JP4000191B2 - 多色織柄モケット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異色数種のパイル糸が緯糸に選択的に係止されて図柄をパイル面に描出しており、立体的付形加工か施されて車両内装材に使用される多色織柄モケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多色織柄モケットは、ダブルパイル織機の各筬羽間に引き込まれた異色数種のパイル糸11・12・31を、上下二重に同時に織成される上布10と下布30の織前において選択的に上下昇降させて、その織前に打ち込まれる上布10の緯糸13(以下、上糸とも言う。)と下布30の緯糸33(以下、下糸とも言う。)に選択的に係止させ、その選択されたパイル糸を介して上布10と下布30を連結して一体的に織成されるモケット原反を、その連結するパイル糸を上布10と下布30の間でカット(センターカット)して上下2枚同時につくられる。立体的付形加工を施して使用されるモケットには、付形加工に所要の伸縮性が要求されるので、地経糸と緯糸には弾性糸が使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の多色織柄モケットでは、図6に図示する如く、図柄描出時に選択されない残余のパイル糸21・22・41が沈糸として地経糸と一緒に地織組織20・40の中に織り込まれており、その沈糸(パイル糸)が地経糸や緯糸と一緒に地織組織を構成しており、それが非弾性糸なので、弾性糸である地経糸や緯糸の伸縮を妨げ、地織組織を伸縮し難いものにしている。勿論、図7に図示する如く、図柄描出時に選択されない残余のパイル糸21・22・41を浮糸として地織組織20・40の外側に浮き出させ、その浮き出た残余のパイル糸21・22・41をセンターカット後に抜き取る方法もある。しかし、この方法では、抜き取られる浮糸が全てパイル糸のロス分になり、又、その抜取作業も煩雑で効率的に行い得ない。その上、浮糸(21・22・41)の両端18・38は、センターカット時にはカットパイル39となってパイル面の図柄の形際を構成しているものの、それが浮糸(21・22・41)の一部として抜き取られると、センターカット時の図柄の形際に無パイル箇所17が出来、その結果、パイル面の図柄の形際は不鮮明なものとなり(図7)、付形加工をするとその無パイル箇所17が拡大されて形際に沿った窪みが出来易くなる。尚、図6と図7は、異色三種のパイル糸11・12・31によってパイル面に図柄が描出された従来の多色織柄モケットのセンターカット直後の状態を図示し、多色織柄モケットの長さ方向に平行に構成されて幅方向に並ぶ偶数番目のパイル列では、図柄描出時に選択されない残余のパイル糸(浮糸)21・22・41が上布10の地織組織20に織り込まれており(分図6(a)・分図7(a))、多色織柄モケットの幅方向に並ぶ奇数番目のパイル列では、その選択されない残余のパイル糸(浮糸)21・22・41が下布30の地織組織40に織り込まれている(分図6(b)・分図7(b))。図7において、図柄描出時に選択されず浮糸となった残余のパイル糸21・22・41は点線で図示している。又、図6と図7において、地経糸は作図の都合上省略している。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、伸縮性に富み、付形加工がしやすく、付形加工によって形際に窪みが出来ず、図柄の形際が先鋭な多色織柄モケットを得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る多色織柄モケット37は、地経糸45が緯糸1本おきに上に越え下に潜る一越組織モケットの地経糸45に仕切られ左右隣合う各パイル列43・44において、順次織り込まれる少なくとも1本おきの全ての緯糸13(33)に異色数種のパイル糸11・12・31・32の中から選ばれた1本のパイル糸がU字状に係止されてカットパイル39a(39b・39c・39d)を形成しており、地経糸45と緯糸13(33)が、その70重量%以上を熱可塑性合成繊維が占めており、且つ、その熱可塑性合成繊維の5〜50重量%を切断伸度が100%以上の弾性繊維が占めている糸条によって構成されており、一越組織モケットの地織組織が、地経糸と緯糸によってのみ構成されていることを第1の特徴とする。
【0006】
本発明に係る多色織柄モケットの第2の特徴は、上記第1の特徴に加え、順次織り込まれる1本おきの全ての緯糸13a(33)に、異色数種のパイル糸11・12・31・32の中から選ばれた1本のパイル糸が、U字状に係止されてカットパイル39a・39b・39c・39dを形成していることにある。
【0007】
本発明に係る多色織柄モケットの第3の特徴は、上記第1の特徴に加え、隣合うパイル列43・44のパイル糸が、順次織り込まれる緯糸13a(33)と緯糸13b(33)に交互に1本おきにU字状に係止されてカットパイルを形成していることにある。
【0008】
本発明に係る多色織柄モケットの第4の特徴は、上記第1の特徴に加え、各パイル列43・44のカットパイルカットパイル39a(39b・39c・39d)が順次織り込まれる全ての緯糸13a・13b(33)にU字状に係止されていることにある。
【0010】
【発明の実施の形態】
地糸(地経糸と緯糸)は、熱可塑性合成繊維を主材とする非弾性糸と切断伸度100%以上の弾性繊維に成る弾性糸を合撚して構成するとよい。その非弾性糸には、多色織柄モケットの製織過程での地糸の伸縮を抑えて織密度のバラツキをなくし、パイル面に描出される図柄の寸法安定性を確保する上で、木綿繊維、レーヨン、羊毛繊維等の非熱可塑性繊維を混用するとよく、その混用率は30重量%以下とする。
【0011】
図柄の形際となる部分、つまり、パイル列43・44を構成するカットパイル39a・39b・39c・39dの色彩が切り替わる部分を含め、それぞれ上布10と下布30に順次織り込まれる少なくとも1本おきの全ての緯糸13a(33a)に、2個のパイル片を1組にしてU字状に係止させるには、筬羽間に引き込まれた異色数種のパイル糸11・12・31・32を、上布10を構成する緯糸13と下布30を構成する緯糸33に、それらの上糸13または下糸33を打込む所定の杼打時において選択的に係止させて多色織柄モケット原反19を織成する製織過程において、選択されずに残る残余のパイル糸21・22・41・42を、それぞれ図柄を形成するために選択されて上糸13または下糸33の何れか一方の裏側に潜らせてから、次に選択されるまで上糸13および下糸33の何れの裏側にも潜らせず、それらの上糸と下糸の内側の上を越え、上布10と下布30の何れの地織組織20・40にも織り込まず、その残余のパイル糸21・22・41・42が選択されて上糸13または下糸33に係止される次の杼打時までの数杼打間にわたって、多色織柄モケット原反19の外側となる上糸13および下糸33の外側に迂回させず、多色織柄モケット原反19の上布10と下布30の間に閉じ込める。即ち、上布10と下布30の間に閉じ込められて上糸13から下糸33まで続く長さが、上布10と下布30の間の距離(多色織柄モケット原反の厚み)の概して1.5倍以上となる残余のパイル糸21・22・41・42を、上布10と下布30の間に閉じ込める。
【0012】
この上布10と下布30の間に閉じ込められているパイル糸11・12・31・32(21・22・41・42)がセンターカットされるとき、それらの形際から続く残余のパイル糸21・22・41・42は図柄内部のパイル糸11・12・31・32よりも長いのカットパイル38を形成することになるが、その余長分36はシャーリングによって刈り取られる。
【0013】
図1は、本発明に係る多色織柄モケット原反19を図示し、図2は、図1の多色織柄モケット原反19をセンターカットして出来る多色織柄モケット37を図示している。図1と図2において、13は、上布10の地織組織20を構成する緯糸(上糸)であり、33は、下布30の地織組織40を構成する緯糸(下糸)である。上布10と下布30の地織組織20・40は一越組織、即ち、地経糸が緯糸1本毎に緯糸13(33)の上を越えて次の緯糸13・33の下に潜る平織組織になっている。尚、図1と図2では、作図の都合上地経糸を省略している。又、一般に多色織柄モケット図柄は、ジャカードやドビーその他の柄出装置との関係上奇数色、即ち、三色又は五色の色彩によって描出されるようになっており、各筬羽間には奇数本、即ち、異色三種又は五種のパイル糸が引き込まれるが、図1と図2では、説明の都合上異色四種のパイル糸11・12・31・32によって図柄・模様を描出する場合を例示しており、各筬羽間には異色四種のパイル糸11・12・31・32が4本1組になって引き込まれている。
【0014】
図柄を描出するために選択されるパイル糸(以下、被選択パイル糸とも言う。)11・12・31・32は、上下何れか一方の緯糸13(33)の裏側に潜ってから次に打ち込まれた上下何れか他方の緯糸33(13)の裏側に潜って上布10と下布30を連結している。被選択パイル糸以外の残余三種のパイル糸は、それぞれ図柄を形成するために選択されて上糸13または下糸33の何れか一方の裏側に潜った後、次に再び選択されるまで上糸13および下糸33の何れの裏側にも潜らず、それらの上糸13と下糸33の内側の上を越え、従って上布10と下布30の何れの地織組織20・40にも織り込まれることなく、それら上布10と下布30の間に閉じ込められた状態におかれ、次に選択されるときに、他方の上糸13または下糸33の裏側に潜って上布10と下布30を連結する。
【0015】
こうして織成された多色織柄モケット原反のパイル糸をセンターカットして上布10と下布30に切り離すとき、残余のパイル糸21・22・41・42は上布10と下布30のパイル層16から引き出され、残余のパイル糸21・22・41・42となって上布10と下布30の間で連続した長さ分36だけ上布10と下布30のパイル面から長く突き出ることになる。このようにパイル面から長く突き出た余長分36は、シャーリングによって刈り取られ、カットパイルが一定の長さに揃えられる(図2)。
【0016】
このように本発明では、残余のパイル糸21・22・41・42は、それぞれ図柄を形成するために選択されて上糸13または下糸33の何れか一方の裏側に潜った後、次に再び選択されるまで上糸13および下糸33の何れの裏側に潜らず、それらの上糸13と下糸33の内側の上を越え、それら上布10と下布30の間に閉じ込められた状態におかれ、その後選択されて他方の上糸13または下糸33の裏側に潜って上布10と下布30を連結しており、それがセンターカット時に上布10と下布30のパイル層16から引き出されて長く突き出たカットパイル(36)を形成する。このため、筬羽間に引き込まれる異色数種のパイル糸の中のあるパイル糸から他のパイル糸に被選択パイル糸11・21・31・32が入れ替わる図柄の形際が無パイル箇所(17)になることはない。
【0017】
図3は、隣合うパイル列43・44のパイル糸を、順次織り込まれる緯糸13a(33)と緯糸13b(33)に交互に1本おきにU字状に係止して織成された多色織柄モケット37を図示するものである。図4は、各パイル列のカットパイル39a(39b・39c・39d)が、順次織り込まれる全ての緯糸13a・13b(33)にU字状に係止されている多色織柄モケット37を図示するものである。これら図3と図4に図示する多色織柄モケット37も、図1と図2に図示する多色織柄モケットと同様に、筬羽間に引き込まれた異色数種のパイル糸11・12・31・32を、上布10を構成する緯糸13と下布30を構成する緯糸33に、それらの上糸13または下糸33を打込む所定の杼打時において選択的に係止させて多色織柄モケット原反19を織成する製織過程において、選択されずに残る残余のパイル糸21・22・41・42を、それぞれ図柄・模様を形成するために選択されて上糸13または下糸33の何れか一方の裏側に潜らせてから、次に選択されるまで上糸13および下糸33の何れの裏側にも潜らせず、それらの上糸13と下糸33の内側の上を越え、上布10と下布30の何れの地織組織20・40にも織り込まず、その残余のパイル糸21・22・41・42が選択されて上糸13または下糸33に係止される次の杼打時までの数杼打間にわたって、多色織柄モケット原反19の外側となる上糸13および下糸33の外側に迂回させず、多色織柄モケット原反19の上布10と下布30の間に閉じ込めて織成され、センターカット後シャーリングを施して仕上げられる。
【0018】
【実施例】
ポリエステル繊維(テトロン)85重量%とレーヨン15重量%との混紡糸(綿番手30/2)と弾性糸(東レ株式会社商品名;オペロン、40デニール単糸(デニール40/1)、切断伸度410%、切断強度1.34g/d、100%伸度時の引張応力1.4g/18D、100%残留伸度時の伸長弾性回復応力0.2g/18D)との合撚糸(ポリエステル繊維の混用率;76.5重量%,弾性糸オペロンの混用率;10.0重量%,レーヨンの混用率;13.5重量%)を地経糸と緯糸に用い、異色三種の羊毛繊維紡績糸(毛番手3/48)をパイル糸に用い、筬密度87.8羽/10cmの各筬羽間に上布用地経糸2本と異色3種のパイル糸(3本)と下布用地経糸2本との合計7本の糸条を引き込み、緯糸打込密度187本/10cmとし、ジャカードを搭載したダブルパイル織機において異色三種のパイル糸を選択的に上布用緯糸と上布用緯糸に係止させ、図柄形成に不要の残余二種のパイル糸を上布と下布の何れの地織組織にも織り込まず上布10と下布30の間に閉じ込めて一越組織多色織柄モケット原反を織成し、センターカットして上布と下布を切離し、それらのパイル面にシャーリングを施して多色織柄モケットを製造した。
【0019】
この多色織柄モケットを加熱処理すると、地経糸と緯糸を構成する熱可塑性合成繊維(弾性糸)の潜在収縮応力が顕現して縦方向に約15%収縮し、横方向に約28%収縮し、地経糸密度230本/10cm、緯糸密度215本/10cmの多色織柄モケットに仕上がった。この多色織柄モケットをタテとヨコに裁断して採取した試験片(試料幅8cm、試料長さ25cm、測定長さ15cm)は、図5に示す伸びを示した。図5において、Xは、多色織柄モケットの幅方向に長く採取した試験片の荷重−伸度曲線を示し、Yは、多色織柄モケットの長さ方向に長く採取した試験片の荷重−伸度曲線を示す。
【0020】
【比較例1】
実施例に使用したポリエステル繊維(テトロン)85重量%とレーヨン15重量%との混紡糸(綿番手30/2)と弾性糸(東レ株式会社商品名;オペロン)との合撚糸を地経糸と緯糸に用い、異色三種の羊毛繊維紡績糸(毛番手3/48)をパイル糸に用い、筬密度87.8羽/10cmの各筬羽間に上布用地経糸2本と異色3種のパイル糸(3本)と下布用地経糸2本との合計7本の糸条を引き込み、緯糸打込密度187本/10cmとし、ジャカードを搭載したダブルパイル織機において異色三種のパイル糸を選択的に上布用緯糸と上布用緯糸に係止させ、図6に示す如く、図柄形成に不要の残余二種のパイル糸を沈糸として地経糸と同様に上布と下布の各地織組織にも織り込んで一越組織多色織柄モケット原反を織成し、センターカットして上布と下布を切離し、それらのパイル面にシャーリングを施して多色織柄モケットを製造した。
【0021】
この多色織柄モケットを加熱処理すると、地経糸と緯糸を構成する熱可塑性合成繊維(弾性糸)の潜在収縮応力が顕現し、縦方向に約5%収縮し、横方向に約10%収縮し、地経糸密度202本/10cm、緯糸密度196本/10cmの多色織柄モケットに仕上がった。この多色織柄モケットをタテとヨコに裁断して採取した試験片(試料幅8cm、試料長さ25cm、測定長さ15cm)は、図5に示す伸びを示した。図5において、X′は、多色織柄モケットの幅方向に長く採取した試験片の荷重−伸度曲線を示し、Y′は、多色織柄モケットの長さ方向に長く採取した試験片の荷重−伸度曲線を示す。
【0022】
【比較例2】
実施例において使用したポリエステル繊維(テトロン)85重量%とレーヨン15重量%との混紡糸(綿番手30/2)を、弾性糸(東レ株式会社商品名;オペロン)と合撚することなく、そのまま地経糸と緯糸に用いた他は実施例と同様に、異色三種の羊毛繊維紡績糸(毛番手3/48)をパイル糸に用い、筬密度87.8羽/10cmの各筬羽間に上布用地経糸2本と異色3種のパイル糸(3本)と下布用地経糸2本との合計7本の糸条を引き込み、緯糸打込密度187本/10cmとし、ジャカードを搭載したダブルパイル織機において異色三種のパイル糸を選択的に上布用緯糸と上布用緯糸に係止させ、図柄形成に不要の残余二種のパイル糸を上布と下布の何れの地織組織にも織り込まず上布10と下布30の間に閉じ込めて一越組織多色織柄モケット原反を織成し、センターカットして上布と下布を切離し、それらのパイル面にシャーリングを施して多色織柄モケットを製造した。
【0023】
この多色織柄モケットを加熱処理すると、地経糸と緯糸を構成する熱可塑性合成繊維の潜在収縮応力が顕現し、縦方向に約1%収縮し、横方向に約4%収縮し、地経糸密度189本/10cm、緯糸密度189本/10cmの多色織柄モケットに仕上がった。この多色織柄モケットをタテとヨコに裁断して採取した試験片(試料幅8cm、試料長さ25cm、測定長さ15cm)は、図5に示す伸びを示した。図5において、X″は、多色織柄モケットの幅方向に長く採取した試験片の荷重−伸度曲線を示し、Y″は、多色織柄モケットの長さ方向に長く採取した試験片の荷重−伸度曲線を示す。
【0025】
【発明の効果】
本発明の多色織柄モケット(請求項1)では、パイル糸は緯糸13・33に抑えられてU字状に折れ曲がって地織組織20・40から突き出た2個1組となるカットパイル39を形成しており、カットパイル39の一端が地織組織20・40の内部に沈糸となって織り込まれていない。そして地経糸と緯糸の70重量%以上を熱収縮応力が潜在している熱可塑性合成繊維が占めており、且つ、その熱可塑性合成繊維の5〜50重量%を切断伸度100%以上の弾性繊維が占めている。このため、製織後の加熱処理において地経糸と緯糸を構成する熱可塑性合成繊維の潜在収縮応力が顕現して地織組織がパイル糸に左右されず収縮し、その熱収縮分だけ伸縮性に富むものとなる一方、その加熱処理して仕上がった地織組織を引っ張るときはパイル糸に左右されずに伸長し、伸縮性に富む多色織柄モケット37が得られる。
【0026】
そして、地経糸45と緯糸13(33)の一部に木綿繊維、レーヨン、羊毛繊維等の非熱可塑性繊維を混用するときは、弾性糸の伸縮性が非熱可塑性繊維に抑えられるので、製織過程で地経糸45と緯糸13(33)のテンションが安定し、従って、地経糸45と緯糸13(33)が伸縮性に富むとしても、そのことによって製織性が損なわれず、所要の経糸密度と緯糸密度の多色織柄モケット37を織成することが出来、その織成後に加熱処理するときは、紡績工程や撚糸工程、或いは、製織工程におけるテンションによって地糸に蓄積された潜在収縮応力が顕在化して多色織柄モケットが収縮し、付形加工に必要な伸度を有する多色織柄モケットに仕上がる。尚、本発明において、地糸に占める熱可塑性合成繊維の割合を70重量%以上とし、非熱可塑性繊維の混用率を70重量%未満とするのは、非熱可塑性繊維が多色織柄モケットの製織性をよくするとしても、それによって付形加工に必要な伸縮性が損なわれないようにするためである。又、熱可塑性合成繊維に占める弾性繊維の割合を50重量%以下とするのは、潜在収縮応力が大きく作用する弾性繊維によって多色織柄モケットの伸縮性が確保されるとしても、そのことによって多色織柄モケットの寸法安定性が損なわれないようにするためである。
【0027】
本発明(請求項2)では、パイル糸が入れ替わる図柄の形際でも、順次織り込まれる1本おきの全ての緯糸13a(33a)に、異色数種のパイル糸11・12・31・32の中から選ばれた1本のパイル糸がU字状に係止されてカットパイル39a(39b・39c・39d)を形成しており、図柄の形際に無パイル箇所(17)が出来ず、従って、付形加工によって引き伸ばされても図柄の形際に窪みが出来ず、パイル面が均一に揃った車両内装材に仕上げることが出来る。
【0028】
本発明(請求項4)では、各パイル列43・44のカットパイルカットパイル39a(39b・39c・39d)が順次織り込まれる全ての緯糸13a・13b(33a・33b)にU字状に係止されているので、付形加工によって引き伸ばされても、パイル層16が割れて緯糸13(33)がパイル面に露出することはない。
【0029】
本発明(請求項3)では、隣合うパイル列43・44のパイル糸が順次織り込まれる緯糸13a(33a)と緯糸13b(33b)に交互に1本おきにU字状に係止されたカットパイルを形成しており、パイルが係止されたパイル列43とパイルが係止されないパイル列44とが緯糸13(33)の長さ方向に沿って交互に続いており、その緯糸13(33)のパイルが係止されていない部分47では、パイルが係止された部分46よりも伸縮し易いので、多色織柄モケット37の緯糸方向での伸縮性を高めることが出来る。
【0030】
このように本発明によると、伸縮性に富み、付形加工しやすく、付形加工によって形際に窪みが出来ず、図柄の形際が先鋭な多色織柄モケットを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多色織柄モケット原反の断面側面図である。
【図2】本発明に係る多色織柄モケットの断面側面図である。
【図3】本発明に係る多色織柄モケットの拡大斜視図である。
【図4】本発明に係る多色織柄モケットの断面側面図である。
【図5】本発明に係る多色織柄モケットと従来技術に係る多色織柄モケットの荷重−伸度曲線図である。
【図6】従来技術に係る多色織柄モケット原反の断面側面図である。
【図7】従来技術に係る多色織柄モケットの断面側面図である。
【符号の説明】
10 上布
11・12 パイル糸
13 緯糸(上糸)
16 パイル層
17 無パイル箇所
18 残余のパイル糸に続く最初のカットパイル
19 多色織柄モケット原反
20 地織組織
21・22 残余のパイル糸
30 下布
31・32 パイル糸
33 緯糸(下糸)
36 残余のパイル糸の余長分
37 多色織柄モケット
38 残余のパイル糸に続く最後のカットパイル
39 カットパイル
40 地織組織
41・42 残余のパイル糸

Claims (4)

  1. 地経糸が緯糸1本おきに上に越え下に潜る一越組織モケットの地経糸に仕切られ左右隣合う各パイル列において、順次織り込まれる少なくとも1本おきの全ての緯糸に異色数種のパイル糸の中から選ばれた1本のパイル糸がU字状に係止されてカットパイルを形成しており、地経糸と緯糸の70重量%以上を熱可塑性合成繊維が占めており、且つ、その熱可塑性合成繊維の5〜50重量%を切断伸度が100%以上の弾性繊維が占めており、一越組織モケットの地織組織が、地経糸と緯糸によってのみ構成されていることを特徴とする多色織柄モケット。
  2. 前掲請求項1に記載のパイル糸が、順次織り込まれる1本おきの全ての緯糸に係止されていることを特徴とする前掲請求項1に記載の多色織柄モケット。
  3. 前掲請求項1に記載の隣合うパイル列のパイル糸が、順次織り込まれる緯糸に交互に1本おきにU字状に係止されてカットパイルを形成していることを特徴とする前掲請求項1に記載の多色織柄モケット。
  4. 前掲請求項1に記載の各パイル列のカットパイルが、順次織り込まれる全ての緯糸にU字状に係止されていることを特徴とする前掲請求項1に記載の多色織柄モケット。
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