JP2000012036A - リチウム二次電池用負極材料 - Google Patents

リチウム二次電池用負極材料

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JP2000012036A JP10172949A JP17294998A JP2000012036A JP 2000012036 A JP2000012036 A JP 2000012036A JP 10172949 A JP10172949 A JP 10172949A JP 17294998 A JP17294998 A JP 17294998A JP 2000012036 A JP2000012036 A JP 2000012036A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷特性、サイクル特性に優れたリチウム二
次電池に使用される新規な負極材料を提案する。 【解決手段】 負極材料であるリチウムイオン吸蔵材と
して、粒子の内部に、リチウムと反応しない金属及び/
または合金の微粒子を含有させた、リチウムイオンを吸
蔵・放出することが可能な実質的に非晶質である酸化物
粒子を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電荷担体としての
リチウムイオンを吸蔵放出することのできる負極材料に
関するものであり、詳しくは、非晶質である酸化物粒子
の粒子内部に、金属の微粒子を添加した材料を負極のリ
チウムイオン吸蔵材として使用することによる、リチウ
ム二次電池の負荷特性の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池の負極材料としては、
当初、金属リチウムが考えられていた。この負極材料を
使用した場合、充電時にリチウム負極の表面にリチウム
が電析するが、そのとき樹枝状の電析リチウムの成長に
因り内部短絡が起こる虞れがあった。
【0003】そこで、実用電池では、このような問題の
無い、充放電時にリチウムイオンを電気化学的に吸蔵及
び放出することが可能な、炭素材料や酸化物が使用され
ている。このうちで代表的なものには、黒鉛系の炭素材
料があるが、この材料が吸蔵可能なリチウムイオンの量
は、黒鉛の層間に挿入が可能な量によって制限されてお
り、比容量を370mAh/g以上とすることは困難であっ
た。
【0004】一方、携帯機器用電源などに対する充電間
隔の長期化の要請から、電池容量の一層の高容量化が求
められており、このため黒鉛材料に比べて比容量の大き
い負極を提供する材料として、錫などの元素を含む酸化
物(特開平7-288123号公報を参照)が、負極のリチウム
イオン吸蔵材として注目されている。
【0005】この酸化物材料は、多くの場合、黒鉛材料
に比べて電子伝導性が著しく劣っている。そのため、酸
化物材料のみで負極を構成するのではなく、電子伝導性
の高い粒子(導電剤)を混合することで負極材料として
使用可能となる。しかしながら、このような導電剤を添
加した場合であっても、酸化物粒子内部における電子伝
導性は、依然として低い。
【0006】このため、酸化物材料を負極に使用した電
池では、黒鉛材料を負極とした場合に比べると、所謂負
荷特性に劣ることになる。即ち、低い電流値での放電に
比べ、高い電流値での放電では容量の減少、放電電位の
低下などの問題がある。更に、粒子内部の電子伝導性が
低いと、粒子内に存在する全てのリチウムイオン吸蔵サ
イトを有効に使うことができないという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、負極材料で
ある負極の活物質に電子伝導性の高い酸化物材料を利用
すれば、前記の問題を低減できるとの考えに基づきなさ
れたものであって、高容量で且つ負荷特性並びにサイク
ル特性に優れたリチウム二次電池を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明に関わるリチウム二次電池用の負極材料は、
リチウムイオン吸蔵材として、リチウムイオンを吸蔵・
放出することが可能な実質的に非晶質である酸化物粒子
からなり、且つ、前記酸化物粒子の内部に、リチウムと
反応しない金属及び/または合金の微粒子を含むことを
特徴とする。
【0009】リチウムイオン吸蔵剤となる酸化物は、通
常、電子伝導性が低いが、本発明品で使用する酸化物粒
子は、粒子内部に金属若しくは合金の微粒子を含有させ
ることで、前記酸化物粒子の導電性を飛躍的に高めたも
のである。
【0010】係る負極材料を使用することによって、酸
化物粒子と導電剤粒子を単に混合した場合とは異なり、
酸化物粒子内部の導電性が高くなるので、高い電流密度
での充放電が可能になる。また、酸化物粒子内の電子伝
導が遅い場合には、酸化物の持つリチウム吸蔵サイトの
全てを利用できなかったのに対し、本発明品ではほぼ全
てのサイトを有効に利用するため、電池を高容量化する
効果もある。
【0011】酸化物材料を負極のリチウムイオン吸蔵剤
として使用する場合、非晶質化した状態で用いられるこ
とが多い。これは、結晶状態の酸化物材料を用いた場合
には、充放電時のリチウムイオンの吸蔵・脱離に伴って
結晶構造が劣化したり、不可逆反応を起こすためにサイ
クル特性の劣る電池となるためである。
【0012】尚、非晶質の酸化物とは、そのXRDパタ
ーンの2θ=20°〜50°(X線としてCuKαを用いた
場合。以下同様。)の領域に非晶質相由来のブロードな
ピークを持っており、且つ、その回折強度が、結晶相に
由来するピーク(2θ=10°〜80°にみられる結晶相に
由来するピークのうちで最も大きい回折強度を示すも
の)の回折強度に比べて大きいことが特徴である。特
に、前記の結晶相に由来するピークの回折強度が、アモ
ルファス相に由来するピークの回折強度の1/10を超え
ないものが望ましい。
【0013】非晶質の酸化物では、その粒子内部に金属
の微粒子を均一に分散させることが比較的容易である。
最も簡便なのは、ガラス転移点よりも十分高い温度、具
体的には、非晶質酸化物が溶融して粘度が103(cP)とな
る温度以上に加熱して、金属の微粒子を混合して十分に
撹拌した後、急冷する方法である。この方法によれば、
金属の微粒子は非晶質酸化物の内部に分散した状態で包
含される。
【0014】本発明に使用される金属若しくは合金の微
粒子には、リチウムと反応しない金属及び/または合金
を選ぶ必要がある。仮に、金属の微粒子がリチウムと反
応し得る元素であると、負極がリチウムイオンを吸蔵す
る際に、リチウムとの化合物を生成する。この場合、リ
チウムイオンの吸蔵・放出に伴う化合物相の体積変化や
微粉化等が原因となり、充放電サイクル特性が低下して
しまうために使用できない。
【0015】また、金属若しくは合金の微粒子を内部に
分散させた酸化物粒子を、上記の溶融法やその他の類似
の方法で合成するには、合成時の酸化物の溶融温度より
も金属の融点が十分高いことが望ましい。具体的には融
点が1000℃以上の金属が望ましい。
【0016】そこで、リチウムと反応しない性質を持
ち、且つ、高融点の金属の例としては、チタン(Ti)、
マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル
(Ni)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、タングステン
(W)が挙げられる。これらの元素群から選ばれる少な
くとも1つの元素を主体とする合金を、使用することも
可能であり、例としてステンレス合金が挙げられる。
【0017】金属微粒子を内部に分散させた酸化物粒子
の合成方法としては、上記の溶融法のほか、ゾルーゲル
法においてゾル中に金属微粒子を添加する方法を用いて
もよく、また、スパッタリング法で金属微粒子を共存さ
せた非晶質酸化物を成膜してもよい。また、予め形成し
た非晶質酸化物の膜に、イオン注入法により金属微粒子
を添加することも可能である。
【0018】金属若しくは合金の微粒子の添加量を様々
に変更して調べたところ、酸化物粒子の重量に対して0.
1重量%以上、30.0重量%以下であることが望ましい。
特に、2.0重量%以上10.0重量%以下が好ましいことが
判った。添加量が少なすぎると導電性を向上する効果が
みられず、また、添加量が多すぎると、酸化物粒子の機
械強度が下がるため、電池の充放電サイクル特性が低下
する傾向がある。
【0019】添加する金属若しくは合金の微粒子の大き
さは小さいことが望ましく、具体的には、平均粒径が10
nm以下であることが望ましい。これは、金属若しくは合
金の微粒子がより均一に分散している方が、導電性を増
大させる効果が高いためである。
【0020】本発明に用いることができる酸化物材料
は、特に組成を限定されないが、例として、鉄(Fe)や
タングステン(W)、錫(Sn)、ニオブ(Nb)、モリブ
デン(Mo)などを含む複合酸化物が挙げられる。更に、
非晶質化を促進させるためには、ホウ素(B)、ケイ素
(Si)、ゲルマニウム(Ge)、リン(P)、ヒ素(A
s)、アンチモン(Sb)、バナジウム(V)、ジルコニ
ウム(Zr)などの元素を含むものを用いるのがよい。
【0021】更に、非晶質化を容易にしたり、分相構造
を容易に得る目的で、アルカリ金属の酸化物や、アルカ
リ土類金属の酸化物を添加するのがよく、例としてLi
2O、Na 2O、K2O、MgO、CaO、BaOなどが挙げられる。
【0022】本発明の特徴は、非晶質酸化物を負極活物
質とした電池の負荷特性を向上させる目的で、金属微粒
子を分散させた非晶質酸化物を使用したものであり、そ
れゆえ、正極材料、電解液、セパレータなどの電池を構
成する種々の材料を特に制限なく使用することが可能で
ある。
【0023】例えば、正極材料としては、リチウムイオ
ン等の金属イオンの吸蔵及び放出することの可能なLiCo
O2、LiNiO2、LiMn2O4等の金属酸化物、及びこれらの複
合酸化物が好適なものとして挙げられる。
【0024】また、電解液の溶媒としては、エチレンカ
ーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(P
C)、ビニレンカーボネート(VC)、ブチレンカーボ
ネート(BC)等の有機溶媒や、これらとジメチルカー
ボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DE
C)、メチルエチルカーボネート(EMC)、1,2−ジ
エトキシエタン(DEE)、1,2−ジメトキシエタン
(DME)、エトキシメトキシエタン(EME)などの
低沸点溶媒との混合溶媒が例示される。なかでも、サイ
クル特性を向上させる上で特に好ましい溶媒としては、
一種又は二種以上の環状炭酸エステルと一種又は二種以
上の鎖状炭酸エステルとの体積比1:4〜4:1の混合
溶媒である。
【0025】そして、この混合溶媒に、LiPF6、LiCl
O4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2等の電解液溶質を0.7〜1.5
M(mol/l)程度の割合で溶解さることにより、電解液と
して使用される。
【0026】この様にして、高容量且つ負荷特性並びに
サイクル特性に優れる、リチウム二次電池用負極材料並
びにそれを用いたリチウム二次電池を得ることができ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明を実施例に基づいて更に詳
細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定され
るものではなく、その要旨を変更しない範囲において適
宜変更して実施することが可能なものである。
【0028】《実験1》この実験1では、酸化物粒子に
対し、金属の微粒子の添加量を変化させて、無添加のも
のとの優位性を比較した。尚、金属の微粒子の添加量を
変化させたものを実施例1〜実施例8に、無添加のもの
を比較例1として例示する。
【0029】(実施例1)以下に、正極の作製、負極の
作製、電解液の調整、電池の組立という項目に分けて、
説明していく。
【0030】[正極の作製]正極活物質としてのLiCoO2
と導電剤としての人造黒鉛を重量比18:1で混合した。
この混合物95重量部と、ポリフッ化ビニリデン5重量部
のNMP(N-メチル-2-ピロリドン)溶液とを混練して、ス
ラリーを調製した。このスラリーを正極集電体としての
アルミニウム箔の両面にドクターブレード法により塗布
し、150℃で2時間真空乾燥して正極を作製した。
【0031】[負極の作製]FeOとSiO2を、Fe:Siの原
子比が1:1となるように混合し、白金坩堝に入れてア
ルゴン雰囲気中1500℃で5時間溶融したものを急冷し、
ガラス状の光沢を持つ固体を得た後、これを粉砕し、平
均粒径が5μmの粉末とし、これを負極活物質原料とし
た。
【0032】次いで、上記負極活物質原料と、平均粒径
5nmのCu粉末(金属の微粒子)を、重量比が99.9:0.1
となるように混合し、白金坩堝に入れてアルゴン雰囲気
中1000℃に加熱し、撹拌を行いながら2時間保持した。
これを約102℃/minで急冷し、ガラス状の光沢を持つ固
体を得た後、粉砕し、平均粒径が5μmの粉末とし、負
極材料a1とした。
【0033】ICP発光分析法により、負極材料aの組
成を分析したところ、FeとSiの原子比はほぼ1:1であ
り、また、Cuの含有量は原料の混合比と一致した。尚、
ICP発光分析とは、高周波誘導により励起したアルゴ
ンプラズマ中に溶液試料を噴霧し、このとき励起された
原子が発するスペクトル線を分析することにより定性お
よび定量分析を行うものである。
【0034】また、XRDにより、負極材料a1の結晶
性を評価したところ、非晶質であることが確認された。
【0035】得られた負極材料a1と、導電剤としての
人造黒鉛を重量比95:5で混合し、この混合物95重量部
とポリフッ化ビニリデン5重量部のNMP溶液とを混練し
てスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体とし
ての銅箔の両面にドクタープレード法により塗布し、15
0℃で2時間真空乾燥して負極を作製した。
【0036】[電解液の調製]有機溶媒としてのエチレ
ンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1:1
で混合した混合溶媒に、電解質溶質としてのLiPF6を1
Mの割合で溶かして電解液を調製した。
【0037】[電池の組立]上記の正極、負極、電解液
とを用いて、円筒形のリチウム二次電池A1を作製し
た。電池寸法は外径18mm、高さ65mmである。セパレータ
としてイオン透過性のポリプロピレン製の微多孔膜を用
いた。
【0038】図1は作製したリチウム二次電池の断面模
式図であり、図示の電池は、正極1及び負極2、及び正
極1と負極2を離間するセパレータ3、正極リード4、
負極リード5、正極外部端子6、負極缶7などからな
る。
【0039】上記正極1及び負極2は、非水電解液が注
入されたセパレータ3を介して渦巻き状に巻き取られた
状態で負極缶7内に収納されている。また、正極1は正
極リード4を介して正極外部端子6に、また負極2は負
極リード5を介して負極缶7に接続され、電池内部で生
じた化学エネルギーを電気エネルギーとして外部へ取り
出し得るようになっている。
【0040】(実施例2〜8)上記実施例1で準備した
負極活物質原料と、平均粒径5nmのCu微粉末(金属の微
粉末)の混合比を、重量比で99:1、98:2、95:5、
90:10、80:20、70:30、60:40としたこと以外は、上
記負極材料a1と同様にして、負極材料a2〜a8を得
た。
【0041】ICP発光分析法により、各負極材料の組
成を分析したところ、いずれも、FeとSiの原子比はほぼ
1:1であり、また、Cuの含有量は原料の混合比と一致
した。
【0042】またXRDにより、各負極材料の結晶性を
評価したところ、上記負極材料a1と同様に非晶質相由
来のブロードなピークが観察されたほか、Cuの金属結晶
に由来するシャープなピークが観察された。
【0043】この負極材料a2〜a8を用いる以外は上
記と同様にして、7種類の負極を作製し、これらを用い
て本発明電池A2〜A8を作製した。
【0044】(比較例)上記実施例1の負極活物質原料
を、負極材料xとしてそのまま用いる以外は上記と同様
にして、負極を作製し、これを用いて比較電池Xを作製
した。
【0045】[電池の特性評価]これらの電池A1〜A
8、比較電池Xを用い、負荷特性とサイクル特性を調べ
た。
【0046】具体的には、各電池を、室温にて200mAで
4.1Vまで充電した後、200mAで2.75Vまで放電する行程
を、電流値1A、2A、3Aの3通りに変えて行った。
また、電流値1Aでの充放電を200サイクル繰り返し
た。
【0047】表1に、各電池の各電流値における1サイ
クル目の放電容量(mAh)と、200サイクルまでの容量劣
化率(%)を示す。尚、容量劣化率とは、以下の式で与え
られる。
【0048】容量劣化率(%)= {(1サイクル目の放
電容量−200サイクル目の放電容量)/1サイクル目の
放電容量}÷ 充放電サイクル(199サイクル)×100
【0049】
【表1】
【0050】この結果より、酸化物粒子の中にCu微粒子
を添加していない負極材料を使用した比較電池Xでは、
2A放電や3A放電での放電容量が小さくなっているこ
とが理解される。他の電池では、3A放電においても高
い容量を示し、負荷特性が優れた電池であることが確認
された。
【0051】容量劣化率に注目すると、電池A8の劣化
率が大きいことがわかる。これは、金属微粒子の添加量
が過剰であるために、酸化物粒子の機械的強度が低下し
ていることに由来すると考えられる。これに対し、本発
明電池A1〜本発明電池A7が、負荷特性に優れ、且
つ、サイクル特性にも優れる電池となっていることがわ
かる。これより、金属の微粒子の添加量は、酸化物粒子
に対して0.1重量%〜30.0重量%の範囲が好適である。
【0052】更に、これら本発明電池の中でも、特に本
発明電池A3〜本発明電池A5の特性が秀逸である。こ
れより、金属の微粒子の最適添加量は、酸化物粒子に対
して2.0重量%〜10.0重量%の範囲である。
【0053】上述の添加量の傾向は、銅以外の金属であ
る、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバル
ト(Co)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、タングス
テン(W)でも同様である。
【0054】《実験2》次に、この実験2では、負極材
料において酸化物粒子に添加する金属微粒子(元素の種
類)を変更して、電池特性を比較した。
【0055】上記実験1の負極の作製で使用したCuの微
粉末に代えて、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、鉄(F
e)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(N
i)、タンタル(Ta)、タングステン(W)の各粉末を
使用したこと以外は同様にして、負極材料b1〜負極材
料b8を作製した。
【0056】次に、上記実験1の負極材料a4で使用し
たCuの微粉末に代えて、ステンレス合金(Fe:Cr:Ni=
7:2:1)の微粉末を使用したこと以外は同様にし
て、負極材料b9を作製した。
【0057】尚、各金属の微粒子は、いずれも平均粒径
が5nmであり、酸化物粒子と金属微粒子を95:5で混合
したものを溶融、冷却後して得られたものである。
【0058】この様にして、負極材料b1〜負極材料b
9を使用したこと以外は実験1と同様にして、本発明電
池B1〜本発明電池B9を作製した。
【0059】[電池の特性評価]本発明電池B1〜B9
について、上記実験1と同様にして、充放電試験を行っ
た。表2に、本発明電池B1〜B9を用いた場合の、電
流値が1A、2A、3Aにおける1サイクル目の放電容
量(mAh)、200サイクル目のサイクル劣化率を示す。
尚、表2には、比較のため、上述の実験1の本発明電池
A4(Cu微粉末を使用)の特性を併せて示してある。
【0060】
【表2】
【0061】この結果より、銅(Cu)以外の金属微粒子
として、Ti、Mn、Fe、Cr、Co、Ni、Ta、W、ステンレス
合金のいずれを使った場合にも、Cuを使用する場合と同
等の優れた負荷特性が得られていることがわかる。
【0062】《実験3》次に、負極材料の酸化物粒子へ
添加する金属微粒子の粒径を変化させて、電池特性に及
ぼす影響を調べた。
【0063】上記実験1の負極の作製で使用した平均粒
径が5nmのCu微粉末の代えて、平均粒径10nm、50nm、10
0nmの各粉末を使用したこと以外は同様にして、負極材
料c1〜c3を作製した。尚、いずれも、酸化物粒子と
金属微粒子とを95:5で混合したものを溶融、冷却して
得られたものである。
【0064】これらの負極材料c1〜c3を使用したこ
と以外は、上記実験1と同様にして、本発明電池C1〜
C3を作製した。
【0065】[電池の特性評価]この様にして準備した
本発明電池C1〜C3を用いて、電池の負荷特性を調べ
た。実験条件は、上記実験1と同様の充放電試験を行っ
ている。
【0066】表3に、本発明電池C1〜本発明電池C3
の、電流値が1A、2A、3Aにおける1サイクル目の
放電容量(mAh)と、200サイクル目のサイクル劣化率を
示す。尚、同表中に、比較のため上述の実験1で作製し
た本発明電池A4(粒径5nmの微粉末を使用)の特性も
合わせて示す。
【0067】
【表3】
【0068】表3に示されるとおり、電池C1の特性
は、電池A4とほぼ同等であるが、電池C2や電池C3
では電流値3Aでの放電容量がやや小さくなっている。
これより金属微粒子の平均粒径は10nm以下とするのが、
負荷特性に優れるものであり、10nm以下とするのが望ま
しい。
【0069】《実験4》次に、この実験4では、負極材
料である非晶質酸化物の組成を変えて、同様の試験を行
い、電池特性への影響を調べた。
【0070】まず、上記実験1の負極の作製で使用した
FeOに代えて、WO2、SnO、Nb2O5、MoO2を用い、W:Si、
Sn:Si、Nb:Si、Mo:Siの原子比がそれぞれ1:1となる
ように混合したこと以外は同様にして、4種類の負極活
物質原料を得た。そして、それぞれ順番に、比較用の負
極材料y1〜y4とした。
【0071】次に、これら負極活物質原料と、平均粒径
が5nmのCu微粉末を、重量比が90:10となるように混合
したこと以外は負極材料a1と同様にして、負極材料d
1〜d4を得た。
【0072】上述の負極材料y1〜y4と負極材料d1
〜d4を用いて、上記実験1と同様にして8種類の電池
を作製し、それぞれ比較電池Y1〜Y4及び本発明電池
D1〜D4とした。
【0073】[電池の特性評価]比較電池Y1〜Y4及
び本発明電池D1〜D4を用いて、上述の実験1と同様
にして、電池の負荷特性を調べた。実験条件は、上述の
実験1と同一である。
【0074】表4に、本発明電池D1〜D4及び比較電
池Y1〜Y4の、電流値1A、2A、3Aにおける1サ
イクル目の放電容量(mAh)と、200サイクル目のサイク
ル劣化率を示す。
【0075】
【表4】
【0076】この結果より、酸化物粒子を構成する鉄
(Fe)に代えて、タングステン(W)、錫(Sn)、ニオ
ブ(Nb)、モリブデン(Mo)を用いて非晶質酸化物を構
成した場合であっても、金属微粒子の添加効果に基づ
き、負荷特性、サイクル特性の優れた電池(電池D1〜
D4)が得られることがわかる。
【0077】上記の実施例では、本発明を円筒形電池に
適用する場合について説明したが、本発明電池はその形
状に制限はなく、扁平型、角型など、他の種々の形状の
リチウム二次電池に適用し得るものである。
【0078】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明では、負極
材料であるリチウムイオン吸蔵材に、金属微粒子を添加
・分散させた非晶質酸化物を使用しているので、高容量
で且つ負荷特性並びにサイクル特性に優れたリチウム二
次電池が提供でき、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明電池の断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 正極リード 5 負極リード 6 正極外部端子 7 負極缶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 喜多 浩之 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 能間 俊之 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA02 AA04 BB05 BC01 BD02 BD04 5H014 AA02 EE05 EE10 HH01 HH06 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AL03 AM03 BJ02 BJ14 DJ01 DJ18 HJ01 HJ05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムイオン吸蔵材として、リチウム
    イオンを吸蔵・放出することが可能な実質的に非晶質で
    ある酸化物粒子からなり、且つ、前記酸化物粒子の内部
    には、リチウムと反応しない金属及び/または合金の微
    粒子を含むことを特徴とするリチウム二次電池用負極材
    料。
  2. 【請求項2】 前記金属の微粒子が、銅(Cu)、コバル
    ト(Co)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、
    チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、
    バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)から選ばれる少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のリ
    チウム二次電池用負極材料。
  3. 【請求項3】 前記合金の微粒子が、銅(Cu)、コバル
    ト(Co)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、
    チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、
    バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)から選ばれる少
    なくとも1つの金属を主体とする合金の微粒子であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池用負極
    材料。
  4. 【請求項4】 前記酸化物粒子において、前記金属また
    は合金の微粒子が、0.1重量%以上30.0重量%以下含有
    されることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電
    池用負極材料。
  5. 【請求項5】 前記酸化物粒子において、前記金属また
    は合金の微粒子が、2.0重量%以上10.0重量%以下含有
    されていることを特徴とする請求項1記載のリチウム二
    次電池用負極材料。
  6. 【請求項6】 前記金属または合金の微粒子の平均粒径
    が、10nm以下であることを特徴とする請求項1記載のリ
    チウム二次電池用負極材料。
  7. 【請求項7】 前記酸化物粒子が、タングステン
    (W)、鉄(Fe)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、
    錫(Sn)から選ばれる少なくとも1つの元素を含むこと
    を特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池用負極材
    料。
  8. 【請求項8】 上記請求項1記載のリチウム二次電池用
    負極材料を負極として用いたリチウム二次電池。
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