JPH1116488A - プラズマディスプレイパネル作製方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル作製方法

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JPH1116488A
JPH1116488A JP9165907A JP16590797A JPH1116488A JP H1116488 A JPH1116488 A JP H1116488A JP 9165907 A JP9165907 A JP 9165907A JP 16590797 A JP16590797 A JP 16590797A JP H1116488 A JPH1116488 A JP H1116488A
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利彦 武田
Yozo Kosaka
陽三 小坂
Kounosuke Tanaka
浩之介 田中
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 下地層、電極層、誘電体層、障壁層の位置精
度の向上を可能とし、各層を同時に形成可能とすること
により、PDP作製時間を短縮でき、歩留りを向上させ
る。 【解決手段】 ガラス基板20上に、ガラスフリットか
らなる無機成分及び感光性樹脂とからなる下地形成11
層を積層した後、下地パターンを有するマスク21を介
して下地形成層を露光する第1工程、露光後、下地形成
層上にガラスフリットからなる無機成分、導電性粉末、
感光性樹脂とからなる電極形成層12を積層し、電極パ
ターンを有するマスク22を介して電極形成層を露光す
る第2工程、露光後に、下地形成層及び電極形成層を同
時に現像し、ガラス基板上に下地層パターンに応じた下
地形成層11′と電極パターンに応じた電極形成層1
2′を同時に形成する第3工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(以下、PDP)における下地層と電極層、
または誘電体層と障壁層を同時に形成することを可能と
するプラズマディスプレイパネル作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PDPにおける構成を、AC型PDPの
一構成例により説明する。図5に示すように、2枚のガ
ラス基板1、2が互いに平行に且つ対向して配設されて
おり、両者は背面板となるガラス基板2上に互いに平行
に設けられたセル障壁3により一定の間隔に保持されて
いる。前面板となるガラス基板1の背面側には、放電維
持電極である透明電極4とバス電極である金属電極5と
で構成される複合電極が互いに平行に形成され、これを
覆って、誘電体層6が形成されており、さらにその上に
保護層(MgO層)が形成されている。また、背面板と
なるガラス基板2の前面側には介して前記複合電極と直
交するようにセル障壁3の間に位置してアドレス電極8
が互いに平行に形成されており、さらにセル障壁3の壁
面とセル底面を覆うようにして蛍光面9が設けられてい
る。
【0003】また、図6に示すように下地層10を背面
板となるガラス基板2に形成した後、アドレス電極8、
誘電体層6′、セル障壁3、蛍光体面9を順次設けた構
造とする場合もある。
【0004】上記においては、前面板と背面板を離した
状態で示しているが、2枚のガラス基板1、2端部には
封止部が設けられ、該封止部には、上述した下地層、誘
電体層は設けられてはいなく、これらの下地層、誘電体
層についても、ガラス基板上にパターン状に形成されて
いる。
【0005】このAC型PDPは面放電型であって、前
面板上の複合電極間に交流電圧を印加し、空間に漏れた
電界で放電させる構造である。この場合、交流をかけて
いるために電界の向きは周波数に対応して変化する。そ
して、この放電により生じる紫外線により蛍光体9を発
光させ、前面板を透過する光を観察者が視認できるもの
である。なお、DC型PDPにあっては、電極は誘電体
層で被覆されていない構造を有する点で相違するが、そ
の放電現象は同一である。
【0006】このようなPDPパネルの作製にあたっ
て、各層は、ガラス基板上にスクリーン印刷等により厚
膜形成により積層されているが、スクリーン印刷により
各層を順次位置合わせをしつつ積層するのは大変であ
り、その位置精度を高めることは困難である。また、作
製にあたっても多大な時間を要するのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、PD
Pパネルにおいて、下地層、電極層、誘電体層、障壁層
のそれぞれの位置精度の向上を可能とし、ガラス基板上
に下地層と電極層、また、電極付ガラス基板上に誘電体
層と障壁層を同時に形成可能とすることにより、PDP
作製時間を短縮でき、歩留りを向上させることを可能と
するプラズマディスプレイパネル作製方法の提供にあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1のプラズマ
ディスプレイパネル作製方法は、(1) ガラス基板上
に、少なくともガラスフリットからなる無機成分及び感
光性樹脂とからなる下地形成層を積層した後、下地パタ
ーンを有するマスクを介して下地形成層を露光する第1
工程、(2) 該露光後、下地形成層上に少なくともガ
ラスフリットからなる無機成分、導電性粉末、感光性樹
脂とからなる電極形成層を積層し、電極パターンを有す
るマスクを介して電極形成層を露光する第2工程、
(3) 該露光後に、下地形成層及び電極形成層を同時
に現像し、ガラス基板上に下地層パターンに応じた下地
形成層と電極パターンに応じた電極形成層を同時に形成
する第3工程、とからなることを特徴とする。
【0009】本発明の第2のプラズマディスプレイパネ
ル作製方法は、(1) 電極付のガラス基板上に、少な
くともガラスフリットからなる無機成分及び感光性樹脂
とからなる誘電体層形成層を積層した後、誘電体層パタ
ーンを有するマスクを介して誘電体層形成層を露光する
第1工程、(2) 該露光後に、誘電体層形成層上に少
なくともガラスフリットからなる無機成分、感光性樹脂
とからなる障壁形成層を積層し、障壁パターンを有する
マスクを介して障壁形成層を露光する第2工程、(3)
該露光後に、誘電体層形成層及び障壁形成層を同時に
現像し、電極付ガラス基板上に誘電体層パターンに応じ
た誘電体層形成層と障壁パターンに応じた障壁形成層を
同時に形成する第3工程、とからなることを特徴とす
る。
【0010】本発明の第3のプラズマディスプレイパネ
ル作製方法は、(1) 電極付のガラス基板上に、少な
くともガラスフリットからなる無機成分及び感光性樹脂
とからなる誘電体層形成層を積層した後、誘電体層パタ
ーンを有するマスクを介して誘電体層形成層を露光する
第1工程、(2) 該露光後に、誘電体層形成層におけ
る誘電体層パターン上に、少なくともガラスフリットか
らなる無機成分、熱可塑性樹脂とからなる障壁形成層、
耐サンドブラスト感光性層を順次積層し、障壁パターン
を有するマスクを介して耐サンドブラスト感光性層を露
光する第2工程、(3) 該露光後に、誘電体層形成層
及び耐サンドブラスト感光性層を同時に現像し、電極付
ガラス基板上に誘電体層パターンに応じた誘電体層形成
層と障壁パターンに応じた耐サンドブラスト感光性層を
同時に形成する第3工程、(4) 障壁パターンに応じ
た耐サンドブラスト感光性層をマスクとして、障壁形成
層をサンドブラスト加工し、障壁パターンに応じた障壁
形成層を形成する第4工程、とからなることを特徴とす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1のプラズマ
ディスプレイパネル作製方法を説明するための図であ
り、図中20はガラス基板、11は下地形成層、11′
は下地パターン、12は電極形成層、12′は電極パタ
ーン、21は下地パターンを有するマスク、22は電極
パターンを有するマスクである。
【0012】第1工程は、図1(a)に示すように、ガ
ラス基板20上に下地形成層11を積層した後、図1
(b)に示すように、下地パターンを有するマスクを介
して下地形成層を露光する工程である。
【0013】下地形成層11は、少なくともガラスフリ
ットを有する無機成分と感光性樹脂とからなる。
【0014】ガラスフリットとしては、その軟化点が3
50℃〜650℃で、熱膨張係数α300 が60×10-7
/℃〜100×10-7/℃のものが挙げられる。ガラス
フリットの軟化点が650℃を越えると焼成温度を高く
する必要があり、その積層対象によっては熱変形したり
するので好ましくなく、また、350℃より低いと感光
性樹脂等が分解、揮発する前にガラスフリットが融着
し、層中に空隙等の発生が生じるので好ましくない。ま
た、熱膨張係数が60×10-7/℃〜100×10-7
℃の範囲外であると、ガラス基板の熱膨張係数との差が
大きく、歪み等を生じるので好ましくない。
【0015】また、無機成分として、ガラスフリットの
他に無機粉体、無機顔料をそれぞれ2種以上を混合して
使用してもよい。
【0016】無機粉体としては、骨材であって、必要に
応じて添加される。無機粉体は、焼成に際しての流延防
止、緻密性向上を目的とするものであり、ガラスフリッ
トより軟化点が高いものであり、例えば酸化アルミニウ
ム、酸化硼素、シリカ、酸化チタン、酸化マグネシウ
ム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウ
ム、炭酸カルシウム等の各無機粉体が利用でき、平均粒
径0.1μm〜20μmのものが例示される。無機粉体
の使用割合は、ガラスフリット100重量部に対して無
機粉体0重量部〜30重量部とするとよい。
【0017】また、無機顔料としては、外光反射を低減
し、実用上のコントラストを向上させるために必要に応
じて添加されるものであり、暗色にする場合には、耐火
性の黒色顔料として、Co−Cr−Fe、Co−Mn−
Fe、Co−Fe−Mn−Al、Co−Ni−Cr−F
e、Co−Ni−Mn−Cr−Fe、Co−Ni−Al
−Cr−Fe、Co−Mn−Al−Cr−Fe−Si等
が挙げられる。また、耐火性の白色顔料としては、酸化
チタン、酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム等
が挙げられる。
【0018】次に、感光性樹脂は、無機成分のバインダ
ーとして、また、下地形成層のパターニングを目的とし
て含有させるものであり、アルカリ現像型バインダーポ
リマーと重合性モノマーとからなり、必要に応じて光開
始剤、増感剤、重合停止剤、連鎖移動剤からなる。
【0019】アルカリ現像型バインダーポリマーとして
は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の二量体
(東亜合成(株)製M−5600)、イタコン酸、クロ
トン酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸ビニルの酸無水物
の1種以上と、メチルアクリレート、メチルメタクリレ
ート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n
−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレー
ト、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリ
レート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチル
メタクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ブチ
ルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチル
メタクリレート、tert−ブチルアクリレート、te
rt−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレー
ト、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリ
レート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリ
レート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリ
レート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルピ
ロリドンの1種以上からなるコポリマー、また、これら
コポリマーを2種以上混合したものでもよく、また、こ
れらのコポリマーにグリシジル基または水酸基を有する
エチレン性不飽和化合物を付加させたポリマーであっ
て、酸価が50〜150mgKOH/gで重量平均分子
量が3,000〜200,000、好ましくは、10,
000〜100,000のものが挙げられる。
【0020】また、これらのコポリマーに非アルカリ現
像型のポリマーを1種または2種以上混合してもよく、
非アルカリ現像型のポリマーとしては、ポリビニルアル
コール、ポリビニルブチラール、アクリル酸エステル重
合体、メタクリル酸エステル重合体、ポリスチレン、α
−メチルスチレン重合体、1−ビニル−2−ピロリドン
重合体、またはこれらの共重合体等が挙げられる。
【0021】重合性モノマーとしては、少なくとも1つ
の重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する化合物が挙
げられる。例えばアリルアクリレート、ベンジルアクリ
レート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレ
ングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテ
ニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデ
キシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウ
リルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、
メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシ
エチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレ
ングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレー
ト、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパン
ジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジ
アクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロ
ピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート
のプロピレングリコール変性体、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリ
オキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−
ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリ
メチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、ジ
アリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチル
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート、及び上記のアクリレート体をメタクリレート体に
変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、1−ビニル−2−ピロリドン等の1種または2
種以上の混合物が挙げられる。
【0022】重合性モノマーの使用量は、アルカリ現像
型バインダーポリマー100重量部に対して20重量部
〜200重量部含有させるとよい。
【0023】また、光開始剤としては、ベンゾフェノ
ン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジ
メチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチ
ルアミノ)ベンゾフェノン、α−アミノアセトフェノ
ン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル
−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フ
ルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,
2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert
−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2
−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、
2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサン
トン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエ
チルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブ
チルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−
クロロアントラキノン、アントロン、ベンズアントロ
ン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジ
ドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジド
ベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−ア
ジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2
−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシ
カルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン
−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−
ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカ
ルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プ
ロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミ
ヒラーケトン、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェ
ニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパン、2,2−ジ
メトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−
ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリ
ノフェニル)−ブタノン−1、2,4−ジエチルチオキ
サントン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエス
テル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、ナ
フタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルク
ロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾ
ビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベ
ンゾチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィ
ン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェ
ニルスルホン、過酸化ベンゾイル、エオシン、メチレン
ブルー等の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタ
ノールアミン等の還元剤の組合せ等が挙げられ、また、
これらの光開始剤の1種または2種以上を組み合わせて
使用してもよい。
【0024】感光性樹脂は、ネガ型の場合、全無機成分
の合計量100重量部に対して5重量部〜60重量部、
好ましくは10重量部〜40重量部の割合で含有させる
とよい。感光性樹脂が60重量部より多いと、焼成後の
膜中にカーボンが残り、品質が低下するので好ましくな
い。
【0025】また、下地形成層には、必要に応じて可塑
剤、分散剤、沈降防止剤、消泡剤、剥離剤、レベリング
剤等が添加される。
【0026】可塑剤は、インキの流動性を向上させるこ
とを目的として添加され、例えばジメチルフタレート、
ジブチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート等の
ノルマルアルキルフタレート類、ジ−2−エチルヘキシ
ルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジ
ルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタル
エチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレー
ト等のフタル酸エステル類、トリ−2−エチルヘキシル
トリメリテート、トリ−n−アルキルトリメリテート、
トリイソノニルトリメリテート、トリイソデシルトリメ
リテート等のトリメリット酸エステル、ジメチルアジペ
ート、ジブチルアジペート、ジー2−エチルヘキシルア
ジペート、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコ
ールアジペート、ジー2−エチルヘキシルアゼテート、
ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジー2−エ
チルヘキシルセバケート、ジー2−エチルヘキシルマレ
ート、アセチル−トリ−(2−エチルヘキシル)シトレ
ート、アセチル−トリ−n−ブチルシトレート、アセチ
ルトリブチルシトレート等の脂肪族二塩基酸エステル
類、ポリエチレングリコールベンゾエート、トリエチレ
ングリコール−ジ−(2−エチルヘキソエート)、ポリ
グリコールエーテル等のグリコール誘導体、グリセロー
ルトリアセテート、グリセロールジアセチルモノラウレ
ート等のグリセリン誘導体、セバシン酸、アジピン酸、
アゼライン酸、フタル酸などからなるポリエステル系、
分子量300〜3,000の低分子量ポリエーテル、同
低分子量ポリ−α−スチレン、同低分子量ポリスチレ
ン、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシ
ルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ト
リフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、
トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホス
フェート、キシレニルジフェニルホスフェート、2−エ
チルヘキシルジフェニルホスフェート等の正リン酸エス
テル類、メチルアセチルリシノレート等のリシノール酸
エステル類、ポリ−1,3−ブタンジオールアジペー
ト、エポキシ化大豆油等のポリエステル・エポキシ化エ
ステル類、グリセリントリアセテート、2−エチルヘキ
シルアセテート等の酢酸エステル類が例示される。
【0027】分散剤、沈降防止剤としては、無機成分の
分散性、沈降防止性の向上を目的とするものであり、例
えば燐酸エステル系、シリコーン系、ひまし油エステル
系、各種界面滑性剤等が例示され、消泡剤としては、例
えばシリコーン系、アクリル系、各種界面滑性剤等が例
示され、剥離剤としては、例えばシリコーン系、フッ素
油系、パラフィン系、脂肪酸系、脂肪酸エステル系、ひ
まし油系、ワックス系、コンパウンドタイプが例示さ
れ、レベリング剤としては、例えばフッ素系、シリコー
ン系、各種界面滑性剤等が例示され、それぞれ、適宜量
添加される。
【0028】上記の形成用材料はメタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケト
ン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン等のアノン
類、塩化メチレン、3−メトキシブチルアセテート、エ
チレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレング
リコールアルキルエーテルアセテート類、ジエチレング
リコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコー
ルモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリ
コールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコール
モノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリ
コールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコー
ルモノアルキルエーテルアセテート類、α−若しくはβ
−テルピオネール等のテルペン類、N−メチル−2−ピ
ロリドン等に溶解、または分散させ、ガラス基板上に、
スクリーン印刷、ディスペンスコート、ダイコート、ブ
レードコート、コンマコート、ロールコート、グラビア
リバースコート法、グラビアダイレクト法、スリットリ
バース法等により塗布し、乾燥させ、所定の膜厚とされ
る。
【0029】なお、上記では、塗液をガラス基板上に塗
布して下地形成層を設けたが、ベースフイルム上に、塗
液を塗布して下地形成層を形成して転写シートとし、ガ
ラス基板上に熱ラミネートすることにより、下地形成層
をガラス基板上に形成してもよい。このようなベースフ
イルムとしては、形成用塗液における溶剤に侵されず、
また、溶剤の乾燥工程、転写工程での加熱処理により収
縮延伸しないことが必要であり、ポリエチレンテレフタ
レート、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ
サルホン、アラミド、ポリカーボネート、ポリビニルア
ルコール、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘
導体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリ
イミド、アイオノマー等の各フイルム、シート、更にア
ルミニウム、銅等の金属箔が例示され、膜厚4μm〜4
00μm、好ましくは4.5μm〜200μmのもので
ある。
【0030】このようにして形成された下地形成層は、
図1(b)に示すように、下地パターンを有するマスク
21を介して、露光される。下地パターンは、PDPに
おける2枚のガラス基板1、2端部に設けられる封止部
に対応するものである。光源としては電子線、紫外線、
X線等の電離放射線が用いられる。これにより、下地形
成層11には、露光部である下地パターン11′が形成
される。露光に際しては、下地形成層上に保護フィルム
を剥離可能に貼着して、露光するとよいが、下地形成層
の積層に際して上述した転写シートを使用する場合に
は、ベースフイルムをそのまま保護フイルムとできる。
なお、保護フイルムは、露光後、剥離されて第2工程に
おける電極形成層の積層に供せられるが、保護フイルム
を剥離してから露光してもよい。
【0031】次に、第2工程は、図1(c)に示すよう
に、下地パターンを形成した下地形成層上に、少なくと
もガラスフリットからなる無機成分、導電性粉末、感光
性樹脂とからなる電極形成層を積層した後、図1(d)
に示すように、電極パターンを有するマスク22を介し
て電極形成層を露光する工程である。
【0032】電極形成層12は、少なくともガラスフリ
ットからなる無機成分、導電性粉末、感光性樹脂とから
なり、必要に応じて増粘剤が添加される。
【0033】ガラスフリットとしては、下地形成層で上
述したガラスフリットと同様のものが使用される。ま
た、無機成分として、ガラスフリットの他に無機粉体、
無機顔料をそれぞれ2種以上を混合して使用してもよ
く、下地形成層で上述した無機粉体、無機顔料と同様の
ものが使用される。
【0034】次に、導電性粉末としては、金、銀、銅、
ニッケル、アルミニウム等の金属粉末が挙げられ、平均
粒径が0.1μm〜5μmの球形金属粉体が好ましい。
導電性粉末の全無機成分に対する割合は、全無機成分1
00重量部に対して、導電性粉末は70重量部〜100
重量部である。
【0035】感光性樹脂としては、下地形成層で上述し
た感光性樹脂と同様のものが使用でき、無機成分と導電
性粉末の合計量100重量部に対して5重量部〜60重
量部、好ましくは10重量部〜40重量部の割合で含有
させるとよい。感光性樹脂が60重量部より多いと、焼
成後の膜中にカーボンが残り、品質が低下するので好ま
しくない。
【0036】増粘剤は、形成用塗布液において、その粘
度を増大させて、下地形成層へのしみ込みを押さえるこ
とを目的として必要に応じて添加されるものであり、公
知のものを使用できるが、例えばヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソー
ダ、カゼイン、カゼイン酸ソーダ、キサンタンガム、ポ
リビニルアルコール、ポリエーテルウレタン変性物、ポ
リアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、モ
ンモタロナイト、ステアリン酸アルミニウム、ステアリ
ン酸亜鉛、オクチル酸アルミニウム、水添加ひまし油、
ひまし油エステル、脂肪酸アマイド、酸化ポリエチレ
ン、デキストリン脂肪酸エステル、ジベンジリデンソル
ビトール、植物油系重合油、表面処理炭酸カルシウム、
有機ベントナイト、シリカ、チタニア、ジルコニア、ア
ルミナ等の微粉末等が挙げられる。
【0037】増粘剤の添加量は、導電性粉末100重量
部に対して0.1重量部〜20重量部、好ましくは0.
1重量部〜10重量部であり、0.1重量部未満である
と増粘効果がなく、下地形成層へのしみ込みが生じ、断
線等の悪影響を引き起こし、また、20重量部より多い
と電極としての特性に影響を与える。
【0038】また、形成用塗布液には、その塗布性等を
改善するために、下地形成層で上述した可塑剤、分散
剤、沈降防止剤、消泡剤、剥離剤、レベリング剤を同様
に添加してもよい。
【0039】上記の電極形成用材料は、下地形成層で上
述した溶剤に同様に溶解、または分散させ、下地形成層
上に同様の方法により塗布し、乾燥させ、所定の膜厚と
される。
【0040】なお、上記では、塗液を下地形成層上に塗
布して電極形成層を設けたが、ベースフイルム上に、塗
液を塗布して電極形成層を形成して転写シートとし、下
地形成層上に熱ラミネートすることにより、電極形成層
を下地形成層上に形成してもよい。このようなベースフ
イルムは、下地形成層の項で説明した転写シートと同様
のものが使用できる。電極形成層を転写シートを使用し
て形成すると、塗液を下地形成層上に直接塗布する場合
に比して、塗液の下地形成層へのしみ込みを防止できる
という利点がある。
【0041】このようにして形成された電極形成層12
は、図1(d)に示すように、電極パターンを有するマ
スク22を介して、露光される。電極パターンは、PD
Pにおけるアドレス電極またはバス電極パターンに対応
するものである。光源としては電子線、紫外線、X線等
の電離放射線が用いられる。これにより、電極形成層1
2には、露光部である電極パターン12′が形成され
る。露光に際しては、電極形成層上に保護フィルムを剥
離可能に貼着して、露光するとよいが、電極形成層の積
層に際して上述した転写シートを使用する場合には、ベ
ースフイルムをそのまま保護フイルムとできる。なお、
保護フイルムは、露光後、剥離されて現像処理に供せら
れるが、保護フイルムを剥離してから露光してもよい。
【0042】本発明の第1のプラズマディスプレイパネ
ル作製方法は、下地形成層において露光形成された下地
パターン11′領域内に電極パターン12′が配置され
ることを利用するもので、図1(d)に示すように、電
極パターン12′は、下地パターン11′領域内にのみ
形成される。
【0043】次に、第3工程は、図1(e)に示すよう
に、下地形成層及び電極形成層を同時に現像し、ガラス
基板上に下地パターンに応じた下地形成層と電極パター
ンに応じた電極形成層を同時に形成する工程である。第
2工程で説明したように、電極パターン12′は、下地
パターン11′領域内にのみ形成されるので、図1
(d)で示すように、下地パターン11′、電極パター
ン12′が共に形成されたPDP部材は、それぞれの未
露光部を現像液により同時に溶出または剥離することが
できる。
【0044】得られたPDP部材は、基板全体を350
℃〜650℃で焼成することにより、下地層と電極層と
が同時にPDPパネル上に形成される。
【0045】本発明の第1のPDP形成方法は、PDP
作成に際して下地層の枠取りと電極層を同一現像液によ
り同時に現像して形成することができ、また、フォトリ
ソグラフィー法により電極を形成するので、位置精度の
優れたPDP部材とできるものである。
【0046】次に、図2は、本発明の第2のPDP作製
方法を説明するための図であり、図中20はガラス基
板、13は誘電体層形成層、13′は誘電体層パター
ン、14は障壁形成層、14′は障壁パターン、15は
電極、23は誘電体層パターンを有するマスク、24は
障壁パターンを有するマスクである。
【0047】第1工程は、図2(a)に示すように、電
極15が配設されたガラス基板20上に誘電体層形成層
13を積層した後、図2(b)に示すように、誘電体層
パターンを有するマスク23を介して誘電体層形成層1
3を露光する工程である。
【0048】誘電体層形成層13は、少なくともガラス
フリットからなる無機成分、感光性樹脂とからなる。ガ
ラスフリットとしては、下地形成層で上述したガラスフ
リットと同様のものが使用される。また、無機成分とし
て、ガラスフリットの他に無機粉体、無機顔料をそれぞ
れ2種以上を混合して使用してもよく、下地形成層で上
述した無機粉体、無機顔料と同様のものが使用される。
【0049】感光性樹脂としては下地形成層で上述した
感光性樹脂と同様のものが使用でき、無機成分の合計量
100重量部に対して5重量部〜60重量部、好ましく
は10重量部〜40重量部の割合で含有させるとよい。
感光性樹脂が60重量部より多いと、焼成後の膜中にカ
ーボンが残り、品質が低下するので好ましくない。
【0050】また、形成用塗布液には、その塗布性等を
改善するために、下地形成層で上述した可塑剤、分散
剤、沈降防止剤、消泡剤、剥離剤、レベリング剤を同様
に添加してもよい。
【0051】上記の誘電体層形成材料は、下地形成層で
上述した溶剤に同様に溶解、または分散させ、電極付ガ
ラス基板上に同様の方法で塗布し、乾燥させ、所定の膜
厚とされる。
【0052】なお、ベースフイルム上に、誘電体層形成
用塗液を塗布して転写シートとし、電極付ガラス基板上
に熱ラミネートすることにより、誘電体層形成層を形成
してもよい。このようなベースフイルムは、下地形成層
の項で説明した転写シートと同様のものが使用できる。
【0053】このようにして形成された誘電体層形成層
13は、図2(d)に示すように、誘電体層パターンを
有するマスク23を介して、露光される。誘電体層パタ
ーンは、PDPにおける2枚のガラス基板1、2端部に
設けられる封止部に対応するものである。光源としては
電子線、紫外線、X線等の電離放射線が用いられる。こ
れにより、誘電体層形成層13には、露光部である誘電
体層パターン13′が形成される。露光に際しては、誘
電体層形成層上に保護フィルムを剥離可能に貼着して、
露光するとよいが、誘電体層形成層の積層に際して上述
した転写シートを使用する場合には、ベースフイルムを
そのまま保護フイルムとできる。なお、保護フイルム
は、露光後、剥離されて、障壁形成層の積層に供せられ
るが、保護フイルムを剥離してから露光してもよい。
【0054】次に、第2工程は、図2(c)に示すよう
に、誘電体層パターンを形成した誘電体層形成層13上
に、少なくともガラスフリットからなる無機成分、感光
性樹脂とからなる障壁形成層14を積層した後、図2
(d)に示すように、障壁パターンを有するマスク24
を介して障壁形成層を露光する工程である。
【0055】障壁形成層14は、少なくともガラスフリ
ットからなる無機成分、感光性樹脂とからなり、必要に
応じて増粘剤が添加される。
【0056】ガラスフリットとしては、下地形成層で上
述したガラスフリットと同様のものが使用される。ま
た、無機成分として、ガラスフリットの他に無機粉体、
無機顔料をそれぞれ2種以上を混合して使用してもよ
く、下地形成層で上述した無機粉体、無機顔料と同様の
ものが使用されるが、障壁形成層における無機粉体の使
用割合は、ガラスフリット100重量部に対して無機粉
体5重量部〜50重量部とするとよい。
【0057】感光性樹脂としては、下地形成層で上述し
た感光性樹脂と同様のものが使用でき、無機成分の合計
量100重量部に対して5重量部〜60重量部、好まし
くは10重量部〜40重量部の割合で含有させるとよ
い。感光性樹脂が60重量部より多いと、焼成後の膜中
にカーボンが残り、品質が低下するので好ましくない。
増粘剤は、上記の電極形成層の項で記載したと同様のも
のが使用でき、その粘度を増大させて、誘電体層形成層
へのしみ込みを押さえることを目的として必要に応じて
同様に添加される。
【0058】また、形成用塗布液には、その塗布性等を
改善するために、下地形成層で上述した可塑剤、分散
剤、沈降防止剤、消泡剤、剥離剤、レベリング剤を同様
に添加してもよい。
【0059】上記の障壁形成用材料は、下地形成層で上
述した溶剤に同様に溶解、または分散させ、誘電体層形
成層上に同様の方法で塗布し、乾燥させ、所定の膜厚と
される。障壁形成層は、一回の塗布で所定の膜厚を得る
ことが困難な場合には複数回の塗布と乾燥を繰り返して
行なうとよい。
【0060】なお、ベースフイルム上に、塗液を塗布し
て障壁形成層を形成して転写シートとし、誘電体層形成
層上に熱ラミネートすることにより、障壁形成層を誘電
体層形成層上に形成してもよい。このようなベースフイ
ルムは、下地形成層の項で説明した転写シートと同様の
ものが使用できる。障壁形成層を転写シートを使用して
形成すると、塗液を誘電体層形成層上に直接塗布する場
合に比して、塗液の誘電体層形成層へのしみ込みを防止
できるという利点がある。
【0061】このようにして形成された障壁形成層14
は、図2(d)に示すように、障壁パターンを有するマ
スク24を介して、露光される。障壁パターンは、PD
Pにおける障壁に対応するものである。光源としては電
子線、紫外線、X線等の電離放射線が用いられる。これ
により、障壁形成層14には、露光部である障壁パター
ン14′が形成される。露光に際しては、障壁形成層上
に保護フィルムを剥離可能に貼着して、露光するとよい
が、障壁形成層の積層に際して上述した転写シートを使
用する場合には、ベースフイルムをそのまま保護フイル
ムとできる。なお、保護フイルムは、露光後、剥離され
て現像処理に供せられる。
【0062】本発明の第2のPDP作製方法は、誘電体
層形成層において露光形成された誘電体層パターン1
3′領域内に障壁パターン14′が配置されることを利
用するもので、図2(d)に示すように、障壁パターン
14′は、誘電体層パターン13′領域内にのみ形成さ
れる。
【0063】次に、第3工程は、図2(e)に示すよう
に誘電体層形成層及び障壁形成層を同時に現像し、ガラ
ス基板上に誘電体層パターンに応じた誘電体層形成層と
障壁パターンに応じた障壁形成層を同時に形成する工程
である。第2工程で説明したように、障壁パターン1
4′は、誘電体層パターン13′領域内にのみ形成され
るので、図2(d)で示すように、それぞれの未露光部
を現像液により同時に溶出または剥離して誘電体層パタ
ーン13′、障壁パターン14′が共に形成されたPD
P部材を得ることができる。
【0064】得られたPDP部材は、基板全体を350
℃〜650℃で焼成することにより、誘電体層と障壁層
とが同時にPDPパネル上に形成される。
【0065】次に、図3、図4は、本発明の第3のPD
P作製方法を説明するための図であり、図中20はガラ
ス基板、13は誘電体層形成層、13′は誘電体層パタ
ーン、14は障壁形成層、15は電極、16は耐サンド
ブラスト感光性層、16′は耐サンドブラスト感光性層
における障壁パターン、23は誘電体層パターンを有す
るマスク、24は障壁パターンを有するマスクである。
【0066】第1工程は、図3(a)に示すように、電
極15が配設されたガラス基板20上に誘電体層形成層
13を積層した後、図3(b)に示すように、誘電体層
パターンを有するマスク23を介して誘電体層形成層1
3を露光する工程であり、上述した第2のPDP作成方
法で記載した第1工程と同じである。
【0067】次に、第2工程は、図3(c)に示すよう
に、誘電体層パターンを形成した誘電体層形成層13上
に、少なくともガラスフリットからなる無機成分、熱可
塑性樹脂とからなる障壁形成層14を、誘電体層形成層
における誘電体層パターン13′上にのみ積層し、更
に、図3(d)に示すように、その障壁形成層14上に
耐サンドブラスト感光性層16を積層する工程である。
【0068】この第2工程においては、第1のPDP作
成方法と、樹脂成分として熱可塑性樹脂を使用する点で
相違し、障壁形成層14は、少なくともガラスフリット
からなる無機成分、熱可塑性樹脂とから構成するもの
で、必要に応じて増粘剤が添加される。
【0069】ガラスフリットとしては、下地形成層で上
述したガラスフリットと同様のものが使用される。ま
た、無機成分として、ガラスフリットの他に無機粉体、
無機顔料をそれぞれ2種以上を混合して使用してもよ
く、下地形成層で上述した無機粉体、無機顔料と同様の
ものが使用されるが、障壁形成層における無機粉体の使
用割合は、ガラスフリット100重量部に対して無機粉
体5重量部〜50重量部とするとよい。
【0070】また、熱可塑性樹脂としては、無機成分の
バインダーとして含有させるものであり、例えばメチル
アクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレ
ート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリ
レート、イソプロピルメタクリレート、sec−ブチル
アクリレート、sec−ブチルメタクリレート、n−ブ
チルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブ
チルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ter
t−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレ
ート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタク
リレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレ
ート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリ
レート、n−デシルメタクリレート、ヒドロキシエチル
アクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒド
ロキプロピルアクリレート、ヒドロキプロピルメタクリ
レート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−
2−ピロリドン等の1種以上からなるポリマーまたはコ
ポリマー、エチルセルロース等のセルロース誘導体等が
挙げられる。
【0071】特に、メチルアクリレート、メチルメタク
リレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリ
レート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタ
クリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブ
チルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブ
チルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、
tert−ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルア
クリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロ
キプロピルアクリレート、ヒドロキプロピルメタクリレ
ート等の1種以上からなるポリマーまたはコポリマー、
エチルセルロースが好ましい。
【0072】熱可塑性樹脂は、無機成分100重量部に
対して1重量部〜30重量部、好ましくは1重量部〜1
5重量部の割合とするとよい。熱可塑性樹脂の割合が1
重量部より少ないと障壁形成層の保持性が低く、また、
30重量部より多いと、後述するようにサンドブラスト
加工においてサンドブラスト性が低下し、作業効率が悪
くなる。
【0073】増粘剤も、上記同様に使用でき、その粘度
を増大させて、誘電体層形成層へのしみ込みを押さえる
ことを目的として必要に応じて同様に添加される。
【0074】また、障壁形成層には、上述した可塑剤、
分散剤、沈降防止剤、消泡剤、剥離剤、レベリング剤等
が必要に応じて同様に添加されてもよい。
【0075】障壁形成材料は、上述した下地形成層で記
載したと同様の溶剤に溶解または分散させた後、誘電体
層形成層全面ではなく、誘電体層パターン13′上にの
み、スクリーン印刷、ディスペンスコート、ダイコー
ト、ブレードコート、コンマリバースコート、ロールコ
ート、グラビアリバースコート法、グラビアダイレクト
法等により塗布し、乾燥させ、所定の膜厚とされる。障
壁形成層は、一回の塗布で所定の膜厚を得ることが困難
な場合には複数回の塗布と乾燥を繰り返して行なうとよ
い。
【0076】なお、ベースフイルム上に、塗液を塗布し
て障壁形成層を形成して転写シートとし、誘電体層パタ
ーン13′上に熱ラミネートすることにより、障壁形成
層を誘電体層形成層上に形成してもよい。このようなベ
ースフイルムは、下地形成層の項で説明した転写シート
と同様のものが使用できる。障壁形成層を転写シートを
使用して形成すると、誘電体形成層上への障壁形成層の
位置合わせにおいて作業性に優れるものとなる。また、
塗液を誘電体層形成層上に直接塗布する場合に比して塗
液の誘電体層形成層へのしみ込みを防止できるという利
点がある。このベースフイルムは耐サンドブラスト感光
性層を積層するにあたり剥離される。
【0077】次に、耐サンドブラスト感光性層16は、
フォトレジストや感光性黒色障壁形成材料等より形成さ
れ、障壁形成層上に同様に形成される。サンドブラスト
加工は後述するように、圧縮気体と混合された研磨剤微
粒子を高速で噴射して物理的に障壁形成層をエッチング
する加工方法であるが、耐サンドブラスト感光性層16
はサンドブラスト加工される障壁形成層14に対して障
壁パターンマスクとして機能するものである。
【0078】フォトレジスト層としては、ネガタイプ
で、露光後、弱アルカリ現像してサンドブラスト用マス
クを形成でき、マスク形成後、サンドブラスト加工処理
して障壁形成層を形成し、その後強アルカリにより剥離
除去されるフォトレジスト材料が好ましく使用され、液
状のもの、またはドライフィルムタイプのものが挙げら
れる。無機成分を含有する障壁形成層に比して有機成分
のみからなるフォトレジスト層は柔らかく、耐サンドブ
ラスト性に優れるものである。
【0079】また、耐サンドブラスト感光性層として
は、感光性黒色障壁形成材料層としてもよい。感光性黒
色障壁形成材料層は焼成に際してそのまま障壁層として
残存するものであり、少なくともガラスフリット、無機
顔料からなる無機成分と感光性樹脂とからなる。ガラス
フリット、無機顔料、感光性樹脂としては、上述した誘
電体層形成層の項で記載したものと同様のものが使用さ
れ、同様の方法で積層される。無機成分100重量部に
対して感光性樹脂を5重量部〜70重量部、好ましくは
10重量部〜40重量部とするとよく、感光性黒色障壁
形成材料層を障壁形成層に比して耐サンドブラスト性に
優れるものとするために、樹脂や可塑剤等の耐サンドブ
ラスト性成分の含量を障壁形成層よりも多くしておくと
よい。
【0080】なお、ベースフイルム上に、耐サンドブラ
スト感光性層形成用塗液を塗布して転写シートとし、障
壁形成層上に熱ラミネートすることにより、耐サンドブ
ラスト感光性層を障壁形成層上に形成してもよい。この
ようなベースフイルムは、下地形成層の項で説明した転
写シートと同様のものが使用できる。耐サンドブラスト
感光性層を転写シートを使用して形成すると、障壁形成
層上への耐サンドブラスト感光性層の位置合わせにおい
て作業性に優れるものとなる。また、塗液を誘電体層形
成層上に直接塗布する場合に比して、塗液の誘電体層形
成層へのしみ込みを防止できるという利点がある。
【0081】耐サンドブラスト感光性層16を積層した
後、図3(e)に示すように、障壁パターンを有するマ
スク24を介して耐サンドブラスト感光性層16を露光
する。障壁パターンは、PDPにおける障壁に対応する
ものである。光源としては電子線、紫外線、X線等の電
離放射線が用いられる。これにより、耐サンドブラスト
感光性層16には、障壁パターン16′が形成される。
露光に際しては、耐サンドブラスト感光性層上に保護フ
ィルムを剥離可能に貼着して、露光するとよいが、耐サ
ンドブラスト感光性層の積層に際して上述した転写シー
トを使用する場合には、ベースフイルムをそのまま保護
フイルムとできる。なお、保護フイルムは、露光後、剥
離されて現像処理に供せられるが、保護フイルムを剥離
してから露光してもよい。
【0082】本発明の第3のPDP作製方法は、誘電体
層形成層において露光形成された誘電体層パターン1
3′領域内に障壁パターン16′が配置されることを利
用するもので、図3(e)に示すように、障壁パターン
16′は、誘電体層パターン13′領域内にのみ形成さ
れる。
【0083】次に、第3工程は、図4(f)に示すよう
に、露光後に、誘電体層形成層13及び耐サンドブラス
ト感光性層16を同時に現像し、電極付ガラス基板上に
誘電体層パターンに応じた誘電体層形成層13′と障壁
パターンに応じた耐サンドブラスト感光性層16′を同
時に形成する工程である。第2工程で説明したように、
障壁パターン16′は、誘電体層パターン13′領域内
にのみ形成されるので、図4(f)で示すように、それ
ぞれの未露光部を現像液により同時に溶出または剥離し
て誘電体層パターン13′、障壁パターン16′が共に
形成される。
【0084】次に、第4工程は、図4(g)に示すよう
に、障壁パターンに応じた耐サンドブラスト感光性層1
6′をマスクとして、障壁形成層14をサンドブラスト
加工し、障壁パターンに応じた障壁形成層を形成する工
程である。サンドブラスト加工は、圧縮気体と混合され
た研磨剤微粒子を高速で噴射して物理的にエッチングを
行なう加工方法であるが、研磨剤微粒子としては、褐色
溶融アルミナ#800を、噴出圧力1kg/cm2 で噴
射してブラスト処理される。
【0085】サンドブラスト加工に際して、電極13′
上の誘電体層形成層を障壁形成層に比して耐サンドブラ
スト性としておくことが必要であり、そのためには、誘
電体層形成層を障壁形成層に比して耐サンドブラスト性
に優れるものとするために、樹脂や可塑剤等の耐サンド
ブラスト性成分の含量を障壁形成層よりも多くしておく
とよい。これにより、図4(g)に示すように、耐サン
ドブラスト感光性層16′の剥離された部位の障壁形成
層のみをブラスト処理により除去することができる。
【0086】得られたPDP部材は、基板全体を350
℃〜650℃で焼成することにより、図4(h)に示す
ように、誘電体層と障壁層とが同時にPDPパネル u
おける電極付ガラス基板上に形成される。
【0087】本発明の第2及び第3のPDP形成方法
は、PDP作成に際して誘電体層の枠取りと障壁層を同
一現像液により同時に現像して形成することができ、ま
た、フォトリソグラフィー法により障壁層を形成するの
で、電極付基板との位置精度に優れたPDP部材とでき
るものである。
【0088】また、PDP部材における層構成を、それ
ぞれ、転写シートを使用して積層すると、作業時間を短
縮でき、表面平滑性に優れ、かつ膜厚が均一で分布精度
のよい電極形成層を歩留りよく形成することができる。
【0089】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0090】
【実施例】 (実施例1)・・(第1のPDP作成方法) (下地形成層形成用転写シート) 組成 ・感光性樹脂(下記組成) ・・・・ 20重量部 ・ガラスフリット{主成分;Bi2 3 、SiO2 、B2 3 (無アルカリ)平 均粒径1μm、軟化点600℃} ・・・・ 80重量部 ・ジプロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・・ 20重量部 (感光性樹脂内訳 ・アルカリ現像型バインダーポリマー(メチルメタクリレート/メタク リル酸共重合体、酸価100mgKOH/g)・・ 100重量部 ・ポリオキシエチル化トリメチロープロパントリアクリレート ・・・ 60重量部 ・光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア907」) ・・・ 10重量部) をビーズミルを使用して混合分散処理した後、ポリエチ
レンテレフタレートフイルム上にロールコート塗布し、
100℃で乾燥し、膜厚20±1μmのインキ層を形成
した後、ポリエチレンフイルムをラミネートして下地形
成層形成用転写シートを作製した。
【0091】次いで、ポリエチレンフイルムを剥離し、
オートカットラミネーター(旭化成(株)製、型式AC
L−9100)を使用し、基板プレヒート温度60℃、
ラミロール温度100℃の転写条件で、ガラス基板上に
ラミネートした。
【0092】次いで、PDPの下地層のネガパターンマ
スクを介して、紫外線を700mJ/cm2 照射した
後、ポリエチレンテレフタレートフイルムを剥離し、下
地形成層を有するガラス基板を作製した。
【0093】 (電極形成層の形成) 下記組成 ・感光性樹脂(下記組成) ・・・・ 20重量部 ・銀粉(平均粒径1μm) ・・・・ 70重量部 ・ガラスフリット{主成分;Bi2 3 、SiO2 、B2 3 (無アルカリ)平 均粒径1μm、軟化点600℃} ・・・・ 5重量部 ・ジプロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・・ 20重量部 .増粘剤(水添加ひまし油) ・・・・ 1重量部 (感光性樹脂内訳 ・アルカリ現像型バインダーポリマー(メチルメタクリレート/メタク リル酸共重合体、酸価100mgKOH/g)・・ 100重量部 ・ポリオキシエチル化トリメチロープロパントリアクリレート ・・・ 60重量部 ・光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア365」) ・・・ 10重量部) の電極形成層形成用塗布液を、上記で作製した下地形成
層を有するガラス基板上にスクリーン印刷により塗布
し、乾燥膜厚15μmの電極形成層を下地形成層上に形
成した。
【0094】次いで、PDPのアドレス電極のネガパタ
ーンマスクを介して、紫外線を700mJ/cm2 照射
した。
【0095】次いで、0.5%炭酸ナトリウム水溶液現
像液を使用し、現像処理を行ない、下地形成層及び電極
形成層における未露光部を剥離し、現像した。
【0096】現像後、基板全体を600℃で焼成し、膜
厚10μmの下地層と膜厚6μm、幅70μmのPDP
用アドレス電極パターンを形成できた。
【0097】 (実施例2)・・・(第2のPDP作成方法) (誘電体層形成用転写シート) 組成 ・感光性樹脂(下記組成) ・・・・ 20重量部 ・ガラスフリット{主成分;Bi2 3 、SiO2 、B2 3 (無アルカリ)平 均粒径1μm、軟化点600℃} ・・・・ 70重量部 ・ジプロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・・ 20重量部 (感光性樹脂内訳 ・アルカリ現像型バインダーポリマー(メチルメタクリレート/メタク リル酸共重合体、酸価100mgKOH/g)・・ 100重量部 ・ポリオキシエチル化トリメチロープロパントリアクリレート ・・・ 60重量部 ・光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア651」) ・・・ 10重量部) をビーズミルを使用して混合分散処理した後、ポリエチ
レンテレフタレートフイルム上にロールコート塗布し、
100℃で乾燥し、膜厚20±1μmのインキ層を形成
した後、ポリエチレンフイルムをラミネートして誘電体
層形成用転写シートを作製した。
【0098】次いで、ポリエチレンフイルムを剥離し、
オートカットラミネーター(旭化成(株)製、型式AC
L−9100)を使用し、基板プレヒート温度60℃、
ラミロール温度100℃の転写条件で、実施例1で作成
した焼成前の電極付ガラス基板上にラミネートした。
【0099】次いで、PDPの誘電体層のネガパターン
マスクを介して、下地形成層パターンと位置合わせし
て、紫外線を700mJ/cm2 照射した後、ポリエチ
レンテレフタレートフイルムを剥離し、誘電体層形成層
を有する電極付ガラス基板を作製した。
【0100】 (障壁形成層の形成) 組成 ・感光性樹脂(下記組成) ・・・・ 20重量部 ・ガラスフリット{主成分;Bi2 3 、SiO2 、B2 3 (無アルカリ)平 均粒径1μm、軟化点600℃} ・・・・ 70重量部 ・フタル酸ビス(2−エチルヘキシル) ・・・・ 3重量部 ・ジプロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・・ 20重量部 (感光性樹脂内訳 ・アルカリ現像型バインダーポリマー(メチルメタクリレート/メタク リル酸共重合体、酸価100mgKOH/g)・・ 100重量部 ・ポリオキシエチル化トリメチロープロパントリアクリレート ・・・ 60重量部 ・光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア907」) ・・・ 10重量部) の障壁形成用塗液を、上記で作製した誘電体層形成層を
有する電極付ガラス基板上にスクリーン印刷により塗布
し、乾燥膜厚180μmの障壁形成層を誘電体層形成層
上に形成した。
【0101】次いで、PDPの障壁のネガパターンマス
クを介して、紫外線を700mJ/cm2 照射した。
【0102】次いで、0.5%炭酸ナトリウム水溶液現
像液を使用し、現像処理を行ない、誘電体層形成層及び
障壁形成層における未露光部を剥離し、現像した。
【0103】現像後、基板全体を570℃で焼成し、膜
厚10μmの下地層、膜厚6μm、幅70μmのPDP
用アドレス電極パターン、膜厚10μmの誘電体層と膜
厚130μm、幅60μmのPDP障壁パターンを形成
できた。
【0104】(実施例3)・・・(第3のPDP作成方
法) 実施例2で作成した、焼成前の誘電体層形成層/電極形
成層/下地形成層/ガラス基板における誘電体層パター
ン上に、 (組成) ・ガラスフリット{MB−008、松浪硝子工業(株)製) ・・・・ 65重量部 ・α−アルミナRA−40(岩谷化学工業) ・・・・ 10重量部 ・ダイピロキサイドブラック#9510(大日精化工業(株)製) ・・・・ 10重量部 ・エチルセルロース ・・・・ 4重量部 ・フタル酸ビス(2−エチルヘキシル) ・・・・ 4重量部 ・フタル酸ジメチル ・・・・8.5重量部 ・プロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・・ 5重量部 ・イソプロピルアルコール ・・・・ 20重量部 をセラミックビーズを使用したビーズミルを使用して混
合分散処理した後、スクリーン印刷法により、塗布し、
120℃にて乾燥させ、膜厚180μmの障壁形成層を
形成した。
【0105】(フォトレジスト層の形成)上記で積層し
た障壁形成層上に、保護膜を有するネガ型ドライフイル
ムレジスト(日本合成化学工業(株)製、NCP22
5、25μm)を80℃の熱ロールでラミネートした。
【0106】次いで、保護膜を有するレジスト層上に、
線幅80μm、ピッチ220μmのラインパターンマス
クを位置合わせして配置し、照射量120mJ/cm2
で紫外線照射した後、フォトレジスト層上の保護膜を剥
離し、液温30℃の炭酸ナトリウム1重量%水溶液を使
用しスプレー現像した。ラインパターンマスクに応じた
レジストパターンが得られた。
【0107】次いで、このレジストパターンをマスクと
して、サンドブラスト加工装置を使用し、レジストパタ
ーン開口部の障壁形成層をサンドブラスト処理した。サ
ンドブラスト加工後、誘電体層形成層を観察したが、誘
電体層形成層はサンドブラストにより殆ど削られず、電
極の露出もなく、膜厚を有するものであった。
【0108】次いで、レジストパターンを液温30℃の
水酸化ナトリウム2重量%水溶液を使用し、スプレー剥
離し、水洗後、80℃のオーブン中で15分間乾燥させ
た。最後に、PDPパネル部材をピーク温度570℃で
焼成し、膜厚10μmの下地層、膜厚6μm、幅70μ
mのPDP用アドレス電極パターン、膜厚10μmの誘
電体層と膜厚130μm、幅60μmの障壁層を形成で
きた。
【0109】(実施例4)・・・(第3のPDP作成方
法) (感光性黒色障壁形成層の形成)実施例2で作成した、
焼成前の誘電体層形成層/電極形成層/下地形成層/ガ
ラス基板における誘電体層パターン上に、実施例3と同
様に、障壁形成層を形成した。
【0110】次いで、ポリエチレンテレフタレートフイ
ルム上に、 組成 ・ガラスフリット{MB−010、松浪硝子工業(株)製) ・・・・ 65重量部 ・α−アルミナRA−40(岩谷化学工業) ・・・・ 10重量部 ・ダイピロキサイドブラック#9510(大日精化工業(株)製) ・・・・ 10重量部 ・プロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・・ 20重量部 ・感光性樹脂 ・・・・・ 20重量部 (内訳: ・メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、酸価100mgKOH/ g) ・・・・・ 100重量部 ・ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート ・・・・・ 70重量部 ・光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア907」) ・・・・・ 10重量部) を三本ロールを使用して混練分散した後、ロールコート
法で塗布し、100℃で乾燥し、膜厚30μmの感光性
黒色障壁形成層を形成し、ポリエチレンフイルムを積層
して、感光性黒色障壁形成層用転写シートを作製した。
【0111】次いで、ポリエチレンフイルムを剥離し、
オートカットラミネーター(旭化成(株)製、型式AC
L−9100)を使用し、基板プレヒート温度60℃、
ラミロール温度100℃の転写条件で、上記で形成した
障壁形成層上に感光性黒色障壁形成層を転写した。
【0112】次いで、感光性黒色障壁形成層上のPET
フイルムを介して線幅80μm、ピッチ220μmのラ
インパターンマスクを位置合わせして配置し、紫外線照
射(365nm、照射量500mJ/cm2 )した後、
PETフイルムを剥離し、炭酸ナトリウム1重量%水溶
液を使用し、スプレー現像した。ラインパターンマスク
に応じた感光性黒色障壁形成層のパターンを得た。
【0113】次いで、このパターンをマスクとして、障
壁形成層をサンドブラスト処理した。感光性黒色障壁層
及び誘電体層形成層を観察したが、サンドブラストによ
る影響は認められなかった。
【0114】次いで、得られたPDPパネル部材をピー
ク温度570℃で焼成し、膜厚10μmの下地層、膜厚
6μm、幅70μmのPDP用アドレス電極パターン、
膜厚10μmの誘電体層が得られ、また、障壁層は、線
幅は60μmで高さが130μmの障壁層であり、その
うち黒色障壁を15μm有するものが得られた。
【0115】
【発明の効果】本発明の第1のPDP形成方法は、PD
P作成に際して下地層の枠取りと電極層を同一現像液に
より同時に現像して形成することができ、また、フォト
リソグラフィー法により電極を形成するので、位置精度
の優れたPDP部材とできるものである。
【0116】本発明の第2及び第3のPDP形成方法
は、PDP作成に際して誘電体層の枠取りと障壁層を同
一現像液により同時に現像して形成することができ、ま
た、フォトリソグラフィー法により障壁層を形成するの
で、電極付基板との位置精度に優れたPDP部材とでき
るものである。
【0117】また、PDP部材における層構成を、それ
ぞれ、転写シートを使用して積層すると、作業時間を短
縮でき、表面平滑性に優れ、かつ膜厚が均一で分布精度
のよい電極形成層を歩留りよく形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1のプラズマディスプレイパネル
作製方法を、連続した工程図により説明するための図で
ある。
【図2】 本発明の第2のプラズマディスプレイパネル
作製方法を、連続した工程図により説明するための図で
ある。
【図3】 本発明の第3のプラズマディスプレイパネル
作製方法を、連続した工程図により説明するための図で
ある。
【図4】 本発明の第3のプラズマディスプレイパネル
作製方法を、連続した工程図により説明するための図で
ある。
【図5】 AC型PDPパネルを説明するための図であ
る。
【図6】 AC型PDPパネルを説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1、2はガラス基板、3はセル障壁、4は透明電極、5
は金属電極、6、6′は誘電体層、7は保護層、8はア
ドレス電極、9は蛍光面、11は下地形成層、11′は
下地パターン、12は電極形成層、12′は電極パター
ン、13は誘電体層形成層、13′は誘電体層パター
ン、14は障壁形成層、14′は障壁パターン、15は
電極、16は耐サンドブラスト感光性層、16′は耐サ
ンドブラスト感光性層における障壁パターン、20はガ
ラス基板、21は下地パターンを有するマスク、22は
電極パターンを有するマスク、23は誘電体層パターン
を有するマスク、24は障壁パターンを有するマスクで
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1) ガラス基板上に、少なくともガラ
    スフリットからなる無機成分及び感光性樹脂とからなる
    下地形成層を積層した後、下地パターンを有するマスク
    を介して下地形成層を露光する第1工程、 (2) 露光された下地形成層上に少なくともガラスフ
    リットからなる無機成分、導電性粉末、感光性樹脂とか
    らなる電極形成層を積層し、電極パターンを有するマス
    クを介して電極形成層を露光する第2工程、 (3) 該露光後に、下地形成層及び電極形成層を同時
    に現像し、ガラス基板上に下地層パターンに応じた下地
    形成層と電極パターンに応じた電極形成層を同時に形成
    する第3工程、 とからなることを特徴とするプラズマディスプレイパネ
    ル作製方法。
  2. 【請求項2】(1) 電極付のガラス基板上に、少なく
    ともガラスフリットからなる無機成分及び感光性樹脂と
    からなる誘電体層形成層を積層した後、誘電体層パター
    ンを有するマスクを介して誘電体層形成層を露光する第
    1工程、 (2) 該露光後に、誘電体層形成層上に少なくともガ
    ラスフリットからなる無機成分、感光性樹脂とからなる
    障壁形成層を積層し、障壁パターンを有するマスクを介
    して障壁形成層を露光する第2工程、 (3) 該露光後に、誘電体層形成層及び障壁形成層を
    同時に現像し、電極付ガラス基板上に誘電体層パターン
    に応じた誘電体層形成層と障壁パターンに応じた障壁形
    成層を同時に形成する第3工程、 とからなることを特徴とするプラズマディスプレイパネ
    ル作製方法。
  3. 【請求項3】(1) 電極付のガラス基板上に、少なく
    ともガラスフリットからなる無機成分及び感光性樹脂と
    からなる誘電体層形成層を積層した後、誘電体層パター
    ンを有するマスクを介して誘電体層形成層を露光する第
    1工程、 (2) 該露光後に、誘電体層形成層における誘電体層
    パターン上に、少なくともガラスフリットからなる無機
    成分、熱可塑性樹脂とからなる障壁形成層、耐サンドブ
    ラスト感光性層を順次積層し、障壁パターンを有するマ
    スクを介して耐サンドブラスト感光性層を露光する第2
    工程、 (3) 該露光後に、誘電体層形成層及び耐サンドブラ
    スト感光性層を同時に現像し、電極付ガラス基板上に誘
    電体層パターンに応じた誘電体層形成層と障壁パターン
    に応じた耐サンドブラスト感光性層を同時に形成する第
    3工程、 (4) 障壁パターンに応じた耐サンドブラスト感光性
    層をマスクとして、障壁形成層をサンドブラスト加工
    し、障壁パターンに応じた障壁形成層を形成する第4工
    程、 とからなることを特徴とするプラズマディスプレイパネ
    ル作製方法。
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