JPH11135007A - 転写シート - Google Patents

転写シート

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JPH11135007A
JPH11135007A JP31136197A JP31136197A JPH11135007A JP H11135007 A JPH11135007 A JP H11135007A JP 31136197 A JP31136197 A JP 31136197A JP 31136197 A JP31136197 A JP 31136197A JP H11135007 A JPH11135007 A JP H11135007A
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film
transfer
transfer layer
acrylate
methacrylate
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JP31136197A
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English (en)
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Yozo Kosaka
陽三 小坂
Katsuhiko Mizuno
克彦 水野
Kunio Kimura
晋朗 木村
Toshihiko Takeda
利彦 武田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精細な電極パターンの形成が可能な転写シ
ートを提供する。 【解決手段】 ガラスフリットと導電性粉体を含む無機
成分と、焼成除去可能な有機成分とを少なくとも含有
し、かつ、表面光沢度が20〜110の範囲内にある転
写層をベースフィルム上に剥離可能に設けて転写シート
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極パターンを高
い精度で形成するための転写シートに係り、特にプラズ
マディスプレイパネルにおける電極パターン作製に適し
た転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラズマディスプレイパネル(P
DP)における電極等の微細なパターン形成は、より高
い精度で、かつ、低い製造コストで実施可能なことが要
求されている。
【0003】従来、PDPにおける電極パターンの形成
は、導電性粉体を含有するパターン形成用ペーストを用
いてスクリーン印刷やオフセット印刷等の印刷法により
所定のパターンを形成し、乾燥後に焼成してパターン形
成する印刷法等により行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の印刷法は、工程
が簡略であり製造コストの低減が期待されるが、スクリ
ーン印刷法ではスクリーン印刷版を構成するメッシュ材
料の伸びによる印刷精度の限界があり、また、形成した
パターンにメッシュ目が生じたりパターンのにじみが発
生し、パターンのエッジ精度が低いという問題がある。
また、オフセット印刷法では、印刷回数が進むにつれて
パターン形成用ペーストが完全に基板に転写されずにブ
ランケットに残るようになり、パターン精度の低下が生
じる。したがって、ブランケットの交換を随時行いペー
ストのブランケット残りを防止してパターン精度を維持
する必要があり、このため、作業が極めて煩雑であると
いう問題があった。
【0005】本発明は、上述のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、高精細な電極パターンの形成が可能な
転写シートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の転写シートは、ベースフィルムと、
該ベースフィルム上に剥離可能に設けられた転写層とを
備え、該転写層はガラスフリットと導電性粉体を含む無
機成分、焼成除去可能な有機成分を少なくとも含有し、
かつ、表面光沢度が20〜110の範囲にあるような構
成とした。
【0007】また、本発明の転写シートは、前記転写層
上に剥離可能に保護フィルムを備え、該保護フィルムが
剥離された状態での表面層の表面光沢度が40〜110
の範囲にあるような構成とした。
【0008】そして、上記の有機成分が感光性を有する
ような構成とした。
【0009】上記のような本発明において、転写層の表
面光沢度が20〜110の範囲内にあるということは、
無機成分の分散不良による凝集物やピンホール等の欠陥
がなく転写層の表面平滑性が優れることであり、このよ
うな転写層は、保護フィルムのラミネート時において転
写層と保護フィルムとの間に気泡が入り込むことを防止
し、転写時における被転写体への密着性に優れ良好な転
写性を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0011】図1は本発明の転写シートの一実施形態を
示す概略断面図である。図1において、転写シート1は
ベースフィルム2と転写層3とを備える。転写層3はベ
ースフィルム2に対して剥離可能に設けられたものであ
り、ガラスフリットと導電性粉体を含む無機成分と焼成
除去可能な有機成分を少なくとも含有するとともに、表
面光沢度が20〜110、好ましくは30〜90の範囲
内となるように設定されている。
【0012】また、図2は本発明の転写シートの他の実
施形態を示す概略断面図である。図2において、転写シ
ート11はベースフィルム12と、このベースフィルム
12上に剥離可能に設けられた転写層13と、さらに、
転写層13上に剥離可能に設けられた保護フィルム14
とを備える。転写層13は、ガラスフリットと導電性粉
体を含む無機成分と焼成除去可能な有機成分を少なくと
も含有する。そして、転写層13は、保護フィルム14
が剥離可能に設けられる前の状態における表面光沢度
と、保護フィルム14が剥離された後の表面光沢度と
が、40〜110の範囲、好ましくは50〜110の範
囲内となるように設定されている。
【0013】本発明の転写シート1,11は、上記のよ
うに転写層の表面光沢度が20〜110の範囲内にある
ので表面平滑性が優れ、転写シート11では、保護フィ
ルム14のラミネート時において転写層13と保護フィ
ルム14との間に気泡が入り込むことが防止され、ま
た、転写層3,13の被転写体への転写(転写シート1
1では保護フィルム14を剥離した後の被転写体への転
写)において密着性が向上して転写性が良好なものとな
る。
【0014】本発明において転写層の表面光沢度はグロ
スメーターを用いて測定した値であり、この表面光沢度
を転写層3,13の表面性の指標とするものである。す
なわち、転写層3,13に無機成分の分散不良による凝
集物やピンホール等の欠陥がある場合、表面平滑性が悪
くなって表面光沢度が20未満となる。また、保護フィ
ルム14の転写層13との接触面の表面平滑性が悪い場
合、一部にエアーが入り転写不良となる。したがって、
転写層3,13の表面光沢度を20以上とすることによ
り、表面性に優れた転写層を備えた転写シートとするこ
とができる。このように、表面光沢度が高いほど転写層
3,13の表面性は良好なものとなるが、表面光沢度が
110を超えると、表面性向上による更なる効果が期待
できずに製造コストの増大、製造歩留の低下を来すこと
があるので、表面光沢度の上限を上記のように設定する
ことが好ましい。
【0015】転写層3,13の表面光沢度は、後述する
無機成分の粉体形状や含有量、有機成分の種類や含有
量、使用する溶剤、塗布条件等により影響されるので、
表面光沢度が上記の範囲内(20〜110)に入るよう
な条件を設定して転写層3,13を形成する必要があ
る。
【0016】このような転写シート1,11は、シート
状、長尺状のいずれであってもよく、長尺状の場合はコ
アに巻き回したロール形状とすることができる。使用す
るコアは、ごみ発生、紙粉発生を防止するためにABS
樹脂、塩化ビニル樹脂、ベークライト等で成形されたコ
ア、樹脂含浸紙管等が好ましい。
【0017】次に、上記の転写シート1,11の構成に
ついて説明する。ベースフィルム 本発明の転写シート1,11を構成するベースフィルム
2,12は、転写層3,13を形成するときのインキ組
成物に対して安定であり、また、柔軟性を有し、かつ、
張力もしくは圧力で著しい変形を生じない材料を使用す
る。
【0018】用いる材料としては、まず、樹脂フィルム
を挙げることができる。樹脂フィルムの具体例として
は、ポリエチレンフィルム、エチレンー 酢酸ビニル共重
合体フィルム、エチレン- ビニルアルコール共重合体フ
ィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリメタクリル酸フィルム、ポリ塩化ビニルフィル
ム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルブチラ
ールフィルム、ナイロンフィルム、ポリエーテルエーテ
ルケトンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィル
ム、ポリサルフォンフィルム、ポリエーテルサルフォン
フィルム、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテルフィルム、ポリビニルフルオラ
イドフィルム、テトラフルオロエチレン−エチレンフィ
ルム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レンフィルム、ポリクロロトリフルオロエチレンフィル
ム、ポリビニリデンフルオライドフィルム、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシ
レンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレン
ナフタレートフィルム、ポリエステルフィルム、トリ酢
酸セルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポ
リウレタンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテ
ルイミドフィルム、これらの樹脂材料にフィラーを配合
したフィルム、これらの樹脂材料を用いたフィルムを1
軸延伸もしくは2軸延伸したもの、これらの樹脂材料を
用いて流れ方向より幅方向の延伸倍率を高めた2軸延伸
フィルム、これらの樹脂材料を用いて幅方向より流れ方
向の延伸倍率を高めた2軸延伸フィルム、これらのフィ
ルムのうちの同種または異種のフィルムを貼り合わせた
もの、および、これらのフィルムに用いられる原料樹脂
から選ばれる同種または異種の樹脂を共押し出しするこ
とによって作成される複合フィルム等を挙げることがで
きる。また、上記の樹脂フィルムに処理を施したもの、
例えば、シリコン処理ポリエチレンテレフタレート、コ
ロナ処理ポリエチレンテレフタレート、シリコン処理ポ
リプロピレン、コロナ処理ポリプロピレン等を使用する
ことができる。
【0019】また、ベースフィルム2,12として金属
箔や金属鋼帯を用いることもできる。このような金属箔
や金属鋼帯の具体例として、銅箔、銅鋼帯、アルミニウ
ム箔、アルミニウム鋼帯、SUS430、SUS30
1、SUS304、SUS420J2およびSUS63
1等のステンレス鋼帯、ベリリウム鋼帯等を挙げること
ができる。さらに、上述の金属箔あるいは金属鋼帯を上
述の樹脂フィルムに貼り合わせたものを使用することも
できる。
【0020】上記のようなベースフィルム2,12の厚
みは、4〜400μm、好ましくは10〜150μmの
範囲で設定することができる。転写層 転写層3,13は、ガラスフリットと導電性粉体を含む
無機成分と焼成除去可能な有機成分を少なくとも含有す
るインキ組成物を、ベースフィルム2,12上にダイレ
クトグラビアコーティング法、グラビアリバースコーテ
ィング法、リバースロールコーティング法、スライドダ
イコーティング法、スリットダイコーティング法、コン
マコーティング法等の公知の塗布手段により塗布、乾燥
して形成することができる。 (1)無機成分 上記のガラスフリットとしては、例えば、軟化温度が3
50〜650℃であり、熱膨張係数α300 が60×10
-7〜100×10-7/℃であるガラスフリットを使用す
ることができる。ガラスフリットの軟化温度が650℃
を超えると焼成温度を高くする必要があり、例えば、被
パターン形成体の耐熱性が低い場合には焼成段階で熱変
形を生じることになり好ましくない。また、ガラスフリ
ットの軟化温度が350℃未満では、焼成により有機成
分が完全に分解、揮発して除去される前にガラスフリッ
トが融着するため、空隙を生じやすく好ましくない。さ
らに、ガラスフリットの熱膨張係数α300 が60×10
-7/℃未満、あるいは、100×10-7/℃を超える
と、被パターン形成体の熱膨張係数との差が大きくなり
すぎる場合があり、歪み等を生じることになり好ましく
ない。このようなガラスフリットの平均粒径は0.1〜
5μmの範囲が好ましい。これらのガラスフリットとし
ては、例えば、Bi23 またはPbOを主成分とする
ものを用いることができる。
【0021】尚、焼成除去可能な有機成分として、後述
するようなアルカリ現像型の感光性樹脂組成物を使用す
る場合、ポリマーに対する耐性等からビスマス系のガラ
スフリットを使用することが好ましい。
【0022】また、転写層3,13は、無機粉体として
酸化アルミニウム、酸化硼素、シリカ、酸化チタン、酸
化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウ
ム、酸化バリウム、炭酸カルシウム等の無機粉体をガラ
スフリット100重量部に対して30重量部以下の範囲
で含有することができる。このような無機粉体は、平均
粒径が0.1〜20μmの範囲が好ましく、骨材として
焼成時のパターン流延防止の作用をなすものである。ま
た、コントラストを向上させるために、無機粉体として
耐火性の黒色顔料を転写層3,13に含有させてもよ
い。黒色顔料としては、Co−Cr−Fe、Co−Mn
−Fe、Co−Fe−Mn−Al、Co−Ni−Cr−
Fe、Co−Ni−Mn−Cr−Fe、Co−Ni−A
l−Cr−Fe、Co−Mn−Al−Cr−Fe−Si
等を挙げることができる。
【0023】上記の導電性粉体としては、Au粉体、A
g粉体、Cu粉体、Ni粉体、Al粉体、Ag−Pd粉
体等の1種または2種以上を使用することができる。こ
の導電性粉体の形状は、球状、板状、塊状、円錐状、棒
状等の種々の形状であってよいが、凝集性がなく分散性
が良好な球状の導電性粉体が好ましく、その平均粒径は
0.05〜10μmの範囲が好ましい。転写層3,13
における導電性粉体と上記のガラスフリットとの含有割
合は、導電性粉末100重量部に対してガラスフリット
が2〜20重量部、好ましくは2〜15重量部の範囲と
することができる。 (2)有機成分 転写層3,13に含有される焼成除去可能な有機成分と
して、熱可塑性樹脂を使用することができる。
【0024】熱可塑性樹脂は、上述の無機成分のバイン
ダとして、また、転写性の向上を目的として含有させる
ものであり、例えば、メチルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリ
レート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタ
クリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタ
クリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチル
メタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペン
チルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−
ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチ
ルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デ
シルアクリレート、n−デシルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、スチレン、α
−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン等の1
種以上からなるポリマーまたはコポリマー、エチルセル
ロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。
【0025】特に、上記のなかでメチルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメ
タクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピ
ルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプ
ロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−
ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソ
ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、te
rt−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレートの1種以上からなるポリマーまたは
コポリマー、エチルセルロースが好ましい。
【0026】また、転写層3,13に含有される焼成除
去可能な有機成分として、感光性樹脂組成物を使用する
ことができる。
【0027】感光性樹脂組成物は、少なくともポリマ
ー、モノマーおよび開始剤を含有するものであり、焼成
によって揮発、分解して、焼成後の膜中に炭化物を残存
させることのないものである。
【0028】ポリマーとしては、メチルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメ
タクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピ
ルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプ
ロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−
ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソ
ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、te
rt−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレー
ト、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリ
レート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリ
レート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリ
レート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−
ピロリドンの1種以上と、コハク酸2−メタクリロイル
オキシエチル、コハク酸2−アクリロイルオキシエチ
ル、フタル酸2−メタクリロイルオキシエチル、フタル
酸2−アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル
酸2−メタクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタ
ル酸2−アクリロイルオキシエチル、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリル酸の二量体(例えば、東亜合成化学
(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マ
レイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無水物等
の1種以上からなるポリマーまたはコポリマー、あるい
は、カルボキシル基含有セルロース等のセルロース誘導
体等が挙げられる。
【0029】また、上記のコポリマーにグリシジル基ま
たは水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させ
たポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0030】上記のポリマーの分子量は5,000〜3
00,000、好ましくは50,000〜150,00
0の範囲である。尚、上記ポリマーに、メタクリル酸エ
ステルポリマー、ポリビニルアルコール誘導体、N−メ
チル−2−ビニルピロリドンポリマー、セルロース誘導
体、スチレンポリマー等を混合することができる。
【0031】感光性樹脂組成物を構成する反応性モノマ
ーとしては、少なくとも1つの重合可能な炭素−炭素不
飽和結合を有する化合物を用いることができる。具体的
には、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブ
トキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコー
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシク
ロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレー
ト、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレ
ート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアク
リレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、
フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジア
クリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3
−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキ
サンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプ
ロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロー
ルトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパン
トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリ
エチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピ
ルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレン
グリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオ
ールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレ
ート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレー
ト、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、およ
び、上記のアクリレートをメタクリレートに変えたも
の、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
1−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。本発明で
は、上記の反応性モノマーを1種または2種以上の混合
物として、あるいは、その他の化合物との混合物として
使用することができる。
【0032】感光性樹脂組成物を構成する光重合開始剤
としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メ
チル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノ
ン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、
α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾ
フェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケト
ン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエト
キシアセトフォノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピ
オフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノ
ン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−
クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサント
ン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケター
ル、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメ
チルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキ
ノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルア
ントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロ
ン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンア
ントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6
−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、
2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチル
シクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン
−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェ
ニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニ
ル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン
−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェ
ニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベ
ンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−
1−プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1
−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ナフ
タレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロ
ライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビ
スイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベン
ズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、
カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニル
スルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブル
ー等の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノー
ルアミン等の還元剤の組み合わせ等が挙げられる。本発
明では、これらの光重合開始剤を1種または2種以上使
用することができる。
【0033】このような熱可塑性樹脂あるいは感光性樹
脂組成物の転写層3,13における含有量は、上述の無
機成分100重量部に対して3〜50重量部、好ましく
は5〜30重量部の範囲で設定することができる。熱可
塑性樹脂や感光性樹脂組成物の含有量が3重量部未満で
あると、転写層3,13の形状保持性が低く、特に、ロ
ール状態での保存性、取扱性に問題を生じ、また、転写
シート1,11を所望の形状に切断(スリット)する場
合に無機成分がごみとして発生し欠陥となる。一方、熱
可塑性樹脂や感光性樹脂組成物の含有量が50重量部を
超えると、焼成により有機成分を完全に除去することが
できず、焼成後の電極パターン中に炭化物が残り品質が
低下するので好ましくない。
【0034】さらに、上述の熱可塑性樹脂、感光性樹脂
組成物には、添加剤として、増感剤、重合停止剤、連鎖
移動剤、レベリング剤、分散剤、転写性付与剤、安定
剤、消泡剤、増粘剤、沈殿防止剤、剥離剤等を必要に応
じて含有することができる。
【0035】転写性付与剤は、転写性、インキ組成物の
流動性を向上させることを目的として添加され、例え
ば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−n
−オクチルフタレート等のノルマルアルキルフタレート
類、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシル
フタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニル
フタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチ
ルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル
類、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリ−
n−アルキルトリメリテート、トリイソノニルトリメリ
テート、トリイソデシルトリメリテート等のトリメリッ
ト酸エステル、ジメチルアジペート、ジブチルアジペー
ト、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシル
アジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ−2
−エチルヘキシルアゼテート、ジメチルセバケート、ジ
ブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケー
ト、ジ−2−エチルヘキシルマレート、アセチル−トリ
−(2−エチルヘキシル)シトレート、アセチル−トリ
−n−ブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレー
ト等の脂肪族二塩基酸エステル類、ポリエチレングリコ
ールベンゾエート、トリエチレングリコール−ジ−(2
−エチルヘキソエート)、ポリグリコールエーテル等の
グリコール誘導体、グリセロールトリアセテート、グリ
セロールジアセチルモノラウレート等のグリセリン誘導
体、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸
等からなるポリエステル系、分子量300〜3000の
低分子量ポリエーテル、同低分子量ポリ−α−スチレ
ン、同低分子量ポリスチレン、トリメチルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブト
キシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、
トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェー
ト、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフ
ェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホ
スフェート等の正リン酸エステル類、メチルアセチルリ
シノレート等のリシノール酸エステル類、ポリ−1,3
−ブタンジオールアジペート、エポキシ化大豆油等のポ
リエステル・エポキシ化エステル類、グリセリントリア
セテート、2−エチルヘキシルアセテート等の酢酸エス
テル類を挙げることができる。
【0036】また、分散剤、沈降防止剤は、上記の無機
粉体の分散性、沈降防止性の向上を目的とするものであ
り、例えば、リン酸エステル系、シリコーン系、ひまし
油エステル系、各種界面活性剤等が挙げられ、消泡剤と
しては、例えば、シリコーン系、アクリル系、各種界面
活性剤等が挙げられ、剥離剤としては、例えば、シリコ
ーン系、フッ素油系、パラフィン系、脂肪酸系、脂肪酸
エステル系、ひまし油系、ワックス系、コンパウンドタ
イプ等が挙げられ、レベリング剤としては、例えば、フ
ッ素系、シリコーン系、各種界面活性剤等が挙げられ、
それぞれ適量添加することができる。
【0037】また、転写層3,13形成のために熱可塑
性樹脂あるいは感光性樹脂組成物とともに用いる溶剤と
しては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール等のアルコール類、α−もしくはβ−
テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロ
リドン、ジエチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタ
ノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチル
ベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカ
ルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトー
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチル
エーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル
等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、
セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、
ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテー
ト、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトー
ルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、シクロ
ヘキシルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、
3−メトキシブチルアセテート等の酢酸エステル類、ジ
エチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレン
グリコールジアルキルエーテル、3−エトキシプロピオ
ン酸エチル、安息香酸メチル、N,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ
る。保護フィルム 本発明の転写シート11を構成する保護フィルム14
は、転写層13の表面光沢度を40〜110の範囲から
逸脱させることのない表面性を有し、柔軟で、張力もし
くは圧力で著しい変形を生じない材料を使用することが
できる。具体的には、ポリエチレンフィルム、エチレン
−酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−ビニルアル
コール共重合体フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポ
リスチレンフィルム、ポリメタクリル酸フィルム、ポリ
塩化ビニルフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、
ポリビニルブチラールフィルム、ナイロンフィルム、ポ
リエーテルエーテルケトンフィルム、ポリサルフォンフ
ィルム、ポリエーテルサルフォンフィルム、ポリテトラ
フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテ
ルフィルム、ポリビニルフルオライドフィルム、テトラ
フルオロエチレン−エチレンフィルム、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレンフィルム、ポリク
ロロトリフルオロエチレンフィルム、ポリビニリデンフ
ルオライドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエステ
ルフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリカーボ
ネートフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリイミドフ
ィルム、ポリエーテルイミドフィルム、これらの樹脂材
料にフィラーを配合したフィルム、これらの樹脂材料を
用いたフィルムを1軸延伸もしくは2軸延伸したもの、
これらの樹脂材料を用いて流れ方向より幅方向の延伸倍
率を高めた2軸延伸フィルム、これらの樹脂材料を用い
て幅方向より流れ方向の延伸倍率を高めた2軸延伸フィ
ルム、これらのフィルムのうちの同種または異種のフィ
ルムを貼り合わせたもの、および、これらのフィルムに
用いられる原料樹脂から選ばれる同種または異種の樹脂
を共押し出しすることによって作成される複合フィルム
等を挙げることができる。これらのフィルムのうちで、
特に2軸延伸ポリエステルフィルムを使用することが好
ましい。また、上記の樹脂フィルムに処理を施したも
の、例えば、シリコン処理ポリエチレンテレフタレー
ト、コロナ処理ポリエチレンテレフタレート、メラミン
処理ポリエチレンテレフタレート、シリコン処理ポリプ
ロピレン、コロナ処理ポリプロピレン、シリコン処理ポ
リエチレン、コロナ処理ポリエチレン等を使用すること
ができる。
【0038】上記のような保護フィルム14の厚みは、
4〜400μm、好ましくは6〜150μmの範囲で設
定することができる。
【0039】次に、上述のような本発明の転写シートを
用いたプラズマディスプレイパネル(PDP)の電極パ
ターン形成の例を説明する。
【0040】ここで、電極パターン形成を説明する前
に、AC型のPDPについて説明する。
【0041】図3はAC型PDPを示す概略構成図であ
り、前面板と背面板を離した状態を示したものである。
図3において、PDP51は前面板61と背面板71と
が互いに平行に、かつ対向して配設されており、背面板
71の前面側には、立設するように障壁76が形成さ
れ、この障壁76によって前面板61と背面板71とが
一定間隔で保持される。前面板61は、前面ガラス基板
62を有し、この前面ガラス基板62の背面側に透明電
極である維持電極63と金属電極であるバス電極64と
からなる複合電極が互いに平行に形成され、これを覆っ
て誘電体層65が形成されており、さらにその上にMg
O層66が形成されている。また、背面板71は、背面
ガラス基板72を有し、この背面ガラス基板72の前面
側には下地層73を介して上記複合電極と直交するよう
に障壁76の間に位置してアドレス電極74が互いに平
行に形成され、また、これを覆って誘電体層75が形成
されており、さらに障壁76の壁面とセルの底面を覆う
ようにして蛍光体層77が設けられている。このAC型
PDPでは、前面ガラス基板62上の複合電極間に交流
電源から所定の電圧を印加して電場を形成することによ
り、前面ガラス基板62と背面ガラス基板72と障壁7
6とで区画される表示要素としての各セル内で放電が行
われる。そして、この放電により生じる紫外線により蛍
光体層77が発光させられ、前面ガラス基板62を透過
してくるこの光を観察者が視認するようになっている。
【0042】次に、上述のPDPの背面板71における
アドレス電極74の形成を説明する。
【0043】図4は本発明の転写シート1を用いたアド
レス電極74のパターン形成を説明するための工程図で
ある。尚、この場合の転写シート1の転写層3は、焼成
除去可能な有機成分としてネガ型の感光性樹脂組成物を
含有するものとする。
【0044】図4において、まず、下地層73が設けら
れた背面ガラス基板72に転写シート1の転写層側を圧
着し、その後、ベースフィルム2を剥離して転写層3を
転写する(図4(A))。この転写工程では、転写シー
ト1の転写層3の表面光沢度が20〜110の範囲内に
あるので、転写層3の転写面側の表面平滑性は優れたも
のであり、下地層73への密着性が高く、転写層3の良
好な転写が行える。尚、転写層3の転写において加熱が
必要な場合、背面ガラス基板72の加熱、圧着ロール等
により加熱を行ってもよい。
【0045】次に、フォトマスクMを介して転写層3を
露光する(図4(B))。尚、ベースフィルム2として
光透過性を有するフィルムを使用する場合、ベースフィ
ルム2を剥離する前に露光をおこなってもよい。
【0046】次いで、転写層3を現像することにより、
導電性の感光性樹脂層からなるパターン3´を下地層7
3上に形成し(図4(C))、その後、焼成してパター
ン3´の有機成分を除去することにより、アドレス電極
パターン74を形成する(図4(D))。
【0047】上述の例では、図1に示されるような本発
明の転写シートが使用されているが、図2に示されるよ
うな保護フィルムを備えた転写シートを使用する場合、
保護フィルムを剥離除去した後に図4と同様の操作によ
り電極パターン形成を行うことが可能である。
【0048】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。
【0049】まず、インキ組成物として下記組成の感光
性樹脂組成物を調製した。
【0050】 感光性樹脂組成物の組成 ・銀粉(球形状、平均粒径1μm) … 96重量部 ・ガラスフリット … 4重量部 (主成分:Bi23 ,SiO2 ,B23 (無アルカリ) 軟化点=500℃) ・n−ブチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレート /メタクリル酸共重合体(グリシジルメタクリレート付加) (分子量=8万、酸価=110mgKOH/g) … 13重量部 ・ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート … 11重量部 ・光重合開始剤(チバガイギ社製イルガキュア369)… 1重量部 ・3−メトキシブチルアセテート … 20重量部 次に、ベースフィルムとしてポリエチレンテレフタレー
トフィルム(東レ(株)製T−60)を準備し、このベ
ースフィルム上に上記のインキ組成物をブレードコート
法により塗布し乾燥(100℃、2分間)して厚み17
μmの転写層を形成した。
【0051】次に、この転写層に保護フィルムとしてシ
リコン処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(東セ
ロ(株)製SP−PET−03−25−C)をラミネー
トして、図2に示されるような転写シート(試料1)を
形成した。
【0052】また、上記の感光性樹脂組成物の分散条件
を種々変えて感光性樹脂組成物を調製し、この感光性樹
脂組成物を使用して上記と同様にして転写シート(試料
2〜5)を作製した。特に、試料4および試料5は、故
意に分散不良を生じさせた感光性樹脂組成物を使用して
作製した。
【0053】このように作製した各転写シート(試料1
〜5)について、保護フィルムをラミネートする前の転
写層の表面光沢度をグロスメーター(日本電色工業
(株)製VGS−100/DP)で測定し、また、保護
フィルムをラミネートした状態での気泡の混入の有無を
観察して、これらの結果を下記の表1に示した。
【0054】次いで、上記の各転写シート(試料1〜
5)を所定の幅にスリットし、ABS樹脂製のコアに巻
き回し、ロール状態で25℃の条件で1日間保存した。
その後、保護フィルムを剥離して転写層の表面光沢度を
上記と同様に測定し、結果を下記の表1に示した。
【0055】また、上記の保存後の転写シートの保護フ
ィルムを剥離し、40℃に加温したガラス基板上にオー
トカットラミネータを用いて40℃の熱ロールで圧着し
た。次に、室温まで冷却した後、ベースフィルムを剥離
して転写層をガラス基板に転写した。この転写工程にお
ける各転写シート(試料1〜5)の転写性を観察し、結
果を下記の表1に示した。
【0056】次に、プラズマディスプレイパネルの電極
のネガパターンマスク(開口部線幅90μm)を介して
紫外線(光源:超高圧水銀ランプ)を照射(700mJ
/cm2 )して転写層を露光した。その後、0.5%炭
酸ナトリウム水溶液を用いて現像し、所定のパターンを
得た。次いで、ガラス基板を600℃で焼成して、電極
パターンを形成した。
【0057】このように形成された電極パターンの厚
み、線幅を測定して、下記の表1に示した。
【0058】
【表1】 表1に示されるように、本発明の転写シート(試料1〜
3)は、転写層と保護フィルムとの間に気泡の混入がな
く、ガラス基板への転写性も良好であった。また、これ
らの転写シートを用いて形成した電極パターンは、厚
み、線幅が均一であり、高い精度で形成されていること
が確認された。
【0059】これに対して、表面光沢度が20に達して
いない転写シート(試料4,5)では、転写層と保護フ
ィルムとの間に気泡の混入がみられ、また、ガラス基板
への転写性も、転写層の膜切れや浮き等が発生して悪い
ものであった。さらに、これらの転写シートを用いて形
成した電極パターンは、直線性が悪く、欠陥の多発し
た。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によればベ
ースフィルム上に、ガラスフリットと導電性粉体を含む
無機成分と、焼成除去可能な有機成分とを少なくとも含
有し、かつ、表面光沢度が20〜110の範囲内にある
転写層を剥離可能に設けて転写シートとするので、転写
層は無機成分の分散不良による凝集物やピンホール等の
欠陥がなく表面平滑性に優れ、保護フィルムを備える場
合には転写層と保護フィルムとの間に気泡が入り込むこ
とがないので転写層の良好な表面平滑性が保たれ、被転
写体への転写層の転写性が良好なものとなり、また、有
機成分が感光性を有する場合には、露光・現像によるパ
ターニングの精度が高く、これにより、電極の高精細な
パターン形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写シートの一実施形態を示す概略断
面図である。
【図2】本発明の転写シートの他の実施形態を示す概略
断面図である。
【図3】プラズマディスプレイパネルの一例を示す概略
構成図である。
【図4】本発明の転写シートを用いた電極パターン形成
の一例を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1,11…転写シート 2,12…ベースフィルム 3,13…転写層 14…保護フィルム M…フォトマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 利彦 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルムと、該ベースフィルム上
    に剥離可能に設けられた転写層とを備え、該転写層はガ
    ラスフリットと導電性粉体を含む無機成分、焼成除去可
    能な有機成分を少なくとも含有し、かつ、表面光沢度が
    20〜110の範囲にあることを特徴とする転写シー
    ト。
  2. 【請求項2】 前記転写層上に剥離可能に保護フィルム
    を備え、該保護フィルムが剥離された状態での表面層の
    表面光沢度が40〜110の範囲にあることを特徴とす
    る請求項1に記載の転写シート。
  3. 【請求項3】 前記有機成分は感光性を有することを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の転写シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001019147A1 (fr) * 1999-09-07 2001-03-15 Asahi Glass Company Ltd. Procede de formation d'empreinte d'impression transferable, et verre portant une empreinte imprimee
JP2006287068A (ja) * 2005-04-01 2006-10-19 Seiko Epson Corp 転写用基板、可撓性配線基板の製造方法および電子機器の製造方法

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001019147A1 (fr) * 1999-09-07 2001-03-15 Asahi Glass Company Ltd. Procede de formation d'empreinte d'impression transferable, et verre portant une empreinte imprimee
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