JP2000156152A - 転写シート - Google Patents

転写シート

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JP2000156152A
JP2000156152A JP10330294A JP33029498A JP2000156152A JP 2000156152 A JP2000156152 A JP 2000156152A JP 10330294 A JP10330294 A JP 10330294A JP 33029498 A JP33029498 A JP 33029498A JP 2000156152 A JP2000156152 A JP 2000156152A
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JP
Japan
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transfer
film
acrylate
transfer sheet
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JP10330294A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Takeda
利彦 武田
Yozo Kosaka
陽三 小坂
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極や誘電体層等の高精細なパターン形成が
可能な転写シートを提供する。 【解決手段】 ガラスフリットを含む無機成分と焼成除
去可能な有機成分とを少なくとも含有する転写層をベー
スフィルム上に剥離可能に設け、この転写層の厚みを無
機成分の最大粒子径より大きく設定して転写シートとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極パターン、誘
電体層等を高い精度で形成するための転写シートに係
り、特にプラズマディスプレイパネルにおける電極パタ
ーン、誘電体層の形成に適した転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラズマディスプレイパネル(P
DP)における電極、誘電体等の微細なパターン形成
は、より高い精度で、かつ、低い製造コストで実施可能
なことが要求されている。
【0003】従来、PDPにおけるパターンの形成は、
所望の特性を有するパターン形成用ペーストを用いてス
クリーン印刷やオフセット印刷等の印刷法により所定の
パターンを形成し、乾燥後に焼成してパターン形成する
印刷法等により行われていた。
【0004】上記の印刷法は、工程が簡略であり製造コ
ストの低減が期待されるが、スクリーン印刷法ではスク
リーン印刷版を構成するメッシュ材料の伸びによる印刷
精度の限界があり、また、形成したパターンにメッシュ
目が生じたりパターンのにじみが発生し、パターンのエ
ッジ精度が低いという問題がある。また、オフセット印
刷法では、印刷回数が進むにつれてパターン形成用ペー
ストが完全に基板に転写されずにブランケットに残るよ
うになり、パターン精度の低下が生じる。したがって、
ブランケットの交換を随時行いペーストのブランケット
残りを防止してパターン精度を維持する必要があり、こ
のため、作業が極めて煩雑であるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解消
するために、所望の特性を有する塗布組成物を用いてベ
ースフィルム上に剥離可能に転写層を形成して転写シー
トとし、この転写シートを用いて転写層を基板に転写
し、必要なパターニングを行った後に焼成してパターン
形成を行う方法が開発されている。
【0006】しかしながら、従来の転写シートを用いて
電極パターンや誘電体層を形成した場合、転写後に焼成
して形成されたパターンに凹部や欠け等の欠陥が発生す
るという問題があった。このような欠陥は、作製後に巻
き取り状態で保管されていた転写シートを用いた場合、
より顕著に発生する傾向があった。本発明は、上述のよ
うな事情に鑑みてなされたものであり、電極や誘電体層
等の高精細なパターン形成が可能な転写シートを提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の転写シートは、ベースフィルムと、
該ベースフィルム上に剥離可能に設けられた転写層とを
備え、該転写層はガラスフリットを含む無機成分、焼成
除去可能な有機成分を少なくとも含有し、前記無機成分
の最大粒子径は前記転写層の厚み以下であるような構成
とした。
【0008】また、本発明の転写シートは、前記無機成
分が導電性粉体を含むような構成とした。
【0009】また、本発明の転写シートは、前記有機成
分が感光性を有するような構成とした。
【0010】さらに、本発明の転写シートは、前記転写
層上に剥離可能に保護フィルムを備えるような構成とし
た。
【0011】上記のような本発明は、転写層の表面に無
機成分の粒子の一部が露出することがなく、転写層は表
面平滑性に優れ、転写シートを巻き取り状態で保管した
場合に、転写層と、その表面に接触する材料(ベースフ
ィルムあるいは保護フィルム)との間に気泡が入り込む
ことが防止され両者が密着した状態となるので、巻き取
り状態での応力が転写層に加わっても、転写層の表面平
滑性が保持され、被転写体への転写において、密着性に
優れた良好な転写が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の転写シート
の一実施形態を示す概略断面図である。図1において、
転写シート1はベースフィルム2と転写層3とを備え
る。転写層3はベースフィルム2に対して剥離可能に設
けられたものであり、ガラスフリットを含む無機成分と
焼成除去可能な有機成分を少なくとも含有する。
【0013】また、図2は本発明の転写シートの他の実
施形態を示す概略断面図である。図2において、転写シ
ート11はベースフィルム12と、このベースフィルム
12上に剥離可能に設けられた転写層13と、さらに、
転写層13上に剥離可能に設けられた保護フィルム14
とを備える。転写層13は、ガラスフリットを含む無機
成分と焼成除去可能な有機成分を少なくとも含有する。
【0014】上記の本発明の転写シート1,11では、
転写層3,13に含有されるガラスフリットを含む無機
成分は、その最大粒子径が転写層3,13の厚み以下に
設定されている。このため、転写層3,13の表面は無
機成分の粒子の一部が露出することがなく表面平滑性に
優れたものとなる。したがって、例えば、後述するよう
に、転写シートをコアに巻き回して巻き取り状態で保管
しても、転写層3の表面に接触する(次の巻きの)ベー
スフィルム2あるいは転写層13の表面に剥離可能に設
けられた保護フィルム14が、転写層3,13に確実に
密着して気泡が入り込むことが防止され、良好な表面平
滑性が保持される。
【0015】ここで、仮に、転写層の表面に無機成分の
粒子の一部が露出している転写シートを巻き取り状態で
保管した場合、露出した粒子の周囲には、転写層とベー
スフィルムや保護フィルムとの間に入り込んだ気泡が存
在することになる。そして、巻き取り状態での応力はベ
ースフィルムや保護フィルムよりも複素弾性率の小さい
転写層に集中するので、上記の粒子が露出した周囲の転
写層に応力が集中し、転写層が変形して凹部が生じる。
このような露出した粒子とその周囲の凹部は、転写層を
被転写体に転写して焼成した後に、凹部や欠け等の欠陥
を生じる原因となる。
【0016】本発明の転写シートは、上述のように良好
な表面平滑性が保持されるので、転写層を良好な状態で
被転写体に転写することができ、凹部や欠け等の欠陥の
ない高精細な電極パターンや誘電体層等の形成が可能と
なる。
【0017】このような転写シート1,11は、シート
状、長尺状のいずれであってもよく、長尺状の場合はコ
アに巻き回した巻き取り形状とすることができる。使用
するコアは、ごみ発生、紙粉発生を防止するためにAB
S樹脂、塩化ビニル樹脂、ベークライト等で成形された
コア、樹脂含浸紙管等が好ましい。
【0018】次に、上記の転写シート1,11の構成に
ついて説明する。ベースフィルム 本発明の転写シート1,11を構成するベースフィルム
2,12は、転写層3,13を形成するときのインキ組
成物に対して安定であり、また、柔軟性を有し、かつ、
張力もしくは圧力で著しい変形を生じない材料を使用す
る。用いる材料としては、まず、樹脂フィルムを挙げる
ことができる。樹脂フィルムの具体例としては、ポリエ
チレンフィルム、エチレンー 酢酸ビニル共重合体フィ
ルム、エチレン- ビニルアルコール共重合体フィルム、
ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ
メタクリル酸フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ
ビニルアルコールフィルム、ポリビニルブチラールフィ
ルム、ナイロンフィルム、ポリエーテルエーテルケトン
フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリ
サルフォンフィルム、ポリエーテルサルフォンフィル
ム、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテルフィルム、ポリビニルフルオライドフ
ィルム、テトラフルオロエチレン−エチレンフィルム、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンフ
ィルム、ポリクロロトリフルオロエチレンフィルム、ポ
リビニリデンフルオライドフィルム、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジ
メチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタ
レートフィルム、ポリエステルフィルム、トリ酢酸セル
ロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリウレ
タンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミ
ドフィルム、これらの樹脂材料にフィラーを配合したフ
ィルム、これらの樹脂材料を用いたフィルムを1軸延伸
もしくは2軸延伸したもの、これらの樹脂材料を用いて
流れ方向より幅方向の延伸倍率を高めた2軸延伸フィル
ム、これらの樹脂材料を用いて幅方向より流れ方向の延
伸倍率を高めた2軸延伸フィルム、これらのフィルムの
うちの同種または異種のフィルムを貼り合わせたもの、
および、これらのフィルムに用いられる原料樹脂から選
ばれる同種または異種の樹脂を共押し出しすることによ
って作成される複合フィルム等を挙げることができる。
また、上記の樹脂フィルムに処理を施したもの、例え
ば、シリコン処理ポリエチレンテレフタレート、コロナ
処理ポリエチレンテレフタレート、シリコン処理ポリプ
ロピレン、コロナ処理ポリプロピレン等を使用すること
ができる。
【0019】また、ベースフィルム2,12として金属
箔や金属鋼帯を用いることもできる。このような金属箔
や金属鋼帯の具体例として、銅箔、銅鋼帯、アルミニウ
ム箔、アルミニウム鋼帯、SUS430、SUS30
1、SUS304、SUS420J2およびSUS63
1等のステンレス鋼帯、ベリリウム鋼帯等を挙げること
ができる。さらに、上述の金属箔あるいは金属鋼帯を上
述の樹脂フィルムに貼り合わせたものを使用することも
できる。上記のようなベースフィルム2,12の厚み
は、4〜400μm、好ましくは10〜150μmの範
囲で設定することができる。
【0020】転写層 転写層3,13は、ガラスフリットを含む無機成分と焼
成除去可能な有機成分を少なくとも含有するインキ組成
物を、ベースフィルム2,12上にダイレクトグラビア
コーティング法、グラビアリバースコーティング法、リ
バースロールコーティング法、スライドダイコーティン
グ法、スリットダイコーティング法、コンマコーティン
グ法等の公知の塗布手段により塗布、乾燥して形成する
ことができる。
【0021】(1)無機成分 ガラスフリットとしては、例えば、軟化温度が350〜
650℃であり、熱膨張係数α300 が60×10-7〜1
00×10-7/℃であるガラスフリットを使用すること
ができる。ガラスフリットの軟化温度が650℃を超え
ると焼成温度を高くする必要があり、例えば、被パター
ン形成体の耐熱性が低い場合には焼成段階で熱変形を生
じることになり好ましくない。また、ガラスフリットの
軟化温度が350℃未満では、焼成により有機成分が完
全に分解、揮発して除去される前にガラスフリットが融
着するため、空隙を生じやすく好ましくない。さらに、
ガラスフリットの熱膨張係数α300 が60×10-7/℃
未満、あるいは、100×10-7/℃を超えると、被パ
ターン形成体の熱膨張係数との差が大きくなりすぎる場
合があり、歪み等を生じることになり好ましくない。こ
れらのガラスフリットとしては、例えば、Bi23
たはPbOを主成分とするものを用いることができる。
【0022】このようなガラスフリットの平均粒径は、
形成する転写層3,13の設定厚みを考慮して0.1〜
10μmの範囲で適宜設定することができ、ガラスフリ
ットの最大粒子径は、上述のように、形成する転写層
3,13の設定厚み以下とする。このように最大粒子径
が所定の数値に設定されたガラスフリットは、シックナ
ーやサイクロン等を用いた分級等により得ることができ
る。
【0023】尚、焼成除去可能な有機成分として、後述
するようなアルカリ現像型の感光性樹脂組成物を使用す
る場合、ポリマーに対する耐性等からビスマス系のガラ
スフリットを使用することが好ましい。
【0024】また、転写層3,13は、無機粉体として
酸化アルミニウム、酸化硼素、シリカ、酸化チタン、酸
化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウ
ム、酸化バリウム、炭酸カルシウム等の無機粉体をガラ
スフリット100重量部に対して30重量部以下の範囲
で含有することができる。このような無機粉体は、骨材
として焼成時のパターン流延防止の作用をなす。また、
コントラストを向上させるために、無機粉体として耐火
性の黒色顔料を転写層3,13に含有させてもよい。黒
色顔料としては、Co−Cr−Fe、Co−Mn−F
e、Co−Fe−Mn−Al、Co−Ni−Cr−F
e、Co−Ni−Mn−Cr−Fe、Co−Ni−Al
−Cr−Fe、Co−Mn−Al−Cr−Fe−Si等
を挙げることができる。このような無機粉体の平均粒径
は、形成する転写層3,13の設定厚みを考慮して0.
1〜20μmの範囲で適宜設定することができ、無機粉
体の最大粒子径は、上述のように、形成する転写層3,
13の設定厚み以下とする。このように最大粒子径が所
定の数値に設定された無機粉体は、シックナーやサイク
ロン等を用いた分級等により得ることができる。
【0025】さらに、本発明の転写シート1,11を電
極パターン形成用として使用する場合、無機粉体として
導電性粉体を転写層3,13に含有させる。導電性粉体
としては、Au粉体、Ag粉体、Cu粉体、Ni粉体、
Al粉体、Ag−Pd粉体等の1種または2種以上を使
用することができる。この導電性粉体の形状は、球状、
板状、塊状、円錐状、棒状等の種々の形状であってよい
が、凝集性がなく分散性が良好な球状の導電性粉体が好
ましい。導電性粉体の平均粒径は、形成する転写層3,
13の設定厚みを考慮して0.05〜10μmの範囲で
適宜設定することができ、導電性粉体の最大粒子径は、
上述のように、形成する転写層3,13の設定厚み以下
とする。例えば、転写層3,13の膜厚を6〜16μm
の範囲内で設定された場合、導電性粉体の最大粒子径は
1〜16μm、好ましくは3〜12μm、より好ましく
は5〜10μmの範囲で、かつ、転写層3,13の設定
厚み以下とすることができる。導電性粉体の最大粒子径
が小さいほど、転写後に焼成して形成されたパターンに
おける欠陥発生の防止には有利となるが、紫外線光の透
過率が低下するので、転写後のパターン露光に支障を来
すことになる。
【0026】このように最大粒子径が所定の数値に設定
された導電性粉体は、シックナーやサイクロン等を用い
た分級等により得ることができる。尚、転写層3,13
における導電性粉体と上記のガラスフリットとの含有割
合は、導電性粉末100重量部に対してガラスフリット
が2〜20重量部、好ましくは2〜10重量部の範囲と
することができる。
【0027】(2)有機成分 転写層3,13に含有される焼成除去可能な有機成分と
して、熱可塑性樹脂を使用することができる。
【0028】熱可塑性樹脂は、上述の無機成分のバイン
ダとして、また、転写性の向上を目的として含有させる
ものであり、例えば、メチルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリ
レート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタ
クリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタ
クリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチル
メタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペン
チルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−
ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチ
ルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デ
シルアクリレート、n−デシルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、スチレン、α
−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン等の1
種以上からなるポリマーまたはコポリマー、エチルセル
ロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。
【0029】特に、上記のなかでメチルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメ
タクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピ
ルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプ
ロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−
ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソ
ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、te
rt−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレートの1種以上からなるポリマーまたは
コポリマー、エチルセルロースが好ましい。
【0030】また、転写層3,13に含有される焼成除
去可能な有機成分として、感光性樹脂組成物を使用する
ことができる。
【0031】感光性樹脂組成物は、少なくともポリマ
ー、モノマーおよび開始剤を含有するものであり、焼成
によって揮発、分解して、焼成後の膜中に炭化物を残存
させることのないものである。
【0032】ポリマーとしては、メチルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメ
タクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピ
ルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプ
ロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−
ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソ
ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、te
rt−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレー
ト、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリ
レート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリ
レート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリ
レート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−
ピロリドンの1種以上と、コハク酸2−メタクリロイル
オキシエチル、コハク酸2−アクリロイルオキシエチ
ル、フタル酸2−メタクリロイルオキシエチル、フタル
酸2−アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル
酸2−メタクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタ
ル酸2−アクリロイルオキシエチル、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリル酸の二量体(例えば、東亜合成化学
(株)製M−5600)、コハク酸2−メタクリロイル
オキシエチル、コハク酸2−アクリロイルオキシエチ
ル、フタル酸2−メタクリロイルオキシエチル、フタル
酸2−アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル
酸2−メタクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタ
ル酸2−アクリロイルオキシエチル、イタコン酸、クロ
トン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの
酸無水物等の1種以上からなるポリマーまたはコポリマ
ー、あるいは、エチルセルロース等のセルロース誘導体
等が挙げられる。
【0033】また、上記のコポリマーにグリシジル基ま
たは水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させ
たポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0034】上記のポリマーの分子量は5,000〜3
00,000、好ましくは30,000〜150,00
0の範囲である。尚、上記ポリマーに、メタクリル酸エ
ステルポリマー、ポリビニルアルコール誘導体、N−メ
チル−2−ビニルピロリドンポリマー、セルロース誘導
体、スチレンポリマー等を混合することができる。
【0035】感光性樹脂組成物を構成する反応性モノマ
ーとしては、少なくとも1つの重合可能な炭素−炭素不
飽和結合を有する化合物を用いることができる。具体的
には、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブ
トキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコー
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシク
ロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレー
ト、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレ
ート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアク
リレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、
フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジア
クリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3
−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキ
サンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプ
ロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロー
ルトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパン
トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリ
エチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピ
ルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレン
グリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオ
ールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレ
ート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレー
ト、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、およ
び、上記のアクリレートをメタクリレートに変えたも
の、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
1−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。本発明で
は、上記の反応性モノマーを1種または2種以上の混合
物として、あるいは、その他の化合物との混合物として
使用することができる。
【0036】感光性樹脂組成物を構成する光重合開始剤
としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メ
チル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノ
ン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、
α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾ
フェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケト
ン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエト
キシアセトフォノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピ
オフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノ
ン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−
クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサント
ン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケター
ル、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメ
チルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキ
ノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルア
ントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロ
ン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンア
ントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6
−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、
2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチル
シクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン
−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェ
ニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニ
ル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン
−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェ
ニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベ
ンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−
1−プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1
−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ナフ
タレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロ
ライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビ
スイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベン
ズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、
カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニル
スルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブル
ー等の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノー
ルアミン等の還元剤の組み合わせ等が挙げられる。本発
明では、これらの光重合開始剤を1種または2種以上使
用することができる。
【0037】このような熱可塑性樹脂あるいは感光性樹
脂組成物の転写層3,13における含有量は、上述の無
機成分100重量部に対して3〜50重量部、好ましく
は5〜30重量部の範囲で設定することができる。熱可
塑性樹脂や感光性樹脂組成物の含有量が3重量部未満で
あると、転写層3,13の形状保持性が低く、特に、ロ
ール状態での保存性、取扱性に問題を生じ、また、転写
シート1,11を所望の形状に切断(スリット)する場
合に無機成分がごみとして発生し、その後のパターン形
成において支障を来すことがある。一方、熱可塑性樹脂
や感光性樹脂組成物の含有量が50重量部を超えると、
焼成により有機成分を完全に除去することができず、焼
成後の膜中に炭化物が残り品質が低下するので好ましく
ない。
【0038】さらに、上述の熱可塑性樹脂、感光性樹脂
組成物には、添加剤として、増感剤、重合停止剤、連鎖
移動剤、レベリング剤、分散剤、転写性付与剤、安定
剤、消泡剤、増粘剤、沈殿防止剤、剥離剤等を必要に応
じて含有することができる。
【0039】転写性付与剤は、転写性、インキ組成物の
流動性を向上させることを目的として添加され、例え
ば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−n
−オクチルフタレート等のノルマルアルキルフタレート
類、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシル
フタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニル
フタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチ
ルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル
類、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリ−
n−アルキルトリメリテート、トリイソノニルトリメリ
テート、トリイソデシルトリメリテート等のトリメリッ
ト酸エステル、ジメチルアジペート、ジブチルアジペー
ト、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシル
アジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ−2
−エチルヘキシルアゼテート、ジメチルセバケート、ジ
ブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケー
ト、ジ−2−エチルヘキシルマレート、アセチル−トリ
−(2−エチルヘキシル)シトレート、アセチル−トリ
−n−ブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレー
ト等の脂肪族二塩基酸エステル類、ポリエチレングリコ
ールベンゾエート、トリエチレングリコール−ジ−(2
−エチルヘキソエート)、ポリグリコールエーテル等の
グリコール誘導体、グリセロールトリアセテート、グリ
セロールジアセチルモノラウレート等のグリセリン誘導
体、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸
等からなるポリエステル系、分子量300〜3000の
低分子量ポリエーテル、同低分子量ポリ−α−スチレ
ン、同低分子量ポリスチレン、トリメチルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブト
キシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、
トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェー
ト、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフ
ェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホ
スフェート等の正リン酸エステル類、メチルアセチルリ
シノレート等のリシノール酸エステル類、ポリ−1,3
−ブタンジオールアジペート、エポキシ化大豆油等のポ
リエステル・エポキシ化エステル類、グリセリントリア
セテート、2−エチルヘキシルアセテート等の酢酸エス
テル類を挙げることができる。
【0040】また、分散剤、沈降防止剤は、上記の無機
粉体の分散性、沈降防止性の向上を目的とするものであ
り、例えば、リン酸エステル系、シリコーン系、ひまし
油エステル系、各種界面活性剤等が挙げられ、消泡剤と
しては、例えば、シリコーン系、アクリル系、各種界面
活性剤等が挙げられ、剥離剤としては、例えば、シリコ
ーン系、フッ素油系、パラフィン系、脂肪酸系、脂肪酸
エステル系、ひまし油系、ワックス系、コンパウンドタ
イプ等が挙げられ、レベリング剤としては、例えば、フ
ッ素系、シリコーン系、各種界面活性剤等が挙げられ、
それぞれ適量添加することができる。
【0041】また、転写層3,13形成のために熱可塑
性樹脂あるいは感光性樹脂組成物とともに用いる溶剤と
しては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール等のアルコール類、α−もしくはβ−
テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロ
リドン、ジエチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタ
ノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチル
ベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカ
ルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトー
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチル
エーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル
等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、
セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、
ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテー
ト、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトー
ルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、シクロ
ヘキシルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、
3−メトキシブチルアセテート等の酢酸エステル類、ジ
エチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレン
グリコールジアルキルエーテル、3−エトキシプロピオ
ン酸エチル、安息香酸メチル、N,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ
る。
【0042】転写層3,13の厚みは、含有する無機成
分の最大粒子径よりも大きいものであり、無機成分の最
大粒子径、形成するパターン等の使用目的等に応じて適
宜設定することができる。
【0043】保護フィルム 本発明の転写シート11を構成する保護フィルム14
は、良好な表面性を有し、柔軟で、張力もしくは圧力で
著しい変形を生じない材料を使用することができる。具
体的には、ポリエチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重
合体フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレン
フィルム、ポリメタクリル酸フィルム、ポリ塩化ビニル
フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリビニル
ブチラールフィルム、ナイロンフィルム、ポリエーテル
エーテルケトンフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポ
リエーテルサルフォンフィルム、ポリテトラフルオロエ
チレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルフィル
ム、ポリビニルフルオライドフィルム、テトラフルオロ
エチレン−エチレンフィルム、テトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロプロピレンフィルム、ポリクロロトリ
フルオロエチレンフィルム、ポリビニリデンフルオライ
ドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポ
リエチレンナフタレートフィルム、ポリエステルフィル
ム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリカーボネートフ
ィルム、ポリウレタンフィルム、ポリイミドフィルム、
ポリエーテルイミドフィルム、これらの樹脂材料にフィ
ラーを配合したフィルム、これらの樹脂材料を用いたフ
ィルムを1軸延伸もしくは2軸延伸したもの、これらの
樹脂材料を用いて流れ方向より幅方向の延伸倍率を高め
た2軸延伸フィルム、これらの樹脂材料を用いて幅方向
より流れ方向の延伸倍率を高めた2軸延伸フィルム、こ
れらのフィルムのうちの同種または異種のフィルムを貼
り合わせたもの、および、これらのフィルムに用いられ
る原料樹脂から選ばれる同種または異種の樹脂を共押し
出しすることによって作成される複合フィルム等を挙げ
ることができる。これらのフィルムのうちで、特に2軸
延伸ポリエステルフィルムを使用することが好ましい。
また、上記の樹脂フィルムに処理を施したもの、例え
ば、シリコン処理ポリエチレンテレフタレート、コロナ
処理ポリエチレンテレフタレート、メラミン処理ポリエ
チレンテレフタレート、シリコン処理ポリプロピレン、
コロナ処理ポリプロピレン、シリコン処理ポリエチレ
ン、コロナ処理ポリエチレン等を使用することができ
る。
【0044】上記のような保護フィルム14の厚みは、
4〜400μm、好ましくは6〜150μmの範囲で設
定することができる。
【0045】次に、上述のような本発明の転写シートを
用いたプラズマディスプレイパネル(PDP)の電極パ
ターン形成の例を説明する。
【0046】ここで、電極パターン形成を説明する前
に、AC型のPDPについて説明する。図3はAC型P
DPを示す概略構成図であり、前面板と背面板を離した
状態を示したものである。図3において、PDP51は
前面板61と背面板71とが互いに平行に、かつ対向し
て配設されており、背面板71の前面側には、立設する
ように障壁76が形成され、この障壁76によって前面
板61と背面板71とが一定間隔で保持される。前面板
61は、前面ガラス基板62を有し、この前面ガラス基
板62の背面側に透明電極である維持電極63と金属電
極であるバス電極64とからなる複合電極が互いに平行
に形成され、これを覆って誘電体層65が形成されてお
り、さらにその上にMgO層66が形成されている。ま
た、背面板71は、背面ガラス基板72を有し、この背
面ガラス基板72の前面側には下地層73を介して上記
複合電極と直交するように障壁76の間に位置してアド
レス電極74が互いに平行に形成され、また、これを覆
って誘電体層75が形成されており、さらに障壁76の
壁面とセルの底面を覆うようにして蛍光体層77が設け
られている。このAC型PDPでは、前面ガラス基板6
2上の複合電極間に交流電源から所定の電圧を印加して
電場を形成することにより、前面ガラス基板62と背面
ガラス基板72と障壁76とで区画される表示要素とし
ての各セル内で放電が行われる。そして、この放電によ
り生じる紫外線により蛍光体層77が発光させられ、前
面ガラス基板62を透過してくるこの光を観察者が視認
するようになっている。
【0047】次に、上述のPDPの背面板71における
アドレス電極74の形成を説明する。図4は本発明の転
写シート1を用いたアドレス電極74のパターン形成を
説明するための工程図である。尚、この場合の転写シー
ト1の転写層3は、焼成除去可能な有機成分としてネガ
型の感光性樹脂組成物を含有するものとする。
【0048】図4において、まず、下地層73が設けら
れた背面ガラス基板72に転写シート1の転写層側を圧
着し、その後、ベースフィルム2を剥離して転写層3を
転写する(図4(A))。この転写工程では、転写シー
ト1の転写層3の転写面は、上述のような凹部等の欠陥
がなく表面平滑性に優れているので、下地層73への密
着性が高く、転写層3の良好な転写が行える。尚、転写
層3の転写において加熱が必要な場合、背面ガラス基板
72の加熱、圧着ロール等により加熱を行ってもよい。
【0049】次に、フォトマスクMを介して転写層3を
露光する(図4(B))。尚、ベースフィルム2として
光透過性を有するフィルムを使用する場合、ベースフィ
ルム2を剥離する前に露光を行ってもよい。
【0050】次いで、転写層3を現像することにより、
導電性の感光性樹脂層からなるパターン3´を下地層7
3上に形成し(図4(C))、その後、焼成してパター
ン3´の有機成分を除去することにより、アドレス電極
パターン74を形成する(図4(D))。
【0051】上述の例では、図1に示されるような本発
明の転写シートが使用されているが、図2に示されるよ
うな保護フィルムを備えた転写シートを使用する場合、
保護フィルムを剥離除去した後に図4と同様の操作によ
り電極パターン形成を行うことが可能である。
【0052】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。まず、導電性粉体として、下記の2種の銀粉を
準備した。 ・銀粉A:球形状、平均粒径(D50) 3μm、最大粒子径
11.0μm(分級カットレベル=10μm) ・銀粉B:球形状、平均粒径(D50) 5μm、最大粒子径
22.0μm 次いで、上記の銀粉A、Bをそれぞれ用いて、転写層形
成用の下記組成の2種の感光性樹脂組成物A、Bを調製
した。 感光性樹脂組成物A、Bの組成 ・銀粉 … 96重量部 ・ガラスフリット … 4重量部 (主成分:Bi23 ,SiO2 ,B23 (無アルカリ) 軟化点=500℃、最大粒子径3μm) ・n−ブチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレート /メタクリル酸共重合体(グリシジルメタクリレート付加) (分子量=8万、酸価=100mgKOH/g) … 13重量部 ・ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート … 11重量部 ・光重合開始剤(チバガイギ社製イルガキュア369)… 1重量部 ・3−メトキシブチルアセテート … 20重量部
【0053】次に、ベースフィルムとしてポリエチレン
テレフタレートフィルム(東レ(株)製T−60)を準
備し、このベースフィルム上に上記の感光性樹脂組成物
Aをブレードコート法により塗布し乾燥(100℃、2
分間)して、厚み10.8μmの転写層を形成した。次
に、この転写層に保護フィルムとしてシリコン処理ポリ
エチレンテレフタレートフィルム(東セロ(株)製SP
−PET−03−25−C)をラミネートして、図2に
示されるような転写シート(試料1)を形成した。
【0054】また、上記の感光性樹脂組成物Aの塗布条
件を変えて、転写層の厚みが14.7μm、16.7μ
mである転写シート(試料2、3)を同様にして作製し
た。
【0055】一方、ベースフィルムとしてポリエチレン
テレフタレートフィルム(東レ(株)製T−60)を準
備し、このベースフィルム上に上記の感光性樹脂組成物
Bをブレードコート法により塗布し乾燥(100℃、2
分間)して、厚み11.5μmの転写層を形成した。次
に、この転写層に保護フィルムとしてシリコン処理ポリ
エチレンテレフタレートフィルム(東セロ(株)製SP
−PET−03−25−C)をラミネートして、図2に
示されるような転写シート(試料4)を形成した。
【0056】また、上記の感光性樹脂組成物Bの塗布条
件を変えて、転写層の厚みが14.2μm、17.5μ
m、21.1μmである転写シート(試料5〜7)を同
様にして作製した。
【0057】このように作製した各転写シート(試料1
〜7)を所定の幅にスリットし、ABS樹脂製のコアに
巻き回し、ロール状態で25℃の条件で1日間保存し
た。その後、保護フィルムを剥離して転写層の表面状態
を観察した。すなわち、転写層表面に露出する銀粉を核
として、その周囲に凹部が形成された欠陥の個数を測定
し、結果を下記の表1に示した。
【0058】
【表1】 表1に示されるように、導電性粉体である銀粉の最大粒
子径が転写層の厚み以下である転写シート2、3は、銀
粉を核として、その周囲に凹部が形成された欠陥が極め
て少ないものであった。これに対し、導電性粉体である
銀粉の最大粒子径よりも転写層の厚みが小さくなるにし
たがって、銀粉を核として、その周囲に凹部が形成され
た欠陥が急激に増大することが確認された。
【0059】次に、上記の保存後の転写シートの保護フ
ィルムを剥離し、60℃に加温したガラス基板上にオー
トカットラミネータを用いて60℃の熱ロールで圧着し
た。次いで、室温まで冷却した後、ベースフィルムを剥
離して転写層をガラス基板に転写した。
【0060】次に、プラズマディスプレイパネルの電極
のネガパターンマスク(開口部線幅90μm)を介して
紫外線(光源:超高圧水銀ランプ)を照射(400mJ
/cm2 )して転写層を露光した。その後、0.5%炭
酸ナトリウム水溶液を用いて現像し、所定のパターンを
得た。次いで、ガラス基板を600℃で焼成して、電極
パターンを形成した。このように形成された電極パター
ンにおいて、転写シート状態で確認された上記の欠陥部
位は、電極パターンの欠陥として確認された。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によればガ
ラスフリットを含む無機成分と焼成除去可能な有機成分
とを少なくとも含有する転写層をベースフィルム上に剥
離可能に設けて転写シートとし、無機成分として最大粒
子径が転写層の厚み以下のものを使用するので、転写層
の表面は無機成分の粒子の一部が露出することがなく表
面平滑性に優れ、これにより、転写シートを巻き取り状
態で保管しても、転写層表面に接触する材料(ベースフ
ィルムあるいは保護フィルム)が転写層に確実に密着し
て気泡が入り込むことが防止され、巻き取り状態で応力
が転写層に集中しても、転写層が変形して凹部等を生じ
ることがなく、転写層は良好な表面平滑性が保持され、
したがって、転写層を良好な状態で被転写体に転写する
ことができ、凹部や欠け等の欠陥のない高精細な電極パ
ターンや誘電体層等の形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写シートの一実施形態を示す概略断
面図である。
【図2】本発明の転写シートの他の実施形態を示す概略
断面図である。
【図3】プラズマディスプレイパネルの一例を示す概略
構成図である。
【図4】本発明の転写シートを用いた電極パターン形成
の一例を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1,11…転写シート 2,12…ベースフィルム 3,13…転写層 14…保護フィルム M…フォトマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA00B AB24B AG00B AH00B AK01C AK04C AK25J AK42A AK42C AK52C AK68C AL01B AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C CA30B CC00B CC00C DE01B DE05B EC04B GB41 GB90 JG01B JL02 JL14B JL14C JN30B 5C027 AA01 AA05 AA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルムと、該ベースフィルム上
    に剥離可能に設けられた転写層とを備え、該転写層はガ
    ラスフリットを含む無機成分、焼成除去可能な有機成分
    を少なくとも含有し、前記無機成分の最大粒子径は前記
    転写層の厚み以下であることを特徴とする転写シート。
  2. 【請求項2】 前記無機成分は導電性粉体を含むことを
    特徴とする請求項1に記載の転写シート。
  3. 【請求項3】 前記有機成分は感光性を有することを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の転写シート。
  4. 【請求項4】 前記転写層上に剥離可能に保護フィルム
    を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
    れかに記載の転写シート。
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