを利用)、現像して所定の蛍光体層パターンを
形成させた。そして、パターンを形成する現像時に、蛍
光体層パターンの剥離が生じない状態での最低必要露光
量(最低必要照射量)を求めた。この最低必要露光量が
少ないほど、密着性は良好であり、密着性の基準は以下
のとおりとした。
【0051】 ◎…最低必要露光量が400mJ以下で密着した蛍光体
層パターンが形成できる ○…最低必要露光量が400mJを超え、2560mJ
以下で密着した蛍光体層パターンが形成できる ×…最低必要露光量が2560mJを超えても、現像に
より蛍光体層パターンが残存しないか、あるいはパター
ンがペロリと剥れてしまう焼成後のリブ(隔壁)パターンの状態 焼成後のリブパターンの状態を確認し、下記の判断基準
に従ってランク分けをおこなった。
層パターンが形成できる ○…最低必要露光量が400mJを超え、2560mJ
以下で密着した蛍光体層パターンが形成できる ×…最低必要露光量が2560mJを超えても、現像に
より蛍光体層パターンが残存しないか、あるいはパター
ンがペロリと剥れてしまう焼成後のリブ(隔壁)パターンの状態 焼成後のリブパターンの状態を確認し、下記の判断基準
に従ってランク分けをおこなった。
【0052】 ◎…欠陥の発生率は低く、極めて良好である ○…欠陥の発生率は、使用可能な範囲に抑えられている △…欠陥個所の補修が可能で、補修したうえで十分使用
可能である ×…リブパターンは極めて脆く修正しても使用不可であ
る (試料9〜13)フリット混合物9〜13の作製 ガラスフリットとしてPb系ガラスにBi系ガラスを含
有させてものを用い、骨材としてアルミナを用い、顔料
としてダイピロキサイドブラック#9510を用いた。
隔壁のグロス値を変えるために、上記ガラスフリット中
のBi系ガラスの含有量を種々変えて、種々のフリット
混合物9〜13の原料を作製した。
可能である ×…リブパターンは極めて脆く修正しても使用不可であ
る (試料9〜13)フリット混合物9〜13の作製 ガラスフリットとしてPb系ガラスにBi系ガラスを含
有させてものを用い、骨材としてアルミナを用い、顔料
としてダイピロキサイドブラック#9510を用いた。
隔壁のグロス値を変えるために、上記ガラスフリット中
のBi系ガラスの含有量を種々変えて、種々のフリット
混合物9〜13の原料を作製した。
【0053】これらを弗素樹脂製の容器に入れ、ペイン
トコンディショナーRC−5000(レッドデビル社
製)により15分間混合し、フリット混合物9〜13を
作製した。
トコンディショナーRC−5000(レッドデビル社
製)により15分間混合し、フリット混合物9〜13を
作製した。
【0054】隔壁形成材(ペースト)の作製 次いで、下記の要領で上記フリット混合物に下記の添加
物を加えて隔壁形成材(ペースト)9〜13を作製し
た。
物を加えて隔壁形成材(ペースト)9〜13を作製し
た。
【0055】 ・上記フリット混合物9〜13(個別) … 80部 ・エトセルSTD−100FP(ダウ・ケミカル社製) … 2部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(純正化学製) … 9部 ・スクリーンオイル759(奥野製薬工業製) … 9部 これらを均一に混合した後、三本ロールミル(井上製作
所製、C−4・3/4×10)にて混練しペースト9〜
13を作製した。
所製、C−4・3/4×10)にて混練しペースト9〜
13を作製した。
【0056】隔壁形成材(ペースト)を用いての板状サ
ンプルの作製 300×450mmのガラス基板上に、上記隔壁形成材
(ペースト)9〜13をスクリーンオイル759(奥野
製薬工業製)で希釈しシェアーレート15[1/se
c]、22℃で600ポイズに粘度調整し、スクリーン
印刷により印刷、乾燥をそれぞれ10回繰り返し、乾燥
膜厚200μmのベタ膜を作製した。その後、ピーク温
度575℃、保持時間20分、全焼成時間2時間で焼成
を行い目的とする隔壁の組成と同一の板状サンプル9〜
13(試料9〜13)を作製した。これらの板状サンプ
ル9〜13のグロス値を測定したところ下記表1に示す
とおりであった。
ンプルの作製 300×450mmのガラス基板上に、上記隔壁形成材
(ペースト)9〜13をスクリーンオイル759(奥野
製薬工業製)で希釈しシェアーレート15[1/se
c]、22℃で600ポイズに粘度調整し、スクリーン
印刷により印刷、乾燥をそれぞれ10回繰り返し、乾燥
膜厚200μmのベタ膜を作製した。その後、ピーク温
度575℃、保持時間20分、全焼成時間2時間で焼成
を行い目的とする隔壁の組成と同一の板状サンプル9〜
13(試料9〜13)を作製した。これらの板状サンプ
ル9〜13のグロス値を測定したところ下記表1に示す
とおりであった。
【0057】これらの板状サンプル9〜13を、焼成表
面をアセトンを用いて洗浄した後、80℃の温度条件で
30分間乾燥させた。
面をアセトンを用いて洗浄した後、80℃の温度条件で
30分間乾燥させた。
【0058】蛍光体層の密着性試験 前記隔壁組成からなる板状サンプル9〜13(試料9〜
13)の上に、上述した各蛍光体層形成用塗料G,B,
およびRをそれぞれ、塗布、乾燥、露光(40μm開口
のマスクを利用)、現像して所定の蛍光体層パターンを
形成させ、上記と同じ要領で蛍光体層の密着性試験を行
った。判断基準も同様とした。
13)の上に、上述した各蛍光体層形成用塗料G,B,
およびRをそれぞれ、塗布、乾燥、露光(40μm開口
のマスクを利用)、現像して所定の蛍光体層パターンを
形成させ、上記と同じ要領で蛍光体層の密着性試験を行
った。判断基準も同様とした。
【0059】焼成後のリブ(隔壁)パターンの状態 焼成後のリブパターンの状態を確認し、下記の判断基準
に従ってランク分けをおこなった。
に従ってランク分けをおこなった。
【0060】 ◎…欠陥の発生率は低く、極めて良好である ○…欠陥の発生率は、使用可能な範囲に抑えられている △…欠陥個所の補修が可能で、補修したうえで十分使用
可能である ×…リブパターンは極めて脆く修正しても使用不可であ
る (試料14〜16)フリット混合物の作製 ガラスフリットとしてPb系ガラスを用い、骨材として
アルミナを用い、顔料としてダイピロキサイドブラック
#9510を用いた。
可能である ×…リブパターンは極めて脆く修正しても使用不可であ
る (試料14〜16)フリット混合物の作製 ガラスフリットとしてPb系ガラスを用い、骨材として
アルミナを用い、顔料としてダイピロキサイドブラック
#9510を用いた。
【0061】これらを弗素樹脂製の容器に入れ、ペイン
トコンディショナーRC−5000(レッドデビル社
製)により15分間混合し、フリット混合物を作製し
た。
トコンディショナーRC−5000(レッドデビル社
製)により15分間混合し、フリット混合物を作製し
た。
【0062】隔壁形成材(ペースト)の作製 次いで、下記の要領で上記フリット混合物に下記の添加
物を加えて隔壁形成材(ペースト)を作製した。
物を加えて隔壁形成材(ペースト)を作製した。
【0063】 ・上記フリット混合物 … 80部 ・エトセルSTD−100FP(ダウ・ケミカル社製) … 2部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(純正化学製) … 9部 ・スクリーンオイル759(奥野製薬工業製) … 9部 これらを均一に混合した後、三本ロールミル(井上製作
所製、C−4・3/4×10)にて混練しペーストを作
製した。
所製、C−4・3/4×10)にて混練しペーストを作
製した。
【0064】隔壁形成材(ペースト)を用いての板状サ
ンプルの作製 300×450mmのガラス基板上に、上記隔壁形成材
(ペースト)をスクリーンオイル759(奥野製薬工業
製)で希釈しシェアーレート15[1/sec]、22
℃で600ポイズに粘度調整し、スクリーン印刷により
印刷、乾燥をそれぞれ10回繰り返し、乾燥膜厚200
μmのベタ膜を作製した。その後、焼成条件を種々変え
て種々の板状サンプル14〜16(試料14〜16)を
作製した。これらの板状サンプル14〜16のグロス値
を測定したところ下記表1に示すとおりであった。
ンプルの作製 300×450mmのガラス基板上に、上記隔壁形成材
(ペースト)をスクリーンオイル759(奥野製薬工業
製)で希釈しシェアーレート15[1/sec]、22
℃で600ポイズに粘度調整し、スクリーン印刷により
印刷、乾燥をそれぞれ10回繰り返し、乾燥膜厚200
μmのベタ膜を作製した。その後、焼成条件を種々変え
て種々の板状サンプル14〜16(試料14〜16)を
作製した。これらの板状サンプル14〜16のグロス値
を測定したところ下記表1に示すとおりであった。
【0065】これらの板状サンプル14〜16を、焼成
表面をアセトンを用いて洗浄した後、80℃の温度条件
で30分間乾燥させた。
表面をアセトンを用いて洗浄した後、80℃の温度条件
で30分間乾燥させた。
【0066】蛍光体層の密着性試験 前記隔壁組成からなる板状サンプル14〜16(試料1
4〜16)の上に、上述した各蛍光体層形成用塗料G,
B,およびRをそれぞれ、塗布、乾燥、露光(40μm
開口のマスクを利用)、現像して所定の蛍光体層パター
ンを形成させ、上記と同じ要領で蛍光体層の密着性試験
を行った。判断基準も同様とした。
4〜16)の上に、上述した各蛍光体層形成用塗料G,
B,およびRをそれぞれ、塗布、乾燥、露光(40μm
開口のマスクを利用)、現像して所定の蛍光体層パター
ンを形成させ、上記と同じ要領で蛍光体層の密着性試験
を行った。判断基準も同様とした。
【0067】焼成後のリブ(隔壁)パターンの状態 焼成後のリブパターンの状態を確認し、下記の判断基準
に従ってランク分けをおこなった。
に従ってランク分けをおこなった。
【0068】 ◎…欠陥の発生率は低く、極めて良好である ○…欠陥の発生率は、使用可能な範囲に抑えられている △…欠陥個所の補修が可能で、補修したうえで十分使用
可能である ×…リブパターンは極めて脆く修正しても使用不可であ
る 各サンプルについての密着性試験結果および焼成後のリ
ブ(隔壁)パターンの状態確認の結果を下記表1に示し
た。
可能である ×…リブパターンは極めて脆く修正しても使用不可であ
る 各サンプルについての密着性試験結果および焼成後のリ
ブ(隔壁)パターンの状態確認の結果を下記表1に示し
た。
【0069】
【表1】 [実験例II]パネル背面板の作製 実際に以下の要領でパネル背面板を作製し、プラズマデ
ィスプレイパネルの隔壁での効果を確認した。
ィスプレイパネルの隔壁での効果を確認した。
【0070】まず、300×450mmのガラス基板上
に下地層としてELD−1155(奥野製薬工業製)を
スクリーン印刷にて印刷し、乾燥、焼成して膜厚10μ
mの下地層を形成した後、この下地層の上にアドレス電
極としてD−590−HV−MOD(イー・エス・エル
日本製)をスクリーン印刷にて電極パターン状に印刷、
焼成し、膜厚8μm、線幅40μm、ピッチ240μm
の電極を形成した。
に下地層としてELD−1155(奥野製薬工業製)を
スクリーン印刷にて印刷し、乾燥、焼成して膜厚10μ
mの下地層を形成した後、この下地層の上にアドレス電
極としてD−590−HV−MOD(イー・エス・エル
日本製)をスクリーン印刷にて電極パターン状に印刷、
焼成し、膜厚8μm、線幅40μm、ピッチ240μm
の電極を形成した。
【0071】次に、このアドレス電極上に誘電体層とし
てPLS−3232(日本電気硝子製)をスクリーン印
刷にて印刷し、乾燥、焼成して膜厚12μmの誘電体層
を形成した。
てPLS−3232(日本電気硝子製)をスクリーン印
刷にて印刷し、乾燥、焼成して膜厚12μmの誘電体層
を形成した。
【0072】次いで、上記実験例Iで作製した隔壁形成
のための塗布組成物(ペースト)をスクリーンオイル7
59(奥野製薬工業製)で希釈しシェアーレート15
[1/sec]、22℃で600ポイズに粘度調整し、
スクリーン印刷により印刷、乾燥をそれぞれ10回繰り
返し、乾燥膜厚200μmのベタ膜を作製した。ベタ膜
が形成された基板を80℃に加熱しベタ膜上にドライフ
ィルムレジスト(東京応化工業製、OSBRフィルムB
F−605)をラミネートした後、超高圧水銀灯を光源
とする平行光プリンターを使用し、線幅100μm、ピ
ッチ240μmのラインパターンマスクを介して露光を
行った。露光条件は、波長365nmで測定した時に強
度200μW/cm2 、照射量80mJ/cm2 であっ
た。
のための塗布組成物(ペースト)をスクリーンオイル7
59(奥野製薬工業製)で希釈しシェアーレート15
[1/sec]、22℃で600ポイズに粘度調整し、
スクリーン印刷により印刷、乾燥をそれぞれ10回繰り
返し、乾燥膜厚200μmのベタ膜を作製した。ベタ膜
が形成された基板を80℃に加熱しベタ膜上にドライフ
ィルムレジスト(東京応化工業製、OSBRフィルムB
F−605)をラミネートした後、超高圧水銀灯を光源
とする平行光プリンターを使用し、線幅100μm、ピ
ッチ240μmのラインパターンマスクを介して露光を
行った。露光条件は、波長365nmで測定した時に強
度200μW/cm2 、照射量80mJ/cm2 であっ
た。
【0073】次に、無水炭酸ナトリウム0.2%水溶液
を用い、液温35℃でスプレー現像を行いサンドブラス
ト用マスクを作製し、乾燥した後、溶融アルミナA−#
800(不二見研磨材工業製)を切削材としてサンドブ
ラスト加工により不要部分を除去した。
を用い、液温35℃でスプレー現像を行いサンドブラス
ト用マスクを作製し、乾燥した後、溶融アルミナA−#
800(不二見研磨材工業製)を切削材としてサンドブ
ラスト加工により不要部分を除去した。
【0074】次いで、水酸化ナトリウム0.7%水溶液
を用い、液温30℃にてサンドブラスト用マスクを剥離
し、乾燥した後、ピーク温度575℃、保持時間20
分、全焼成時間2時間で焼成を行い線幅65μm、高さ
150μmの隔壁を得た。
を用い、液温30℃にてサンドブラスト用マスクを剥離
し、乾燥した後、ピーク温度575℃、保持時間20
分、全焼成時間2時間で焼成を行い線幅65μm、高さ
150μmの隔壁を得た。
【0075】この上に、上記の各蛍光体層形成用塗料
G,B,およびRをそれぞれ、塗布、乾燥、露光、現像
して所定の蛍光体層パターンを形成させた。その結果、
本発明の範囲内であるグロス値をもつ隔壁と蛍光体層の
密着性は極めて良好であることが確認できた。
G,B,およびRをそれぞれ、塗布、乾燥、露光、現像
して所定の蛍光体層パターンを形成させた。その結果、
本発明の範囲内であるグロス値をもつ隔壁と蛍光体層の
密着性は極めて良好であることが確認できた。
【0076】
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかで
ある。すなわち、本発明は、隔壁の溶融母体となるガラ
スフリットと、主として隔壁の形態および強度を維持す
るための骨材とを主成分として含有するプラズマディス
プレイパネル用隔壁であって、焼成後の隔壁表面のグロ
ス値が、1〜50の範囲内にあるように構成されている
ので、隔壁と蛍光体層との密着性を向上させることがで
き、製品の品質および歩留の向上を図ることができる。
ある。すなわち、本発明は、隔壁の溶融母体となるガラ
スフリットと、主として隔壁の形態および強度を維持す
るための骨材とを主成分として含有するプラズマディス
プレイパネル用隔壁であって、焼成後の隔壁表面のグロ
ス値が、1〜50の範囲内にあるように構成されている
ので、隔壁と蛍光体層との密着性を向上させることがで
き、製品の品質および歩留の向上を図ることができる。
【図1】AC型PDPの一構成例を示す斜視図である。
【図2】図1の背面板の構造を説明するための断面図で
ある
ある
【図3】DC型PDPの一構成例を示したものであり、
そのなかで、図3(a)は平面図、図3(b)は図3
(a)におけるX−X線での断面図である。
そのなかで、図3(a)は平面図、図3(b)は図3
(a)におけるX−X線での断面図である。
1…前面板 2…背面板 3…隔壁 4…維持電極 5…バス電極 6…誘電体層 7…MgO層 8…アドレス電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 直樹 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 5C040 AA04 BB05 BB06 DD09
Claims (2)
- 【請求項1】 隔壁の溶融母体となるガラスフリット
と、主として隔壁の形態および強度を維持するための骨
材とを主成分として含有するプラズマディスプレイパネ
ル用隔壁であって、 焼成後の隔壁表面のグロス値が、1〜50の範囲内にあ
ることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用隔
壁。 - 【請求項2】 放電空間を区画する隔壁およびこの隔壁
に被着される蛍光体層を有するプラズマディスプレイパ
ネルにおいて、 焼成後の隔壁表面のグロス値が、1〜50の範囲内にあ
ることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20448598A JP2000021317A (ja) | 1998-07-03 | 1998-07-03 | プラズマディスプレイパネル用隔壁およびプラズマディスプレイパネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20448598A JP2000021317A (ja) | 1998-07-03 | 1998-07-03 | プラズマディスプレイパネル用隔壁およびプラズマディスプレイパネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000021317A true JP2000021317A (ja) | 2000-01-21 |
Family
ID=16491314
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20448598A Pending JP2000021317A (ja) | 1998-07-03 | 1998-07-03 | プラズマディスプレイパネル用隔壁およびプラズマディスプレイパネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000021317A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006032316A (ja) * | 2004-06-14 | 2006-02-02 | Nippon Electric Glass Co Ltd | プラズマディスプレイパネル用材料 |
-
1998
- 1998-07-03 JP JP20448598A patent/JP2000021317A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006032316A (ja) * | 2004-06-14 | 2006-02-02 | Nippon Electric Glass Co Ltd | プラズマディスプレイパネル用材料 |
JP4613688B2 (ja) * | 2004-06-14 | 2011-01-19 | 日本電気硝子株式会社 | プラズマディスプレイパネル用材料 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050408 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061207 |
|
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Effective date: 20061219 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070410 |