JP2000020974A - 光ディスク装置 - Google Patents

光ディスク装置

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JP2000020974A
JP2000020974A JP10199732A JP19973298A JP2000020974A JP 2000020974 A JP2000020974 A JP 2000020974A JP 10199732 A JP10199732 A JP 10199732A JP 19973298 A JP19973298 A JP 19973298A JP 2000020974 A JP2000020974 A JP 2000020974A
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知則 三井
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真 小川
Mamoru Takebayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】対物レンズの移動に対する光学ヘッド本体の追
従性を向上することができる光ディスク装置を提供す
る。 【解決手段】光ディスク装置1は、光ディスク2を装着
して回転させる回転駆動機構と、光学ヘッド3と、光学
ヘッド3を径方向に移動させるスレッドモータ7を備え
た光学ヘッド移動機構と、パルス発生回路91を内蔵す
る制御手段9と、トラッキングエラー信号生成回路21
と、トラッキングサーボ回路22と、スレッドサーボ回
路23と、比較器24とを有する。トラッキングサーボ
回路22では、トラッキングエラー信号からトラッキン
グサーボ信号が生成され、トラッキングサーボ回路22
では、前記トラッキングサーボ信号からスレッドサーボ
信号が生成され、比較器24で2値化される。制御手段
9は、比較器24からの信号のレベルがLからHに変化
すると、スレッドモータ7を駆動するパルス信号を生成
し、出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】CD、CD−ROM等の再生専用の光デ
ィスクや、CD−R、CD−RW等の記録・再生が可能
な光ディスクを再生、または記録・再生する光ディスク
装置が知られている。
【0003】図5は、従来の光ディスク装置を示すブロ
ック図、図6は、従来の光ディスク装置のスレッドサー
ボ信号(電圧)のタイミングチャートである。
【0004】図5に示すように、従来の光ディスク装置
210は、光ディスクを装着して回転させる図示しない
回転駆動機構と、前記装着された光ディスクに対し、そ
の径方向に移動し得る光学ヘッド(光ピックアップ)2
30と、この光学ヘッド230を径方向に移動させるス
レッドモータ270およびドライバ271を備えた光学
ヘッド移動機構と、スレッドサーボ回路260と、後述
するトラッキングアクチュエータ241を駆動するドラ
イバ242と、トラッキングエラー信号生成回路220
と、トラッキングサーボ回路250とを有している。
【0005】光学ヘッド230は、図示しないレーザダ
イオードおよび分割フォトダイオードを備えた光学ヘッ
ド本体(光ピックアップベース)と、この光学ヘッド本
体に光ディスクの径方向および回転軸方向のそれぞれに
移動し得るようにサスペンジョンバネで支持されている
図示しない対物レンズと、この対物レンズを回転軸方向
(レンズの光軸方向)に移動させるトラッキングアクチ
ュエータ241と、前記対物レンズを径方向に移動させ
る図示しないフォーカスアクチュエータとで構成されて
いる。
【0006】このような光ディスク装置210では、光
学ヘッド230を光ディスクの所定のトラック(目的ア
ドレス)上に移動し、このトラックにおいて、フォーカ
ス制御やトラッキング制御等を行いつつ、情報(デー
タ)の記録または再生(読み出し)を行う。
【0007】例えば、再生時には、トラッキング制御に
よりトラッキングアクチュエータ241を駆動して対物
レンズを目的とするトラックに追従させるが、トラッキ
ングアクチュエータ241の駆動によるオントラックの
限界をカバーすべく、スレッドモータ270を駆動して
光学ヘッド本体を移動し、対物レンズが中立位置(中
央)に戻るように制御している。
【0008】すなわち、再生時には、トラッキングエラ
ー信号生成回路220では、光学ヘッド230からの信
号に基づいて、トラックの中心からの径方向における対
物レンズのずれの大きさおよびその方向(トラックの中
心からのずれ量)を示すトラッキングエラー信号(電
圧)が生成される。このトラッキングエラー信号は、ト
ラッキングサーボ回路250に入力される。
【0009】トラッキングサーボ回路250では、トラ
ッキングエラー信号に基づいて、対物レンズをトラック
の中心に戻すためのトラッキングサーボ信号(電圧)が
生成される。このトラッキングサーボ信号は、ドライバ
242を介してトラッキングアクチュエータ241に入
力されるとともに、スレッドサーボ回路260にも入力
される。
【0010】前記トラッキングサーボ信号により、ドラ
イバ242を介してトラッキングアクチュエータ241
が駆動され、対物レンズが目的とするトラックに追従す
る。
【0011】また、スレッドサーボ回路260では、ト
ラッキングサーボ信号に基づいて、スレッドサーボ信号
(電圧)が生成される。このスレッドサーボ電圧は、対
物レンズの中立位置からのずれ量に対応した電圧(トラ
ッキングアクチュエータ241へ印加する駆動電圧に相
当する電圧)であり、ドライバ271を介してスレッド
モータ270に入力される。
【0012】前記スレッドサーボ信号により、ドライバ
271を介してスレッドモータ270が駆動され、これ
により、光学ヘッド本体が移動し、対物レンズが中立位
置に戻る。
【0013】この場合、図6に示すように、スレッドサ
ーボ信号(電圧)は、ドライバ271を介してスレッド
モータ270に連続的に入力(印加)される。そして、
前記スレッドサーボ電圧が、スレッドモータ270が作
動する電圧(起動電圧)に達するまでは、スレッドモー
タ270は停止しており、起動電圧に達すると、スレッ
ドモータ270が作動し、光学ヘッド本体が移動する。
これにより、対物レンズが中立位置に接近し、スレッド
サーボ電圧が減少していく。
【0014】しかしながら、前記従来の光ディスク装置
210では、機構の負荷の変動等により、スレッドモー
タ270の駆動量、すなわち、光学ヘッド本体の移動量
にバラツキが生じ、対物レンズが中立位置に戻らない場
合がある(光学ヘッド本体の追従性が悪い)。
【0015】例えば、図6に示すように、機構の負荷が
変動すると、スレッドモータ270の起動電圧が、V1
からV2 、V2 からV3 へと変動し、この起動電圧の変
動や前記機構の負荷の変動により、対物レンズが中立位
置から遠く離れた位置に位置してしまう(スレッドサー
ボ電圧が0に収束しない)。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、対物
レンズの移動に対する光学ヘッド本体の追従性を向上す
ることができる光ディスク装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(10)の本発明により達成される。
【0018】(1) 光ディスクを装着して回転させる
回転駆動機構と、対物レンズと、光学ヘッド本体と、前
記対物レンズを前記光学ヘッド本体に対し前記光ディス
クの径方向に移動させるアクチュエータとを備え、前記
光ディスクの径方向に移動可能に設置された光学ヘッド
と、スレッドモータを備え、該スレッドモータの駆動に
より前記光学ヘッドを前記光ディスクの径方向に移動さ
せる光学ヘッド移動機構とを有し、前記光ディスクに対
し記録および/または再生を行う光ディスク装置であっ
て、前記対物レンズの前記光学ヘッド本体上に設定され
た基準位置に対するずれ量を検出するずれ量検出手段を
有し、前記ずれ量検出手段により検出された前記ずれ量
がしきい値に達したとき、前記スレッドモータに対し、
所定パターンのパルス電圧を印加して、前記スレッドモ
ータを駆動するよう構成されていることを特徴とする光
ディスク装置。
【0019】(2) 前記しきい値は、前記アクチュエ
ータの前記基準位置からの移動限界値より小さい上記
(1)に記載の光ディスク装置。
【0020】(3) 前記所定パターンのパルス電圧
は、極性の異なる第1のパルス電圧と第2のパルス電圧
とで構成されている上記(1)または(2)に記載の光
ディスク装置。
【0021】(4) 前記第1のパルス電圧の印加と、
前記第2のパルス電圧の印加とが、連続的になされるよ
う構成されている上記(3)に記載の光ディスク装置。
【0022】(5) 前記第2のパルス電圧の絶対値
が、前記第1のパルス電圧の絶対値未満である上記
(3)または(4)に記載の光ディスク装置。
【0023】(6) 前記第1のパルス電圧の絶対値
は、前記スレッドモータが作動する電圧の絶対値より十
分に大きい上記(3)ないし(5)のいずれかに記載の
光ディスク装置。
【0024】(7) 前記ずれ量検出手段は、前記アク
チュエータの駆動電圧またはそれに対応する電圧に基づ
いて前記ずれ量を検出する上記(1)ないし(6)のい
ずれかに記載の光ディスク装置。
【0025】(8) 前記アクチュエータの駆動電圧ま
たはそれに対応する電圧が基準電圧値に達したとき、前
記ずれ量が前記しきい値に達したとするよう構成されて
いる上記(7)に記載の光ディスク装置。
【0026】(9) 前記アクチュエータを駆動して前
記対物レンズを前記光ディスクの所定のトラックに追従
させる際、前記スレッドモータの駆動により、前記光学
ヘッド本体を移動し、これにより前記対物レンズが前記
基準位置に戻るよう構成されている上記(1)ないし
(8)のいずれかに記載の光ディスク装置。
【0027】(10) 前記スレッドモータは、直流モー
タである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の光
ディスク装置。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光ディスク装置を
添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0029】図1は、本発明の光ディスク装置の実施例
(主要部)を示すブロック図、図2は、本発明の光ディ
スク装置の実施例(ケーシングを取り除いた状態)を示
す平面図である。
【0030】これらの図に示す光ディスク装置1は、光
ディスク(CD−ROM)2を再生するCD−ROMド
ライブ装置である。
【0031】光ディスク2には、螺旋状のトラックが形
成されている。光ディスク装置1は、光ディスク2を装
着して回転させる回転駆動機構を有している。この回転
駆動機構は、主に、ターンテーブル回転用のスピンドル
モータ11と、スピンドルモータ11の回転軸12に固
定され、光ディスク2が装着されるターンテーブル13
と、スピンドルモータ11を駆動する図示しないドライ
バとで構成されている。
【0032】また、光ディスク装置1は、前記装着され
た光ディスク2(ターンテーブル13)に対し、光ディ
スク2の径方向(ターンテーブル13の径方向)、すな
わち、図2中の矢印A方向に移動し得る光学ヘッド(光
ピックアップ)3と、この光学ヘッド3を前記径方向に
移動させる光学ヘッド移動機構と、制御手段9と、トラ
ッキングエラー信号生成回路21と、トラッキングサー
ボ回路22と、スレッドサーボ回路23と、比較器24
と、これらを収納する図示しないケーシングとを有して
いる。以下、前記光ディスク2の径方向を単に「径方
向」と言う。
【0033】光学ヘッド3は、レーザダイオード(光
源)5および分割フォトダイオード(受光部)6を備え
た光学ヘッド本体(光ピックアップベース)31と、対
物レンズ(集光レンズ)32と、アクチュエータ4とを
備えている。
【0034】対物レンズ32は、光学ヘッド本体31に
設けられた図示しないサスペンジョンバネ(付勢手段)
で支持され、光学ヘッド本体31に対し、径方向および
光ディスク2(ターンテーブル13)の回転軸方向(対
物レンズ32の光軸方向)のそれぞれに移動し得るよう
になっている。対物レンズ32がその中立位置(中点)
からずれると、その対物レンズ32は、前記サスペンジ
ョンバネの弾性力(復元力)によって中立位置に向って
付勢される。以下、前記光ディスク2の回転軸方向を単
に「回転軸方向」と言う。
【0035】アクチュエータ4は、光学ヘッド本体31
に対し、対物レンズ32をその光軸方向(回転軸方向)
に移動させる図示しないフォーカスアクチュエータと、
対物レンズ32を光学ヘッド本体31上に設定された基
準位置を中心に径方向(光ディスク2の内周側と外周
側)に移動させるトラッキングアクチュエータ41とで
構成されている。
【0036】この光ディスク装置1では、前記基準位置
と前記中立位置とが一致するように、トラッキングアク
チュエータ41、サスペンジョンバネの位置等の諸条件
が設定されている。
【0037】対物レンズ32の径方向の移動を例にとる
と、トラッキングアクチュエータ41に電圧が印加され
ていないときには、対物レンズ32は、前記サスペンジ
ョンバネの弾性力によって基準位置に位置している。
【0038】そして、トラッキングアクチュエータ41
にドライバ42を介して所定の電圧が印加されると、そ
の電圧値(正/負および大きさ)に応じ、トラッキング
アクチュエータ41が駆動して対物レンズ32が径方向
に移動する。すなわち、前記電圧値(正/負および大き
さ)に応じて、対物レンズ32が、基準位置から径方向
(光ディスク2の内周側または外周側)に所定量ずれ
る。
【0039】また、光学ヘッド本体31には、後述する
ガイドシャフト16に沿って摺動する3つの支持部(ス
ライダ)311が形成されている。
【0040】光学ヘッド移動機構は、主に、スレッドモ
ータ(フィードモータ)7と、スレッドモータ7を駆動
するドライバ71と、スレッドモータ7の回転軸8に固
定されたリードスクリュー(ウォームギヤ)81と、減
速ギヤ14と、ラックギヤ15と、光学ヘッド3を案内
する一対のガイドシャフト16、16と、前述した3つ
の支持部(スライダ)311とで構成されている。
【0041】前記減速ギヤ14は、前記リードスクリュ
ー81と噛合するウォームホイール141と、このウォ
ームホイール141に同心的に固定され、ウォームホイ
ール141より小径のピニオンギヤ142とで構成され
ている。
【0042】また、前記ラックギヤ15は、前記ピニオ
ンギヤ142に噛合し、光学ヘッド本体31に固定され
ている。
【0043】前述したように、前記光学ヘッド3は、前
記一対のガイドシャフト16、16に対し、支持部31
1により移動可能に支持されている。
【0044】後述する駆動制御によりスレッドモータ7
が駆動し、その回転軸8およびリードスクリュー81が
所定方向に回転すると、ウォームホイール141および
ピニオンギヤ142が所定方向に回転し、ラックギヤ1
5とピニオンギヤ142とにより、前記ピニオンギヤ1
42の回転運動が光学ヘッド3の直線運動に変換され、
光学ヘッド3は、ガイドシャフト16に沿って所定方向
に移動する。
【0045】また、スレッドモータ7の回転軸8および
リードスクリュー81が前記と逆方向に回転すると、光
学ヘッド3は、ガイドシャフト16に沿って前記と逆方
向に移動する。前記スレッドモータ7としては、直流モ
ータを用いるのが好ましい。
【0046】制御手段9は、通常、マイクロコンピュー
タ(CPU)で構成され、光学ヘッド3(アクチュエー
タ4、レーザダイオード5等)、スレッドモータ7、ス
ピンドルモータ11、トラッキングサーボ回路22、ス
レッドサーボ回路23等、光ディスク装置1全体の制御
を行う。
【0047】この制御手段9は、パルス発生回路(パル
ス電圧生成手段)91を内蔵している。
【0048】この制御手段9と、前記比較器24とで、
対物レンズ32の光学ヘッド本体31上に設定された基
準位置に対するずれ量を検出するずれ量検出手段が構成
される。
【0049】なお、光ディスク装置1には、図示しない
インターフェース制御部を介して外部装置(例えば、コ
ンピュータ)が着脱自在に接続され、光ディスク装置1
と外部装置との間で通信を行うことができる。
【0050】次に、光ディスク装置1の作用について説
明する。光ディスク装置1は、光学ヘッド3を目的トラ
ック(目的アドレス)に移動し、この目的トラックにお
いて、フォーカス制御、トラッキング制御、スレッド制
御および回転数制御(回転速度制御)等を行いつつ、光
ディスク2からの情報(データ)の読み出し(再生)等
を行う。
【0051】再生の際は、レーザ光51が、光学ヘッド
3のレーザダイオード5から光ディスク2の所定のトラ
ックに照射される。このレーザ光は、光ディスク2の記
録面で反射し、その反射光は、光学ヘッド3の分割フォ
トダイオード6で受光される。
【0052】この分割フォトダイオード6からは、受光
量に応じた電流が出力され、この電流は、図示しないI
−Vアンプ(電流−電圧変換部)で、電圧に変換され、
光学ヘッド3から出力される。
【0053】そして、この光学ヘッド3から出力された
電圧(検出信号)の加算や増幅等を行うことにより、H
F(RF)信号が生成される。このHF信号は、光ディ
スク2に書き込まれているピットとランドに対応するア
ナログ信号である。
【0054】このHF信号は、2値化され、EFM(Ei
ght to Fourteen Modulation)復調され、所定形式のデ
ータ(DATA信号)にデコード(変換)される。
【0055】そして、このデータは、通信(送信)用の
所定形式のデータにデコードされ、図示しないインター
フェース制御部を介して、外部装置(例えば、コンピュ
ータ)に送信される。
【0056】以上のような再生動作におけるトラッキン
グ制御およびスレッド制御は、次のようにして行われ
る。
【0057】光学ヘッド3の分割フォトダイオード6か
らの電流−電圧変換後の信号(電圧)は、トラッキング
エラー信号生成回路21に入力される。このトラッキン
グエラー信号生成回路21は、この分割フォトダイオー
ド6からの電流−電圧変換後の信号に基づいて、トラッ
キングエラー信号(TE)(電圧)を生成する。
【0058】トラッキングエラー信号は、トラックの中
心からの光ディスク2の径方向における対物レンズ32
のずれの大きさおよびその方向(トラックの中心からの
ずれ量)を示す信号である。
【0059】トラッキングエラー信号(TE)は、トラ
ッキングサーボ回路22に入力される。
【0060】トラッキングサーボ回路22では、トラッ
キングエラー信号に対し、位相の反転や増幅等の所定の
信号処理が行われ、これによりトラッキングサーボ信号
(TS)(電圧)が生成される。
【0061】このトラッキングサーボ信号は、対物レン
ズ32がトラックの中心に移動するように(トラッキン
グエラー信号のレベルが0レベルとなるように)トラッ
キングアクチュエータ41を駆動させるための信号(ト
ラッキングアクチュエータの駆動電圧)である。
【0062】また、このトラッキングサーボ信号のレベ
ル、すなわち、電圧値は、基準位置からの径方向におけ
る対物レンズ32のずれの大きさおよびその方向(対物
レンズ32の基準位置に対するずれ量)に対応してい
る。
【0063】トラッキングサーボ信号(TS)は、ドラ
イバ42を介してトラッキングアクチュエータ41に入
力されるとともに、スレッドサーボ回路23にも入力さ
れる。
【0064】トラッキングアクチュエータ41は、トラ
ッキングサーボ信号に基づいて駆動し、このトラッキン
グアクチュエータ41の駆動により、対物レンズ32
は、トラックの中心に向って移動する。すなわちトラッ
キングサーボがかかる。
【0065】このトラッキングアクチュエータ41の駆
動のみでは、対物レンズ32をトラックに追従させるこ
とに限界があり、これをカバーすべく、スレッドモータ
7を駆動して光学ヘッド本体31を前記対物レンズ32
が移動した方向と同方向に移動し、対物レンズ32を基
準位置に戻すように制御する(スレッド制御を行う)。
【0066】スレッドサーボ回路23では、トラッキン
グサーボ回路22から入力されたトラッキングサーボ信
号に対し、高周波成分の除去や増幅等の所定の信号処理
が行われ、これによりスレッドサーボ信号(SS)(ト
ラッキングアクチュエータの駆動電圧に対応する電圧)
が生成される。
【0067】このスレッドサーボ信号のレベル、すなわ
ち、電圧値は、基準位置からの径方向における対物レン
ズ32のずれの大きさおよびその方向(対物レンズ32
の基準位置に対するずれ量)に対応している。
【0068】スレッドサーボ信号(SS)は、比較器
(コンパレータ)24に入力され、比較器24で2値化
される。この2値化信号(電圧)は、比較器24から出
力され、制御手段9に入力される。
【0069】図3は、スレッドサーボ信号(電圧)、比
較器24からの信号(電圧)およびパルス発生回路91
からの信号(電圧)のタイミングチャートである。
【0070】図3(a)および(b)に示すように、比
較器24からの信号のレベルは、スレッドサーボ信号の
レベル(電圧値)がスレショルドレベル(基準電圧値)
以上の場合には、ハイレベル(H)になり、スレッドサ
ーボ信号のレベル(電圧値)がスレショルドレベル(基
準電圧値)未満の場合には、ローレベル(L)になる。
【0071】この比較器24のスレショルドレベル(基
準電圧値)は、対物レンズ32の基準位置に対するずれ
量がしきい値に達したとき、スレッドサーボ信号のレベ
ル(電圧値)とスレショルドレベル(基準電圧値)とが
一致するように、予め設定されている。
【0072】また、前記しきい値は、前記トラッキング
アクチュエータ41の基準位置からの移動限界値より小
さい。
【0073】この場合、比較器24のスレショルドレベ
ル(基準電圧値)は、対物レンズ32の基準位置に対す
るずれ量が前記移動限界値のときのスレッドサーボ信号
のレベル(電圧値)の90%以下が好ましく、60〜7
0%程度がより好ましい。
【0074】スレショルドレベルが前記上限以下の場合
には、スレッド制御をより確実に行うことができる。
【0075】この光ディスク装置1では、比較器24か
らの信号のレベルがローレベル(L)からハイレベル
(H)になったとき、対物レンズ32の基準位置に対す
るずれ量がしきい値に達したものとされる。
【0076】すなわち、図3(c)に示すように、制御
手段9は、比較器24からの信号のレベルがローレベル
(L)からハイレベル(H)になったとき、パルス発生
回路91により所定パターンのパルス信号(パルス電
圧)を生成し、出力する。
【0077】このパルス発生回路91で生成されるパル
ス電圧のパターンは、そのパルス電圧に基づいてスレッ
ドモータ7が駆動された際、対物レンズ32が基準位置
に戻るように、予め設定されている。
【0078】パルス発生回路91からのパルス電圧は、
ドライバ71を介してスレッドモータ7に印加される。
【0079】スレッドモータ7は、パルス電圧に基づい
て駆動し、このスレッドモータ7の駆動により、光学ヘ
ッド本体31が対物レンズ32の移動方向と同方向に移
動して、対物レンズ32が基準位置に戻る。すなわち、
光学ヘッド本体31が対物レンズ4に追従する。
【0080】図3(c)に示すように、前記パルス電圧
は、極性の異なる第1のパルス電圧(正のパルス電圧)
51と第2のパルス電圧(負のパルス電圧)52とで構
成されている。
【0081】第1のパルス電圧51の絶対値は、スレッ
ドモータ7が光ディスク装置2に組み込まれた状態にお
いて、そのスレッドモータ7が作動する電圧(起動電
圧)の絶対値より十分に大きい。
【0082】この場合、第1のパルス電圧51の絶対値
は、前記スレッドモータ7が作動する電圧の絶対値の1
20%以上が好ましく、150〜170%程度がより好
ましい。
【0083】また、第2のパルス電圧52の絶対値は、
第1のパルス電圧51の絶対値未満である。
【0084】この場合、第2のパルス電圧52の絶対値
は、第1のパルス電圧51の絶対値の90%以下が好ま
しく、50〜70%程度がより好ましい。
【0085】なお、本実施例では、第1のパルス電圧5
1のパルス幅(印加時間)と、第2のパルス電圧52の
パルス幅(印加時間)とが同じであるが、本発明では、
これらが異なっていてもよい。
【0086】また、パルス電圧の第1のパルス電圧51
と第2のパルス電圧52とは連続している。これによ
り、スレッドモータ7への第1のパルス電圧51の印加
と、第2のパルス電圧52の印加とが、この順序で連続
的になされる。
【0087】前述したパルス電圧がドライバ71を介し
てスレッドモータ7に印加されると、第1のパルス電圧
51によりスレッドモータ7が作動し、その回転が加速
され、第2のパルス電圧52によりスレッドモータ7が
制動され(ブレーキがかかり)、対物レンズ32が基準
位置に位置するようにスレッドモータ7が停止する。
【0088】この場合、第1のパルス電圧51の絶対値
を前記スレッドモータ7が作動する電圧の絶対値より十
分に大きくし、かつ、第2のパルス電圧52によりスレ
ッドモータ7を強制的に停止させるので、機構の負荷の
変動等が生じても、その影響を軽減または防止すること
ができ、また、スレッドモータ7のハンチングやコギン
グの影響を有効に防止することができる。
【0089】これにより、安定して、かつ確実にスレッ
ド制御を行うことができ、これにより確実に再生を行う
ことができる。
【0090】次に、スレッド制御の際の制御手段9の制
御動作を説明する。図4は、スレッド制御の際の制御手
段9の制御動作を示すフローチャートである。以下、こ
のフローチャートに基づいて説明する。
【0091】同図に示すように、比較器24からの信号
(電圧)のレベルがローレベル(L)からハイレベル
(H)に変化したか否かを判断する(ステップ10
1)。
【0092】ステップ101における判断が「NO」の
場合、すなわち、比較器24からの信号のレベルがロー
レベル(L)を保持している場合と、比較器24からの
信号のレベルがハイレベル(H)を保持している場合
と、比較器24からの信号のレベルがハイレベル(H)
からローレベル(L)に変化した場合は、それぞれ、パ
ルス信号(パルス電圧)を出力せず(ステップ10
2)、ステップ101に戻り、再度、ステップ101以
降を実行する。
【0093】また、ステップ101における判断が「Y
ES」の場合、すなわち、比較器24からの信号のレベ
ルがローレベル(L)からハイレベル(H)に変化した
場合には、前述したように、パルス発生回路91により
パルス信号(パルス電圧)を生成し、そのパルス信号を
図示しないマイコンDA端子から出力する(ステップ1
03)。
【0094】前記ステップ103の後、ステップ101
に戻り、再度、ステップ101以降を実行する。
【0095】以上説明したように、この光ディスク装置
1によれば、機構の負荷の変動等が生じても、スレッド
モータ7を安定して、かつ正確に回転駆動させることが
でき、スレッド制御において精度良く光学ヘッド本体3
1を移動させることができる。
【0096】これにより、確実にトラッキング制御を行
うことができ、よって、確実に再生を行うことができ
る。
【0097】なお、光学ヘッド3(対物レンズ32)を
光ディスク2上の目的位置、すなわち、目的トラック
(目的アドレス)へ移動させたときは、スレッドサーボ
信号のレベル(電圧値)が負の値になっている場合があ
る。
【0098】このようなときでも対物レンズ32が基準
位置に戻るように光学ヘッド本体31を移動させること
ができるようにするには、例えば、前述したスレショル
ドレベル(基準電圧値)を負側にも設け、前述した所定
のタイミングで、光学ヘッド本体31の移動方向に応じ
たパターンのパルス信号(パルス電圧)を生成し、その
パルス電圧がスレッドモータ7に印加されるように構成
する。
【0099】本発明の光ディスク装置は、前述したCD
−ROMドライブ装置に限らず、この他、例えば、CD
−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RAM等の記
録・再生が可能な光ディスク(プリグルーブを有する光
ディスク)を記録・再生する各種光ディスク装置、CD
(コンパクトディスク)等の再生専用の光ディスクや、
記録・再生が可能な光ディスクを再生する各種光ディス
ク装置に適用することができる。
【0100】また、本発明の光ディスク装置は、複数種
の光ディスクを記録および/または再生する各種光ディ
スク装置に適用することもできる。
【0101】本発明では、光ディスクへの情報の記録に
際しても、前記実施例と同様にして、スレッドモータの
駆動を行うことができる。
【0102】以上、本発明の光ディスク装置を、図示の
実施例に基づいて説明したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任
意の構成のものに置換することができる。
【0103】例えば、本発明では、スレッドモータへの
パルス電圧の印加をロジック回路で行うように構成して
もよい。
【0104】また、本発明では、パルス電圧のパターン
は、前記実施例には限定されず、例えば、パルス電圧の
第1のパルス電圧51と第2のパルス電圧52とが不連
続であってもよい。
【0105】また、本発明では、第1のパルス電圧51
の絶対値と、第2のパルス電圧52の絶対値とが等し
く、第1のパルス電圧51のパルス幅(印加時間)が、
第2のパルス電圧52のパルス幅(印加時間)より大き
くてもよい(長くてもよい)。
【0106】また、本発明では、第1のパルス電圧51
の絶対値が、第2のパルス電圧52の絶対値より大き
く、第1のパルス電圧51のパルス幅(印加時間)が、
第2のパルス電圧52のパルス幅(印加時間)より大き
くてもよい(長くてもよい)。
【0107】また、本発明では、第1のパルス電圧51
のパルス数が複数、第2のパルス電圧52のパルス数が
1つでもよく、また、第1のパルス電圧51のパルス数
が1つ、第2のパルス電圧52のパルス数が複数でもよ
く、また、第1のパルス電圧51および第2のパルス電
圧52のパルス数がそれぞれ複数でもよい。
【0108】また、前記実施例では、スレッドサーボ信
号(電圧)、すなわち、トラッキングアクチュエータ4
1の駆動電圧に対応する信号に基づいて対物レンズ32
の基準位置に対するずれ量を検出するように構成されて
いるが、本発明では、例えば、トラッキングサーボ信号
(電圧)、すなわち、トラッキングアクチュエータ41
の駆動電圧に基づいて対物レンズ32の基準位置に対す
るずれ量を検出するように構成してもよい。
【0109】また、本発明では、前記トラッキングサー
ボ信号(電圧)、すなわち、トラッキングアクチュエー
タ41の駆動電圧が基準電圧値に達したとき、対物レン
ズ32の基準位置に対するずれ量がしきい値に達したと
するように構成してもよい。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ディス
ク装置によれば、スレッドモータの挙動(駆動)が安定
し、特に、スレッドモータのハンチングやコギングの影
響を有効に防止することができる。
【0111】これにより、トラッキングの精度が大幅に
向上し、記録や再生を確実に行うこことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスク装置の実施例(主要部)を
示すブロック図である。
【図2】本発明の光ディスク装置の実施例(ケーシング
を取り除いた状態)を示す平面図である。
【図3】本発明におけるスレッドサーボ信号(電圧)、
比較器からの信号(電圧)およびパルス発生回路からの
信号(電圧)のタイミングチャートである。
【図4】本発明におけるスレッド制御の際の制御手段の
制御動作を示すフローチャートである。
【図5】従来の光ディスク装置を示すブロック図であ
る。
【図6】従来の光ディスク装置のスレッドサーボ信号
(電圧)のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 光ディスク装置 2 光ディスク 3 光学ヘッド 31 光学ヘッド本体 32 対物レンズ 311 支持部 4 アクチュエータ 41 トラッキングアクチュエータ 42 ドライバ 5 レーザダイオード 51 レーザ光 6 分割フォトダイオード 7 スレッドモータ 71 ドライバ 8 回転軸 81 リードスクリュー 9 制御手段 91 パルス発生回路 11 スピンドルモータ 12 回転軸 13 ターンテーブル 14 減速ギヤ 141 ウォームホイール 142 ピニオンギヤ 15 ラックギヤ 16 ガイドシャフト 21 トラッキングエラー信号生成回路 22 トラッキングサーボ回路 23 スレッドサーボ回路 24 比較器24 51 第1のパルス電圧 52 第2のパルス電圧 101〜103 ステップ 210 光ディスク装置 220 トラッキングエラー信号生成回路 230 光学ヘッド 241 トラッキングアクチュエータ 242 ドライバ 250 トラッキングサーボ回路 260 スレッドサーボ回路 270 スレッドモータ 271 ドライバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹林 守 神奈川県厚木市酒井1601 ミツミ電機株式 会社厚木事業所内 Fターム(参考) 5D118 AA13 BA01 BF02 BF03 CA14 CA15 CD03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスクを装着して回転させる回転駆
    動機構と、 対物レンズと、光学ヘッド本体と、前記対物レンズを前
    記光学ヘッド本体に対し前記光ディスクの径方向に移動
    させるアクチュエータとを備え、前記光ディスクの径方
    向に移動可能に設置された光学ヘッドと、 スレッドモータを備え、該スレッドモータの駆動により
    前記光学ヘッドを前記光ディスクの径方向に移動させる
    光学ヘッド移動機構とを有し、 前記光ディスクに対し記録および/または再生を行う光
    ディスク装置であって、 前記対物レンズの前記光学ヘッド本体上に設定された基
    準位置に対するずれ量を検出するずれ量検出手段を有
    し、 前記ずれ量検出手段により検出された前記ずれ量がしき
    い値に達したとき、前記スレッドモータに対し、所定パ
    ターンのパルス電圧を印加して、前記スレッドモータを
    駆動するよう構成されていることを特徴とする光ディス
    ク装置。
  2. 【請求項2】 前記しきい値は、前記アクチュエータの
    前記基準位置からの移動限界値より小さい請求項1に記
    載の光ディスク装置。
  3. 【請求項3】 前記所定パターンのパルス電圧は、極性
    の異なる第1のパルス電圧と第2のパルス電圧とで構成
    されている請求項1または2に記載の光ディスク装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のパルス電圧の印加と、前記第
    2のパルス電圧の印加とが、連続的になされるよう構成
    されている請求項3に記載の光ディスク装置。
  5. 【請求項5】 前記第2のパルス電圧の絶対値が、前記
    第1のパルス電圧の絶対値未満である請求項3または4
    に記載の光ディスク装置。
  6. 【請求項6】 前記第1のパルス電圧の絶対値は、前記
    スレッドモータが作動する電圧の絶対値より十分に大き
    い請求項3ないし5のいずれかに記載の光ディスク装
    置。
  7. 【請求項7】 前記ずれ量検出手段は、前記アクチュエ
    ータの駆動電圧またはそれに対応する電圧に基づいて前
    記ずれ量を検出する請求項1ないし6のいずれかに記載
    の光ディスク装置。
  8. 【請求項8】 前記アクチュエータの駆動電圧またはそ
    れに対応する電圧が基準電圧値に達したとき、前記ずれ
    量が前記しきい値に達したとするよう構成されている請
    求項7に記載の光ディスク装置。
  9. 【請求項9】 前記アクチュエータを駆動して前記対物
    レンズを前記光ディスクの所定のトラックに追従させる
    際、前記スレッドモータの駆動により、前記光学ヘッド
    本体を移動し、これにより前記対物レンズが前記基準位
    置に戻るよう構成されている請求項1ないし8のいずれ
    かに記載の光ディスク装置。
  10. 【請求項10】 前記スレッドモータは、直流モータで
    ある請求項1ないし9のいずれかに記載の光ディスク装
    置。
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