JP2000017543A - 多色織柄モケット - Google Patents

多色織柄モケット

Info

Publication number
JP2000017543A
JP2000017543A JP10199805A JP19980598A JP2000017543A JP 2000017543 A JP2000017543 A JP 2000017543A JP 10199805 A JP10199805 A JP 10199805A JP 19980598 A JP19980598 A JP 19980598A JP 2000017543 A JP2000017543 A JP 2000017543A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pile
moquette
yarn
woven
yarns
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10199805A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4000191B2 (ja
Inventor
Yoshio Yamada
嘉夫 山田
Kiyoshi Nishikawa
清 西川
Seigo Myonaka
清剛 妙中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TAENAKA PILE ORIMONO KK
Toyota Motor Corp
Kawashima Textile Manufacturers Ltd
Original Assignee
TAENAKA PILE ORIMONO KK
Toyota Motor Corp
Kawashima Textile Manufacturers Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TAENAKA PILE ORIMONO KK, Toyota Motor Corp, Kawashima Textile Manufacturers Ltd filed Critical TAENAKA PILE ORIMONO KK
Priority to JP19980598A priority Critical patent/JP4000191B2/ja
Publication of JP2000017543A publication Critical patent/JP2000017543A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4000191B2 publication Critical patent/JP4000191B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸縮性に富み、付形加工しやすく、付形加工
によって形際に窪みが出来ず、図柄の形際が先鋭な多色
織柄モケット37を得る。 【解決手段】 地経糸45が緯糸1本おきに上に越え下
に潜る一越組織モケットの地経糸45に仕切られ左右隣
合う各パイル列43・44において、順次織り込まれる
少なくとも1本おきの全ての緯糸13(33)に異色数
種のパイル糸11・12・31・32の中から選ばれた
1本のパイル糸をU字状に係止してカットパイル39a
(39b・39c・39d)を形成する。地経糸45と
緯糸13(33)には70重量%以上を熱可塑性合成繊
維が占めており、且つ、その熱可塑性合成繊維の5〜5
0重量%を切断伸度100%以上の弾性繊維が占めてい
る糸条を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異色数種のパイル
糸が緯糸に選択的に係止されて図柄をパイル面に描出し
ており、立体的付形加工か施されて車両内装材に使用さ
れる多色織柄モケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】多色織柄モケットは、ダブルパイル織機
の各筬羽間に引き込まれた異色数種のパイル糸11・1
2・31を、上下二重に同時に織成される上布10と下
布30の織前において選択的に上下昇降させて、その織
前に打ち込まれる上布10の緯糸13(以下、上糸とも
言う。)と下布30の緯糸33(以下、下糸とも言
う。)に選択的に係止させ、その選択されたパイル糸を
介して上布10と下布30を連結して一体的に織成され
るモケット原反を、その連結するパイル糸を上布10と
下布30の間でカット(センターカット)して上下2枚
同時につくられる。立体的付形加工を施して使用される
モケットには、付形加工に所要の伸縮性が要求されるの
で、地経糸と緯糸には弾性糸が使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の多色織柄モケッ
トでは、図6に図示する如く、図柄描出時に選択されな
い残余のパイル糸21・22・41が沈糸として地経糸
と一緒に地織組織20・40の中に織り込まれており、
その沈糸(パイル糸)が地経糸や緯糸と一緒に地織組織
を構成しており、それが非弾性糸なので、弾性糸である
地経糸や緯糸の伸縮を妨げ、地織組織を伸縮し難いもの
にしている。勿論、図7に図示する如く、図柄描出時に
選択されない残余のパイル糸21・22・41を浮糸と
して地織組織20・40の外側に浮き出させ、その浮き
出た残余のパイル糸21・22・41をセンターカット
後に抜き取る方法もある。しかし、この方法では、抜き
取られる浮糸が全てパイル糸のロス分になり、又、その
抜取作業も煩雑で効率的に行い得ない。その上、浮糸
(21・22・41)の両端18・38は、センターカ
ット時にはカットパイル39となってパイル面の図柄の
形際を構成しているものの、それが浮糸(21・22・
41)の一部として抜き取られると、センターカット時
の図柄の形際に無パイル箇所17が出来、その結果、パ
イル面の図柄の形際は不鮮明なものとなり(図7)、付
形加工をするとその無パイル箇所17が拡大されて形際
に沿った窪みが出来易くなる。尚、図6と図7は、異色
三種のパイル糸11・12・31によってパイル面に図
柄が描出された従来の多色織柄モケットのセンターカッ
ト直後の状態を図示し、多色織柄モケットの長さ方向に
平行に構成されて幅方向に並ぶ偶数番目のパイル列で
は、図柄描出時に選択されない残余のパイル糸(浮糸)
21・22・41が上布10の地織組織20に織り込ま
れており(分図6(a)・分図7(a))、多色織柄モ
ケットの幅方向に並ぶ奇数番目のパイル列では、その選
択されない残余のパイル糸(浮糸)21・22・41が
下布30の地織組織40に織り込まれている(分図6
(b)・分図7(b))。図7において、図柄描出時に
選択されず浮糸となった残余のパイル糸21・22・4
1は点線で図示している。又、図6と図7において、地
経糸は作図の都合上省略している。
【0004】
【発明の目的】本発明は、伸縮性に富み、付形加工がし
やすく、付形加工によって形際に窪みが出来ず、図柄の
形際が先鋭な多色織柄モケットを得ることを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多色織柄モ
ケット37は、地経糸45が緯糸1本おきに上に越え下
に潜る一越組織モケットの地経糸45に仕切られ左右隣
合う各パイル列43・44において、順次織り込まれる
少なくとも1本おきの全ての緯糸13(33)に異色数
種のパイル糸11・12・31・32の中から選ばれた
1本のパイル糸がU字状に係止されてカットパイル39
a(39b・39c・39d)を形成しており、地経糸
45と緯糸13(33)が、その70重量%以上を熱可
塑性合成繊維が占めており、且つ、その熱可塑性合成繊
維の5〜50重量%を切断伸度が100%以上の弾性繊
維が占めている糸条によって構成されていることを第1
の特徴とする。
【0006】本発明に係る多色織柄モケットの第2の特
徴は、上記第1の特徴に加え、順次織り込まれる1本お
きの全ての緯糸13a(33)に、異色数種のパイル糸
11・12・31・32の中から選ばれた1本のパイル
糸が、U字状に係止されてカットパイル39a・39b
・39c・39dを形成していることにある。
【0007】本発明に係る多色織柄モケットの第3の特
徴は、上記第1の特徴に加え、隣合うパイル列43・4
4のパイル糸が、順次織り込まれる緯糸13a(33)
と緯糸13b(33)に交互に1本おきにU字状に係止
されてカットパイルを形成していることにある。
【0008】本発明に係る多色織柄モケットの第4の特
徴は、上記第1の特徴に加え、各パイル列43・44の
カットパイルカットパイル39a(39b・39c・3
9d)が順次織り込まれる全ての緯糸13a・13b
(33)にU字状に係止されていることにある。
【0009】本発明に係る多色織柄モケットの第5の特
徴は、上記第1、第2、第3および第4の何れかの特徴
に加え、地織組織20(40)が地経糸45と緯糸13
(33)によってのみ構成されていることにある。
【0010】
【発明の実施の形態】地糸(地経糸と緯糸)は、熱可塑
性合成繊維を主材とする非弾性糸と切断伸度100%以
上の弾性繊維に成る弾性糸を合撚して構成するとよい。
その非弾性糸には、多色織柄モケットの製織過程での地
糸の伸縮を抑えて織密度のバラツキをなくし、パイル面
に描出される図柄の寸法安定性を確保する上で、木綿繊
維、レーヨン、羊毛繊維等の非熱可塑性繊維を混用する
とよく、その混用率は30重量%以下とする。
【0011】図柄の形際となる部分、つまり、パイル列
43・44を構成するカットパイル39a・39b・3
9c・39dの色彩が切り替わる部分を含め、それぞれ
上布10と下布30に順次織り込まれる少なくとも1本
おきの全ての緯糸13a(33a)に、2個のパイル片
を1組にしてU字状に係止させるには、筬羽間に引き込
まれた異色数種のパイル糸11・12・31・32を、
上布10を構成する緯糸13と下布30を構成する緯糸
33に、それらの上糸13または下糸33を打込む所定
の杼打時において選択的に係止させて多色織柄モケット
原反19を織成する製織過程において、選択されずに残
る残余のパイル糸21・22・41・42を、それぞれ
図柄を形成するために選択されて上糸13または下糸3
3の何れか一方の裏側に潜らせてから、次に選択される
まで上糸13および下糸33の何れの裏側にも潜らせ
ず、それらの上糸と下糸の内側の上を越え、上布10と
下布30の何れの地織組織20・40にも織り込まず、
その残余のパイル糸21・22・41・42が選択され
て上糸13または下糸33に係止される次の杼打時まで
の数杼打間にわたって、多色織柄モケット原反19の外
側となる上糸13および下糸33の外側に迂回させず、
多色織柄モケット原反19の上布10と下布30の間に
閉じ込める。即ち、上布10と下布30の間に閉じ込め
られて上糸13から下糸33まで続く長さが、上布10
と下布30の間の距離(多色織柄モケット原反の厚み)
の概して1.5倍以上となる残余のパイル糸21・22
・41・42を、上布10と下布30の間に閉じ込め
る。
【0012】この上布10と下布30の間に閉じ込めら
れているパイル糸11・12・31・32(21・22
・41・42)がセンターカットされるとき、それらの
形際から続く残余のパイル糸21・22・41・42は
図柄内部のパイル糸11・12・31・32よりも長い
のカットパイル38を形成することになるが、その余長
分36はシャーリングによって刈り取られる。
【0013】図1は、本発明に係る多色織柄モケット原
反19を図示し、図2は、図1の多色織柄モケット原反
19をセンターカットして出来る多色織柄モケット37
を図示している。図1と図2において、13は、上布1
0の地織組織20を構成する緯糸(上糸)であり、33
は、下布30の地織組織40を構成する緯糸(下糸)で
ある。上布10と下布30の地織組織20・40は一越
組織、即ち、地経糸が緯糸1本毎に緯糸13(33)の
上を越えて次の緯糸13・33の下に潜る平織組織にな
っている。尚、図1と図2では、作図の都合上地経糸を
省略している。又、一般に多色織柄モケット図柄は、ジ
ャカードやドビーその他の柄出装置との関係上奇数色、
即ち、三色又は五色の色彩によって描出されるようにな
っており、各筬羽間には奇数本、即ち、異色三種又は五
種のパイル糸が引き込まれるが、図1と図2では、説明
の都合上異色四種のパイル糸11・12・31・32に
よって図柄・模様を描出する場合を例示しており、各筬
羽間には異色四種のパイル糸11・12・31・32が
4本1組になって引き込まれている。
【0014】図柄を描出するために選択されるパイル糸
(以下、被選択パイル糸とも言う。)11・12・31
・32は、上下何れか一方の緯糸13(33)の裏側に
潜ってから次に打ち込まれた上下何れか他方の緯糸33
(13)の裏側に潜って上布10と下布30を連結して
いる。被選択パイル糸以外の残余三種のパイル糸は、そ
れぞれ図柄を形成するために選択されて上糸13または
下糸33の何れか一方の裏側に潜った後、次に再び選択
されるまで上糸13および下糸33の何れの裏側にも潜
らず、それらの上糸13と下糸33の内側の上を越え、
従って上布10と下布30の何れの地織組織20・40
にも織り込まれることなく、それら上布10と下布30
の間に閉じ込められた状態におかれ、次に選択されると
きに、他方の上糸13または下糸33の裏側に潜って上
布10と下布30を連結する。
【0015】こうして織成された多色織柄モケット原反
のパイル糸をセンターカットして上布10と下布30に
切り離すとき、残余のパイル糸21・22・41・42
は上布10と下布30のパイル層16から引き出され、
残余のパイル糸21・22・41・42となって上布1
0と下布30の間で連続した長さ分36だけ上布10と
下布30のパイル面から長く突き出ることになる。この
ようにパイル面から長く突き出た余長分36は、シャー
リングによって刈り取られ、カットパイルが一定の長さ
に揃えられる(図2)。
【0016】このように本発明では、残余のパイル糸2
1・22・41・42は、それぞれ図柄を形成するため
に選択されて上糸13または下糸33の何れか一方の裏
側に潜った後、次に再び選択されるまで上糸13および
下糸33の何れの裏側に潜らず、それらの上糸13と下
糸33の内側の上を越え、それら上布10と下布30の
間に閉じ込められた状態におかれ、その後選択されて他
方の上糸13または下糸33の裏側に潜って上布10と
下布30を連結しており、それがセンターカット時に上
布10と下布30のパイル層16から引き出されて長く
突き出たカットパイル(36)を形成する。このため、
筬羽間に引き込まれる異色数種のパイル糸の中のあるパ
イル糸から他のパイル糸に被選択パイル糸11・21・
31・32が入れ替わる図柄の形際が無パイル箇所(1
7)になることはない。
【0017】図3は、隣合うパイル列43・44のパイ
ル糸を、順次織り込まれる緯糸13a(33)と緯糸1
3b(33)に交互に1本おきにU字状に係止して織成
された多色織柄モケット37を図示するものである。図
4は、各パイル列のカットパイル39a(39b・39
c・39d)が、順次織り込まれる全ての緯糸13a・
13b(33)にU字状に係止されている多色織柄モケ
ット37を図示するものである。これら図3と図4に図
示する多色織柄モケット37も、図1と図2に図示する
多色織柄モケットと同様に、筬羽間に引き込まれた異色
数種のパイル糸11・12・31・32を、上布10を
構成する緯糸13と下布30を構成する緯糸33に、そ
れらの上糸13または下糸33を打込む所定の杼打時に
おいて選択的に係止させて多色織柄モケット原反19を
織成する製織過程において、選択されずに残る残余のパ
イル糸21・22・41・42を、それぞれ図柄・模様
を形成するために選択されて上糸13または下糸33の
何れか一方の裏側に潜らせてから、次に選択されるまで
上糸13および下糸33の何れの裏側にも潜らせず、そ
れらの上糸13と下糸33の内側の上を越え、上布10
と下布30の何れの地織組織20・40にも織り込ま
ず、その残余のパイル糸21・22・41・42が選択
されて上糸13または下糸33に係止される次の杼打時
までの数杼打間にわたって、多色織柄モケット原反19
の外側となる上糸13および下糸33の外側に迂回させ
ず、多色織柄モケット原反19の上布10と下布30の
間に閉じ込めて織成され、センターカット後シャーリン
グを施して仕上げられる。
【0018】
【実施例】ポリエステル繊維(テトロン)85重量%と
レーヨン15重量%との混紡糸(綿番手30/2)と弾
性糸(東レ株式会社商品名;オペロン、40デニール単
糸(デニール40/1)、切断伸度410%、切断強度
1.34g/d、100%伸度時の引張応力1.4g/
18D、100%残留伸度時の伸長弾性回復応力0.2
g/18D)との合撚糸(ポリエステル繊維の混用率;
76.5重量%,弾性糸オペロンの混用率;10.0重
量%,レーヨンの混用率;13.5重量%)を地経糸と
緯糸に用い、異色三種の羊毛繊維紡績糸(毛番手3/4
8)をパイル糸に用い、筬密度87.8羽/10cmの
各筬羽間に上布用地経糸2本と異色3種のパイル糸(3
本)と下布用地経糸2本との合計7本の糸条を引き込
み、緯糸打込密度187本/10cmとし、ジャカード
を搭載したダブルパイル織機において異色三種のパイル
糸を選択的に上布用緯糸と上布用緯糸に係止させ、図柄
形成に不要の残余二種のパイル糸を上布と下布の何れの
地織組織にも織り込まず上布10と下布30の間に閉じ
込めて一越組織多色織柄モケット原反を織成し、センタ
ーカットして上布と下布を切離し、それらのパイル面に
シャーリングを施して多色織柄モケットを製造した。
【0019】この多色織柄モケットを加熱処理すると、
地経糸と緯糸を構成する熱可塑性合成繊維(弾性糸)の
潜在収縮応力が顕現して縦方向に約15%収縮し、横方
向に約28%収縮し、地経糸密度230本/10cm、
緯糸密度215本/10cmの多色織柄モケットに仕上
がった。この多色織柄モケットをタテとヨコに裁断して
採取した試験片(試料幅8cm、試料長さ25cm、測
定長さ15cm)は、図5に示す伸びを示した。図5に
おいて、Xは、多色織柄モケットの幅方向に長く採取し
た試験片の荷重−伸度曲線を示し、Yは、多色織柄モケ
ットの長さ方向に長く採取した試験片の荷重−伸度曲線
を示す。
【0020】
【比較例1】実施例に使用したポリエステル繊維(テト
ロン)85重量%とレーヨン15重量%との混紡糸(綿
番手30/2)と弾性糸(東レ株式会社商品名;オペロ
ン)との合撚糸を地経糸と緯糸に用い、異色三種の羊毛
繊維紡績糸(毛番手3/48)をパイル糸に用い、筬密
度87.8羽/10cmの各筬羽間に上布用地経糸2本
と異色3種のパイル糸(3本)と下布用地経糸2本との
合計7本の糸条を引き込み、緯糸打込密度187本/1
0cmとし、ジャカードを搭載したダブルパイル織機に
おいて異色三種のパイル糸を選択的に上布用緯糸と上布
用緯糸に係止させ、図6に示す如く、図柄形成に不要の
残余二種のパイル糸を沈糸として地経糸と同様に上布と
下布の各地織組織にも織り込んで一越組織多色織柄モケ
ット原反を織成し、センターカットして上布と下布を切
離し、それらのパイル面にシャーリングを施して多色織
柄モケットを製造した。
【0021】この多色織柄モケットを加熱処理すると、
地経糸と緯糸を構成する熱可塑性合成繊維(弾性糸)の
潜在収縮応力が顕現し、縦方向に約5%収縮し、横方向
に約10%収縮し、地経糸密度202本/10cm、緯
糸密度196本/10cmの多色織柄モケットに仕上が
った。この多色織柄モケットをタテとヨコに裁断して採
取した試験片(試料幅8cm、試料長さ25cm、測定
長さ15cm)は、図5に示す伸びを示した。図5にお
いて、X′は、多色織柄モケットの幅方向に長く採取し
た試験片の荷重−伸度曲線を示し、Y′は、多色織柄モ
ケットの長さ方向に長く採取した試験片の荷重−伸度曲
線を示す。
【0022】
【比較例2】実施例において使用したポリエステル繊維
(テトロン)85重量%とレーヨン15重量%との混紡
糸(綿番手30/2)を、弾性糸(東レ株式会社商品
名;オペロン)と合撚することなく、そのまま地経糸と
緯糸に用いた他は実施例と同様に、異色三種の羊毛繊維
紡績糸(毛番手3/48)をパイル糸に用い、筬密度8
7.8羽/10cmの各筬羽間に上布用地経糸2本と異
色3種のパイル糸(3本)と下布用地経糸2本との合計
7本の糸条を引き込み、緯糸打込密度187本/10c
mとし、ジャカードを搭載したダブルパイル織機におい
て異色三種のパイル糸を選択的に上布用緯糸と上布用緯
糸に係止させ、図柄形成に不要の残余二種のパイル糸を
上布と下布の何れの地織組織にも織り込まず上布10と
下布30の間に閉じ込めて一越組織多色織柄モケット原
反を織成し、センターカットして上布と下布を切離し、
それらのパイル面にシャーリングを施して多色織柄モケ
ットを製造した。
【0023】この多色織柄モケットを加熱処理すると、
地経糸と緯糸を構成する熱可塑性合成繊維の潜在収縮応
力が顕現し、縦方向に約1%収縮し、横方向に約4%収
縮し、地経糸密度189本/10cm、緯糸密度189
本/10cmの多色織柄モケットに仕上がった。この多
色織柄モケットをタテとヨコに裁断して採取した試験片
(試料幅8cm、試料長さ25cm、測定長さ15c
m)は、図5に示す伸びを示した。図5において、X″
は、多色織柄モケットの幅方向に長く採取した試験片の
荷重−伸度曲線を示し、Y″は、多色織柄モケットの長
さ方向に長く採取した試験片の荷重−伸度曲線を示す。
【0025】
【発明の効果】本発明の多色織柄モケット(請求項1)
では、パイル糸は緯糸13・33に抑えられてU字状に
折れ曲がって地織組織20・40から突き出た2個1組
となるカットパイル39を形成しており、カットパイル
39の一端が地織組織20・40の内部に沈糸となって
織り込まれていない(請求項5)。そして地経糸と緯糸
の70重量%以上を熱収縮応力が潜在している熱可塑性
合成繊維が占めており、且つ、その熱可塑性合成繊維の
5〜50重量%を切断伸度100%以上の弾性繊維が占
めている。このため、製織後の加熱処理において地経糸
と緯糸を構成する熱可塑性合成繊維の潜在収縮応力が顕
現して地織組織がパイル糸に左右されず収縮し、その熱
収縮分だけ伸縮性に富むものとなる一方、その加熱処理
して仕上がった地織組織を引っ張るときはパイル糸に左
右されずに伸長し、伸縮性に富む多色織柄モケット37
が得られる。
【0026】そして、地経糸45と緯糸13(33)の
一部に木綿繊維、レーヨン、羊毛繊維等の非熱可塑性繊
維を混用するときは、弾性糸の伸縮性が非熱可塑性繊維
に抑えられるので、製織過程で地経糸45と緯糸13
(33)のテンションが安定し、従って、地経糸45と
緯糸13(33)が伸縮性に富むとしても、そのことに
よって製織性が損なわれず、所要の経糸密度と緯糸密度
の多色織柄モケット37を織成することが出来、その織
成後に加熱処理するときは、紡績工程や撚糸工程、或い
は、製織工程におけるテンションによって地糸に蓄積さ
れた潜在収縮応力が顕在化して多色織柄モケットが収縮
し、付形加工に必要な伸度を有する多色織柄モケットに
仕上がる。尚、本発明において、地糸に占める熱可塑性
合成繊維の割合を70重量%以上とし、非熱可塑性繊維
の混用率を70重量%未満とするのは、非熱可塑性繊維
が多色織柄モケットの製織性をよくするとしても、それ
によって付形加工に必要な伸縮性が損なわれないように
するためである。又、熱可塑性合成繊維に占める弾性繊
維の割合を50重量%以下とするのは、潜在収縮応力が
大きく作用する弾性繊維によって多色織柄モケットの伸
縮性が確保されるとしても、そのことによって多色織柄
モケットの寸法安定性が損なわれないようにするためで
ある。
【0027】本発明(請求項2)では、パイル糸が入れ
替わる図柄の形際でも、順次織り込まれる1本おきの全
ての緯糸13a(33a)に、異色数種のパイル糸11
・12・31・32の中から選ばれた1本のパイル糸が
U字状に係止されてカットパイル39a(39b・39
c・39d)を形成しており、図柄の形際に無パイル箇
所(17)が出来ず、従って、付形加工によって引き伸
ばされても図柄の形際に窪みが出来ず、パイル面が均一
に揃った車両内装材に仕上げることが出来る。
【0028】本発明(請求項4)では、各パイル列43
・44のカットパイルカットパイル39a(39b・3
9c・39d)が順次織り込まれる全ての緯糸13a・
13b(33a・33b)にU字状に係止されているの
で、付形加工によって引き伸ばされても、パイル層16
が割れて緯糸13(33)がパイル面に露出することは
ない。
【0029】本発明(請求項3)では、隣合うパイル列
43・44のパイル糸が順次織り込まれる緯糸13a
(33a)と緯糸13b(33b)に交互に1本おきに
U字状に係止されたカットパイルを形成しており、パイ
ルが係止されたパイル列43とパイルが係止されないパ
イル列44とが緯糸13(33)の長さ方向に沿って交
互に続いており、その緯糸13(33)のパイルが係止
されていない部分47では、パイルが係止された部分4
6よりも伸縮し易いので、多色織柄モケット37の緯糸
方向での伸縮性を高めることが出来る。
【0030】このように本発明によると、伸縮性に富
み、付形加工しやすく、付形加工によって形際に窪みが
出来ず、図柄の形際が先鋭な多色織柄モケットを得るこ
とが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多色織柄モケット原反の断面側面
図である。
【図2】本発明に係る多色織柄モケットの断面側面図で
ある。
【図3】本発明に係る多色織柄モケットの拡大斜視図で
ある。
【図4】本発明に係る多色織柄モケットの断面側面図で
ある。
【図5】本発明に係る多色織柄モケットと従来技術に係
る多色織柄モケットの荷重−伸度曲線図である。
【図6】従来技術に係る多色織柄モケット原反の断面側
面図である。
【図7】従来技術に係る多色織柄モケットの断面側面図
である。
【符号の説明】
10 上布 11・12 パイル糸 13 緯糸(上糸) 16 パイル層 17 無パイル箇所 18 残余のパイル糸に続く最初のカットパイル 19 多色織柄モケット原反 20 地織組織 21・22 残余のパイル糸 30 下布 31・32 パイル糸 33 緯糸(下糸) 36 残余のパイル糸の余長分 37 多色織柄モケット 38 残余のパイル糸に続く最後のカットパイル 39 カットパイル 40 地織組織 41・42 残余のパイル糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 嘉夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西川 清 京都府京都市左京区静市市原町265番地 株式会社川島織物内 (72)発明者 妙中 清剛 和歌山県伊都郡高野口町大字向島193番地 妙中パイル織物株式会社内 Fターム(参考) 4L048 AA11 AA13 AA20 AA26 AA49 AA50 AB05 AB16 AC12 BA26 BA30 BC05 CA00 CA04 DA24 EA00 EB00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地経糸が緯糸1本おきに上に越え下に潜
    る一越組織モケットの地経糸に仕切られ左右隣合う各パ
    イル列において、順次織り込まれる少なくとも1本おき
    の全ての緯糸に異色数種のパイル糸の中から選ばれた1
    本のパイル糸がU字状に係止されてカットパイルを形成
    しており、地経糸と緯糸の70重量%以上を熱可塑性合
    成繊維が占めており、且つ、その熱可塑性合成繊維の5
    〜50重量%を切断伸度が100%以上の弾性繊維が占
    めていることを特徴とする多色織柄モケット。
  2. 【請求項2】 前掲請求項1に記載のパイル糸が、順次
    織り込まれる1本おきの全ての緯糸に係止されているこ
    とを特徴とする前掲請求項1に記載の多色織柄モケッ
    ト。
  3. 【請求項3】 前掲請求項1に記載の隣合うパイル列の
    パイル糸が、順次織り込まれる緯糸に交互に1本おきに
    U字状に係止されてカットパイルを形成していることを
    特徴とする前掲請求項1に記載の多色織柄モケット。
  4. 【請求項4】 前掲請求項1に記載の各パイル列のカッ
    トパイルが、順次織り込まれる全ての緯糸にU字状に係
    止されていることを特徴とする前掲請求項1に記載の多
    色織柄モケット。
  5. 【請求項5】 前掲請求項1に記載の一越組織モケット
    の地織組織が、地経糸と緯糸によってのみ構成されてい
    ることを特徴とする前掲請求項1に記載の多色織柄モケ
    ット。
JP19980598A 1998-06-30 1998-06-30 多色織柄モケット Expired - Fee Related JP4000191B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19980598A JP4000191B2 (ja) 1998-06-30 1998-06-30 多色織柄モケット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19980598A JP4000191B2 (ja) 1998-06-30 1998-06-30 多色織柄モケット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000017543A true JP2000017543A (ja) 2000-01-18
JP4000191B2 JP4000191B2 (ja) 2007-10-31

Family

ID=16413932

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19980598A Expired - Fee Related JP4000191B2 (ja) 1998-06-30 1998-06-30 多色織柄モケット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4000191B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006200099A (ja) * 2005-01-24 2006-08-03 Suminoe Textile Co Ltd 立毛パイル布帛及びその製造方法
JP2009175392A (ja) * 2008-01-24 2009-08-06 Hokuriku Velvet Co Ltd ラビング布及びその製造方法並びにラビング布製織用の筬

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006200099A (ja) * 2005-01-24 2006-08-03 Suminoe Textile Co Ltd 立毛パイル布帛及びその製造方法
JP2009175392A (ja) * 2008-01-24 2009-08-06 Hokuriku Velvet Co Ltd ラビング布及びその製造方法並びにラビング布製織用の筬

Also Published As

Publication number Publication date
JP4000191B2 (ja) 2007-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1800463B (zh) 织造织物的工艺及起毛织物
EP2943603B1 (en) Carpet having a shadow effect and method for weaving a carpet fabric having a shadow effect
US2012184A (en) Fabric and method of making same
US6186189B1 (en) False and true bouclé fabrics, and a method for the production of such fabrics
JP2000017543A (ja) 多色織柄モケット
US6095198A (en) Method for weaving a pile fabric with high pile density
US3395738A (en) Stable fringe fabric and method of making same
US6367514B1 (en) False bouclé fabrics with cut pile and/or pile loops, and method for the weaving thereof
CN211420436U (zh) 涤竹纤维双斜弹力面料
JP2557309B2 (ja) 長短パイルで織成したドビー及びジャカード紋タオル織物
GB2056510A (en) Pile fabric and also method of and loom for manufacture thereof
JP2882875B2 (ja) 表面凹凸を有する伸縮性織物の製造法
CN216473724U (zh) 一种硬挺涤纶织物
CN215856593U (zh) 一种玻璃纤维复合纱织物
JP3057306U (ja) うずら織り着物地
JPH10195735A (ja) タオル織物
JP2551707B2 (ja) 布地の織り方法および織機
JP2840585B2 (ja) 布地及びその製造方法
JPH0768656B2 (ja) 布地および布地の製造方法
CN116334808A (zh) 立体感格子布的生产工艺
JP3097127U (ja) 変わり織りネット
JP3051505U (ja) 刺繍の如き外観を有する織物
JP3425660B2 (ja) パイル織物
JP2010265567A (ja) 綾織物
JP3661097B2 (ja) 柄物ダブルパイル織物製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050506

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070724

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070812

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100817

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100817

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110817

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110817

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120817

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130817

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees