JPH11283626A - リチウム二次電池用負極材料及びそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用負極材料及びそれを用いたリチウム二次電池

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JPH11283626A
JPH11283626A JP10086557A JP8655798A JPH11283626A JP H11283626 A JPH11283626 A JP H11283626A JP 10086557 A JP10086557 A JP 10086557A JP 8655798 A JP8655798 A JP 8655798A JP H11283626 A JPH11283626 A JP H11283626A
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JP
Japan
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negative electrode
nitrogen
electrode material
lithium secondary
secondary battery
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JP10086557A
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Hiroyuki Kita
浩之 喜多
Hiroshi Watanabe
浩志 渡辺
Toshiyuki Noma
俊之 能間
Koji Nishio
晃治 西尾
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイクル特性に優れたリチウム二次電池に使
用される新規な負極材料を提案する。 【解決手段】 負極材料として、リチウムイオンを吸蔵
・放出することが可能であり、実質的に非晶質構造を有
する酸化物よりなるリチウム二次電池用負極材料であっ
て、前記酸化物の酸素原子の一部が、窒素原子で置換さ
れているものを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電荷担体としての
リチウムイオンを吸蔵放出することのできるリチウム二
次電池用負極材料及びこの負極材料を用いたリチウム二
次電池に係わり、詳しくは、非晶質酸化物の酸素原子の
一部を窒素原子で置換したものを負極材料として使用す
ることによる、サイクル特性の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池用負極材料としては、
当初、金属リチウムが考えられていた。この負極材料を
使用した場合、充電時にリチウム負極の表面にリチウム
が電析するが、そのとき樹枝状の電析リチウムの成長に
因り内部短絡が起こる虞れがある。
【0003】そこで実用電池では、このような問題の無
い、充放電時にリチウムイオンを電気化学的に吸蔵及び
放出することが可能な炭素材料や酸化物が使用されてい
る。このうちで代表的なものには、黒鉛系の炭素材料が
あるが、この材料が吸蔵可能なリチウムイオンの量は、
黒鉛の層間に挿入が可能な量によって制限されており、
比容量を370mAh/g以上とすることは困難であった。
【0004】一方、携帯機器用電源などに対する充電間
隔の長期化の要請から、電池容量の一層の高容量化が求
められており、このため黒鉛材料に比べて比容量の大き
い負極を提供する材料として、錫などの元素を含む酸化
物(特開平7-288123号)が負極のリチウムイオン吸蔵材
として注目されている。
【0005】しかしながら、酸化物材料を使用した負極
の特徴として、充放電を繰り返すと構造が劣化し、これ
に伴い比容量の低下が起こり易いことが挙げられる。こ
の対策として、使用する酸化物を非晶質構造とし、更に
多種の金属酸化物の複合酸化物とすることにより前述の
劣化を抑制する方策が採られている。しかしながら、多
くの場合、炭素材料と比較して、充放電の繰り返しに伴
う比容量の低下が大きい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、酸化物材料を主体とする負極を使用したリチウム二
次電池のサイクル特性を向上させるには、非晶質酸化物
を、弾性率の高い材料へと改良する必要があると考え
た。本発明は、かかる知見に基づきなされたものであっ
て、高容量で且つサイクル特性に優れたリチウム二次電
池用負極材料及びこれを用いた二次電池を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明に関わるリチウム二次電池用負極材料(以
下、「本発明負極材料」と称する。)は、リチウムイオ
ンを吸蔵・放出することが可能であり、実質的に非晶質
構造を有する酸化物よりなるリチウム二次電池用負極材
料であって、前記酸化物の酸素原子の一部が、窒素原子
で置換されていることを特徴とする。
【0008】非晶質構造を有する酸化物は、実質的に結
晶質からなる酸化物に比べて、リチウムイオンの可逆的
な吸蔵・放出に適しているが、リチウムイオンの吸蔵、
放出に伴って、体積が大きく変化するために、酸化物粒
子中に歪みが発生し、これを主な原因として構造劣化が
起こり易い。そこで、本発明に係る負極材料は、非晶質
酸化物の網目状骨格を構成する酸素原子の一部を、窒素
原子で置換したものであり、弾性率が増大されている。
このため多量のリチウムイオンの挿入・脱離を繰り返し
ても、構造劣化が小さく抑えられる。
【0009】本発明において置換とは、非晶質酸化物中
で本来酸素原子の占めるべき位置を窒素で置き換えてお
り、且つ、酸素O、窒素N、それ以外の元素Mの組成比
が、組成式MxOyNzにおいて0<x/(y+z)≦2
の範囲となるもののことを言う。
【0010】この負極材料は、非晶質酸化物と同様の安
定な立体網目骨格を主体とする構造を持っている。窒素
原子は酸素原子よりも結合手を多く形成するため、窒素
原子が立体網目構造に入る場合の方が、より架橋の多い
立体網目構造となり、その結果、弾性率や破壊強度が増
大する。
【0011】リチウムイオン吸蔵材となる酸化物からな
る負極材料について、その酸素の一部を窒素で置換して
いくと、窒素の含有量に応じて弾性率を始めとする様々
な性質が変化する。基となる酸化物の立体網目骨格の酸
素原子を置換することのできる窒素原子の量は限られて
おり、それを超えると、均一な非晶質化が困難になる
上、目的の材料中に窒化物のみからなる相を形成し、リ
チウムイオンの可逆的な吸蔵量の減少や、構造的安定性
の低下が観察される。この限界の量は、基となる酸化物
の種類によらず、窒素と酸素の原子比(N/O)が略0.
1程度であることが判った。
【0012】そこで、本発明負極材料においては、酸化
物の酸素原子を、窒素原子で置換する割合が、原子比で
酸素原子10に対し窒素原子1以下であることを特徴とす
る。この範囲においては、リチウムイオン吸蔵量や、リ
チウムイオンの挿入脱離の電位に変化が殆ど見られない
ことを見出した。即ち、基となる非晶質酸化物の、リチ
ウムイオン吸蔵材としての特性を損なうことなくサイク
ル特性を向上させるためには、0<N/O≦0.1の範囲
の組成とすることが望ましい。
【0013】詳述すると、この負極材料は、組成式Mx
OyNz(但し、この式においてMは、Ia族の元素、
IIa族の元素、遷移金属の元素、IIIb族の元素、IVb族の
元素、窒素を除くVb族の元素から選択された少なくとも
1種の金属元素、Oは酸素、Nは窒素を表わす)で示さ
れ、x、y、zは正の数であって、0<z/y≦0.1で
あることを特徴とする。ここでIa族の元素としては、
例えばLi、Na、Kが例示される。IIa族の元素として
は、例えばMg、Ca、Baが例示される。遷移金属の元素と
しては、例えばFe、Ni、Co、Cu、W、Mo、Nbが例示され
る。IIIb族の元素としては、例えばB、Al、Inが例示さ
れる。IVb族の元素としては、例えばSi、Ge、Sn、Pbが
例示される。窒素を除くVb族の元素としては、例えば
P、As、Sb、Biが例示される。
【0014】前記負極材料においては、酸素、窒素及び
元素Mにより構成される網目構造を主体としている。
【0015】そして本発明に用いられる、窒素を含有す
る酸化物材料は、特に組成を限定されないが、例とし
て、FeやW、Sn、Si、Nb、Moなどを含むものが挙げられ
る。リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出するには非晶
質構造である必要があるが、前記の元素群のうちで非晶
質化が容易な窒素含有酸化物を提供するのはSiだけであ
る。非晶質化を容易にするためにはSiのほか、B、Ge、
P、As、Sbなどの元素を含ませるのがよい。
【0016】これらは更に、非晶質化を容易にし、負極
活物質としての性能を向上させる目的で、少量のアルカ
リ金属の酸化物や、アルカリ土類金属の酸化物を添加す
ることができ、例としてLi2O、Na2O、K2O、MgO、C
aO、BaOなどが挙げられる。
【0017】窒素を含有する非晶質酸化物材料の合成す
る方法としては、種々の酸化物と窒化物を混合し、不活
性雰囲気中で1000℃〜2000℃にて溶融した後、102℃/mi
n以上で急冷し固化させる方法(溶融法)がある。この
とき使用する窒化物の例としては、Si34、Si2ON2
BN、AlN、Mg32、Li3N等が挙げられる。
【0018】これ以外の方法として、基となる非晶質酸
化物を予め調製した後、NH3などの窒素化合物ガスを
多量に含む雰囲気中で加熱して窒素化する方法が挙げら
れる。この場合、基となる非晶質酸化物が多孔質である
ことが効率的に窒素化反応を進める上で望ましい。ま
た、ゾルーゲル法によって基となる酸化物のゲル体を調
製し、窒素化合物ガスを多量に含む雰囲気中で加熱する
ことによっても、窒素を含有した非晶質酸化物が得られ
る。
【0019】これ以外の製法として、CVDやスパッタ
リングによって、非晶質薄膜を得る方法を用いてもよ
い。
【0020】本発明の特徴は、負極活物質の非晶質酸化
物の充放電サイクルに伴う構造劣化を抑制する目的で、
酸素原子の一部を窒素原子で置換した非晶質酸化物を使
用したものであり、それゆえ、正極材料、電解液、セパ
レータなどのリチウム二次電池を構成する種々の材料を
特に制限なく使用することが可能である。
【0021】例えば、正極材料としては、リチウムイオ
ン等の金属イオンの吸蔵及び放出することの可能なLiCo
2、LiNiO2、LiMn24等の金属酸化物、及びこれらの
複合酸化物が好適なものとして挙げられる。
【0022】また、電解液としては、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート等の有機溶媒に、LiPF6、Li
ClO4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2等の電解液溶
質を0.7〜1.5M(mol/l)程度の割合で溶解させた溶液が
例示される。
【0023】本発明においては、負極のリチウムイオン
吸蔵材として、酸素原子の一部を窒素原子で置換した非
晶質酸化物を用いており、高容量且つサイクル特性に優
れるリチウム二次電池を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定
されるものではなく、その要旨を変更しない範囲におい
て適宜変更して実施することが可能なものである。 (実験1)この実験では、非晶質化を容易ならしめる珪
素Siを含む出発材料を用いて、実質的に非晶質構造を有
する酸化物の酸素原子を、一部窒素原子で置換した、リ
チウム二次電池用負極材料を各種準備し、その特性を比
較検討した。 [正極の作製]正極活物質としてのLiCoO2と導電剤とし
ての人造黒鉛を重量比18:1で混合し、この混合物95重
量部と、ポリフッ化ビニリデン5重量部のNMP(N−
メチル−2−ピロリドン)溶液とを混練してスラリーを
調製し、このスラリーを正極集電体としてのアルミニウ
ム箔の両面にドクターブレード法により塗布し、150℃
で2時間、真空乾燥して正極を作製した。 [負極の作製] (負極活物質1)FeOとSiO2を、Fe:Siの原子比が
1:1となるように秤量し、更にSi34をFe:Nの原子
比が1:0.025となるように加えて混合したものを、窒
化ホウ素製の坩堝に入れて乾燥窒素雰囲気中1500℃で溶
融した。その後、これを急冷し、ガラス光沢を有するバ
ルク状の固体を得た。次いでこれを粉砕し、平均粒径が
5μmの粉末とした。
【0025】粉末の組成をICP発光分析法と原子吸光
法により調べたところ、FeSiO30 .015となっていた。
原料に含まれたNの60%程度が試料中に取り込まれたこ
とが判る。尚、ICP発光分析とは、高周波誘導により
励起したアルゴンプラズマ中に溶液試料を噴霧し、この
とき励起された原子が発するスペクトル線を分析するこ
とにより定性および定量分析を行うものである。また、
XRDスペクトルを調べたところ、2θ=10〜80°にシ
ャープなピークは観察されず、2θ=20〜30°の領域に
ブロードなピークを持つことから、非晶質であることが
確認された。 (負極活物質2〜5)FeOとSiO2を、Fe:Siの原子比
が1:1となるように秤量し、加えるSi34の量を、F
e:Nの原子比が1:0.05、1:0.25、1:0.60、1:
0.90となるようにした他は、負極活物質1と同様にし
て、負極活物質2〜5を得た。それぞれの組成は、FeSi
1.230.03、FeSi1.130.15、FeSi1.230.3、F
eSi1.330.45であった。また、粉末のXRDスペク
トルから、いずれも非晶質であることが確認された。 (負極活物質6)FeOとSiO2を、Fe:Siの原子比が
1:1となるように秤量し、Si34を添加しなかったこ
と以外は負極活物質1と同様にして、負極活物質6を得
た。組成は、FeSiO3であり、粉末のXRDスペクトル
から、非晶質であることが確認された。 (負極活物質7〜12)原料として、FeOに代えてWO2
を使用したこと以外は負極活物質1〜5と同様にして、
非晶質のWSiO40.02、WSiO40.04、WSi1.24
0.2、WSi1.340.4、WSi1.540.6を合成し、そ
れぞれ負極活物質7〜11とした。また、FeOに代えてW
2を使用したこと以外は負極活物質6と同様にし、組
成がWSiO4の負極活物質12を得た。また、粉末のXR
Dスペクトルから、活物質7〜12はいずれも非晶質であ
ることが確認された。 (負極活物質13〜18)原料として、FeOに代えてSnOを
使用したこと以外は負極活物質1〜5と同様にして、非
晶質のSnSiO30.015、SnSiO30.03、SnSi1.13
0.15、SnSi1.230.3、SnSi1.330.45を合成し、
それぞれ負極活物質13〜17とした。また、FeOに代えて
SnOを使用したこと以外は負極活物質6と同様にし、組
成がSnSiO3の負極活物質18を得た。また、粉末のX
RDスペクトルから、活物質13〜18はいずれも非晶質で
あることが確認された。 (負極活物質19〜24)原料として、FeOに代えてMoO2
を使用したこと以外は負極活物質1〜5と同様にして、
非晶質のMoSiO40.02、MoSiO40.04、MoSi1.24
0.2、MoSi1.340.4、MoSi1.540.6を合成し、そ
れぞれ負極活物質19〜23とした。また、FeOに代えてMo
2を使用したこと以外は負極活物質6と同様にし、組
成がMoSiO4の負極活物質24を得た。また、粉末のX
RDスペクトルから、活物質19〜24はいずれも非晶質で
あることが確認された。 (負極活物質25〜30)原料として、FeOに代えてNb25
を使用したこと以外は負極活物質1〜5と同様にして、
非晶質のNbSiO4.50.023、NbSiO4.50.045、NbSi
1.24.50.22 5、NbSi1.34.50.45、NbSi1.54.5
0.675を合成し、それぞれ負極活物質25〜29とした。
また、FeOに代えてNb25を使用したこと以外は負極活
物質6と同様にし、組成がNbSiO4.5の負極活物質30を
得た。また、粉末のXRDスペクトルから、活物質25〜
30はいずれも非晶質であることが確認された。 (負極の塗布)得られた活物質粉末1〜30と、導電剤と
しての人造黒鉛を重量比9:1で混合し、この混合物95
重量部とポリフッ化ビニリデン5重量部のNMP溶液と
を混練してスラリーを調製した。このスラリーを負極集
電体としての銅箔の両面にドクタープレード法により塗
布し、150℃で2時間、真空乾燥してそれぞれの負極を
作製した。 [電解液の調製]エチレンカーボネートとジエチルカーボ
ネートを体積比1:1で混合した溶媒にLiPF6を1M
の割合で溶かして電解液の調製をした。 [電池の組立]上記の正極、負極活物質1〜30、電解液と
を用いて、円筒形のリチウム二次電池A1〜A4、B5
〜B6、A7〜A10、B11〜B12、A13〜A16、B17〜
B18、A19〜A22、B23〜B24、A25〜A28、B29、B
30を作製した。電池寸法は外径18mm、高さ65mmである。
セパレータとしてイオン透過性のポリプロピレン製の微
多孔膜を用いた。
【0026】尚、電池の添字番号は、使用した負極活物
質の番号に対応しており、添字の前の記号Aは本発明に
係る電池、記号Bは比較例としての電池を表わす。
【0027】図1は作製したリチウム二次電池の断面模
式図であり、図示の電池BAは、正極1及び負極2、及び
正極と負極を離間するセパレータ3、正極リード4、負
極リード5、正極外部端子6、負極缶7などからなる。
【0028】正極1及び負極2は、非水電解液が注入さ
れたセパレータ3を介して渦巻き状に巻き取られた状態
で負極缶7内に収納されており、正極1は正極リード4
を介して正極外部端子6に、また負極2は負極リード5
を介して負極缶7に接続され、電池内部で生じた化学エ
ネルギーを電気エネルギーとして外部へ取り出し得るよ
うになっている。 [各電池のサイクル特性と放電容量]各電池について、室
温にて、200mAで4.1Vまで充電した後、200mAで2.75V
まで放電する工程を200サイクル繰り返した。表1〜5
に、各電池の1サイクル目の放電容量(mAh)と、200サ
イクルまでのサイクル劣化率(%)を示す。尚、容量劣
化率とは、以下の式で与えられる。
【0029】容量劣化率(%)= {(1サイクル目の
放電容量−200サイクル目の放電容量)/1サイクル目
の放電容量}÷ 充放電サイクル(199サイクル)×100 尚、特に表1では、負極材料の組成式MxOyNzにお
いてMとして、遷移金属のFe、IVb族のSiを使用した材
料を用いた電池A1〜A4及びB5〜B6の特性につい
て示してある。
【0030】
【表1】
【0031】また、表2では、負極材料の組成式MxO
yNzにおいてMとして、遷移金属のW、IVb族のSiを
使用した材料電池A7〜A10及びB11、B12の特性につ
いて示してある。
【0032】
【表2】
【0033】更に表3では、負極材料の組成式MxOy
NzにおいてMとして、IVb族のSn、Siを使用した材料
を用いた電池A13〜A16及びB17、B18の特性について
示してある。
【0034】
【表3】
【0035】また表4では、負極材料の組成式MxOy
NzにおいてMとして、遷移金属としてMo、IVb族のSi
を使用した材料を用いた電池A19〜A22及びB23、B24
の特性について示してある。
【0036】
【表4】
【0037】また表5では、負極材料の組成式MxOy
NzにおいてMとして、遷移金属としてNb、IVb族のSi
を使用した材料を用いた電池A25〜A28及びB29、B30
の特性について示してある。
【0038】
【表5】
【0039】以上の表1〜表5の結果から、サイクル劣
化率についてみると、比較電池B5、B6、B11、B1
2、B17、B18、B23、B24、B29、B30に比べて、本
発明電池の劣化率が小さく、本発明電池のサイクル特性
の秀逸性が伺える。 (実験2)次に、この実験2では、非晶質化を容易なら
しめる珪素Siに代えて、B、P、Ge、As、Sbを含む出発
材料を用いて、実質的に非晶質構造を有する酸化物の酸
素原子を一部窒素原子で置換した、リチウム二次電池用
負極材料を各種準備し、その特性を、上記実験1同様
に、比較検討した。 [負極の作製] (負極活物質31〜35)SiO2に代えてB23、P25、G
eO2、As25、Sb25のそれぞれを原料に使用したこと
以外は負極活物質1と同様の手法で、負極活物質31〜35
を合成した。但し、原料の混合においては、Fe:B、F
e:P、Fe:Ge、Fe:As、Fe:Sbのそれぞれの原子比を
1:1とした。Si34の添加量は合成後にO:Nの原子
比が100:1となるよう調節した。
【0040】いずれの活物質粉末についても、XRDよ
り非晶質であることが確認された。また、それぞれの組
成は、表6に示すとおりであった。 (負極活物質36〜40)Si34を添加しなかったこと以外
は負極活物質31〜35と同様にして、負極活物質36〜40を
合成した。尚、いずれの活物質粉末についても、XRD
より非晶質であることが確認され、それぞれの組成は、
表6に示すとおりである。 [電池の作製]負極の活物質粉末として負極活物質31〜35
を使用したこと以外は実験1と同様にして、本発明電池
A31〜A35を作製した。同様に、負極活物質36〜40を使
用して比較電池B36〜B40を作製した。 [各電池のサイクル特性と放電容量]本発明電池A31〜A
35、B36〜B40について、実験1と同様に、200サイク
ルまでの充放電試験を行った。表6に、本発明電池A31
〜A35及び比較電池B36〜B40の、1サイクル目の放電
容量(mAh)と、200サイクルまでのサイクル劣化率
(%)を示す。
【0041】尚、表6では、負極材料の組成式MxOy
NzにおいてMとして、非晶質材料を形成しやすいIVb
族のSiを主体としない材料を用いたA31〜A35及びB36
〜B40の特性について示した。
【0042】
【表6】
【0043】この表6から、負極材料に関し、非晶質化
を容易にする酸化物原料としてB、P、Ge、As、Sbの酸
化物を使用した場合であっても、材料中への窒素の添加
によってサイクル特性に優れた電池が得られることがわ
かる。
【0044】活物質31〜35では、窒化物原料としてSi3
4を使用したために、Nと共に少量のSiが添加されて
いる。この影響を評価するために、窒化物原料にAlN、
BNを使用して活物質31と類似組成の活物質FeBAl
0.0252.50.025及びFeB1.025 2.50.025を合成
し、同様の実験を行ったところ、これらの電池は電池A
31とほぼ同等の特性を示した。このことから、サイクル
特性が改善されたのは、窒素の添加によるものであるこ
とが示唆された。
【0045】上記の実施例では、円筒形電池に適用する
場合について説明したが、本発明のリチウム二次電池材
料の適用については、電池の形状に制限はなく、扁平
型、角型など、他の種々の形状のリチウム二次電池に適
用し得るものである。
【0046】
【発明の効果】本発明のリチウム二次電池用負極材料
は、リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能であ
り、実質的に非晶質構造を有する酸化物よりなるリチウ
ム二次電池用負極材料であって、前記酸化物の酸素原子
の一部が、窒素原子で置換されていることを特徴するも
のであるので、材料自身の弾性率が増大する。この結
果、斯かる負極材料を用いたリチウム二次電池のサイク
ル特性を向上させるものであり、その工業的価値は極め
て大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明電池の断面図である。
【符合の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 正極リード 5 負極リード 6 正極外部端子 7 負極缶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムイオンの吸蔵・放出が可能であ
    り、実質的に非晶質構造を有する酸化物よりなるリチウ
    ム二次電池用負極材料であって、前記酸化物の酸素原子
    の一部が、窒素原子で置換されていることを特徴とする
    リチウム二次電池用負極材料。
  2. 【請求項2】 前記酸化物の酸素原子を、前記窒素原子
    で置換する割合が、原子比で酸素原子10に対し窒素原子
    1以下であることを特徴とする請求項1記載のリチウム
    二次電池用負極材料。
  3. 【請求項3】 前記負極材料が、組成式MxOyNz
    (但し、この式においてMは、Ia族の元素、IIa族の
    元素、遷移金属の元素、IIIb族の元素、IVb族の元素、
    窒素を除くVb族の元素から選択された少なくとも1種の
    金属元素、Oは酸素、Nは窒素を表わす)で示され、
    x、y、zは正の数であって、0<z/y≦0.1である
    ことを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池負極
    材料。
  4. 【請求項4】 前記負極材料が、酸素、窒素及び元素M
    により構成される網目構造を主体とすることを特徴とす
    る請求項3記載のリチウム二次電池用負極材料。
  5. 【請求項5】 前記元素Mが、Fe、W、Sn、Si、Nb、Mo
    から選ばれる少なくとも1つの元素であることを特徴と
    する請求項4記載のリチウム二次電池用負極材料。
  6. 【請求項6】 前記請求項1〜5記載のリチウム二次電
    池用負極材料を用いたことを特徴とするリチウム二次電
    池。
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