JP3665478B2 - フォトトランジスタおよび特定物検出装置および特定物の検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、特定波長の光にのみ反応するフォトトランジスタおよび発光素子と受光素子とを有する特定物検出装置および特定物の検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、フォトトランジスタとしては、トランジスタ部と受光部とを有し、その受光部にフォトダイオードを用いたものがある。このフォトトランジスタの信号源である光源から長波長の赤外線を発する場合、可視光等の波長の短い光が受光部に外乱光として受光されると、誤動作の原因となるので、このフォトトランジスタを用いて製品を組み立てるときに、受光部の短波長光に対する感度を低下させるために短波長光カット用フィルタを受光部と光源との間に挿入している。
【0003】
ところが、上記フォトトランジスタでは、短波長光カット用フィルタを挿入する必要があるため、このフォトトランジスタを用いた製品の小型化に限界が生じると共に、コストも高くなるという欠点がある。なお、近年、製品の小型化,低価格化が進むにつれて、フォトトランジスタ自体に特定の波長のみに感度を有する性能が要求されている。
【0004】
また、従来より上述のフォトトランジスタ等を受光素子に用いた反射型フォトインタラプタとして、図11に示すようなものがあり、この反射型フォトインタラプタは、反射物に光を発する発光素子60とその反射物からの反射光を受光する受光素子70とを備えている。図12に示すように、上記発光素子60は、リードフレーム63と、リードフレーム63に搭載された発光チップ61とを有し、上記発光チップ61を金線62により内部結線すると共に、リードフレーム63,発光チップ61を透明樹脂64により被覆している。また、上記受光素子70は、リードフレーム73と、リードフレーム73に搭載された受光チップ71とを有し、上記受光チップ71を金線72により内部結線すると共に、リードフレーム73, 受光チップ71を透明樹脂74により被覆している。そして、上記発光素子60と受光素子70とを所定の間隔をあけて配置して、遮光性樹脂75により一体成形している。上記発光素子60のピーク発光波長は900nm〜950nmで受光素子70のピーク感度波長は800nm〜950nmである。また、上記受光素子70の分光感度特性は、図14に示すように、波長950nmの光に対する感度を1とした場合、波長700nmの光に対する感度は0.7程度であり、波長による感度の比はあまり大きくない。
【0005】
上記構成の反射型フォトインタラプタは、図13に示すように、発光素子60より波長λ1の光を反射物76に発し、その反射物76により反射された波長λ1の光が受光素子70に入射するか否かによって、反射物76の有無を検知する。この場合、反射物としてミラー,紙またはプラスチック等が考えられるが、これらは反射率の差はあるが入射光と同じ波長の反射光を得るもので、反射物が変わっても、受光素子や電気回路のゲインを調整することで、ある程度検出可能である。したがって、上記反射型フォトインタラプタでは、反射物のほとんどが検出対象となるため、特定の被検出物のみを検出することができず、セキュリティまたはシステムの独占使用等に用いることが難しいという問題がある。
【0006】
そこで、この発明の目的は、フィルタを用いることなく特定の波長のみに感度を有し、小型化と低コスト化に対応できるフォトトランジスタを提供することにある。
【0007】
また、この発明のもう1つの目的は、特定の被検出物のみを検出することができ、セキュリティまたはシステムの独占使用等の用途に適用できる特定物検出装置および特定物の検出方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1のフォトトランジスタは、第1導電型の半導体基板からなるコレクタ層と、上記半導体基板の一方の側に不純物を拡散することにより形成された上記半導体基板と逆導電型である第2導電型のベース層と、上記ベース層内の表面側に形成された第1導電型のエミッタ層とを有するトランジスタ部と、上記半導体基板の上記一方の側に不純物を拡散することにより形成された上記アノード層と、第1カソード層としての上記半導体基板とを有する受光部とを備えるフォトトランジスタにおいて、上記アノード層内の表面側に形成された上記第2カソード層と、上記第2カソード層と上記アノード層とを短絡する短絡電極とを備え、上記トランジスタ部の上記ベース層と上記受光部の上記アノード層とが同一の拡散領域であって、その拡散領域と上記トランジスタ部の上記エミッタ層および上記受光部の上記第2カソード層で形成される寄生トランジスタの電流増幅率h FE が1以下となるように、上記エミッタ層と上記第2カソード層との間隔を設定したことを特徴としている。
【0009】
上記請求項1のフォトトランジスタによれば、短波長光ほど上記受光部の浅い領域で吸収され、その浅い領域の上記アノード層内の表面側に形成された第2カソード層とアノード層との接合において発生した光キャリアは、第2カソード層直下のアノード層を通って上記短絡電極に達し、短絡電極により第2カソード層とアノード層とで生じる光起電力を無効化する。一方、長波長光は上記受光部の第2カソード層と第2導電型のアノード層との接合よりも深い領域で吸収され、第1カソード層とアノード層との接合で発生した光キャリアによる光電流を上記トランジスタ部で増幅する。つまり、上記受光部の受光表面側の比較的浅い領域で吸収される短波長光に対する感度を低減するのである。したがって、上記受光部の短波長感度を低減することによって、高価な短波長カット用フィルタを挿入する必要がなくなり、このフォトトランジスタを組み込む製品の小型化および低価格化ができる。
【0010】
【0011】
また、上記トランジスタ部のエミッタ層と上記受光部の第2カソード層との間隔は、上記拡散領域とトランジスタ部のエミッタ層および受光部の第2カソード層で形成される寄生トランジスタのベース層の幅に相当し、そのエミッタ層と第2カソード層との間隔を調整することによって、寄生トランジスタの電流増幅率hFEを1以下にする。そうすることによって、上記寄生トランジスタが動作しても、電流増幅率hFEが1以下であるので、上記受光部に流れる光電流が低下するのを防止できる。
【0012】
また、請求項2のフォトトランジスタは、請求項1のフォトトランジスタにおいて、上記第2カソード層と上記アノード層とを短絡する上記短絡電極を上記半導体基板平面上の複数箇所に形成したことを特徴としている。
【0013】
上記請求項2のフォトトランジスタによれば、長波長光よりも短波長光が吸収されやすい上記受光部の浅い領域の上記第2カソード層とアノード層6との接合で発生した光キャリアは、第2カソード層直下のアノード層を通って短絡電極に達する。このとき、上記アノード層の抵抗成分による電圧降下が第2カソード層とアノード層との接合のオン電圧に達すると、短絡電極による短絡効果がなくなるので、上記第2カソード層とアノード層とを短絡する短絡電極を半導体基板平面上の複数箇所に形成して、短絡電流に対する抵抗成分を小さくすることによって、短絡電極による短絡効果を維持できる。
【0014】
また、請求項3のフォトトランジスタは、請求項1または2のいずれか1つのフォトトランジスタにおいて、上記トランジスタ部の上記ベース層および上記受光部の上記アノード層の周辺部に、上記ベース層,アノード層に対して所定の間隔をあけて形成された第2導電型の周辺拡散層と、上記周辺拡散層と上記半導体基板とを短絡する周辺短絡電極とを備えたことを特徴としている。
【0015】
上記請求項3のフォトトランジスタによれば、上記周辺拡散層と上記半導体基板とを周辺短絡電極により短絡することによって、上記ベース層,アノード層の周辺部で発生する光キャリアを無効化している。したがって、上記受光部以外の領域で吸収された光(特に短波長光)の影響を除去できる。
【0016】
また、請求項4のフォトトランジスタは、請求項1のフォトトランジスタにおいて、上記ベース層と上記アノード層とが同一の拡散領域であって、上記第2カソード層の拡散深さを2μm〜5μmとしたことを特徴としている。
【0017】
上記請求項4のフォトトランジスタによれば、上記第2カソード層の拡散深さを2μm〜5μmとすることによって、特に上記受光部のピーク感度波長が950nmでは、波長950nmの光に対する感度を1とすると、波長700nmの光に対する感度が約0.4となり、短波長感度を低減できる。上記第2カソード層は、上記トランジスタ部のエミッタ層と同時形成されているため、トランジスタ部の特性を考慮すると、第2カソード層の拡散深さは2μm〜5μmとなる。
【0018】
【0019】
【0020】
また、請求項5の特定物検出装置は、リードフレームに搭載された発光チップが透光性樹脂により被覆された発光素子と、リードフレームに搭載された受光チップが透光性樹脂により被覆され、請求項1乃至4のいずれか1つのフォトトランジスタが用いられた受光素子とを備え、上記発光素子と上記受光素子とを所定の間隔をあけて配置するように遮光性樹脂により一体成形された特定物検出装置であって、上記発光素子のピーク発光波長λAよりも上記受光素子のピーク感度波長λBが長いことを特徴としている。
【0021】
一般に光を吸収,発光する材料は、エネルギーの大きい短波長光を吸収して、エネルギーの小さい長波長光を発光し、上記請求項5の特定物検出装置では、例えば、上記発光素子から発光されたピーク発光波長λAの光を吸収してその光よりも波長の長い上記受光素子のピーク感度波長λBと同等の波長の光を発光する蛍光物質等の材料を被検出物に用いる。この被検出物に対して、上記発光素子から発せられたピーク発光波長λAの光を当てると、被検出物が波長λBの光を放出して、その波長λBの光を受光素子により受光する。このように、上記特定物検出装置の発光素子のピーク発光波長λAと受光素子のピーク感度波長λBとの関係がλA<λBとなっているため、光を吸収してその光よりも波長の長い光を発光する材料を用いた被検出物を検出できる。したがって、この特定物検出装置は、入射光と同じ波長の光を反射する反射物を検出せずに、特定の被検出物のみを検出することができ、セキュリティまたはシステムの独占使用等の用途に適用できる。また、フロッピーディスクやCD−ROM等の記録媒体に特定の被検出物を搭載し、その被検出物をこの特定物検出装置により検出することによって、特定メディアの検知が可能となる。
【0022】
また、請求項6の特定物検出装置は、請求項5の特定物検出装置において、上記受光素子は、上記発光素子のピーク発光波長λAに対する感度よりもピーク感度波長λBに対する感度が2倍以上であることを特徴としている。
【0023】
上記請求項6の特定物検出装置によれば、上記特定物検出装置は、上記受光素子の分光感度特性において波長λAの光に対する波長λBの光の感度が2倍以上あるため、波長λBの光のみを有効成分として容易に検出できる。
【0024】
また、請求項7の特定物検出装置は、請求項5または6の特定物検出装置において、上記発光素子のピーク発光波長λAを600nm〜700nmとすると共に、上記受光素子のピーク感度波長λBを900nm〜960nmとしたことを特徴としている。
【0025】
上記請求項7の特定物検出装置によれば、上記発光素子のピーク発光波長λAを600〜700nm、上記受光素子のピーク感度波長λBを900〜960nmとすることによって、670nm程度の光を吸収して950nm程度の光を発光する蛍光物質等を被検出物に使用できる。
【0026】
【0027】
【0028】
また、請求項8の特定物の検出方法は、請求項5乃至7のいずれか1つに記載の特定物検出装置と、上記特定物検出装置の発光素子からの光を吸収して、吸収された光のエネルギーにより上記特定物検出装置の受光素子が受光可能な光を放出する被検出物とを用いたことを特徴としている。
【0029】
上記請求項8の特定物の検出方法によれば、上記特定物検出装置と被検出物とを用いることによって、特定の被検出物のみを検出でき、他の反射物を検出しないシステムの構築が可能で、セキュリティおよびシステム独占使用等の用途に適用できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のフォトトランジスタおよび特定物検出装置および特定物の検出方法を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0031】
(第1実施形態)
図1はこの発明の第1実施形態のフォトトランジスタの平面図であり、図2は図1のII−II線から見た断面図である。
【0032】
図1,図2に示すように、第1導電型としてのN型半導体基板1の一方の側に第2導電型としてのP型不純物を拡散することによりベース層3,アノード層6となるP型拡散領域を形成すると共に、ベース層3内の表面側にN型不純物によりエミッタ層4を形成している。上記ベース層3,エミッタ層4およびN型半導体基板1からなるコレクタ層2でトランジスタ部を形成している。また、上記トランジスタ部のエミッタ層4と同時に、アノード層6内の表面側に上記エミッタ層4に対して所定の間隔をあけてN型不純物により第2カソード層7を形成して、アノード層6,N型半導体基板1からなる第1カソード層5および第2カソード層7で受光部を形成している。さらに、上記ベース層3とアノード層6の周辺部にP型拡散層8を形成すると共に、そのP型拡散層8の表面側とN型半導体基板1の表面側の互いに隣接する領域にN + チャンネルストッパー層9を形成している。
【0033】
次に、上記N型半導体基板1上にパターンニングされた酸化膜14を形成した後、N型半導体基板1上に、エミッタ層4に電気的に接続されたエミッタ電極10と、第2カソード層7とアノード層6とを短絡する短絡電極11と、N型半導体基板1とP型拡散層8とを短絡する周辺短絡電極12とを形成している。また、上記N型半導体基板1の他方の側にコレクタ電極13を形成している。なお、図1では、図を見やすくするために図2に示す酸化膜14を省略している。また、図1,図2では、エミッタ電極10,短絡電極11および周辺短絡電極12を他の部分と区別するために同じ斜線により示している。
【0034】
上記構成のフォトトランジスタは、エミッタ層4,第2カソード層7およびP型拡散領域(ベース層3,アノード層6)で形成された寄生トランジスタが動作すると、上記受光部により取り出せる信号電流(光電流)が低下する。そこで、これを防止するため、上記エミッタ層4と第2カソード層7との間隔(寄生トランジスタのベース層幅に相当)を10μm〜20μmとして、上記寄生トランジスタの電流増幅率hFEを1以下にしている。
【0035】
また、図2に示すように、上記第2カソード層7とアノード層6との接合において発生する光キャリアは、第2カソード層7直下のアノード層6を通って短絡電極11に達するが、このとき、抵抗成分であるアノード層抵抗16による電圧降下が第2カソード層7とアノード層6との接合のオン電圧に達すると、短絡電極11による短絡効果がなくなる。そこで、これを防止するため、図1に示すように、上記アノード層抵抗16の抵抗値を考慮して、N型半導体基板1平面上の複数箇所(図1に示す短絡電極11の接続部11a)で第2カソード層7とアノード層6とを短絡電極11により短絡している。
【0036】
また、上記ベース層3,アノード層6の周辺部より回り込む光電流は、短波長光によるものも含まれるが、N型半導体基板1とP型拡散層8とを周辺短絡電極12により短絡することによって、ベース層3,アノード層6の周辺部で発生する光キャリアを無効化している。
【0037】
例えば、シリコン表面に光が入射した場合、次式に従って光強度が減衰して入射光がシリコンに吸収される。
【0038】
I = Io・exp(−α・x) ………………(式1)
Io : 表面での光強度
α : 吸収係数
x : 表面からの距離
上記式1の吸収係数αは、図5に示すように、短波長から長波長になるに従って吸収係数αは徐々に小さくなる。なお、図5において、縦軸は吸収係数α(任意目盛)、横軸は波長(任意目盛)を表している。この吸収係数αの値を用いて上記式1から波長の異なる光について、入射表面での光強度を1として、シリコン内に進入するに従って減衰する相対光強度を図6に示している。なお、図6において、縦軸は相対光強度(相対値)、横軸は表面からの距離(任意目盛)を表している。図6より明らかなように、波長の短い光ほど浅い領域で吸収されるのが分かる。
【0039】
したがって、上記N型半導体基板1の一方(受光面)に形成されたアノード層6とそのアノード層6の表面側に形成された第2カソード層7とを短絡電極11により短絡して、第2カソード層7とアノード層6とで生じる光起電力を無効化することによって、受光表面から比較的浅い領域で吸収される短波長光に対する感度を低減する。一方、比較的深い領域まで侵入する長波長光は、深い領域に形成された第1カソード層5とアノード層6との接合で生じる光起電力として得られ、所要の感度を維持する。
【0040】
上記フォトトランジスタの場合、トランジスタ部の所要特性を考慮して、第2カソード7の拡散深さは2μm〜5μmとしている。図4は上記フォトトランジスタの分光感度特性を示しており、分光感度比は、
分光感度比 = S/L
S : 波長700nmの光に対する感度
L : 波長950nmの光に対する感度
で表される。図4に示すように、従来のフォトトランジスタの特性曲線C1では、分光感度比S1/L1が約0.7であるのに対して、この第1実施形態の第2カソード7の拡散深さが2μm〜5μmのフォトトランジスタの特性曲線C2では、分光感度比S2/L2は約0.4となった。
【0041】
したがって、上記受光部(第1カソード層5,アノード層6および第2カソード層7)の短波長感度を低減することによって、高価な短波長カット用フィルタを挿入する必要がなくなり、このフォトトランジスタを組み込む製品の小型化および低価格化を行うことができる。
【0042】
また、上記P型拡散領域(ベース層3,アノード層6)とトランジスタ部のエミッタ層4および上記受光部の第2カソード層7で形成される寄生トランジスタの電流増幅率hFEを1以下にすることによって、上記寄生トランジスタが動作しても、上記受光部の第1カソード層5とアノード層7に流れる光電流の低下を防止することができる。
【0043】
また、上記第2カソード層7とアノード層6とを短絡する短絡電極11をN型半導体基板1平面上の複数箇所に形成して、短絡電流による電圧降下を小さくするので、短絡電極11による短絡効果を維持することができる。
【0044】
また、上記周辺拡散層8とN型半導体基板1とを周辺短絡電極12により短絡することによって、上記ベース層3,アノード層6のP型拡散領域の周辺部で発生する光キャリアを無効化して、上記受光部以外の領域で吸収された光(特に短波長光)の影響を除去することができる。
【0045】
また、上記第2カソード層7の拡散深さを2μm〜5μmにすることによって、特に受光部のピーク感度波長が950nmでは、波長950nmの光に対する波長700nmの光の分光感度比が約0.4となり、短波長感度を低減することができる。
【0046】
なお、この第1実施形態のフォトトランジスタの構造は、通常のフォトトランジスタの製造プロセスにより製造できる。
【0047】
(第2実施形態)
図3はこの発明の第2実施形態のフォトトランジスタの平面図である。このフォトトランジスタは、ベース層とアノード層とが異なる拡散領域であることを除き図1,図2に示す第1実施形態のフォトトランジスタと同一の構成をしている。
【0048】
図3に示すように、第1導電型としてのN型半導体基板21の一方の側に第2導電型としてのP型不純物を拡散することにより、所定の間隔をあけてベース層23とアノード層26とを形成すると共に、ベース層23内の表面側にN型不純物によりエミッタ層24を形成している。上記ベース層23,エミッタ層24およびN型半導体基板21からなるコレクタ層22でトランジスタ部を形成している。そして、上記受光部のアノード層26内の表面側にN型不純物により第2カソード層27を形成して、アノード層26,N型半導体基板21からなる第1カソード層25および第2カソード層27で受光部を形成している。さらに、上記ベース層23とアノード層26の周辺部にP型拡散層28を形成すると共に、そのP型拡散層28の表面側とN型半導体基板21の表面側の互いに隣接する領域にN + チャンネルストッパー層29を形成している。
【0049】
次に、上記N型半導体基板21上にパターンニングされた酸化膜34を形成した後、N型半導体基板21上に、エミッタ層24に電気的に接続されたエミッタ電極30と、第2カソード層27とアノード層26とを短絡する短絡電極31と、N型半導体基板21とP型拡散層28とを短絡する周辺短絡電極32とを形成している。また、上記N型半導体基板21の他方の側にコレクタ電極33を形成している。
【0050】
上記構成のフォトトランジスタにおいて、トランジスタ部の特性に束縛されることなく、受光部のアノード層26および第2カソード層27の拡散深さを設定する。例えば、波長950nmの光に対して波長700nmの光感度を1/10にする場合、第2カソード層27の吸収係数αが2000cm-1であり、上記式1に基づいて、吸収された短波長光による光キャリアを無効化するための浅い領域の拡散深さ(x)を求めると、11.5μmとなる。すなわち、上記第2カソード層27の拡散深さを11.5μmに設定するのである。したがって、カットしたい光の波長とその量に応じて、第2カソード層27の拡散深さを5μm〜20μmとすることによって、目的にあわせて短波長感度を低減することが可能になる。
【0051】
上記フォトトランジスタの分光感度特性は、図4に示すように、従来のフォトトランジスタの特性曲線C1の分光感度比S1/L1が約0.7であるのに対して、この第2実施形態の第2カソード27の拡散深さが5μm〜20μmのフォトトランジスタの特性曲線C3の分光感度比S3/L3は約0.1となった。
【0052】
このように、上記受光部(第1カソード層25,アノード層26および第2カソード層27)の短波長感度を低減することによって、高価な短波長カット用フィルタを挿入する必要がなくなり、このフォトトランジスタを組み込む製品の小型化および低価格化を行うことができる。
【0053】
また、上記第2カソード層27とアノード層26とを短絡する短絡電極31を第1実施形態と同様にN型半導体基板21平面上の複数箇所に形成して、短絡電流による電圧降下を小さくするので、短絡電極31による短絡効果を維持することができる。
【0054】
また、上記周辺拡散層28とN型半導体基板21とを周辺短絡電極32により短絡することによって、上記ベース層23,アノード層26のP型拡散領域の周辺部で発生する光キャリアを無効化して、上記受光部以外の領域で吸収された光(特に短波長光)の影響を除去することができる。
【0055】
また、上記第2カソード層27の拡散深さを5μm〜20μmにすることによって、特に受光部のピーク感度波長が950nmでは、波長950nmに対する波長700nmの光の分光感度比が約0.1となり、短波長感度を大幅に低減することができる。
【0056】
なお、この第2実施形態のフォトトランジスタの構造は、通常のフォトトランジスタの製造プロセスにより製造できる。
【0057】
(第3実施形態)
図7はこの発明の第3実施形態の特定物検出装置の平面図であり、図8は図7のVIII−VIIIから見た断面図である。
【0058】
図7に示すように、特定物検出装置は、被検出物に対して光を発する発光素子40と上記被検出物からの光を受光する受光素子50とを有している。また、図8に示すように、上記発光素子40は、リードフレーム43に搭載された発光チップ41を金線42により内部結線し、リードフレーム43,発光チップ41を透光性樹脂44により被覆すると共に、受光素子50は、リードフレーム53に搭載された受光チップ51を金線52により内部結線し、リードフレーム53,受光チップ51を透光性樹脂54により被覆している。そして、上記発光素子40と受光素子50とを所定の間隔をあけて、かつ、発光素子40の発光面と受光素子50の受光面とを同じ側に向けて配置して、遮光性樹脂55により一体成形している。
【0059】
上記発光素子40のピーク発光波長λAと受光素子50のピーク感度波長λBはλA<λBの関係にあり、ピーク発光波長λAは600nm〜700nm、ピーク感度波長λBは900nm〜960nmである。また、図10に示すように、受光素子50の波長700nmの光に対する感度は、波長950nmの光に対する感度の約1/2以下となっている。
【0060】
上記受光素子50は、このような分光感度特性を有するフォトトランジスタとして上記第1,第2実施形態のフォトトランジスタを用いている。上記受光素子50は、波長の短かい600nm〜700nmの光により生ずる受光部の光電流を無効化し、波長の長い900nm〜950nmの光により生ずる受光部の光電流が有効になるように、第2カソード層の拡散深さを調整している(波長の長い光ほど表面より深い位置まで到達する)。
【0061】
なお、従来の反射型フォトインタラプタでは、発光素子,受光素子に赤外線領域の光を用いており、外部からの可視光の悪影響を防ぐように可視光をカットする材料を透光性樹脂に添加していたために高価となっていたが、この発明の特定物検出装置では、受光素子自体が700nm以下の領域の光に反応しにくいため、高価な透光性樹脂を用いる必要がない。
【0062】
次に、この特定物検出装置を用いた特定物の検出方法について説明する。
【0063】
上記特定物検出装置の被検出物として、波長600nm〜700nmの光を吸収した後、波長900nm〜950nmの光を発光する材料(例えば蛍光物質)を用いるか、または、その材料を塗布したものを用いる。なお、この被検出物は、波長600nm〜700nmの光が上記材料に当たると、光を吸収した後に波長900nm〜950nmの光を発光するが、一部は吸収されずに波長600nm〜700nmの光をそのまま反射する。
【0064】
上記特定物検出装置でこの被検出物56を検出する場合、図9に示すように、特定物検出装置の発光素子40から発せられた波長λA(600nm〜700nm)の光は、被検出物56に当たって吸収された後、波長λB(900nm〜960nm)の光を被検出物56から発光する。一部は波長λAの光がそのまま反射され、この反射された光が受光素子50側に入射しても、波長λAの光は無効となり、特定物検出装置の出力に影響を及ぼさない。一方、波長λBの光が受光素子50側に入射すると、受光素子50はオン状態になって、有効出力が得られる。
【0065】
一方、被検出物として通常用いられる紙,ミラー等を用いた場合、これらの被検出物では吸収,発光による波長変換がなく、波長λA(600nm〜700nm)の光のみが反射され、受光素子50側に入射する。この波長λAの光はこの特定物検出装置の受光素子50には無効な光であるために検出されず、受光素子50はオフ状態となる。つまり、この特定物の検出方法では、波長λA(600nm〜700nm)の光を吸収し、波長λB(900nm〜960nm)の光を発光するという特定の被検出物だけを検出することが可能となる。さらに、この場合の被検出物は、光の吸収,発光があるため、光を吸収してから発光するまである程度の時間がかかるので、この時間の遅れを利用して特定の被検出物を検出することも可能である(反射のみの場合は時間の遅れがない)。
【0066】
このように、上記特定物検出装置の発光素子40のピーク発光波長λAと受光素子50のピーク感度波長λBとの関係がλA<λBとなっているため、光を吸収してその光よりも波長の長い光を発光する材料を用いた被検出物を検出することができる。したがって、この特定物検出装置は、特定の被検出物のみを検出することができ、セキュリティまたはシステムの独占使用等の用途に適用することができる。また、フロッピーディスクやCD−ROM等の記録媒体に上記特定の被検出物を搭載し、その被検出物をこの特定物検出装置により検出することによって、特定メディアの検知が可能となる。
【0067】
また、上記特定物検出装置は、上記受光素子50の分光感度特性において波長λAに対する波長λBの感度が2倍以上あるため、波長λBの光のみを有効成分として容易に検出することができる。
【0068】
また、上記発光素子40のピーク発光波長λAを600nm〜700nmとすると共に、上記受光素子のピーク感度波長λBを900nm〜960nmとすることによって、670nm程度の光を吸収して950nm程度の光を発光する蛍光物質等を被検出物に使用することができる。
【0069】
また、上記受光素子50に第1,第2実施形態のフォトトランジスタを用いることによって、発光素子40のピーク発光波長λAよりも受光素子50のピーク感度波長λBを長くすることが容易にできる。
【0070】
上記第1,第2実施形態では、N型を第1導電型とし、P型を第2導電型としたが、P型を第1導電型とし、N型を第2導電型として、トランジスタ部がPNP型のフォトトランジスタにこの発明を適用してもよい。
【0071】
また、上記第3実施形態では、特定物検出装置の受光素子に上記第1,第2実施形態のフォトトランジスタを用いたが、特定物検出装置の受光素子はこれに限らず、発光素子のピーク発光素子よりもピーク感度波長が長いフォトダイオード等の受光素子でもよい。
【0072】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明のフォトトランジスタは、請求項1のフォトトランジスタは、第1導電型の半導体基板からなるコレクタ層と、上記半導体基板の一方の側に不純物を拡散することにより形成された上記半導体基板と逆導電型である第2導電型のベース層と、上記ベース層内の表面側に形成された第1導電型のエミッタ層とを有するトランジスタ部と、上記半導体基板の上記一方の側に不純物を拡散することにより形成された第2導電型のアノード層と、第1カソード層としての半導体基板とを有する受光部とを備えるフォトトランジスタにおいて、上記アノード層内の表面側に形成された第1導電型の第2カソード層と第2導電型のアノード層とを短絡電極により短絡するものであり、上記トランジスタ部のベース層と受光部のアノード層とが同一の拡散領域であって、その拡散領域とトランジスタ部のエミッタ層および受光部の第2カソード層で形成される寄生トランジスタの電流増幅率h FE が1以下となるように、上記エミッタ層と第2カソード層との間隔を設定したものである。
【0073】
したがって、請求項1の発明のフォトトランジスタによれば、上記受光部の浅い領域で短波長光は吸収され、上記第2カソード層とアノード層との接合で生じる光起電力を上記短絡電極により無効化する一方、上記受光部の第2カソード層とアノード層との接合よりも深い領域で長波長光は吸収され、第1カソード層とアノード層との接合で生じる光電流を上記トランジスタ部により増幅して、長波長光を有効に検出することによって、上記受光部の受光表面側の比較的浅い領域で吸収される短波長光に対する感度を低減する。したがって、上記受光部の短波長感度を低減することによって、高価な短波長カット用フィルタを挿入する必要がなくなり、このフォトトランジスタを組み込む製品の小型化および低価格化を実現することができる。
【0074】
また、上記トランジスタ部のベース層と上記受光部のアノード層とが同一の拡散領域であって、その拡散領域とトランジスタ部のエミッタ層および受光部の第2カソード層で形成される寄生トランジスタの電流増幅率hFEが1以下となるように、上記エミッタ層と第2カソード層との間隔を設定したので、上記寄生トランジスタが動作しても、上記受光部に流れる光電流が低下するのを防止することができる。
【0075】
また、請求項2の発明のフォトトランジスタは、請求項1のフォトトランジスタにおいて、上記第2カソード層とアノード層とを短絡する短絡電極を上記半導体基板平面上の複数箇所に形成したので、短絡電流に対する抵抗成分を小さくすることによって、短絡電極による短絡効果を維持することができる。
【0076】
また、請求項3の発明のフォトトランジスタは、請求項1または2のフォトトランジスタにおいて、上記トランジスタ部の上記ベース層および上記受光部の上記アノード層の周辺部に、上記ベース層,アノード層に対して所定の間隔をあけて形成された上記周辺拡散層と半導体基板とを周辺短絡電極により短絡するので、上記ベース層,アノード層の周辺部で発生する光キャリアを無効化し、上記受光部以外の領域で吸収された光(特に短波長光)の影響をすることが除去できる。
【0077】
また、請求項4の発明のフォトトランジスタは、請求項1のフォトトランジスタにおいて、上記ベース層と上記アノード層とが同一の拡散領域であって、上記第2カソード層の拡散深さを2μm〜5μmとしたので、特に上記受光部のピーク感度波長が950nmでは、波長950nmの光に対する感度を1とすると、波長700nmの光に対する感度が約0.4となり、短波長感度を低減することができる。
【0078】
【0079】
また、請求項5の発明の特定物検出装置は、リードフレームに搭載された発光チップが透光性樹脂により被覆された発光素子と、リードフレームに搭載された受光チップが透光性樹脂により被覆され、請求項1乃至4のいずれか1つのフォトトランジスタが用いられた受光素子とを備え、上記発光素子と受光素子とを所定の間隔をあけて配置するように遮光性樹脂により一体成形された特定物検出装置であって、上記発光素子のピーク発光波長λAよりも受光素子のピーク感度波長λBが長くしたものである。
【0080】
したがって、請求項5の発明の特定物検出装置によれば、上記特定物検出装置の発光素子のピーク発光波長λAと受光素子のピーク感度波長λBとの関係がλA<λBとなっているため、入射光と同じ波長の光を反射する反射物を検出することなく、特定の被検出物のみを検出することができ、セキュリティまたはシステムの独占使用等の用途に適用することができる。また、フロッピーディスクやCD−ROM等の記録媒体に特定の被検出物を搭載し、その被検出物をこの特定物検出装置により検出することによって、特定メディアの検知することができる。
【0081】
また、請求項6の発明の特定物検出装置は、請求項5の特定物検出装置において、上記受光素子は、上記発光素子のピーク発光波長λAに対する感度よりもピーク感度波長λBに対する感度が2倍以上であるので、波長λBの光のみを有効成分として容易に検出することができる。
【0082】
また、請求項7の発明の特定物検出装置は、請求項5または6の特定物検出装置において、上記発光素子のピーク発光波長λAを600nm〜700nmとすると共に、上記受光素子のピーク感度波長λBを900nm〜960nmとしたので、670nm程度の光を吸収して950nm程度の光を発光する蛍光物質等を被検出物に使用することができる。
【0083】
【0084】
また、請求項8の発明の特定物の検出方法は、請求項5乃至7のいずれか1つの特定物検出装置と、上記特定物検出装置の発光素子からの光を吸収して、吸収された光のエネルギーにより上記特定物検出装置の受光素子が受光可能な光を放出する被検出物とを用いたことを特徴としている。
【0085】
したがって、請求項8の発明の特定物の検出方法によれば、上記特定物検出装置と被検出物とを用いることによって、特定の被検出物のみを検出でき、他の反射物は検出しないシステムの構築が可能で、セキュリティおよびシステム独占使用に適用できるという大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の第1実施形態のフォトトランジスタの平面図である。
【図2】 図2は図1のII−II線から見た断面図である。
【図3】 図3はこの発明の第2実施形態のフォトトランジスタの平面図である。
【図4】 図4は上記第1,第2実施形態のフォトトランジスタの分光感度特性を示す図である。
【図5】 図5は上記フォトトランジスタの波長に対する吸収係数の特性を示す図である。
【図6】 図6は上記フォトトランジスタの表面からの距離に対する相対光強度を示す図である。
【図7】 図7はこの発明の第3実施形態の特定物検出装置の平面図である。
【図8】 図8は図7のVIII−VIII線から見た断面図である。
【図9】 図9は上記特定物検出装置の発光,受光時の光の経路を示す図である。
【図10】 図10は上記特定物検出装置の分光感度特性を示す図である。
【図11】 図11は従来の特定物検出装置の平面図である。
【図12】 図12は図11のXII−XII線から見た断面図である。
【図13】 図13は上記特定物検出装置の発光,受光時の光の経路を示す図である。
【図14】 図14は上記特定物検出装置の受光感度特性を示す図である。
【符号の説明】
1,21…N型半導体基板、2,22…コレクタ層、
3,23…ベース層、4,24…エミッタ層、
5,25…第1カソード層、6,26…アノード層、
7,27…第2カソード層、8,28…P型拡散層、
9,29…N+チャンネルストッパー層、10,30…エミッタ電極、
11,12,31,32…短絡電極、13,33…コレクタ電極、
14,34…酸化膜、15…光電流、16…アノード層抵抗。
Claims (8)
- 第1導電型の半導体基板からなるコレクタ層と、上記半導体基板の一方の側に不純物を拡散することにより形成された上記半導体基板と逆導電型である第2導電型のベース層と、上記ベース層内の表面側に形成された第1導電型のエミッタ層とを有するトランジスタ部と、
上記半導体基板の上記一方の側に不純物を拡散することにより形成された第2導電型のアノード層と、第1カソード層としての上記半導体基板とを有する受光部とを備えるフォトトランジスタにおいて、
上記アノード層内の表面側に形成された第1導電型の第2カソード層と、
上記第2カソード層と上記アノード層とを短絡する短絡電極とを備え、
上記トランジスタ部の上記ベース層と上記受光部の上記アノード層とが同一の拡散領域であって、その拡散領域と上記トランジスタ部の上記エミッタ層および上記受光部の上記第2カソード層で形成される寄生トランジスタの電流増幅率hFEが1以下となるように、上記エミッタ層と上記第2カソード層との間隔を設定したことを特徴とするフォトトランジスタ。 - 請求項1に記載のフォトトランジスタにおいて、
上記第2カソード層と上記アノード層とを短絡する上記短絡電極を上記半導体基板平面上の複数箇所に形成したことを特徴とするフォトトランジスタ。 - 請求項1または2に記載のフォトトランジスタにおいて、
上記トランジスタ部の上記ベース層および上記受光部の上記アノード層の周辺部に、上記ベース層,アノード層に対して所定の間隔をあけて形成された第2導電型の周辺拡散層と、
上記周辺拡散層と上記半導体基板とを短絡する周辺短絡電極とを備えたことを特徴とするフォトトランジスタ。 - 請求項1に記載のフォトトランジスタにおいて、
上記ベース層と上記アノード層とが同一の拡散領域であって、上記第2カソード層の拡散深さを2μm〜5μmとしたことを特徴とするフォトトランジスタ。 - リードフレームに搭載された発光チップが透光性樹脂により被覆された発光素子と、
リードフレームに搭載された受光チップが透光性樹脂により被覆され、請求項1乃至4のいずれか1つに記載のフォトトランジスタが用いられた受光素子とを備え、
上記発光素子と上記受光素子とを所定の間隔をあけて配置するように遮光性樹脂により一体成形された特定物検出装置であって、
上記発光素子のピーク発光波長λAよりも上記受光素子のピーク感度波長λBが長いことを特徴とする特定物検出装置。 - 請求項5に記載の特定物検出装置において、
上記受光素子は、上記発光素子のピーク発光波長λAに対する感度よりもピーク感度波長λBに対する感度が2倍以上であることを特徴とする特定物検出装置。 - 請求項5または6に記載の特定物検出装置において、
上記発光素子のピーク発光波長λAを600nm〜700nmとすると共に、上記受光素子のピーク感度波長λBを900nm〜960nmとしたことを特徴とする特定物検出装置。 - 請求項5乃至7のいずれか1つに記載の特定物検出装置と、
上記特定物検出装置の発光素子からの光を吸収して、吸収された光のエネルギーにより上記特定物検出装置の受光素子が受光可能な光を放出する被検出物とを用いたことを特徴とする特定物の検出方法。
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