JP2000008294A - 炭粉含有補強紙およびそれを用いたマット、敷物、衣服 - Google Patents

炭粉含有補強紙およびそれを用いたマット、敷物、衣服

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JP2000008294A
JP2000008294A JP10186846A JP18684698A JP2000008294A JP 2000008294 A JP2000008294 A JP 2000008294A JP 10186846 A JP10186846 A JP 10186846A JP 18684698 A JP18684698 A JP 18684698A JP 2000008294 A JP2000008294 A JP 2000008294A
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Itsuo Kawamura
逸夫 川村
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HIKARI NOZAI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 含有する炭粉の機能低下がないとともに、か
つ十分な強度を有し、多くの用途に利用することができ
る炭粉含有補強紙およびそれを用いた寝具、マット、衣
服、家具、建材、襖紙、畳、敷物、襖紙、穀物用または
果実用収納具を提供するものである。 【解決手段】 炭粉含有補強紙1は、紙基材2中に多孔
質炭粉3が添加された炭粉含有紙であり、かつ、炭粉含
有紙のほぼ全体に渡って広がる補強用布帛4が炭粉含有
紙中に内在するように設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸湿性および消臭
性を有しかつ十分な強度を有する炭粉含有紙に関する。
本発明の炭粉含有紙は、寝具、マット、衣服、家具、建
材、襖紙、畳、敷物、襖紙、穀物用または果実用収納具
などに利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、炭粉を含有する紙が提案され
ている。例えば、特開平7−70991号に示すよう
な、竹活性炭紙シートがある。しかし、このような竹活
性炭紙シートでは、十分な強度を持たないため、段ボー
ルの内層シートに用いており、単独で使用できるもので
はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した活性炭紙シー
トでは、十分な強度を持たないため、段ボールの内層シ
ートに用いており、単独で使用できるものではない。こ
のような炭粉を含有するシートを補強する方法として
は、補強繊維を紙原料とともに抄き込む方法、布帛を炭
粉を含有するシートに張り付ける方法などが考えられ
る。しかし、前者の方法では、炭粉を含有するため、補
強繊維の絡み合いが少なく、抄紙することが極めて困難
である。後者の方法では、接着剤を使用しなければなら
ないため、炭粉を含有するシートの一方の面の吸湿性を
低下させるとともに、付着面に露出する炭粉が接着剤に
より被覆されるために、炭粉の機能低下も生じる。そこ
で、本発明の目的は、含有する炭粉の機能低下がないと
ともに、かつ十分な強度を有し、多くの用途に利用する
ことができる炭粉含有補強紙およびそれを用いた寝具、
マット、衣服、家具、建材、襖紙、畳、敷物、襖紙、穀
物用または果実用収納具を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、紙基材中に多孔質炭粉が添加された炭粉含有紙であ
り、かつ、該炭粉含有紙のほぼ全体に渡って広がる補強
用布帛が炭粉含有紙中に内在するように設けられている
炭粉含有補強紙である。
【0005】そして、前記補強用布帛は、炭粉含有紙抄
紙工程中に抄き込まれたものであることが好ましい。さ
らに、前記補強用布帛は、紙基材に被覆されており露出
していないことが好ましい。また、前記補強用布帛は、
1枚物であってもよい。また、前記補強用布帛は、織
布、不織布、編布のいずれかであることが好ましい。特
に、前記補強用布帛は、吸湿性を有する材料により作製
されていることが好ましく、例えば、木綿、毛、絹など
の天然材料、さらには、再生セルロースなどの再生材料
が好適である。さらに、前記炭粉含有補強紙は、前記炭
粉を5〜50重量%含有しているものであることが好ま
しい。さらに、前記炭粉含有補強紙は、抗菌剤、殺虫
剤、害虫忌避剤から選択される1以上の薬剤を担持して
いることが好ましい。そして、前記炭粉は、紙基材を構
成する繊維質に包み込まれた状態となっていることが好
ましい。前記炭粉は、抄紙工程において添加されたもの
であることが好ましい。
【0006】上記目的を達成するものは、前記炭粉含有
補強紙からなる家具用シートである。
【0007】上記目的を達成するものは、前記炭粉含有
補強紙からなる建築用シートである。
【0008】上記目的を達成するものは、前記炭粉含有
補強紙を用いた外層生地と、該外層生地により被包され
た空隙形成物とからなるマットである。
【0009】上記目的を達成するものは、外層布地と、
該外層布地の内面側に設けられた前記炭粉含有補強紙を
有する寝具である。
【0010】上記目的を達成するものは、外層布地と、
該外層布地の内面側に設けられた前記炭粉含有補強紙を
有する衣服である。
【0011】上記目的を達成するものは、前記炭粉含有
補強紙が、畳表と畳床との間に介装されている畳であ
る。
【0012】上記目的を達成するものは、通気性表層シ
ートと、通気性板状部材と、前記通気性表層シートと前
記通気性板状部材体間に設けられた炭粉含有補強紙から
なる敷物である。
【0013】上記目的を達成するものは、襖紙の裏面に
前記炭粉含有補強紙が貼着されている襖紙である。
【0014】上記目的を達成するものは、天井材、壁
材、床材又は内装化粧材の裏面に、前記炭粉含有補強紙
が貼着されている建材である。
【0015】上記目的を達成するものは、前記炭粉含有
補強紙を用いた穀物用もしくは果実用収納具である。
【0016】上記目的を達成するものは、通気性を備え
た外面シートおよび内面シートと、該外面シートおよび
該内面シート間に設けられた前記炭粉含有補強紙からな
る穀物用または果実用収納具である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の炭粉含有補強紙を図面に
示した実施例を用いて説明する。図1は、本発明の実施
例の炭粉含有補強紙の表面図である。図2は、本発明の
実施例の炭粉含有補強紙の部分斜視図である。図3は、
本発明の実施例の炭粉含有補強紙の部分断面図である。
【0018】本発明の炭粉含有補強紙1は、図1ないし
図3に示すように、紙基材2中に多孔質炭粉3が添加さ
れた炭粉含有紙であり、かつ、炭粉含有紙のほぼ全体に
渡って広がる補強用布帛4が炭粉含有紙中に内在するよ
うに設けられている。
【0019】炭粉含有補強紙の大きさとしては、厚さ
が、0.1〜1mm、好ましくは、0.1〜0.5m
m、好ましくは、0.2〜0.3mm、重量(炭粉を含
む)が、100〜300g/m2、幅が80〜200c
m、長さが、50cm以上、特に、1〜100m程度の
ものが好適である。なお、炭粉含有補強紙の大きさ、形
状などは特に限定されるものではない。
【0020】本発明の炭粉含有補強紙に用いられる紙基
材は、主として、木材パルプ、天然パルプ、古紙パルプ
もしくはその混合物が用いられる。紙(炭粉を含まな
い)の重量は特に限定されないが、30〜200g/m
2程度が好適であり、特に、50〜200g/m2程度が
好ましい。原紙配合は木材パルプもしくは天然パルプ1
00〜30%、古紙パルプ0〜70%程度が好ましい。
より高い強度を有するものとするためには、古紙パルプ
を含有しないことが好ましい。
【0021】木材パルプとしては、針葉樹未晒クラフト
パルプ(NUKP)を用いることが好適である。古紙パ
ルプは、ダンボール古紙、新聞古紙、雑誌古紙、包装古
紙などのいずれでもよい。また、古紙パルプはリサイク
ル促進のために配合するが、これは炭粉含有補強紙のコ
ストダウンにもつながる。そして、古紙パルプは、脱墨
(脱色)することなく使用できる。本発明の炭粉含有補
強紙は、炭粉を含有することにより、黒色もしくは濃灰
色となるため、使用する古紙パルプは、脱墨(脱色)す
る必要がない。むしろ、脱墨しないことにより、製造さ
れる炭粉含有補強紙をより黒色に近づけることができ、
炭粉含有補強紙により高い保温効果を与えることができ
る。
【0022】そして、本発明の炭粉含有補強紙中には、
天然素材から製造された多孔質炭粉が添加されている。
炭粉含有補強紙中の炭粉添加量(担持量)としては、5
〜50重量%、好ましくは8〜40重量%である。添加
された炭粉は、炭粉含有補強紙の吸湿および放湿作用お
よび保温作用を向上させる。炭粉の大きさとしては、
0.1〜3mm程度が好適であり、特に0.3〜2mm
程度が好適である。
【0023】多孔質炭粉としては、天然素材から製造さ
れた多孔質炭粉が好適である。特に、木炭粉が好適であ
る。木材の加熱により形成される木炭には、木材の基本
骨格である仮道管および細胞壁といった組織形状が残っ
ており、木炭内部には、仮道管孔に起因するマクロポア
と、細胞壁に起因するミクロポア(マクロポアの1万分
の1程度)とこれらをつなぐメソポアを備えている。こ
のため、木炭は、複雑な細孔形状を有する多孔質体であ
る。
【0024】木炭としては、ヤシガラ炭、籾殻炭、乾留
炭、平炉炭、流動炭化炭、白炭、黒炭などが使用でき
る。また、木炭の材料としては、ナラ、クヌギ、シデ、
シイ、ブナ、カシ、クリ、ウバメガシなどの広葉樹、カ
ラマツ、スギ、ヒノキなどの針葉樹、ユーカリ、マング
ローブ、サザンカ、オリーブなどの外国産樹、ポプラ、
ヤナギ、エノキ、ハンノキ、トチ、サクラ、クルミ、ホ
ウなどの木材が好適である。さらに、また、木炭として
は、上述したような、籾殻から製造された籾殻炭粉、椰
子殻から製造された椰子殻炭、おが屑から製造されたお
が屑炭など、さらには、コーヒー粕から製造されたコー
ヒー豆炭粉、きのこ廃培地から製造された炭粉[きのこ
廃培地炭粉(木質炭粉)]などが使用できる。さらに
は、骨炭などの動物素材からなるものが使用される。
【0025】これら植物素材もしくは動物素材原料は、
水分を含有する立体構造を有しており、炭化装置内にて
通常の方法により炭化させることにより、多孔質構造を
有する炭粉(炭化物)となる。そして、得られた炭化物
(炭粉)を、多孔質構造が消失するまで超微粉砕しない
限り、微細な炭粉となった状態においても、多孔質構造
を保持する。炭粉が多孔質構造を有するため、炭粉含有
補強紙は炭粉による吸湿および保湿作用を発揮する。も
し、多孔質構造が消失するまで超微粉砕されてしまう
と、カーボンブラックのような単なる炭素粉末にすぎな
くなり、上記のような、吸湿および保湿作用も発揮しな
い。
【0026】また、天然素材(植物素材)からなる廃棄
物より製造された炭粉を用いることにより、廃棄物の処
理とその有効利用を図ることができる。なお、炭粉は、
コーヒー豆炭粉、きのこ廃培地炭粉(木質炭粉)、籾殻
炭粉一種類のみでも、これらより任意に選択した複数種
類のものを混合したものでもよい。なお、木質炭粉とし
ては、おがくず、木材チップから製造された木質炭粉も
使用できる。
【0027】きのこ培地は、おが屑、米糠を主成分と
し、これに、でんぷん、水、その他栄養源が混合された
ものが一般的である。おが屑の材料となる木材は、栽培
するきのこによって、選択される。例えば、シイタケお
よびナメコ用の培地では、タンニンを比較的多く含む広
葉樹、例えば、ナラ、クヌギ、シデ、シイ、ブナ、カ
シ、クリなどの木材が好適である。ヒラタケ用の培地で
は、タンニンが比較的少ない広葉樹、例えば、ポプラ、
ヤナギ、エノキ、ハンノキ、トチ、サクラ、クルミ、ホ
ウなどの木材が好適である。エノキダケ用の培地では、
上記のすべての広葉樹、さらには、油脂分を適当に除去
した針葉樹が使用される。おが屑をある程度の量含有す
るものであれば、どのようなきのこの栽培に用いた廃培
地でも使用することができる。また、栽培に用いていな
い、きのこ培地も当然に使用できる。
【0028】また、コーヒー粕は、コーヒー豆を焙煎
し、粉砕したのちコーヒーを抽出した後の残渣物であ
る。コーヒー豆はどのような種類のものであってもよ
い。また、籾殻としても、一般的なものを使用できる。
【0029】炭粉を紙基材中に添加させる方法として
は、いわゆる抄紙工程におけるパルプスラリー中に添加
して、その後抄紙する方法が好ましい。この方法によれ
ば、炭粉を紙基材中に取り込まれた状態、言い換えれ
ば、炭粉を紙基材を形成する繊維質に包み込まれた状態
とすることができる。これにより、紙基材からの炭粉の
離脱を抑制できる。
【0030】本発明の炭粉含有補強紙1は、炭粉含有紙
のほぼ全体に渡って広がる補強用布帛4を有している。
そして、図3に示すように、布帛4の両面は、炭粉を含
有する紙基材で被包されている。さらに、補強用布帛4
の端部は、含有紙より突出しないように、含有紙内に内
在されている。具体的には、図1および図2に示すよう
に、炭粉含有紙1の周縁には、補強用布帛が存在しない
部分5が形成されている。このように、補強用布帛の端
部を露出させないことにより、布帛に何かが引っかかり
紙が破損することを防止する。そして、このような布帛
を内在することにより、補強紙は十分な強度を有する。
よって、多くの用途に使用することができる。
【0031】補強用布帛4としては、どのようなもので
もよい。例えば、綿、羊毛、絹などの天然繊維、セルロ
ース、ビスコース、キュプラなどの再生繊維、ポリエス
テル系繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46
などのポリアミド系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン系繊維などの合成繊維、さらに
は、ガラス繊維、アモルファス繊維などにより形成され
た織布、不織布、編布のいずれであってもよい。特に、
補強用布帛は、吸湿性を有する材料により作製されてい
ることが好ましい。吸湿性素材としては、綿、羊毛、絹
などの天然繊維、セルロース、ビスコース、キュプラな
どの再生繊維が考えられる。特に、好ましくは、紙基材
との親和性も高い、綿もしくはセルロース系再生繊維で
ある。さらに、織布、不織布、編布は、目の粗いものが
好ましい。さらに、補強用布帛は、炭粉含有補強紙内に
おいて連続する1枚ものであることが好ましい。このよ
うにすることにより、布帛の切れ目に起因する物性の低
下が少ない。
【0032】次に、本発明の炭粉含有補強紙の製造方法
について説明する。炭粉含有補強紙は、炭粉含有紙抄紙
工程中に補強用布帛を抄き込むことにより、補強紙中に
補強用布帛を内在させることができる。具体的には、図
4に示すような、長網もしくは短網抄紙機10を用いる
ことができる。この長網抄紙機は、通常の抄紙ラインと
ともに補強用布帛供給ラインを備えている。
【0033】上述したようなパルプは、こう解機(ビー
ター)、パルパー、および必要があれば、さらにリファ
イナーで機械的に処理され、ほぐされ、切断、フィブリ
ル化される。ついでこのようにして十分にこう解された
パルプを水に添加してスラリーとする。そして、このス
ラリーに、定着剤などの必要な添加剤を混合する。さら
に、準備した炭粉をこのパルプスラリー中に添加し、よ
く攪拌する。炭粉の添加量は、スラリー中のパルプ濃度
により相違するが、スラリー中のパルプ100重量部に
対して5〜50重量部程度が好適である。
【0034】なお、定着剤としては、スチレン系樹脂を
主成分とするもの、多価フェノール系樹脂を主成分とす
るもの、ポリアミン縮合物を主成分とするもの、ジシア
ンジアミド縮合物を主成分とするもの、ポリアクリルア
ミドを主成分とするものなどがある。これら定着剤を添
加することにより、紙基材中への炭粉の取り込みが確実
となるとともに、炭粉含有補強紙の強度も向上させる。
【0035】そして、図4に示すように、原料供給部1
3より、上述したように調整された炭粉含有パルプスラ
リーは、長網(もしくは短網)11上に供給され、続い
て、補強用布帛ロール14より、長網(もしくは短網)
11上にパルプスラリーが供給された部分の表面に補強
用布帛4が供給される。これにより、布帛は含水すると
もにパルプスラリー中に移行し、ある程度脱水した紙原
料とともに引き上げられる。そして、加熱ローラ12を
通過させて乾燥された補強用布帛を内在する炭粉含有紙
紙は、巻き取りローラ15により巻き取られる。このよ
うな方法および装置を用いることにより、特別な添加剤
などを必要とすることなく、紙材料中に布帛が内在する
補強紙を製造することができる。
【0036】そして、炭粉含有補強紙に伸張性を与えて
もよく、その手段としては、クルパック加工、クレープ
加工、エンボス加工等が用いられる。伸張性(破断伸
び)は、2〜20%程度が好適である。
【0037】また、炭粉含有補強紙1は、抗菌剤、殺虫
剤、害虫忌避剤から選択される1以上の薬剤を担持して
もよい。
【0038】害虫忌避剤としては、植物性薫液(例え
ば、木酢液、籾殻薫液)、シトラール、シトロネラー
ル、シペラスオイル、はっか油、カンファー、クールミ
ントなどのハーブ系植物性オイル、フタル酸ジブチル、
N−ブチルアセトアニリド、アルミニウム・アンモニウ
ム・サルファイトなどを用いてもよい。炭粉含有補強紙
に対する忌避剤添加量(担持量)としては、1〜30重
量%程度が好ましく、5〜20重量%程度がより好適で
ある。
【0039】抗菌剤としては、銀イオンを担持したセラ
ミックスのような無機系のもの、長鎖アシルアミノ酸銀
もしくは銅を担持したセラミックスのような、銀もしく
は銀化合物系のものが好適である。
【0040】抗菌剤、殺虫剤、害虫忌避剤等は、炭粉含
有補強紙の使用目的に応じて、適宜選択される。そし
て、抗菌剤、殺虫剤、害虫忌避剤は、抄紙工程における
紙原料中に添加することが好ましい。また、抗菌剤、殺
虫剤、害虫忌避剤、防腐剤等を炭粉含有補強紙に、噴
霧、塗布、含浸等によって、保持させてもよい。特に、
ナフタリンや樟脳のように、害虫忌避成分が揮発性若し
くは昇華性の場合には、予め、ガス成分を炭化物粉末に
吸着させておくこともできる。
【0041】本発明の炭粉含有補強紙は、引き出しの敷
き紙などの家具用シート、壁面化粧用クロス材の下張り
材、襖などの下張り材などの建築用シートとして使用す
ることができる。
【0042】炭粉含有補強紙を家具用シートとして用い
た場合、臭いの付いた衣服が家具に収納されたときに衣
類からでる臭いを取り除くことができ(消臭作用)、
又、衣類よりでる湿気をとることもできる(吸湿作
用)。また、本発明の炭粉含有補強紙は、2〜5時間太
陽光に当てたり、あるいは30〜60分程度布団乾燥機
等により、高温空気にさらすことにより、炭素粉末の吸
着作用(消臭作用および吸湿作用)が回復するので、繰
り返し使用する事ができる。また、炭粉含有補強紙を建
材用シートとして用いた場合、建材、クロス、接着剤な
どより出る化学物質の吸着、さらには、湿度調整を行う
ことができる。
【0043】次に、上述した炭粉含有補強紙を用いた外
層生地と、該外層生地により被包された空隙形成物とか
らなるマット20について、図5に示す断面図を用いて
説明する。このマット20は、炭粉含有補強紙からなる
外層生地24とこの外層生地24により被包された空隙
形成物22とからなり、周縁23が縫製されている。内
側には、適宜間隔にかつ格子状となるように設けられた
複数のキルティング25が施されており、空隙形成物2
2の移動を抑制している。炭粉含有補強紙としては、上
述した物が使用できる。
【0044】この実施例のマット20では、外層生地2
4自体が、炭粉含有補強紙のみにより形成されている。
空隙形成物22としては、綿、羊毛、羽毛などの天然
綿、ポリエステルなどの合成繊維綿さらにはそれらの混
合物など公知のものを用いることができる。このマット
20は、全体を被包するカバーを付けて使用する。マッ
ト20は、ベッドもしくは敷き布団の上に載置して使用
する。ここで使用する炭粉含有補強紙は、上述したよう
に内部に補強用布帛を有しているため、縫製およびキル
ティングを行ってもその部分において切れることがな
い。そして、このマットは、吸湿および除臭効果を発揮
するので、病人など、長時間使用する場合に特に有効で
ある。
【0045】次に、外層布地と、この外層布地の内面側
に設けられた上述した炭粉含有補強紙を有する寝具につ
いて説明する。寝具としては、布団、シーツなどが考え
られる。布団の場合は、外層生地と、この外層布地の内
面側に設けられた炭粉含有補強紙と、外層生地および炭
粉含有補強紙により被包された空隙形成物とからなり、
外層生地および炭粉含有補強紙の周縁部は縫製されてい
る。また、内側は上述したマットと同様に適宜間隔にか
つ格子状となるようにキルティングを施すことが好まし
い。炭粉含有補強紙は、外層生地の内側に位置していれ
ばよく、外層生地の内面に接着されていないことが好ま
しい。このようにすれば、接着剤に起因する炭粉含有補
強紙の機能低下がない。空隙形成物としては、綿、羊
毛、羽毛などの天然綿、ポリエステルなどの合成繊維綿
さらにはそれらの混合物など公知のものを用いることが
できる。
【0046】シーツの場合は、外層生地と、この外層布
地の内面側に設けられた炭粉含有補強紙からなることに
なる。なお、外層生地は、炭粉含有補強紙の表裏面全体
を被包するものであってもよい。外層生地と炭粉含有補
強紙は、周縁部および内側において縫製される。内側の
縫製は、上述したキルティングと同様に、適宜間隔にか
つ格子状となるように行うことが好適である。この場合
においても、炭粉含有補強紙は、外層生地の内側に位置
していればよく、外層生地の内面に接着されていないこ
とが好ましい。このようにすれば、接着剤に起因する炭
粉含有補強紙の機能低下がない。外層生地としては、い
かなるものも使用できるが、綿布、羊毛布、綿もしくは
羊毛と合成繊維(例えば、ポリエステル)もしくは再生
繊維(再生セルロース)との混紡布などが好適である。
炭粉含有補強紙としては、上述した物が使用できる。こ
こで使用する炭粉含有補強紙は、上述したように内部に
補強用布帛を有しているため、縫製およびキルティング
を行ってもその部分において切れることがない。そし
て、この寝具は、吸湿および除臭効果を発揮するので、
病人など、長時間使用する場合に特に有効である。
【0047】次に、本発明の寝具をマットレスに応用し
た実施例について、図6を用いて説明する。マットレス
30は、周囲をウレタンフォーム基材によって囲まれた
スプリング枠31に、上面が水平になるように揃えて保
持されたコイルスプリング32群の上に、バネ圧支承材
33、フェルト35をこの順序に重ね、その上に、炭粉
含有補強紙34が重ねられ、更に、その上に、通気性を
有する不織布36、抑え生地37をこの順序に重ねる。
マットレス30の裏面側も同様の構成とする。そして、
このように構成されたもの全体を外装生地38が被包
し、マットレス周縁部で縫製することにより固定された
状態となっている。さらに、内側に適宜間隔にかつ格子
状となるようにキルティングを行うことが好適である。
このようなマットレスに用いる炭粉含有補強紙34とし
ては、予め、製紙段階で、クルパック加工(収縮加工)
を施して、5〜10%程度の伸長性を有するものが好適
である。
【0048】上記マットレスは、就寝中の汗を吸収し、
身体の回りの湿度を快適に維持し、快眠をもたらすと共
に、臭気やカビなどの発生を抑える効果があるので、病
人など長時間使用する場合に特に有効である。
【0049】次に、本発明の衣服40について、図7を
用いて説明する。図7は、衣服の一部分の内部構造を説
明するための説明図である。この衣服は、外層生地41
と、この外層生地の内面側に設けられた炭粉含有補強紙
44を有している。具体的には、衣服40は、外層生地
41と、この外層生地41の内面側に設けられた炭粉含
有補強紙44と、内層生地45と、外層生地(炭粉含有
補強紙)と内層生地間に収納された空隙形成物46から
なる。そして、外層生地41、炭粉含有補強紙44およ
び内層生地45は、周縁において縫製されている。さら
に、内部においても、適宜間隔にかつ格子状となるよう
にキルティング47を行うことが好適である。
【0050】外層生地41および内層生地45として
は、公知の布地、織物、不織布が使用できる。例えば、
綿布、毛織物、羊毛と合成繊維(例えば、ポリエステ
ル)との混紡織物、合成繊維布、合成繊維不織布などが
好適である。炭粉含有補強紙としては、上述した物が使
用できる。空隙形成物としては、綿、羊毛、羽毛などの
天然綿、ポリエステルなどの合成繊維綿など公知のもの
を用いることができる。なお、内層生地45の外側(空
隙形成物側)にも炭粉含有補強紙を設けてもよい。そし
て、炭粉含有補強紙は外層生地(内層生地)の内面に接
着されていないことが好ましい。このようにすれば、接
着剤に起因する炭粉含有補強紙の機能低下がない。
【0051】また、衣服としては、上述したような、空
隙形成物を有するものに限定されるものではない。ま
た、衣服としては、どのようなものでもよいが、例え
ば、ダウンジャケット、ブレザー、ブルゾンのようなジ
ャケット類、ベスト、どてらなどが考えられる。特に、
防寒用衣服に好適である。この衣服では、臭い、汗を吸
収するので、洗濯期間を長くすることができる。
【0052】次に、本発明の敷物50について、図8を
用いて説明する。本発明の敷物50は、通気性表層シー
ト51と、通気性板状部材52と、通気性表層シート5
1と通気性板状部材52間に設けられた炭粉含有補強紙
54からなるものである。この実施例では、通気性表層
シートは、通気性畳表状表層シートが用いられている。
【0053】表層シート51としては、通気性とある程
度の強度を有するものであればどのようなものでもよ
く、例えば、いわゆる井草からなるゴザ状(畳表状)の
もの、天然繊維、合成繊維もしくはそれらの混紡繊維に
より形成された織布、不織布、織物でもよい。通気性板
状部材52としては、天然繊維質素材圧縮固化物(例え
ば、椰子殻圧縮固化物)、コルク、硬質ウレタンフォー
ム、硬質スポンジなどが使用できる。通気性板状部材5
2の厚さとしては、5mm〜5cm程度が好適である。
炭粉含有補強紙54としては、上述した物が好適に使用
できる。そして、この実施例の敷物では、周縁が畳の縁
状物56により被包されている。このような、畳状の敷
物は、板の間の全体もしくは部分的に敷くことにより使
用される。この実施例では、畳表状表層シートおよび炭
粉含有補強紙は、通気性板状部材の一方の面(上面)に
しか設けられていないが、他方の面(下面側)にも同様
に設けてもよい。本発明の敷物は、炭粉含有補強紙を有
することにより、保湿、防虫、除菌効果が期待できる。
【0054】なお、敷物としては、上記のような畳状の
ものに限定されるものではなく、いわゆる絨毯状のもの
でもよい。この場合には、敷物は、通気性表層シート
(絨毯生地)と、この絨毯生地の下面に炭粉含有補強紙
を備え、必要により、この炭粉含有補強紙の下面に裏打
ちがされたものとなる。裏打ち素材としては、通気性を
有するものが使用される。また、絨毯生地としては、公
知の物が使用でき、例えば、合成繊維(例えば、アクリ
ル)、羊毛、綿などからなる絨毯生地が使用できる。
【0055】次に、本発明の畳について、図9を用いて
説明する。本発明の畳60では、炭粉含有補強紙が、畳
表と畳床との間に介装されている。常法により作られた
藁製マット65a,65bの間にポリスチレン発泡体か
ら成るプレート66が介装されており、これを、畳床製
造装置によって、キルト様に畳糸で縫い刺すことによ
り、マット65a,65bと発泡体プレート66とが堅
固に一体化した畳床が形成されている。この畳床の上面
に、上述した炭粉含有補強紙64が重ねられ、更にその
上に、ポリプロピレン製不織布62を重ね合わせてか
ら、畳表61を重ねて、その周囲を縫製装置によって、
畳床周縁部に縫い付けられている。炭粉含有補強紙とし
ては、上述した物が使用される。
【0056】上記のものでは、炭粉含有補強紙を畳表と
共に、畳床に固定したが、これに限らず、畳床の一面若
しくは両面に、炭粉含有補強紙と、その外側を被覆する
不織布とを縫い付けて一体化したものでもよい。これ
に、畳表を縫い付けるとすれば、従来の畳の製造工程と
全く同一の作業により本発明の畳を製造することができ
る。本発明の畳は、炭粉含有補強紙を有することによ
り、保湿、消臭、防虫、除菌効果が期待できる。
【0057】次に、本発明の襖紙について説明する。本
発明の襖紙は、襖紙の裏面に炭粉含有補強紙が貼着され
ている。襖紙としては、公知のものが使用される。ま
た、炭粉含有補強紙としては、上述した物が使用され
る。そして、炭粉含有補強紙は、襖紙の裏面に接着剤に
より貼着されている。襖紙と炭粉含有補強紙との接着
は、炭粉含有補強紙の全体ではなく、ほぼ均一な部分的
接着であることが好ましい。このような部分的接着は、
接着剤をいわゆるパートコートすることにより行うこと
ができる。接着剤のパートコートパターンは、どのよう
なものでもよいが、例えば、コートされる部分が点状、
線状、格子状となるものが考えられる。接着剤として
は、公知のものが使用できる。例えば、しょうふ糊(で
んぷん糊)、デキストリン、天然ゴムなどの天然高分子
系接着剤、アクリル系接着剤(例えば、ポリアクリル酸
エステル)、酢酸ビニル系接着剤(例えば、ポリ酢酸ビ
ニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−ア
クリル酸エステル共重合体)、ビニルアルコール系接着
剤(例えば、ポリビニルアルコール,エチレン−ビニル
アルコール共重合体)等が使用される。本発明の襖紙
は、炭粉含有補強紙を有することにより、保湿、消臭、
防虫、除菌、防かび効果が期待できる。
【0058】次に、本発明の建材について、図10を用
いて説明する。本発明の建材は、天井材、壁材、床材又
は内装化粧材の裏面に、炭粉含有補強紙が貼着されてい
るものである。図10は、壁材などに用いるベニヤ板製
のプリント合板に応用した実施例を示すものである。こ
のプリント合板70は、ベニヤ板71の裏面に、上述し
た炭粉含有補強紙74が、接着剤によって、一体的に張
設されて成るものである。従来、プリント合板は、表面
のプリント柄を持つ面からの、湿気の侵入は困難である
が、非プリント面である裏側が湿気を吸って、変形しや
すかった。それに対して、炭粉含有補強紙を一体保持す
るプリント合板は、そのような変形が乗じにくく、又、
壁や天井などの内側空間の湿度調整にも貢献する。
【0059】プリント合板と炭粉含有補強紙との接着
は、炭粉含有補強紙の全体ではなく、ほぼ均一な部分的
接着であることが好ましい。このような部分的接着は、
接着剤をいわゆるパートコートすることにより行うこと
ができる。接着剤のパートコートパターンは、どのよう
なものでもよいが、例えば、コートされる部分が点状、
線状、格子状となるものが考えられる。接着剤として
は、公知のものが使用できる。例えば、しょうふ糊(で
んぷん糊)、デキストリン、天然ゴムなどの天然高分子
系接着剤、アクリル系接着剤(例えば、ポリアクリル酸
エステル)、酢酸ビニル系接着剤(例えば、ポリ酢酸ビ
ニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−ア
クリル酸エステル共重合体)、ビニルアルコール系接着
剤(例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニル
アルコール共重合体)等が使用される。
【0060】また、本発明の建材としては、例えば、天
井板、製壁材、床板、サイディング材、壁布、壁紙など
に応用できる。いずれにおいても、基材の裏面に炭粉含
有補強紙を貼着するのみである。本発明の建材は、炭粉
含有補強紙を有することにより、保湿、消臭、防虫、除
菌、防かび効果が期待できる。
【0061】次に、本発明の穀物もしくは果実用収納具
について、図11を用いて説明する。穀物用もしくは果
実用収納具80は、上述した炭粉含有補強紙を備えてい
る。この実施例の穀物用もしくは果実用収納具80は穀
物用袋に応用したものである。穀物用袋80は、通気性
を備えた外面シート81と内面シート82との間に、上
述した炭粉含有補強紙84を相互に重なり接する状態と
した層(3重)構造の袋用シート材からなる。炭粉含有
補強紙84は、外面シート81と内面シート82のいず
れか一方に貼着してもよい。この場合においても、上述
したようなパートコートによる部分的接着が好ましい。
特に好ましくは、貼着しないことである。この袋は、そ
の中に穀物等を入れて袋を閉じ、倉庫などに保管した場
合、倉庫内の空気条件に応じて、内外面シートの中間に
ある炭粉含有補強紙中に保持された多孔質炭化物粉末
が、湿分を吸収或いは放出して、袋内の湿度を60%R
H前後に調整する。
【0062】更に、炭粉含有補強は、湿度調整機能によ
り、カビや細菌、ダニなどの生育を阻害して、防カビ作
用、除菌作用を示すと共に、その多孔質性により、悪臭
を吸着除去する機能を有するので、袋内に収容されてい
る穀物にカビなどが発生することがなく、穀物に悪臭が
付着するのを防止する。又、保湿吸着シートは、多孔質
で断熱性に富むので、収納穀類は、周囲雰囲気の寒暖の
影響が緩和されるので、空調設備のない場所でも品質の
劣化が軽減される効果がある。
【0063】玄米、玄麦、果実(例えば、リンゴ)は、
生命体として、袋内でも僅かに呼吸作用をしている。し
たがって、それに基づく代謝ガスなども発生する。これ
らの代謝ガスは、それ自体が特有の臭気を持ち、変質し
やすく、更に、収納穀類によっては、それが放出する代
謝ガス中に、収納穀類の熟成や変質を促進する成分を、
含んでいる場合がある。従来は、これらの代謝ガスは、
袋素材を通して自然に袋外に放出されるのを待つよりほ
か無かったので、玄米等においても、長期に保存したも
のは、理想的な温度湿度条件で保管されたものでも、特
有の貯蔵臭が付着して品質が劣化してしまい、穀物の鮮
度の指標となる発芽率も、低下してしまうことが多かっ
た。
【0064】本発明の穀物用もしくは果実用収納具は、
その高い吸着性能により、代謝ガス成分を吸着固定して
除去するので、穀物等に悪臭や貯蔵臭が付着するのを、
長期にわたって防止でき、発芽率も高い状態で維持でき
る。更に、保護吸着シートを挟む、内、外面シートが、
繰り返しの使用に耐える材質の場合は、本願穀物袋を、
数時間の天日干しや、加熱乾燥室中における脱臭再生処
理等によって、高温(40〜80℃)に数時間さらせ
ば、脱臭処理がなされて、吸着能力が、容易に回復する
ので、反復使用が可能である。
【0065】外面シート81および内面シート82とし
ては、クラフト紙、合成繊維不織布などが使用でき、外
面シートと内面シート間に炭粉含有補強紙を介装して、
3重構成の袋用シート材とし、これを常法によって、筒
状に成形し、所定の長さに切断して、一側開口を合わせ
て、横断面V形の細長い当て紙で挟んで、ミシン糸によ
って縫い綴じることにより、本発明の穀物用もしくは果
実用収納具を作製することができる。
【0066】
【実施例】本発明の具体的実施例について説明する。 (製造例1:きのこ廃培地炭粉の作成)エノキダケ廃培
地を準備した。エノキダケ廃培地は、ある程度吸湿した
状態となっており、おが屑、米糠などを含有する。エノ
キダケ廃培地中のおが屑の含有量は、約60重量%程度
であり、おが屑の粒子径は、約1〜3mm程度のもので
あった。炭化装置内に、エノキダケ廃培地10kgを投
入し、着火して、酸素の供給を少なくした状態で加熱
し、廃培地を炭化させた。これにより、エノキダケ廃培
地炭粉(主成分がおが屑炭粉)約1.2kgを得た。そ
して、このエノキダケ廃培地炭粉をさらに粉砕し、3m
mのふるいを通過した炭粉を得た。この炭粉に水蒸気を
あて含水させた。このようにして形成されたエノキダケ
廃培地炭粉の含水率は、10%程度である。
【0067】(製造例2:籾殻炭粉の作成)籾殻炭化装
置内に、乾燥した籾殻15kgを投入し、酸素の供給を
少なくした状態で加熱し籾殻を炭化させた。これによ
り、籾殻炭約6kgと約16Lの籾殻薫液(pH3.
7)を得た。そして、籾殻炭を粉砕し、3mmのふるい
を通過した炭粉を得た。これに水蒸気をあて含水させ
た。このようにして形成された籾殻炭粉の含水率は、1
0%程度である。
【0068】(製造例3:おが屑炭粉の作成)炭化装置
内に、乾燥したおが屑10kgを投入した。そして、炭
化装置を着火させて、酸素の供給を少なくした状態で加
熱しおが屑を炭化させた。これにより、木質炭粉約6k
gを得た。そして、おが屑炭粉を粉砕し、3mmのふる
いを通過した炭粉を得た。これに水蒸気をあて含水させ
た。このようにして形成されたおが屑炭粉の含水率は、
10%程度である。
【0069】(実施例1)補強用布帛としては、長さ約
100m、幅128cm(打ち込み106本)の綿布を
用いた。下記の配合のスラリーを調成後、炭粉を添加し
て、図4に示すような構成の長網抄紙機によって、補強
用布帛の供給を抄紙工程中に行い、重量135g/
2、厚さ0.3mmの炭粉含有補強紙(長さ100
m、幅130cm)を得た。なお、脱墨は行わなかっ
た。 針葉樹未晒クラフトパルプ(CSF 350ml) 100kg 紙繊維総量 100kg 広葉樹木炭粉(白鳥木材加工協同組合製、3mmふるい通過物)30kg 定着剤(ポリアミン縮合物を主成分とするもの、商品名フィックスオイルE− 50コンク、明成化学株式会社製) 0.5kg
【0070】(実施例2)補強用布帛としては、長さ約
100m、幅128cm(打ち込み106本)の綿布を
用いた。下記の配合のスラリーを調成後、炭粉を添加し
て、図4に示すような構成の長網抄紙機によって、補強
用布帛の供給を抄紙工程中に行い、重量135g/
2、厚さ0.3mmの炭粉含有補強紙(長さ100
m、幅130cm)を得た。なお、脱墨は行わなかっ
た。 針葉樹未晒クラフトパルプ(CSF 350ml) 100kg 紙繊維総量 100kg 活性炭粉(白鳥木材加工協同組合製、3mmふるい通過物) 30kg 定着剤(ポリアミン縮合物を主成分とするもの、商品名フィックスオイルE− 50コンク、明成化学株式会社製) 0.5kg
【0071】(実施例3)補強用布帛としては、長さ約
100m、幅128cm(打ち込み106本)の綿布を
用いた。下記の配合のスラリーを調成後、炭粉を添加し
て、図4に示すような構成の長網抄紙機によって、補強
用布帛の供給を抄紙工程中に行い、重量135g/
2、厚さ0.3mmの炭粉含有補強紙(長さ100
m、幅130cm)を得た。なお、脱墨は行わなかっ
た。 針葉樹未晒クラフトパルプ(CSF 350ml) 70kg 段ボール古紙 30kg 紙繊維総量 100kg 炭粉(製造例1のきのこ廃培地炭粉) 30kg 定着剤(ポリアミン縮合物を主成分とするもの、商品名フィックスオイルE− 50コンク、明成化学株式会社製) 0.5kg
【0072】(実施例4)原科、薬品の配合、重量は実
施例1と同様であるが、クルパック加工(縦方向6%収
縮)によって伸張性付与加工を施し、破断伸びが約5%
の伸張性のある炭粉含有補強紙を得た。
【0073】(実施例5)補強用布帛としては、長さ約
100m、幅128cm(打ち込み106本)の綿布を
用いた。下記の配合のスラリーを調成後、炭粉を添加し
て、図4に示すような構成の長網抄紙機によって、補強
用布帛の供給を抄紙工程中に行い、重量135g/
2、厚さ0.25mmの炭粉含有補強紙(長さ100
m、幅130cm)を得た。 針葉樹未晒クラフトパルプ(CSF 350ml) 100kg 紙繊維総量 100kg 炭粉(製造例1のきのこ廃培地炭粉) 30kg 定着剤(実施例1と同じ) 0.5kg
【0074】(実施例6)補強用布帛としては、長さ約
100m、幅128cm(打ち込み80本)の綿布を用
いた。下記の配合のスラリーを調成後、炭粉を添加し
て、図4に示すような構成の長網抄紙機によって、補強
用布帛の供給を抄紙工程中に行い、重量135g/
2、厚さ0.27mmの炭粉含有補強紙(長さ100
m、幅130cm)を得た。なお、脱墨は行わなかっ
た。 針葉樹未晒クラフトパルプ(CSF 350ml) 70kg 段ボール古紙 30kg 紙繊維総量 100kg 炭粉(製造例2の籾殻炭粉) 30kg 定着剤(実施例1と同じ) 0.5kg
【0075】(実施例7)補強用布帛としては、長さ約
100m、幅128cm(打ち込み80本)の綿布を用
いた。下記の配合のスラリーを調成後、炭粉を添加し
て、図4に示すような構成の長網抄紙機によって、補強
用布帛の供給を抄紙工程中に行い、重量135g/
2、厚さ0.25mmの炭粉含有補強紙(長さ100
m、幅130cm)を得た。なお、脱墨は行わなかっ
た。 針葉樹未晒クラフトパルプ(CSF 350ml) 70kg 段ボール古紙 30kg 炭粉(製造例3のおが屑炭粉) 対紙繊維総量 30kg 定着剤(実施例1と同じ) 0.5kg
【0076】(実施例8)補強用布帛としては、長さ約
100m、幅128cm(打ち込み80本)の綿布を用
いた。下記の配合のスラリーを調成後、炭粉を添加し
て、図4に示すような構成の長網抄紙機によって、補強
用布帛の供給を抄紙工程中に行い、重量135g/
2、厚さ0.27mmの炭粉含有補強紙(長さ100
m、幅130cm)を得た。なお、脱墨は行わなかっ
た。 針葉樹未晒クラフトパルプ(CSF 350ml) 100kg 紙繊維総量 100kg 椰子殻活性炭粉(白鳥木材加工協同組合製、3mmふるい通過物)30kg 定着剤(実施例1と同じ) 0.5kg
【0077】(実施例9)原科、薬品の配合、重量は実
施例8と同様であるが、クルパック加工(縦方向6%収
縮)によって伸張性付与加工を施し、破断伸びが約5%
の伸張性のある炭粉含有補強紙を得た。
【0078】(比較例)補強用布帛の供給を行わなかっ
た以外は、実施例1と同様に行い、重量135g/
2、厚さ0.24mmの炭粉含有紙(長さ100m、
幅130cm)を得た。
【0079】(実験)実施例1ないし9の炭粉含有補強
紙および比較例の炭粉含有紙を手で裂いてみた。比較例
の炭粉含有紙は、容易に裂くことが出来たが、実施例1
ないし5の炭粉含有補強紙では、裂くことが困難である
とともに、裂けるときに、補強用布帛の繊維が切れる音
がし、継続して強い力で裂かなければならなかった。
【0080】
【発明の効果】本発明の炭粉含有補強紙は、紙基材中に
多孔質炭粉が添加された炭粉含有紙であり、かつ、該炭
粉含有紙のほぼ全体に渡って広がる補強用布帛が炭粉含
有紙中に内在するように設けられているものであるの
で、含有する炭粉の機能低下がないとともに、かつ十分
な強度を有し、多くの用途に利用することができる。そ
して、この補強紙は、含有する炭粉により、吸湿、除臭
作用を発揮する。
【0081】さらに、前記炭粉含有補強紙は、抗菌剤、
殺虫剤、害虫忌避剤から選択される1以上の薬剤を担持
させることにより、吸湿、除臭作用のみならず、抗菌
剤、殺虫剤、害虫忌避作用も発揮する。そして、このよ
うな殺虫剤、害虫忌避作用を有することにより、紙自体
の害虫による劣化も少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例の炭粉含有補強紙の表
面図である。
【図2】図2は、本発明の実施例の炭粉含有補強紙の部
分斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施例の炭粉含有補強紙の部
分断面拡大図である。
【図4】図4は、本発明の炭粉含有補強紙の製造に用い
られる製造装置の一例を説明するための説明図である。
【図5】図5は、本発明のマットの実施例の断面図であ
る。
【図6】図6は、本発明のマットレスの実施例を示す部
分断面斜視図である。
【図7】図7は、本発明の衣服の実施例の一部分を示す
部分断面斜視図である。
【図8】図8は、本発明の敷物の実施例の一部分を示す
部分断面斜視図である。
【図9】図9は、本発明の畳の実施例の一部分を示す断
面図である。
【図10】図10は、本発明の建材の実施例の一部分を
示す斜視図である。
【図11】図11は、本発明の穀物用または果実用収納
具の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 炭粉含有補強紙 2 紙基材 3 多孔質炭粉 4 補強用布帛 10 抄紙機 20 マット 30 マットレス 40 衣服 50 敷物 60 畳 70 プリント合板 80 穀物用収納具

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙基材中に多孔質炭粉が添加された炭粉
    含有紙であり、かつ、該炭粉含有紙のほぼ全体に渡って
    広がる補強用布帛が炭粉含有紙中に内在するように設け
    られていることを特徴とする炭粉含有補強紙。
  2. 【請求項2】 前記補強用布帛は、炭粉含有紙抄紙工程
    中に抄き込まれたものである請求項1に記載の炭粉含有
    補強紙。
  3. 【請求項3】 前記補強用布帛は、紙基材に被覆されて
    おり露出していない請求項1または2に記載の炭粉含有
    補強紙。
  4. 【請求項4】 前記補強用布帛は、1枚物である請求項
    1ないし3のいずれかに記載の炭粉含有補強紙。
  5. 【請求項5】 前記補強用布帛は、織布、不織布、編布
    のいずれかである請求項1ないし4のいずれかに記載の
    炭粉含有補強紙。
  6. 【請求項6】 前記炭粉含有補強紙は、前記炭粉を5〜
    50重量%含有しているものである請求項1ないし5の
    いずれかに記載の炭粉含有補強紙。
  7. 【請求項7】 前記炭粉含有補強紙は、抗菌剤、殺虫
    剤、害虫忌避剤から選択される1以上の薬剤を担持して
    いる請求項1ないし6のいずれかに記載の炭粉含有補強
    紙。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の炭
    粉含有補強紙からなることを特徴とする家具用シート。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし7のいずれかに記載の炭
    粉含有補強紙からなることを特徴とする建築用シート。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし7のいずれかに記載の
    炭粉含有補強紙を用いた外層生地と、該外層生地により
    被包された空隙形成物とからなることを特徴とするマッ
    ト。
  11. 【請求項11】 外層布地と、該外層布地の内面側に設
    けられた請求項1ないし7のいずれかに記載の炭粉含有
    補強紙を有することを特徴とする寝具。
  12. 【請求項12】 外層布地と、該外層布地の内面側に設
    けられた請求項1ないし7のいずれかに記載の炭粉含有
    補強紙を有することを特徴とする衣服。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし7のいずれかに記載の
    炭粉含有補強紙が、畳表と畳床との間に介装されている
    ことを特徴とする畳。
  14. 【請求項14】 通気性表層シートと、通気性板状部材
    と、前記通気性表層シートと前記通気性板状部材体間に
    設けられた請求項1ないし7のいずれかに記載の炭粉含
    有補強紙からなることを特徴とする敷物。
  15. 【請求項15】 通気性表層シートと、該通気性表層シ
    ートの下面に設けられた請求項1ないし7のいずれかに
    記載の炭粉含有補強紙からなることを特徴とする敷物。
  16. 【請求項16】 襖紙の裏面に請求項1ないし7のいず
    れかに記載の炭粉含有補強紙が貼着されていることを特
    徴とする襖紙。
  17. 【請求項17】 天井材、壁材、床材又は内装化粧材の
    裏面に、請求項1ないし7のいずれかに記載の炭粉含有
    補強紙が貼着されているいることを特徴とする建材。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし7のいずれかに記載の
    炭粉含有補強紙を用いたことを特徴とする穀物用もしく
    は果実用収納具。
  19. 【請求項19】 通気性を備えた外面シートおよび内面
    シートと、該外面シートおよび該内面シート間に設けら
    れた請求項1ないし7のいずれかに記載の炭粉含有補強
    紙からなることを特徴とする穀物用または果実用収納
    具。
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JP10186846A Pending JP2000008294A (ja) 1998-06-16 1998-06-16 炭粉含有補強紙およびそれを用いたマット、敷物、衣服

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009279578A (ja) * 2008-04-22 2009-12-03 Shinten Kogyo Kk 油吸着体,油吸着体の保存方法及び油吸着部材
KR102620370B1 (ko) * 2022-12-23 2024-01-02 김숙희 단열기능과 친환경성이 우수한 이동식 목조주택

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