JP2000021227A - 車両用前照灯 - Google Patents

車両用前照灯

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JP2000021227A JP10235609A JP23560998A JP2000021227A JP 2000021227 A JP2000021227 A JP 2000021227A JP 10235609 A JP10235609 A JP 10235609A JP 23560998 A JP23560998 A JP 23560998A JP 2000021227 A JP2000021227 A JP 2000021227A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の移動フードにより配光を切換える車両
用前照灯においては、すれ違い配光に水平の光を追加し
走行配光とするものであり、近距離を照射する光により
視感度が低下し走行配光時の視認性が低下する問題点を
生じていた。 【解決手段】 本発明により、移動フード４がすれ違い
位置Ｑにあるときにはすれ違い用反射部５ａに光源光を
与え且つ走行用反射部５ｂを光源光から遮蔽し、移動フ
ードが走行位置Ｐにあるときには走行用反射部５ｂに光
源光を与え且つすれ違い用反射部５ａの一部５ｃを光源
光から遮蔽する構成とした車両用前照灯１としたこと
で、すれ違い配光としたときには必要ではあるが、走行
配光としたときには視認性を損なうものとなる、車両か
ら近い距離の路面を照射する光を生じる反射鏡の部分５
ｃを、移動フード４の移動により必要とされるときには
光源光を達しさせ、不要なときには光源光を遮蔽するも
のとして課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用の前照灯に関
するものであり、詳細には光源に固定フードと移動フー
ドとを設けることで反射鏡に達する光源光を制御し、一
つの光源ですれ違い配光と走行配光との切換えを可能と
する前照灯の構成に係るものである。
【０００２】
【従来の技術】従来のこの種の前照灯９０の構成の例を
示すものが図７であり、この前照灯９０の反射鏡９２は
大部分が光源９１よりも照射方向に対して後方に焦点ｆ
１を有する回転放物面としたすれ違い用反射部９２ａと
して形成され、この前照灯９０を車両に取付けた状態に
おける上端部分に光源９１に焦点ｆ２を有する走行用反
射部９２ｂが設けられている。
【０００３】また、光源９１には固定フード９３と移動
フード９４とが設けられ、前記固定フード９３は反射鏡
９２の不要な反射光を生じる部分と、光源９１から照射
方向に放射される直射光とを覆うものとされている。前
記移動フード９４は、ソレノイドなど駆動装置９５によ
により走行位置Ｐとすれ違い位置Ｑとに移動を可能とさ
れ、すれ違い位置Ｑとされたときには前記走行用反射部
９２ｂを光源光から覆うものとされ、これにより、下向
き光となるすれ違い用反射部９２ａからの反射光で配光
特性が形成され、すれ違い配光Ｓ（図２を参照）が得ら
れるものとなる。
【０００４】また、移動フード９４を走行位置Ｐとする
ときには、この移動フード９４は図７中に破線で示すよ
うに固定フード９３と重なり合う位置に移動し、この移
動により前記走行用反射部９２ｂにも光源光が達するも
のとなる。よって、走行用反射部９２ｂからの水平方向
正面へ向かう反射光が、前記すれ違い用反射部９２ａか
らの下向き光（すれ違い配光Ｓ）に加わり車両の正面遠
方を照射するものとなって図８に示す走行配光Ｍが得ら
れるものとなる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来の前照灯９０における走行配光Ｍは、図８からも
明らかなように、主として下向き光で構成されているす
れ違い配光Ｓに、走行用反射部９２ｂからの水平方向の
光Ｍ２を加えることで形成しているものであるので、車
両前方の比較的に近い範囲を明るく照射するすれ違い配
光Ｓの特性は依然として保つものとなる。
【０００６】所が、上記のようにすれ違い配光Ｓの特性
が残余していると、運転者の瞳孔は上記の比較的に近い
範囲の明るい部分に感応し絞り込まれ、視感度が低下す
るものとなって、前記移動フード９４の移動により水平
方向正面へ向かう光を加算したにも係わらず、それ程に
遠方に対する視認性が向上しないという問題点を生じる
ものとなり、この点の解決が課題とされるものとなって
いる。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した従来の
課題を解決するための具体的な手段として、固定フード
と移動フードとが設けられ、前記移動フードをすれ違い
位置と走行位置とに移動することですれ違い配光と走行
配光とに切換えて成る車両用前照灯において、前記移動
フードが前記すれ違い位置にあるときには反射鏡に設け
られたすれ違い用反射部に光源光を与え且つ走行用反射
部を光源光から遮蔽し、前記移動フードが前記走行位置
にあるときには反射鏡に設けられた走行用反射部に光源
光を与え且つすれ違い用反射部の一部を光源光から遮蔽
する構成とされていることを特徴とする車両用前照灯を
提供することで課題を解決するものである。
【０００８】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を図に示す実施形
態に基づいて詳細に説明する。図１に符号１で示すもの
は本発明に係る車両用前照灯であり、この車両用前照灯
１は１つの光源２に対し固定フード３と移動フード４と
が設けられ、この移動フード４をすれ違い位置Ｑ（図１
参照）と走行位置Ｐ（図４を参照）とに移動させること
で、反射鏡５に達する光の一部を制御し、すれ違い配光
Ｓと走行配光Ｍとを得るものである点は従来例のものと
同様ある。
【０００９】また、本発明においても前記反射鏡５の大
部分は焦点ｆ１を光源２の位置よりも照射方向に対して
後方とする回転放物面などとして形成され、反射鏡５の
上半部においては下向きの反射光を生じるすれ違い用反
射部５ａとされていると共に、前記移動フード４をすれ
違い位置Ｑに設定したときには、この移動フード４によ
り覆われる部分に、焦点ｆ２を略光源２の位置とする走
行用反射部５ｂが形成されているものである点も同様で
ある。
【００１０】ここで、本発明はすれ違い配光Ｓと走行配
光Ｍとのそれぞれに最適の形状を与えることを目的とす
るものであり、先ず、すれ違い配光Ｓについて説明を行
うと、図２に示すように、例えばこの車両用前照灯１が
左側通行用である場合には道路標識などを読取る必要の
ある左路側帯方向を除いては一切に上向光を生じないも
のとされ、対向車に対する眩惑の発生を防止するものと
している。
【００１１】加えて、車両に比較的に近い前方の路面の
確認を容易とするために、車両に比較的に近い前方の路
面への光、即ち、下向の度合いの比較的に強い光を含む
ものとされている。尚、上記すれ違い配光Ｓの形状およ
び照度分布などは関係規格などで規定されているもので
あるので、従来例として説明した前照灯においても、こ
の本発明の前照灯においても、本質的に変わることはな
いものである。
【００１２】図３は上記すれ違い配光Ｓを形成するとき
の手法を説明するものであり、反射鏡５の焦点ｆ１を光
源２よりも後方に位置させることで、反射鏡５の上半部
から生じる反射光は、中心では水平方向を照射し、反射
鏡５の上方に行くに従い下向きの度合いを高めるものと
なる。
【００１３】即ち、焦点ｆ１を光源２よりも後方に設置
したすれ違い用反射部５ａにおいては、すれ違い用反射
部５ａの上方からの反射光が車両に近い路面を照射する
ものとなり、この近い路面に対する照射光を残したまま
で走行配光Ｍへ切換えを行うと、近い路面であるだけに
運転者の目には低い照度であっても明るく感じられ瞳孔
が絞り込まれて視感度を低下させ、遠方に対する視認性
を低下させるものとなることが判明した。
【００１４】上記検討の結果に鑑みて、本発明では図４
に示すように移動フード４をすれ違い位置Ｑから走行位
置Ｐに移動させるときには、この移動フード４により覆
われていた走行用反射部５ｂに光源光が達するようにす
ると共に、上記した最も下向きの光を生じる部分となる
すれ違い用反射部５ａの上端部分５ｃを覆うようにする
ものである。尚、前記移動フード４のすれ違い位置Ｑか
ら走行位置Ｐへの移動、またはその逆方向への移動にお
いては従来例と同様な方法で行えば良いものである。
【００１５】このようにすることで、本発明の車両用前
照灯１の走行配光Ｍは、図５に示すようにすれ違い用反
射部５ａの上端部分５ｃを除く部分からの反射光Ｍ１
と、走行用反射部５ｂからの反射光Ｍ２とが加えられた
ものとなり、このときに、すれ違い用反射部５ａからの
反射光Ｍ１は上端部分５ｃが除かれたことで、すれ違い
配光Ｓ中から、下向きの度合いの強い反射光で形成され
ていた部分がなくなり、これにより車両の直前の路面を
照射して運転者の視感度を低下させることをなくし、走
行用反射部５ｂによる遠方視界を損なうことがなくなる
のである。
【００１６】図６は本発明の別な実施形態を示すもので
あり、この種の車両用前照灯１においては、上記の走行
配光Ｍとすれ違い配光Ｓとの切換えと共に、先行車に追
越しを行いたいなど自車の意思を伝えるために、すれ違
い配光Ｓから瞬時だけ走行配光Ｍに切換える、いわゆる
パッシング機能も要求されるものとなる。
【００１７】ここで、本発明の車両用前照灯１において
は、走行配光Ｍとすれ違い配光Ｓとの切換えを行う際に
は光源２の切換えを行うことなく、移動フード４の移動
で行うものであり、且つ、その駆動はソレノイド６など
迅速な動作が可能なもので行われているのが通常である
ので、上記のパッシング機能にも充分に対応可能であ
る。
【００１８】本発明では、上記パッシング機能に対応す
るために前記移動フード４を主副切換スイッチチＢＳと
共にパッシングスイッチＰＳにも接続するものであり、
具体的には移動フード４を駆動するためのソレノイド６
を主副切換スイッチチＢＳとパッシングスイッチＰＳと
に接続することで行われている。
【００１９】また、前記パッシング機能は昼間時の追越
し時にも使用されるので、この実施形態では前記パッシ
ングスイッチＰＳは点灯スイッチＬＳとも並列に接続さ
れ、昼間時の光源２が非点灯の状況では前記移動フード
４の走行位置Ｐへの移動を行われせると共に光源２にも
電源を供給し点灯を行わせるものとしている。
【００２０】尚、図中に符号Ｄで示すものは点灯スイッ
チＬＳが投入されているときにソレノイド６への電源の
回り込みを生じるのを防止するダイオードであり、図中
に符号Ｔで示すものはパッシングスイッチＰＳが押され
たときに移動フード４に所定時間だけ走行位置Ｐを維持
させるタイマーであり、何れも必要に応じて設ければ良
いものである。
【００２１】
【発明の効果】以上に説明したように本発明により、移
動フードがすれ違い位置にあるときには反射鏡に設けら
れたすれ違い用反射部に光源光を与え且つ走行用反射部
を光源光から遮蔽し、移動フードが走行位置にあるとき
には反射鏡に設けられた走行用反射部に光源光を与え且
つすれ違い用反射部の一部を光源光から遮蔽する構成と
した車両用前照灯としたことで、すれ違い配光としたと
きには近距離の確認のために必要ではあるが、走行配光
としたときには運転者の視感度を低下させ遠方に対する
視認性を損なうものとなる、車両から近い距離の路面を
照射する光を生じる反射鏡の部分を、前記移動フードの
移動により必要とされるときには光源光を達しさせ、不
要なときには光源光を遮蔽するものとして、すれ違い配
光と走行配光のそれぞれに理想的な形状を与えられるも
のとして、この種の車両用前照灯の性能向上に極めて優
れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る車両用前照灯の実施形態をすれ
違い配光を形成するときの状態で示す断面図である。
【図２】 同じ実施形態の車両用前照灯によるすれ違い
配光を示す説明図である。
【図３】 すれ違い配光を形成するときの反射鏡におけ
る反射光の配布状態を示す説明図である。
【図４】 同じ実施形態の車両用前照灯の実施形態を走
行配光を形成するときの状態で示す断面図である。
【図５】 同じ実施形態の走行配光を示す説明図であ
る。
【図６】 同じく本発明に係る車両用前照灯の別の実施
形態を示す略示的な配線図である。
【図７】 従来例を示す断面図である。
【図８】 従来例の走行配光を示す説明図である。
【符号の説明】 １……車両用前照灯 ２……光源 ３……固定フード ４……移動フード ５……反射鏡 ５ａ……すれ違い用反射部 ５ｂ……走行用反射部 ５ｃ……すれ違い用反射部の上端部分 Ｐ……走行位置 Ｑ……すれ違い位置 Ｓ……すれ違い配光 Ｍ……走行配光 ＰＳ……パッシングスイッチ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 固定フードと移動フードとが設けられ、
    前記移動フードをすれ違い位置と走行位置とに移動する
    ことですれ違い配光と走行配光とに切換えて成る車両用
    前照灯において、前記移動フードが前記すれ違い位置に
    あるときには反射鏡に設けられたすれ違い用反射部に光
    源光を与え且つ走行用反射部を光源光から遮蔽し、前記
    移動フードが前記走行位置にあるときには反射鏡に設け
    られた走行用反射部に光源光を与え且つすれ違い用反射
    部の一部を光源光から遮蔽する構成とされていることを
    特徴とする車両用前照灯。
  2. 【請求項２】 前記移動フードはパッシングスイッチの
    投入によってもすれ違い位置から走行位置への移動を行
    うものとされていることを特徴とする請求項１記載の車
    両用前照灯。
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