JP2000012873A - フォトトランジスタおよび特定物検出装置および特定物の検出方法 - Google Patents

フォトトランジスタおよび特定物検出装置および特定物の検出方法

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JP2000012873A JP16989598A JP16989598A JP2000012873A JP 2000012873 A JP2000012873 A JP 2000012873A JP 16989598 A JP16989598 A JP 16989598A JP 16989598 A JP16989598 A JP 16989598A JP 2000012873 A JP2000012873 A JP 2000012873A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタを用いることなく特定の波長のみに
感度を有し、小型化と低コスト化に対応できるフォトト
ランジスタおよび特定物検出装置および特定物の検出方
法を提供する。 【解決手段】 フォトトランジスタの受光部のアノード
層6の表面側に形成された第2カソード層7とアノード
層6とを短絡電極11で短絡して、短波長光感度を低減
する。また、上記フォトトランジスタと発光素子とを有
する特定物検出装置は、発光素子のピーク発光波長λA
よりもフォトトランジスタのピーク感度波長λBを長く
する。上記特定物検出装置の発光素子からの短波長光を
被検出物が吸収して、吸収された光のエネルギーにより
被検出物から放出された長波長光をフォトトランジスタ
により受光することによって、特定物検出装置により特
定の被検出物を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特定波長の光に
のみ反応するフォトトランジスタおよび発光素子と受光
素子とを有する特定物検出装置および特定物の検出方法
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、フォトトランジスタとしては、トランジスタ部と受
光部とを有し、その受光部にフォトダイオードを用いた
ものがある。このフォトトランジスタの信号源である光
源から長波長の赤外線を発する場合、可視光等の波長の
短い光が受光部に外乱光として受光されると、誤動作の
原因となるので、このフォトトランジスタを用いて製品
を組み立てるときに、受光部の短波長光に対する感度を
低下させるために短波長光カット用フィルタを受光部と
光源との間に挿入している。
【0003】ところが、上記フォトトランジスタでは、
短波長光カット用フィルタを挿入する必要があるため、
このフォトトランジスタを用いた製品の小型化に限界が
生じると共に、コストも高くなるという欠点がある。な
お、近年、製品の小型化,低価格化が進むにつれて、フ
ォトトランジスタ自体に特定の波長のみに感度を有する
性能が要求されている。
【0004】また、従来より上述のフォトトランジスタ
等を受光素子に用いた反射型フォトインタラプタとし
て、図11に示すようになものがあり、この反射型フォ
トインタラプタは、反射物に光を発する発光素子60と
その反射物からの反射光を受光する受光素子70とを備
えている。図12に示すように、上記発光素子60は、
リードフレーム63と、リードフレーム63に搭載され
た発光チップ61とを有し、上記発光チップ61を金線
62により内部結線すると共に、リードフレーム63,
発光チップ61を透明樹脂64により被覆している。ま
た、上記受光素子70は、リードフレーム73と、リー
ドフレーム73に搭載された受光チップ71とを有し、
上記受光チップ71を金線72により内部結線すると共
に、リードフレーム73, 受光チップ71を透明樹脂7
4により被覆している。そして、上記発光素子60と受
光素子70とを所定の間隔をあけて配置して、遮光性樹
脂75により一体成形している。上記発光素子60のピ
ーク発光波長は900nm〜950nmで受光素子70のピ
ーク感度波長は800nm〜950nmである。また、上記
受光素子70の分光感度特性は、図14に示すように、
波長950nmの光に対する感度を1とした場合、波長7
00nmの光に対する感度は0.7程度であり、波長によ
る感度の比はあまり大きくない。
【0005】上記構成の反射型フォトインタラプタは、
図13に示すように、発光素子60より波長λ1の光を
反射物76に発し、その反射物76により反射された波
長λ1の光が受光素子70に入射するか否かによって、
反射物76の有無を検知する。この場合、反射物として
ミラー,紙またはプラスチック等が考えられるが、これ
らは反射率の差はあるが入射光と同じ波長の反射光を得
るもので、反射物が変わっても、受光素子や電気回路の
ゲインを調整することで、ある程度検出可能である。し
たがって、上記反射型フォトインタラプタでは、反射物
のほとんどが検出対象となるため、特定の被検出物のみ
を検出することができず、セキュリティまたはシステム
の独占使用等に用いることが難しいという問題がある。
【0006】そこで、この発明の目的は、フィルタを用
いることなく特定の波長のみに感度を有し、小型化と低
コスト化に対応できるフォトトランジスタを提供するこ
とにある。
【0007】また、この発明のもう1つの目的は、特定
の被検出物のみを検出することができ、セキュリティま
たはシステムの独占使用等の用途に適用できる特定物検
出装置および特定物の検出方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1のフォトトランジスタは、第1導電型の半
導体基板からなるコレクタ層と、上記半導体基板の一方
の側に不純物を拡散することにより形成された上記半導
体基板と逆導電型である第2導電型のベース層と、上記
ベース層内の表面側に形成された第1導電型のエミッタ
層とを有するトランジスタ部と、上記半導体基板の上記
一方の側に不純物を拡散することにより形成された上記
アノード層と、第1カソード層としての上記半導体基板
とを有する受光部とを備えるフォトトランジスタにおい
て、上記アノード層内の表面側に形成された上記第2カ
ソード層と、上記第2カソード層と上記アノード層とを
短絡する短絡電極とを備えたことを特徴としている。
【0009】上記請求項1のフォトトランジスタによれ
ば、短波長光ほど上記受光部の浅い領域で吸収され、そ
の浅い領域の上記アノード層内の表面側に形成された第
2カソード層とアノード層との接合において発生した光
キャリアは、第2カソード層直下のアノード層を通って
上記短絡電極に達し、短絡電極により第2カソード層と
アノード層とで生じる光起電力を無効化する。一方、長
波長光は上記受光部の第2カソード層と第2導電型のア
ノード層との接合よりも深い領域で吸収され、第1カソ
ード層とアノード層との接合で発生した光キャリアによ
る光電流を上記トランジスタ部で増幅する。つまり、上
記受光部の受光表面側の比較的浅い領域で吸収される短
波長光に対する感度を低減するのである。したがって、
上記受光部の短波長感度を低減することによって、高価
な短波長カット用フィルタを挿入する必要がなくなり、
このフォトトランジスタを組み込む製品の小型化および
低価格化ができる。なお、上記ベース層とアノード層
は、同一の拡散領域であっても、異なる拡散領域であっ
てもよい。
【0010】また、請求項2のフォトトランジスタは、
請求項1のフォトトランジスタにおいて、上記トランジ
スタ部の上記ベース層と上記受光部の上記アノード層と
が同一の拡散領域であって、その拡散領域と上記トラン
ジスタ部の上記エミッタ層および上記受光部の上記第2
カソード層で形成される寄生トランジスタの電流増幅率
hFEが1以下となるように、上記エミッタ層と上記第2
カソード層との間隔を設定したことを特徴としている。
【0011】上記請求項2のフォトトランジスタによれ
ば、上記トランジスタ部のエミッタ層と上記受光部の第
2カソード層との間隔は、上記拡散領域とトランジスタ
部のエミッタ層および受光部の第2カソード層で形成さ
れる寄生トランジスタのベース層の幅に相当し、そのエ
ミッタ層と第2カソード層との間隔を調整することによ
って、寄生トランジスタの電流増幅率hFEを1以下にす
る。そうすることによって、上記寄生トランジスタが動
作しても、電流増幅率hFEが1以下であるので、上記受
光部に流れる光電流が低下するのを防止できる。
【0012】また、請求項3のフォトトランジスタは、
請求項1または2のフォトトランジスタにおいて、上記
第2カソード層と上記アノード層とを短絡する上記短絡
電極を上記半導体基板平面上の複数箇所に形成したこと
を特徴としている。
【0013】上記請求項3のフォトトランジスタによれ
ば、長波長光よりも短波長光が吸収されやすい上記受光
部の浅い領域の上記第2カソード層とアノード層6との
接合で発生した光キャリアは、第2カソード層直下のア
ノード層を通って短絡電極に達する。このとき、上記ア
ノード層の抵抗成分による電圧降下が第2カソード層と
アノード層との接合のオン電圧に達すると、短絡電極に
よる短絡効果がなくなるので、上記第2カソード層とア
ノード層とを短絡する短絡電極を半導体基板平面上の複
数箇所に形成して、短絡電流に対する抵抗成分を小さく
することによって、短絡電極による短絡効果を維持でき
る。
【0014】また、請求項4のフォトトランジスタは、
請求項1乃至3のいずれか1つのフォトトランジスタに
おいて、上記トランジスタ部の上記ベース層および上記
受光部の上記アノード層の周辺部に、上記ベース層,ア
ノード層に対して所定の間隔をあけて形成された第2導
電型の周辺拡散層と、上記周辺拡散層と上記半導体基板
とを短絡する周辺短絡電極とを備えたことを特徴として
いる。
【0015】上記請求項4のフォトトランジスタによれ
ば、上記周辺拡散層と上記半導体基板とを周辺短絡電極
により短絡することによって、上記ベース層,アノード
層の周辺部で発生する光キャリアを無効化している。し
たがって、上記受光部以外の領域で吸収された光(特に
短波長光)の影響を除去できる。
【0016】また、請求項5のフォトトランジスタは、
請求項1のフォトトランジスタにおいて、上記ベース層
と上記アノード層とが同一の拡散領域であって、上記第
2カソード層の拡散深さを2μm〜5μmとしたことを
特徴としている。
【0017】上記請求項5のフォトトランジスタによれ
ば、上記第2カソード層の拡散深さを2μm〜5μmと
することによって、特に上記受光部のピーク感度波長が
950nmでは、波長950nmの光に対する感度を1とす
ると、波長700nmの光に対する感度が約0.4とな
り、短波長感度を低減できる。上記第2カソード層は、
上記トランジスタ部のエミッタ層と同時形成されている
ため、トランジスタ部の特性を考慮すると、第2カソー
ド層の拡散深さは2μm〜5μmとなる。
【0018】また、請求項6のフォトトランジスタは、
請求項1のフォトトランジスタにおいて、上記ベース層
と上記アノード層とが異なる拡散領域であって、上記第
2カソード層の拡散深さを5μm〜20μmとしたこと
を特徴としている。
【0019】上記請求項6のフォトトランジスタによれ
ば、上記第2カソード層の拡散深さを5μm〜20μm
とすることによって、特に上記受光部のピーク感度波長
が950nmでは、波長950nmの光に対する感度を1と
すると、波長700nmの光に対する感度が約0.1とな
り、短波長感度を大幅に低減できる。これに対して、上
記第2カソード層の拡散深さが5μmよりも浅い場合、
短波長光の吸収が少なくなる一方、上記第2カソード層
の拡散深さが20μmよりも深い場合、短波長光の吸収
は多くなるが、長波長光の吸収も多くなり、長波長光に
対する感度に比べて短波長光の感度を十分に低減できな
い。
【0020】また、請求項7の特定物検出装置は、リー
ドフレームに搭載された発光チップが透光性樹脂により
被覆された発光素子と、リードフレームに搭載された受
光チップが透光性樹脂により被覆された受光素子とを備
え、上記発光素子と上記受光素子とを所定の間隔をあけ
て配置するように遮光性樹脂により一体成形された特定
物検出装置であって、上記発光素子のピーク発光波長λ
Aよりも上記受光素子のピーク感度波長λBが長いことを
特徴としている。
【0021】一般に光を吸収,発光する材料は、エネル
ギーの大きい短波長光を吸収して、エネルギーの小さい
長波長光を発光し、上記請求項7の特定物検出装置で
は、例えば、上記発光素子から発光されたピーク発光波
長λAの光を吸収してその光よりも波長の長い上記受光
素子のピーク感度波長λBと同等の波長の光を発光する
蛍光物質等の材料を被検出物に用いる。この被検出物に
対して、上記発光素子から発せられたピーク発光波長λ
Aの光を当てると、被検出物が波長λBの光を放出して、
その波長λBの光を受光素子により受光する。このよう
に、上記特定物検出装置の発光素子のピーク発光波長λ
Aと受光素子のピーク感度波長λBとの関係がλA<λBと
なっているため、光を吸収してその光よりも波長の長い
光を発光する材料を用いた被検出物を検出できる。した
がって、この特定物検出装置は、入射光と同じ波長の光
を反射する反射物を検出せずに、特定の被検出物のみを
検出することができ、セキュリティまたはシステムの独
占使用等の用途に適用できる。また、フロッピーディス
クやCD−ROM等の記録媒体に特定の被検出物を搭載
し、その被検出物をこの特定物検出装置により検出する
ことによって、特定メディアの検知が可能となる。
【0022】また、請求項8の特定物検出装置は、請求
項7の特定物検出装置において、上記受光素子は、上記
発光素子のピーク発光波長λAに対する感度よりもピー
ク感度波長λBに対する感度が2倍以上であることを特
徴としている。
【0023】上記請求項8の特定物検出装置によれば、
上記特定物検出装置は、上記受光素子の分光感度特性に
おいて波長λAの光に対する波長λBの光の感度が2倍以
上あるため、波長λBの光のみを有効成分として容易に
検出できる。
【0024】また、請求項9の特定物検出装置は、請求
項7または8の特定物検出装置において、上記発光素子
のピーク発光波長λAを600nm〜700nmとすると共
に、上記受光素子のピーク感度波長λBを900nm〜9
60nmとしたことを特徴としている。
【0025】上記請求項9の特定物検出装置によれば、
上記発光素子のピーク発光波長λAを600〜700n
m、上記受光素子のピーク感度波長λBを900〜960
nmとすることによって、670nm程度の光を吸収して9
50nm程度の光を発光する蛍光物質等を被検出物に使用
できる。
【0026】また、請求項10の特定物検出装置は、請
求項7乃至9のいずれか1つの特定物検出装置におい
て、上記受光素子に請求項1乃至6のいずれか1つに記
載のフォトトランジスタを用いたことを特徴としてい
る。
【0027】上記請求項10の特定物検出装置によれ
ば、上記受光素子に短波長感度が低減されたフォトトラ
ンジスタを用いることによって、上記発光素子のピーク
発光波長よりも受光素子のピーク感度波長を容易に長く
できる。
【0028】また、請求項11の特定物の検出方法は、
請求項7乃至9のいずれか1つに記載の特定物検出装置
と、上記特定物検出装置の発光素子からの光を吸収し
て、吸収された光のエネルギーにより上記特定物検出装
置の受光素子が受光可能な光を放出する被検出物とを用
いたことを特徴としている。
【0029】上記請求項11の特定物の検出方法によれ
ば、上記特定物検出装置と被検出物とを用いることによ
って、特定の被検出物のみを検出でき、他の反射物を検
出しないシステムの構築が可能で、セキュリティおよび
システム独占使用等の用途に適用できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明のフォトトランジ
スタおよび特定物検出装置および特定物の検出方法を図
示の実施の形態により詳細に説明する。
【0031】(第1実施形態)図1はこの発明の第1実
施形態のフォトトランジスタの平面図であり、図2は図
1のII−II線から見た断面図である。
【0032】図1,図2に示すように、第1導電型とし
てのN型半導体基板1の一方の側に第2導電型としての
P型不純物を拡散することによりベース層3,アノード
層6となるP型拡散領域を形成すると共に、ベース層3
内の表面側にN型不純物によりエミッタ層4を形成して
いる。上記ベース層3,エミッタ層4およびN型半導体
基板1からなるコレクタ層2でトランジスタ部を形成し
ている。また、上記トランジスタ部のエミッタ層4と同
時に、アノード層6内の表面側に上記エミッタ層4に対
して所定の間隔をあけてN型不純物により第2カソード
層7を形成して、アノード層6,N型半導体基板1から
なる第1カソード層5および第2カソード層7で受光部
を形成している。さらに、上記ベース層3とアノード層
6の周辺部にP型拡散層8を形成すると共に、そのP型
拡散層8の表面側とN型半導体基板1の表面側の互いに
隣接する領域にN+チャンネルストッパー層9を形成し
ている。
【0033】次に、上記N型半導体基板1上にパターン
ニングされた酸化膜14を形成した後、N型半導体基板
1上に、エミッタ層4に電気的に接続されたエミッタ電
極10と、第2カソード層7とアノード層6とを短絡す
る短絡電極11と、N型半導体基板1とP型拡散層8と
を短絡する周辺短絡電極12とを形成している。また、
上記N型半導体基板1の他方の側にコレクタ電極13を
形成している。なお、図1では、図を見やすくするため
に図2に示す酸化膜14を省略している。また、図1,
図2では、エミッタ電極10,短絡電極11および周辺
短絡電極12を他の部分と区別するために同じ斜線によ
り示している。
【0034】上記構成のフォトトランジスタは、エミッ
タ層4,第2カソード層7およびP型拡散領域(ベース層
3,アノード層6)で形成された寄生トランジスタが動作
すると、上記受光部により取り出せる信号電流(光電流)
が低下する。そこで、これを防止するため、上記エミッ
タ層4と第2カソード層7との間隔(寄生トランジスタ
のベース層幅に相当)を10μm〜20μmとして、上
記寄生トランジスタの電流増幅率hFEを1以下にしてい
る。
【0035】また、図2に示すように、上記第2カソー
ド層7とアノード層6との接合において発生する光キャ
リアは、第2カソード層7直下のアノード層6を通って
短絡電極11に達するが、このとき、抵抗成分であるア
ノード層抵抗16による電圧降下が第2カソード層7と
アノード層6との接合のオン電圧に達すると、短絡電極
11による短絡効果がなくなる。そこで、これを防止す
るため、図1に示すように、上記アノード層抵抗16の
抵抗値を考慮して、N型半導体基板1平面上の複数箇所
(図1に示す短絡電極11の接続部11a)で第2カソー
ド層7とアノード層6とを短絡電極11により短絡して
いる。
【0036】また、上記ベース層3,アノード層6の周
辺部より回り込む光電流は、短波長光によるものも含ま
れるが、N型半導体基板1とP型拡散層8とを周辺短絡
電極12により短絡することによって、ベース層3,ア
ノード層6の周辺部で発生する光キャリアを無効化して
いる。
【0037】例えば、シリコン表面に光が入射した場
合、次式に従って光強度が減衰して入射光がシリコンに
吸収される。
【0038】 I = Io・exp(−α・x) ………………(式1) Io : 表面での光強度 α : 吸収係数 x : 表面からの距離 上記式1の吸収係数αは、図5に示すように、短波長か
ら長波長になるに従って吸収係数αは徐々に小さくな
る。なお、図5において、縦軸は吸収係数α(任意目
盛)、横軸は波長(任意目盛)を表している。この吸収係
数αの値を用いて上記式1から波長の異なる光につい
て、入射表面での光強度を1として、シリコン内に進入
するに従って減衰する相対光強度を図6に示している。
なお、図6において、縦軸は相対光強度(相対値)、横軸
は表面からの距離(任意目盛)を表している。図6より明
らかなように、波長の短い光ほど浅い領域で吸収される
のが分かる。
【0039】したがって、上記N型半導体基板1の一方
(受光面)に形成されたアノード層6とそのアノード層6
の表面側に形成された第2カソード層7とを短絡電極1
1により短絡して、第2カソード層7とアノード層6と
で生じる光起電力を無効化することによって、受光表面
から比較的浅い領域で吸収される短波長光に対する感度
を低減する。一方、比較的深い領域まで侵入する長波長
光は、深い領域に形成された第1カソード層5とアノー
ド層6との接合で生じる光起電力として得られ、所要の
感度を維持する。
【0040】上記フォトトランジスタの場合、トランジ
スタ部の所要特性を考慮して、第2カソード7の拡散深
さは2μm〜5μmとしている。図4は上記フォトトラ
ンジスタの分光感度特性を示しており、分光感度比は、 分光感度比 = S/L S : 波長700nmの光に対する感度 L : 波長950nmの光に対する感度 で表される。図4に示すように、従来のフォトトランジ
スタの特性曲線C1では、分光感度比S1/L1が約0.7
であるのに対して、この第1実施形態の第2カソード7
の拡散深さが2μm〜5μmのフォトトランジスタの特
性曲線C2では、分光感度比S2/L2は約0.4となっ
た。
【0041】したがって、上記受光部(第1カソード層
5,アノード層6および第2カソード層7)の短波長感度
を低減することによって、高価な短波長カット用フィル
タを挿入する必要がなくなり、このフォトトランジスタ
を組み込む製品の小型化および低価格化を行うことがで
きる。
【0042】また、上記P型拡散領域(ベース層3,アノ
ード層6)とトランジスタ部のエミッタ層4および上記
受光部の第2カソード層7で形成される寄生トランジス
タの電流増幅率hFEを1以下にすることによって、上記
寄生トランジスタが動作しても、上記受光部の第1カソ
ード層5とアノード層7に流れる光電流の低下を防止す
ることができる。
【0043】また、上記第2カソード層7とアノード層
6とを短絡する短絡電極11をN型半導体基板1平面上
の複数箇所に形成して、短絡電流による電圧降下を小さ
くするので、短絡電極11による短絡効果を維持するこ
とができる。
【0044】また、上記周辺拡散層8とN型半導体基板
1とを周辺短絡電極12により短絡することによって、
上記ベース層3,アノード層6のP型拡散領域の周辺部
で発生する光キャリアを無効化して、上記受光部以外の
領域で吸収された光(特に短波長光)の影響を除去するこ
とができる。
【0045】また、上記第2カソード層7の拡散深さを
2μm〜5μmにすることによって、特に受光部のピー
ク感度波長が950nmでは、波長950nmの光に対する
波長700nmの光の分光感度比が約0.4となり、短波
長感度を低減することができる。
【0046】なお、この第1実施形態のフォトトランジ
スタの構造は、通常のフォトトランジスタの製造プロセ
スにより製造できる。
【0047】(第2実施形態)図3はこの発明の第2実
施形態のフォトトランジスタの平面図である。このフォ
トトランジスタは、ベース層とアノード層とが異なる拡
散領域であることを除き図1,図2に示す第1実施形態
のフォトトランジスタと同一の構成をしている。
【0048】図3に示すように、第1導電型としてのN
型半導体基板21の一方の側に第2導電型としてのP型
不純物を拡散することにより、所定の間隔をあけてベー
ス層23とアノード層26とを形成すると共に、ベース
層23内の表面側にN型不純物によりエミッタ層24を
形成している。上記ベース層23,エミッタ層24およ
びN型半導体基板21からなるコレクタ層22でトラン
ジスタ部を形成している。そして、上記受光部のアノー
ド層26内の表面側にN型不純物により第2カソード層
27を形成して、アノード層26,N型半導体基板21
からなる第1カソード層25および第2カソード層27
で受光部を形成している。さらに、上記ベース層23と
アノード層26の周辺部にP型拡散層28を形成すると
共に、そのP型拡散層28の表面側とN型半導体基板2
1の表面側の互いに隣接する領域にN+チャンネルスト
ッパー層29を形成している。
【0049】次に、上記N型半導体基板21上にパター
ンニングされた酸化膜34を形成した後、N型半導体基
板21上に、エミッタ層24に電気的に接続されたエミ
ッタ電極30と、第2カソード層27とアノード層26
とを短絡する短絡電極31と、N型半導体基板21とP
型拡散層28とを短絡する周辺短絡電極32とを形成し
ている。また、上記N型半導体基板21の他方の側にコ
レクタ電極33を形成している。
【0050】上記構成のフォトトランジスタにおいて、
トランジスタ部の特性に束縛されることなく、受光部の
アノード層26および第2カソード層27の拡散深さを
設定する。例えば、波長950nmの光に対して波長70
0nmの光感度を1/10にする場合、第2カソード層2
7の吸収係数αが2000cm-1であり、上記式1に基づ
いて、吸収された短波長光による光キャリアを無効化す
るための浅い領域の拡散深さ(x)を求めると、11.5
μmとなる。すなわち、上記第2カソード層27の拡散
深さを11.5μmに設定するのである。したがって、
カットしたい光の波長とその量に応じて、第2カソード
層27の拡散深さを5μm〜20μmとすることによっ
て、目的にあわせて短波長感度を低減することが可能に
なる。
【0051】上記フォトトランジスタの分光感度特性
は、図4に示すように、従来のフォトトランジスタの特
性曲線C1の分光感度比S1/L1が約0.7であるのに対
して、この第2実施形態の第2カソード27の拡散深さ
が5μm〜20μmのフォトトランジスタの特性曲線C
3の分光感度比S3/L3は約0.1となった。
【0052】このように、上記受光部(第1カソード層
25,アノード層26および第2カソード層27)の短波
長感度を低減することによって、高価な短波長カット用
フィルタを挿入する必要がなくなり、このフォトトラン
ジスタを組み込む製品の小型化および低価格化を行うこ
とができる。
【0053】また、上記第2カソード層27とアノード
層26とを短絡する短絡電極31を第1実施形態と同様
にN型半導体基板21平面上の複数箇所に形成して、短
絡電流による電圧降下を小さくするので、短絡電極31
による短絡効果を維持することができる。
【0054】また、上記周辺拡散層28とN型半導体基
板21とを周辺短絡電極32により短絡することによっ
て、上記ベース層23,アノード層26のP型拡散領域
の周辺部で発生する光キャリアを無効化して、上記受光
部以外の領域で吸収された光(特に短波長光)の影響を除
去することができる。
【0055】また、上記第2カソード層27の拡散深さ
を5μm〜20μmにすることによって、特に受光部の
ピーク感度波長が950nmでは、波長950nmに対する
波長700nmの光の分光感度比が約0.1となり、短波
長感度を大幅に低減することができる。
【0056】なお、この第2実施形態のフォトトランジ
スタの構造は、通常のフォトトランジスタの製造プロセ
スにより製造できる。
【0057】(第3実施形態)図7はこの発明の第3実
施形態の特定物検出装置の平面図であり、図8は図7の
VIII−VIIIから見た断面図である。
【0058】図7に示すように、特定物検出装置は、被
検出物に対して光を発する発光素子40と上記被検出物
からの光を受光する受光素子50とを有している。ま
た、図8に示すように、上記発光素子40は、リードフ
レーム43に搭載された発光チップ41を金線42によ
り内部結線し、リードフレーム43,発光チップ41を
透光性樹脂44により被覆すると共に、リードフレーム
53に搭載された受光チップ51を金線52により内部
結線し、リードフレーム53,受光チップ51を透光性
樹脂54により被覆している。そして、上記発光素子4
0と受光素子50とを所定の間隔をあけて、かつ、発光
素子40の発光面と受光素子50の受光面とを同じ側に
向けて配置して、遮光性樹脂55により一体成形してい
る。
【0059】上記発光素子40のピーク発光波長λAと
受光素子50のピーク感度波長λBはλA<λBの関係に
あり、ピーク発光波長λAは600nm〜700nm、ピー
ク感度波長λBは900nm〜960nmである。また、図
10に示すように、受光素子50の波長700nmの光に
対する感度は、波長950nmの光に対する感度の約1/
2以下となっている。
【0060】上記受光素子50は、このような分光感度
特性を有するフォトトランジスタとして上記第1,第2
実施形態のフォトトランジスタを用いている。上記受光
素子50は、波長の短かい600nm〜700nmの光によ
り生ずる受光部の光電流を無効化し、波長の長い900
nm〜950nmの光により生ずる受光部の光電流が有効に
なるように、第2カソード層の拡散深さを調整している
(波長の長い光ほど表面より深い位置まで到達する)。
【0061】なお、従来の反射型フォトインタラプタで
は、発光素子,受光素子に赤外線領域の光を用いてお
り、外部からの可視光の悪影響を防ぐように可視光をカ
ットする材料を透光性樹脂に添加していたために高価と
なっていたが、この発明の特定物検出装置では、受光素
子自体が700nm以下の領域の光に反応しにくいため、
高価な透光性樹脂を用いる必要がない。
【0062】次に、この特定物検出装置を用いた特定物
の検出方法について説明する。
【0063】上記特定物検出装置の被検出物として、波
長600nm〜700nmの光を吸収した後、波長900nm
〜950nmの光を発光する材料(例えば蛍光物質)を用い
るか、または、その材料を塗布したものを用いる。な
お、この被検出物は、波長600nm〜700nmの光が上
記材料に当たると、光を吸収した後に波長900nm〜9
50nmの光を発光するが、一部は吸収されずに波長60
0nm〜700nmの光をそのまま反射する。
【0064】上記特定物検出装置でこの被検出物56を
検出する場合、図9に示すように、特定物検出装置の発
光素子40から発せられた波長λA(600nm〜700n
m)の光は、被検出物56に当たって吸収された後、波長
λB(900nm〜960nm)の光を被検出物56から発光
する。一部は波長λAの光がそのまま反射され、この反
射された光が受光素子50側に入射しても、波長λAの
光は無効となり、特定物検出装置の出力に影響を及ぼさ
ない。一方、波長λBの光が受光素子50側に入射する
と、受光素子50はオン状態になって、有効出力が得ら
れる。
【0065】一方、被検出物として通常用いられる紙,
ミラー等を用いた場合、これらの被検出物では吸収,発
光による波長変換がなく、波長λA(600nm〜700n
m)の光のみが反射され、受光素子50側に入射する。こ
の波長λAの光はこの特定物検出装置の受光素子50に
は無効な光であるために検出されず、受光素子50はオ
フ状態となる。つまり、この特定物の検出方法では、波
長λA(600nm〜700nm)の光を吸収し、波長λB(9
00nm〜960nm)の光を発光するという特定の被検出
物だけを検出することが可能となる。さらに、この場合
の被検出物は、光の吸収,発光があるため、光を吸収し
てから発光するまである程度の時間がかかるので、この
時間の遅れを利用して特定の被検出物を検出することも
可能である(反射のみの場合は時間の遅れがない)。
【0066】このように、上記特定物検出装置の発光素
子40のピーク発光波長λAと受光素子50のピーク感
度波長λBとの関係がλA<λBとなっているため、光を
吸収してその光よりも波長の長い光を発光する材料を用
いた被検出物を検出することができる。したがって、こ
の特定物検出装置は、特定の被検出物のみを検出するこ
とができ、セキュリティまたはシステムの独占使用等の
用途に適用することができる。また、フロッピーディス
クやCD−ROM等の記録媒体に上記特定の被検出物を
搭載し、その被検出物をこの特定物検出装置により検出
することによって、特定メディアの検知が可能となる。
【0067】また、上記特定物検出装置は、上記受光素
子50の分光感度特性において波長λAに対する波長λB
の感度が2倍以上あるため、波長λBの光のみを有効成
分として容易に検出することができる。
【0068】また、上記発光素子40のピーク発光波長
λAを600nm〜700nmとすると共に、上記受光素子
のピーク感度波長λBを900nm〜960nmとすること
によって、670nm程度の光を吸収して950nm程度の
光を発光する蛍光物質等を被検出物に使用することがで
きる。
【0069】また、上記受光素子50に第1,第2実施
形態のフォトトランジスタを用いることによって、発光
素子40のピーク発光波長λAよりも受光素子50のピ
ーク感度波長λBを長くすることが容易にできる。
【0070】上記第1,第2実施形態では、N型を第1
導電型とし、P型を第2導電型としたが、P型を第1導
電型とし、N型を第2導電型として、トランジスタ部が
PNP型のフォトトランジスタにこの発明を適用しても
よい。
【0071】また、上記第3実施形態では、特定物検出
装置の受光素子に上記第1,第2実施形態のフォトトラ
ンジスタを用いたが、特定物検出装置の受光素子はこれ
に限らず、発光素子のピーク発光素子よりもピーク感度
波長が長いフォトダイオード等の受光素子でもよい。
【0072】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明のフォトトランジスタは、請求項1のフォトトランジ
スタは、第1導電型の半導体基板からなるコレクタ層
と、上記半導体基板の一方の側に不純物を拡散すること
により形成された上記半導体基板と逆導電型である第2
導電型のベース層と、上記ベース層内の表面側に形成さ
れた第1導電型のエミッタ層とを有するトランジスタ部
と、上記半導体基板の上記一方の側に不純物を拡散する
ことにより形成された第2導電型のアノード層と、第1
カソード層としての半導体基板とを有する受光部とを備
えるフォトトランジスタにおいて、上記アノード層内の
表面側に形成された第1導電型の第2カソード層と第2
導電型のアノード層とを短絡電極により短絡するもので
ある。
【0073】したがって、請求項1の発明のフォトトラ
ンジスタによれば、上記受光部の浅い領域で短波長光は
吸収され、上記第2カソード層とアノード層との接合で
生じる光起電力を上記短絡電極により無効化する一方、
上記受光部の第2カソード層とアノード層との接合より
も深い領域で長波長光は吸収され、第1カソード層とア
ノード層との接合で生じる光電流を上記トランジスタ部
により増幅して、長波長光を有効に検出することによっ
て、上記受光部の受光表面側の比較的浅い領域で吸収さ
れる短波長光に対する感度を低減する。したがって、上
記受光部の短波長感度を低減することによって、高価な
短波長カット用フィルタを挿入する必要がなくなり、こ
のフォトトランジスタを組み込む製品の小型化および低
価格化を実現することができる。
【0074】また、請求項2の発明のフォトトランジス
タは、請求項1のフォトトランジスタにおいて、上記ト
ランジスタ部のベース層と上記受光部のアノード層とが
同一の拡散領域であって、その拡散領域とトランジスタ
部のエミッタ層および受光部の第2カソード層で形成さ
れる寄生トランジスタの電流増幅率hFEが1以下となる
ように、上記エミッタ層と第2カソード層との間隔を設
定したので、上記寄生トランジスタが動作しても、上記
受光部に流れる光電流が低下するのを防止することがで
きる。
【0075】また、請求項3の発明のフォトトランジス
タは、請求項1または2のフォトトランジスタにおい
て、上記第2カソード層とアノード層とを短絡する短絡
電極を上記半導体基板平面上の複数箇所に形成したの
で、短絡電流に対する抵抗成分を小さくすることによっ
て、短絡電極による短絡効果を維持することができる。
【0076】また、請求項4の発明のフォトトランジス
タは、請求項1乃至3のいずれか1つのフォトトランジ
スタにおいて、上記トランジスタ部の上記ベース層およ
び上記受光部の上記アノード層の周辺部に、上記ベース
層,アノード層に対して所定の間隔をあけて形成された
上記周辺拡散層と半導体基板とを周辺短絡電極により短
絡するので、上記ベース層,アノード層の周辺部で発生
する光キャリアを無効化し、上記受光部以外の領域で吸
収された光(特に短波長光)の影響をすることが除去でき
る。
【0077】また、請求項5の発明のフォトトランジス
タは、請求項1のフォトトランジスタにおいて、上記ベ
ース層と上記アノード層とが同一の拡散領域であって、
上記第2カソード層の拡散深さを2μm〜5μmとした
ので、特に上記受光部のピーク感度波長が950nmで
は、波長950nmの光に対する感度を1とすると、波長
700nmの光に対する感度が約0.4となり、短波長感
度を低減することができる。
【0078】また、請求項6の発明のフォトトランジス
タは、請求項1のフォトトランジスタにおいて、上記ベ
ース層と上記アノード層とが異なる拡散領域であって、
上記第2カソード層の拡散深さを5μm〜20μmとし
たので、特に上記受光部のピーク感度波長が950nmで
は、波長950nmの光に対する感度を1とすると、波長
700nmの光に対する感度が約0.1となり、短波長感
度を大幅に低減することができる。
【0079】また、請求項7の発明の特定物検出装置
は、リードフレームに搭載された発光チップが透光性樹
脂により被覆された発光素子と、リードフレームに搭載
された受光チップが透光性樹脂により被覆された受光素
子とを備え、上記発光素子と受光素子とを所定の間隔を
あけて配置するように遮光性樹脂により一体成形された
特定物検出装置であって、上記発光素子のピーク発光波
長λAよりも受光素子のピーク感度波長λBが長くしたも
のである。
【0080】したがって、請求項7の発明の特定物検出
装置によれば、上記特定物検出装置の発光素子のピーク
発光波長λAと受光素子のピーク感度波長λBとの関係が
λA<λBとなっているため、入射光と同じ波長の光を反
射する反射物を検出することなく、特定の被検出物のみ
を検出することができ、セキュリティまたはシステムの
独占使用等の用途に適用することができる。また、フロ
ッピーディスクやCD−ROM等の記録媒体に特定の被
検出物を搭載し、その被検出物をこの特定物検出装置に
より検出することによって、特定メディアの検知するこ
とができる。
【0081】また、請求項8の発明の特定物検出装置
は、請求項7の特定物検出装置において、上記受光素子
は、上記発光素子のピーク発光波長λAに対する感度よ
りもピーク感度波長λBに対する感度が2倍以上である
ので、波長λBの光のみを有効成分として容易に検出す
ることができる。
【0082】また、請求項9の発明の特定物検出装置
は、請求項7または8の特定物検出装置において、上記
発光素子のピーク発光波長λAを600nm〜700nmと
すると共に、上記受光素子のピーク感度波長λBを90
0nm〜960nmとしたので、670nm程度の光を吸収し
て950nm程度の光を発光する蛍光物質等を被検出物に
使用することができる。
【0083】また、請求項10の発明の特定物検出装置
は、請求項7乃至9のいずれか1つの特定物検出装置に
おいて、上記受光素子に請求項1乃至6のいずれか1つ
に記載のフォトトランジスタを用いたので、上記発光素
子のピーク発光波長よりも受光素子のピーク感度波長を
長くすることが容易にできる。
【0084】また、請求項11の発明の特定物の検出方
法は、請求項7乃至9のいずれか1つの特定物検出装置
と、上記特定物検出装置の発光素子からの光を吸収し
て、吸収された光のエネルギーにより上記特定物検出装
置の受光素子が受光可能な光を放出する被検出物とを用
いたことを特徴としている。
【0085】したがって、請求項11の発明の特定物の
検出方法によれば、上記特定物検出装置と被検出物とを
用いることによって、特定の被検出物のみを検出でき、
他の反射物は検出しないシステムの構築が可能で、セキ
ュリティおよびシステム独占使用に適用できるという大
きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の第1実施形態のフォトトラ
ンジスタの平面図である。
【図2】 図2は図1のII−II線から見た断面図であ
る。
【図3】 図3はこの発明の第2実施形態のフォトトラ
ンジスタの平面図である。
【図4】 図4は上記第1,第2実施形態のフォトトラ
ンジスタの分光感度特性を示す図である。
【図5】 図5は上記フォトトランジスタの波長に対す
る吸収係数の特性を示す図である。
【図6】 図6は上記フォトトランジスタの表面からの
距離に対する相対光強度を示す図である。
【図7】 図7はこの発明の第3実施形態の特定物検出
装置の平面図である。
【図8】 図8は図7のVIII−VIII線から見た断面図で
ある。
【図9】 図9は上記特定物検出装置の発光,受光時の
光の経路を示す図である。
【図10】 図10は上記特定物検出装置の分光感度特
性を示す図である。
【図11】 図11は従来の特定物検出装置の平面図で
ある。
【図12】 図12は図11のXII−XII線から見た断面
図である。
【図13】 図13は上記特定物検出装置の発光,受光
時の光の経路を示す図である。
【図14】 図14は上記特定物検出装置の受光感度特
性を示す図である。
【符号の説明】
1,21…N型半導体基板、2,22…コレクタ層、3,
23…ベース層、4,24…エミッタ層、5,25…第1
カソード層、6,26…アノード層、7,27…第2カソ
ード層、8,28…P型拡散層、9,29…N+チャンネ
ルストッパー層、10,30…エミッタ電極、11,1
2,31,32…短絡電極、13,33…コレクタ電極、
14,34…酸化膜、15…光電流、16…アノード層
抵抗。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 陽史 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA00 BB00 BB30 DD02 DD15 FF46 GG07 GG21 JJ00 JJ18 5F088 AA08 AB02 BA15 DA03 GA04 JA18 LA01 LA03 5F089 BB03 BC02 BC05 BC21 CA21

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板からなるコレク
    タ層と、上記半導体基板の一方の側に不純物を拡散する
    ことにより形成された上記半導体基板と逆導電型である
    第2導電型のベース層と、上記ベース層内の表面側に形
    成された第1導電型のエミッタ層とを有するトランジス
    タ部と、 上記半導体基板の上記一方の側に不純物を拡散すること
    により形成された第2導電型のアノード層と、第1カソ
    ード層としての上記半導体基板とを有する受光部とを備
    えるフォトトランジスタにおいて、 上記アノード層内の表面側に形成された第1導電型の第
    2カソード層と、 上記第2カソード層と上記アノード層とを短絡する短絡
    電極とを備えたことを特徴とするフォトトランジスタ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフォトトランジスタに
    おいて、 上記トランジスタ部の上記ベース層と上記受光部の上記
    アノード層とが同一の拡散領域であって、その拡散領域
    と上記トランジスタ部の上記エミッタ層および上記受光
    部の上記第2カソード層で形成される寄生トランジスタ
    の電流増幅率hFEが1以下となるように、上記エミッタ
    層と上記第2カソード層との間隔を設定したことを特徴
    とするフォトトランジスタ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のフォトトラン
    ジスタにおいて、 上記第2カソード層と上記アノード層とを短絡する上記
    短絡電極を上記半導体基板平面上の複数箇所に形成した
    ことを特徴とするフォトトランジスタ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の
    フォトトランジスタにおいて、 上記トランジスタ部の上記ベース層および上記受光部の
    上記アノード層の周辺部に、上記ベース層,アノード層
    に対して所定の間隔をあけて形成された第2導電型の周
    辺拡散層と、 上記周辺拡散層と上記半導体基板とを短絡する周辺短絡
    電極とを備えたことを特徴とするフォトトランジスタ。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のフォトトランジスタに
    おいて、 上記ベース層と上記アノード層とが同一の拡散領域であ
    って、上記第2カソード層の拡散深さを2μm〜5μm
    としたことを特徴とするフォトトランジスタ。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のフォトトランジスタに
    おいて、 上記ベース層と上記アノード層とが異なる拡散領域であ
    って、上記第2カソード層の拡散深さを5μm〜20μ
    mとしたことを特徴とするフォトトランジスタ。
  7. 【請求項7】 リードフレームに搭載された発光チップ
    が透光性樹脂により被覆された発光素子と、 リードフレームに搭載された受光チップが透光性樹脂に
    より被覆された受光素子とを備え、 上記発光素子と上記受光素子とを所定の間隔をあけて配
    置するように遮光性樹脂により一体成形された特定物検
    出装置であって、 上記発光素子のピーク発光波長λAよりも上記受光素子
    のピーク感度波長λBが長いことを特徴とする特定物検
    出装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の特定物検出装置におい
    て、 上記受光素子は、上記発光素子のピーク発光波長λAに
    対する感度よりもピーク感度波長λBに対する感度が2
    倍以上であることを特徴とする特定物検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載の特定物検出装
    置において、 上記発光素子のピーク発光波長λAを600nm〜700n
    mとすると共に、上記受光素子のピーク感度波長λBを9
    00nm〜960nmとしたことを特徴とする特定物検出装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9のいずれか1つに記載
    の特定物検出装置において、 上記受光素子に請求項1乃至6のいずれか1つに記載の
    フォトトランジスタを用いたことを特徴とする特定物検
    出装置。
  11. 【請求項11】 請求項7乃至9のいずれか1つに記載
    の特定物検出装置と、 上記特定物検出装置の発光素子からの光を吸収して、吸
    収された光のエネルギーにより上記特定物検出装置の受
    光素子が受光可能な光を放出する被検出物とを用いたこ
    とを特徴とする特定物の検出方法。
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