JPH11277988A - 転写シート - Google Patents

転写シート

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JPH11277988A
JPH11277988A JP10102190A JP10219098A JPH11277988A JP H11277988 A JPH11277988 A JP H11277988A JP 10102190 A JP10102190 A JP 10102190A JP 10219098 A JP10219098 A JP 10219098A JP H11277988 A JPH11277988 A JP H11277988A
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JP
Japan
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transfer
film
layer
acrylate
protective layer
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Pending
Application number
JP10102190A
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English (en)
Inventor
Kounosuke Tanaka
浩之介 田中
Toshihiko Takeda
利彦 武田
Yozo Kosaka
陽三 小坂
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマディスプレイパネルの電極パター
ン、誘電体層、障壁パターン等を層厚精度高く良好な表
面状態で簡便に形成するための転写シートを提供する。 【解決手段】 焼成除去可能な有機成分からなる保護層
をベースフィルム上に剥離可能に設け、この保護層上に
転写層を設けて転写シートとし、転写層は少なくともガ
ラスフリットを含む無機成分、焼成除去可能な有機成分
を含有するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネルの電極パターン、誘電体層、障壁パターン等
を簡便に形成することができる転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラズマディスプレイパネル(P
DP)における電極パターン、誘電体層、障壁パターン
等の形成は、層厚精度および表面状態を高いレベルで維
持しながら、低い製造コストで実施可能なことが要求さ
れている。
【0003】従来、PDPにおける電極パターンや誘電
体層等の形成は、所望の特性を有するペーストを用いて
スクリーン印刷やオフセット印刷等の印刷法により被膜
を形成し、乾燥後に焼成する印刷法等により行われてい
た。
【0004】しかし、上記の印刷法は、工程が簡略であ
り製造コストの低減が期待されるが、スクリーン印刷法
ではスクリーン印刷版を構成するメッシュ材料の伸びに
よる印刷精度の限界があり、また、形成したパターンに
メッシュ目が生じたりパターンのにじみが発生し、パタ
ーンの表面状態が悪いという問題がある。また、オフセ
ット印刷法では、印刷回数が進むにつれてパターン形成
用ペーストが完全に基板に転写されずにブランケットに
残るようになり、層厚やパターンの精度の低下が生じ
る。したがって、ブランケットの交換を随時行いペース
トのブランケット残りを防止して誘電体層の形成精度を
維持する必要があり、このため作業が極めて煩雑である
という問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解消
するものとして、電極パターンや誘電体層形成用等の塗
布組成物を用いてベースフィルム上に剥離可能に転写層
を設けて転写シートとし、この転写シートを用いて転写
層を被転写体に熱転写した後、焼成することにより電極
パターンや誘電体層等を形成する方法がある。
【0006】しかし、被転写体に熱転写された転写層
は、上述のような印刷法により形成された被膜に比べて
転写性付与のために樹脂、可塑剤等の有機バインダ成分
が多く、このため、転写工程から焼成工程までの間、あ
るいは、転写工程からパターニング工程までの間に、転
写層にゴミが付着すると、エアーブロー等によって取り
除くことが困難であり、付着したゴミが欠陥となって製
造歩留の向上に支障を来していた。
【0007】本発明は、上述のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、プラズマディスプレイパネルの電極パ
ターン、誘電体層、障壁パターン等を層厚精度高く良好
な表面状態で簡便に形成するための転写シートを提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明はベースフィルムと、該ベースフィル
ム上に剥離可能に設けられた焼成除去可能な有機成分か
らなる保護層と、該保護層上に形成された転写層とを備
え、前記転写層は少なくともガラスフリットを含む無機
成分、焼成除去可能な有機成分を含有するような構成と
した。
【0009】また、本発明は、前記転写層が無機成分と
して導電性粉末を含有するような構成とした。
【0010】上記のような本発明では、被転写体に転写
層を当接させて圧着し、その後、ベースフィルムを剥離
すると、転写層とともに保護層も被転写体に転写され、
この保護層は、転写工程以降の工程でのゴミ付着防止
と、保護層上に付着したゴミの除去を容易にする作用を
なし、さらに、転写層の傷発生を防ぐ作用をなす。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0012】図1は、本発明の転写シートの一実施形態
を示す概略断面図である。図1において、転写シート1
は、ベースフィルム2と、このベースフィルム2上に剥
離可能に設けられた保護層3、保護層3上に形成された
転写層4とを備える。保護層3は、焼成除去可能な有機
成分からなる。また、転写層4は、ガラスフリットを含
む無機成分と焼成除去可能な有機成分を少なくとも含有
する。
【0013】図2は、本発明の転写シートの他の実施形
態を示す概略断面図である。図2において、転写シート
11は、ベースフィルム12と、このベースフィルム1
2上に剥離可能に設けられた保護層13と、保護層13
上に積層された転写層14と、さらに、転写層14上に
剥離可能に設けられた保護フィルム15とを備える。保
護層13は、焼成除去可能な有機成分からなり、転写層
14は、ガラスフリットを含む無機成分と焼成除去可能
な有機成分を少なくとも含有する。
【0014】このような転写シート1,11は、シート
状、長尺状のいずれであってもよく、長尺状の場合はコ
アに巻き回したロール形状とすることができる。使用す
るコアは、ごみ発生、紙粉発生を防止するためにABS
樹脂、塩化ビニル樹脂、ベークライト等で成形されたコ
ア、樹脂を含浸させた紙管等が好ましい。
【0015】次に、上記の転写シート1,11の構成に
ついて説明する。 (ベースフィルム)転写シート1,11を構成するベー
スフィルム2,12は、保護層3,13を形成するとき
のインキ組成物に対して安定であり、また、柔軟性を有
し、かつ、張力もしくは圧力で著しい変形を生じない材
料を使用する。
【0016】用いる材料としては、まず、樹脂フィルム
を挙げることができる。樹脂フィルムの具体例として
は、ポリエチレンフィルム、エチレンー 酢酸ビニル共重
合体フィルム、エチレン- ビニルアルコール共重合体フ
ィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリメタクリル酸エステルフィルム、ポリ塩化ビニ
ルフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリビニ
ルブチラールフィルム、ナイロンフィルム、ポリエーテ
ルケトンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィル
ム、ポリサルフォンフィルム、ポリエーテルサルフォン
フィルム、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテルフィルム、ポリビニルフルオラ
イドフィルム、テトラフルオロエチレン−エチレンフィ
ルム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レンフィルム、ポリクロロトリフルオロエチレンフィル
ム、ポリビニリデンフルオライドフィルム、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシ
レンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレン
ナフタレートフィルム、ポリエステルフィルム、トリ酢
酸セルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポ
リウレタンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテ
ルイミドフィルム、これらの樹脂材料にフィラーを配合
したフィルム、これらの樹脂材料を用いたフィルムを1
軸延伸もしくは2軸延伸したもの、これらの樹脂材料を
用いて流れ方向より幅方向の延伸倍率を高めた2軸延伸
フィルム、これらの樹脂材料を用いて幅方向より流れ方
向の延伸倍率を高めた2軸延伸フィルム、これらのフィ
ルムのうちの同種または異種のフィルムを貼り合わせた
もの、および、これらのフィルムに用いられる原料樹脂
から選ばれる同種または異種の樹脂を共押し出しするこ
とによって作成される複合フィルム等を挙げることがで
きる。また、上記の樹脂フィルムに処理を施したもの、
例えば、シリコン処理ポリエチレンテレフタレート、コ
ロナ処理ポリエチレンテレフタレート、シリコン処理ポ
リプロピレン、コロナ処理ポリプロピレン等を使用して
もよい。
【0017】また、ベースフィルム2,12として金属
箔や金属鋼帯を用いることもできる。このような金属箔
や金属鋼帯の具体例として、銅箔、銅鋼帯、アルミニウ
ム箔、アルミニウム鋼帯、SUS430、SUS30
1、SUS304、SUS420J2およびSUS63
1等のステンレス鋼帯、ベリリウム鋼帯等を挙げること
ができる。さらに、上述の金属箔あるいは金属鋼帯を上
述の樹脂フィルムに貼り合わせたものを使用することも
できる。
【0018】上記のようなベースフィルム2,12の厚
みは、4〜400μm、好ましくは10〜150μmの
範囲で設定することができる。 (保護層)保護層3,13を形成する材料は、焼成除去
可能な有機成分からなり、転写層4,14を形成すると
きのインキ組成物に対して安定である材料を使用する。
【0019】保護層3,13に用いることができる有機
成分としては、ポリビニルアルコール、水溶性セルロー
ス、ポリビニルピロリドン、ポリビニルモルフォリン等
の水溶性樹脂;メチルアクリレート、メチルメタクリレ
ート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n
−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレー
ト、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリ
レート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリ
レート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリ
レート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ートの1種以上からなるポリマーまたはコポリマー等の
(メタ)アクリレート樹脂、エチルセルロース等のセル
ロース樹脂、スチレン系樹脂、アセタール系樹脂等の非
水溶性樹脂を挙げることができる。非水溶性樹脂であっ
て紫外線硬化型、電子線硬化型でない樹脂の場合、分子
量が大きいほど、転写層4,14の塗布形成時に保護層
3,13が損傷を受けにくくなるので好ましい。この場
合の分子量は、1万〜100万、好ましくは、10万〜
100万の範囲である。
【0020】また、他の成分として、可塑剤、消泡剤、
レベリング剤、シリカ等の無機粉体、反応性モノマー、
開始剤、増感剤等を使用することができる。また、保護
層3,13を形成する材料として、感光性材料を使用す
ることにより、塗布後に紫外線あるいは電子線を照射し
て硬化させるので、転写層4,14の塗布形成時に保護
層3,13が受ける損傷を少なくすることができる。
【0021】保護層3,13に占める樹脂量は、30〜
100重量%、好ましくは50〜100重量%の範囲で
設定することができる。樹脂量が30重量%未満である
と、保護層3,13の被膜性が悪く、ベースフィルムと
の間の剥離性が低下し、また、保護層3,13上にゴミ
が付着した場合、ゴミの除去性が悪くなり好ましくな
い。
【0022】保護層3,13は、上述のような焼成除去
可能な有機成分を含有するインキ組成物を、ベースフィ
ルム2,12上にダイレクトグラビアコーティング法、
グラビアリバースコーティング法、リバースロールコー
ティング法、スライドダイコーティング法、スリットダ
イコーティング法、コンマコーティング法、スリットリ
バースコーティング法等の公知の塗布手段により塗布、
乾燥して形成することができる。保護層3,13の厚み
は、0.1〜10μm、好ましくは0.1〜3μmの範
囲で設定する。保護層3,13の厚みが0.1μm未満
であると、ピンホールが多く発生して保護層としての作
用に支障を来し、10μmを超えると、保護層形成時の
塗布・乾燥が難しく、製造コストの増大を来し好ましく
ない。
【0023】このような保護層3,13は、層厚が薄く
焼成除去可能であり、後述する基板への転写において、
転写層とともに転写され、転写工程後の焼成工程やパタ
ーニング工程までの間に転写層に直接ゴミが付着するこ
とを防止するとともに、保護層上に付着したゴミをエア
ーブロー等により容易に取り除くことを可能とし、ゴミ
付着による欠陥発生を防止する。尚、保護層3,13を
上述のような水溶性樹脂により形成することにより、後
述する現像工程において現像液により除去することがで
きる。
【0024】尚、本発明では、保護層を2層以上の積層
として形成してもよい。 (転写層)転写層4,14は、ガラスフリットを含む無
機成分と焼成除去可能な有機成分を少なくとも含有する
インキ組成物を、保護層3,13上にダイレクトグラビ
アコーティング法、グラビアリバースコーティング法、
リバースロールコーティング法、スライドダイコーティ
ング法、スリットダイコーティング法、コンマコーティ
ング法、スリットリバースコーティング法等の公知の塗
布手段により塗布、乾燥して形成することができる。 (1)無機成分 上記のガラスフリットとしては、例えば、軟化温度が3
50〜650℃であり、熱膨張係数α300 が60×10
-7〜100×10-7/℃であるガラスフリットを使用す
ることができる。ガラスフリットの軟化温度が650℃
を超えると焼成温度を高くする必要があり、例えば、被
パターン形成体の耐熱性が低い場合には焼成段階で熱変
形を生じることになり好ましくない。また、ガラスフリ
ットの軟化温度が350℃未満では、焼成により有機成
分が完全に分解、揮発して除去される前にガラスフリッ
トが融着するため、空隙を生じやすく好ましくない。さ
らに、ガラスフリットの熱膨張係数α300 が60×10
-7/℃未満、あるいは、100×10-7/℃を超える
と、被パターン形成体の熱膨張係数との差が大きくなり
すぎる場合があり、歪み等を生じることになり好ましく
ない。このようなガラスフリットの平均粒径は0.1〜
10μmの範囲が好ましい。このようなガラスフリット
としては、例えばBi23 、ZnOまたはPbOを主
成分とするガラスフリットを使用することができる。
【0025】また、転写層4,14は、無機粉体として
酸化アルミニウム、酸化硼素、シリカ、酸化チタン、酸
化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウ
ム、酸化バリウム、炭酸カルシウム等の無機粉体をガラ
スフリット100重量部に対して30重量部以下の範囲
で含有することができる。このような無機粉体は、平均
粒径が0.1〜10μmの範囲が好ましく、骨材として
焼成時のパターン流延防止の作用をなし、また、反射率
や誘電率を制御する作用をなすものである。
【0026】また、形成したパターンの外光反射を低減
するために、無機粉体として耐火性の黒色顔料あるいは
白色顔料を転写層4,14に含有させることができる。
耐火性の黒色顔料としては、Co−Cr−Fe,Co−
Mn−Fe,Co−Fe−Mn−Al,Co−Ni−C
r−Fe,Co−Ni−Mn−Cr−Fe,Co−Ni
−Al−Cr−Fe,Co−Mn−Al−Cr−Fe−
Si等を挙げることができる。また、耐火性の白色顔料
としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカ、炭
酸カルシウム等が挙げられる。
【0027】尚、転写層4,14により電極パターンを
形成する場合、転写層4,14に含有させる導電性粉体
としては、Au粉体、Ag粉体、Cu粉体、Ni粉体、
Al粉体、Ag−Pd粉体等の1種または2種以上を使
用することができる。この導電性粉体の形状は、球状、
板状、塊状、円錐状、棒状等の種々の形状であってよい
が、凝集性がなく分散性が良好な球状の導電性粉体が好
ましく、その平均粒径は0.05〜10μmの範囲が好
ましい。転写層4,14における導電性粉体と上記のガ
ラスフリットとの含有割合は、導電性粉末100重量部
に対してガラスフリットが2〜20重量部、好ましくは
2〜15重量部の範囲とすることができる。 (2)有機成分 転写層4,14に含有される焼成除去可能な有機成分と
して、熱可塑性樹脂を使用することができる。
【0028】熱可塑性樹脂は、上述の無機成分のバイン
ダとして、また、転写性の向上を目的として含有させる
ものであり、例えば、メチルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリ
レート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタ
クリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタ
クリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチル
メタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペン
チルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−
ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチ
ルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デ
シルアクリレート、n−デシルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、スチレン、α
−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン等の1
種以上からなるポリマーまたはコポリマー、エチルセル
ロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。
【0029】特に、上記のなかでメチルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメ
タクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピ
ルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプ
ロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−
ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソ
ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、te
rt−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレートの1種以上からなるポリマーまたは
コポリマー、エチルセルロースが好ましい。
【0030】上記の熱可塑性樹脂の分子量は、10,0
00〜500,000の範囲が好ましい。
【0031】また、転写層4,14に含有される焼成除
去可能な有機成分として、感光性樹脂組成物を使用する
ことができる。
【0032】感光性樹脂組成物は、少なくともポリマ
ー、モノマーおよび開始剤を含有するものであり、焼成
によって揮発、分解して、焼成後の膜中に炭化物を残存
させることのないものである。
【0033】ポリマーとしては、メチルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメ
タクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピ
ルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプ
ロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−
ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソ
ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、te
rt−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレー
ト、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリ
レート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリ
レート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリ
レート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエ
チルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、ヒドロキシプロピルメタクリレート、スチレン、α
−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドンの1種
以上と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の二量
体(例えば、東亜合成(株)製M−5600)、コハク
酸2−メタクリロイルオキシエチル、コハク酸2−アク
リロイルオキシエチル、フタル酸2−メタクリロイルオ
キシエチル、フタル酸2−アクリロイルオキシエチル、
ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチ
ル、ヘキサヒドロフタル酸2−アクリロイルオキシエチ
ル、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、
ビニル酢酸、これらの酸無水物等の1種以上からなるポ
リマーまたはコポリマー、カルボキシル基含有セルロー
ス誘導体等が挙げられる。
【0034】また、上記のコポリマーにグリシジル基ま
たは水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させ
たポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0035】上記のポリマーの分子量は、5,000〜
300,000、好ましくは30,000〜150,0
00の範囲である。また、上記のポリマーに他のポリマ
ー、例えば、メタクリル酸エステルポリマー、ポリビニ
ルアルコール誘導体、N−メチル−2−ピロリドンポリ
マー、セルロース誘導体、スチレンポリマー等を混合す
ることができる。
【0036】感光性樹脂組成物を構成する反応性モノマ
ーとしては、少なくとも1つの重合可能な炭素−炭素不
飽和結合を有する化合物を用いることができる。具体的
には、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブ
トキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコー
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシク
ロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレー
ト、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレ
ート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアク
リレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、
フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジア
クリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3
−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキ
サンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプ
ロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロー
ルトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパン
トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチ
レンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、プロピレンオキサイド変性ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、プロピレンオキサイド
変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエ
チレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピル
トリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレング
リコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオー
ルトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3
−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレー
ト、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、および、上
記のアクリレートをメタクリレートに変えたもの、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニ
ル−2−ピロリドン等が挙げられる。上記の反応性モノ
マーは、1種または2種以上の混合物として、あるい
は、その他の化合物との混合物として使用することがで
きる。
【0037】感光性樹脂組成物を構成する光重合開始剤
としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メ
チル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノ
ン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、
α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾ
フェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケト
ン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエト
キシアセトフォノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピ
オフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノ
ン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−
クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサント
ン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケター
ル、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメ
チルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキ
ノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルア
ントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロ
ン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンア
ントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6
−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、
2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチル
シクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン
−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェ
ニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニ
ル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン
−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェ
ニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベ
ンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−
1−プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1
−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ナフ
タレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロ
ライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビ
スイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベン
ズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、
カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニル
スルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブル
ー等の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノー
ルアミン等の還元剤の組み合わせ等が挙げられ、これら
の光重合開始剤を1種または2種以上使用することがで
きる。
【0038】このような熱可塑性樹脂あるいは感光性樹
脂組成物の転写層4,14における含有量は、上述の無
機成分100重量部に対して3〜50重量部、好ましく
は5〜30重量部の範囲で設定することができる。熱可
塑性樹脂や感光性樹脂組成物の含有量が3重量部未満で
あると、転写層4,14の形状保持性が低く、特に、ロ
ール状態での保存性、取扱性に問題を生じ、また、転写
シート1,11を所望の形状に切断(スリット)する場
合に無機成分がごみとして発生し、プラズマディスプレ
イパネル作製に支障を来すことがある。一方、熱可塑性
樹脂や感光性樹脂組成物の含有量が50重量部を超える
と、焼成により有機成分を完全に除去することができ
ず、焼成後の膜中に炭化物が残り品質が低下するので好
ましくない。
【0039】さらに、上述の熱可塑性樹脂、感光性樹脂
組成物には、添加剤として、増感剤、重合停止剤、連鎖
移動剤、レベリング剤、分散剤、転写性付与剤、安定
剤、消泡剤、増粘剤、沈殿防止剤、剥離剤等を必要に応
じて含有することができる。
【0040】転写性付与剤は、転写性、インキ組成物の
流動性を向上させることを目的として添加され、例え
ば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−n
−オクチルフタレート等のノルマルアルキルフタレート
類、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシル
フタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニル
フタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチ
ルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル
類、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリ−
n−アルキルトリメリテート、トリイソノニルトリメリ
テート、トリイソデシルトリメリテート等のトリメリッ
ト酸エステル、ジメチルアジペート、ジブチルアジペー
ト、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシル
アジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ−2
−エチルヘキシルアゼテート、ジメチルセバケート、ジ
ブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケー
ト、ジ−2−エチルヘキシルマレート、アセチル−トリ
−(2−エチルヘキシル)シトレート、アセチル−トリ
−n−ブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレー
ト等の脂肪族二塩基酸エステル類、ポリエチレングリコ
ールベンゾエート、トリエチレングリコール−ジ−(2
−エチルヘキソエート)、ポリグリコールエーテル等の
グリコール誘導体、グリセロールトリアセテート、グリ
セロールジアセチルモノラウレート等のグリセリン誘導
体、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸
等からなるポリエステル系、分子量300〜3000の
低分子量ポリエーテル、同低分子量ポリ−α−スチレ
ン、同低分子量ポリスチレン、トリメチルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブト
キシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、
トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェー
ト、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフ
ェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホ
スフェート等の正リン酸エステル類、メチルアセチルリ
シノレート等のリシノール酸エステル類、ポリ−1,3
−ブタンジオールアジペート、エポキシ化大豆油等のポ
リエステル・エポキシ化エステル類、グリセリントリア
セテート、2−エチルヘキシルアセテート等の酢酸エス
テル類を挙げることができる。
【0041】また、分散剤、沈降防止剤は、上記の無機
粉体の分散性、沈降防止性の向上を目的とするものであ
り、例えば、リン酸エステル系、シリコーン系、ひまし
油エステル系、各種界面活性剤等が挙げられ、消泡剤と
しては、例えば、シリコーン系、アクリル系、各種界面
活性剤等が挙げられ、剥離剤としては、例えば、シリコ
ーン系、フッ素油系、パラフィン系、脂肪酸系、脂肪酸
エステル系、ひまし油系、ワックス系、コンパウンドタ
イプ等が挙げられ、レベリング剤としては、例えば、フ
ッ素系、シリコーン系、各種界面活性剤等が挙げられ、
それぞれ適量添加することができる。
【0042】また、転写層4,14形成のために熱可塑
性樹脂あるいは感光性樹脂組成物とともに用いる溶剤と
しては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール等のアルコール類、α−もしくはβ−
テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロ
リドン、ジエチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタ
ノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチル
ベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカ
ルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトー
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチル
エーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル
等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、
セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、
ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテー
ト、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトー
ルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、シクロ
ヘキシルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、
3−メトキシブチルアセテート等の酢酸エステル類、ジ
エチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレン
グリコールジアルキルエーテル、3−エトキシプロピオ
ン酸エチル、安息香酸メチル、N,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ
る。 (保護フィルム)転写シート11を構成する保護フィル
ム15は、柔軟で、張力もしくは圧力で著しい変形を生
じない材料を使用することができる。具体的には、ポリ
エチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィ
ルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、
ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ
メタクリル酸フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ
ビニルアルコールフィルム、ポリビニルブチラールフィ
ルム、ナイロンフィルム、ポリエーテルエーテルケトン
フィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリエーテルサル
フォンフィルム、ポリテトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテルフィルム、ポリビニルフ
ルオライドフィルム、テトラフルオロエチレン−エチレ
ンフィルム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレンフィルム、ポリクロロトリフルオロエチレン
フィルム、ポリビニリデンフルオライドフィルム、ポリ
エチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタ
レートフィルム、ポリエステルフィルム、トリ酢酸セル
ロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリウレ
タンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミ
ドフィルム、これらの樹脂材料にフィラーを配合したフ
ィルム、これらの樹脂材料を用いたフィルムを1軸延伸
もしくは2軸延伸したもの、これらの樹脂材料を用いて
流れ方向より幅方向の延伸倍率を高めた2軸延伸フィル
ム、これらの樹脂材料を用いて幅方向より流れ方向の延
伸倍率を高めた2軸延伸フィルム、これらのフィルムの
うちの同種または異種のフィルムを貼り合わせたもの、
および、これらのフィルムに用いられる原料樹脂から選
ばれる同種または異種の樹脂を共押し出しすることによ
って作成される複合フィルム等を挙げることができる。
これらのフィルムのうちで、特に2軸延伸ポリエステル
フィルムを使用することが好ましい。また、上記の樹脂
フィルムに処理を施したもの、例えば、シリコン処理ポ
リエチレンテレフタレート、コロナ処理ポリエチレンテ
レフタレート、メラミン処理ポリエチレンテレフタレー
ト、コロナ処理ポリエチレン、コロナ処理ポリプロピレ
ン、シリコン処理ポリプロピレン等を使用してもよい。
【0043】上記のような保護フィルム15の厚みは、
4〜400μm、好ましくは6〜150μmの範囲で設
定することができる。
【0044】図2に示されるような保護フィルムを備え
た本発明の転写シートを使用する場合、保護フィルムを
剥離除去した後に転写工程に供することができる。
【0045】また、本発明の転写シートを用いて保護層
とともに基板等の被転写体に転写にされた転写層は、用
途に応じて全ベタパターンとすることもでき、また、転
写後に所望の形状のパターンとすることもできる。転写
層のパターニングは、例えば、転写層の有機成分が感光
性を有している場合は、転写した転写層を所定のフォト
マスクを介し露光して現像し、その後、焼成してパター
ン形成を行うことができる。また、転写層の有機成分が
感光性を有していない場合は、転写した転写層上にマス
クを形成してサンドブラスト法等により転写層をエッチ
ングし、その後、焼成してパターン形成を行うことがで
きる。
【0046】次に、本発明の転写シートを用いたプラズ
マディスプレイパネル(PDP)の電極パターン形成と
誘電体層形成の例を説明する。
【0047】まず、パターン形成を説明する前に、AC
型のPDPについて説明する。
【0048】図3はAC型PDPを示す概略構成図であ
り、前面板と背面板を離した状態を示したものである。
図3において、PDP21は前面板31と背面板41と
が互いに平行に、かつ対向して配設されており、背面板
41の前面側には、立設するように障壁46が形成さ
れ、この障壁46によって前面板31と背面板41とが
一定間隔で保持される。前面板31は、前面ガラス基板
32を有し、この前面ガラス基板32の背面側に透明電
極である維持電極33と金属電極であるバス電極34と
からなる複合電極が互いに平行に形成され、これを覆っ
て誘電体層35が形成されており、さらにその上にMg
O層36が形成されている。また、背面板41は、背面
ガラス基板42を有し、この背面ガラス基板42の前面
側には下地層43を介して上記複合電極と直交するよう
に障壁46の間に位置してアドレス電極44が互いに平
行に形成され、また、これを覆って誘電体層45が形成
されており、さらに障壁46の壁面とセルの底面を覆う
ようにして蛍光体層47が設けられている。このAC型
PDPでは、前面ガラス基板32上の複合電極間に交流
電源から所定の電圧を印加して電場を形成することによ
り、前面ガラス基板32と背面ガラス基板42と障壁4
6とで区画される表示要素としての各セル内で放電が行
われる。そして、この放電により生じる紫外線により蛍
光体層47が発光させられ、前面ガラス基板32を透過
してくるこの光を観察者が視認するようになっている。
【0049】尚、図3に示されるAC型PDPでは、下
地層43を介して背面ガラス基板42上にアドレス電極
44等が設けられているが、下地層43を形成しないも
のであってもよい。
【0050】次に、本発明の転写シートを用いたPDP
の背面板41におけるアドレス電極44の形成を説明す
る。
【0051】図4は本発明の転写シートを用いた電極パ
ターンの形成を説明するための工程図である。尚、この
場合の転写シートの転写層は、焼成除去可能な有機成分
としてネガ型の感光性樹脂組成物を含有するものとす
る。
【0052】図4において、まず、下地層43が設けら
れた背面ガラス基板42上(下地層43を設けず背面ガ
ラス基板42に直接でもよい)に電極パターン形成用の
転写シート1の転写層4側を圧着し、その後、ベースフ
ィルム2を剥離して転写層4および保護層3を転写する
(図4(A))。この転写工程では、転写層4の転写に
加熱が必要な場合、背面ガラス基板42の加熱、圧着ロ
ールによる加熱等を行ってもよい。
【0053】このように転写層4とともに転写された保
護層3は、転写層4を覆うように位置するので、転写工
程後のパターニング工程までの間に、粘着性の高い転写
層4に直接ゴミが付着することを防止し、また、保護層
3上に付着したゴミはエアーブロー等により容易に取り
除くことができ、ゴミ付着による欠陥発生を防止する。
【0054】次に、フォトマスクMを介して転写層4を
露光する(図4(B))。次いで、転写層4を現像する
ことにより、転写層4の未露光部と保護層3とが現像液
により除去され、パターン4´が下地層43上に形成さ
れる(図4(C))。このようなパターニングが行われ
た後は、仮にパターン4´にゴミ付着が生じてもエアー
ブロー等により容易に取り除くことができる。尚、パタ
ーン4´上に保護層3が残存していても、次の焼成工程
において除去される。
【0055】その後、焼成を行ってパターン4´の有機
成分を除去することにより、アドレス電極パターン44
を形成する(図4(D))。
【0056】次に、本発明の転写シートを用いたPDP
の背面板41における誘電体層45の形成を説明する。
【0057】図5は本発明の転写シートを用いた誘電体
層形成を説明するための工程図である。
【0058】図5において、まず、下地層43上にアド
レス電極パターン44が設けられた背面ガラス基板42
(下地層43を介さずにアドレス電極パターン44を設
けた背面ガラス基板42でもよい)に転写シート11の
転写層14側を圧着し(図5(A))、その後、ベース
フィルム12を剥離して転写層14と保護層13を転写
する(図5(B))。この転写工程では、転写層14の
転写に加熱が必要な場合、背面ガラス基板42の加熱、
圧着ロール等による加熱を行ってもよい。
【0059】このように転写層14とともに転写された
保護層13は、転写層14を覆うように位置するので、
転写工程後の焼成工程までの間に、粘着性の高い転写層
14に直接ゴミが付着することを防止し、また、保護層
13上に付着したゴミはエアーブロー等により容易に取
り除くことができ、ゴミ付着による欠陥発生を防止す
る。また、保護層13自体は、転写層の有機成分ととも
に焼成により除去されるので、形成される誘電体層の特
性等に悪影響を与えることがない。
【0060】次いで、焼成を行って転写層14の有機成
分および保護層13を除去することにより、誘電体層4
5を形成する(図5(C))。
【0061】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。 (実施例1)保護層用のインキ組成物として下記組成の
インキ組成物を調製した。
【0062】 保護層用インキ組成物 ・ポリビニルピロリドン … 1重量部 ・ポリビニルアルコール … 4重量部 ・水/イソプロピルアルコール(5/5(重量比)) … 95重量部 次に、ベースフィルムとしてポリエチレンテレフタレー
トフィルム(東レ(株)製T−60)を準備し、このベ
ースフィルム上に上記の保護層用のインキ組成物をグラ
ビアリバースコート法により塗布し乾燥(100℃、2
分間)して、厚み1μmの保護層を形成した。
【0063】また、電極パターン形成用のインキ組成物
として下記組成の感光性樹脂組成物を調製した。
【0064】 感光性樹脂組成物 ・銀粉(球形状、平均粒径1μm) … 96重量部 ・ガラスフリット … 4重量部 (主成分:Bi23 ,SiO2 ,B23 (無アルカリ) 軟化点=500℃) ・n−ブチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレート /メタクリル酸共重合体(グリシジルメタクリレート付加) (分子量=8万、酸価=110mgKOH/g) … 13重量部 ・ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート … 11重量部 ・光重合開始剤(チバガイギ社製イルガキュア369)… 1重量部 ・3−メトキシブチルアセテート … 20重量部 次に、この感光性樹脂組成物を上記のように形成した保
護層上にブレードコート法により塗布し乾燥(80℃、
2分間)して、厚み15μmの転写層を形成した。
【0065】次いで、この転写層に保護フィルムとして
シリコン処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(東
セロ(株)製SP−PET−03−25−C)をラミネ
ートして、図2に示されるような電極パターン形成用の
転写シート(試料1)を形成した。
【0066】また、比較として、保護層を形成しない他
は、上記の試料1と同様にして、電極パターン形成用の
転写シート(比較試料1)を形成した。
【0067】次に、上記の転写シートの保護フィルムを
剥離した後、旭化成工業(株)製ラミネータAL−70
0を用いて、60℃に加熱したガラス基板上に60℃の
熱ロールで転写層を圧着した。次いで、室温まで冷却し
た後、ベースフィルムを剥離した。これにより、試料1
の転写シートを用いた場合は、転写層および保護層がガ
ラス基板に転写され、比較試料1の転写シートを用いた
場合は、転写層がガラス基板に転写された。
【0068】また、これらのガラス基板に繊維状のゴミ
を強制的に付着させ、その後、エアーブローによりゴミ
除去処理を行った。この段階での保護層あるいは転写層
の表面状態を観察し、結果を下記表1に示した。
【0069】次に、上記の各ガラス基板の転写層に対し
て、プラズマディスプレイパネルの電極のネガパターン
マスク(開口部線幅90μm)を介して紫外線(光源:
超高圧水銀ランプ)を照射(500mJ/cm2 )して
転写層を露光した。
【0070】その後、0.5%炭酸ナトリウム水溶液を
用いて現像し、所定のパターンを得た。試料1の転写シ
ートを用いた場合、この現像工程において保護層が転写
層の未露光部とともに除去された。
【0071】次いで、ガラス基板を600℃で焼成し
て、電極パターンを形成した。このように形成された電
極パターンの表面状態を観察して、結果を下記表1に示
した。
【0072】
【表1】 表1に示されるように、本発明の転写シート(試料1)
を用いた場合、転写工程後にゴミ付着が生じても、エア
ーブローによりゴミの除去が可能であり、形成された電
極パターンは、厚み5±1μm、線幅80±5μmの高
い精度を有し、かつ、表面状態が良好なものであった。
【0073】これに対して、保護層を備えていない転写
シート(比較試料1)を用いた場合、転写工程後に付着
したゴミの除去が困難であり、また、形成された電極パ
ターンには、付着したゴミによる欠陥がみられた。 (実施例2)保護層用のインキ組成物として下記組成の
インキ組成物を調製した。
【0074】 保護層用インキ組成物 ・ポリメチルメタクリレート(分子量50万) … 5重量部 ・メチルエチルケトン …100重量部 次に、ベースフィルムとしてポリエチレンテレフタレー
トフィルム(東レ(株)製T−60)を準備し、このベ
ースフィルム上に上記の保護層用のインキ組成物をグラ
ビアリバースコート法により塗布し乾燥(110℃、2
分間)して、厚み3μmの保護層を形成した。
【0075】また、誘電体層形成用のインキ組成物とし
て下記組成のインキ組成物を調製した。
【0076】 誘電体層用インキ組成物 ・ポリn−ブチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチル メタクリレート共重合体(8/2(モル比)) … 15重量部 (分子量=300,000) ・アジピン酸エステル系の転写性付与剤 … 10重量部 (旭電化工業(株)製アデカカイザーRS107) ・ガラスフリット … 70重量部 (主成分:Bi23 ,ZnO,B23 (無アルカリ) 平均粒径=3μm) ・エチレングリコールモノメチルエーテル … 50重量部 次に、この誘電体層用のインキ組成物を上記のようの形
成した保護層上にリバースコーティング法により塗布し
乾燥(100℃、2分間)して、厚み30μmの転写層
を形成した。これにより、図1に示されるような層構成
の誘電体形成用の転写シート(試料2)を得た。
【0077】また、比較として、保護層を形成しない他
は、上記の試料2と同様にして、誘電体形成用の転写シ
ート(比較試料2)を形成した。
【0078】次に、旭化成工業(株)製ラミネータAL
−700を用いて、70℃に加熱した電極付きガラス基
板上に120℃の熱ロールで上記の転写シートの転写層
を圧着した。次いで、室温まで冷却した後、ベースフィ
ルムを剥離した。これにより、試料2の転写シートを用
いた場合は、転写層および保護層がガラス基板に転写さ
れ、比較試料2の転写シートを用いた場合は、転写層が
ガラス基板に転写された。
【0079】また、これらのガラス基板に繊維状のゴミ
を強制的に付着させ、その後、エアーブローによりゴミ
除去処理を行った。この段階での保護層あるいは転写層
の表面状態を観察し、結果を下記表2示した。
【0080】次に、上記の各ガラス基板を570℃で焼
成して、誘電体層を形成した。このように形成された誘
電体層の表面状態を観察して、結果を下記表2に示し
た。
【0081】
【表2】 表2に示されるように、本発明の転写シート(試料2)
を用いた場合、転写工程後にゴミ付着が生じても、エア
ーブローによりゴミの除去が可能であり、形成された誘
電体層の表面状態は良好なものであった。
【0082】これに対して、保護層を備えていない転写
シート(比較試料2)を用いた場合、転写工程後に付着
したゴミの除去が困難であり、また、形成された誘電体
層は付着したゴミによる欠陥がみられ、表面状態が悪い
ものであった。
【0083】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば焼
成除去可能な有機成分からなる保護層をベースフィルム
上に剥離可能に設け、この保護層上に転写層を設けて転
写シートとし、転写層は少なくともガラスフリットを含
む無機成分、焼成除去可能な有機成分を含有したものと
するので、転写シートの転写層を被転写体に圧着し、ベ
ースフィルムを剥離することにより、転写層とともに保
護層も被転写体に転写され、転写層上に位置する保護層
は、粘着性が極めて低いので、転写工程後の焼成工程や
パターニング工程までの間に転写層に直接ゴミが付着す
ることを防止し、また、保護層上に付着したゴミはエア
ーブロー等により容易に取り除くことができ、ゴミ付着
による欠陥発生を防止するとともに、保護層自体は、転
写層の有機成分とともに焼成により除去されるので、転
写層が含有する無機成分に応じて、電極パターン、誘電
体層、障壁パターン等を、層厚精度高く良好な表面状態
で確実に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写シートの一実施形態を示す概略断
面図である。
【図2】本発明の転写シートの他の実施形態を示す概略
断面図である。
【図3】プラズマディスプレイパネルの一例を示す概略
構成図である。
【図4】本発明の転写シートを用いた電極パターン形成
の一例を説明するための工程図である。
【図5】本発明の転写シートを用いた誘電体層形成の一
例を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1,11…転写シート 2,12…ベースフィルム 3,13…保護層 4,14…転写層 15…保護フィルム 21…プラズマディスプレイパネル 31…前面板 41…背面板 44…アドレス電極 45…誘電体層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルムと、該ベースフィルム上
    に剥離可能に設けられた焼成除去可能な有機成分からな
    る保護層と、該保護層上に形成された転写層とを備え、
    前記転写層は少なくともガラスフリットを含む無機成
    分、焼成除去可能な有機成分を含有するものであること
    を特徴とした転写シート。
  2. 【請求項2】 前記転写層は、無機成分として導電性粉
    末を含有することを特徴とする請求項1に記載の転写シ
    ート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005216859A (ja) * 2004-01-27 2005-08-11 Lg Electron Inc プラズマディスプレイパネルのグリーンシート焼成装置及び焼成方法
JP2006299130A (ja) * 2005-04-21 2006-11-02 Sekisui Chem Co Ltd 無機粉末含有熱分解性感圧接着シート

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