JP3051505U - 刺繍の如き外観を有する織物 - Google Patents

刺繍の如き外観を有する織物

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JP3051505U
JP3051505U JP1998001109U JP110998U JP3051505U JP 3051505 U JP3051505 U JP 3051505U JP 1998001109 U JP1998001109 U JP 1998001109U JP 110998 U JP110998 U JP 110998U JP 3051505 U JP3051505 U JP 3051505U
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榮一 福井
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榮一 福井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 織機で織る織物の中に刺繍の如き外観を有す
る部分を織り出して、織物の高級化に寄与する。 【解決手段】 経糸と縫取糸との位置関係において、n
Aで表わされる本数の経糸の上に縫取糸がある部分と、
mAで表わされる本数の経糸の下に縫取糸がある部分と
が交互に存在する組織を有する織物を提供する。ただ
し、1≦n≦50,1≦m≦8,1≦A≦20であっ
て、8≦nA≦80,1≦mA≦16とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、織物に係るものであり、詳しくは、刺繍の如き外観を有する縫取織 物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の縫取織物においては、織機に付属する紋織装置の関係から、縫取糸と経 糸との位置関係は通常、経糸8本のうち1本は必ず縫取糸と組織するものであっ た。すなわち経糸7本を飛ばしても次の8本目の経糸と縫取糸とは必ず組織点を 有するのが、従来の縫取織物であった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、このような組織のみでは、縫取糸の色と、縫取の柄に変化をつけるこ とだけが、織物としての生命であって、他に何の新らし味もないものであった。 そこで、本考案は、織機で織る織物の中に新たに刺繍の如き感覚を取り入れる ことを目的として、新たな織物組織を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案に係る織物においては、従来は通常7本の 経糸を飛ばして組織した縫取糸の組織点を、従来の縫取織物よりも更に多数の経 糸を飛ばせることを特徴とし、経糸と縫取糸との位置関係において、nAで表わ される本数の経糸の上に縫取糸がある部分と、mAで表わされる本数の経糸の下 に縫取糸がある部分とが、交互に存在する組織を有するものである。
【0005】 本明細書に示すAは、紋織装置(ジャガードとこれにかける機拵えとから成る )の関係で、1乃至20の範囲が可能であるが、通常は後述の理由から4又は9 である。 又本明細書中のn及びmは、正の整数であって、Aと同様の理由から、1≦n ≦50,1≦m≦8の範囲が可能であるが、通常は2≦n≦15,1≦m≦3で ある。
【0006】 n,m及びAの範囲については上述の通りであるが、Aが大である程、n,m は小であってもよい訳で(mはむしろ小さい方がよい)、従ってもう1種類の数 値nA,mAの範囲は、可能な範囲としては8≦nA≦80,1≦mA≦16で あるが、通常は12≦nA≦60,3≦mA≦12である。上述の通りであるか ら、nとmは必ずしも同一である必要はなく、1反の織物の中にあっては、n, mはそれぞれ一定であることを要しない。
【0007】 上記のAの数値について更に詳しく述べる。 このAは、紋織装置のジャガードの口数(竪針の数、すなわち、横針の数でも ある)と織物の経糸数によって定まり、いわゆる一釜の機拵え(織物の巾方向に 柄の繰返しのない織物を織るための機拵え)の場合、経糸数を仮に約3600本 とすると、900口のジャガードならばA=4、400口のジャガードならばA =9である。
【0008】 丹後及び西陣の織物業界では400口又は900口のジャガードを多く用いて いるが、ジャガードの口数と、織物の経糸の本数によっては、Aの数値は1〜2 0が実用可能である。 又、Aの数値は1反の織物の中では一定である。
【0009】 上記一釜の機拵えの場合、好ましくは流れ刺し(ベタ刺しとも云う)とするの が普通である。しかし乍ら、織物の多少の不出来を我慢するならば、必ずしも流 れ刺しでなくても飛び刺しの機拵えでも同様の組織は可能であり、場合によって は、糸把釣の機拵えで、同様の組織を作ることも可能である。 又緯糸の特徴としては、地緯糸に強撚糸を用いると、製織後の整理又は精錬に より、撚り効果が現われて、地緯糸が収縮し、縫取糸の醸し出す刺繍効果は縫取 糸がふくれることによって更に増加する。
【0010】 地緯糸としては、例えば1m間の撚り数が約3500回というような強撚をか けた片撚り糸を2本〜4本程度合糸して、例えば約800回/米(T/mとも表 わす)撚り戻した強撚諸糸を用いてもよいし、強撚をかけた片撚り糸を、そのま ま用いてもよい。ただし撚り数としては、上記の数値に特定されるものではなく 、強撚糸の範囲に入るものならばよい。
【0011】 縫取糸について述べるならば、縫取糸は通常の緯糸の太さ(200デニール前 後)よりも遙かに太い800デニール前後のものを用いると刺繍効果は一段と優 れたものとなる。しかし縫取糸の実用的な範囲としては、400デニール乃至1 200デニールの甘撚りの片撚り糸又は諸糸が使用可能である。
【0012】
【考案の実施の形態】
考案の実施の形態について図面を参照して説明する。 図1は、本考案に係る縫取糸と経糸との関係を示している。1は地緯糸、3は 絵緯糸、2は縫取糸である。4は経糸を示す。 図1の場合は、縫取糸が経糸の上にある部分Xは経糸8本分で、下にある部分 Yは経糸4本分である。この図の例では、A=4,n=2,m=1となる。
【0013】 Xの部分について云えば、縫取糸が組織しない経糸の数がAの正の整数倍増え ることにより、更に拡がりをもたせることが出来る。その場合にはn>2となる 。Yの部分について云えば、縫取糸が組織しない経糸の数がAの正の整数倍増え てもよいが、通常はAの本数にとどめることが多い。この場合にはm=1である 。しかしA<4のようにAの数値によってはm>1としてもよい場合もある。
【0014】 又図1において太い線で囲った部分がX部分及びY部分の一完全の組織図であ る。
【0015】 図2は、経糸4と地緯糸1及び絵緯糸3とで組織される地組織の一完全を示す 。 図3は、図2に於ける絵緯糸3の組織を変化させたもので、これらの組織に縫 取糸2を織り込んだものが本考案の一例を示す図1と図4とのX部分及びY部分 である。
【0016】 図5は、従来の縫取の組織図である。縫取糸は8本のうちの1本が必ず経糸と 組織している。 図4は、本考案に係る組織の一例を示す組織図で、A=4,n=3,m=1の 場合を示している。 図が大きくなるので、図示は出来ないが、実際の織物では、A=4の場合nの 数値を更に大きく、8位にすると刺繍の感覚を更にもり上げることが出来る。
【0017】
【考案の効果】
織機で織り出される従来の縫取織物においては、縫取糸は、通常経糸8本のう ちの1本と必ず組織するものであった。この縫取織物も出現した当初は、珍重さ れる存在であったが、今日では既に普通の商品となってしまっている。
【0018】 そこで本考案は特殊な機拵えとそれにマッチした紋組織を採用することにより 、従来の縫取織物にない刺繍の如き外観を持った新しい縫取織物を提供するもの である。
【0019】 すなわち機拵えは流れ刺しとし、本考案に係る組織の部分では紋針のみを働か せて、伏せ機を働かせないのである。 併しながら、1反の織物の中では、従来の縫取組織も共に用いることが出来、 この従来の縫取組織の部分では伏せ機も働かせるのである。 こうして本考案に係る新しい組織を用いることにより、手作業によらずに刺繍 の如き外観を有する高級感あふれる織物を織機で織り出すことが出来るようにな ったのである。しかも製織の段階で組織をしてしまうので、組織的には、手刺繍 によるものより細かく美しく仕上がり、更に、その後の整理又は精錬などの加工 により地緯糸を収縮させることにより、縫取糸にふくらみが出るので、通常の刺 繍よりもボリューム感が出るのである。 又、この組織を後染織物に利用することにより、刺繍のような外観を有する部 分を、地色と同色にも染められるし、地紋おこしのような染め方で、地色とは別 の色に染めることも出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る組織の一例を示す組織図。ただし
A=4,n=2,m=1の場合。
【図2】経糸と地緯糸及び絵緯糸とで組織する地組織の
一例を示す組織図。
【図3】経糸と地緯糸及び絵緯糸とで組織する地組織の
一例を示す組織図。
【図4】本考案に係る組織の一例を示す組織図。ただし
A=4,n=3,m=1の場合。
【図5】従来の縫取織物の縫取部分の組織図。
【符号の説明】
1 地緯糸 2 縫取糸 3 絵緯糸 4 経糸 X 本考案に係る縫取部分のうち縫取糸を飛ばす経糸の
数がnAの部分 Y 本考案に係る縫取部分のうち縫取糸を飛ばす経糸の
数がmAの部分

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経糸と縫取糸との位置関係において、n
    Aで表わされる本数の経糸の上に縫取糸がある部分と、
    mAで表わされる本数の経糸の下に縫取糸がある部分と
    が交互に存在する組織を有する織物。ただし、1≦n≦
    50,1≦m≦8,1≦A20であって、8≦nA≦8
    0,1≦mA≦16とする。
  2. 【請求項2】 経糸と縫取糸との位置関係において、n
    Aで表わされる本数の経糸の上に縫取糸がある部分と、
    mAで表わされる本数の経糸の下に縫取糸がある部分と
    が交互に存在する組織を有し、 地緯糸として強撚糸を用い、縫取糸として、400デニ
    ール乃至1200デニールの甘撚糸を用いた後染織物。
    ただし、2≦n≦15,1≦m≦3,3≦A≦12であ
    って、12≦nA≦60,3≦mA≦12とする。
JP1998001109U 1998-02-16 1998-02-16 刺繍の如き外観を有する織物 Expired - Lifetime JP3051505U (ja)

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