JP2000015343A - 加工金属板支持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人手によることなく加工中の金属板を支持で
き、且つ大きさの異なる金属板に対してもスムーズに対
応でき、且つ金属加工の作業効率を向上させ、更に安全
に加工作業を行うことができるようにした加工金属板支
持装置を提供することにある。 【解決手段】 支持台２に回転軸３を設け且つこの回転
軸３を所定の回転角度で正・逆回転させる駆動装置４を
設け、更に回転軸３と一体的に正・逆回転できるように
金属板支持アーム５を設けた。また、金属板支持アーム
５は支持腕杆５ａと金属板支持杆５ｂとからなり角度を
変えて連結することができる。更にストライカー１２と
位置検出器３３によって回転軸３の回転角度を制御でき
るようにしてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、長尺な金属薄板等
を折り曲げ加工する装置に添って配置し、この装置によ
る金属板加工作業を補助するための加工金属板支持装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に長尺の薄い金属板を種々の角度や
寸法等に曲げ加工する場合は、油圧のプレス加工装置等
に所望の専用金型（ダイ）と金属板を押圧するパンチを
取付け、金属板の加工箇所をダイの上に載せてパンチで
押圧し、所望の曲げ形状に金属板を加工している。

【０００３】この加工中、ダイとパンチで押圧加工して
いる部分以外の金属板部分は、装置の前方に自重によっ
て垂れ下がった状態となるため、従来は作業員が手でこ
の垂れ下がる金属板部分を支えて加工作業を進めてい
た。

【発明が解決しようとする課題】

【０００４】しかしながら、一枚の金属板の複数箇所を
曲げ加工したり、或いは多数の金属板を順次加工しなけ
ればならない加工工場においては、加工中、常に人手に
よって加工している金属板の上記した部分を支えなけれ
ばならないといったことは、作業の効率や安全性等の点
から問題であった。また、重い金属板を支えるのは作業
員にとって大変であった。

【０００５】本発明はこのような点に鑑みて開発された
ものであり、その目的とするところは、人手によること
なく加工中の金属板を支持でき、且つ大きさの異なる金
属板に対してもスムーズに対応でき、且つ金属加工の作
業効率を向上させ、更に安全に加工作業を行うことがで
きるようにした加工金属板支持装置を提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を有
効に達成するために、次のような構成にしてある。すな
わち、請求項１記載の本発明の加工金属板支持装置は、
支持台に回転軸を設け且つこの回転軸を所定の回転角度
で正・逆回転させる駆動装置を設け、更に回転軸と一体
的に正・逆回転できるように金属板支持アームを設けた
ことを特徴とする構成にしてある。

【０００７】請求項２記載の本発明の加工金属板支持装
置は、支持台に回転軸を設け且つこの回転軸を所定の回
転角度で正・逆回転させる駆動装置を設け、更に回転軸
と一体的に正・逆回転でき且つ水平移動可能なように複
数の支持腕杆を回転軸に設け、且つ各支持腕杆の先端部
に、先端にローラを設けた金属板支持杆を連結角度変更
可能に設けたことを特徴とする構成にしてある。

【０００８】請求項３記載の本発明の加工金属板支持装
置は、請求項１又は２記載の加工金属板支持装置の構成
において、複数のストライカーを回転軸と一体的に回転
するように設けると共に、各ストライカーの取付け位置
を回転方向にづらして設け、更に回転時に各ストライカ
ーと所定間隔を以て対峙するように位置検出器を非回転
箇所に設けたことを特徴とする構成にしてある。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付の図に
基づいて説明する。図１〜図７は本発明に係る一例の加
工金属板支持装置に関する図であって、図１に示すよう
に加工金属板支持装置１は、金属板Ａを折り曲げ加工す
るプレス加工装置Ｂの前方に沿うようにして設け、プレ
ス加工装置Ｂによる加工作業を機械的に補助するもので
ある。

【００１０】加工金属板支持装置１は、図２に示すよう
に支持台２、回転軸３、駆動装置４、金属板支持アーム
５等によって構成されている。

【００１１】より具体的に説明すると、支持台２（図１
参照）はプレス加工装置Ｂの前面側に沿うように形成さ
れた横長で且つプレス加工装置Ｂの加工箇所ｂより少し
低い位置までの高さの金属製の台である。

【００１２】この支持台２の前面６（図２参照）には、
３か所に軸受７が同軸線上に設けられている。この軸受
７に回転軸３が回転可能に嵌着されている。勿論、軸受
７を何箇所に設けるかは自由に設計変更してよい。

【００１３】この回転軸３には、後述する金属板支持ア
ーム５を人手によって水平移動させることができるよう
に、長手方向の１箇所に横断面四各形状の長溝８が形成
されている。

【００１４】回転軸３の一端側には、カップリング９を
介して駆動装置４が連結されている。駆動装置４は、こ
の例ではインバータ制御によって回転をコントロールで
きるブレーキ付減速モータが使用されていて、支持台２
の側部に設けた架台１０に載置して固定されている。駆
動軸１１はこのモータの両側から突出していて、一方側
に突出した軸部１１ａは上記したカップリング９によっ
て回転軸３に連結されている。また、もう一方側から突
出した軸部１１ｂ（図３、図４参照）の端には筒部材１
３が嵌着され、この筒部材１３の端に複数枚のストライ
カー１２（１２ａ，１２ｂ，１２ｃ）が設けられてい
る。ストライカー１２は筒部材１３を介して駆動軸１１
の回転とともに回転するようにしてある。

【００１５】すなわち、軸部１１ｂには端部からキー溝
１４が形成され、筒部材１３の内面側に形成したキー溝
１５と対峙させて平行キー１６によって筒部材１３を軸
部１１ｂに固定してある。筒部材１３の端部は外周面に
段差がつくように形成されている。

【００１６】この外周段差部１７の最奥側には、中央に
係合穴１９を形成した円形状の支持板１８が係合されて
筒部材１３に溶接してある。この支持板１８は、各スト
ライカー１２（１２ａ，１２ｂ，１２ｃ）を所望位置に
取付け角度をづらして固定するためのものである。ま
た、支持板１８には、同一円周上の３か所に円弧状長穴
２０が形成されている。

【００１７】図５に示すように各ストライカー１２（１
２ａ，１２ｂ，１２ｃ）は、筒部材１３の外周段差部１
７に係合できる穴２１を穿設した基部２２と、この基部
２２の外周の一部から外方に突出形成された突出部２３
とからなる。突出部２３の先端には尖部２４が形成さ
れ、支持板１８の外周に形成した位置決め目盛２５を指
示するようにしてある。尖部２４によって位置決め目盛
２５を指示できるようにすることにより、各ストライカ
ー１２を所望の位置に正確に設定することができる。こ
の突出部２３の尖部２４側には小円部２６が形成され、
中央に穴２７が形成してある。この穴２７はボルト２８
を挿通でき、このボルト２８に蝶ナット２９を螺着する
ことにより、支持板１８の円弧状長穴２０を挿通したボ
ルト２８を支持板１８に固定することができる。蝶ナッ
ト２９を弛めることによって各ストライカー１２を各円
弧状長穴２０の範囲内で移動させ、再び蝶ナット２９を
締め付けることにより、各ストライカー１２の取付け位
置を調節することができる。上記の各ボルト２８の頭部
３０は、駆動装置４側に突出した状態となっている。

【００１８】また、各ストライカー１２（１２ａ，１２
ｂ，１２ｃ）を係合させた筒部材１３の端にはエンドプ
レート３１が当接されている。このエンドプレート３１
は中央に穴３１ａが形成され、この穴３１ａにボルト３
２の螺子軸部３２ａを挿通し、駆動軸１１の軸部１１ｂ
の端部中央に形成して螺子穴（図示せず）に螺着してあ
る。エンドプレート３１は、このようにして筒部材１３
の端に固定され、駆動軸１１の回転時に各ストライカー
１２（１２ａ，１２ｂ，１２ｃ）の基部２２が筒部材１
３から外れないようにしてある。

【００１９】上記の各ストライカー１２（１２ａ，１２
ｂ，１２ｃ）を固定するボルト２８の頭部３０と５ｍｍ
位の間隔を以て対峙する位置に、ブラケット３４に支持
された位置検出器３３が設けられている。位置検出器３
３はこの例では近接スイッチが使用され、各ストライカ
ー１２（１２ａ，１２ｂ，１２ｃ）のボルト２８の頭部
３０と対峙するブラケット３４の同一円周上の３か所に
設けられている。

【００２０】勿論、各ストライカー１２（１２ａ，１２
ｂ，１２ｃ）のボルト２８の頭部３０が、常に各位置検
出器３３と対峙しているわけではなく、駆動軸１１の回
転時に対峙する。

【００２１】尚、図３に示すように３３ａは、後述する
金属板支持アーム５の上限位置を検出するための上限用
位置検出器の設置位置を示し、３３ｂは中限用位置検出
器の設置位置を示し、３３ｃは下限用位置検出器の設置
位置を示している。また、ブラケット３４は上記した架
台１０に立設されている。

【００２２】上記した回転軸３の長溝８の箇所には、こ
の例では２本の金属板支持アーム５が回転軸３と一体的
に正・逆回転できるように設けられている。

【００２３】すなわち、金属板支持アーム５（図１、図
２参照）は、支持腕杆５ａと、この支持腕杆５ａより短
い金属板支持杆５ｂとからなる。支持腕杆５ａには、一
端部に回転軸３を遊嵌できる穴３４（図６、図７参照）
が形成されていると共に、内周面の一か所に回転軸３の
長手方向に沿って回転軸３の長溝８と同形の溝３５が形
成されている。

【００２４】回転軸３の長溝８内にはボスネジ（図示せ
ず）によって固定された平行キー３６が設けられてい
る。この平行キー３６には、回転軸３に挿入した支持腕
杆５ａの溝３５が係合されている。このようにして支持
腕杆５ａの一端は、回転軸３の外周面に対して水平移動
（摺動）でき且つ回転方向に動かないように設けられて
いる。

【００２５】また、支持腕杆５ａの他端には、金属板支
持杆５ｂの取付け角度を選択的に変えて取付けられるよ
うに、支持杆用ブラケット３７が固定されている。支持
杆用ブラケット３７は、扇状の形状で外周に沿って所定
間隔毎に３か所に係止ボルト３８用の穴３９を左右の対
峙位置に形成されている。更に３つの穴３９位置を半径
とする円の中心位置には、金属板支持杆５ｂの端を枢支
するための枢支ボルト４０を係止する穴４２が左右の対
峙位置に形成されている。

【００２６】支持杆用ブラケット３７の穴４２位置に
は、金属板支持杆５ｂの一端に形成した貫通穴４３を位
置させ、枢支ボルト４０、ナット４４によって金属板支
持杆５ｂを揺動可能に枢支する。また、この枢支した金
属板支持杆５ｂの貫通穴４３の近傍には、係止ボルト３
８を挿通できる貫通穴４５が形成されていて、この貫通
穴４５を支持杆用ブラケット３７の所望の穴３９に合致
させて係止ボルト３８、ナット４８で金属板支持杆５ｂ
を支持杆用ブラケット３７に係止することにより、金属
板支持杆５ｂを支持腕杆５ａに対して所望の角度で固定
することができる。

【００２７】また、金属板支持杆５ｂの先端側には、ロ
ーラ４６が支持軸４７を介して回動可能に設けられてい
る。尚、金属板支持アーム５を使用しない場合は、支持
腕杆５ａから金属板支持杆５ｂを外し、図１に仮想線で
示したように支持腕杆５ａは支持台２に沿って下に下げ
た状態にしておく。このようにして金属板支持杆５ｂを
外しておくことにより、プレス加工装置Ｂを使用しない
時は、金属板支持アーム５が他の作業の邪魔になること
もない。

【００２８】上述のような構成からなる本発明の加工金
属板支持装置１は、図１に示すようにプレス加工装置Ｂ
の前面側に設置し、加工する金属板Ａを加工箇所ｂに送
り、ダイｄ上に載せた金属板Ａの一部をパンチｃによっ
て曲げ加工する時に、この金属板Ａがプレス加工装置Ｂ
の前方に長い場合は図１に示す角度に金属板支持杆５ｂ
を支持腕杆５ａに固定し、駆動装置４を作動させて回転
軸３を所定の角度だけ回転させる。

【００２９】回転軸３の停止位置は前記したストライカ
ー１２（１２ａ，１２ｂ，１２ｃ）を位置検出器３３
（図２参照）によって検出し、制御装置（図示せず）に
よって事前に設定された検出条件と比較・判断して、金
属板支持アーム５を所定位置に停止させ、ローラ４６を
金属板Ａに当接させて支持する。

【００３０】また、曲げ加工する時に、この金属板Ａが
プレス加工装置Ｂの前方に短い場合は、支持腕杆５ａに
対して金属板支持杆５ｂを鋭角に係止して金属板Ａを支
持するとよい。

【００３１】更に金属板Ａの幅寸法の大小に合わせて各
金属板支持アーム５を水平方向に移動させることによっ
て、金属板Ａを確実に支持して曲げ加工を補助すること
ができる。

【００３２】尚、上記の例では 金属板支持アーム５は
回転軸３に２本設けてあるが、３本以上でもよい。勿
論、１本でもよいが、この場合はローラ長さを長くする
必要がある。また、金属板支持アーム５は、所定の角度
に屈曲した１本物であってもよい。また、ストライカー
１２の検出も、リミットスイッチや他の検出センサを使
用してもよい。

【００３３】

【発明の効果】上記の説明でも明らかなように本発明の
加工金属板支持装置では、金属板をプレス加工装置等で
曲げ加工する場合に、この金属板を金属板支持アームで
支えることにより、従来のように人手によることなく安
全に且つ効率よく加工作業を進めることができ、生産効
率を高めることができる。

【００３４】また、回転軸に設けた金属板を支える複数
の金属板支持アーム（支持腕杆と金属板支持杆）は、回
転軸に対して水平方向に移動可能にしてあるので、加工
する金属板の幅寸法に応じて、金属板支持アーム同士の
間隔を広げたり、狭めたりすることができる。そのた
め、各種の幅寸法の金属板を安全に且つ確実に支持する
ことができる。

【００３５】さらに、加工する金属板の長さに応じて、
支持腕杆に対する金属板支持杆の連結角度を任意に変え
て連結することができるので、長さの短い金属板や長い
金属板に対しても確実に支持することができる。したが
って、スムーズに加工作業を進めることができる。

【００３６】また、ストライカーと位置検出器によって
回転軸の回転角度を制御することができるので、加工中
の金属板に対する金属板支持アーム（支持腕杆と金属板
支持杆）の支持角度を設定できる。また、安全に駆動装
置の作動を制御することができるため、安全・確実に加
工作業を行うことができる。

【００３７】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る加工金属板支持装置の側部の一断
面からみた簡略説明図である。

【図２】本発明に係る加工金属板支持装置を設置した状
態の簡略正面図である。

【図３】ストライカーの取付け状態を示す説明図であ
る。

【図４】ストライカーと位置検出器との取り合い関係を
示す説明図である。

【図５】ストライカーの平面図である。

【図６】回転軸と支持腕杆の基部との係合関係を示す断
面の説明図である。

【図７】回転軸と支持腕杆との係合関係を示す説明図で
ある。

【符号の説明】

１ 加工金属板支持装置 ２ 支持台 ３ 回転軸 ４ 駆動装置 ５ 金属板支持アーム ５ａ 支持腕杆 ５ｂ 金属板支持杆 １２ ストライカー ３３ 位置検出器 ４６ ローラ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持台に回転軸を設け且つこの回転軸を
   所定の回転角度で正・逆回転させる駆動装置を設け、更
   に回転軸と一体的に正・逆回転できるように金属板支持
   アームを設けたことを特徴とする加工金属板支持装置。
2. 【請求項２】 支持台に回転軸を設け且つこの回転軸を
   所定の回転角度で正・逆回転させる駆動装置を設け、更
   に回転軸と一体的に正・逆回転でき且つ水平移動可能な
   ように複数の支持腕杆を回転軸に設け、且つ各支持腕杆
   の先端部に、先端にローラを設けた金属板支持杆を連結
   角度変更可能に設けたことを特徴とする加工金属板支持
   装置。
3. 【請求項３】 複数のストライカーを回転軸と一体的に
   回転するように設けると共に、各ストライカーの取付け
   位置を回転方向にづらして設け、更に回転時に各ストラ
   イカーと所定間隔を以て対峙するように位置検出器を非
   回転箇所に設けたことを特徴とする請求項１又は２記載
   の加工金属板支持装置。